博 士 ( 工 学 ) 平 谷 康 治
学 位 論 文 題 名
筒内直接噴射式火花点火機関の熱効率向上に関する研究
(A study on thermal efficiency improvement in direct injection spark ignition engines)
学位論文内容の要旨
ガ ソ リ ン エ ン ジ ン は デ ィー ゼ ル ェ ン ジン と 比 較 し て 熱効 率 が 低 い が. そ の 要 因 とし て 火 花 ノ ッ ク を 回 避 す る た め に 圧 縮比 を 高 く 取 れな い こ と に 起因 し て 理 論 熱効 率 が 低 い こ とが 挙 げ ら れ る . さ ら に 火 炎 伝 播 型予 混 合 燃 焼 を行 う こ と と 三元 触 媒 に よ る排 気 浄 化 を 前 提と す るこ と か ら , 量論 比 燃 焼 を 強 いら れ る こ と も効 率 向 上 の 妨げ に をって いる. 実際 の内燃 機 関 の 損 失 に は 理 論 熟 効 率 で は 考慮 さ れ を い 冷却 損 失 お よ びポ ン プ 損 失 をど が 加 わ る が ,量 論 比 燃 焼 は 燃 焼 温 度 が 高 い た め冷 却 損 失 が 大き く を る の みを ら ず , 部 分負 荷 で は 吸 気 絞り が 必 要 に を る た め ポ ン プ 損 失 が増 加 し , デ ィー ゼ ル エ ン ジン と の 熟 効 率の 差 異 は さ ら に顕 著 にを る .
本 研 究 は , これ ら の 熱 効 率低 下 要 因 を 踏ま え , 筒 内 に 直接 燃 料を 噴射す る直 接噴射 式ガソ リ ンエ ン ジ ン ( 直噴 ガ ソ リ ン エ ンジ ン ) に よ る熱 効 率 向 上 手法 の 確立を 目的と した .直噴 ガ ソ リ ン エ ン ジ ン は , 燃 料 噴 射 の時 期 お よ び 回数 を 最 適 に 設定 す る こ と で混 合 気 の 能 動 的を 形 成 が 可 能 で あ る こ と か ら , これ を 駆 使 す るこ と で 希 薄 燃焼 お よ び 高 圧縮 比 化 に よ る 熱効 率 向上 が 期 待 で きる ,
最 初 に 均 一 混 合 気 を 用 いて 希 薄 燃 焼 を実 現 さ せ る 圧 縮自 己 着 火 燃 焼を 検 討 し た .ガ ソ リ ン を 燃 料 と し た 圧 縮 自 己 着 火 燃焼 の 基 本 特 性を 把 握 す る ため に , 自 然 吸気 に お い て 吸 気温 度 ,空 燃 比 お よ び吸 気 組 成 の 影 響を 検 討 し . 以下 の 知 見 を 得た .
(1) 燃 焼 開 始 時期 は 吸 気 温 度に よ り , 燃 焼期間 は空燃 比に より, それぞ れ制御 可能 である . (2)最 大 負 荷 は安 定 限 界 線 とノ ッ キ ン グ 限界 線 の 交 点 で得 ら れ , 機 関 回転 速 度 と 圧 縮比 によ り 一 義 的 に 決 定 さ れ る . 最 大 負 荷 と 同 一 条 件 で 最 高 熱 効 率 が 得 ら れ る . さ ら に , 負 の オ ー バ ー ラッ プ の 設 定 が可 能 を 吸 ・ 排 気カ ム を 用 い て積 極 的 に 排 気を 残 留 さ せる 大 量 内 部EGRの 効 果 を検 討 し た 結 果. 以 下 の 知 見を 得 た .
(3)自 然 吸 気 の結 果 と 同 様 に, 圧 縮 比 が 低い ほど ,機関 回転速 度が高 いほど ,大 きな負 のオー バ ーラ ッ プ に よ る高 温 化 が 必 要 とな る .
