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口腔悪性腫瘍 診断 におけ る

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Academic year: 2021

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FDG‑PET‑CTの 有 用 性 に つ い て の 検 討

川 原 一 郎 由 季

浜 田 智 弘 渋 澤 洋 子

秀 樹 高 田

園 田 正 人 大 野

Applicability  of FDG‑PET‑CT  to the  Detection  of Oral  Cancer

Ichiro  KAwAHARA,  Tomohiro  HAMADA,  Hideki  KoN,  Masahito  SoNoDA YUki  HAYAsHI,  Yoko  SHIBusAwA,  Satoshi  TAKADA  and  Takashi  OHNo

    We  examined  the  applicability  of  PET‑CT  to  the  detection  of primary  tumors  and metastases  to  cervical  lymph  nodes  and  distant  organs  of  30  patients  with  oral  squa‑

mOUS  Cell  CarCinoma.

    1)The  accuracy  rate  fbr  detecting  primary  tumor,  was  93%(28/30).

    2)That  for  detecting  cervical  lymph  node  metastases,  was  97%(29/30),  but  small       cervical  lymph  node  metastases  could  not  be  detected.

    3)That  for  detecting  metastases  to  distant  organs,  was  90%(27/30),but  the  positive       predictive  value  was  low(25%),  presumably  because  FDG  also  accumulates  by  in‑

      flammation  or  trauma.

    These  results  suggested  that  PET‑CT  is  useful  as  a  screening  of  oral  cancer,  al‑

though  there  are  some  problems  to  be  solved.

Key  words:PET‑CT,  oral  cancer,  primary  tumor,  cervical  lymph  node  metastasis,  distant  metastasis

  2002年4月 よ り,フ ル オ ロ デ オ キ シ グ ル コ ー ス(FDG)を 使 用 したPET検 査 に対 して 健 康 保 険 適 応 が 認 め られ,全 国 的 に 普 及 しつ つ あ る。

PETは,悪 性 腫 瘍 に お い て18FDGが 特 異 的 に 集 積 す る こ とを 用 い た画 像 診 断法 で あ り,各 領 域 の 悪性 腫 瘍 の 診 断 に お い て 高 い有 用 性 が 報 告 され て い る。 口腔 領 域 に お い て も,悪 性 腫 瘍 の 診 断 に お け るPETの 有 用 性 に つ い て の 報 告 が 散 見 され る が1〜8),PET単 独 で は 正 確 な 形 態 診 断 が 困 難 で あ

り,解 剖 的 に複 雑 な 構 造 を示 す 口腔 領 域 に お い て, PETとCTを 同 時 に撮 影 す る こ とが で き るPET‑

CTは 極 め て 有 用 で あ る9)。今 回 わ れ わ れ は,口 腔 悪 性 腫 瘍 診 断 に お け るPET‑CTの 有 用 性 に つ い て 検 討 し た の で 報 告 す る。

  2004年 か ら2007年 の 間 に,当 科 に てPET‑CT を 施 行 し た22歳 か ら87歳 ま で の 口 腔 扁 平 上 皮 癌 患 者30例(男 性19例,女 性11例,平 均 年 齢62歳 〉 を対 象 と した。

受 付:平 成22年3月30日,受 理:平 成22年5月18日 奥 羽 大学 歯学 部 口腔 外 科 学 講座

Department  of Oral  Surgery,0hu  University  school of Dentistry

(2)

94

  原 発 部 位 は,舌12例,下 顎 歯 肉6例,上 顎 歯 肉5例,口 底4例,頬 粘 膜3例 で あ っ た 。 ス テ ー ジ 分 類 で は,stage  I 9例,  StageⅡ9例,  stage 皿3例,stage  IV 9例 で あ っ た(表1)。

