﹃
笈
の小
文
﹄
の板
木
永
井
一
彰
﹃
笈
の
小
文
﹄
の版
本
・
板
木
﹃
笈
の小
文
﹄
の版
本
に
四種
が
あ
る
こと
は
、
既
に
天
理
図
書
館
善
本
叢
書
10
﹃
芭
蕉
紀
行
文
集
﹄
(
昭
和
四
+
七
年
三
月刊
)
の
解
題
に
そ
の指
摘
が
あ
る。
す
な
わ
ち
、
1
平
野
屋
佐
兵
衛
版
H
井
筒
屋
庄
兵
衛
・
井
筒
屋
宇
兵
衛
版
皿
井
筒
屋
庄
兵
衛
・
橘
屋
治
兵
衛
版
W
井
筒
屋
庄
兵
衛
・
橘
屋
治
兵
衛
・
浦
井
徳
右
衛
門
版
の四種
であ
る。
従
来
初
版
と
目
さ
れ
て来
た
ー
の
天
理
図
書
館
綿
屋
文
庫
の宝
永
六年
刊
平
野
屋
版
は
、衆
知
の如
く
天
下
の孤
本
。
∬
・
皿
・
W
に属
す
る版
本
と
し
ては
、
管
見
に
よ
れ
ば
次
のも
のが
あ
る。
な
お
、
以
下
論
中
で取
り
上
げ
る
資
料
は
国
文
学
研
究
資
料
館
提
供
の複
写
に拠
る
も
のが
少
な
く
な
いが
、
そ
れ
ら
の所
蔵
先
に
つ
いて
は資
料
館
マイ
ク
ロ
デジ
タ
ル資
料
和
古
書
所
蔵
目
録
の略
称
に
従
う
こと
が多
い。
H
竹
冷
文
庫
本
・
八
戸
図
本
・
今
治
市
河
野美
本
・
富
山県
図
中
島
本
・
愛
知
県
大
図
本
・
某
家
蔵
本
・
柿
衛
文
庫
本
・
綿
屋文
庫
本
(
88
・
12
)
・
綿
屋
文
庫
本
(
88
・
13
)
・
中
村
俊
定
氏
蔵
本
(
武
蔵
野
書
院
﹁
冬
の
日
・
笈
の小文
﹂
複
製
底
本
)
皿
大
谷大
学
蔵
本
・
今
治
市
河
野美
本
・
岐
阜
県
図本
・
奈
良
大
本
(
宮
田
正
信
博
士
旧
蔵
本
)
・
太
田
中
島
図
本
W
京
大
頴
原
本
・
松
宇
文
庫
本
・
西
尾市
岩
瀬
本
・
綿
屋
文
庫
本
(
88
・
14
)
・
綿
屋
文
庫
本
(
88
・
15
)
1
を
含
め
、
寸
法
・
表
紙
な
ど
に些
か
の
相
違
はあ
るも
の
の
、何
れ
も
半
紙
本
一
冊
で
あ
る
こと
に変
わ
り
は
な
い。
1
・
H
・
皿
は
そ
れ
ぞ
れ
板
木
が異
な
る
こ
と
、
これ
ま
た
﹃
芭
蕉
紀
行
文
集
﹄
解
題
にあ
る通
り
。
皿
・
W
は
刊
記
部
を
除
き
同
板
。
従
っ
て板
種
と
し
て
は、
1
初
刻
本
、
∬再
刻
本
、
皿
・
W
三
刻
本
の三
種
と
い
う
こと
にな
る。
1
か
ら
H
への版
権
移
動
お
よ
び
∬
に於
け
る再
刻
事
情
に
つ
いて
は、
後
に詳
述
す
る。
皿
は
、
天
明
八
年
の京
都
大
火
で手
持
ち
の板
木
を
全
て焼
失
18
し
た
井
筒
屋
が
橘
屋
の協
力
を
得
て
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
﹃
芭
蕉
翁
発
句
集
﹄
な
ど
と
共
に彫
り
直
し
た
も
のと
見
る
べき
こ
と
、
拙
稿
﹁
板
木
を
め
ぐ
って﹂
(
奈
良
大
学
総
合
研
究
所
所報
八
号
)
﹁
板
木
のあ
り
か
﹂
(
近
世
文
藝
八
+
四
号
)
な
ど
に
述
べた
通
り
であ
る
。
W
は
、
文
化
三
年
頃
に井
筒
屋
か
ら
芭
蕉
関
係
の板
木
を
全
て
買
い取
っ
た
譜
仙
堂
浦
井
徳
右
衛
門
が
刊
記
部
に
のみ手
を
入
れ
て出
した
も
ので
あ
る
こと
、
これ
ま
た
拙
稿
﹁
板
木
を
め
ぐ
って﹂
(
前
引
)
﹁
芭
蕉
