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柿 本 真 弓

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Academic year: 2021

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(1)

女子新体操競技は、 5名で行われる団体競技と 個人競技がある。 使用する手具には、 ロープ・フー プ・ボール・クラブ・リボンの5手具がある。 個 人競技では、 このうちの4手具が採用される。 因 みに、 2007年度の全日本学生新体操競技選手権大 会および全日本新体操選手権大会においては、 ロー プ・フープ・クラブ・リボンの4種目が個人競技 の手具として採用された。

一方、 2007年の全日本学生新体操選手権団体競 技においては、 フープ (3人)、 クラブ (2人)

のアンサンブルと、 ロープ単一 (5人) という2 種目が採用された。 学生選手権大会での2種目採 用は初めてのことである。

個人競技においては演技構成上、 必ず演技に取 り入れなければならない必須の徒手要素が決めら れている。 たとえば、 ロープはジャンプ、 フープ はジャンプ、 バランス、 ピボット、 柔軟・波動、

ボールは柔軟・波動、 クラブはバランス、 リボン はピボットである。 その中で、 本研究ではフェッ テピボットに注目した。 フェッテピボットの 「フェッ テ」 とは、 本来 「かき回す」 という意味があり、

片足を水平に伸ばしたフォ―ムとパッセ注1)のフォー

1) 1) 2) 1)

( °+ °+ ° )

柿 本 真 弓

1)

田 口 晴 康

1)

菅 尾 尚 代

2)

堤 朱 里

1)

(2)

ムを繰り返しながら回転する動きである。 このフェッ テピボットは先に述べたように、 リボンとフープ には必須の徒手要素となっている。 リボンとフー プに限らず個人および団体競技においても、 演技 構成上多くの選手が取り入れている。

新体操に関する文献では、 高橋ら4 7 12 14 15 16)

の 演技構成に関する分析、 あるいは、 指導書1 3 13) 等はいくつか見られるものの、 身体および手具操 作の技術的なことに踏み込んだ文献2 5) は数少な いのが現状である。

そこで本研究はフェッテピボットのシリーズ (360° 360° 360°) に焦点を当て、 実施におい てどのように行われているのか、 また、 身体の軸 がずれていない正しいフォームでの実施とそうで ない実施を比較することで、 フェッテピボットの 技術的な特徴を探り出す事を目的とする。

フェッテピボットの技術的な解明に先立ち、 ク ラッシックバレエの指導者であるエレーナ・チェ ルニチョーワによるフェリと学ぶ 「 クラス」

指導8) の中に示されている映像を参考に、 フェッ テピボットにおける動きのポイントと特徴を挙げ てみたい。

まず、 フェッテは4番ポジション注2) から始め、

アームスを開いて右腕の方に力を使って回る。 脚 は最初ピルエット注3) で右に回り、 その後、 脚を 開いて軸足に向かって素早く回る。 全体的にスピー ディに回転し、 対角線のポジション、 クロワ ゼ注4) で終わる。 そこでは、 腰と肩の四つの点を 一緒にできるだけ速く右に回すことがポイントと されている。

ピボットの特徴は、 爪先立ちで実施すること、

そして回転が終了するまでの間、 形が明確で固定 され、 大きさがあることである。 本研究のテーマ であるフェッテピボット3回転は、 パッセピボッ トの繰り返しであり、 1回転目から次へ移行する 時には中断することなく、 踵支持のみで実施する

ことが要求されている。

次に、 新体操競技における様々なピボットの種 類および、 採点規則上あるいは演技構成上の位置 付けについて触れておきたい。

新体操競技におけるピボットの種類は採点規則 上、11) 51種類が記載されている。 そこでは、 パッ セピボット、 胴の前屈・後屈を伴ったピボット、

脚を前方または側方へ伸ばしたピボット、 コサッ クピボット、 脚を後方へ伸ばした (アラベスク、

アチチュード) ピボット、 胴を水平面に保持した ままでのピボット、 形の違うピボットを組み合わ せたユニットピボットなどが代表的である。

ピボットの難度は、 A難度 (0 1点) から始ま り、 形の大きさや回転数によって難度のレベルが 決定される。 実施中に踵をついたり、 形が明確で ない場合、 難度としてカウントされない。 さらに、