表1  対 象症 例

2010

性別 男性

女性

19 11

年齢 22歳 〜87歳

  1.PET‑CTの 撮 影 方 法

  総 合 南 東 北 病 院PET・ ガ ン マ ナ イ フ高 度 診 断 治 療 部 門 に 依 頼 し て,PET‑CT装 置(GE社 PET‑CT  Discovery  Ls)に て 撮 影 し た 。 な お, 撮 影 はFDG注 射1時 間後 に 行 っ た 。

  2.解 析 方 法

  SUV3.5をcutoffと し た。 正 常 構 造 でSUV3.5 を超 え る部 位(口 蓋 扁 桃 な ど)に つ い て は,有 意 な左 右 差 を認 め な けれ ば正 常 と診 断 した 。   3.解 析 項 目

  原 発 巣,頸 部 リンパ 節,遠 隔 臓 器 の それ ぞ れ に つ い て,正 診 率,感 度,特 異 度,陽 性 適 中率 を算 出 し た。 な お,PET診 断 と病 理 組 織 診 断 が 一 致 した 症 例 を 正 診 と し,PETで 悪 性 腫 瘍 が 疑 わ れ る も確 定 診 断 で 悪 性 で は な か っ た 症 例 は 偽 陽 性, FDGの 集 積 が 認 め られ な か っ た が 確 定 診 断 で 悪 性 腫 瘍 で あ っ た もの は偽 陰性 と した 。 ま た,偽 陰 性 ・偽 陽 性 症 例 に つ い て の 検 討 を 行 っ た。

原発部位   舌

下顎歯肉 上顎歯肉   口底

頬粘膜

12 6 5 4 3 stage分 類 stage  I

stageⅡ stage皿 stage  IV

9 9 3 9

30

表2  診断結果

原 発巣    頸 部 リンパ 節   遠 隔臓 器 正 診(陽 性)

正 診(陰 性)   偽 陽性   偽 陰性

8 20 1 1

4 25 0 1

1 26 3 0

表3  正 診率 ・感 度 ・特 異 度 ・陽性 的 中率

原 発巣  頸部 リンパ節  遠隔臓器

  正 診 率    93%(28130)   感 度     89%(819)   特 異 度     95%(20121) 陽 性 的 中 率  89%(8!9)

97%(29130) 80%(415) 100%(25!25) 100%(414)

90%(27130) 100%(111)

90%(26129) 25%(114)

  1.原   発   巣

  原 発 巣 に つ い て,正 診(陽 性)は8症 例,正 (陰 性)は20症 例,偽 陽 性 は1症 例,偽 陰 性 は 1症 例 で あ っ た 。 正 診 率 は93%(28130)感 度 は 89%(819),特 異 度 は95%(20121),陽 性 的 中 率 は 89%(8/9)で あ っ た(表2,3)。

  2.頸 部 リ ン パ 節

  頸 部 リ ン パ 節 に つ い て,正 診(陽 性)は4症 例, 正 診(陰 性)は25症 例,偽 陰 性 は1症 例 で あ っ た 。 正 診 率 は97%(29130),感 度 は80%(415),特 異 度 は

100%(25125),陽 性 的 中 率 は100%(414)で あ っ た (表2,3>。

  3.遠 隔 臓 器

  遠 隔 臓 器 に つ い て,正 診(陽 性)は1症 例,正 診(陰 性)は26症 例,偽 陽 性 は3症 例 で あ っ た 。 正 診 率 は90%(27130),感 度 は100%(111),特 異 度

感 度=PETで 陽性1陽 性=正 診(陽 性)1正 診(陽 「生)+偽 陰性 特 異 度=陰 性1PETで 陰性=正 診(陰 性)1正 診(陰 性)+偽 陽 性 陽性 的 中 率=陽 性1PETで 陽 性=正 診(陽 【生)1正 診(陽 性)+偽 陽性

