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NUDT15 遺伝子多型との相関性に関する多施設共同研究(MENDEL Study) 

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業  難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 

分担研究報告書(平成 28 年度) 

 

炎症性腸疾患患者におけるチオプリン関連副作用と 

NUDT15 遺伝子多型との相関性に関する多施設共同研究(MENDEL Study) 

 

  研究協力者  角田洋一    東北大学病院・消化器内科    助教 

  研究協力者  木内喜孝  東北大学高度教養教育学生支援機構・臨床医学開発室    教授   

  研究要旨: 

炎症性腸疾患における有用な治療選択肢であるチオプリン製剤において、投与後早期に発症する白血 球減少症や脱毛などの副作用が NUDT‑R139C 遺伝子型で規定されていることが明らかになったことか ら、多施設での後ろ向き確認研究および臨床応用に向けたデータの作成、キット開発を行う。 

 

共同研究者 

内藤健夫、花井洋行2、飯田貴之2,佐々木誠人

3、岡庭紀子3、中村志郎4、高川哲也4、西田淳 史5、久松理一6、小林 拓7、篠崎 大8、小野寺  馨9、石黒 陽10、志賀永嗣11、櫻庭裕丈12、平岡 佐規子13、長沼 誠14、穂苅量太15、桂田武彦

16、梁井俊一17、本谷 聡18、石原俊治19、藤谷幹 浩20、新井勝大21、中川倫夫22、加藤 順23、野 口光徳24、遠藤克哉1、安藤 朗5、鈴木康夫25、 下瀬川 徹1(東北大学 1、浜松南病院 2、愛知医 科大学 3、兵庫医科大学 4、滋賀医科大学 5、杏 林大学 6、北里大学北里研究所病院 7、東京大学 医科学研究所附属病院 8、札幌医科大学 9、国立 病院機構弘前病院 10、秋田大学 11、弘前大学 12、岡山大学 13、慶應義塾大学 14、防衛医科大 学校 15、北海道大学 16、岩手医科大学 17、札幌 厚生病院 18、島根大学 19、旭川医科大学 20、国 立成育医療研究センター21、千葉大学 22、和歌 山県立医科大学 23、野口胃腸内科医院 24、東邦 大学医療センター佐倉病院 25 

A. 研究目的 

  クローン病・潰瘍性大腸炎のいずれの炎症 性腸疾患の治療でも重要で有効な薬剤である チオプリン製剤は、以前からその不耐性が問に なっている。2014 年に韓国よりチオプリンによ

る白血球減少症が NUDT15 遺伝子の R139C 多型 と相関するという報告があり、日本でも同様の 相関と、さらに脱毛はほぼ完全に相関する可能 性が示された。つまり事前にこの多型を調べる ことで、患者側の服用への不安感が解消され、

さらに白血球減少による入院などを回避でき る可能性がある。 

本研究では、全国的な過去のチオプリン製剤 による重篤な副作用との相関性を、実際に受託 検査として運用を開始しながら確認し、臨床応 用を目指す。また、例外症例の遺伝的背景の検 討や、他の炎症性腸疾患治療薬の不耐性との相 関性もあわせて検討する。 

 

B. 研究方法 

全国の研究参加施設において、倫理委員会の 承認ののち、通院中の患者で以下の条件を満 たしたものを対象とする。①書面で遺伝子研 究に関する同意を得られている、②炎症性腸 疾患としての診断がなされている、③チオプ リン、5ASA、抗 TNFα抗体製剤での治療歴が ある。対象患者より末梢血を採取し、LSI メ  ディエンス社で DNA 抽出と、NUDT15 R139C 多 型の同定を TaqMan 法を用いて行う。検査結果 と DNA 検体を東北大学に集積し、R139C 多型

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と各種薬剤の副作用との相関解析と、他の遺 伝的背景がないか全ゲノム解析を行う。 

(倫理面への配慮) 

臨床検体を用いた遺伝子解析であり、国の

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指 針」と「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関す る倫理指針」を厳守し、また実施責任施設で ある東北大学医学系研究科倫理委員会の承認 を得て行っている。また、各研究参加施設で も、東北大学の倫理申請に基づき、各施設で の倫理委員会の承認を得てから参加を行って いる。 

C. 研究結果 

MENDEL Study には34施設の参加希望があ り、2017 年 1 月現在 22 施設 1104 例の症例 登録を得た。そのうち、チオプリンの使用歴 があるものが 567 例で、そのうち中間解析と して 365 症例の解析を行った。その結果、既 報通り白血球減少症は c. 415 C>T(p. 

139R>C)アリルと強い相関があり、Tアリル を持つ症例は白血球減少症のリスクであった

(p=5.89×10‑13,オッズ比 4.32)。また、Tア リルをホモで持つ症例は、白血球減少症以外 に 100%が脱毛を発症しており、強い相関を 認めていた(p= 3.17×10‑31,オッズ比  18.9)。また、副作用による入院は、C/C は 1.9%、C/T では 4%、T/T では 60%であり、

T/T では、入院加療を高確率に要していた。 

D. 考察 

NUDT15 R139C 多型と、チオプリン製剤の副 作用との関係性が多施設での検討で確認され てきている。このことは、R139C 多型を事前 に調べてからのチオプリン投与が望ましい可 能性を示唆しているが、ほかの多型の報告も あり、どのような形の検査が最も効率的で、

また、その結果をどのように解釈し利用する かなどの指針作りが必要と考え、解析を進め ている。 

E. 結論 

NUDT‑R139C 遺伝子多型によって日本人炎症 性腸疾患におけるチオプリン関連早期白血球

減少と脱毛の発症が予測可能であると考えら れた。 

F. 健康危険情報  特になし   

G. 研究発表  1.論文発表 

なし  2.学会発表 

  「NUDT15 R139C 多型検査を用いたチオプ リン導入ストラテジーの検討」○角田洋一、

内藤健夫、下瀬川徹、第 102 回日本消化器病 学会総会 

 

H. 知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む) 

1.特許取得  特願 2015‑91401   

参照

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