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1章
章
章
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受取配当等
受取配当等の
受取配当等
受取配当等
の
の
の益金不算入
益金不算入
益金不算入
益金不算入 Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
法人が,他他の他他のの内国法人の内国法人内国法人内国法人からからからから利益利益利益利益のの配当等のの配当等配当等配当等をををを受受受けた受けたけたけた場合場合場合には,企業会計上,営業外収益に計上されるため,場合 収益の額を構成する。しかし,法人税法上は,別段の定めにより,原則として,申告書申告書申告書申告書ののの記載の記載記載記載をををを要件要件要件として,要件 益金 益金 益金 益金のののの額額額に額ににに算入算入算入算入しないしないこととしている。その趣旨は,法人間しないしない 法人間法人間法人間ののの二重課税の二重課税を二重課税二重課税ををを排除排除排除し,以下に掲げる問題を解消排除 するためである。 ① 我が国の税制は,法人税法人税法人税法人税はははは個人個人個人の個人の所得税のの所得税所得税の所得税のの前払の前払前払前払いいいいであると考えている(法人擬制説)。そこで,法人が 獲得した所得に対して法人税と所得税が課されることによる二重課税の問題を解消するため,所得税法 上,「配当控除」の制度により,二重課税の調整を行っている。そして,当該制度を簡素な制度とする ためには,最終的に個人株主に帰属するまでの法人税課税法人税課税を法人税課税法人税課税をを1を11回1回だけに回回だけにだけにだけに抑抑抑抑えるえるえる必要がある。 える ② 配当を支払う法人の法人税と配当を受け取る法人の法人税との間の税負担の調整を行わないとすれば, 配当原資が次第にやせ細り,配当配当配当配当ののの受の受け受受けけ取け取取取りりりり経路経路によって経路経路によってによって個人株主によって個人株主個人株主個人株主ののの所得の所得が所得所得ががが異異異異なるなるなるなることになる。 ③ 親子会社間の配当について税負担の調整を行わないとすれば,支店形態を選択して事業を営む場合に 比べ,子会社形態子会社形態子会社形態子会社形態ををを選択を選択選択選択してしてしてして事業事業を事業事業をを営を営営営むことがむことがむことがむことが税制上不利税制上不利税制上不利となってしまう。 税制上不利第
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受取配当等の益金不算入の趣旨 (A)
(1) 完全子法人株式等に係るもの 完全子法人株式等に係る受取配当等の額 (2) 関係法人株式等に係るもの 関係法人株式等に係る 受取配当等の額 - 関 係 法 人 株 式 等 に 係 る控除負債利子額 (3) 関係法人株式等以外の株式等(その他株式等)に係るもの 関係法人株式等以外の株式 等に係る受取配当等の額 - 関係法人株式等以外の株式等 に係る控除負債利子額 × 50% (4) (1)+(2)+(3)=益金不算入額(減算:社外流出)
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2節
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受取配当等の益金不算入額 (法第 23 条第1項,第4項) (A)
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1.
.益金不算入額
.
.
益金不算入額
益金不算入額
益金不算入額から
から
から
から負債利子
負債利子
負債利子
負債利子を
を
を控除
を
控除する
控除
控除
する
する理由
する
理由
理由
理由
(
((
(A
A
A)
A
))
)
受取配当等の元本である株式等を取得するために要した借入金の支払利子は損金の額に算入されるので, 支払利子を考慮しないで受取配当等を全額益金不算入とすると,支払利子相当額だけ,各事業年度の所得の 計算上,二重に控除されてしまう。また,自己資本により株式等を購入した場合との不公平を是正するため, 益金不算入額を計算するに当たって負債利子を控除する必要がある。 〔ケース1〕自己資金により有価証券を購入した場合 会計上の利益:100 円-0 円=100 円 税務上の所得:100 円----100100100100 円円円円=0 円 ∴ 受取配当等の益金不算入額 100 円(減算) 〔ケース2〕借入金により有価証券を購入した場合 会計上の利益:100 円-80 円=20 円 税務上の所得:20 円----20202020 円円円=0 円 円 ∴ 受取配当等の益金不算入額 100 円-80 円=20 円(減算)
第
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3節
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控除負債利子の額 (法第 23 条第4項) 具体例
2
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2.
.
.
.控除負債利子
控除負債利子
控除負債利子
控除負債利子の
の
の
の額
額
額
額の
の計算
の
の
計算
計算
計算
(令第 22 条)
(
((
(B
B
B
B)
))
)
控除負債利子の額の計算は,法人は,原則法原則法原則法と原則法ととと簡便法簡便法簡便法簡便法といずれかといずれかといずれかといずれか有利有利な有利有利ななな方方方を方を選択をを選択選択することができる。関係選択 関係関係関係 法人株式等 法人株式等 法人株式等 法人株式等ととと関係法人株式等以外と関係法人株式等以外関係法人株式等以外関係法人株式等以外のののの株式等株式等株式等株式等でで同一でで同一同一同一のののの方法方法を方法方法をを適用を適用適用しなければならない。 適用 関係法人株式等 その他の株式等 判定 原則法 原則法 ○ 原則法 簡便法 × 簡便法 原則法 × 簡便法 簡便法 ○ なお,この計算には継続性は要求されていない。3
3
3
3.