は90%(26129),陽 性 的 中 率 は25%(114)で あ っ た (表2,3)。

  4.偽 陽 性 ・偽 陰 性 症 例

  偽 陽 性 ・偽 陰 性 は,以 下 の6症 例 で あ っ た 。 (症例1)原 発 巣   偽 陽 性症 例

  84歳 女 性 。 右 側 舌 縁 部 扁 平 上 皮 癌 に て 舌 部 分 切 除 後6か 月。 顎 下 リ ンパ 節 に 明 ら か なFDGの 集 積 を認 め,左 側 全 頸 部 郭 清 術 を施 行 し,顎 下 リ ンパ 節 転 移 を確 認 した。 また,病 変 を認 め な い 左 側 舌 縁 部 に もSUV7.6の 集 積 が観 察 され た。 悪 性 腫 瘍 の 存 在 を疑 い 精 査 を 行 っ た が,異 常 は認 め な か っ た(写 真1)。

(症例2)原 発 巣   偽 陰 性症 例

  84歳 女 性 。 右 側 舌 下 部 に 直 径10mmの 潰 瘍 を

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写 真1  原発 巣   偽 陽性 症 例

      84歳 女 性。 右 側 舌 縁 部 扁 平 上 皮 癌 に て 舌 部 分       切 除 後6か 月。 病 変 を認 め な い左 側 舌 縁 部 に(A),       SUV7.6の 集積 を認 め た(B)。 ま た,顎 下 リンパ 節       に明 らか な集 積 を認 め た(C・D・E・F)。

写 真3  頸 部 リ ンパ 節  偽 陰 性症 例

      77歳 男 性 。 左 側 下 顎 臼 歯 部 歯 肉扁 平 上 皮 癌 。 原       発巣 以 外 の 部 分 に異 常 な 集積 は認 め られ なか った       (A・B・C・D)。

写 真2  原発 巣  偽 陰 性 症例

      84歳 女性 。 右 側舌 下 部 に直 径10mmの 潰 瘍 を認 め       た(A)。 同 部 にSUV6.0の 集積 を認 めた が,左 側 優       位 で あ り,舌 扁 桃 の生 理 的 集 積 と診 断 した(B)。

認 め た た めPET検 査 を行 っ た 。 同 部 にSUV6.0 の 集 積 が観 察 され た もの の,左 側 優 位 で あ り,舌 扁 桃 の生 理 的 集 積 と診 断 した。 しか し,病 理 組 織 診 断 は扁 平 上 皮 癌 で あ っ た(写 真2)。

(症例3)頸 部 リ ンパ 節   偽 陰性 症 例

  77歳 男性 。 左 側 下 顎 臼歯 部 歯 肉扁 平 上 皮 癌 。 原 発 巣 以 外 の 部 分 に 異 常 な集 積 は 観 察 され ず,頸 部 リ ンパ 節 転 移 な し と診 断 した 。 しか し触 診 お よ び MRIに て 左 側 顎 下 部 に 有 意 な リ ン パ 節 を認 め た た め,左 側 全 頸 部 郭 清 術 を施 行 し,顎 下 部 に3個, 上 内深 頚 リ ンパ 節 に5個 の リンパ 節 転 移 を確 認 し た(写 真3)。

(症例4)遠 隔 臓 器  偽 陽 性 症 例

  65歳 女 性 。 右 側 口底 部 扁 平 上 皮 癌 。 術 後3年 に

写真4  遠 隔臓 器   偽 陽 性症 例

      A:65歳 女 性 。 右 側 口 底 部 扁 平 上 皮 癌 。 術 後3年 。       結 腸 部 にsUV7.3の 連続 した集 積 を 認 め た。

      B:54歳 女 性 。左 側 下 顎 部 大 臼歯 部 扁 平 上皮 癌 。       術 後7年 。左 側 乳 頭 部 にsUV14.7の 集 積 を認 め た。

      C:68歳 女 性 。 右 側 舌 縁 部 扁 平 上 皮 癌 。 術 後1年 。       右 側 肺 門 部 にSUV5.9の 集積 を認 め た。

て,結 腸 部 にSUV7.3の 連 続 した 集 積 を認 め た た め,他 院 消 化 器 外 科 に て 精 査 を 行 い,異 常 な し と 診 断 され た(写 真4A)。