と
いう
利
権
(
三
)
﹂
(
奈
良
大
学
総合
研
究
所
所
報
±
二
号
)
で触
れ
た
。
先
ず
は
、
従
来
初
版
と
目
さ
れ
て来
た
平
野
屋
佐
兵
衛
版
を
見
て
み
る
こと
に
し
よ
う
。
天
理
図
書
館
提
供
のカ
ラ
i
写
真
お
よび
﹃
芭
蕉
紀
行
文
集﹄
解
題
に
よ
って同
書
の書
誌
を
記
せ
ば次
のよう
にな
る。
半
紙
本
一
冊
。
縦
脚
×
横
㌫
粍
。
原
装
表
紙
、
砥
粉
色
地
に銀
灰
色
の歯
朶
模
様
を
散
ら
す
。
綴
糸
は
濃
紫
、
後
補
。
表
紙
中
央
に
白
地
無
辺
元
題
簸
﹁
笈
の小
文
全
﹂
、
縦
臨
×
横
37
粍
。
巻
末
掲
載
の図
1
・
図
2
が
そ
の
前
後
表
紙
であ
る。
全
二十
七
丁
。
柱
刻
﹁
文
一
(
∼
廿
七
終
)
﹂
。
毎
半
葉
八行
。
そ
の内
容
は
、
ーオ
∼
2
オ
に
﹁
笈
之
小
文
序
﹂
(
宝
永
四
丁亥
年
春
観
桂
堂
砂
石
子
)
、
2
ウ
を
余
白
と
し
、
3
オ
∼
22
ウ
に
﹁
笈
の
小
文
﹂
を
(
図
3
は
3
オ
冒
頭
部
)
、
23
オ
∼
27
ウ
に
﹁
更
科
紀
行
﹂
を
収
め
、
27
ウ
本
文
末
尾
に続
け
て次
の
よう
に奥
書
・
刊
記
が
入
る
(
図
6
参
照
)
。
此
記
行
終
て
後
乙
州
以
謂
猶
翁
之
文
か
さ
ね
及
ヒ
烏
の賦
集
く
に洩
ぬ
る
こ
と
を
惜
ミ後
集
を加
ン
と
お
も
ひ企
ぬ
江
南
椎
々篭
乙
州
梓
之
宝
永
六
年
孟
春
慶
旦
二
条
通
高
倉
東
へ
入ル
町
書
林
平
野
屋佐
兵
衛
開版
な
お
、
版
下
に
つ
いて
﹃
芭
蕉
紀
行
文
集
﹄
解
題
で
は
﹁
版
下
は
序
よ
り
刊
記
ま
です
べ
て乙
州
自
筆
﹂
と
す
る
が
、
そ
の
根
拠
不明
。
同
書
より
や
や先
行
す
る
﹃
図
説
芭
蕉
﹄
(
昭
和四
+
七
年
一
月
刊
)
の
﹁
笈
の
小
文
﹂
解
説
に
﹁
本
書
全
文
乙
州
の板
下
﹂
と
あ
り
、
善
本
叢
書
は
これ
に
よ
るか
と
も
思
わ
れ
るが
、
そ
の
﹃
図
説
芭
蕉
﹄
も
や
は
り
根
拠
を
示
し
て
いな
い
。
そ
の後
、
乙
州
版
下説
を
前
提
に
し
た
﹃
笈
の小
文
﹄
論
も
あ
っ
た
り
す
る
の
だ
が
、
数
葉
の短
冊
・
懐
紙
以
外
に
乙
州
の纏
ま
った自
筆
物
は
見
当
た
ら
ず
、
検
証
のし
よ
う
が
な
い。
あ
る
いは
両
書
と
も
、
観
桂
堂
砂
石
子
序
文
中
に
﹁
此
翁
上
が
た
行
脚
せ
ら
れ
し
時
、
道
す
が
ら
の小
記
を
集
て
こ
れ
を
な
づ
け
て笈
の
こ
ぶ
み
と
い
ふ。
(
中
略
)
爾
来
門
葉多
し
と
い
へ
ど
も
唯
乙
州
に
のみ
授
見
せ
し
む
。
乙
州其
群
弟
と
共
に
せざ
る
こ
と
を
な
げ
き
、
今
般
梓
に
ち
り
ば
め
て
世
伝
を
広
ふ
せ
んと
欲
し
て
物
す
﹂と
あ
り
、
ま
た
奥
書
にも
﹁
江南
椎
々
奄
乙州
梓
之
﹂
と
あ
ると
こ
ろ
に引
か
れ
て
の記
述
で
は
な
いか
と
も
思
わ
れ
る
。管
見
に
よ
れば
、題
籏
・
序
・
本
文
・
奥
書
(
除
、
刊
記
部
)
は
同
筆
。
いか
にも
手
馴
れた
感
じ
の版
下
で
、果
た
し
て
乙州
に
こ
のよ
う
な
も
の
が書
け
た
かと
い
う
疑
問
は
拭
え
な
い
。
砂
石
子
が
前
引
の文
に続
け
て
﹁
乙
州
