紫外線によるSP_1バイラス(Bact, solanaccaram phage α)

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. 紫外線によるSP_1バイラス(Bact, solanaccaram phage α) 松井, 千秋 九州大学農学部植物病理学教室. https://doi.org/10.15017/21176 出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 12 (4), pp.321-325, 1952-09. 九州大學農學部 バージョン: 権利関係:.

(2) 紫 外 線. に よ るSP1バ. イ ラ ス(Bac./.sola71aceaiiiiク. phageα)の. 不 活 性 化 に つ い て*. 松 Inactivation. 井. 千. 秋. of SP1 virus (solanacearum by ultraviolet light Chiaki. 或 る条 件 下に 於 てバイラス. の 活 性 が 失 われ る事 実 は既 に広 く. 知 られ てい る とこ ろ で あ る.Hollaender,01iphant6)に 別 さ れ る.即. phage a). Matsui. に 紫 外線 照 射 を行 う と,そ. す る 感 受 性 に よつ て 凡 そ2大. 〃. よ れ ば,バ. ち第1群. イ ラス は紫 外 線 に対. は 汐 バ コ ・モ ザ イ ク ・バ イ ラ ス,鶏. む. バ イ ラ ス1の. 極 大 を 示 す も の で あ る.第2群. 腫瘍. む. よ う に,2300Aよ. り短 い 波 長 に 於 て強 い 感 受 性 を現 し,2600Aに は2650Aに. 於 て 第1群. そ の 両 側 で は 感 受 性 が 減 少 す る も の で,そ. 於 て 弱い. よ り も遙 か に 強い 感 受 性 を 示 し,. の 例 と し て は 牛 痘 バ イ ラ ス.イ. ン フ ル エ ンザ ・. む. バ イ ラ ス 等 が 挙 げ られ る.そ. し て 第1群. 及 び 第2群. を 通 じて,2600Aに. 於 け るバ イ ラ ス. む. の 感 受 性 は 核 酸 の 紫 外 線 吸 収 と 関 係 が あ り,2300Aの. そ れ は蛋 白質 の 吸 収 に起 因 す る も. の と解 さ れ て い る. Duggar,HoUaender2・5)は,タ ょつ て 不 活 性 化 さ れ,就. バ コ ・モ ザ イ ク ・ パ イ ラ ス は3100Aよ. 中2652Aが. り短 い 波 長 に. 最 も有 効 で あ る と し,Price,Gowenl3)は. タバ コ 。. モ ザ イ ク ・バ イ ラ スの 精 製 結 晶 は 然 ら ざ る も の に 比 して 不 活 性 化 さ れ 易 い と し て い る.叉 Duggar,Hollaender,Price,Gowen等 は,紫. の 得 た タ バ コ ・モ ザ イ ク ・バ イ ラ ス の 生 存 曲 線. 外 線 に よ る バ イ ラ ス の 不 活 性 化作用 が 単 的 中過 程one‑hitprocessで. あ るこ と を. 示 唆 す る に 足 る もの で あ る. む. Oster,McLareni2)は2537Aに る 量 子 収 量quantumyield'を に ょ れ ば,紫. 於 け る タ バ コ ・モ ザ ・fク ・バ イ ラ ス の 不 活 性 化 に 対 す 算 定 し た が,そ. れ は4.3×10‑5で. あ つ た.Stanley等14【5). 外 線 に よつ て 不 活 性 化 さ れ た タ バ コ ・モ ザ イ ク ・バ イ ラ ス の結晶 は 化 学 的,. lfiL清 学 白な諸 性 質,等. 電 点 及 び 分 子 量 等 に は 著 しい 変 化 が 見 られ す,又X線. に よ る廻 折 像 に. も 変 化 が な か つ た. 細 菌 パ イ ラ ス に就いて. はLuria,Latarjet8)等. の 研 究 が あ る.そ. れ に よ れ ば,蒸. 溜水又. む. は 緩 爾 液に 浮 游 した 大 腸 菌T群 バ イ ラ スの 不 活1生化 に は,3130Aよ. り短 い波 長 が 必 要 で. む. あ り,就. 中2600A附. 近 が 特:c有. 効 で あ る と云 わ れ る.そ. して 不 活 性 化 に有 効 な スペ ク ト. ラ ム は 細 菌 バ イ ラ ス の 吸 収 ス ペ ク ト ラ ム に 大 体 一 致 し てい る よ うで あ る.大. 腸 菌T群. バ イ. ラ ス の 生 存 曲 線 は 一 般 に 直 線 的 で あ つ て ・そ の 不 活 性 化 作 用 は 単 的 中 過 程 で あ る と 解 さifl, *九 州 大学 農 学 部 植物 病 理 学教 室業 績 。.

