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(1)

上越数学教育研免 第 1 2 号,上越教育大学数学教室 ,1 997 年 ,pp. 21 ‑30.

成功的でない解決過程のいくつかの観点か らの分析

布川 和彦

1 .はじめに

「 問題場面の構造」( Nunoka wa , 1994b) を 視点 とした解決過程の記述 ・分析を目指 し、

筆者は同一被験者に対 し 9 回の問題解決を行っ てもらった。そ してその第 2 回 ( Nunoka wa , 1 9 9 4 a ,C , i mp r e s s ) 、第 3 回 ( 布川,1 996b) 、第

5 回 ( 布川,1 995) 、第 7 回 ( Nunoka wa ,1 9 93 , 1 996) 、第 9 回 ( 布川,1 996a) についての分析 を行い、解決過程 に関 してい くつかの知見を 得てきた。本稿ではこの 9 回のセ ッシ ョンの うちの第 8 回目をとりあげ、 リソース、発見 法、モニタリング といった問題解決に関す る 基本的な観点 ( DeCor t ee ta l ,1 996;

sc hoe n f e l d,1 985) か らの考察、お よび これま での分析か ら得 られてきた知見を利用 した考 察を行ってい く。

2. データの収集および解決の概要 2. 1 データの収集

本稿で分析 され る第 8 回の解決では次のよ うな問題が扱われた。

問題 :次数 n の多項式 p( I ) が条件 k = 0, I ,2/・ ・ ,n に対 しP( x) =

を満たすとき 、p( n '1 ) を求めよ。( クラムキン, 1 9 9 0, p. 8 )

解決者にはこれを発話思考 法で解いてもらい、

また解決後にはどのよ うに して考えたかのイ ンタビューを行った。それ らをATR とVTR

で記録 し、その記録 をもとにプ ロ トコルを作 成 した ( Nunoka wa,1 99 4 Cも参照) 。

2 . 2 解決の概要

第 8 回のセ ッシ ョンでの解決は、おおよそ 以下のような流れであった。

( i )次数 1 の ときに P( x ) ヨal X+a Oとおき、条件 より係数を求め、さらに P( n+1 ) の値を 1 と 求める。 「 漸化式が とれるんか 」 「 帰納的に 決まるか」 と言いなが ら次数 Zの ときを同じ ように始めるが途 中で中断す る。次に条件式 か ら p( k ‑1 ) =1 +( 1 / k ) とし、 さらに k を P( k ll ) を用いて表そ うとす るが、 「 P ( k ) は求まっ てんだか ら意味ねえ 」 として止める。 次数

2 の ときの計算を再開 し、 P( x ) ‑( ‑ 1 / 6 ) x 2

+ ( 2 / 3 ) x と求め、さらに P( 3) ‑ 1 / 2 を求める。

( i i ) 「 パタンない とわかんないん じゃないの」

と発話 し、また ao が必ず 0になることを確 認 した後、 「 一般的に書いてみ よ うか」 とし て、 P( k ) =k / ( k +1 ) の条件式 を k ‑0,1 , 2 および k ‑nの場合に具体的に書き下 した。そ して、

p( x ) =an x n +an ̲ l X n l l + ・ . I + al l +a Oとおき、先の k =0, I ,2 ,n のときの条件式 よ り係数について の等式を作る。次にこれ らの等式を中括弧で 括って P( k ) =k / ( k +1 ) =かan +k n ‑ l an ‑ 1 + ・ ‑+h al

+do と書 く。 さらに先の等式を行列の形に書 き直す ( 図 1) 。 しか し 「こんなん求まるわきや ねえ」 として、特に変形は しない。

( i i i ) 「 皆 目見当もつかねえ」 と発話 した後、

「 や っぱ り帰納的にや ってみ るよ り他ないの かなあ 」 として、次数 1 と 2 の ときの結果を

21‑

(2)

̲ I :

̲ ‑̲

: ̲ ∴ 二

「 ノ

1 さ 丁 ・

I孟

ノL

一一

図 1

書き直す。次に次数 3 の ときの条件の式 を、

図 1 と同 じ様 に 3×3 行列を用いて表す。多 少蹄措 した後に 「 規則的だか らなあ、まや っ てみ ようか」 として、行列の形で連立方程式 を解 き始める。 しか し途 中で 「 めん どくさそ うだ、や めた」 として中断 し、 「 こ うバラす んかなあ」 と発話 して P( n+1 ) = が ( n+1 ) a +と 書 くがす ぐに線 を引いて消す。その後、再び 先の行列の計算に戻る。そ して図 2 のよ うな 形に して 「これ出来たけど 」 としなが らも、