.
.
.原則法
原則法
原則法
原則法
(令第 22 条第1項)
(
((
(B
B
B)
B
))
)
原則法は,以下の算式により計算する。 (1) 関係法人株式等に係る控除負債利子の額 当期末と前期末の関係法人株式等の簿価の合計額 支払負債利子合計額 × 当期末と前期末の総資産の簿価の合計額 (2) 関係法人株式等以外の株式等に係る控除負債利子の額 関係法人株式等以外の当期末 と前期末の株式及び出資の簿 価の合計額 + 当期末と前期末の証券投資信 託受益証券の簿価の1/2(又 は1/4)の合計額 支払負債利子合計額 × 当期末と前期末の総資産の簿価の合計額 控除負債利子を原則法により計算する場合の考え方 控除負債利子の額(原則法) 300 80× 200+300+500 =24 具体例参 考 ( (( (1111) ) ) ) 支払負債利子支払負債利子支払負債利子 支払負債利子 控除負債利子の対象となる支払負債利子の範囲は,当該事業年度に係る借入金の支払利息,社債利息等の 通常の利子のほか,手形売却損等その他経済的な性質が利子に準ずるものも含まれる。なお,利子税利子税利子税利子税,納期納期納期納期 限延長期間 限延長期間 限延長期間 限延長期間にににに係係係係るるるる延滞金延滞金延滞金延滞金,売上割引料売上割引料売上割引料売上割引料,資産の取得価額に含めた割賦購入資産の割賦利子は,有価証券の取 得には関係がない利子と考えられるため,支払負債利子支払負債利子支払負債利子支払負債利子にはにはにはには含含含含まれないまれないまれないまれない。 割賦購入資産割賦購入資産割賦購入資産割賦購入資産のののの割賦利子割賦利子割賦利子割賦利子 割賦購入資産の割賦利子は,会計上,取得価額に含めてはならないが,重要性が乏しい場合には取得価額に含めること が可能である。すなわち,会計上,取得価額に含められている割賦購入資産の割賦利子は,重要性が乏しいものであるた め,税務上,支払負債利子に含めなくてよい。 ( (( (222) 2) ) ) 分子分子の分子分子ののの計算計算計算 計算 ① 関係法人株式等の帳簿価額は,前期末及び当期末における関係法人株式等の帳簿価額の合計額で,税税税税 務計算上 務計算上 務計算上 務計算上ののの金額の金額金額による。 金額 ② 関係法人株式等以外の株式等の帳簿価額は,前期末及び当期末における以下の金額の合計額で,いずいずいずいず れも れも れも れも税務計算上税務計算上税務計算上税務計算上のののの金額金額金額金額(売買目的有価証券に関しては時価,その他有価証券に関しては取得価額)によ る。 (ア) 関係法人株式等以外の株式及び出資(外国法人若しくは公益法人等又は人格のない社団等に係るも のを除く。)並びに特定株式投資信託・・・その帳簿価額帳簿価額帳簿価額帳簿価額のののの合計額合計額合計額合計額 (イ) 証券投資信託(公社債投資信託,外国の信託,特定株式投資信託及び特定外貨建等証券投資信託を 除く。)の受益証券・・・その帳簿価額帳簿価額帳簿価額帳簿価額ののの合計額の合計額×合計額合計額×××1111////22(外貨建資産割合及22 外貨建資産割合及外貨建資産割合及び外貨建資産割合及びび非株式割合び非株式割合非株式割合非株式割合がが 50がが 505050%%%%超超超超 75 7575 75%%以下%%以下以下以下のののの証券投資信託証券投資信託は1証券投資信託証券投資信託 111////444) 4 ③ 株式等の帳簿価額は,配当等の有無に関係なく,すべての株式等が対象となる。
( (( (333) 3) ) ) 分母分母の分母分母ののの計算計算計算 計算 ① 総資産の帳簿価額とは,当期及び前期の確定した決算に基づく貸借対照表に計上されている総資産の 帳簿価額であり,税務計算上税務計算上税務計算上税務計算上のののの金額金額金額金額ではないではないではないではない。なお,法人が税効果会計を適用している場合において, 貸借対照表に計上されている繰延税金資産の額があるときは,その繰延税金資産繰延税金資産繰延税金資産繰延税金資産のののの額額額は額は総資産はは総資産総資産の総資産ののの帳簿価帳簿価帳簿価帳簿価 額 額 額 額にににに含含含含まれるまれるまれる。 まれる ② 総資産の帳簿価額の計算上,調整する項目 項目 借方表示 貸方表示(剰余金処分を含む) 脚注表示 ① 減価償却累計額 (*1) - 控除する - ② 圧縮記帳積立金 (*2) - 控除する - ③ 特別償却準備金 (*2) - 控除する - ④ 貸倒引当金 (*3) 加算する - 加算する ⑤ その他有価証券 (*4) - - - (*1) 時の経過により固定資産の価値が減少しているため,減価償却後の帳簿価額にする。 (*2) 圧縮記帳又は特別償却について,直接減額方式又は直接償却している場合との調整を図るため, 「圧縮記帳積立金」及び「特別償却準備金」は,総資産の帳簿価額から控除する。なお,「圧縮記 帳積立金」「特別償却準備金」に係る「繰延税金負債」も控除することに留意すること(経理方法 による差異が生じないようにするため)。 (*3) 借方表示の貸倒引当金は,貸金控除形式の意味である。つまり,法的債権の金額にする。 (*4) 「その他有価証券」は,時価である帳簿価額ではなく,取得価額で計算する。
〔ケース1〕 総資産の簿価 1,440,000 千円+8,000 千円(貸倒引当金)-50,000 千円(圧縮記帳積立金) -20,000 千円(その他有価証券評価差額金)=1,378,000 千円
〔ケース2〕
総資産の帳簿価額 1,490,000 千円+8,000 千円(貸倒引当金)-100,000 千円(減価償却累計額) -20,000 千円(その他有価証券評価差額金)=1,378,000 千円 具体例