(3) 322. 学. 2537Aに. 藝. 難. 於 け る 量 子 収 量 は10‑4程. そ のi線量doseの. 誌. 第12巻. 度 で あ る.紫. み に 関 係.し,そ. の 強 度,線. 第4渉. 外 線 に よ る 細 菌 バ イ ラ ス の 不 活 性 化 は,. 量 の 分 割,照. 射 時 の 温 度 等 に は 関 係 が ない. と 云 わ れ て い る. 紫 外 線 照 射 に よ る バ イ ラ ス の 不 活 性 化 に 於 て,単 収 極 大 に 対 応 し てい る こ と,或. 色 紫 外 線 の最 有効 波長 が 核 酸 成分 の吸. は 照 射 に よ る バ イ ラ ス の 生 存 曲 線 が 指 数 画 数 曲線 を 示 す こ. と な ど は 量 子 生 物 学 に於 て 誠 に 興 味 深 い と こ ろ で あ る が,更 大 腸 菌T群. に イ ン フ ル エ ン ザ ・パ イ ラ ス,. バ イ ラ ス に 見 られ る 活 性 バ イ ラ ス と不 活 性 バ イ ラ ス!{11の干 渉 現 象interfer‑. encephenomena,4・7)大 reactivationg・10)及. 腸 菌T群. バ イ ラ ス に 於 け る 複 感 染 に よ る 活 性 回 復multiplicity. び 可 視 光 線 に よ る 活 性 回 復photoreactivationphenomena3)等. は今. 日バ イ ラ ス ・学 に 於 け る最 も新 い/・興 味 あ る 課 題 で あ る. 著 者 は 紫 外 線 照 射 に よ るSP1バ て 若 干 の 実 験 を 試 み た.以. イ ラ ス11)の 不 活 性 化 及 び 不 活 性 バ イ ラ ス の 性 質 に つ い. 下 記 す る と こ ろ は そ の 大 要 で あ る.稿. 篤 な る 御 指 導 を 恭 う し た 吉 井 甫 教 授,木. 場 三 朗 助 教 授 に 対 し,又. くの 御 教 示 を賜 わ つ た 二 神 哲 五 郎 教 授(九 学 部),岡. 小 天 教 授(学. 州 穴 学 工 学 部),阿. 習 院 大 学 理 学 部)に. を 草 す る に 当 り,終 始 懇 紫 外線 の光 学 的検 索 に 多. 武 保 郎 教 授(久. 留米大学医. 対 し深 い 感 謝 の 意 を表 す る 次 第 で あ る.. 1.実験 実 験 に 使 用 した 紫 外i線はAcmeQuartzLamp(島 そ の ス ペ ク トラ ム は 第1図. 第1図.紫. 第1図. に於 て,Aは. 津 製 作 所)か. ら得 た も の で あ り,. の よ うで あ る.. 外 線 の ス ペ ク ト ラ ム.. フ ィ ル タ ー を 使 用 レ,Bは. 使 用 し な か つ た も の で あ る.ス. ペ ク トラ. ム 巾 紫 外 部 に 於 て は,3655A,3347A,3132A,3022A,2967A,2S94A,2SC4A,2654A, 2S37A,2485A附. 近 に 強い 線 が 見 ら れ,フ. ィ ル タ ー に よ つ て3126Aよ. り長い 波 長 の み を. 選 択 的 に 取 り出 す こ とが 可 能 で あ る. 1.紫. 外 線 照 射 に よ るSP,バ. SP,バ. イ ラスの 不 活 性 化. イ ラ ス 蒸 溜 水 浮 游 液(濃. 源 下15cmに. 度3.5×106/cc)1ccを. て 紫 外 線 照 射 を行い,照. 照 射 中 に 混 入 し た 雑 菌 を除 き,上. 澄 液 を10〜100倍. ラ ス 濃 度 をPlaquecountmethodに 30分)及. び 第2図(λ435gA以. ペ ト リ皿 に 拡 げ て 蓋 を 除 き,光. 射 バ イ ラ ス液 を 遠 心 分 離(4,000rpm.15分)し に 稀 釈 後(m<1:)),そ. よ つ て 検 べ,第1表(λ3663〜3126A,照 下)の. 結 果 を 得 た.. て の活性バ イ 射時間.