「 違 うよ うな気がす る」 と言い、結局 「こ う い うや り方 じゃダ メ」 と結論す る1 。

2 ・ Y o o / , o テ 0 レナ

d

I‑ r卜

d O

V

/ / 図 2 ( i v) 「 なんかあんだ ろ うな規則が」 と発話 し

1 の ときを反省す るとして、次数 1 の ときの 条件 を行列で書き直す ( α Oは書かないので、

1× 1 行列で書 く) 。次数 2 と 3 の ときの結 果 も行列を使 って書き表す。

( V) 「 係数を求めるよ うな ことは止めよ う 」 として しば らく考 えた後、 p( x) の一般式 を 書き、次にそれに x=n+1 を代入 した p( n+1 ) = an( a+1 ) a+an‑i ( n+l ) all + ・ ・ ・ +a2( n+1 ) 2+al ( n+1 ) +α Oを書 く。 この各項を展開 して、以下のよ

うな式を書 く( 以下式 ( * )とす る);

an( nr z +nCl nn‑1 +nC2nn‑ 2 +‑+n C n‑l n+i ) +an‑i ( nnll +a‑1 Cl nn‑2 + ・ ・ ・ +a‑1 Cn‑ 2n+I ) +

n2 +2Cl n+I ) n+I )

‑22‑

この対角線部分にある各段の最高次の部分を なぞ り 「 ここはまず出来 る 」 「 n には帰着で きる」 とす る。それ以外の部分 を 「こんだけ 余 ってんだ」 として囲んだ後、各段最後の 1

を縦 に囲んで 「ここも an 足す 1 を持 ってき た」か らいい としている。 「 組み合わせてや

らな くちやだめ」 として組み合わせの部分の

, l C l , nC2 な どを n の式 として書き換 えて変形 しようとす る。

( vi ) 「 わか りそ うでわかんね え」 として中断 した後、 「 具体的にや ってみ るよ りはかない のかな」 として、次数 1 とZの ときの( * )に あたるものを書 く。次数 2 の ときには図 3 の よ うにそれぞれの部分 を囲み、右の縦の囲み と中央の三角の囲みをするときには 「 余 っちゃ う」 と発話する。その後 P l 、 P2 と何度か

1

p ( 1 11 ) , al ( l十l) I A、( l tt i)

8

)

ノ 図 3

繰 り返 し言っている。次数 3 の とき も同様の 式 を書き、各段の最高次の項 を斜 めに囲み、

最後の 1 を縦に囲んで 「 これ とここか、ここ はいいよね え⊥ とす る。 「 見方 を変 えない と ダ メなのかなあ」 と発話 しなが らも、次数 4 の場合の同様の式 を書いてい く。やは り各段 の最高次を斜めに囲み、また最後の 1 を縦に 囲んで 「ここは出る」 とす る。 さらにそれ以 外の部分 を三角に囲んで 「 残 りが出ないんだ よなあ」と発話する。 しば らく考えているが、

「 ダ メかなや っぱ りこれでも、 えーどうして、

システマティ ックにな っているよ うな気がす るんだけどなってね え 」 と発話す る。

( v ii ) 条件の式 p( k) =k/ ( k+1) を書いた後 、 「 こ れ 1違 うってい うとこ使 ってない」 とする。

さらに 「これで割 った として もダ メだな 」 と 言い、 「 この条件は使えないのかな 」 とする。

以前に書いた次数 4 の ときの ( * )に当たる式

(3)

に戻 り、 「 真ん 中の三角はわかんない 」 とす る。次に具体的 に係数 を求 めない とダ メとし ながら、一方で一つ一つが求ま らないとする。

「 どうしてこの条件が使えないんだ ろ 」 とし、

また P( k) =k / ( k+1) に下線 をつけて 「ここに現 れるんだか ら」 とも発話す る。

( vh i ) しば らく考 えた後 、n= 1の ときは al =? ∴ n=2 のときは a2 =? , a2+al = ? 、n=3 の ときは a3 =? , a3+a2 =? , a3+a2+ al = ?と考 えてい く。

n=4 のときもや りか けるが 、a4=? , a4+a3=?

とした暗点で 「 係数違 っちゃ う 」 「 それが分 かったとした ってダ メか」 として止める。続 けて α4 +α3+α 2 =?,α4+ α3+α2 +α1 = ?とす るが、

「 や っぱダ メだな うま くいかね えな」 として それ以上は計算等は しない。

( i x ) 「 少しち ょっとじゃチェックしてみっか 」 として問題文を読み直 した後、次数 4 の とき に関 して、 P ( 1 ) ,P( 2) ,P( 3) ,P( 4) を具体的に 式で書いてい く( 図 4)が、 P( 4) については

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図 4

「 あそこで使 える」 とす る。 さらに P( 1 ) と P( 4) の前に印をつけて 「これ とこれ とは分か っ た」 とす る。 「 そ こが うま く出てきそ うもね え」 と発話 した時点で、実験者の方か ら介入 して解決を終了させた。所要時間は約 9 5 分で あった。なお事後 のイ ンタ ビューの中で被験 者は、第 8 回の問題がそれ までの 8 回の中で 最 も難 しか った と感想 を述べ ている。

2. 3 解決過程 における問題場面の構造の変化 解決において見 られ る問題場面の構造の変 化は次のよ うにな る。 この第 8 回のセ ッシ ョ ンの問題における問題場面 は、与え られた条 件を満たす多項式 p( x) である と考え られる。