ピボットの難度は、 手の支持あり・支持なし、 徐々 に低くなる・高くなる、 また、 上体の形や脚の高 さの違いなどでその価値が変化してくる。

個人競技における徒手難度の数は、 シニアで最 高18個、 ジュニアで最高14個であり、 そのうち最 低6個の必須の徒手要素が必要とされている。 ま た、 団体競技においては、 最高18個 (ジュニアは 14個) の難度が必要であり、 そのうち最低6個の 交換の難度が必要とされている。 (表1)

一方、 2005年採点規則が大幅に改正された11)。 そこでは旧採点規則10) (2002年) において、 構成 (難度・芸術)、 実施ともにすべて減点法で採点さ れていたものが、 構成の一部が加点法になった。

また、 選手の演技内容を申告用紙に記入して提出 する義務が課せられた。 そこでは、 申告した難度 (ジャンプ、 バランス、 柔軟・波動) をミスした 場合、 その価値が失われてしまうことになってい る。 しかし、 ピボットだけは難度の格下げの措置 が認められている。 例えば、 2回転 (720度) 回 る難度を申告したが、 1回転 (360度) のみ正確 に実施できた。 その場合、 難度の価値がなくなる のではなく、 1回転の難度として認められる。 こ のように、 本研究の課題としたフェッテピボット は、 難度のレベルダウン (難度の格下げ) が認め

(3)

られていることから、 ポイントを確保しやすい難 度として、 多くの選手が各種目に取り入れている のが現状である。

研究の対象としては、 F大学新体操競技部女子 個人競技選手2名と団体競技選手4名の計6名を 対象とした。

実験は、 F大学第二記念会堂にて2007年9月2 日に行った。 そこでは、 競技用フロアーの後方に 白色のソフトマットを縦方向に2枚立てかけた。

これは、 撮影する実施技を鮮明に映し出すため、

さらにはソフトマットの境目が丁度鉛直線になる ことから、 それにより実施技の軸ぶれ等を見分け る目安になると考えたからである。 その後、 実施 技に対し正面にデジタルカメラを1 の高さに 設置した。

課題のフェッテピボット3回転を全被験者に実 施した。 また、 各実施後には開始時と終了時にお ける軸足のずれの方向および距離について測定し た。

実験終了後、 撮影されたビデオをパソコンに取 り込み、 映像処理ソフト (フォトインパクト) に

より、 それぞれの選手の連続写真を作成し、 それ を詳細に分析した。 また、 各実施後に記述しても らった自己観察記録も参考にしながら比較検討を 加えた。

図1〜3は、 課題であるフェッテピボット3回 転における開始から3回転終了局面までの6名の 連続写真を作成したものである。 そこでは、 正面 から見て ひねり、 ひねり、 ひねり局面を押 え、 開始から ひねり局面を0コマとし、 それぞ れのコマ数を表した。

開始後の ひねりの局面を0コマとしたのは、

6名全員の動き始めからその局面に至るまでのス ピードが異なっているため、 その後のほぼ同様の 体の操作を示している ひねり局面を基準とした。

なお、 頭の位置が一番低い局面、 いわゆる体を沈 めたプリエ注5) の体勢を示している局面を丸印で 囲んでいる。

また、 考察していくに当たり、 表2に示した各 選手の競技歴およびバレエレッスン経験、 さらに は、 撮影されたビデオによる詳細な印象分析によ り、 個人選手である H選手とM選手は、 フェッ

【個人演技の配点】 【団体演技の配点】

構成 ( + ) 2 10 00満点 9 00満点

実施 10 00満点

構成 ( + ) 2 10 00満点 9 00満点

実施 10 00満点

技 術 的 価 値 ( ) 芸術的価値 ( ) 実施( ) 技 術 的 価 値 ( ) 芸術的価値 ( ) 実施( )