(症例5)遠 隔 臓 器   偽 陽 性 症 例

  54歳 女 性 。 左 側 下 顎 部 大 臼 歯 部 扁 平 上 皮 癌 。 術 後7年 に て,左 側 乳 頭 部 にSUV14.7の 集 積 を認 め た た め,他 院 外 科 に て 精 査 を 行 い,乳 輪 下 膿 瘍 と

(4)

96

診 断 され た(写 真4B)。

(症例6)遠 隔 臓 器   偽 陽 性 症 例

  68歳 女 性 。 右 側 舌 縁 部 扁 平 上 皮 癌 。 術 後1年 に て,右 側 肺 門 部 にSUV5.9の 集 積 を 認 め た た め, 他 院 呼 吸 器 外 科 に て 精 査 を行 い,右 葉 問肺 膜 炎 と 診 断 され た(写 真4C)。

  口腔 領 域 悪性 腫 瘍 に対 す る画 像 診 断 は,こ れ ま で に お い てCT・MRI・ 超 音 波 検 査 が 実 施 され て き た が,PET検 査 が 保 険適 応 され て 以 来,原 発 巣 ・ 頸 部 リ ンパ 節 転 移 ・遠 隔転 移 の 診 断 や 治 療 効 果 の 判 定 に お け るPETの 有 用 性 が 多 数 報 告 され て い る1〜8)。悪 性 腫 瘍 で は 各 種 代 謝 の 尤 進 が 認 め られ, FDG‑PETを 用 い る事 で,従 来 のCT・MRIに

る形 態 診 断 だ け で は な く,代 謝 活 性 を定 量 的 に 評 価 す る事 が 可 能 に な っ た。 しか し,正 確 な形 態 診 断 が 困 難 で あ るPET単 独 で は癌 の 診 断 に お い て 不 十 分 で あ り,近 年PETとCTを 同 時 に 撮 影 す る こ と が で き るPET‑CTが 注 目 され て い る9)。

  PET‑CT装 置 は,2001年GE  Medical systems 社 よ り新 しいPET装 置 と して 発 売 され た 。 日本 に お い て は2003年 末 よ り導 入 さ れ た が,高 額 な 装 置 で あ る た め に,PET‑CT装 置 を 導 入 して い る施 設 ・病 院 は ま だ 少 な い。

  PET‑CT装 置 は,従 来 のPET装 置 にCT装 が 一 体 化 され て お り,PETとCTを 同 時 に 撮 影 可 能 で あ り,ま た 同 一 断 面 上 に機 能 画 像 と形 態 画 像 を表 現 す る事 が 可 能 で あ る。 従 来 のPET検 で は,PETとCTを 別 々 の 装 置 で 撮 影 し た 後 に 画像 を融 合 させ て い た が,被 験 者 の 呼 吸 に伴 う各 臓 器 の変 動 や 移 動 に よ る 「ず れ 」 が あ り,完 壁 な 重 ね 合 わ せ 画 像 を得 る 事 は 不 可 能 で あ っ た が, PET‑CT検 査 は, PETとCTを 同 時 に 撮 影 す る こ とで,短 時 間 で 簡 単 かつ 精 度 の高 い 融 合 画 像 を 得 る こ とが で き,ま た 患 者 に と っ て も検 査 時 間 が 短 縮 され る メ リ ッ トが あ る。 と くに 口 腔 領 域 で は, 解 剖 学 的 に複 雑 で あ る事 や悪 性 腫 瘍 の 術 後 の形 態 変 化 を考 慮 す る と,PET‑CTは 極 め て 有 用 で あ る。 そ こ で 当 科 で は,総 合 南 東 北 病 院PET・ ン マ ナ イ フ高 度 診 断 治 療 部 門 に 依 頼 して,2004 年 よ り 口 腔 悪 性 腫 瘍 症 例 に 対 し てPET‑CTを