( a) ( i ) では字義通 りの構造、すなわち与えら

れた条件 を満たす次数 n の多項式 として、最 初の構造が作 られている。ただ し、解決中の

「 帰納的 に決まるか 」 とい う発話や、事後イ ンタビューでの 「 a lのパ ターン a2 のパター ンa3のパターンが、あ、ある例 えば n の式、

で書ければ」 とい う発話か らわかるように、

次数 n の多項式は次数 1 , 2 ,・ ・ ・の多項式の族 の中に位置づけ られ、その族 における係数は 次数 に関わ った何 らかのパタンによ り変化 し ている、 と考え られている。 さ らにこの多項 式の族 について、次数 1 の ときが p( x) =

( 1 / 2) x 、次数 2 . の ときが P( x) =( ‑ 1 / 6) x2+( 2/ 3) x である、 とい う情報が付加 されている。

( b) ( i i )では α Oが常に 0になる とい う情報が 付加 されている。 また 「 一般的 に書いてみ よ

うか」 とい う発話以降は、次数 を固定 した上 で k =0 , i ,2 , n の ときの条件式か ら連立方程式 のよ うな ものを作 った り、その行列表現を し た りしてお り、( i )の ときのよ うな多項式の 族の一つ としての P( x) の意味づけは弱め ら れている と考え られ る。

( C) ( i i i )では 「 帰納的に」や る として、次数 が 1 とZの場合の結果 を書いた後、次数 3 の

ときの係数 を行列か ら求めよ うとしてお り、

多項式の族 としての意味づけが表 に出てきて いる。

( d) ( i v) の最後 には 3×3 行列の中の 2×2 の部分 を四角で囲むな どして異なる次数の場 合の関係 を考えてお り 、 ( C) と同様の構造が 与えられていた と考 え られる。

( e)( V) では再び次数 を固定 して一般の P( I) を考 え、そ こに x=n+l を代入 した式を考え ている。 したがって ( b) の とき と同様 に多項 式の族 としての意味づけは弱め られていると 考え られ る。また この P( x) のx =n+ 1のとき の億が、 P( n) +P (1 ) と残 りの部分の和 として 書けること、また この残 りの部分の各項の係 数が aiXjCk といった形 を していることにつ いての情報が付加 されている。

( f )( vi ) では次数が 1 , 2, 3, 4の ときの ( 〜 )に当

‑23‑

(4)

たる式を書いているが、事後のインタビュー では例えば次数 4 の場合に関連 して 「 三角ん とき 【 p( n) +p(1) 以外の残 りの部分】も他の例 えば p( 3) , P( 2) 、のときで表せるのかなと思っ た 」 と説明 している。 これ よ り ( v i )の時点で は多項式の族を考え、係数の変化のパタンな どをさがす とい うよりも、次数 4の ときの内 部の構造を調べていた、つま り多項式の族 と しての意味づけは弱 く、む しろ ( e) での構造 と類似のものが与えられ、それを具体的な次 数に して調べていた と考え られる。また先の インタビューでの発言 より、 P( n+ 1 ) = cnP( n) +cn‑1 P( n‑1 ) +‑+C2P( 2) + ビI P (1 )( 以下式 ( ** ) とす る)といった構造を解決者が期待 してい たことがわかる。一方で 「システマティック になっているような気がす るんだけどなって ねえ 」 とい う発話か ら分かるよ うに、先のよ うな構造を実際には兄いだせてお らず、問題 場面の構造 としてはそ うした情報は付加 され ていない と考えられる。

( g) 条件の P( k) =k/ ( k+1 ) について、分子 と分 母が 1 違 うとい う意味づけが ここで表明され ている。次数 4 のときの ( * )を先 と同じよう に調べていることか ら 、( f )と同様の構造が 与えられていた と考えられ る。条件の式に下 線 をつけて 「ここに現れるんだか ら」 と発話 していることより、( ** )のよ うな構造を期待 していると考えられる。

( h) 事後インタビューの中で係数の和あるい は差 を P ( 1 ) ,‑, P( n) で表す とい う試みに言及

していることより 、( vi i i )での活動は ( vi i )を 受けて、係数の和をこのように表す ことを目 指 した もの と考 えられる。 したがって、係数 に関 して何 らかの帰納的なパ タンを求めると い うよりも、各次数での係数の和に関す る情 報を求めた と考えられ、その点では多項式の 族 とい う意味づけは弱い と考え られる。ただ し具体的には係数についての新たな情報は得 られてお らず、 したが って ( b) と同様 の構造 が与えられていた と考えられる。

2

4 ‑

( i )( i x)では次数 4 の ときに P( 0) ,‑ , P( 4) を書 き、p( I )と p( 4) に印をつけていることより、

( f )での構造 と同じものが与えられていた と 考えられる。

以上の問題場面の構造の変化において、問題 場面である p( x) を次数を 1 ,2, 3 , ‑ ,n とした

ときの多項式の族の一部 として意味づけてい る構造をタイプ A、そ うした意味づけがなさ れていない構造をタイプ B とす る。またタイ プ B の うち、 p( n+ 1 )が P( a) +P(1) と残 りの部 分 として書けるとい う情報が付加 されたもの を添字をつけて Bl と表す。本稿で取 り上げ た解決過程の問題場面の構造の変化は ( a) か