シニア( )10 00

ジュニア( ):8 00 10 00 10 00 シニア( ):10 00

ジュニア( ):8 00 10 00 10 00

難度数 伴奏音楽 振り付け

演技ミスの チェック

難度数 伴奏音楽 振り付け

演技ミスの

基礎構成 特別な芸術的特徴 基礎構成 特別な芸術的特徴 チェック

1 00 2 00 7 00 1 00 2 00 7 00

シニア( ):18個 ジュニア( ):14 個 う ち 最 低 6 個 必 須の徒手難度

・ 動 き と 音 楽の調和

・ 音 楽 テ ー マの統一

・手具要素の選択

・身体要素の選択

・左右の手の均衡 使用

・アクロバット要 素

・空間、 フロアー の使用

・構成の多様性など

・最低1つのリズ ミカルなステッ プのシリーズ

・手具の使用

・熟練度

・独創性

・手具の技術

・身体の技術

・音楽と動き

シニア( ):18 個うち最低6個 交換の難度 ジュニア( ):14 個うち最低4個 交換の難度

・ 動 き と 音 楽の調和

・ 音 楽 テ ー マの統一

・選手間の連係

・フォーメーション

・手具要素の選択

・身体要素の選択

・左右の手の均衡 使用

・アクロバット要素

・構成の多様性など

・手具の使用

・ 選 手 間 の 連 係

・熟練度

・独創性

・同時性とハー モニー

・フォーメーショ ンと移動

・手具の技術

・身体の技術

・音楽と動き

表1 得点の配点

(4)

テピボットの実施において、 回転のはじめから終 了時まで軸足の位置が変わらなかった。 これを軸 ぶれのない 「スムーズな実施」 とし、 N選手とT 選手では、 回転はスムーズであるが 「軸ぶれのあ る実施」、 S選手とO選手については、 回転に軸 ぶれはないが、 クロワゼから回転が始まり膝下を かき回す動きが観察できない。 そのため、 上体が 早めに正面を向き右脚は真横に伸びている。 これ を 「体が開いている実施」 として分け、 それぞれ の特徴および相違点について比較検討していく。

1. スムーズな実施について (図1)

H選手とM選手では、 2名とも全体の運動経過 として、 後方の鉛直線に対する頭と足の位置関係 から見ると、 軸ぶれがなく下体と上体がほぼ一直 線で回転している。 そこでは、 実施後に計測した 軸足の移動距離はH選手が前方へ6 、 M選手 が前方へ8 とずれが少なかった。 また、 回転 スピードについては開始の動き始めから ひねり 局面に至る開始局面、 あるいは全体のコマ数から 見ると若干ではあるがH選手の方が速い。

運動経過については、 回転開始からつま先立ち で上方に伸び上がりパッセの形が明確な ひねり

局面で体の位置が最高位にある。 その後、 真下に 沈み込みながら回転し、 それぞれ丸印で示した、

H選手が10コマ、 36コマ、 60コマ、 M選手が12コ マ、 38コマ、 64コマと最も深いプリエ (グランプ リエ)注6) へと移行していく。 また、 その局面で は軸足が斜め左方向に向いており、 振り込まれた 膝は伸びている。 さらに、 ひねり局面では、 H 選手が8コマ、 30コマ、 54コマ、 M選手が8コマ、

32コマ、 58コマとなっており、 いずれも顔の向き は正面を向き、 膝から足先を斜め左前方に振り込 むような経過になっている。 これは、 H選手の

「目線の位置を固定し、 脚を出す位置に注意した。」

M選手の 「正面を見てから足を伸ばすようにして いる。」 という自己観察報告とも一致していた。

腕の振りに関しては、 ひねり付近から、 肩か ら肘、 手へと流れるような動きから腕を真横ある いは斜め下方向に広げ、 足の振り上げより先行し ている。

2. 軸ぶれのある実施について (図2)

N選手とT選手では、 後方の鉛直線に対する頭 と足の位置関係から見ると、 特に前方を向いてか ら上体が沈み込むプリエの付近で体のぶれが最も

選 手 名 バレエレッスンの経験 (専門家からの指導)

H選手

(2年) インターハイ個人総合14位 団体6位 (3年) インターハイ団体6位,

オールジャパン団体6位

週1回1時間 週1回1時間半 週1回1時間半

M選手

(2年) インターハイ個人種目別リボン優勝

総合 4位

全国選抜大会 団体 2位

週2回2時間 毎日30分+

週2回2〜3時間

毎日30分+

週1回2時間

N選手

(2年) 全国選抜大会 団体 優勝 (3年) インターハイ 団体 4位 国体 総合 4位

2週間に 1回1時間

(小6〜)