其
群
弟
と
共
にせ
ざ
る
こと
を
な
げ
き
、
今
般
梓
にち
り
ば
め
て世
伝
を
広
ふせ
んと
欲
し
て物
す
と
い
へ
ど
も
、
俄
に
病
に
遇
て息
ぬ
。
暫
愈
日を
侯
と
いふ
な
る。
﹂
と
言
い、
ま
た
﹁
乙州
之
因盤
求
不得
止
染
筆
畢
﹂
と
述
べ
ると
こ
ろ
に
従
え
ば
、
出
版
企
画
時
に乙
州
は
病
中
だ
っ
た
は
ず
で、
そ
の
乙
州
の求
め
に
よ
り
砂
石
子
な
る人
物
が
版
下
を
も
の
し
た
と
読
め
な
く
永 井: 『笈 の 小 文 』 の板 木
な
い。
そ
れ
に
つ
い
て
断
言
は
な
お
偉
ら
れ
る
も
の
の
、
﹃
笈
の小
文
﹄
出
版
の
背
後
に
は
乙
州
個
人
の
つも
り
で
は
な
く
、
か
つ
て宮
本
三
郎
氏
が
﹁
﹃
笈
の小
文
﹄
への疑
問
(
上
)
﹂
(
﹃
文
学
﹄
昭
和
四
+
五
年
四
月
号
)
で該
書
の書
名
に
つ
き
﹁
そ
の命
名
に
は
売
行
を
考
慮
し
て
の出
版
元
の希
望
も
関
与
せ
ぬも
のと
は
言
え
な
い
﹂
と
述
べら
れ
た
如
く
、専
門
書
騨
の企
画
を
想
定
す
べき
で
、
乙
州
版
下
説
は
いか
に
も
根
拠
が
脆
弱
であ
る
。
さ
て、
こ
の平
野
屋
版
を
は
じ
め
、
﹃
笈
の小
文
﹄
の版
本
は
す
べ
て
半
紙
本
で出
版
さ
れ
て
い
る
こと
は先
に触
れ
た
。
が
、
同
書
を
半
紙
本
と
し
て見
た
場
合
、少
な
か
ら
ぬ
違
和
感
があ
る
こ
と
は
否
め
な
い。
そ
れ
は
、
図
3
・
図
5
に
示
し
た
よう
に
、
半
紙
本
に
し
て
は
綴
じ
目
側
そ
れ
に本
文
上
部
の空
白
が
大
き
い
と
い
う
こ
と
であ
る。
逆
に版
芯
部
は
窮
屈
で、
柱
刻
の
﹁
文
(
丁付
)
﹂
の
と
こ
ろ
が
本
文
と
混
じ
って
目障
り
な
感
じ
が
す
る。
こ
れ
は
、
1
∼
W
の全
て
の版
本
に共
通
す
る印
象
であ
る
。
そ
れ
は
つま
り
、
﹃
笈
の
小
文
﹄
の
板
木
は
半
紙
本
用
の
そ
れ
よ
り
も
サ
イ
ズ
が
小
さ
か
った
こと
か
ら
生
ず
る
結
果
であ
る。
で
は
、
想
定
さ
れ
る板
木
のサ
イズ
は
何
か
と
いう
と
、
最
も
近
い
のは
枡
形
本
のそ
れ
であ
る
。
因
み
に
、
い
ま
雲
英
末
雄
氏
編
﹃
元
禄
版
お
く
のほ
そ道
﹄
の図
版
(
原
寸
影
印
)
に
より
刻
面
の寸
法
を
測
って
み
ると
、
字
高
が
ほ
ぼ
鵬
粍
、半
丁
の
幅
(
版
芯
か
ら
端
の
行
ま
で
)
は
ほ
ぼ
m
粍
。
平
野
屋
版
﹃
笈
の小
文
﹄
のそ
れ
は
、
字
高
が
鵬
∼
即粍
、
幅
は
ほ
ぼ
㎜粍
。
﹃
笈
の小
文
﹄
の方
が
字
高
が
いく
ぶ
ん
か
高
い
が
、
元禄
版
﹃
お
く
の
ほそ
道
﹄
本
紙
の丈
は
鵬粍
あ
り
、
図
3
と
図
4
を
見
比
べ
て
いた
だ
け
れ
ば
判
る
よう
に、
﹃
笈
の
小
文
﹄
の
刻
面
を
元禄
版
﹃
お
く
の
ほ
そ道
﹄
に
重
ね
て
み
ると
、
そ
の
紙
面
の中
にす
っ
ぽ
り
と
収
ま
る。
つま
り
、
﹃
笈
の小
文
﹄
は
枡
形
本
と
し
て出
版
す
る
こ
と
も
可
能
であ
った
わ
け
で
、
そ
れ
は
﹃
笈
の小
文
﹄
版
元
が枡
形
本
を
意
識
し
て板
木
を
仕
立
て
た
こ
と
を
意
味
す
る
。
こ
こ
で新
た
に
生
ま
れ
る
のが
、
○
﹃
笈
