• 検索結果がありません。

Genetic and molecular characterization of a mutation that suppresses the eye morphology defects causedby optic morphology mutations in Drosophila ana7zassae

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Genetic and molecular characterization of a mutation that suppresses the eye morphology defects causedby optic morphology mutations in Drosophila ana7zassae"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 地 球 環境 科 学) モ ニカ ア コス タ エ トチ ェ ノヾ ル ネ

 Genetic and molecular characterization of a mutation   that suppresses the eye morphology defects caused by optic morphology mutations in Drosophila ana7zassae

(アナナスショウジョウノヾエの複眼の形態異常突然変異を      抑 制 す る 突 然 変 異 の 分 子 遺 伝 学 的 研 究 )

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  アナナスショウジョウバェの複眼形態異常を示す突然変異(Om)はある特定の系統から高い頻度 で多数出現してくる。この現象はこの種に特徴的で、tomと呼ばれる転移因子(動く遺伝子)がゲ ノム中を動くことによって弓|き起こされる。ショウジョウバェの複眼は規則正しく格子状に配列し た個眼から構成されて いるが、これらOm突然変異体の多くは、個眼の数が減少し、配列も不規則 になるなどの形態異常 を示す。これまでの研究によれぱ、挿入したtomによって近傍のある特定 の遺伝子が、複眼原基において異所的、もしくは過剰に発現し、複眼形態が異常となることが分っ ている。興味深いこと に、この突然変異多発系統からは、Om表現型を抑制する突然変異も得られ ている。本研究では、X染包体連鎖の抑制突然変異 のひとっであるOm(l j)Suについて分子遺伝

  第一章では、まず様々なOm突然変異に対するOm(l j)Suの抑制効果について調べた 。その結 果、Om突然変 異ごとに抑制の程度に差は見 られたが、この抑制突然変 異は調べた限りすべての Om突然 変異 に対 し て抑 制的 に働 くこ と が分 った 。この ことから、Om(l j)SuはOm突 然変異を 特異的に抑制 する突然変異であると結諭し た。次に、この抑制突然変異とゲノム中のtomの挿入 位置との関連 について調査した。4っのOm(l j)Su系統についてtomの挿入位置を調ぺたところ、

10個から40個程度のtomが真 正染包質領域の様々な場所に 挿入していることが分った が、これ らtom挿入点のうち、たった1カ所、X染色体のバンド6Cだ けがすべての系統で共通し ていた。

また、このバ ンドはOm(l j)Suの遺伝学的 地図上の位置と矛盾していないことから、抑制突然変 異 で あ る O'rn(l j)Su自 身 も tomの 挿 入 に よ っ て 生 じ て い る と 結 諭 し た 。   多くのOm突 然変異が示す複眼の形態異常 は複眼原基における細胞死 に由来すること、さらに tom自身も複眼 原基で発現していることがこれまでの研究で示されてきた。そこで、〇m突然変異 のひとっである〇m(1」り9と〇m卩リ跏両方を持っ抑制個体(複眼は野生型に近い)の複眼原基で の細胞死とめmの発現を観察した。その結 果、細胞死、めmの発現共に 抑制個体では減少してい

1460 ‑

(2)

ることが分った。この 結果から、〇m卩j)Su遺伝子 はtomの発現を調節する機能 を持っているこ と 、 さ ら に 個 眼 の 細 胞 が 死 ん で ゆ く 過 程 に も 関 与 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。   第二章では、O'rn複 眼形態異常の抑制に働く遺伝子の同定を試みた。当研究室では、これまで にOm(l j)Su領 域 と 推定 さ れるX染色 体 パン ド6Cから 、tom挿 入点 片 側14.5 kb、 反対 側1kb にわたるゲノムをトラ スポゾンタギング法を用いて クローン化した。この領域内にOm(l j)Su遺 伝子の候補となる遺伝 子が存在するかどうか知るた めに、ハエの各発生段階からRNAを抽出し、

クローン化したゲノム領域をブローブとして、ノーザン解析を行った。その結果、14.5 kbの領域 内に少なくとも3個の遺 伝子が存在することが分っ た。これらの遺伝子の中に〇m(IJ)Su遺伝子 があるかどうか確かめるために、復帰突然変異体を作成した。7―線を用いて〇m(l j)Su〇m(1D)9 系統(複眼は野生型に近い)に突然変異を誘発させ、Orn(1D)9表現型を示す個体を選抜レ復帰突然 変異体とした。この復 帰突然変異体はOm(1D)9表現型が抑制されていないことから、7一線によっ て〇m(lj)Su遺伝子領域 に何らかの異常が生じてい ると予想される。この異常を見っけることに よってOm(lj)Su遺伝子 を特定できると考え、〇m(l j)Su領域と推定されるゲノ ムの構造をサザ ン法によって調べた、。その結果、クローン化したゲノム領域内からはゲノム構造の異常を見出すこ とはできず、この方法で抑制遺伝子を特定することはできなかった。