2週間に

1回1時間 経験なし

T選手 (2年) 全国選抜大会 団体 7位 経験なし 経験なし 経験なし

O選手 (2年) 全国選抜大会 団体 優勝

(3年) インターハイ 団体 2位 経験なし 経験なし 経験なし

S選手 (2年) 全国選抜大会 団体 11位 (3年) インターハイ 団体 19位

週1回2時間半 (小4〜)

週1回2時間半 (中1のみ)

週1回1時間半 (高3の冬〜) 表 2

(5)

大きく、 その後の伸び上がりの際、 上体が左に傾 いているのがわかる。 (両者56コマ〜62コマ) そ こでは、 実施後に計測した軸足の移動距離は、 N 選手が前方へ62 、 T選手が前方へ40 とずれ が大きかった。 回転スピードについては全体のコ マ数から見るとほぼ同様の経過を示している。

運動経過については、 回転開始からつま先立ち で上方に伸び上がりパッセの形が明確な ひねり 局面で体の位置が最高位にある。 その後、 真下に 沈み込みながら回転し、 それぞれ丸印で示した、

N選手が13コマ、 35コマ、 58コマ、 T選手が12コ マ、 34コマ、 58コマとグランプリエへと移行して いく。 その局面での軸足は斜め左方向を向いてい る。

一方、 正面付近の体勢を見ると、 脚の高さは水 平位に上がっているものの膝が伸びている局面が 短く、 上体と下肢のぶれが生じておりプリエの形 が不明確である。

腕の振りに関しては、 ひねり付近から右手を 広げているが、 その際、 若干斜め上方向に向かっ て振り上げている。 同時に右手と右足の動きがほ ぼ同様の経過を辿っている。 腕の振りに関する両 者の自己観察では 「特に意識していない」 との報 告がなされているが、 上体、 下肢、 腕の動きが大 きくずれており統一感がない。 これはバレエの基 礎レッスンの経験がないことが原因だと思われる。

3. 体が開いている実施について (図3) S選手とO選手では、 全体の運動経過として、

後方の鉛直線に対する頭と足の位置関係から見る と、 回転中若干の左方向への移動が見られるもの の軸ぶれはなく、 上体と下肢がほぼ一直線で回転 している。 そこでは、 実施後に計測した軸足の距 離は、 O選手が左前方へ12 、 S選手が後方へ 4 と僅かであった。 また、 回転スピードにつ いては全体のコマ数から見るとほぼ同様の経過を 示している。

運動経過については、 回転開始からつま先立ち で上方に伸び上がりパッセの形が明確な ひねり 局面で体の位置が最高位にある。 その後、 上記の

4名とは対照的に正面を向くまでつま先立ちでの 回転を行い、 その後S選手が21コマ、 44コマ、 O 選手が19コマ、 45コマとグランプリエへ移行して いく。 その局面での軸足は斜め右方向を向いてい る。 また、 ひねり局面では、 O選手が7コマ、

32コマ、 55コマ、 N選手が7コマ、 33コマ、 60コ マとなっており両者とも正面を見る時期が遅い。

回転中の足の動きについては、 曲げている脚の足 先の動きを、 ひねり付近で軸足の膝の近くに引 き寄せてはいるものの、 その後、 前者4名のよう な 「かき回す」 動きは見られず、 膝を曲げたまま 体を回転させ、 その流れで足先を横方向に振り上 げる動作になっている。 その関係から、 正面付近 の体勢を見ると、 脚は正面を過ぎてから振り上げ られ真横付近で水平位になり、 膝の伸びる局面が 極端に遅く、 タイミングとして膝が伸びてからプ リエの体勢に入るような動作になっている。

腕の振りに関しては、 両者とも ひねり付近か ら腕を振り込む動作が見られるが、 脚の動き、 特 に膝の動きが先行した後に腕が伸ばされ、 腕を真 横に位置させながらプリエの姿勢に移行している。