の小
文
﹄
が枡
形
本
を
意
識
し
て企
画
さ
れ
た
のは何
故
か
。
○
板
木
が枡
形
本
に
近
いサ
イ
ズ
で作
ら
れ
て
いる
の
に、
何
故
半
紙
本
仕
立
て
に
し
た
のか
。
と
いう
二
つの疑
問
で
あ
る
。
こ
れ
ら
の疑
問
は
ー
から
ー
への版
権
移
動
を
解
く
鍵
にも
な
り
、
さ
ら
に
平
野
屋
佐
兵
衛
版
は果
た
し
て初
版
本
な
のか
と
いう
問
題
にも
繋
が
っ
て
来
る
。
先
ず
、
一つ
目
の
疑
問
に
つ
いて
であ
るが
、
枡
形
本
は
俳
書
の版
本
と
し
ては
特
殊
な
形
態
で
、
そ
の例
は極
め
て少
な
いこと
に
注
意
せ
ね
ば
な
ら
な
い。
管
見
に入
っ
た
も
の
と
し
て
は、
元
禄
版
﹃
おく
の
ほ
そ
道
﹄
以
前
で
は
天
理
図
書
館
綿
屋
文
庫
蔵
﹃
俳
風
大
横
手
﹄
(
西
六
・
梅
幽
編
、
延
宝
八
年
井
筒
屋
庄
兵
衛
刊
)
の
一
点
の
み
。
﹃
お
く
の
ほ
そ道
﹄
以
降
のも
の
では
、
後
で
取
り
上
げ
る
﹃
芭
蕉
翁
/
奥
細
道
拾
遺﹄
(
渉
青
編
、
延
享
元
年
西
村
源
六
刊
)
、
そ
れ
に
岡
本
勝
氏
が
﹁
枡
形
本
の俳
書
﹂
(
﹃
俳
文
学こ
ぼ
れ
話
﹂に
収
録
)
に紹
介
さ
れ
た
﹃
つえ
の
ひ
ゴき
﹄
(
翠
川
・
米
府
編
、
文
政
十
一
年
刊
)
の
二
点
に留
ま
る。
岡
本
勝
氏
に
よ
れ
ば
、
﹃
つ
え
のひ
"
き
﹄
は
翠
川
・
米
府
ら
の
辛
洲
(
現
三
重
県
)
か
ら
松
島
ま
で
の紀
行
で、
﹁
寸
法
は
縦
十
六
・
六
糎
、
横
十
三
・
七
糎
の枡
形
本
であ
る。
題
籏
は
表
紙
中
央
に貼
付
さ
れ
て
い
る
が
、素
龍
本
に
な
ら
って金
切
箔
が
散
ら
さ
れ、
﹁
つ
え
のひ
・
き
﹂
と
記
さ
れ
て
い
る。
首
尾
に
一
丁ず
つ白
紙
が
添
え
ら
れ
て
い
る
の
も
、素
龍
本
を
真
似
たも
の﹂
総 合 研 究 所 所 報
由
。
氏
の言
わ
れ
る
﹁
素
龍
本
﹂
と
は
そ
れ
を
忠
実
に模
し
た
元
禄
版
﹃
おく
の
ほ
そ
道﹄
の意
であ
ろう
が
、
こ
の
二点
が
元
禄
版
﹃
お
く
の
ほそ
道
﹄
を
強
く
意
識
し
て造
ら
れ
たも
ので
あ
る
こ
と
は
、
書
型
・
書
名
・
内
容
か
ら
も
明
ら
か
な
と
こ
ろ
。
か
よう
な
例
か
ら
考
え
る
と
、
宝
永
版
﹃
笈
の小
文
﹄
の板
木
が枡
形
本
に
近
いサ
イ
ズ
であ
る
のも
ま
た
元
禄
版
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
を
意
識
し
た
ので
は
な
いか
。
そ
れを
企
画
し
た
版
元
は
お
そ
ら
く
平
野
屋
佐
兵
衛
で
は
な
い
こ
と
に
つ
い
て
は後
述
す
る
が
、
では
そ
の某
書
騨
は
枡
形
本
に近
い
サ
イズ
で
板
木
を
仕
立
てた
のに
、
何
故
半
紙
本
仕
様
で出
版
し
た
の
であ
ろう
か。
こ
の
問
題
を
解
く
鍵
と
な
る
のが
、
雲
英
末
雄
氏
が
﹃
元禄
版
お
く
の
ほそ
道
﹄
に紹
介
さ
れ
た
二種
の異
板
本
であ
る
。
そ
の
一つに
元禄
版
﹃
お
く
の
ほ
そ道
﹄
を
被
せ
彫
り
し
た
﹁
有
丁
付
本
﹂
が
あ
る
(
図
8
参
照
、
﹃
元
禄
版
お
く
のほ
そ
道
﹄
よ
り
転
載
)
。
雲
英
氏
は
こ
の本
を