次 に , ガ ソ リン 圧 縮 自 己 着火 燃 焼 に 関 し, 直 噴 ガ ソ リ ンエ ン ジン の燃料 噴射 時期に 対する 高 い 自 由 度 を 利 用 し , 以 下 の 三 種 類 の 燃 料 噴 射 に つ い て 検 討 し た , (a)燃 料 の 着 火性 向 上 効 果 を期 待 し , 負 のオ ー バ ー ラ ップ 期 間 中 の 高 温ガ ス 中 に 噴 射を 行う 負 のオ ー バ ー ラ ップ 期 間 中 噴 射
(b)均 一 を 混 合気 を 生 成 す るた め の 吸 気 行程 噴 射
(c)成 層 混 合 気を 生 成 し , 着火 時 期 制 御 を目 的 と し た 圧縮 行 程 噴 射
実 験 で は , 噴射 の 時 期 や 噴射 量 を パ ラ メー タ と し て 検 討す る とと もに, これ ら燃料 噴射を 適 宜組 み 合 わ せ るこ と に よ り 圧 縮着 火 燃 焼 の 運転 領 域 拡 大 を試 み た.そ の結果 .以 下の知 見 を 得た .
(4)負 の オ ー バ ー ラ ッ プ 期 間 中 の 燃 料 噴 射 に よ り 圧 縮 自己 着 火 燃 焼 の希 薄 限 界 は 大き く 拡 大 す る . こ の 際 , 一 般 的 に 混 合 気 の 成 層 化 で 回 避 で き を いNOxの 増 大 は 生 じ を い . (5)負 の オ ー バ ー ラ ッ プ 期 間 中 に 全 燃 料 量 を 噴 射 す る 場合 と 比 較 し ,一 部 の 燃 料 量を 負 の オ ー′ ヾ ー ラ ッ プ期 間中 に噴 射し, 残りを 吸気行 程に噴 射す ること により .圧縮 自己 着火燃 焼 の 希薄 限 界 は さ らに 拡 大 す る と とも に 燃 費 が 改善 す る .
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(6)最 良 燃 費 を 得 る た めの 負 の オ ー バー ラ ッ プ 期 間中 の 噴 射 量 は負 荷 に よ り 異 をり , 負 荷 の 増 加 と と も に 滅少 す る .
直 噴 ガ ソ リ ン 圧 縮 自 己 着 火 燃 焼 にお け る 諸 特 性の 検 討 に 続 き, 混 合 気 の 成 層化 に よ る 希 薄 燃 焼 に 関 す る新 し い 混 合 気形 成 手 法 を 考案 し , そ の 燃焼 特 性 の 解 明 を試 み た. 燃料噴 射弁 を 燃 焼 室 中 央 に, 点 火 プ ラ グを 近 く に そ れぞ れ 配 置 し ,従 来 の ウ ォ ー ルガ イ ドコ ンセプ トの 特 徴 で あ る 安 定 領 域 を 広 く で き る 新 たを 成 層 燃 焼 法 とし て 循 環 流 コン セ プ ト を 考案 す る と と も に , そ の 基本 的 を 特 性 を検 討 し た 結 果, 以 下 の 知 見を 得 た ,
(7)高 圧 一 流 体 の 燃 料 噴 射 弁 を 用 い て ピ ス ト ン キ ャ ビ テ ィ 内 に循 環 流 動 を 励 起す る こ と で 成 層 混 合 気 を 形 成 す る 新 し い コ ン セ プ ト を 提 案 し た . こ れ に よ り 大 量EGR下 で も 安 定 し た 燃 焼 が 得 ら れ ,NOxを 極 め て 低 い レ ベ ル ま で 低 下 す る こ と が で き た . (8)高 い 燃 料 噴 射 圧 カ の高 圧 化 に よ り, 循 環 流 の 形成 , 気 化 促 進に よ る 壁 流 の 防止 , お よ び 燃 焼 速 度 促 進 に よ る 燃 焼 安 定 性 の 確 保 が 可 能 と を る . 燃 焼 安 定 性 確 保 に は30 MPa以上 の 燃 圧 が 必 要 で ある .
(9)燃 料 消 費 率 は , ピ スト ン キ ャ ビ ティ 内 お よ び その 上 部 容 積 に強 い 影 響 を 受 け, そ の 程 度 は 機 関 負 荷 に 依存 す る .
