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両大戦間期茨城県の経済的支配階級の存在形態

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(1)

一貴族院多額納税者議員互選人名簿を中心に一

槻    功

一、はじめに       二、互選人の分布と性格 本稿は第1次世界大戦から昭和恐慌までの期間   1 地域分布

における茨城県の経済構造分析の一環として経済   第1表は1925年度と1932年度の互選人名簿の市 的支配階級の存在形態を明らかにしようとするも  郡別の内訳を示したものである。市郡別にみると,

のである。      互選人の延べ人数は水戸市及び新治,真壁,結城,

茨城県は全国で有数の農業県でありながら,近        第1表 郡別互選人々数 代に入ってからの農業は畑の普通農産物の商品化

      市 郡を軸にした畑作農業地域として発展し,日本農業

延人数25年度32年度 両年度

      水戸市の主作物たる「米と繭」の生産力は低かった。ま

24   17   14   7

      東茨城郡た,農業生産物も主として他地域への原料を供給

13   10   9   6

      西茨城郡するにとどまり独自の農村工業地域を形成するこ 10    9   6    5

とがなかっ差なさらに,日立鉱山と常磐炭田の_   那珂郡 18   8   16   6

      久慈郡部を持ちながら近代的鉱工業地域の形成が遅れた。 17   13   10    6

      多賀郡このようないわば経済的「後進性」という経済的

8    6   5   3

      鹿島郡特徴を持つ茨城県で経済的支配階級はどのような

14   12   10   8

      行方郡特徴を持つのかを明らかにすることは,水田農業

10   7   6   3

      稲敷郡が発展し巨大寄生地主が成長した地域や製糸業を 19      15      16      12

      北相馬郡はじめとする農村工業地域とは別の重要性を持つ。

5    5    2   2 本稿では経済的支配階級を分析する出発点とし   新治郡 36      27      22      13

て1925年度と1932年度の貴族院多額納税者議員互   筑波郡 19      13      16      10

選人名球)(以下互選人名簿と略す)に記載されて   真壁郡 35      22     27      14

いる県内200位までの多額納税者(以下互選人と   結城郡 31     20     25     14

する)に着目し,名簿に記載されている納税額を   猿島郡 25   16   16    7 統計的に分析し経済状況を明らかにすぎ1さらに,   全  県 284     200     200     116

大地主名簿及び株主の名簿と突き合わせることに   資料 各年度r貴族院多額納税者互選人名簿』

よって,互選人名簿が有権者名簿としての性格か      (『茨城県報』号外)

らその対象者や記載内容が限定されていることに   備考25年度とは1925年度の互選人,32年度 よる分析の偏りを補いたし曳      とは1932年度に互選人であるもの・両 年度とは25年度と32年度のどちらも互 選人であるものを指し,延人数はいず れかの年度あるいは互選人であるもの を指す。

(2)

猿島の1市4郡が20人以上であり,県北5郡(東・    懸

シ獄那珂,久慈多賀)と鹿行2郡,縣2 繋 qcq一頃一寸「望oLo寸①トゆoう一eq純ミ5σ〜◎う寺めoσ5ド㎡めSe嬉dSNOうトゆ◎り寸ト◎OO卜LΩゆヒ㌔QOOD◎り㊤

郡(稲敷,北相馬),筑波郡の人数が少ない。年    謬

度別にみてもこの分布は大きく変わらないがβ2 鞭 卜σヨ「明α⊇卜頃晩r璽α〜rρ刈喚くP㊤oぱ)oつ寸卜・06q頃卜㊤⑩σ}OOOLΩ

年度に那珂郡が急増して水戸市を上回ることが目    鵠 甲一1LΩ寸寸「守ぱ)◎○◎○卜LΩ寸ト㊤㊤寸しΩ

立つ。また,25年度と32年度の両年とも互選人で ((((((((((((((((

ある人(以下両年度互選人という)は,各郡の人    謬

認謡翻翻器日8麗麗㊤oつoつLo LQ「畔oつ寸oつゆ【Ω寸oう・寸ゆ寸))))))))))))))))寸OQO卜寸①(NLo・守しΩ◎◎寸卜①oく◎oゆトートしΩ◎DO一ゆ(Noeq円・寸寸卜oつeqしoo◎つ◎つくNOつ①ゆooつ寸卜LΩ  ゜       一    一     