ら ( i ) にそって次のよ うになる : A → B → A → A ‑ → Bl

→ Bl → Blー Bl ‑ Bl 。 2 . 4下位 目標の変化

布川 ( 1 9 9 6 a ) と同様に下位 目標の変化も考 えてみる。 この解決の中で解決者により設定 された下位 目標は以下のようになる。

a: p( 〟+ l )を求める。

β: ( aのために) P( x) の係数を求める。

γ: (β のために)次数 を 1 , 2 ,‑ とした ときの 係数のパタンを見つける。

∂:( β のために)条件式か ら得 られる次数 : 二 ■ 乃 のときの連立方程式を解 く。

8:( aのために) P( a+i ) を ( * )のように具体

̀ ̀ 的に書き下す。

E: ( Eのために) P( a+1 ) を P( k) ( k = 1 ,2 , ・ ・ ・ , n) を用いて表す。

T l:( Eのために)係数の和や差を P( k)( k= 1 , 2 , ‑ ,a) を用いて表す。

これ らの下位 目標 と前項の問題場面の構造を 時間経過にそってま とめると図 5 のようにな る。

ここまで述べてきた解決の流れを見ると、

問題場面の構造は後半 Bl か ら動かな くなっ

てお り、また全体で見て も、A とBの違いが

P( x) を多項式の族の中で考えるか どうかで

(5)

時間 解決 0

10 20 30 4 0

の 下 位 日 額 段階

( i ) 叫E

(i ii)

α β‑ Y a Y

図 5 あり、基本的には問題場面 を条件を満たす n 次多項式 p( x) =an x n +an ̲1 X n ‑ 1 十・ ‑十 al X + aO と

して見ていることを考えれば、結局解決全体 で問題場面の構造はそれほど変化 してお らず、

解決はあまり進展 していなかったことになる

̀

また、下位 目標 については、前半は β ‑ γ、

後半は 6 ‑ ;が支配的であるが、それ らを達 成す るためのさらなる下位 自席 は生成 されて いない。

3. 問題解決 の基 本 的観 点 か らの考察 3. 1 発見法の観点か らの考察

本稿で取 り上げた解決では、前節で見たよ うに、問題場面についての新たな情報がほと んど見出されてお らず、問題場面の構造はそ れほど変化 していなか った。2. 1 の記述か ら わかるように、解決過程において、次数が 1 、

2 、 3 等の場合を具体的に扱 う場面 と、一般 の 次数 n を扱 う場合が交互に現れてお り、

このため、この両者を往復 していたことが似 たような問題場面の構造に留まった原因では

ないか、 とい う印象 を受ける ( 表 1)。

表 1 :各段階での一般一具体 具体的にやってパタンをさがす。

一般の形で行列に表す。

次数 3 のときを行列で具体的にやる。

次数 1 、2 のときを行列で表す。

一般の P( n +1 ) を書き下す。

次数 1 、 2 、 3 、 4 の( 〜 )式を調べる。

次数 4 のときの( * )式を調べる。

次数 4 までの係数の和を考える。

次数 4 のときの P( k) の式を書く。

確かに ( i i )と ( V) での一般的な扱いをはさ み、次数 1 、 2 な どの具体的な扱いが 3 度行 われている。今の問題において、次数 とい う

「 整数のパ ラメータに 1、 2、 3、‑・ を順 に 代入 し、帰納的なパタンを探す 」

( Schoenf el d,1 98 5 , p. 1 09) ことは適当な発見 法 と考 え られる。 しか も、次数に具体的な数 値を代入 して調べる場合に して も、解決の各 時点でその目的が異なっている。

( i )の部分 :β ‑ γ とい う下位 目榛に沿い、

次数が 1 、 2 のときについて具体的に P( x ) と p( a+I ) を求め、係数の間のパタンを見出 そ うとしている。

( i i i )の部分 : ( i i )で次数 n の場合を行列を用 いて考えよ うとしたことを受け、次数 3 の場 合を行列で計算 している。事後インタビュー によれば この計算は係数を求めるためのもの であ り、 「 多分行列、で書 くと一般的に書 く と、や りやすいだろ うか ら書いておいて 」 と い う発話に見 られるよ うに、与えられた条件

と係数の関係な どの、係数を求める手続きに 見 られ るパタンを見出そ うとして、行列に書 くことが行われた と考えられる。 したが って、

次数 3 の場合の行列の計算や、 ( i v) で次数が 1とZの ときの結果を行列になお しているの も、この手続きに関す るパタンを見出すため の、一連の活動の一貫と考えることができる。

( v i )の都免 :次数が 2 、 3 、 4 のときの ( * ) に当たる式を調べている。これは 、 ( Ⅴ) で得 られた情報 に基づき、( =)の構造の可能性を

‑2 5‑

(6)