さ ら に ,新 た を 循 環 流コ ン セ プ ト 成 層燃 焼 に お い て, ピ ス ト ン キャ ビ テ ィ 容積 により 良好 を 燃 費 が 得 ら れ る 機 関 負 荷 が 制 限 さ れる 難 点 を 解 消 する た め , 大 きを キ ャ ビ テ ィ内 に 同 心 円 状 の 小 さ を キャ ビ テ ィ を 有す る ピ ス ト ンを 考 案 す る とと も に , そ の 特性 を 検討 した結 果,
以 下 の 知 見 を 得た .
(10)低 負 荷 条 件 で 内 側 キ ャ ピ テ ィ , 高 負 荷 条 件で 外 側 キ ャ ピテ ィ を 用 い るこ と に よ り ,ひ と つ の キ ャ ピ テ ィ 形 状 で , 従 来 の 単 一キ ャ ビ テ ィ で は実 現 で き を かっ た 広 い 負 荷範 囲 に お い て 低NOxで 安 定 し た 成層 燃 焼 が 実 現で き る .
(11)内 側 キ ャ ビ テ ィ に お い て も , キ ャ ビ テ ィ 底面 お よ び 側 壁を 利 用 し た 混合 気 形 成 過 程が 観 察 さ れ た こ とか ら , 循 環 流コ ン セ プ ト の効 果 を 確 認 でき た .
(12)内 側 キ ャ ビ テ ィ を 用 い た 循 環 流 コ ン セ プ トに お い て も ,負 荷 に よ っ て燃 費 に 対 す る最 適 を 内 側 キ ャ ピテ ィ の 容 積 が異 を る .
こ れ ま で の 希 薄 燃 焼 に 関 す る 燃 焼特 性 の 解 明 に続 き , 高 圧 縮比 化 を 行 う た めに 高 負 荷 で の 混 合 気 成 層 化 が 耐 ノ ッ キ ン グ 性 を どの 燃 焼 特 性 に 及ば す 影 響 を 調査 し た . 筒 内の 混 合 気 成 層 化 を 模 擬 で き る 一 次 元 ノ ッ キ ン グ予 測 プ ロ グ ラ ムを 開 発 し , 合わ せ て 単 気 筒工 ン ジ ン を 用 い た 実 験 によ り 検 証 を 行う こ と に よ り, 以 下 の 知 見を 得 た .
(13)本 プ ロ グ ラ ム に より 成 層 混 合 気を 用 い た ト レー ス ノ ッ ク 点火 時 期 の 進 角 効果 お よ び 機 関 ト ル ク 向 上 効果 が 予 測 可 能で あ る ,
(14)圧 縮 比15に お い て , 燃 焼 室 の 中 心 付 近に や や り ッ チを , 周 辺 に や や希 薄 を 成 層 混合 気 を 形 成 す る こと に よ り ,1゜ 程 度 の ト レー ス ノ ッ ク 点 火時 期 の 進 角 効果 が 得 ら れ ,最 大 ト ル ク が2〜4パー セ ン ト 程 度向 上 す る .
(15)圧 縮 比 が 低 い 場 合で も , 成 層 混合 気 の 形 成 は低 回 転 で の プレ イ グ ニ ッ シ ョン 防 止 に 効 果 が あ る .
以 上 本 研 究 に よ り , 直 噴 ガ ソ リ ンエ ン ジ ン に おい て サ イ ク ル中 の 燃 料 噴 射 時期 や 噴 射 回 数 を 自 由 に 設 定 で き る 利 点 を 駆 使 す る新 た を 成 層 希 薄燃 焼 を 提 唱 し, そ の 燃 焼 特性 を 解 明 す る と と も に 熟 効 率 お よ び 全 負 荷 ト ル ク の 向 上 が 可 能 に を る こ と を 明 ら か に し た .