2010

行 っ た1°)。

  原 発 巣 に つ い て は,正 診 率 ・感 度 ・特 異 度 ・陽 性 適 中 率 と も に 高 い 値 を 示 し,PET‑CTの 高 い 有 用 性 が示 唆 され た 。 しか し,舌 扁 桃 な ど生 理 的 集 積 部 位 の 診 断 は 困 難 で あ った 。

  頸 部 リ ンパ 節 に つ い て は,高 い 正 診 率 ・感 度 ・ 陽 性 適 中 率 を 示 した が,特 異 度 は80%と や や 低 い値 を示 し,特 に偽 陰 性 に 対 す る注 意 が 必 要 で あ る と 考 え られ る。 今 回 の 偽 陰 性 症 例 に つ い て は, 顎 下 リ ンパ 節 に最 大 径7mm,上 内深 頚 リンパ 節 に 最 大 径6mmの 頸 部 リ ンパ 節 転 移 症 例 で あ っ た が, 原 発 巣 以 外 の 部 位 に 異 常 な 集 積 は認 め られ な か っ た 。 原 因 は 不 明 で あ るが,現 在 の リ ンパ 節 転 移 に お け るPETの 分 解 能 は5mm程 度 と言 わ れ て お り, PET単 独 でNOと 診 断 す るの で は な く,触 診 や他

の画 像 検 査 を併 用 して 総 合 的 に 判 断 す る こ と が重 要 で あ る。 小 松 原 ら3)は,PET単 独 とPETと CT併 用 した 場 合 を比 較 して,正 診 率 は81%か 88%に 上 が り診 断 精 度 が 向 上 し た と 報 告 して お り,や は り診 断 に はCT・MRI・ 超 音 波 を併 用 す る必 要 が あ る と は い え,頸 部 リ ンパ 節 転 移 の 診 断 に お い て,PETは 他 の 報 告 と 同 様 に有 用 で あ る こ とが 示 唆 され た1,3,7,8)。

  遠 隔臓 器 に つ い て は,感 度 ・特 異 度 は高 く,遠 隔 転 移 や 重 複 癌 の 診 断 に お け る ス ク リー ニ ング と

して 非 常 に有 用 で あ る と考 え られ る2,11,12)。しか し 陽 性 適 中 率 は25%と 低 く,偽 陽 性 症 例 で は 正 確 な 診 断 を得 る こ とが で き な か っ た。 悪 性 腫 瘍 以 外 で のFDG集 積 の 原 因 と して は,局 所 的 な炎 症,脳 ・ 心臓 ・泌 尿 器 系 に お け る生 理 的 集 積,糖 尿 病 な ど が あ る6,13)。しか しな が ら,集 積 部 位 の 明 らか な 器 質 的 変 化 が 認 め られ な い原 因 不 明 な 場 合 も多 い 。 つ ま り有 意 なFDGの 集 積 が観 察 され た場 合,安 易 に 転 移 と判 断 せ ず に,集 積 部 位 につ い て 精 査 が 不 可 欠 で あ るが 原 発 巣 へ の 早 期 治 療 開始 の た め に

も迅 速 な精 査 が 求 め られ る。

  従 来 のPETに お い て も高 い 診 断 能 を有 して い る が,PET‑CTは そ の 特 性 か ら正 診 率 に つ い て PETと 比 べ てPET‑CTの ほ うが 有 意 に 高 い との 報 告 も あ り9),さ らな る診 断 の 向 上 が 期 待 で き る。

さ ら に 治 療 に お い て も,放 射 線 治 療 で はPET‑

CTを 導 入 す る こ とで,従 来 のCTの み で 行 っ た

(5)