﹁
別
版
﹂
と
し
て
分
類
し
て
お
ら
れ
る
が
、
これ
は
当
時
の出
版
の常
識
か
ら
言
え
ば
明
ら
か
な重
類
版
(
海
賊
版
)
と
見
る
べき
も
の。
こ
の
﹁
有
丁
付
本
﹂
が
や
はり
半
紙
本
で
出
て
い
る。
本
来
枡
形
サ
イ
ズ
の本
を
半
紙
本
と
し
て仕
立
てた
た
め
、綴
じ
目
側
そ
れ
に本
文
上
部
の空
白
が
大
き
い
・
版
芯
部
は
窮
屈
と
い
う
﹃
笈
の
小
文
﹄
と
全
く
同
様
の印
象
を
与
え
る
の
であ
る
が
、
こ
の
﹁
有
丁
付
本
﹂
の版
元
が
何
故
半
紙
本
仕
様
と
し
た
の
か
と
言
え
ば
、
そ
の理
由
は
一つ
し
か
な
い。
そ
れ
は
、
枡
形
本
と
い
う
特
殊
な
仕
立
て
で
出
せ
ば
、
﹃
お
く
の
ほ
そ
道﹄
の重
類
版
であ
る
こと
が
一
目
瞭
然
と
な
るか
ら
であ
る
。
本
のサ
イ
ズ
を
態
と
変
え
る
のは
、
重
類
版
の差
し構
え
か
ら
目を
逸
ら
す
た
め
の
、
いわ
ば
﹁
目
く
ら
ま
し
﹂
な
の
で
あ
る。
ち
な
み
に、
雲
英
氏
が紹
介
さ
れ
る
いま
一つの異
板
本
は
、
や
は
り
被
せ
彫
り
に
よ
っ
て
本
文
を
白
字
摺
り
にし
た
﹁
桜
寿
軒
本
﹂
(
図
9
参
照
、
﹃
元禄
版
お
く
の
ほ
そ
道﹄
よ
り
転載
)
であ
る
が
、
こ
の本
も
枡
形
より
や
や縦
長
で
、
こ
こ
にも
同
様
の﹁
目
く
ら
ま
し
﹂
意
識
が
あ
る。
ち
な
み
に
両書
の題
籏
、枡
形
本
サ
イズ
の
そ
れを
転
用
し
て
いる
た
め
、
表
紙
と
題籏
の
バ
ラ
ン
ス
が良
く
な
い。
な
お
、重
類
版
の版
元
が
﹁
目
く
ら
ま
し
﹂
と
し
て本
の
サ
イズ
を
意
図
的
に違
う
も
の
にす
る
こと
あ
っ
た
こ
と
に
つい
て
は
、後
で
﹃
発
句
題
林
集
﹄
を
取
り
上げ
て論
述
す
る
が
、
拙
著
﹃
藤
井
文
政
堂
板
木
売
買
文
書
﹄
﹁
重
類
版
﹂
の項
も
併
せ
て参
照
さ
れ
た
い。
さ
て
、
右
の
﹁
有
丁付
本
﹂
﹁
桜
寿
軒
本
﹂
の事
情
は、
そ
のま
ま
﹃
笈
の小
文﹄
の
場
合
にも
当
て嵌
ま
る
の
で
は
な
いか
。
つま
り
、
﹃
笈
の小
文
﹄
を
最
初
に
企
画
し
た某
書
騨
は
、
元
禄
十
五年
の出
版
以
来
宝
永
にか
け
て好
調
な
売
れ行
き
を
見
せ
つ
つあ
っ
た
井
筒
屋
版
﹃
おく
の
ほ
そ道
﹄
にあ
や
か
る
べく
枡
形
本
に近
いサ
イズ
で板
木
を
こ
し
らえ
たも
の
の、
重
類
版
と
見
倣
さ
れ
る
のを
避
け
る
た
め
、
半
紙
本
と
し
て仕
立
て
た
の
で
はな
いかと
い
う
こと
であ
る。
そ
の
際
、
題
籏
は
枡
形
本
と
し
て
用意
さ
れ
て
い
た
も
のか
ら
半
紙
本
用
の
そ
れ
に
差
し替
え
ら
れ
た
の
であ
ろう
。
が
、結
局
は
﹃
おく
の
ほ
そ道
﹄
の版
元
井
筒
屋
か
ら重
類
版
差
し
構
え
があ
り
板
木
を
没
収
さ
れた
と
考
え
て
み
ると
、
1
か
ら
∬
へ
の版
権
移
動
も
す
んな
り
と
理解
出
来
る
の
であ
る。
﹃
芭蕉翁
/
奥細道
拾
遺
﹄
如
上
の問
題
を
考
え
るた
め
の参
考
例
と
し
て、
﹃
芭
蕉
翁
/
奥細
道
拾
遺﹄
(
永 井二『笈 の 小 文 』 の 板 木
下
、
﹃
拾
遺
﹄
と
略
称
す
る
)
を
取
り
上
げ
て