次の資料に基づき,原則法による控除負債利子額を計算しなさい。 1.当期の支払利子の額 2,180,000 円 2.前期末及び当期末において貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額は,次のとおりである。 (1) 前期末における総資産 120,000,000 円 (2) 当期末における総資産 100,000,000 円 (注) 総資産の帳簿価額から貸倒引当金(前期末 400,000 円,当期末 500,000 円)及び減価償却累計額 (前期末 5,400,000 円,当期末 6,800,000 円)が控除されている。 3.株式及び受益証券の当期末・前期末の帳簿価額は,次のとおりである。 A株式 B証券投資信託 前期末 16,800,000 円 8,000,000 円 当期末 17,200,000 円 8,000,000 円 (注) A株式は,関係法人株式等に該当する。B証券投資信託は,主として国内で運用される投資信託 である。 解答解答解答解答 解説解説解説 解説 関係法人株式等に係るもの 335,536 円 その他株式等に係るもの 78,949 円 1.総資産の簿価を算定する場合,資産から控除されている貸倒引当金は,法的債権の金額に戻す必要があ るため,加算する。一方,資産から控除されている減価償却累計額は,固定資産の価値が実際に減価して いるため,調整不要である。 2.原則法により控除負債利子を計算する場合,「株式等の簿価/総資産の簿価」については端数処理をしな い。 3.受取配当等の額の集計の段階で,収益分配金の額に 1/2(又は 1/4)を乗じる証券投資信託については, 原則法により控除負債利子を計算するに当たっての分子の額である「株式等の簿価」を計算するに当たっ ても,証券投資信託の簿価に 1/2(又は 1/4)を乗じる必要がある。 計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 支払負債利子 2,180,000 円 (2) 総資産の簿価 120,000,000 円+400,000 円+100,000,000 円+500,000 円=220,900,000 円 (3) 株式等の簿価 ① 関係法人株式等 16,800,000 円+17,200,000 円=34,000,000 円 ② その他の株式等 8,000,000 円×1/2+8,000,000 円×1/2=8,000,000 円 例題 例題例題 例題111 1 控除負債利子(原則法) 重要度 B 難易度 B
(4) 控除額 ① 関係法人株式等 2,180,000 円×34,000,000 円/220,900,000 円=335,536 円 ② その他の株式等 2,180,000 円×8,000,000 円/220,900,000 円=78,949 円
4
4
4
4.
.
.
.簡便法
簡便法
簡便法
簡便法
(
((
(B
B
B
B)
))
)
毎期原則法で計算するのは,法人にとっては非常に煩雑であるので,実務上の簡便性を考慮して,平成 22 年4月1日に存する法人については,原則法原則法原則法原則法にににに代代えて代代えてえて以下の簡便法えて 簡便法簡便法簡便法によることができるによることができるによることができるによることができる。 (1) 関係法人株式等に係る控除負債利子の額 基準年度における原則法により計算した関係法人 株式等に係る控除負債利子の合計額 支払負債利子 合計額 × 基準年度において支払った負債利子の合計額 小数点3位 未満切捨 (2) 関係法人株式等以外の株式等に係る控除負債利子の額 基準年度における原則法により計算した関係法人 株式等以外の株式等に係る控除負債利子の合計額 支払負債利子 合計額 × 基準年度において支払った負債利子の合計額 小数点3位 未満切捨 < < < <注注注注>>>> ① 端数処理 端数処理を先に行ってから,支払負債利子の合計額に乗ずる。 ② 基準年度 基準年度とは,平成 22 年4月1日~平成 24 年3月 31 日までの間に開始した事業年度である。Step StepStep Step11. 11. . 短期所有株式等. 短期所有株式等短期所有株式等に短期所有株式等に係にに係係る係るるる配当金配当金配当金配当金 ( (( (111) 1) ) 短期所有株式数) 短期所有株式数短期所有株式数 短期所有株式数 B C× A+B C B P=E× C+D ⇒ P=E× C+D × A+B ( (( (22) 22) ) 短期所有株式等) 短期所有株式等短期所有株式等に短期所有株式等に係にに係係る係るるる配当金配当金配当金配当金 P 短期所有株式等に係る受取配当等の額=受取配当等の額× C Step StepStep Step222. 2. . 受取配当等. 受取配当等受取配当等の受取配当等の額のの額額額ののの集計の集計集計 集計 ( (( (11) 11) ) 完全子法人株式等) 完全子法人株式等完全子法人株式等に完全子法人株式等に係にに係係係るるるる配当金配当金配当金配当金 ( (( (22) 22) ) 関係法人株式等) 関係法人株式等関係法人株式等に関係法人株式等に係にに係係る係るるる配当金配当金配当金配当金 ( (( (333) 3) ) 関係法人株式等以外) 関係法人株式等以外関係法人株式等以外の関係法人株式等以外ののの株式等株式等に株式等株式等にに係に係係る係るる配当金る配当金配当金配当金 Step StepStep Step333. 3. . 控除負債利子. 控除負債利子控除負債利子の控除負債利子の額のの額額の額のの計算の計算計算計算 ( (( (111) 1) ) 原則) 原則原則法原則法法法 ① 支払負債利子 ② 総資産の帳簿価額 前期末+当期末 ③ 関係法人株式等の価額 前期末+当期末 ④ 関係法人株式等以外の価額 前期末+当期末 ③ ⑤ 関係法人株式等に係る控除額 ①× ② ④ ⑥ 関係法人株式等以外に係る控除額 ①× ② ( (( (222) 2) ) 簡便法) 簡便法簡便法 簡便法 ⑦ 基準年度の負債利子に対する関係法人株式等に係る控除 負債利子割合(小数点三位未満切捨) ⑧ 基準年度の負債利子に対する関係法人株式等以外の株式 等に係る控除負債利子割合(小数点三位未満切捨) ⑨ 関係法人株式等に係る控除額 ①×⑦ ⑩ 関係法人株式等以外に係る控除額 ①×⑧ Step StepStep Step444. 4. . 益金不算入額. 益金不算入額益金不算入額の益金不算入額ののの計算計算計算計算