即ち,人数の多い諸郡の互選人は入れ代わりが多

@      針いのである。      謬

@   第2表郡別町村胆選人々数   畷

      o

i(((((((((((((((<rQq⑱hLqr的ON団eg一トoゆσ⊃ゆ

テ鍔5ε鷲こごεεこごご9ご鯉

墲Wお8離さ鴇6臨8離諦

市,郡 延人数 25年度 32年度 両年度 一  一一  一 一    一  燵

東茨城郡 町 4    4   3    3     0う 飛圧

     村

シ茨城郡 町 l l l l ①題 ((((((((((((((((ナ鱒・9餓門喚br⑳α〜薗卜qrρh卜楚

W論詔砺器旨器器翻等醤

     村

゚珂郡 町

@    村

v慈郡 町

@    村

ス賀郡 町

2   2   1   1  瑞  禦11   2   10   1   {ぐ ))))))))))))))))

     村

ュ島郡 町

@    村

s方郡 町

@    村

﨣 郡 町

3   2   2   1  i翼

Kβll鷺蓋l l l l撫溢3   2   2    1

      琶((((((((((((((((ゆq〜hρLqNρα〜⊂〜晩ρηq卜帆㊤ゆ寸oeqゆ寸oゆ一QO円一の一〇qO一ト㊤㊤㊤㊤LΩゆo寸Lo㊤Lo oり㊤㊤ 槍遍こ痴二嵩盗誌誌誌レ。。。。⑩①①ooゆ寸一㊤寸一・。。D・。封①一トLΩo卜o寸t㌔〇一寸◎つo寸eq一一  一 一N 一一一一一円一督      粗

16      13     玉4      11         姻一 (((((((((((((((( ゆ 北相馬郡 町

@    村

V治郡 町

@    村

1   1   0   0     謬4   4   2   2     罧

Q9 22 17 10  踊

V    5   5    3

ll慧1黙ll掌トゆ㊤。つ寸ゆ。○。q。D。o。うo寸。q寸①湘oつ一一〇りeq−         °°一゜qL°°一くロ

筑波郡 町 6   4   5   3     cq      村

^壁郡 町

@    村

揚 111; 評23      16      18      11 (((((((((へ((((((謬I繍麗器麗器鴇総深藁 eq eq−。q。つ。つ。つ寸。つcqマeq。う一eq楚))))))))))))))))。。卜。。ゆ。。。。㊤寸寸①①一。。_。。。。辮

結城郡 町 16      11     11       6       署

踊譲器888鱒器器留蟹

15   9   14    8     一 一        謬 猿島郡 町

@    村升

      暴寸一例(N一寸トO。。。う〇−O。。ト⑩刊自器麗論畠留舗舗8讐霧一u

24     17     14      7      藁 ゜q一一N−一一゜つ一一一NN−N一

全県

o韓備考 暑 水戸市の分

    125     82     86     43

@   135     101    100     66       騒

Z所は居住地をとって分類した。        槌

笹罵罵講購瞬瞬購瞬購瞬罵講鷺購態)

E灘撫嚇輩購鯉榊愚嵌旧曝《輪選に膠呉韻關擢鐘畑選

(3)

       (6>

謔Q表は,郡部についてその居住地の町村別に  を見たものが表の土地税比率である。土地税比率       一

互選人の分布を見たものである。全体的にみると  は25年度に55パーセントであったものが62パーセ 町と村の人数はほぼ拮抗している。しかし25年度  ントへと大きく増大している。営業税は10パーセ と32年度の人数及び両年度の人数では村の方がか  ント前後である。営業税も商業に対するものと工 なり上回っている。村居住の多額納税者のほうが  業に関するものとからなっているが両年度とも商 互選人の地位を安定的に保持しているのである。  業と工業の比は4対1で大部分が商業である。

市郡別にみると,村居住者が優位の郡は東茨城,   昭和恐慌の影響を受けて商業や工業の営業収益 鹿行2郡,県南2郡,筑波,真壁の7郡,町居住  が減少したことが,それらにかかわる営業税や所 者優位の郡が西茨城,那珂,多賀,新治,猿島の  得税の減少をもたらし,その結果互選人の平均納 諸郡,ほぼ同数の郡が久慈及び結城の2郡と地域  税額の減少をもたらした。一方地租は固定的であ 的にかなり差がある。       る結果その比率が上昇したのである。