み
よ
う
。
該
書
は
枡
形
本
一
冊
。
全
三
十
二丁
。
編
者
渉
青
の
序
文
(
寛
保
三年
初
冬
)
・
﹁
勘
物
﹂
に
続
き
、
細
道
旅
中
芭
蕉
句
十
四句
及
び
﹁
五
月
雨
を
﹂
歌
仙
な
ど
芭
蕉
一
座
の連
句
五
巻
を
紹
介
し
た
あ
と
、
月
窓
団
斎
の序
に
続
け
て渉
青
の
四
季
発
句
五
十
句
、
諸
家
四
十
八
名
の
四季
発
句
百
六十
章
を
収
録
し
、
巻
末
に七
月
十
日
付
の渉
青
宛
蓼
太
書
簡
を
添
え
る
。
管
見
に
入
っ
た
版
本
と
し
て、①
芭
蕉
翁
顕彰
会
本
( % ・ 1 ) ②
三
原
図
書
館
本
③
鶴
岡市
郷
資
本
④
麗
沢
大
学
図
書
館
本⑤
綿
屋
文
庫
A
本
( % ・ 39 ) ⑥
綿
屋
文
庫
B
本
(
鵬
・
19
)
の六
本
があ
る
。
こ
のう
ち
①
②
③
④
には
表
紙
中
央
上
部
に
﹁
芭
蕉
翁
/
奥
細
道
拾
遺
﹂
の
無
辺
元
題
籏
が残
る
。
図
10
・
11
が
芭
蕉
翁
顕
彰
会
本
の前
後
表
紙
で
あ
る
。
寸
法
は
、
縦
搦
×
横
㍑
粍
。
刊
記
は
最
終
丁
三
十
二丁
の裏
に
入
り
、
①
②
が
﹁
延
享
甲
子林
鐘
/
書
林
西
村
源
六
/
彫
工
吉
田
魚
川
﹂
(
図
12
参
照
、①
に
よ
る
)
、③
は
﹁
蕉
門
書
林
京
寺町
二
条
下ル
町
/
橘
屋
治
兵
衛
梓
﹂
、④
⑤
⑥
は
﹁
延
享
甲
子
林
鐘
/
洛
陽
蕉
門
書
林
井
筒
屋
庄
兵
衛
/
橘
屋
治
兵
衛
﹂
と
あ
り
、
版
面
の傷
み
な
ど
か
ら
考
え
て
、① ←② ←③ ← ④ ⑤ ⑥
の順
に
出
た
と
考
え
ら
れ
る。
題籏
を
含
め
本
文
板
木
は
す
べ
て同
板
で、
④
⑤
⑥
の刊
記
は①
②
の
﹁
延
享
甲
子林
鐘
﹂
を
そ
のま
ま
残
し
、
書
騨
名
の
み入
れ
替
え
て
あ
る
(
図
16
参
照
、
④
に
よ
る
)
。
さ
て、
こ
の
﹃
拾
遺
﹄
、
編
者
渉
青
の序
文
によ
れ
ば
寛
保
三
年
の芭
蕉
五
十
回
忌
を当
て込
ん
で
の企
画
で
、枡
形
本
と
いう
サ
イ
ズ
・
外
題角
書
か
ら
も
元
禄
版
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
を
強
く
意
識
し
た
企
画
であ
る
こと
明
々
白
々
であ
る
こ
と
先
に
ふ
れ
た
が
、
決
定
的
な
のは
表
紙
で
あ
る
。
右
六
本
のう
ち
、
最
も
摺
り
の早
い
①
の西
村
版
は
枯
葉
色
地
に藍
色
の紗
綾
形
模
様
の
表
紙
を
備
え
る
が
、
元禄
版
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
に
類
似
の表
紙
を
持
つも
のが
少
な
か
らず
あ
る
。
す
な
わ
ち
、
相
模
女
子
大
学
蔵
本
(
相
模
女
子
大
学
図
書
館
編
﹁
古
典
文
学
の世
界
﹂
に
カ
ラ
ー
図
版
収
録
)
・
岡
本
勝
氏
蔵
本
(
上
野洋
三
編
﹃
影
印
奥
の
細
道
﹄
に図
版
収
録
)
・
早
稲
田大
学
蔵
本
(
雲
英
末
雄
氏
編
﹃
元禄
版
お
く
のほ
そ道
﹄
に図
版
収
録
)
・
綿
屋
文
庫
蔵
の三
本
( 80 ・ 58 、 80 ・ 62 、 80 ・ 43 )
が
そ
れ
であ
る。
い
ま
綿
屋
文
庫
本
(
80
・
58
)
によ
り
図
13
に示
し
た
。
も
と
よ
り
井
筒
屋
正