2. (1)+{2. (2)-3. ⑤ }+{2. (3)-3. ⑥ }×50% ← 原則法 or 2. (1)+{2. (2)-3. ⑨ }+{2. (3)-3. ⑩ }×50% ← 簡便法 いずれか多多多多いいい方い方方を方をを選択を選択選択選択する。
第
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4節
4
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計算過程 (A)
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2
2
2章
章
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みなし
みなし
みなし
みなし配当
配当
配当
配当
法人が生じた利益を直ちに金銭により分配した場合は,会社法上も法人税法上も配当となる。一方,法人 の合併・減資・自己株式の取得等により株主に対して金銭その他の資産(株式も含む)が交付された場合に おいて,その交付金銭等交付金銭等交付金銭等のうち交付金銭等のうちのうちのうち,,株主,,株主株主からの株主からのからの拠出元本からの拠出元本拠出元本拠出元本であるである資本金等であるである資本金等資本金等資本金等のののの額額額を額を超をを超超える超えるえるえる部分部分部分部分(利益積立金額)が 株主に分配された場合には,利益積立金額利益積立金額利益積立金額利益積立金額がががが配当配当配当配当というというという形式以外という形式以外で形式以外形式以外ででで株主株主株主に株主に分配にに分配分配分配されるされるされるされることとなる。 これらは,一般的な剰余金の処分による会社法上の配当ではないが,法人税法においては,これらを配当 とみなして,課税関係を律することとしている。 なお,株主等株主等株主等へ株主等へへへ金銭等金銭等金銭等金銭等ののの交付の交付交付がない交付がない場合がないがない場合場合場合には,みなしみなしみなし配当みなし配当は配当配当ははは認識認識認識認識しないしないしない。 しない ① 会社法上の配当の結果,B法人が受け取った現金の金額(20,000 円とする。)が受取配当等受取配当等受取配当等受取配当等にににに該当該当該当該当する ので益金不算入益金不算入益金不算入の益金不算入ののの対象対象対象となる。 対象 <B法人の仕訳> (借) 現 金 預 金 20,000 円 (貸) 受 取 配 当 等 20,000 円 ② 減資等による分配の場合,会社法上の配当とならないが,B法人が受け取った現金の金額から有価証 券の払戻しの金額を控除した金額(120,000 円-100,000 円=20,000 円)が,B法人にとっては会社法 上の配当と効果が等しいので,受取配当等受取配当等受取配当等とみなして受取配当等とみなしてとみなしてとみなして,益金不算入益金不算入益金不算入益金不算入のののの対象対象対象対象とする。 <A法人の仕訳> (借) 資 本 金 等 100,000 円 (貸) 現 金 預 金 120,000 円 (〃) 利 益 剰 余 金 20,000 円 <B法人の仕訳> (借) 現 金 預 金 120,000 円 (貸) 有 価 証 券 100,000 円 (〃) み な し 配 当 20,000 円第
第
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第1
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1節
1
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節
趣旨 (B) 具体例
1
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.
.
.総論
総論
総論
総論
(
((
(B
B
B
B)
))
)
みなし配当金額は,以下の算式により求める。 みなし配当 = 交付金銭等の額 - 所有株式等に対応する資本金等の額 《交付金銭等の内訳》 減資・解散法人 資本金等の額の返還部分 元本の払戻 利益積立金額の返還部分 }}}} 配当と同じ <みなし配当を受けた株主の処理> ① みなし配当を受取配当等の益金不算入額の計算上,配当等配当等配当等配当等のののの額額に額額ににに含含含含めるめるめるめる。 ② みなし配当に係る源泉徴収所得税額源泉徴収所得税額源泉徴収所得税額を「源泉徴収所得税額 「「「そのそのそのその他他」他他」」の」のの区分の区分区分区分に含める。 ③ 株式株式株式株式のののの帳簿価額帳簿価額帳簿価額について,一定帳簿価額 一定一定の一定の税務調整のの税務調整税務調整税務調整ををを行を行行う行ううう場合がある。 (有価証券計上もれ(加算:留保)または有価証券過大計上(減算:留保))
第
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第2
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2節
2
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節
内容 (法第 24 条第 1 項)
2
2
2
2.
