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長 崎丸 の方 向探知機 の誤差 につい て
梅 園 茂
On the Error of the Direction Finder in the " Nagasaki-Maru "
Shigeru UMEZONO
Abstract
In order to make a perfect determination of direction with a direction finder, it has been believed to be desirable to set the loop antenna at the high position and as far from metallic substances on the ship as possible. In the " Nagasaki-Maru ", however;
the parabola antenna of the rader has been fixed close to and between the mast and the loop antenna for the convenience of fixing position. With this loop antenna was performed error determination, and the results and the discussion on them have been herein reported.
1) When the parabola antenna was set closer to the loop antenna, the error was increased on the 20 MC band.
2) On the beacon band, no error was yielded both before and after the remodeling.
3) In the small- or medium-sized fishing boat, where high frequency is used, the loop antenna needs to be fixed with special attention.
方 向 探 知 機 を 使 用 して 完 全 な 方 位測 定 を 行 な うに は,ル ー プ ア ン テ ナを 船 上 の 出 来 るだ け 金 属 物 か ら離 れ た,高 い 位 置 に設 置 す る こ とが 望 ま しい とい われ て い るが,長 崎 丸 に お い て は 設 置 場 所 の 都 合 上,レ ーダ ー のパ ラボ ラア ンテ ナを マス トとル ー プ ア ンテ ナ の中 間 に 接 近 して 取 付 け た.こ の ル ー プ ァ ソ テ ナで 誤 差 測 定 を 行 な つ た の で そ の結 果 お よ び これ に つ い て の 考 察 を 報 告 す る.
資料 および方法 1)使 用 した 無線 方 向探 知 機
KS‑一一317RTC一 皿形 (全 方 向 自動 直視 式) 2)ア ソテ ナ直 径76㎝ 遮蔽 形直 交 ル ープ 3)周 波 数 範 囲200KC〜4MC
4)周 波 数 偏 差1%
5)綜 合 増 巾度130db以 上
6)測定可能最小限界
410KCにて15μv/m 7)測定可能の電波形式
SSB, Al. A2, A3,
8)測定した周波数と測定距離
O U.319KC(約4:KM)
J B. 342 Kc (i/ 20KM)
発信艇.410KC(〃0。8KM)
JOAG. 660 Kc (ii IKM)
JOAc. 1080 Kc (/i ii )
発信艇.2060KC(〃O.8KM)
考察及び結果
方向探知機の誤差として,先づあげられるものは4分円誤差であり,その方位は常に船首ま たは船尾方向にずれる.誤差の最大値は次式であらわされる.1)
Smax=Sin−i ( 2rS:一itr) i)
kはじょう乱磁界と入射磁界の分力の比で,船体のみを考えた場合kの最大値は1であるから 最大誤差は19.5。であるが,船体取付けの際機械的に修正されるので,このような大きな誤差は なくなる.このほか電波の電界によって生ずるじょう磁界による誤差もあるが, これらの誤差 は船体の吃水線の上下によっても変動するので,夜間誤差同様あらかじめその値を求めること は困難であるといわれる.このような誤差になるべく安定した値をもたせるためには,ループ アンテナを出来るだけ高所に導体から遠ざけて設置すべきである.長崎丸は建造当初,マスト とループアンテナの間隔を1.14mにしておいたが,その後やむを得ずこの中間に予備レーダー
Fig. 1 Disposition near the loop anterma
梅園:長崎丸の方向探知機の誤差について 91
Mast
ゾ
par艮bora
しOOP
7cn噂 13 う
114cm一一→ E
う heCtd
Fig. 2 Dist ance between the mast and each annyt. enna
用のパラボラアンテナを増設したため,その配置はFig・1.のようになり,各々の間隔はFig・2 に示すようにループアンテナと非常に接近する結果となったので,改装後の誤差の変化につい て測定を行なった.
改装前に大阪港外で行なった410:KCと2600K:Cの誤差はFig.3のような修正曲線であっ た.410 KCでは誤差は全く無く206班(Cの修正値も最大8。以内であったものが,改装
20
..0 .0コ申→←
レO﹂﹂①
C一). e
10
20
410 Kc F2060KC
び4Sv 90◎ 135● 180● 22 Se 270, 31ら● 36
Angte from head
Fig. 3 Modification curve before remodeling
後長崎伊王島沖で行なった上記2波の測定結果は,410:KCについては改装前同様修正値零であ ったが2060K:cの方は20Q位の大きな誤差があらわれた.これをFig.4に示す.以上の測
20X
( ぴ 慧/ぴ.