  第三章では、〇m(l j)Su領域と推定されるゲノム 領域から見っかった3個の遺伝子のなかにOm 表現型の抑制に関与す るものがあるかどうかについて、さらに調ぺるために、これらの遺伝子の 塩基配列を決定し、複 眼原基における発現パターン を調べた。これらの遺伝子 のcDNAをクロー ン化し、塩基配列を決定、予想される機能に基づぃて、各々の名前をruby‑like、carbo、lysoとし た。塩基配列の解析から、ruby‑like遺伝子の産物は非クラスリン被覆小胞の再生過程に関与する シャベロンと推定された。また、carboはカルボキシル化酵素、lysoはりゾホスホリパーゼをコー ドすると推定された。これらの遺伝子の発現を胚と三齢幼虫複眼原基で観察したが、Om(l j)Su個 体と野生型個体におい て発現パターンに差は見られ なかった。従って、これら 遺伝子はOm抑制 には関与していないと 予想された。抑制遺伝子を特 定するためには、to'm挿入点からわずか1kb しか クロ ー ン化 され てい ない ゲ ノム 方向 のク ロー ン 化と 解析 が必 要 であ ると 考え られる。

  tom挿入点付近の塩基 配列を決定したところ、tom挿入点の配列は、挿入標的 配列として知ら れている、TATAT配列と 一致していること、またruby‑like遺伝子の3 側はtom挿入によって分 断されている可能|陸があることなどが分った。さらに、この部分には反復配列が存在しおり、これ がゲノムのクローン化を困難にしている原因であると考えられる。

1461 ‑

(3)

学位 論文審査の要旨 主 査    教 授    木 村 正 人 副 査    教 授    高 木 信 夫 副査    助教授   瀧谷重治

 Genetic and molecular characterization of a mutation   that suppresses the eye morphology defects caused by optic morphology mutations in Drosophila ananassae

(アナナスショウジョウバェの複眼の形態異常突然変異を      抑 制 す る 突 然 変 異 の 分 子 遺 伝 学 的 研 究 )

  アナナスショウジョウバェの複眼形態異常を示す突然変異(Om)はある特定の系統から高い頻度 で出現してくる。この現象はこの種に特徴的で、tomと呼ばれる転移因子(動く遺伝子)がゲノム 中を動くことによって弓1き起こされる。ショウジョウバェの複眼は規則正しく格子状に配列した個 眼か ら構成 されて いるが 、これ らOm突然変具体の多くは、個眼の数が減少し、配列も不規則に なる などの 形態異常を示す。これまでの研究によれぱ、挿入したtomによって近傍のある特定の 遺伝子が、複眼原基において異所的、もしくは過剰に発現し、複眼形態が異常とぬることが分って いる。興味深いことに、この突然変異多発系統からは、Om表現型を抑制する突然変異も得られて いる 。本研 究では 、X染色 体連鎖 の抑制 突然変異 のひと っであるOm(IJ)Suについて分子遺伝学 的解析を行なった。

  第一 章では、まず様々ナょ〇m突然変具に対するOm(IJ)Suの抑制効果にっいて調ぺた。その結 果、Om突然変 異ごと に抑制 の程度 に差は見られたが、この抑制突然変異は調べた限りすぺての Om突然 変 具 に 対し て 抑 制 的に 働 く こ とが 示され た。こ のこと から、Om(lj)SuはOm突 然変異 を特 異的に 抑制する突然変異であると結諭した。次に、この抑制突然変呉とゲノム中のtomの押 入位 置との 関連に っいて 調査し た。4っ のOm(IJ)S'u系 統にっいてtomの押入位置を調ぺたとこ ろ、10個から40個隠度のtomが真正染色質領域の様々な場所に押入していることが分ったが、こ れ らtom押 入 点 のう ち、ただ1カ所、X染色体 の6C部 位だけが すぺて の系統 で共通 してい た。

また 、この 部位はOm(lj)Suの遺 伝学的地図上の位置と矛盾していなぃことから、抑制突然変異 で あ る Om(IJ)S, 自 身 も tmの 挿 入 に よ っ て 生 じ て い る と 結 諭 さ れ た 。   多く のOm突然 変昊が 示す複 眼の形態異常は複眼原基における細胞死に由来すること、さらに tom自身 も複眼原基で発現していることがこれまでの研究で示されてきた。そこで、Om突然変異

1462

(4)

のひ とっで あるOm(ID)9とOm(IJ)Su両方 を持つ 抑制個 体(複 眼は野 生型に近い)の複眼原基で の細 胞死とtomの発現 を観察 した。 その結 果、細胞死、tomの発現共に抑制個体では減少してい るこ とが明 らかに ぬった。 この結 果から 、Om(IJ)Su遺 伝子はtomの発現を調節する機能を持っ て い るこ と 、 さ らに 個 眼 の 細胞 が 死 ん でゆ く 過 程にも関 与して いる可 能性が 示唆さ れた。