.
.
.合併
合併
合併
合併(
(適格合併
(
(
適格合併
適格合併
適格合併を
を
を
を除
除く
除
除
く
く
く)
)
)
)
(
((
(B
B
B)
B
))
)
( (( (1111) ) ) ) みなしみなしみなし配当みなし配当配当 配当 ① 合併に伴い交付される金銭等 ② 資本金等の額 合併直前の当社所有株式数 合併日前日の属する事業年度の 被合併法人の資本金等の額 × 合併直前の発行済株式等の総数 ③ みなし配当の額 ① - ② ⇒ 受取配当等の額に加算 ( (( (2222) ) ) ) 有価証券有価証券有価証券の有価証券の税務上のの税務上税務上税務上のののの取得価額取得価額取得価額取得価額 新株の時価
当社が保有していたA社株式の発行法人であるA社は,当期中にB社に吸収合併された。この合併により, B社からB社株式 1,500 株(1株当たりの時価 100 円)と合併交付金 20,000 円(合併比率を調整するための もの)を取得したため,当社は,A社株式の帳簿価額をB社株式の帳簿価額として引き継ぐとともに,合併 交付金の金額を雑収入に計上している。 なお,A社株式の合併直前の所有株式数は 1,000 株(当社の1株当たりの簿価 80 円),合併直前のA社の 1株当たりの資本構成は,資本金等の額 110 円,利益積立金 60 円であった。
① みなし配当の計算 ア.合併に伴い交付される金銭等 1,500 株×@100 円+20,000 円=170,000 円 イ.資本金等の額 資本金等の額 110 円×1,000 株=110,000 円 ウ.みなし配当の額 170,000 円-110,000 円=60,000 円 ⇒ 受取配当等受取配当等受取配当等の受取配当等のの益金不算入の益金不算入益金不算入の益金不算入ののの対象対象対象対象に含める。 ② 有価証券の税務上の取得価額 新株の時価 100 円×1,500 株=150,000 円 ③ 税務調整 税務上の取得価額 150,000 円-会計上の取得価額 80,000 円=70,000 円 (有価証券計上有価証券計上有価証券計上もれ有価証券計上もれもれ もれ (加算:留保)) < << <図解図解図解>図解>>> A社株式1株当たりの構成 A社株式の譲渡 ⇒ A社株式帳簿価額 80 円 譲渡益 30 円 みなし配当 60 円 A社の資本構成 ⇒ 資本金等の額 110 円 利益積立金額 60 円 交 付 金 銭 等 ⇒ B社株式 100 円×1.5=150 円 合併交付金 20 円 <A <A<A <A社社と社社とととBBBB社社社社とのとのとのとの合併時合併時における合併時合併時におけるにおけるにおける税務上税務上税務上の税務上ののの仕訳仕訳仕訳仕訳>>> > (借) 有 価 証 券 150,000 円 (貸) 有 価 証 券 80,000 円 (〃) 現 金 預 金 20,000 円 (〃) 有 価 証 券 譲 渡 益 30,000 円 (〃) み な し 配 当 60,000 円 (注) 有価証券の譲渡益の計算 (資本金等の額 110 円-A社株式の簿価 80 円)×1,000 株=30,000 円
具体例
次の資料に基づき,以下の各問に答えなさい。 1.当社が以前から所有していたX社株式の発行法人であるX社が,当期においてY社に吸収合併されるこ とになった。当社がX社株式の対価としてY社から受け取った金銭等は,以下のとおりである。 ① 合併交付金 3,000,000 円(源泉所得税 20%控除前) ② Y社株式 20,000 株(一株当たりの時価 1,850 円) ③ Y社発行済株式総数 500,000 株 2.合併直前のX社株式及びX社に関する事項は以下のとおりである。 ① X社株式の当社持株数 60,000 株 ② X社株式の帳簿価額 35,600,000 円 ③ X社株式の合併時の時価 640 円(一株当たりの時価) ④ X社発行済株式総数 500,000 株 ⑤ X社合併前の資本金等の額 300,000,000 円 3.当社はY社株式につき,甲社株式の帳簿価額をそのまま付し,合併交付金については雑収入に計上して いる。 問1 みなし配当金額を計算しなさい。 問2 Y社株式の帳簿価額について,税務上調整すべき金額を答えなさい。 解答解答解答解答 解説解説解説 解説 問1 4,000,000 円 本問における税務上の仕訳及び図解は,以下のとおりである。 (借) Y 社 株 式 37,000,000 円 (貸) X 社 株 式 35,600,000 円 (〃) 現 金 預 金 3,000,000 円 (〃) 有 価 証 券 譲 渡 益 400,000 円 (〃) み な し 配 当 4,000,000 円 (注 1) Y社株式 1,850 円×20,000 株=37,000,000 円 (注 2) 有価証券譲渡益 300,000,000 円 500,000 株 ×60,000 株-35,600,000 円=400,000 円 例題 例題例題 例題111 1 みなし配当(合併) 重要度 B 難易度 B
X社株式の譲渡 ⇒ X社株式帳簿価額 35,600,000 円 譲渡益 400,000 円 みなし配当 4,000,000 円 X社の資本構成 ⇒ 資本金等の額 36,000,000 円 利益積立金額 4,000,000 円 交 付 金 銭 等 ⇒ Y社株式 37,000,000 円 合併交付金 3,000,000 円 計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 合併交付金 3,000,000 円+1,850 円×20,000 株=40,000,000 円 (2) 資本金等の額 300,000,000 円 500,000 株 ×60,000 株=36,000,000 円 (3) みなし配当額 40,000,000 円-36,000,000 円=4,000,000 円 問2 有価証券計上もれ 1,400,000 円(加算:留保) 有価証券の税務上の取得価額は,新株の時価となるため,Y社株式の時価である 37,000,000 円を計上すべ きである。しかし,当社は,X社株式の帳簿価額である 35,600,000 円をそのまま帳簿価額としているため, その差額を税務調整する必要がある。 計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 税務上の取得価額 1,850 円×20,000 株=37,000,000 円 (2) 会計上の帳簿価額 35,600,000 円 (3) 有価証券計上もれ 37,000,000 円-35,600,000 円=1,400,000 円
3
3
3
3.