これは両者の自己観察報告にあるように、 「プリ エの姿勢になるまでは腕や脚を真横に振り込むよ うにしてから体を沈み込ませる」 と一致している。

4. 3実施に対する比較考察

ここでは、 上述した3実施について比較検討を していきたい。

スムーズな実施であるH・M選手と比べ、 軸ぶ れのあったN・T選手の実施では特に上体の前傾 が顕著に見られる。 これにより、 両者ともクロワ ゼのポーズで右腰が引き上がっており、 スムーズ な実施とされている肩と腰の4点を同時に回すこ とができていない。 また、 先にも触れたように腕 の振り込みが若干斜め上方になっており、 左手の ポジションについても良い実施に比べ下がってい るのがわかる。 加えてT選手は正面を向く時期が 遅い。

次に、 体が開いている実施のS・O選手では、

良い実施と比べ上体が正面を向いている時間が長

(6)

く、 そこでは肩と腰の4点を同時に回すというよ りも腰の動きが先行し、 左肩が遅れて着いてくる 動作になっている。 また、 フェッテの特徴である

「かき回す」 動作が見られず、 体が正面を向いて から足先を真横に振り上げるような動きになって いる。

表2に示したように、 HおよびM選手は小学校 から高校までバレエの専門家による週1〜2回の バレエレッスン経験があり、 他4名の選手は、 ほ とんどレッスン経験が無いに等しい。 このあたり にも、 クラッシックバレエの専門家から指導を受 けていたHとM選手の実施の良さが現れているも のと考えられる。

5. まとめ

以上の考察結果から次のようなフェッテピボッ ト3回転における技術的特徴が明らかになった。

・フェッテピボットは、 バレエの4番ポジション から始め、 腕の振りを利用し回転に入る。

・最初の ひねり局面付近までは両足を床面に設 置しておく。

・その後1周目の明確なパッセの体勢は作れない が一気に回転して左前面を意識したプリエの体 勢に持ち込む。

・その後上方に伸び上がるようにして爪先立ちに なり、 2周目に入る。

・2周目、 3周目の ひねり付近ではパッセの 体勢が明確で体の位置も最高位にくる。

・パッセの体勢では、 曲げている足先を軸足の膝 に密着させる。

・パッセの体勢から体の回転とともに、 足は斜め 左前方へ、 膝から足先へ動きを伝えるように行 い、 真下に沈み込みながら足先が斜め右前方の 位置で最も深いプリエ (グランプリエ) になる。

その際、 顔の向きは早くから正面を見て固定さ せる。

・グランプリエの局面では、 軸足が斜め左方向を 向いており、 振り込まれた膝が伸びている。

・腕の振りに関しては、 回転に際し肩から肘、 手 へと流れるように動きを伝導し、 真横に振り込

む。 また、 パッセに至る過程では肘や手を肩よ り下げて円を描くように行う。

以上、 フェッテピボット3回転における技術ポ イントを示したが、 開始局面における4番ポジショ ンの姿勢、 パッセからの曲げている足の操作の仕 方、 回転中の腕の位置関係など、 修正改良を加え ることによりさらなる技術的向上が見込まれるも のと考える。

新体操競技においてフェッテピボットの得意な 選手にとっては、 難度のレベルダウンが認められ ていることから、 演技の構成上、 比較的取り入れ 易い難度要素であろう。 団体競技では、 選手5人 の能力が均一で、 正確なフェッテピボットを実施 すれば、 難度のポイントは確実に加算される。

今回は、 徒手による実験的な研究によりフェッ テピボットの特徴を表してきたが、 実際の演技で はロープ・フープ・ボール・クラブ・リボンなど の手具を用いてフェッテピボットを実施する。 選 手からは手具を用いた方が実施しやすいという言 葉をきく。 それは、 ピボットに入るタイミングを 取るきっかけが、 手具を持つことにより取りやす いのではないかと推察されるが、 いずれにせよ習 得の段階では徒手での実施が基本になる。

今後は、 手具を用いた場合の実践的な技術につ いて、 あるいは、 チーム全員の動きを合わせる技 術、 または、 その練習方法等の提示など、 さらに 研究をすすめる必要があろう。