さて,互選人の納税内容を市郡別にみた第3表   次に市郡別にみると,納税金額,納税内訳とも によって互選人の経済状況の変化と,先にみた市  に大きな相違がある。特に注目すべき点は営業税 郡別の互選人々数の推移の背景を検討しよう。   と土地税の比率である。先にみた居住地の町村別 まず全県的にみると,平均納税額が25年度の約  と対応してみると,土地税比率は村優位及び町村 2000円から32年度には約1000円とほぼ半減してい  拮抗の諸郡はおおむね25年度は60パーセント,32 る。両年度を比較すると,32年度には営業税と所  年度は70パーセントを超えている。村優位の諸郡 得税が半分以下に減少し,地租はあまり大きな減  には地租及び土地所得に対する所得税が多いこと 少を見てい就その繰32鞭には地租の比率 によって繍的に互選人資格を得る大地主が多い

が44パーセントに伸びたのである。税の内訳では  のである。また営業税の比率は土地課税率と逆に,

ほぼ半分ないしそれ以上が所得税であり,地租が  水戸市及び町優位の諸郡が高い。町優位の諸郡の それに次ぐ比率を占める。所得税は土地からの所  互選人に変動が多いのは,商工業者が昭和恐慌の 得と商工の営業収益にそれぞれ課税されるので,  打撃を受けて営業税,商工所得にかかる所得税を 地租に土地所得にかかる所得税を加えてその比率  減少させたからである。

第4表 職業種類別互選人々数

市 郡 農漁業商業髄業鍼鮒業土木諦業製造業その他鰍

水戸市決?骭S シ茨城郡

゚珂郡v慈郡 ュ島郡ス賀郡 s方郡﨣 郡

k相馬郡V治郡 }波郡^壁郡 居骭S雌㈹S

S  県

備考 職業種類ごとの内容と判定の仕方については本文参照

(4)

2 職業別分布       癒      ム迦

ン選人の職業を種類別に分類してその市郡別人     遡藷 一一ト(NN団α〜ρ@    需82專誘曽等霧

数を見たのが第4表である.この表で膿業は農  噸

業のみを営むものに限定し,他の営業を営む場合     榎麟

ヘそちらに所属させた。また,農業以外に2つ以      く 專鵠鵠゜° °°①一

上の職業を持つ互慰の場合生産者的騰鍾視  講して判定した・このよう膿業を非常1こ限定して  評      暴遡区分しても,農漁業(大部分が農業,即ち寄生地      刊滑主)の比重は大きい。また商業は後にみるように       鵠

慕墓§翻羅

負葺m畿

かなり多様な商品を取り扱っているが,全体とし 盆99♂39安9鵠曽鵠お曽寺9) ) ) ) ) ) ) )

ヲ§§§羅§謡

ら3種の職業はほとんど全ての郡に分布し,互選     滑

lの普遍的鰍業となっているが・その比重は郡   蒙 §§蘂§鍵

によって異なっている。互選人の人数が多い1市      eq加       紳

霧§聲窪三寒8°

4郡でみれば水戸市,新治郡,猿島郡では商業が   理

多いのに対し真壁,繍の2郡膿業力・多い・市 楚゜題部と町優位の郡において商業が多いのである。醸   興      ①碧造業は全ての郡に2名以上の互選人がし・る点で最 曇       映 §§§富§§§i垂8等霧器8雷8雲コQ 《N  ・くト (N co 一  寸 「くF

も互選人らし職業である・     誘遷土木請負業と金銭貸付業がこれら3種の職業に   罧       蓬

塁墾婁墾溺§       ●  ●

続いているが,その所在は一部の郡に限られてい   蕾   癒       くる。製造業は刻昆布製造,製糸業,織物業,麦粉

       週

W富霧コ゜ °つ曾゜ 珊       )