.資本剰余金
.
.
資本剰余金
資本剰余金
資本剰余金の
の
の
の配当又
配当又は
配当又
配当又
は
は
は解散
解散
解散
解散による
による残余財産
による
による
残余財産
残余財産の
残余財産
の
の分配
の
分配
分配
分配
(
((
(B
B
B)
B
))
)
( (( (1111) ) ) ) みなしみなしみなし配当みなし配当配当 配当 ① 資本剰余金の配当に伴い交付される金銭等(交付金銭等) ② 資本金等の額 当社所有株式数 減資した法人の 資本金等の額 × 払戻割合(小数点3位未満切上) × 発行済株式等の総数 <払戻割合> 交付金銭等の合計額 払戻割合 = 前事業年度末の資産から負債を控除した金額 ③ みなし配当の額 ① - ② ⇒ 受取配当等の額に加算 ( (( (2222) ) ) ) 有価証券有価証券有価証券の有価証券の税務上のの税務上税務上税務上のののの取得価額取得価額取得価額取得価額 直前の帳簿価額 - 直前の帳簿価額 × 払戻割合(小数点3位未満切上) 当社の 100%子会社であるS社が減資することになり,交付金銭等を 2,000 円取得し,雑収入に計上して いる。なお,前事業年度末のS社の貸借対照表の構成は,資産 50,000 円,負債 30,000 円,資本金等の額 15,000 円,利益積立金 5,000 円であった。
みなし配当の計算 ア.交付金銭等 2,000 円 イ.資本金等の額 2,000 円 15,000 円× 50,000 円-30,000 円 (0.100)=1,500 円 ウ.みなし配当の額 2,000 円-1,500 円=500 円 ⇒ 受取配当等受取配当等受取配当等の受取配当等ののの益金不算入益金不算入益金不算入の益金不算入ののの対象対象対象対象に含める。 具体例
次の資料に基づき,みなし配当金額を計算しなさい。 1.当社は,当期中に,数年前から保有していたX社株式の発行法人であるX社(内国法人)が解散したこ とに伴い,残余財産の分配金 5,400,000 円(源泉徴収税額控除前)の交付を受けた。なお,当社が保有し ていたX社株式に係る資料は,以下のとおりである。 ① 所有株式数 80,000 株 ② 帳簿価額 4,000,000 円 2.X社に関する資料は,以下のとおりである。 ① 残余財産分配割合 1.000 ② 分配直前発行済株式総数 400,000 株 ③ 分配直前の資本金等の額 25,000,000 円 解答解答解答解答 解説解説解説 解説 400,000 円 本問における税務上の仕訳及び図解は,以下のとおりである。 (借) 現 金 預 金 5,400,000 円 (貸) X 社 株 式 4,000,000 円 (〃) 有 価 証 券 譲 渡 益 1,000,000 円 (〃) み な し 配 当 400,000 円 (注) 有価証券譲渡益 80,000 株 25,000,000 円×1.000× 400,000 株 -4,000,000 円=1,000,000 円 X社株式の譲渡 ⇒ X社株式帳簿価額 4,000,000 円 譲渡益 1,000,000 円 みなし配当 400,000 円 X社の資本構成 ⇒ 資本金等の額 5,000,000 円 利益積立金額 400,000 円 交 付 金 銭 等 ⇒ 分配金額 5,400,000 円 計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 交付金銭等の額 5,400,000 円 (2) 資本金等の額 80,000 株 25,000,000 円×1.000× 400,000 株 =5,000,000 円 (3) みなし配当金額 5,400,000 円-5,000,000 円=400,000 円 例題 例題例題 例題222 2 みなし配当(解散) 重要度 B 難易度 B
次の資料に基づき,以下の各問答えなさい。 1.当社は,当期中に,当社が所有していたX株式の発行法人であるX社から,資本剰余金を財源とする配 当金 15,000,000 円を収受しており,この全額を配当直前の帳簿価額から控除している。なお,当社のX 社株式の持株数は 100,000 株であり,配当直前の帳簿価額は 78,000,000 円である。 2.X社の状況に関する資料は,次のとおりである。 ① 発行済株式総数 400,000 株 ② 配当直前の資本金等の額 320,000,000 円 ③ 配当金の総額 60,000,000 円 ④ 配当直前事業年度の純資産価額 388,000,000 円 問1 払戻割合を計算しなさい。なお,小数点3位未満の端数は切り上げなさい。 問2 みなし配当金額を計算しなさい。 問3 X株式の帳簿価額について,税務上調整すべき金額を答えなさい。 解答解答解答解答 解説解説解説 解説 問1 0.155 計算過程計算過程計算過程 計算過程 60,000,000 円 388,000,000 円 =0.15463 → 0.155