この研究が今後の選手および指導の一助になれ ば幸いである。

注1) パッセとは、 通過するの意。 片足の膝を曲 げ、 つま先をもう一方の足の膝の横につけ るポーズにいく過程の事。

注2) 4番ポジションとは、 クラッシックバレエ の5つの足のポジションの1つ。 足と足の

(7)

間を前か後ろへ1足分出す。

注3) ピルエットとは、 旋回の意。 片足を軸とし て、 同じ位置で回転する。

注4) クロワゼとは、 十字の意。 交差する、 右足 前の場合、 左斜めを向いて構えるポジショ ン。

注5) プリエとは、 かがむ、 屈折する、 折りたた むの意。 膝を曲げる動き。

注6) グランプリエとは、 グランは大きいの意。

腰を下げ膝を曲げる。

1) ダニツァ・フェルロウアー他著/前田一子監 修 大竹国弘訳:新体操の基礎、 ベースボー ルマガジン社 1984

2) 伊達萬里子:ダンスにおける大開脚とびにつ いて 空中局面による動作分析 、 武庫 川女子大学紀要第24集 体育編 1976 3) 藤島八重子:ビューティフルスポーツ新体操、

ぎょうせい 1984

4) 長谷川洋子:新体操個人競技における演技構 成と採点法に関する一考察、 東京女子体育大 学紀要27号 1992

5) 柿本真弓他:新体操競技の前後開脚ジャンプ に関する一考察、 福岡大学スポーツ科学研究 第38巻1号 2007

6) 川路明編著:バレエ用語辞典、 東京堂出版 7) 小林由美子:新体操における団体競技の演技

分析―リボンの演技について―、 東京女子体 育大学紀要26号 1991

8) N・バザーロワ/V・メイ:クラッシックバ レエの基礎、 かるさびな出版

9) 日本体操協会: 新体操情報誌4〜17号 1998〜2005

10) 日本体操協会:新体操女子採点規則 2002 11) 日本体操協会:新体操女子採点規則 2005 12) 関田史保子:新体操個人競技における演技構

成に関する一考察、 東京女子体育大学紀要29 号 1994

13) 関田史保子:新体操、 講談社 1982

14) 高橋衣代:新体操シニア演技における団体の 演技構成に関する研究、 東京女子体育大学紀 要29号 1994

15) 高橋衣代:新体操競技の個人演技における構 成要素に関する研究、 東京女子体育大学紀要 33号1998

16) 津城由美子:新体操ワコールカップ東京国際 大会における団体演技の分析、 東京女子体育 大学紀要29号 1994

17) みるみるバレエ用語C:

21

(8)

図1 スムーズな実施

(9)

図2 軸ぶれのある実施

(10)

図3 体が開いてる実施

(11)

〈訂正〉

福岡大学スポーツ科学研究 第38巻 第1号 (通巻70号)

新体操競技の前後開脚ジャンプに関する一考察 (21頁〜33頁)

①29頁 図6 団体選手のロープ後ろ回しによる前後開脚ジャンプの写真の差し替えをお願いし ます。

②32頁〜33頁 引用・参考文献

5) 以下を下記の通り訂正お願いします。

5) 日本体操協会:RSG新体操情報誌4〜17号 1998〜2005 6) 日本体操協会:新体操女子採点規則 2002

7) 日本体操協会:新体操女子採点規則 2005

8) 関田史保子:新体操個人競技における演技構成に関する一考察、 東京女子体育大学紀要29号 1994

9) 関田史保子:新体操、 講談社 1982

10 高橋衣代:新体操シニア演技における団体の演技構成に関する研究、 東京女子体育大学紀要29 号 1994

11) 高橋衣代:新体操競技の個人演技における構成要素に関する研究、 東京女子体育大学紀要33号 1998

12) 津城由美子:新体操ワコールカップ東京国際大会における団体演技の分析、 東京女子体育大学 紀要29号 1994

13) 伊達萬里子:ダンスにおける大開脚とびについて 空中局面による動作分析 、 武庫川女 子大学紀要第24集 体育編 1976

(平成20年1月31日受理)

参照

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