垂垂錘重垂蝶曇§翌量婁塁墾暴       鯉

の他」には,公吏4人,会社員3人,旅館3人,      姻一渥 §§蕪§奮§§楚

運送業2人の他に郵便局長,医師,会社重役,株      罧 )9ごoeo)) Q

       麺式仲買人,倉庫業,弁護士,料理店等など各種の     ・。 8さ等2丼爲鵠゜ < 。つN°°ゆN    脚

職業をまとめた。また無職とされている互選人が

ュないのは,各種の資料からできるだけ職業を明     N題

       団

????ネ§縫

確にしたからである。       曇      o

@さて,個々の職業においてその経済状況及び推       騨移を納税内容から検討しよう。       一謬       繹 第5表は職業種類別に互選人の納税内容を見た

烽フである.鞭毎の緻と両鞭互選人の数を   響

熱翻§蔓鋸蒸       聖塁塁蕪§§鑛悪

@      奮2漉等゜°ゆ寸£°

見ると,まず商業の不安定性が明らかになる。即

ソ延べ人数では最多の商業が25鞭,32鞭の各   醤鞭の互選人数はほぼ騰で鯵してし・るにもか   雛かわらず,その人数及び両年度互選人数では農漁

       叶

ャ罧罧蝋罧罧翠蟹 檀

@   セ

  鯉餌糖姻e   榊

@   罎「ぐ     翠

ユ濯盤姻ギ譲申厳

(5)

 麟恊ケ

@醤齟エ

@課

       業を下回り,さらに両年度互選人は醸造業と同数

A誌§毯§  である・この事実は商業互選人は営業の浮沈に

@      よってその内部の交代が激しいことを表わしている。

膣癒

@く 駅・・ゆ..。   第5表から・第二に32鞭1こは互選人の生産に

@      対する寄生的性格が強くなっていることがわかる。

 懸脇母 T碧遡喉

毯§舅§§器  即ち濃漁業・鍼貸付業誕職などの人数が増       加し,生産者的性格の強い醸造業,製造業,土木

]§零塞§§  請負業の人数が減少している・また,後者の3職       業においても土地税比率が大きく増加している。

 謹遡忘

擁鍵誌  第6表は主要な職業につ囎税内容を表示し§§§§§鋒 舜t二鷹離雛華望ぢ鍔灘

  母謬    罧  cq加

b范

嚢゜°巽

蕪欝離糠錨銘膿盆禽gog爲     漁業者と農業兼会社員が各1人である。農業者の§§§§§§  納税内訳は当然ながら土地税が勅であり,その蕾 霧 露 霧 § i§     比率は85パーセント以上になっている。

  懸羅 §黙輯  た票澱灘撫灘鍍箋羅懇8①①。雪9  人の数も多く最も安定的な商業であることがわか       る(但し,32年度の互選人数は減少しているので

榔 薩譲騨

鍵鍵  変動はある)・これに対し月巴料商は納瀬のうち纒

??ロ 讐灘欝灘畠雀欝薮藩

喬 ャo ラ

轟鍵 欝離総欝叢底犠栗茜型

要o  § 舅 § 農 §     石炭商,鮮魚商,製粉砂糖石油商,肥料海産物商,

醤一超 

¥

      米商兼醸造業,綿花商,薬種商,油類商,商兼農翻

d選   一会韻,砂翻一酪,材木商一鞭局長酒

      商→農,米穀肥料商→無,肥料商→農,が各1人lB 巽 L° 9 弐 雲       で,さまざまな商業者を含む。これらを合わせて

 ヒ コ コ 蕊 雲     も全体として伝統的な呉服商のほかに農業に関連 濯濯運罧罧     した肥料と農産物の商業者が中心である。もっと

漿灘1講認灘離暮螺瓢       はいえ互選人になっていることは注目される。

(6)

醸造業は酒造業と醤油醸造業が中心で,表示し  業等では50パーセント以下の50町歩地主もいる。

た以外は味噌醸造業が1名で残りは農業や商業な  これらの互選人は地主としてでなく,それぞれの どと酒造業あるいは醤油醸造業との兼業である。  営業活動によって互選人になっている。一方,こ

