• 検索結果がありません。

相澤益男(東京工業大学工学部教授)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "相澤益男(東京工業大学工学部教授)"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

II.高 性 能 材 料 開 発 の 現 状 と将 来 高 分 子 材 料 を 中 心 と し て

鈴 木三 男(日 本 産業 技術 振 興協 会 専務 理 事)

古 くは、材 料 は進 歩 の武 器 と言 わ れ た。 さ まざ まな特 定 の 性能 を もっ た材料 の 中 か ら, 材料 を選択 で き る ようにな った現 代 で も、材 料 の重 要性 は変 らな い。現 在 に お け る材 料 開 発 の特 徴 は 、①材 料 開発 の 基盤 科 学 と して 、物 理 、化学 の他 に生 物 学 が加 わ っ た こ と、② 困難 を乗 り越 えて の新材 料 の 開発 が各 産 業 の発 展 に繋 が って い るこ と、◎ 科学 と技術 が 時 間 的 に接近 した こと,な どで あ る。今 回 は、宇 宙 ・航空 機 、 自動 車 、機 械 に使 用 さ れ る新 高分 子 材料 と複合 材 料 、特 に 高性 能材 料 につ い て、そ の 開発 の現 状 を解 説 した。

用途 別 に見 た場 合 、宇 宙 開発 で は、金 属 の代 りに先端 複 合 材料 を採用 す るこ とに よって 軽量 性 、耐 熱 性 の 改善 が図 られ、 また航 空 機 に も先 端複 合 材 料 が採 用 され つ つ あ り、総 て 炭素 繊 維材 料 で作 られ た航 空機 まで現 れ て お り,1995年 に は60%迄 が複 合 材料 で 作 られ る と予測 されて い る。 自動 車 につ いて も、 高 分子 材料 の 高性 能 化 と複 合材 料 の進 歩 に よ り、

プ ラ スチ ッ ク化 は現 在 の5%よ り大幅 に増 え る と考 え られて い る。 更 に機 械関 係 で現 在 最 も進 ん でい るの は 、防 音、 防振 材 料 で あ り、将 来 高寸法 精 度 を要 す る精 密 工業,ロ ボ ッ ト アー ム等 への 発展 が期待 され る。

汎 用 プ ラ スチ ッ ク、 エ ン ジニ ア リング ・プ ラ ス チッ ク(エ ンプ ラ)の 他 に注 目 され る 高 分子 材 料 と して 、 スーパ ー エン プ ラ、ポ リマー ア ロ イ、液 晶 ポ リマー等 が 挙げ られ 、将 来 それ らの選 択 競合 に は、性能 の向 上 と価 格 の低 減 が重要 な要 素 とな るこ と、価 格 は耐 熱 性 の 向上 と深 い関 連 が あ るこ とが指 摘 され る。現 在注 目す べ き性能 を備 え た スーパ ー エ ンプ ラが次 々に現 れ 、射 出成 型 温度 が低 く熱 変形 温 度 が高 い新 製 品 も 発 表 さ れ て い る 。 ポ リ マ ー ア ロ イは汎 用 エ ンプ ラ に比 べ て価 格 が さ ほ ど高 くな く、 従 って 研究 も盛 んで あ る。 ブ ロ ック共重 合 、グ ラ フ ト重 合等 の 手法 が 用 い られ 、将来 の技 術 目標 は 炭素 繊維 との複 合 化 に よる性能 の 向 上 と、 価格 の低 減 であ る。 液晶 ポ リマ ー は射 出成 型 温度 が 低 くe熱 変 形 温 度 が 高 い特 長 を もつが 、固 化 に際 して生 ず る強 度 の方 向性 を如何 に して成 型技 術 で相 殺 す るか が将来 の 問 題 で あ る。