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学位論文審査の要 主査 副査
副査 副査
教授 教授 教授 准教授
小川 近久 永田 柴田
学 位 論 文 題 名
兀
筒内直接噴射式火花点火機関の熱効率向上に関する研究
(A study on thermal efficiency improvement in direct injection spark ignition engines)
ガ ソ リ ン エ ン ジ ン は デ ィ ー ゼ ルェ ンジ ン と比 較し て 熱効 率が 低 いが 。そ の 要因 とし て 火 花 ノ ッ ク を 回 避 す る た め に 圧 縮 比を 高く 取 れを いこ と や. 三元 触 媒を 前提 と した 排気 浄 化 の た め に 量 論 比 燃 焼 を 強 い ら れ るこ とに よ るポ ンプ 損 失や 冷却 損 失の 増大 を どが 挙げ ら れ る . 本研 究は , これ らの 熱 効率 低下 要 因を 踏ま え ,混 合気 の 能動 的を 形 成が可能な筒 内直接 噴 射 式 ガ ソ リ ン エ ン ジ ン ( 直 噴 ガソ リン エ ンジ ン) に よる 熱効 率 向上 手法 の 確立 を目 的 し て い る,
最 初 に , ガ ソ リ ン を 燃 料 と し た均 一圧 縮 自己 着火 燃 焼の 基本 特 性を 検討 し ,最 大負 荷 お よ び 最 高 熱 効 率 は 安 定 限 界 線 と ノッ キン グ 限界 線の 交 点で 得ら れ るこ とを 明 らか にし て い る . さ ら に , 負 の オ ー バ ー ラ ッ プ の 設 定 が 可 能 を 吸 ・排 気 カム を用 い て大 量内 部EGRの 効 果 を 検討 し, 自 然吸 気と 同 様に ,低 圧 縮比 で高 機 関回 転速 度 ほど ,大 き を負のオーバ ーラッ プ に よる 高温 化 が必 要と を るこ とを 示 して いる ,
以 上 の 基 本 特 性 を 踏 ま え , 直 噴化 によ る 燃料 噴射 時 期の 高い 自 由度 を利 用 し, 負の オ ー バ ー ラ ッ プ 期 間 中 噴 射 , 吸 気 行 程噴 射, 圧 縮行 程噴 射 につ いて 検 討す ると と もに ,こ れ ら 燃 料 噴 射 を 適 宜 組 み 合 わ せ る こ とに より 圧 縮着 火燃 焼 の運 転領 域 拡大 を試 み てい る. 負 の オ ー バ ー ラ ッ プ 期 間 中 噴 射 に よ り燃 焼の 希 薄限 界は 大 きく 拡大 し ,一 般的 に 混合 気の 成 層 化 で は 回 避 で き な いNOxの 増 大 が 生 じ な い こ と を 示 し てい る. 一 方, 負の オ ーバ ーラ ッ プ 期 間 中 に 全 燃 料 量 を 噴 射 す る 場 合と 比較 し ,一 部の 燃 料量 を負 の オー バー ラ ップ 期間 中 に 噴 射 し, 残り を 吸気 行程 に 噴射 する こ とに より , 燃焼 の希 薄 限界 はさ ら に拡大すると ともに 燃 費 が改 善す る こと ,ま た ,最 良燃 費 を得 るた め の負 のオ ー バー ラッ プ 期間中の噴射 量は負 荷 の 増加 とと も に減 少す る こと を示 し てい る.