(4) 一. 松 井 千秋;紫 外 線 に よ るSP1バ. 323. イ ラス の不 活 性化 に つい て む. 第1表. 第1表. よ り,3126Aよ. の 紫 外 線30分. り長 い波 長. 間 照 射 に よつ て は,バ. イ ラ スの 不 活 性 化 が 起 らな い ご とは 明 か で あ る.猶,照. plaquecount/cc3.5xlo53.5xlo5. 射 中の温 度 上 昇 は バ. イ ラ スの活 性 の変 化 に は全 く関 係 しな 程 度 で あ る.11). 箪2図.バ. 第2図. に 於 て,横. 後 の 濃 度(P)と. 軸 はdose(照 の 比 で,バ. イ ラ スの生 存 曲線 ・. 射時間 で 示 す),左. 縦 軸 は バ イ ラ ス初 濃 度(Po)と. イ ラ ス の 生 存 曲 線 は 大 体 直 線 的 と な る.右. 子 の 受 け た 光 量 子 の 致 死 的II」平 均 数(r=1nPo/P)を =0 .37と. な り,こ. い. れ に 対 応 したdoseはLeaio)に. 紫 外 線 のdoseをinactivationdoseの. 表 し,r=1の. 照射. 縦 軸 はバ イ ラ ス粒. 場 合 に はe‑「. 従 つ てinactivationdoseと. 複 合 に よ つ て 表 す と,そ. ・P/po 呼 び,. れ はバ イ ラ ス粒 子 に対. す る 光 量 子 の 致 死 的rl坪 均 数 を 示 す こ と に な る. 2.不. 活 性SP1バ. 第2表. イ ラ ス に よ るBaet.. solanacearumSstrainの. 増 殖 阻 」T:. 紫 外 線 に よつ て 不 活 性 化 され た バ イ. N・・ 細. 菌. 濃. レ. 【2. 度6.8×1037。3×102. ラ ス 浮 游 液(4.7×102/cc,r=6)1cc に 葡 萄 糖 加 用 馬 鈴 薯煎 汁 培 養 の 細 菌 (6.8×104/cc及. び7.3×103/cc)0.1cc. を 加 え て35℃. に15分間. の 細 菌 数 をcolonycountmethod. 放 置 後,そ. 卍. 齢. 櫨 幣. 一m…69・. 1{糠鍮 罎i欝. ・644.