探るものであ り、 P( n+1 ) の各要素間に見 ら れるパタンを得よ うとした もの と考えられる。

( v ii )における活動 も同様のものである。

( vi i i )の部分 :次数が 1 、 2 、 3 、 4 の とき の係数の和が どのよ うに表 されるかを調べ よ

うとしているが、特に新 しい情報は得 られて いない。

( i x )の部分 :基本的には ( v i)の活動 と同じで あるが、次数 n の場合の P( 0) 、 P ( 1 ) 、 P( 2) 、 p( 3) 、 P( 4) を具体的な式の形で書いている。

これは P( k ) の方の式の形か ら( ** )の構造の 可能性を探ろ うとした もの と考 えられる。

( i i i ) 、( v i )での変化はその直前の一般的な 扱いを反映 してお り( 行列による表現、 p( k ) を用いた表現)、その意味で、解決の流れに そった変化 となっている。

このよ うに、具体的な場合 と一般の場合の 間を往復 しなが らも、解決者は同じことを繰 り返 していたわけではな く、整数のパ ラメー タに数値を代入す るとい う発見法の適用の仕 方を、少 しずつ変化させていたのである。ま た( i 立 )では 、Schoenf e l d( 19 85) が探求のフェー ズでの発見法 としてあげる、表記法を変える ことも行 っている。

( i )と( i i i )とでは、表記法 と活動の目的を 変えていなが ら、各 k に対 して P( k) =k / ( k+ I ) であることと、 p( k) =k/ ( k+1 ) = かan+kr ' ‑ l an ‑1 + ‑+hal +aO とい う同 じ既知の情報 ( データ)

を用いている。 しか し、Ta pl i n ( 1 99 5)によ れば、あるアプ ローチが行き詰まった ときに 同じデータを用いて別のアプ ローチを試み る ことは成功的な解決の特徴 とされている。

以上よ り、発見法の観点か らは、解決者の 活動はある程度合理的な ものであった と考え

られる。

3. 2 モニタ リングの観点か らの考察

発見法の利用では、その適用の仕方が少 し ずつ変化 しているだけでな く、以下に示す よ うに移行の部分ではモニタ リングが行われて

‑ 26 ‑

いることがわか る2 。 r i )か ら( i i )への移行部分

【 1 3: 30 】( 次数 1 、 2 の場合を具体的に求めた 後で) 2 でや ってもダ メかな うま くいかな いなあ何かパタンない とわかんないん じゃ ないのこれ、

( i i )か ら( i i i )‑の移行部分

【 1 8: 4 2 】( 条件を行列で表 した ものを見なが ら) こんなん求まるわきやね えやな、ダメだ ね、こんなの求めるわきやねえなあ、

【 1 9: 45】〝足す、で もこれ全部 くっついてき ちゃうからな、展開したとしてもダメだね、

( i i i )か ら( i v)‑の移行部分

[ 41: 30 】( 次数 3 の ときの係数を行列で一応計 算 した後)違 うような気がす るなあ、やっ ぱ りこ うい うや り方 じゃダメなんだ よきっ

と、そ うい うふ うにシステマティ ックにゃ んな くて もって気がす るんだけどなあ、

なんかあんだろ うな規則がな、 もう一回 1 ん時を反省 してみ よ う、

r i v) か ら( V) ‑の移行部分

【 43: 39 1( 次数 1 、 2 、 3 の ときの条件を行列 の形で書いた後)係数 を求めるなんてこと しない方がいいのかなあ n が 1 で n が 2 で n が 3 、ああそ うか係数 を求めるようなこ

とはやめよ う、

( V) か ら( vi ) への移行部分

[ 6 0: 1 9] ( P( 〟+ I )を書き下 し jCk の部分を n の 式で表そ うとした後)なんかわか りそ うで わかんね えな、‑・ や っぱ り一気にあれだろ

うね具体的にや ってみ るよりほかないのか な、

( v i)か ら ( vi i ) ‑の移行部分

【 74: 34】 ( 次数 4 の ときの ( * )の式 を調べた後 で)ダ メなのかなや っぱ りこれで も、えー ど うして、システマティ ックになっている よ うな気がす るんだけどなってねえなあ、

【 75: 48 1こ うい う方針でや った としてもダメな

のかなあ、ダ メなのか、あとあそ こ処理で

きない もんね 2 、 3 、船 型できねえよなあ、

(7)

i y i L ) ̲ ̲ ̲ か ら ( v i i i )‑の移行部分̲

【 8 0: 1 3】 ( 次数 4の ときの ( 辛 )の式 を調べた後 で)真ん中の三角はわかんないんだ よなあ、

【 81 : 36 に れ具体的な【 聴取不能】の係数を求め ない とダメだ ろ うね、‑係数 を一つひ とつ 求まんないんだ よな、った く、

[ 86 : 1 5] 足す、足 したってな難 しい よなこれな、 /

( v i i i )か ら( i x)‑の移行部分

【 8 8: 21 】 ( 係数の和 を求めよ うとした後)あダ メだやっぱ りこれで、係数違 っちゃうもん なあ、‑や っぱダ メだなあや っぱ りな、そ れが分かった とした ってダメか、