2つのうちでは醤油醸造業が納税金額両年度互選  れらの表から50町歩地主でない地主互選人の存在 人数ともに酒造業を上回っている。ただ土地税比  も明らかになる。土地税比率80パーセント以上の 率が高く営業税の比率と納税額指数が低いなど醤  互選人は50町歩地主が大半なので,これに該当す 油醸造業の停滞的状況を表している。       る互選人はその職業が農業以外となっていても経 以上,互選人の職業構成と納税内容から,茨城  済的には大地主と見なすことができる。これらの 県の互選人が大地主と農業に関連した伝統的な商  互選人を50町歩地主とともに地主互選人と呼ぶと,

工業の経営者で占められていること,昭和恐慌の  その人数は71人(25年度)と80人(32年度)であ 影響によって32年度には商工業の比重が低下し互  る。結局茨城県の互選人のうち35パーセント(25 選人の寄生性が強まっていることが明らかになっ  年度),40パーセント(32年度)が地主互選人に

た。これは伝統的な産業経済の上層が経済的支配  よって占められているのである。

階級の中核をなし,近代的な産業・職業に伴う経   地主互選人のうち16人(25年度)と27人(32年 済的支配階級が未成熟であることを意味している。  度)が50町歩地主名簿に記載されていない。第10 3 互選人の地主的性格       表はこれらの互選人を示したもので,両年度とも 前節までの分析で茨城県の互選人の中に相当数  80パーセント以上という基準に該当するのが9人,

の大地主が含まれていることが明らかになった。  25年度のみ該当するのが7人,32年度のみ該当す そこで,大正13年の農商務省調査の耕地50町歩以  るのが18人で,延べ34人になる。これらの互選人 上所有大地主名簿(以下50町歩地主名簿とする)  は比較的納税額が少なく順位が低いものが多い。

ニ比較して互選人の地主的性盛検討しよう。 職業は両年度及び25年度はほぼ全員力濃業となっ 第7表は互選人の中に50町歩地主名簿記載の大  ており,32年度に入って商業や無職が登場する。

地主(以下50町歩地主とする)がどの程度含まれ   32年度に,低順位の地主互選人が増加し,また ているかを見たものである碧50町歩地主は105人  農業以外の職業が登場するのは昭和恐慌の影響が    、ナあるがそのうち87人がどちらかの年度に互選人  ある。たとえば,この表で製造業となっているの になっている。互選人にならなかった18人のうち  は本県で最も古い器械製糸工場を経営する谷口新 2人が女性,1人が北海道地主,3人が他県にも  平であるが,谷口製糸所は製糸工女の安価な食糧 耕地を所有するもの,1名は分家と思われるもの  確保と製糸金融の担保確保を目標にして開業以来 など7人についてはその理由が明確であり,それ  一貫して製糸業の利益を土地購入に振り向けてい 以外にも年齢が30才未満と思われるものもある。  た。昭和恐慌の打撃を受け操業を停止していた32 互選人資格のない50町歩地主が農漁業に多いのは,  年度には製糸業の所得がほとんど無く地租のみで 関東型地主の典型である開墾畑作地々主で耕地のう  互選人の資格を得たのである。恐慌による営業所 ちに地租が低く所得も多くない畑の大地主が含ま  得の減少という事情はこの表の商人層についても れているからである。しかし全体として,茨城県  該当するものがあると思われるが,それらを除い では50町歩地主はその耕地からの納税額のみで互  ても互選人のなかには50町歩地主に匹敵する地主 選人資格をほぼ満たすと考えてよい。      層が30人前後含まれていることになる。

第8表と第9表は,土地税比率を基準に互選人   第8表と第9表を職業種類別に検討すると,農 と50町歩地主とを比較したものである。50町歩地  漁業と無職及び「その他」は大部分が土地税比率 主は当然大半が土地税比率50パーセント以上であ  が高い階級に属し地主的性格が強いことがわかる。

る。しかし醸造業や土木請負業,金銭貸付業,商  また,土木請負業と製造業は土地税比率が低く,

(7)

第7表 職業種類別50町歩地主人数

農漁業 商業醸造業 金銭貸付業土木請負業 その他 無職 計 地主人数 58     10     17        3       1         13     3    105

延互選人 44     10     17        3       1        11     1     87

25年度 39      8     17        3       1         10     1     79

32年度 36      8     14       2      1         8     1     70

両年度 31     6     14       2      1         7     1     62

備考 職業は50町歩地主名簿によら劣互選人名簿の職業や人名辞書などの記述  を調べそれによって判断した。

第8表 土地税比率別互選人々数(1925年度)