次 に , 従 来 の ウ ォ ー ル ガ イ ド コン セプ ト の特 徴で あ る安 定領 域 を広 くで き る新 たを 成 層 燃 焼 法と して , 高圧 一流 体 の燃 料噴 射 弁を 燃焼 室 中央 に配 置 し, ピス ト ンキャビティ 内に循 環 流 動 を 励 起 す る こ と で 成 層 混 合気 を形 成 する 循環 流 コン セプ ト を考 案し , その 基本 的 な 特 性 を 検 討 し て い る . こ れ に よ り 大 量EGR下 で も 安 定 し た 燃 焼 が 得 ら れ 。NOxを 極め て 低 い レ ベル まで 低 下す ると と もに ,燃 料 噴射 圧カ の 高圧 化に よ り, 循環 流 の形成,気化 促進に よ る 壁流 の防 止 ,お よび 燃 焼速 度促 進 によ る燃 焼 安定 性の 確 保が 可能 と をること,お よび燃 焼 安 定性 確保 に は30 MP・a以上 の燃 圧 が必 要で あ るこ とを 示 して いる . また,燃料消 費率は ピ ス ト ン キ ャ ビ テ ィ 内 お よ び そ の上 部容 積 に強 い影 響 を受 け, そ の程 度は 機 関負 荷に 依 存 す る こと を明 ら かに して い る,
さ ら に , 循 環 流 コ ン セ プ ト に おい て, ピ スト ンキ ャ ピテ ィ容 積 によ り良 好 を燃 費が 得 ら れ る 機 関 負 荷 が 制 限 さ れ る 難 点 を解 消す る ため ,大 き をキ ャビ テ ィ内 に同 心 円状 の小 さ を キ ャ ピテ ィを 有 する ピス ト ンを 考案 し ,そ の特 性 を検 討し て いる .低 負 荷条件で内側 キャビ
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ティ ,高 負 荷条 件で 外 側キ ャピ テ ィを 用い る こと によ り ,ひ とつ の キャ ビテ ィ 形状で ,従来 実 現 で き な か っ た 広 い 負 荷 範 囲 に お い て 低NOxで 安 定 し た 成 層 燃 焼 が 実 現 で き る こ と を 示し てい る .こ の際 , 内側 キャ ビ ティ にお い ても ,キ ャ ビテ ィ底 面 およ び側 壁 を利用 した混 合気 形成 過 程が 観察 さ れ, 循環 流 コン セプ ト の効 果を 確 認す ると と もに 。内 側 キャビ ティを 用 い た 循 環 流 コ ン セ プ ト に お い て も .負 荷 によ って 燃 費に 対す る 最適 を内 側 キャ ビテ ィ の 容積 が異 を るこ とを 確 認し てい る .
こ れ ま で の 希 薄 燃 焼 に 関 す る 燃 焼 特性 の 解明 に続 き ,筒 内の 混 合気 成層 化 を模 擬で き る 一 次 元 ノ ッ キ ン グ 予 測 プ ロ グ ラ ム を 開発 し ,合 わせ て 単気 筒エ ン ジン を用 い た実 験に よ る 検 証 を 行 う こ と に よ り , 高 圧 縮 比 化 を行 う ため に高 負 荷で の混 合 気成 層化 が 耐ノ ッキ ン グ 性 を ど の 燃 焼 特 性 に 及 ぼ す 影 響 を 調 査し て いる .本 プ ログ ラム に より 成層 混 合気 を用 い た ト レ ー ス ノ ッ ク 点 火 時 期 の 進 角 効 果 およ び 機関 トル ク 向上 効果 が 予測 可能 で ある こと , 圧 縮 比15に お い て 燃 焼 室 の 中 心 付 近 に や や り ッ チ で 周 辺 に や や 希 薄 を 成 層 混 合 気 を 形 成 す る こ と に よ り ,1゜ 程 度の トレ ー スノ ック 点 火時 期の 進 角効 果が 得 られ .最 大 トル クが2〜4 パー セン ト 程度 向上 す るこ と, お よび 圧縮 比 が低 い場 合 でも 。成 層 混合 気の 形 成は低 回転で のプ レイ グ ニッ ショ ン 防止 に効 果 があ るこ と を明 らか に して いる .
こ れ を 要 す る に , 著 者 は 直 噴 ガ ソ リン エ ンジ ンに お いて サイ ク ル中 の燃 料 噴射 時期 や 噴 射 回 数 を 自 由 に 設 定 で き る 利 点 を 駆 使す る 新た を希 薄 燃焼 法を 提 唱し ,そ の 特性 を解 明 す る と と も に 性 能 向 上 が 可 能 に を る こ とを 明 らか にし て おり .エ ン ジン シス テ ム工 学に 対 し て貢 献す る とこ ろ大 を るも のが あ る, よっ て 著者 は, 北 海道 大学 博 士( 工学 ) の学位 を授与 され る資 格 ある もの と 認め る.
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