また例えば ( i )で k を P( k ‑1 ) で表わそ うと する場面で 【 5: 09】 「 [ 解 こうとしていた連立 方程式が】めん どくさそ うだな 【 聴取不能】こ れ解 くのはめん どくさそ うだなあ」 と発話 し た り、この活動を中断 し以前のアプ ローチに 戻る箇所で 【 7: 06 ] 「 P( k ) は求まってんだか ら な意味ねえや 」 と発話するなど、あるアプロー チの実行途 中において もその可能性や効果を 評価 しなが ら解決を進めている。

先の移行部分の うち、( i )か ら ( i i ) 、( i i )か ら ( i i i ) 、( i v ) か ら ( V ) 、( v ii ) か ら ( v i i i ) 、( v ii i ) か ら( i x)の移行部分は下位 目榛 の変化する箇 所でもあるが、こ うした当面す る目標の変化 の箇所はモニタ リングが重要な働きをする部 分 とされる ( 清水,1 989) 。 この解決ではそ う

した箇所 でそれ までのアプローチの評価が行 われてお り、その意味で、モニタ リングが よ く行われている と考え られる。 しか も、事後 インタビューを見ると、それぞれの方針に関 して、考えている試みが成功 した とした ら、

その後求めるべき p( n+1 ) が どのように して 求まるのか、を解決者が意識 していることが わかる。以上のことか ら、モニタリングにつ いても特別な欠陥は認め られない。

3・ 3リソースの観点か らの考察

3・ Zで見た よ うにアプ ローチの移行部分で はモニタ リングが行われていたが、その後今

度は新たな方針を開始す る箇所 での発話には 一つの傾向が見 られる。

( i i )の一般の P( x )を書き下す部分

【 1 3: 30 】 何かパタンない とわかんないん じゃな いのこれ、

【 1 4: 30 】 一般的に書いてみ よ うか、一般的に書 いてみ よ う、一般的に書いてみ よ う一般的 に 、

( i i i )の帰納的なアプ ローチに移行する部分

【 22: 1 8 】 や っぱ り帰納的にや ってみるよ りほか ないのかなあ、

( V) の一般の P( n+ I )を書き下す部分

【 43 : 46 1 係数 を求めるようなことはやめよう、

でもやめるつったってじゃ何や りやいいん だ よなあ、

( v i )の具体的な次数の場合へ移行す る部分 [ 6 0: 36] や っぱ り一気 にあれだろ うね具体的に

や ってみるよりはかないのかな、

( i x)の次数 4 の ときへ移行する部分

[ 9 0: 11 】ど うした らいいんだろ、足す 1 だ とし た って、 うーん、少 しち ょっとじゃチェッ ク してみ っか、

また、( i )の途 中で P( k ) を k で表そ うとする 部分では 【 5: 09 1 「これ 【 係数を求めるための 連立方程式】を解 くのはめんどくさそ うだな あ 」 と発話 し、その後再び次数 2 の ときの計 算を再開す る部分では r 8 : 27 1 「 方針が立たな いなあ、‑・ んん、ち ょっとや ってみ よ うか 」

と発話 している。

これ らを見ると、積極的に新たな方針を採 用 したとい うよりも、以前の方針が行き詰まっ た り、実行か困難 と判断 された ときに、次に 行 うべき方針がないために、結果的に以前に 中断 した方針 を再開していった ことがわかる。

つま り、方針の途中でモニタリングを行い、

その方針の有用性が疑わ しい と判断 しても、

結果的に次に行 うべき活動の方針がないため、

解決に結びつ くような移行ができない様子が 示 されている。

sc h oe n f e l d( 1 985) があげる代表的な五つの

‑27‑

(8)

発見法 b.1 9 5) の うち、整数のパ ラメータへ の代入や下位 目榛 を設定す ることはすでに行 われてお り、また図をか く、背理法を用いる、

少ない変数 を考 えることは今の場合適用 しに くい。また同値な問題 を考 えることや条件 を ゆるめることわ. 1 09) も今の問題では考 えに くい。 これ よ り、 ここで必要な活動の方針は 発見法のレベルよ りも、内容固有の リソース ・

レベルのもの と考 え られ る。

ところでクラムキン ( 1 9 91) の解答では、

条件 の式 p( k) =k / ( k+ I ) を ( k+1 ) P( k ) ‑k =0と読 み換えた上で、 Q( x) =( x+ 1 ) P( x) ‑x と置 くと、

条件 の式は Q( x) の零点についての情報 にな るので、それ を もとに Q( x) を求め、 さらに p( x) を求めるこ とが基本的なアイデア とな っ ている。今回の多項式の問題 において、この 条件式の読み換 えが解決の一つの要件である としても、 これ を行 うことは今の問題の解決 においてそれ ほど自明のこととは考えにくい。