規
版
の
﹃
お
く
のほ
そ
道﹄
が
﹃
拾
遺
﹄
の表
紙
を
ま
ね
る必
要
は
全
く
な
く
、
人
気
商
品
の
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
にあ
やか
って
﹃
拾
遺
﹄
を
売
ろう
と
し
た
江
戸
の西
村
源
六
が
延
享
当
時
出
回
って
い
た
﹃
お
く
の
ほそ
道
﹄
の表
紙
を
模
し
た
と
見
る
べき
こと
、
言
う
ま
で
も
な
い。
﹃
お
く
の
ほ
そ道
﹄
を
模
し
て枡
形
本
と
し
て
いる
こ
と
、
角
書
に
では
あ
るが
﹃
奥
細
道
﹄
の外
題
を
使
用
し
て
い
る
こと
、
さ
ら
に
は
表
紙
の類
似
性
、
これ
だ
け
揃
え
ば
正
規
版
元
の井
筒
屋
か
ら
重
類
版
と
し
て
差
し
構
え
を
受
け
る資
格
が
十
分
にあ
る。
俳
文
学
大
辞
典
では
﹃
拾
遺
﹄
の
﹁
京
都
井
筒
屋
庄
兵
衛
・
橘
屋
治
兵
衛
相
版
﹂
を
﹁
求
版
本
﹂
と
す
る
が
、
事
実
は
お
そ
らく
そう
で
は
な
く
、
井
筒
屋
が
﹃
拾
遺
﹄
を
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
の重
類
版
と
し
て差
し
構
え
を
起
し
、
そ
の板
木
を
没
収
し
た
と
考
え
る
のが
自
然
で
あ
る
。
で
は
、
﹃
拾
遺
﹄
の板
木
が
井
筒
屋
・
橘
屋
に動
いた
のは
何
時
か
。
そ
の手
掛
か
り
の
一つは②
三
原
図
書
館
本
にあ
る。
同
書
表
紙
は
①
の芭
蕉
翁
顕
彰
会
本
と
は
や
や趣
を
異
に
し
、
菱
形
地
に丸
に草
花
模
様
で、
欠
刻
の状
況
な
ど
か
ら
①
よ
り
は
少
し
後
の
出
版
と
思
わ
れ
る
が
、
巻
末
に
﹁
文
刻
堂
寿
梓
目
録
本
町
三
丁
目
西
村
源
六
﹂
三
丁
を
添
え
て
いる。
こ
こ
には
西
村
源
六
の出
版
総 合 研 究 所 所 報
百
十
一
点
(
含
﹁
奥
細
道
拾
遺
﹂
。
う
ち
近
日
板
行
三点
、
未
刻
二
点
)
を
収
録
す
る
が
、享
保
・
元
文
・
寛
保
期
の刊
行
書
に
混
じ
って
﹃
蝶
の
遊﹄
(
北
華
著
、
西
村
源
六
・
西
村
市
郎
衛
門
刊
、
延
享
二年
岱
昌
序
)
、
﹃
江
戸
二十
歌
仙
﹄
(
二
世
湖
十
編
、
延
享
二年
九
月
西
村
源
六
刊
)
、
﹃
俳
譜
温
故
集
﹄
(
蓮
谷
編
、
延
享
五年
二月
西村
源
六
・
西
村
市
郎
衛
門
刊
)
が
見
え
る。
ま
た
、
目
録
巻
末
近
く
に
﹃
東
風
流
﹄
(
二世
青
峨
編
、
宝
暦
六
年
春
西
村
源
六
・
西
村
市
郎
衛
門
刊
)
が
﹁
未
刻
﹂
と
し
て出
る。
ち
な
み
に
、
宝
暦
六
年
頃
のも
のと
見
ら
れ
る
井
筒
屋
庄
兵
衛
の
﹁
俳
譜
書
籍
目
録
﹂
(
前
引
拙
稿
﹁
板
木の
あ
り
か
﹂
参照
)
には
、
﹃
拾
遺
﹄
は出
て
いな
い。
﹃
拾
遺
﹄
の板
木
が
延
享
元
年
の初
版
後
、
宝
暦
六
年
頃
ま
で
の
十
年
余
は
西
村
源
六
の手
許
に
あ
っ
た
こと
を
証
す
るも
の
で
、
そ
の板
木
が
井
筒
屋
・
橘
屋
へ
動
い
た
の
は
そ
れ
以
降
と
いう
こと
にな
る
。
もう
一
つ
の手
掛
か
り
は
、
板
木
が
井
筒
屋
・
橘
屋
へ
動
いた
あ
と
入
木
に
よ
って修
正
さ
れ
た
④
麗
沢
大
学
図
書
館