繊維 と樹 脂 に よ って構 成 され る複合 材 料 の樹 脂材 料 と して現在 用 い られ るの は大部 分 エ ポ キシで あ るの に対 して 、近 い将 来熱 可 塑 樹脂 が それ に と って代 る こ とが 予測 され 、繊 維 材料 も現在 は炭 素繊 維 が主 流 で あ るが、 や が て フラ ミ ドの有 用性 が 注 目 され て くる と思 わ れ る。一・方 、 炭 素繊 維 の低 価格 化 も進 ん で お り、 ピッチ か らの製 造 が進 め られて い る。 現 在 の炭 素繊 維 を中心 と した複合 材 料 の性 能 を概 観 す る と、 その頂 点 に たつ もの はC/Cコ ン ポ ジ ッ トで あ り、融 点 は1000℃ 以 上 、線 膨張 係数 が鉄 の1/2、 熱 伝 導率 が 鉄の4倍 に も達 し、耐 熱摩 擦 特 性 に も優れ て お り、耐 熱 性 構造 材料 、摩擦 材 料 と して その 前途 が期待 され る。但 し、現 在 で は価格 が極端 に高 いが 、 既 に航空 機 の ブ レー キ と して は、 その 性能 の 優 秀 性 が高 く評 価 され て実 用 化 さ れ て い る。

最後 に、 わ が国 の主 要企 業 に よ る高分 子 材料 分野 へ の 進 出の現 状 を例 示 し、各 社 の熱 意 あ る取 り組 み を紹介 した 。

皿.新 材料 の設 計 に おけ る生 体機 能 の反 映 相澤益男(東 京工業大学工学部教授)

新 素 材 を 求 め る 社 会 的 ・経 済 的 ニ ー ズ は 次 第 に エ ス カ レ ー ト し 、 今 や イ ン テ リ ジ ェ ン ト 材 料 の 出 現 を 待 望 す る よ う に な っ た 。 人 間 の 知 能 を 備 え た 材 料 の 開 発 こ そ 材 料 研 究 に 残 さ れ た 大 き な 課 題 で あ る 。

イ ン デ リ ジ ェ ン トマ デ リ ア ル を 提 唱 す る 最 も 根 本 的 な 設 計 思 想 は 、 「情 報 の 流 れ 」 に 重 点 を お い た 高 機 能 の 発 現 に あ る 。 こ れ ま で の 材 料 構 築 は ハ ー ドウ ェ ア に 終 始 し て き た が 、

イ ン テ リ ジ ェ ン トマ テ リ ア ル は ソ フ トウ ェ ア を 内 蔵 し た ハ ー ド ウ ェ ア を 目 指 し て い る 。 ハ ー ド ウ ェ ア の 設 計 に よ っ て 材 料 の 高 機 能 化 が 次 々 と 実 現 し た 。 こ れ ら 高 機 能 材 料 に 更 に イ ン テ リ ジ ェ ン トマ テ リ ア ル を 付 与 す る 道 が 、 ソ フ ト ウ ェ ア の 組 み 込 み で あ る 。 し か も

12一

参照

関連したドキュメント

東京工業大学

東京工業大学

関東総合通信局 東京電機大学 工学部電気電子工学科 電気通信システム 昭和62年3月以降

鈴木 則宏 慶應義塾大学医学部内科(神経) 教授 祖父江 元 名古屋大学大学院神経内科学 教授 高橋 良輔 京都大学大学院臨床神経学 教授 辻 省次 東京大学大学院神経内科学

理工学部・情報理工学部・生命科学部・薬学部 AO 英語基準入学試験【4 月入学】 国際関係学部・グローバル教養学部・情報理工学部 AO

清水 悦郎 国立大学法人東京海洋大学 学術研究院海洋電子機械工学部門 教授 鶴指 眞志 長崎県立大学 地域創造学部実践経済学科 講師 クロサカタツヤ 株式会社企 代表取締役.

学識経験者 小玉 祐一郎 神戸芸術工科大学 教授 学識経験者 小玉 祐 郎   神戸芸術工科大学  教授. 東京都

講師:首都大学東京 システムデザイン学部 知能機械システムコース 准教授 三好 洋美先生 芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科 助教 中村