む しろそれは、多項式 の問題では零点の情報 を探 し因数分解 された形 で表す、 といった内 容固有の知識あるいはセ ミアルゴ リズム ( 清 水,1 99 2) と考 え られ る3 。

先の活動の方針 も、内容固有のものであれ ばやは りセ ミアル ゴ リズム と見なす ことがで きよ う4 。 したが って、第 8 回の解決は リソー スの点ではその欠如ない しは活性化の失敗 ( hws on & Chi nna ppa n,1 994) といった問題 を 含んでいた と考 え られ る。

4. 問題場 面 の構 造 の観 点 か らの考 察 4. 1 探求の対象 と しての問題場面

下位 目標 Cは ( 〜 )の式 において対角線部分 が P( n) と、また右端の一列が P( 1) に対応す る、 とい う情報 を得た ことで設定 された もの と考 えられ る。 しか し、後半ではこの Cが支 配的 とな り、 この Eの下ではタイプ Bl の構 造が与え られている。 この Bl は . P( n+1 ) が p( n) +p(1) と残 りの部分 として書 けるとい う 情報が付加 された ものであったが、その とき

‑2 8‑

P( n) に関 してはそれが an nn+an‑1 nn‑ 1 + ‑ ・

+ a2n2 +al n である とい う点が、また p( 1) に 関 して もそれが 伽 + 伽 ‑1 +‑+α2+α1 である点 が用い らてお り、 P( k) =k / ( k+ 1 ) である とい う 情報はほ とん ど利用 されな くなっている。

確か に、後半の解決において も、与えられ た条件が使われ ていない ことは ときどき意識 されてい る。上で述べた ように、( ** )の構造 を目指 した ;とい う下位 目席での活動は、そ もそ もその背景 に P( k) の値が与 えられてい るとい う事実を持 っている。またこのことは、

【 76 : 1 6 1 「 これ 1 違 うってい うとこ使ってない」、

【 7 7: 1 9 】 「この条件 は使 えないのかな使 ってな いみたいだな」、【 8 3: 51 】 「どうしてこの条件 が使 えないんだ ろ」 といった発話にも見 られ る。 しか しこの最初 の二つの発話の場合はそ の直後 に下位 目標 ;に関わる活動に戻ってい る。̲ また三番 目の発話の後では、解決の流れ の ( vi i i ) で述べた よ うな活動に移行す るが、

そ こでは P( k) =k / ( k+ 1 ) とい う情報は特 には用 い られない。 これ は、連立方程式を解 く際に P( k) の値が用い られていた前半部分 とは、対 照的である と言 えよ う。

上で も述べた よ うに、第 8 回のセ ッシ ョン の問題 では、 P( k) =k / ( k+ 1) とい う条件を満た す n 次式 p( x) が問題場面である と考 え られ

るので、解決の後半にな り P( x) 自体ではな く p( 〟+l ) が探求 され、 しか も p( k) =k / ( k+ 1 ) とい う情報が表立 って用い られな くな った こ とは、問題場面 自体が探求されな くな った こ とを意味 しよ う。 この よ うに、解決の後半に 入 り問題場面の構造 の変化があま り生 じな く なる一方で、問題場面 自体が探求 されな くな ることは、布川 ( 1 9 9 6a) に見 られ る成功的で ない解決過程 の特徴 と一致 し、Nunok a wa

( 1 9 96) に見 られ る成功的な解決の特徴 に反 してい る。

4. 2 大局的再構成の観点か ら

下位 目標 と問題場面の構造の変化を示す図

5 か らわか るよ うに、第 8 回のセ ッシ ョンの

(9)

解決の後半部分では P( n+I ) を既知のもので 直接書き表す ことが 目指 されてお り、 P( x) 自 体よりも、 P( x) の x=n+ 1の場合の探求が主 に行われている。 しか し一方で、 P( x) や p( n+1 ) に関す る新たな情報が得 られてお ら ず、問題場面の構造は Bl のままに留まって いる。ここで成功的でない解決を分析 した布 川 ( 1 9 96a) の結果を参照す るな らば、特定の 下位目標の支配下で問題場面の構造の変化が 停滞 した場合、その下位 目榛 を一時保留 し、

元の問題場面 自体の探求に戻ることが必要で はないか と考え られる。 また、Nunoka wa

( 1 9 9 6a) によれば、成功的な解決過程では初 期活動の後に場面の探求が行われ、その中で 大局的再構成 ( Nunoka wa,1 99 4 b) が生 じてい る。そこで、解決を進展 させる一つの可能性 として、問題場面 自体の考察を目指 し、かつ 大局的再構成を意図的に生 じさせることが考 えられる。

ここで今の場合において、大局的再構成 は次のように考 え られ る。与えられた問題で は P( x) とい うn 次式があってそれが与えられ た条件を満たす とい う設定になっている。そ こで、この問題場面 p( x)において成 り立っ̀