問2 2,600,000 円 本問における税務上の仕訳及び図解は,以下のとおりである。 (借) 現 金 預 金 15,000,000 円 (貸) X 株 式 12,090,000 円 (〃) 有 価 証 券 譲 渡 益 310,000 円 (〃) み な し 配 当 2,600,000 円 (注 1) X株式 78,000,000 円×0.155=12,090,000 円 例題 例題例題 例題333 3 みなし配当(資本剰余金の配当) 重要度 B 難易度 C
(注 2) 有価証券譲渡益 100,000 株 320,000,000 円×0.155× 400,000 株 -78,000,000 円×0.155=310,000 円 X株式の譲渡 ⇒ X株式帳簿価額 12,090,000 円 譲渡益 310,000 円 みなし配当 2,600,000 円 X社の資本構成 ⇒ 資本金等の額 12,400,000 円 利益積立金額 2,600,000 円 交 付 金 銭 等 ⇒ 分配金額 15,000,000 円 計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 交付金銭等の額 15,000,000 円 (2) 資本金等の額 100,000 株 320,000,000 円×0.155× 400,000 株 =12,400,000 円 (3) みなし配当 15,000,000 円-12,400,000 円=2,600,000 円
問3 有価証券計上もれ 2,910,000 円(加算:留保)
計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 税務上の帳簿価額 78,000,000 円-78,000,000 円×0.155=65,910,000 円 (2) 会計上の帳簿価額 78,000,000 円-15,000,000 円=63,000,000 円 (3) 有価証券計上もれ 65,910,000 円-63,000,000 円=2,910,000 円
4
4
4
4.
.自己株式
.
.
自己株式
自己株式
自己株式の
の
の
の取得
取得(
取得
取得
(
(市場
(
市場
市場
市場における
における
における
における取得等
取得等を
取得等
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を
を除
を
除
除く
除
く
く)
く
)
)
)
(
((
(A
A
A)
A
))
)
( (( (1111) ) ) ) みなしみなしみなし配当みなし配当配当 配当 ① 自己株式取得に伴い交付される金銭等 ② 資本金等の額 取得された株式数 自己株式取得を行う法人の資本金等の額 × 発行済株式等の総数 ③ みなし配当の額 ① - ② ⇒ 受取配当等の額に加算 ( (( (2222) ) ) ) 有価証券有価証券有価証券の有価証券の税務上のの税務上税務上税務上のののの取得価額取得価額取得価額取得価額 売却前の株式数-売却株式数 直前の帳簿価額 × 売却前の株式数 ( (( (333) 3) ) ) 自己株式自己株式自己株式の自己株式の取得のの取得取得取得がががが予定予定されている予定予定されているされている株式されている株式株式株式のみなしのみなし配当のみなしのみなし配当配当配当ののの益金算入の益金算入益金算入益金算入 内国法人が,自己株式の取得により配当等の額とみなされる金額(みなし配当)が生ずることが予定され ている株式(例えば,公開買付を実施している法人の株式など)を取得した場合,租税回避行為を防止する という観点から,その取得した株式等に係る配当等の額については,受取配当等の益金不算入の規定を適用 しない。
公開買付を実施しているB社の株式の時価は,1株 10,000 円(公開買付の価格と同一)である。ここで, B社の1株当たりの資本金等の額は 8,000 円であるため,1株当たり 2,000 円のみなし配当が生ずることが 予定されている。ここで,当社が市場からB社株式を購入し,公開買付に応じた場合における税務上の仕訳 は,以下のとおりである。 < << <当社当社当社が当社ががが市場市場市場市場からからBからからBB社株式B社株式社株式を社株式ををを購入購入した購入購入したした時した時時時のののの税務上税務上の税務上税務上のの仕訳の仕訳仕訳>仕訳>>> (借) 有 価 証 券 10,000 円 (貸) 現 金 預 金 10,000 円 < << <当社当社当社が当社がががBBBB社社の社社ののの公開買付公開買付公開買付に公開買付ににに応募応募した応募応募したした時した時時の時ののの税務上税務上の税務上税務上のの仕訳の仕訳仕訳>仕訳>>> (借) 現 金 預 金 10,000 円 (貸) 有 価 証 券 10,000 円 (〃) 有 価 証 券 譲 渡 損 2,000 円 (〃) み な し 配 当 2,000 円 この場合において,みなし配当を益金不算入として取扱った場合には,有価証券譲渡損 2,000 円だけが損 金の額に算入されることになるため,租税回避取引として利用される可能性がある。そのため,自己株式の 取得が予定されている株式のみなし配当については,益金の額に算入されるのである。