農漁業 商 業 醸造業 金銭貸付業 土木請負業 製造業 その他

90%以上 40 29 4  4 1  1 1  1 5  4 1  1 52 40

80%以上 8  4

1  1

6  6 4  4 19 15

70%以上 5  2 2  1 3  3 2  1

1  1

13 8

60%以上 10  4 1 8  5 1 1 1 1 23 9

50%以上 9  2 2  1

1  1

1  1

1  1

14 6

40%以上

2 6

1

9

30%以上

3 3 6

20%以上

4

3  1 1 8 1

10%以上

10 5

1

2

 18

10%未満 20

9

1

2

3

3

38

63 39 56  8 46 17 8  3 5  1

4

16 10 2  1 200 79 備考 各欄の数字は左が互選人数,右が50町歩以上地主互選人数である。

第9表土地税比率別互選人々数(1932年度)

農漁業 商 業 醸造業 金銭貸付業 土木請負業 製造業 その他

無 計

90%以上 40 24 6  4 5  5 1  1 1 6  6 4  1 63 41

80%以上 7  5 4  2 3  3 3  2 17 12

70%以上 8  3

4

7  4

2

2 24 7

60%以上 4  1 2 3 1

50%以上 6  2 5 2  1 1 1  1 15 411 1

40%以上 2  1 4  1 5  1 1 1

30%以上 5  1 2

1  1

1 10 213 3

20%以上 1 5 5 1 1 1

14

10%以上 9 2 1 12

10%未満 13 1 2 2 3 21

69   36   57    8  35   14    11    2 3  1 3  0 16  8 6  1 200 70

(8)

第10表 土地税比率80%以上の50町歩地主名簿非記載の互選人

氏   名 市郡 職業  1 9 2 5 年 度

P頂位 納税額 地租土地税比率

 1 9 3 2 年度

㊧ハ納税額 地租 土地税比率 宮 本 亀次郎 稲 敷 農 業 109   1343   834      99.9 92   495    419      9{弛8

橋 本栄作 結 城 農 業 179    976    558      99.2 176    531    390     100心板 橋 揚 涼 稲 敷 農 業 137   1121   574     95.7 114   691   509      95.0

飯 塚作 治 稲 敷 農 業 146   1074   541     95,4 191   498    350      91.4

岡 沢綾之助 稲 敷 農 業 192    934    516      953 168    551    398      914

平 井 保太郎 新 治 農 業 105    1385    602      952 175    536    379      95/7

石   平 多 賀 農 業 156   1040   607      8a4 110    712    500       90.5

長谷川 新兵衛 西茨城 農 業 93   1492   741     87.4 112   703    546      93.3

本 橋 桂 次 真 壁 農 業 145   1078   525     84.9 180   517    402     100誕)

尾 見浜五郎 真 壁 農 業 127   1205   643     100.0 1 根 本千知 行方 医 師 191    945    471     99.7

9

小 室 宗 夫 那 珂 農 業 71   1758    115      97.4 2 新 井 宗 一 結 城 農 業 138   1120   594     96.6 5 須 田 政 治 新治 農 業 177    986   591     94.4

関 野吉之進 行方 農 業 169   1003    556      91.6

石 引 与一郎 稲 敷 農 業 182    968   473     87.9

三 好 亀久寿 新 治 無 職 178    523    299      99.5

中 山 貞 三 筑 波 農 業 182   512   419      99.4

鈴 木 吉太郎 結 城 無 職 165   556   400      99.3 1 荒井 源左衛門 真 壁 農 業 87    810    613      鰍7

谷 口 新平 真 壁 製糸業 55   2139   616      65.0 199   486    437      創31

9

坂 本 勇 次 稲 敷 農 業 189    500    368      98.0

松 村   隆 結 城 農 業 102   748    498      974 3 中 島信 民 行方 農 業 173    536    378      97.0

板 谷邦三郎 真 壁 無 職 161   566    415      96.1 2 山 口 林之七 筑波 農 業 195   494    354      95.2