ている条件を、 P( x) を構成す る原理 として 用いることを、大局的再構成 と見ることがで きる。

実はこのように捉えると、 p( I) のパタンが もう少し見やす くなる。例えば次数 2 の場合、

条件は P( 0) = 0、 P( 1 ) =1 / 2 、 P( 2) =2/ 3 である が、まず p( o) = Oより P( x) =xR( x)( R( x) は 1 次式)と書ける。 ここで条件 より R( 1) =1 / 2 で あるので、 R( x) =a( x‑ 1 ) +( 1 / 2) となる。 また R( 2) =1 / 3 より a=‑I / 6 となる。以上より、

P( x) =x( ( ‑ 1 / 6) ( x‑I ) +(I / 2) )=( ‑I / 6) x( x‑ I) +( 1 / 2) x となる。 これは次数 1のときの結果 P( x) =( 1 / 2) x に ( ‑ I / 6) x( x‑1 ) が加わった もの と なっている。同様 にす ると、次数 3 の ときは P( x) =(1 / 24) x( x‑1 ) ( x‑2) ペ‑ I / 6) x( x‑ 1 ) +( 1 / 2) x 、 4 のときは P( x) = ( ‑1 / 、 1 20) x( x‑I ) ( x‑2) ( x‑3)

+( 1 / 24) x( xll ) ( x‑2)+( ‑ I / 6) x( x‑ 1 ) +( 1 / 2) x とな り、次数が増 えるときのパタンがわか りやす い。 また、次数 をあげた ときの P( x) の形が予 想 しやすいことより、 P( n+ 1 )の予想 される 値 も算出 しやす く、 したがって P( n+1 ) の形 についても予想を立てやすい ことが考えられ る。その意味で、第 8回のセ ッシ ョンにおけ る被験者の解決 よりは、 P( x) の形な ど問題場 面についての多くの情報を得 られるもの となっ ている 5 。 クラムキンによる解決では問題場 面に対す る大きな意味づけの変更が必要 とさ れ、ある意味ではそれはセ ミアルゴ リズム と い うリソースの問題に帰着された。 しか し、

ここでのアプローチではむ しろ解決者の手元 にあった情報 である p( k) =k / ( k+ 1 )をそのま ま用いる形 にな っている。

以上のことより、第 8回のセ ッシ ョンの解 決において も、問題場面の構造の変化が停滞 した ときに、特定の下位 目標か ら離れて問題 場面 自体を探求す ること、その際、大局的再 構成が意図的に生ず るよう与え られた条件 を 場面の構成原理 として利用す ることで、多少 の問題場面の構造の変化を起 こす こと、ある いは解決の進展 を図ることが可能であったこ

とがわかる。情報の生成活動 ( h ws on &

Chi nna ppa n ,1 996) が成功的な解決の一つの 特徴であることを考慮すれば、生成の系列が 継続 しえた ことは重要である。また、前半で は P( x) 自体の形を探求 していた解決者が、後 半では直接 p( n+1 ) を求めるアプ ローチに転

じた背景には、係数等の間のパタンが容易に 兄いだせないことがあった。上で述べた新た なアプ ローチでは式の間のパタンが分か りや すい ことか ら、こ うしたアプ ローチを解決者 が とっていた ら、 p( x) 自体の探求がさらに行 われていた可能性 も考 えられ る。

5. おわ りに

本稿では、一連の詞壷の第 8 回のセ ッシ ョ ンの解決を分析 してきた。 リソース、発見法、

‑2 9 ‑

(10)

モ ニ タ リング とい った 観 点 か らの考 察 で は、

結局、 ある種のセ ミアルゴ リズ ムとい うリソー スの欠如 な い しは活性 化 の失敗 が一 つ の原 因 と して考 え られ た。 また 問題 場面 の構 造 の観 点か らの考 察 で は、解 決 が行 き詰 ま った 際 に 問題 場面 自体 を探 求 の対象 と してい なか った こ とが原 因 と して考 え られ 、 また大局 的 再構 成 を意 図的 に引 き起 こせ ば新 た な情報 の創 出 の可能性 が あ った こ とが示 され た。

問題 場 面 の構 造 の観 点 か らの考察 が独 自の 知 見 を導 き得 た こ とは、 問題 場 面 の構 造 とい

う観 点 の有用 性 を示す もの と考 え られ る。

註 お よび引 用 ・参考文 献

1 . や り方は正 しいが図 2の結果は誤っている。

2. 以下で 【 1 3: 3 0 】は開始か ら1 3 分3 0 秒 の時点での 発話であることを示す。

3. これを同値な条件による置き換え とい う発見法 ( Sc hoenf e l d,1 9 8 5) と解釈す ることもできよう が、その変形が Q( x) を置 くことを見越 したも のであ り、 自明 とは青いがたいことよ り、こ のように解釈 した。

4. セ ミアルゴリズムのよ うな方針を示す知識は、

それが失敗に終わって も有用な情報を与える ことがある ( Nunoka wa,1 996) 。その意味で単 なる解法の方針ではな く、活動の方針のレパー

トリー とな りうる。

5. ただ し、 これを数学的帰納法で証明 した り、あ るいは P( n+I ) を求め よ うとす る と、次数が奇 数の場合は容易にできるが、次数が偶数のと きに問題が残る。

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参照

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