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マイクロミスト法による FRP の繊維/樹脂界面強化

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Academic year: 2021

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マイクロミスト法による

FRP

の繊維/樹脂界面強化

知能機械研究室 桑名清二

1. 緒言

現在、様々な分野で活躍しているFRP材は、ガラスや炭素 などの繊維をプラスチック樹脂に染み込ませ強度を向上させ た複合材料である。また、無機繊維は有機材料である樹脂と なじみにくいため、接着性の向上を目的にシランカップリン グ剤による界面処理が施されている。界面処理は添加量や濃 度の調整が難しく、小さい織物メーカーでは処理が厳しいの が現状である。そこで、本研究では容易な界面処理法として、

マイクロミスト法による繊維界面処理法を提案し、その確立 を目的として実験を行った。

2. 実験装置および方法

繊維にはサイジング剤やカップリング剤の処理があらかじ め施されているため、超音波洗浄により除去する。その後、

1%濃度のカップリング剤水溶液を準備し、浸漬法とミスト 法で添加する。カップリング剤はアミノシランとエポキシシ ランの2種類を使用し処理効果の比較をする。ミスト法につ いては図1に示す。ミスト法では処理溶液を超音波で霧状に し、キャリアガスによってノズルまで運び添加する。特殊な 部品や真空を必要とせず、装置の構成はシンプルである。ミ スト法では1-10μmの液滴を発生可能で、繊維間距離数μm である繊維糸の中に十分添加されることが期待できる。カッ プリング剤の添加後は110℃で1時間程度乾燥させる。乾燥 が終了したら VaRTM成形法でFRPの成形を行い、ファイ ンカッターで試験片を切り出す。そして、引張試験を行う。

1 ミスト法のプロセス 3. 実験結果および考察

2に各試験片の応力-ひずみ曲線を示す。グラフより、

未処理、アミノシラン浸漬処理、アミノシランミスト処理を 行った材料の曲線と、エポキシシラン処理を行った二つの曲 線が異なる剛性を示していることが分かる。この原因は、成 形後の試験片の厚みが異なっている、すなわち繊維含有率が 異なっているためである。また、グラフからは未処理とアミ ノシラン浸漬処理、アミノシランミスト処理の曲線はほぼ同 一であり、界面処理による影響を明確に見ることができない。

そこで、応力-ひずみ曲線より剛性の変化率を求めた。図 3 に各試験片に関して、横軸をひずみ、縦軸を初期剛性で無次 元化した剛性変化率をとったグラフを示す。図より、未処理 の試験片と、界面処理を行った試験片で剛性変化の曲線が異 なっていることが明確に分かる。ひずみ5000μεまではどの 試験片の剛性変化も同様であるが、それ以後は未処理の試験

片の剛性低下が大きくなる。剛性低下が生じる理由は損傷の 発生であり、この結果は未処理試験片に生じる損傷が他の試 験片よりも多いことを示している。引張によって生じる損傷 は横糸の繊維/樹脂界面に生じており、界面処理によって界 面が強化されていることを示している。また、界面処理を行 った試験片の剛性低下曲線はどれも似たような結果を示して おり、ミスト処理による界面強化には従来の浸漬法と同等の 効果があることが分かった。今後は再現性を確かめると共に 噴霧量や噴霧時間、濃度の調整など、添加量の最適化を行う ことで、ミスト法による最適な界面強化方法を調べる。

2 応力-ひずみ曲線

3 剛性変化率

文献

1) 川原村敏幸,「ミストCVD法とその酸化亜鉛薄膜成長へ の 応 用 に 関 す る 研究 」 京 都大 学 学 位 論 文 21-37、

B(2008).

参照

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