場 合 と比 べ て,よ り照 射 野 の 正 確 な設 定 お よ び 治 療 が可 能 で あ り,ま た術 前 放 射 線 化 学療 法 や外 科 的 切 除 実 施 後 の 治 療 効 果 の 判 定 で は,解 剖 学 的 に 複 雑 で あ る 事 や 術 後 の 形 態 変 化 を 考 慮 す る と PET‑CTは 極 め て 有 用 で あ る4,5)。

  しか し,PETが ん検 診 に お け るPET陰 性 の が ん は 非 常 に 多 く,PETの が ん 検 出 感 度 は わ ず か 17.83%と い う報 告 や14),当 科 に お い て も,唾 液 腺 腫 瘍 につ い て は,ワ ル チ ン腫 瘍 や 多形 性 線 腫 な どの 良 性 腫 瘍 で も高 集 積 を認 め た 場 合 や,粘 表 皮 癌 や 腺 様 嚢 胞 癌 な ど の 悪 性 腫 瘍 の 一 部 で は 偽 陰 性

を示 し た 場 合 も あ り 良 悪 鑑 別 が 困 難 で あ っ た15)。

この こ と よ り悪 性 腫 瘍 に お い てPETやPET‑CT 単 独 で 診 断 を行 うの で は な く,他 の 各 種 検 査 と組

み合 わ せ て 診 断 を 行 う必 要 が あ る。 ま た最 近,ア ミ ノ酸 の 代 謝 を 反 映 す る メ チ オ ニ ン(MET)を 用 い たMET‑PET検 査 が 注 目 され て お り,メ オ ニ ン はFDGと 比 べ,炎 症 部 位 に対 して 集 積 さ れ に くい 特 徴 を有 して お り,今 後 よ り正 確 な 診 断 が 期 待 で き る。

  今 回 の 結 果 よ り,頸 部 リ ンパ 節 転 移 に お け る偽 陰 性 症 例 や 遠 隔 転 移 の 診 断 の正 確 性 な ど解 決 す べ き 問題 は あ る も の の,原 発 巣,頸 部 リ ンパ 節 転 移, 遠 隔 転 移 に お け る 正 診 率 は そ れ ぞ れ93%,97%, 90%と 高 く,口 腔 悪 性 腫 瘍 に 対 す るPET‑CTの 高 い 有 用 性 が 示 唆 さ れ た 。 し か し,PET‑CT検 査 は 限 られ た施 設 の み で 実 施 され て い るの が現 状 で あ り,今 後 は 症 例 数 を増 や して,さ ら な る 口腔 悪 性 腫 瘍 診 断 に お け るPET‑CTの 有 用 性 の 検 討 を行 う予 定 で あ る。

  今 回 わ れ わ れ は,口 腔 悪 性 腫 瘍 診 断 に お け る PET‑CTの 有 用 性 に つ い て 検 討 し た の で,若 の文 献 的 知 見 を加 えて 報 告 した 。

 稿 を終 え る に あ た り,PET撮 影 ・診 断 ・解 析 に つ い て ご教 示 い た だ きま した 南 東 北 医 療 ク リニ ッ クPET・ ガ ン マナ イ フ高度 診 断 治療 部門 ス タ ッフー 同 に深 く謝 意 を表 し ます 。

飯 田 尚 紀,川 口 浩 司,堀 江 彰 久:口 腔 が ん の 所 リ ン パ 節 転 移 に 対 す るCE‑CT,  MRI及 FDG/PET検 査 に お け る 診 断 精 度 の 比 較 検 討.

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著 者 へ の 連 絡 先:川 原 一 郎,(〒963‑8611)郡 山 市 富 田 町 字 三 角 堂31‑1  奥 羽 大 学 歯 学 部 口 腔 外 科 学 講 座

Reprint  requests:Ichiro  KAWAHARA,  Department  of Oral  Surgery}Ohu  University  School  of Dentistry

31‑1Misumido,  Tomita,  Koriyama,963‑8611,  Japan

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 局所々見:右膝隅部外側に栂揃頭大の腫脹があ