本
⑤
綿
屋文
庫
A
本⑥
綿
屋
文
庫
B
本
の
刊
記
であ
る
。
こ
の刊
記
部
﹁
洛
陽
蕉
門
書
林
井筒
屋
庄
兵
衛
/
橘
屋
治
丘
ハ
衛
﹂
の書
体
(
図
16
参
照
)
は
、
雲
英
末
雄
氏
が
﹃
元
禄
版
お
く
のほ
そ道
﹄
に明
和
版
と
し
て
分
類
・
掲
示
さ
れ
た
﹃
お
く
の
ほ
そ道
﹄
の刊
記
に酷
似
し
て
いる
(
図
15
参
照
、
綿
屋
文
庫
本
に
よ
る
)
。
同
書
刊
記
部
に
は
﹁
奥
細
道
拾
遺
全
一
冊
出
来
/
奥
細
道
菅
菰
抄
全
二
冊
出
来
/
同
附
録
全
一
冊
追
テ
出
来
﹂
の広
告
があ
る
が
、
う
ち
﹃
奥
細
道
菅
菰
抄
﹄
の
出
版
は
安
永
七
年
であ
った
(
図
17
参
照
、
奈
良
大
本
によ
る
)
。
以
上
纏
め
てみ
ると
、
江
戸
の西
村
源
六
が出
し
た
﹃
拾
遺
﹄
が
﹃
お
く
の
ほそ
道
﹄
の重
類
版
と
見
倣
さ
れ
、
そ
の板
木
が
井筒
屋
・
橘
屋
へ
動
い
た
のは
宝
暦
六
年
以
降
安
永
に
か
け
て
の頃
、
そ
れ
が
井
筒
屋
・
橘
屋
によ
って
﹃
お
く
のほ
そ
道
﹄
シ
リ
ーズ
の新
規
商
品
と
し
て売
り出
さ
れ
た
のは安
永
七年
頃
と
い
う
結
論
を
得
る
こと
が出
来
る
。
な
お
、
本
の
内
容
は
正規
版と
異
な
っ
て
い
ても
書
型
・
書
名
の
紛
ら
しき
をも
っ
て
重
類
版
の
裁
定
が
下
さ
れ
る
ケ
ー
ス
が
あ
っ
た
こと
は、
小
本
﹃
俳
譜
七部
集
﹄
を模
し
た
﹃
西
国
俳譜
七部
集
﹄
の
例
が
あ
る
こと
、
ま
た重
類
板
の
板
木
を
取
り
上
げ
た
正規
版
元
が重
類
版
を
商
品
化
す
る
例
も
少
な
か
らず
存
在
す
る
こと
は
、
拙
稿
﹁
芭
蕉
と
い
う
利
権
(
一
)
﹂
(
奈
良
大
学
紀
要三
+
一
号
)
﹁
芭
蕉
と
いう
利
権
(
二
)
﹂
(
奈
良
大
学
総
合
研
究
所
所
報
+
二
号
)
﹁
芭
蕉
と
い
う
利
権
(
三
)
﹂
(
前
引
)
﹁
七
部
解
と
七
部
木
槌
﹂
(
大
谷
大
学
﹁
文
藝
論
叢
﹂
六
+
一
号
)
な
ど
に詳
述
し
たと
こ
ろ
であ
る
。
﹃
笈
の
小
文﹄
の
版
権
さ
て、
か
よう
な
﹃
拾
遺﹄
の版
権
移
動
は
﹃
笈
の小
文﹄
にも
そ
っ
く
り
そ
のま
ま
当
て嵌
め
て考
え
る
こ
と
が
出
来
る
ので
は
な
いか
。先
に
図
1
.
図
2
で確
認
し
た
よう
に
、
平
野
屋
版
﹃
笈
の小
文﹄
の表
紙
は
砥粉
色
地
に
銀
灰
色
の歯
朶
模
様
であ
っ
た
。
雲
英
氏
が
﹃
元
禄
版
お
く
の
ほ
そ道
﹄
に
明
和
版
B
・
C
・
D
と
し
て紹
介
さ
れ
た
﹃
お
く
の
ほそ
道
﹄
(
図
14
、
﹃
元
禄
版
お
く
の
ほそ
道
﹄
よ
り
転
載
)
及
び
そ
のシ
リ
ーズ
と
し
て売
り
出
さ
れ
た
安
永
七年
刊
﹃
奥
細
道
菅
菰
抄
﹄
(
図
17
)
、
そ
れ
に
﹃
拾
遺﹄
の
③
鶴
岡
市
郷
資
本④
麗
沢大
学
図
書館
本
⑤
綿
屋
文
庫
A
本
の三
本
も
同
様
の歯
朶
模
様
の表
紙
が
あ
る
(
図
16
、④
に
よ
る
)
。
先
の
﹃
拾
遺
﹄
の場
合
と
同
じ
く
、
正
規
版
元
の井
筒
屋
側
が
﹃
笈
の
小
文
﹄を
ま
ね
る必
要
は全
く
なく
、
﹃
笈
の
小
文
﹄
の版
元
が
﹃
おく
の
ほ
そ道