  第二 章では 、Om複眼 形態異 常の抑 制に働 く遺伝 子の同定 を試み た。こ れまで にOm(IJ)Su領 域 と 推定 さ れ るX染 色体6C部 位か ら 、tom挿入 点 片側14.5 kb、反対 側1kbにわ たるゲ ノムが トラスボゾンタギング法を用いてクロ―ン化されている。この領域内にOm(lj)S, 遺伝子の候補 とな る遺伝 子が存 在するかどうか知るために、ハエの各発生段階からRNAを抽出し、クローン化 したゲノム領域をプロープとして、ノーザン解析を行った。その結果、14.5 kbの領域内に少なく とも3個の遺 伝子が 存在す ることが 明らか になっ た。こ れらの 遺伝子の中にOm(IJ)Su遺伝子が ある かどう か確か めるため に、復 帰突然 変具体 が作成 された 。0線を用いてOm(lj)Su Om(1D)9 系統(複眼は野生型に近い)に突然変異を誘発させ、Om(1D)9表現型を示す個体を選抜し復帰突然 変具 体とし た。こ の復帰突 然変異 体はOm(1D)9表現型が抑制されていなぃことから、0線によっ てOm(l j)Su遺伝子 領域に何らかの異常が生じていると予想される。この異常を見っけることに よっ てOm(lj)Su遺 伝子を 特定でき ると考 え、Om(IJ)Su領域と 推定さ れるゲ ノムの 構造を サザ ン法によって調ぺた。その結果、クローン化したゲノム領域内からはゲノム構造の異常を見出すこ と は で き ず 、 こ の 方 法 で 抑 制 遺 伝 子 を 特 定 す る こ と は で き ナ ょ か っ た 。   第三 章では 、Om(lj)Su領 域と推 定され るゲノム 領域か ら見っ かった3個の遺伝子のなかにOm 表現型の抑制に関与するものがあるかどうかにっいて、さらに調べるために、これらの遺伝子の 塩基 配列を 決定し 、複眼原 基にお ける発 現バターンを調ぺた。これらの遺伝子のcDNAをクロ―

ン化し、塩基配列を決定、予想される機能に基づぃて、各々の名前をruby‑like、carbo、lysoとし た。塩基配列の解析から、ruby‑like遺伝子の産物は非クラスリン被覆小胞の再生過程に関与する シヤベロンと推定された。また、carboはカルボキシル化酵素、lysoはりゾホスホリパ―ゼをコ―

ドすると推定された。これらの遺伝子の発現を胚と三貴お幼虫複眼原基で観察したが、Om(l刀.9u個 体と 野生型 個体に おいて発 現バタ ーンに 差は見られなかった。従って、これら遺伝子はOm抑儲 には 関与し ていな ぃと予想 された 。抑制 遺伝子を特定するためには、tom挿入点からわずか1kb し か クロ ー ン 化 され て い ぬ ぃゲ ノ ム 方 向の ク ロ ーン化と 解析が 必要で あると 考えら れる。

  この 研究は 、抑制 突然変 異Om(IJ)Suの 遺伝学的 な性質 を調べ るとと もに、Om(lj)Suの抑制 作用の細胞学的特徴を明らかにし、抑制機欝の理解に重要な知見をもたらした。また、Om(lj)遺 伝子の同定までには至らなかったが、Om(IJ)遺伝子の分子レベルでの解析に必要な基礎的情報を 与えた。

  審査員ー同は、これらの研究成果を評価し、

学院課程における研饋や取得単位なども併せ、

資格を有するものと判定した。

また、研究に対する姿勢も誠実かっ熱´瀞あり、大 申請耆が博士(地球環境)の学位を受けるに十分な

1463

参照

関連したドキュメント

Two novel mutations, both affecting highly conserved amino acids and one previously reported mutation responsible for PXE have been identified. To the best of our knowledge, this is

In the present species, Oligobrachia mashikoi , however, the number of segments exceeded 40, even in the middle region of the opisthosoma, and was sur- mised to be over 50 in total

et al.: Sporadic autism exomes reveal a highly interconnected protein network of de novo mutations. et al.: Patterns and rates of exonic de novo mutations in autism

Standard domino tableaux have already been considered by many authors [33], [6], [34], [8], [1], but, to the best of our knowledge, the expression of the

From a theoretical point of view, an advantage resulting from the addition of the diffuse area compared to the sharp interface approximation is that the system now has a

An example of a database state in the lextensive category of finite sets, for the EA sketch of our school data specification is provided by any database which models the

Fitting the female AD incidence data by the ordered mutation model with the value of the susceptible fraction set equal to f s ¼ 1 gives the results plotted in Figure 5(a).. Notice

This applies to the case where the induced action 1 ϕ acts transitively on the base manifold and states that each point in the bundle gives rise to a bijection between the set