ぐr16
410KC 一2060Kc
屯
2
ny4 TgT wrTooO一 136 O T Tl 80e 225Q 270Q 31
Angle frorn head
Fig. 4 Modificatio.n curve after modeling
366島
定は発信艇を使用し錨回した長崎丸の周囲を回転させた.このほか大瀬崎(OU,319K:C),大 村空港(JB,3421(c),のビーコン局をはしめ, NHKの長崎第1(JoAG,660Kc),
第2(JoAc,1080:Kc)を測定した. 大瀬崎(oU)を外洋の直視線上と山の影響を受け る2地点(:Fig.5参照)において長崎丸を半回転させて測定したものがFig.6である. 同図
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:Fig.5 Error which varies according七〇change of the measuremen七positio耳
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Angte from head
Fig. 6 Error modilicatioh curVe by the diffract ed wave
梅園:長崎丸の方向探知機の誤差について 93
aは地形によっておこ喬回折波による鎗金であり2500付近で最大6。の誤差があっfFが,同 源bのように直接波では引々誤差は認められなかった.JBとNH::Kを長崎丸を固定の状態で 測定したのがFig.7であるb・・4分円誤差はFig.3に示すとおりその値は船首方向で最小,左 右45℃の方向で最大となるが,:Fig.7では船首方向に近い角度でtf 一コソ周波数であるうえに
0り
ブf.4114ーー
JBA 342KC
s
NHK .
660KC
〈i})7108 OKC
ノ
ぱ78
^
40.
ゆ り A:=17−11=:6ρ
B=Noerror
Fig.7 Difference of error betweell the di redt・け謡ve and血e re益a6t6d wave
遠距離のA点からの電波に誤差があらわれ,40Q の方向で周波数も高く近距離であるB点から の電波に誤差がなかったことは,直接波であれば1MC付近まではループアンテナ近くに導体 を設置しても誤差は生じないことを示すものと思われる. 一方ビーコン周波数でも送受信所間 に山岳が介在すれば地形による回折現象のため誤差を生ずることが明らかになった.方向探知 機の使用中にパラボラアンテナを回転させるとビ・一コン周波数から1MC付近までは影響はな かったが,2063K:Cではブラウン管上のプロペラ型の方位信号が若干左右に変動して正確な測 定は出来なかった.したがって中短波帯の高い周波数に対して方向探知機を使用するときは,
レーーダーの使用をとめ,パラボラアンテナの向きをループアンテナから出来るだけ離れた角度
(ループアンテナのN,Sに対して直角)にして測定する方がよい結果が得られるようである.
周波数が高くなれば船体自身の影響もあるが, 船上構造物のために到来電波による磁界が乱 れ方位誤差が増大してくる. 特にループアンテナの誘起起電力は周波数の高い程大であり実効
長 も大 とな る.ル ー プ面 の 面 積 をA〔 ㎡〕,波 長 を λ 〔m〕,巻 数 をNと す れ は
とな る2).
こ の式 か ら波長 の 変 化 に よ っ て 実 効 長 も変 化 す る.し た か っ て 誤差 も増 減 す る こ とか 理 解 出 来 る.最 近27MCの 方 位 側 定 も可 能 とな つ て 来 た か,こ の よ うに 周 波 数 か 高 くな れ ば ル ー プ ア ン テ ナの 設 置場 所 か 適 当 で な い 場 各 は最 大45° くらい に もお よ ふ 誤 差 か 出 る こ と もあ る し, 4分 円誤 差 か5分 円 誤 差 に なっ た り,修 正 値 か プ ラス,マ イ ナ ス対 称 で な くそ の 極 性 か 反 対 に 出 る こ と も実 測 され て い る3).使 用 電 波 に高 い 周波 数 を 割 当 て られ て い る小,中 型 漁 船 に お い て は 設 置場 所 も狭 い 上 に 振 動 か 激 しい ので,コ ニ オ メ ー タ ー と共 に ル ー プ ア ン テ ナの 取 付 け に あ た っ て は細 心 の注 意 か 必 要 で あ る.ま た とき に は ル ープ ア ソテ ナ 付近 に あ る導体 に よ る しょ う乱 作 用 て,アン テ ナ効 果 と同様 最 小 音 か 不 鮮 明 に な る こ と も述 へ られ て い る4)か,こ のパ ラ ホ ラ アン テ ナ の設 置 で は そ の よ うな 影 響 は な か っ た.尚 測 定 は 他 の送 受 信 用 ア ソテ ナ の 総 て を OFFの 状 態 に お い て行 な っ た.
要 約
1)ル ー プア ソテ ナに 接 近 して パ ラ ボ ラ ア ンテ ナ を設 置 すれ ば,2MC帯 て 誤 差 か 増 大 す る.
2)ビ ー コ ン周 波 数で は 改 装 前 後 共 誤 差 は 全 々生 しな い.
3)小,中 形 漁 船 に お い て は使 用周 波 数 か高 い の で,特 に ル ー プ ア ソテ ナの 取 り付 け に注 意 す へ きで あ る.
測 定 に 関 し御 協 力 い た た い た 阿 部 茂 夫 船 長,矢 田殖 朗 一等 航海 士,井 上 正 六 二 等 航 海 士 に, 又 校 閲 を い た だ いた 本 学 工 学 部 富安 隆 一博 士 に 衷心 よ り謝 意 を 表 す る.
文 献
1)鈴 木 一 雄 アン テ ナ と電 波 の伝 わ り方,オ ー ム社,東 京,P55〜56,(1964)
2)日 本 電 波 協 会 編 毎 線 工 学 ハ ン ドブッ ク(方 向 探 知機 の理 論),オ ー ム社,東 京,P・1440,(1962) 3)日 本 無 線(株)長 崎 出 張 所 社 内 報
4)2)に 同 し,P1441