次の資料に基づき,以下の各問に答えなさい。 1.当社は,当期中に国内の非上場会社であるX社からの買い求めに応じ,当社所有のX社株式を譲渡して いる。当該取引に関するデータは次のとおりであるが,当社は会計上,売却価額 6,000,000 円から同株式 の帳簿価額 3,600,000 円を控除した全額を,有価証券売却益として計上している。なお,当社は,X社株 式取得時においては,X社からの買い求めがあることは予想していなかった。 売却価額(注) 6,000,000 円 譲渡株式数 120,000 株 X社株式の帳簿価額 9,000,000 円 X社株式の所有株式数 300,000 株 買取り直前の資本金等の額 52,500,000 円 買取り直前の発行済株式総数 1,500,000 株 (注) 売却価額は,みなし配当に対する源泉所得税 20%を控除する前の金額である。 2.控除負債利子の金額は 400,000 円である。 問1 みなし配当金額を計算しなさい。 問2 受取配当等の益金不算入額及び法人税額から控除される所得税額を求めなさい。 例題 例題例題 例題444 4 みなし配当(自己株式) 重要度 B 難易度 B 具体例
解答解答解答解答 解説解説解説 解説 問1 1,800,000 円 本問における税務上の仕訳及び図解は,以下のとおりである。 (借) 現 金 預 金 6,000,000 円 (貸) X 株 式 3,600,000 円 (〃) 有 価 証 券 譲 渡 益 600,000 円 (〃) み な し 配 当 1,800,000 円 (注 1) X株式 120,000 株 9,000,000 円× 300,000 株 =3,600,000 円 (注 2) 有価証券譲渡益 120,000 株 52,500,000 円× 1,500,000 株 -3,600,000 円=600,000 円 X株式の譲渡 ⇒ X株式帳簿価額 3,600,000 円 譲渡益 600,000 円 みなし配当 1,800,000 円 X社の資本構成 ⇒ 資本金等の額 4,200,000 円 利益積立金額 1,800,000 円 交 付 金 銭 等 ⇒ 分配金額 6,000,000 円 計算過程計算過程計算過程 計算過程 (1) 交付金銭等の額 6,000,000 円 (2) 資本金等の額 120,000 株 52,500,000 円× 1,500,000 株 =4,200,000 円 (3) みなし配当 6,000,000 円-4,200,000 円=1,800,000 円
問2 受取配当等の益金不算入額 700,000 円(減算:社外流出) 法人税額から控除される所得税額 360,000 円(加算:社外流出)
1.みなし配当の場合には,発行済株式総数の 25%以上を,配当等の額の支払に係る効力が生ずる日の前日 以前6ヶ月以上引き続き所有している場合は,関係法人株式等に該当する。よって,X社株式譲渡前の株 式数で判定を行うことに留意すること。
2.みなし配当に係る源泉所得税率は,次のとおりである。 株式等の種類 源泉徴収税率 上場株式等 所得税7% その他 所得税 20% 3.みなし配当に係る源泉所得税額は,所有期間で按分する必要のない所得税額である。なお,所得税額控 除の計算上の区分は,「その他」の区分となる。 計算過程計算過程計算過程-計算過程---受取配当等受取配当等の受取配当等受取配当等ののの益金不算入額益金不算入額益金不算入額益金不算入額 (1) 判定 300,000 株 1,500,000 株 =20% < 25% ∴ その他株式等 (2) 益金不算入額 (1,800,000 円-400,000 円)×50%=700,000 円 計算過程計算過程計算過程-計算過程---法人税額法人税額法人税額法人税額からから控除からから控除控除控除されるされるされる所得税額される所得税額所得税額所得税額 1,800,000 円×20%=360,000 円 短期所有株式に係る配当金額は益金不算入の対象とはならないが,みなしみなしみなしみなし配当配当配当の配当の場合のの場合場合場合は,短期所有株式短期所有株式短期所有株式短期所有株式のののの 不適用規定 不適用規定 不適用規定 不適用規定ははは適用は適用適用適用しないしないしないしない。 また,みなし配当に係る源泉源泉源泉所得税額源泉所得税額所得税額所得税額を法人税額法人税額法人税額から法人税額から控除からから控除控除控除するするするする場合場合には,所有期間場合場合 所有期間所有期間所有期間のののの按分按分を按分按分ををを行行行行わないわないわないわない。な お,所得税額控除の計算上の区分は,「株式・出資」の区分ではなく,「「「その「そのその他その他」他他」」」のののの区分区分区分区分となる。 これは,みなし配当は計算期間の概念もなく,また,合併・減資等の事項は,有価証券を所有している法 人の意思のみによって決定されるものではないので,租税回避の弊害がないからである。
第
第
第
第3
3
3節
3
節
節
節
通常の受取配当等との取扱いの差異と理由 (B)
【MEMO】 【MEMO】 【MEMO】 【MEMO】