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Academic year: 2021

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アカデメイア

大学と研究

工学研究科長 首 藤 公 昭

昨今、大学を取り巻く環境が大きく様変りし ているのはご承知の通りです。国立大学の独立 法人化と相俟って文部科学省から大学への補助 金交付には徹底した競争原理の導入が進められ ています。本学への平成17年度補助金額は私立 大学中19位でした。6位だった昭和53年度以降 の順位を年度順に並べると、6、9、7、7、

8、8、8、8、8、8、22、11、10、9、10、

10、11、14、14、14、15、19、23、16、14、16、

22、19となり、平成に入ってからの低下傾向、

特に平成11年頃からの落ち込みが顕著です。補 助金の額は大学への財政支援であると同時に大 学の活力に対する文科省の評価と考えなければ なりません。また、本学ではこれとほぼ平行し て、入学志願者の学力水準も相対的に低下して おり、受験産業が行う入試難易度評価もごく一 部を除き下がる傾向にあります。つまり、文科 省や世間からの本学に対する評価がこのところ ジリジリと下降し続けているということです。

どのようにしてこの事態を打開し往時の発展 基調に戻すかが本学の今抱えている重大な課題 です。関西、関東には現在も伸びている私立大 学が有るのだから、退潮の原因を社会に帰する 訳にはいきません。私は本質的には戦略性と研 究重視の姿勢が本学リバイバルの要諦であると 思います。まず基本的に重要なのはあらゆる分 野に亘る10〜40年後に花開く学問領域を模索し、

洞察し、思い切った投資をしていく姿勢です。

世界中からそのために必要な優秀な人材を確保 する事、つまり広域的で戦略的な人事を全学的 視野で、長期的に行っていく事こそ基本的に重

要な解決策であると考えます。短期間に成果が 得られることではありませんが、精力的に注力 すべき確実な道です。

また、本学では従来、「研究と教育は車の両 輪」だと言いながら、何処かに研究は教員個人 の私的な事柄で大学運営とは無縁だという風潮 が有ったように思われます。しかし、世間は「良 い大学とは、一流の教員によって一流の教育が 行われている大学であり、一流の教育は一流の 研究によって支えられている」と考えているの ではないでしょうか。どんな時代でも受験生に 見放されないのはその様な大学だと思います。

良い研究者である事が良い教育者であるための 必要条件だというのが大学、大学院教育におけ る世界の共通認識に違いありません。学部の基 礎科目であっても研究と無縁であるはずはなく、

教員自身や世界の先端の研究成果と結びつけな がら、学生の興味や意欲、夢を喚起しつつ講じ る事は不可能ではないはずですし、必要な事だ と思います。

この意味で大学院は大学の旗艦であり看板で なければなりません。一流のそして多数の研究 者が大学院を固め、成果を世に問いつつ学部教 育を強力に引っ張っていく、という体制が望ま れます。入試や教育の方法等を改善することも 無論重要ですが、学部受験生の数が確保できれ ばよしとすると言うのでは将来に光は無いで しょう。大学のステイタスを上げるには大学と してのあるべき姿を真摯に情熱を持って追求す る以外に有効な方策はないのだと思います。

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