(5) 324. 学. 藝. 雑. 誌. 第12雀. 第4号. に よつ て検 べ 第2表 の 結 果 を得 た. 第2表 に 於 て,実. 験 値 はPoisson分. 布 よ り算 定 した バ イ ラ ス未 感 染菌 数(P・)の. 理論. 値 と穴 体 一 致 す る こ とか ら,実 験 値 は バ イ ラ ス未 感 染 菌 に よつ て得 られ た もの と解 翻 し, 不 活 性 バ イ ラ ス感染 菌 は 増殖 し得 ない もの と思 われ る. II.考 第2図. の生 存 曲線 は43sgAよ. 察. り短い 波長 の照 射 に よつ て得 られ た もの で あ るが;バ. ラ スの不 活性 化 が 可 視 光 線 に よつ て 起 り得 る とは到 底 考 え られ ない こと と,第1表 と を綜 合 考 察 すれ ば,SP、. バ イ ラ スの不 活性 化 に は3100A附. イ. の結 果. 近 よ り更 に短い 波 長 が 有 効. む. で あ るtと は既 に疑 う余 地 が な か ろ う.但 し3100Aよ. り短い 波 長 に於 て,何. れ が最 も効. 果 的 で あ るか の決 定 は単 色 紫 外 線 照 射 実 験 に待 た な け れ ば な らない. SP,バ イ ラスの 生 存 曲線 がdoseの 増 大 に従 つ て指i数的 に 低Fす る と云 う こと は(第2 図),紫 外 線 の不 活 性化 過 程 が 単 的 中過 程 で あ る と と を意 味 す る.即. ちバ イ ラ ス に吸 収 さ. れ た総 て の光 量子 が 必 す し も不 活性 化 作 用 を有 す る とは 限 らな い が,少 不 活 性 化 は 只1個 の光 量子 の的 中11itに. くと もバ イ ラスの. よつ て 起 り得 る もの と考 え られ る.只. 第2図. 中. 低いdo6eに. 於 て は生 存 曲 線 が 曲線 を示 して い るが,こ れ は照 射 波長 の幅 に起 因 す る もの. で あ るか,或. は他 の複 雑 な物 理 学 的,化 学 的 作 用 に 由来 す る もの で あ るか は 明か で な い.. 叉 紫 外 線 に よ るバ イ ラ スの不 活 性化 に有 効 な スペ ク トラ ム と核 酸 の吸 収 スペ ク トラム とが 大 体 一致 して い る事 実か ら,バ イ ラ スの 不 活 性 化 と核 酸 の 変 性 との 聞 に は 何等 か の密 接 な 関 係 が あ るの で は な いか とは既 に広 く考 え られ て い る と ころ で あ る. 第2表. の結 果 よ り,紫 外 線 に よつ て 不 活 性化 され た バ イ ラスは 寄 主 細 菌 の 増 殖 を阻 止す. る と とは既 に 明か で あ るが,こ の 際 不 活性 バ イ ラ スは単 に菌体 表B、1に 吸 着 す る こ との み で 既 に菌 の増 殖 阻1ヒが 可 能 で あ るか,或 は更 に菌 体 内 に侵 入 し,容 イ ラスの 増 殖 な しに 菌 の 増 殖 を阻 止す るか の 説 明 は本 実 験 の 範 囲 内 で は よ くな し得 る とこ ろで な い. .III.摘. 要 レ. 1.SP1バ. イ ラ スの 不 活 性 化 に は3100A附. 近 よ り短 い 波 長 の 紫 外 線 が 有 効 で あ る.紫. 外 線 照 射 に よ る パ イ ラ ス の 生 存 曲 線 は 大{本 に 於 て 指 数 画 数 的 で あ り,そ. の不 活 性化 過 程 は. 単 的 中 過 程.と解 さ れ る. 2.紫. 外 線 照 射 に よ つ て 不 活 性 化 さ れ たSP1バ. solanacearamSmithSstrain)の. 増 殖 はPR r!1:され る.. 文 1.. Anderson,. 2.. Duggar,. 3.. Dulbecco,. 4. Henle, 5.. イ ラ ス に よ る 単 感 染 寄 主 細 菌(Bact.. 献. T. F., Bot. Rev., 15, 464 (1949). B. M., Hollaender,. A., J. Bact., 27, 219 (1934).. R., J. Bact., 59, 329 (1950).. W., Henle, G., J. Exp. Med., 86, 423 (1947).. Hollaender,. A., Auggar,. B. M., Proc. Nat. Acad. Sci., 22, 19 (1936)..

(6) 松井 千秋:紫 外 線 に よ るSPIバ. イ ラス の不 活 性 化 につ い て. 6.Hollaender,A。,01iphant,J.W.,J.Bact.,48,447(1944)■. 325. ■. 7.Luria,S.E.,Delbrtick,M.,Arch.Biochem.,1,207(1942). 8.Luria,S.E.,Latarjet,R.,J.Bact.,53,149(1947). 9.Luria,S.E.,Proc.Nat.Acad.Sci.,33,253(1947). 10.Luria,S.E.,Dulbecco,R,Genetics,34,93(1949).. 11・ 松 井 千 秋.,九. 州 大 学 農 学 部 学 芸 雑 誌,13,40(1951).. 12. Oster,. G., McLaren,. 13. Price,. W. C., Gowen, J. W., Phytopath.,. 14. Stanley,. A. D., J. Gen. Physiol., 33, 215 (1949).. W. M., Science,. 27, 267 (1937).. 83, 626 (1936).. 15. Wyckoff, R. W. G., Corey, R. B., J. Biol. Chem., 116, 51 (1936).. Summary Inactivation of SP1 virus (solanacearum phage a) suspended in distilled water is produced by light of shorter wave lengths than about 3100A. The inactivation curve approaches a straight line in log. graph for high doses while it shows some deviation at low doses. The fact that the rate of inactivation of the virus exposed to ultraviolet light is a logarithmic function of the dose of irradiation, indicates that one-hit mechanism of inactivation , one quantum being the effective inactivating hit. Ultraviolet inactivated virus is adsorbed and kills the host bacterium, Bact. solanacearum Smith S strain. Laboratory of Plant Pathology, Faculty of Agriculture, .Kyushu University.

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