中 野   仁 真 壁 綿花商 193    495    361      94.7

中村 兵左衛門 真 壁 織底商 133   647    493      94.5

村 上幸太郎 真 壁 農業 196   492    346      934

藤 代 長太郎 新治 農 業 135    1134   539      77.6 149   595    420      89.7

野々村 源四郎 結 城 肥料商 94   784    472     88.1

塙   七 平 水戸市 呉服商 106    726    271      85減)

関   亀之助 筑 波 農 業 200    485    325      83.7

須沢 貞 治 結 城 公 史 135    643    387      81石

(9)

地主的性格が弱い。先の谷口新平も25年度はその  して32年度の地租納入額が減少しているのは税制 営業の所得によって55位に位置づけられ土地税比  改革による地租の評価基準の変更によるものであ 率も65パーセントにとどまっていた。一方,商業  る。この表によれば地租額1000円以上(25年度)

と醸造業は土地税比率のどの階級にも分布しその  と800円以上(32年度)は全員50町歩地主であり,

地主的性格は一様iでない。金銭貸付業も同様の分  800円以上(25年度)と600円以上(32年度)も 布である。これらのうち,醸造業者は地主的性格  大部分が50町歩地主である。また,400円以上の が比較的強いが,従来地主的営業の典型とされて  階級になると50町歩地主とそうでないものとがほ きた醸造業や金銭貸付業において,土地税比率が  ぼ拮抗することがわかる。茨城県では耕地50町歩 50パーセント未満の互選人が互選人数の半分近く  所有の地租納入額における基準は,400円から600 存在していることは注目に値する。この事実は旧  円の間にあるとみられる。

来の農村の伝統的上層部の地主的醸造業や金貸業   なお25年度地租400円未満の50町歩地主が4人 と並んで,いわば専業的な醸造業や金銭貸付業が  いるが,このうち2人は開墾地と干拓地を中心に 成長してきているということを示している。    地価の低い土地を所有しているためである。

さて,第11表は地租納入金額の階級別に互選人   第12表は,地租納入額500円以上の互選人のう の人数を見たものである。全体的に25年度に比較  ち地主互選人に該当しないものを選び出したもの

である。これらの互選人は,各種の営業活動によっ 第11表 地租納入金額別互選人々数      て(職業が「農」の互選人は,なんらかの商業か

金銭貸付業を営んでいるからであると思われる)

 1925年度

ン選人 大地主  1932年度

ン選人 大地主 土地税比率が低くなっているが,すでに50町歩地 主に匹敵する土地の集積を成し遂げている。これ 2000円以上 3   3 2   2         らの互選人を先の30人に加えると茨城県の互選人 1500円以上 4    4 2   2@       のうち大地主とすることができるものは,50町歩 1000円以上 13   13 6   6@       地主の87人と合わせて約130人になり,互選人の

800円以上 12   10 8    8

@       延べ人数284人の45パーセントに達する。全国的 600円以上 34   25 17   12         にブルジョアジーが大きく成長する第一次大戦期 400円以上 43   20 50   30

@        を経た後も,茨城県においては地主階級が経済的 200円以上 28   3 64   10         支配階級の半数近くを占めているのである。

200円未満 63   1 51    0

第12表 地租500円以上の互選人 氏   名 市郡 職 業   1 9 2 5 年度

㊧ハ 納税額 地租土地税比率   1 9 3 2 年 度

㊧ハ 納税額地租 土地税比率 小野瀬忠兵衛 稲 敷 肥料商 42   2445   765     5(}7 44    1176   491     58.2

山 中 彦兵衛 結城 醤油醸造 34   2831   709     47.5 23    1629   705     642

立川 利 平 西茨城 農  業 43   2438   680     73.7 126     662   348     6&4

小山田   量 水戸市 金  貸 3   6425   665     24.7

成 井 源三郎 久 慈 醤油醸造 83   1645   519     62.1

石   平之丞 多 賀 煙草商

@会社員 61   1960   511     33.0 46    1155   551     74.6

菅谷 茂左衛門 鹿 島 農・金貸 171    1001   375      71.6 37    1298   711     74.3

青木 才次郎 水戸市 土木請負 5   6027   471     16.9 15    2220   656     31.7

(10)

4 実業家互選人      上位を占める実業家互選人が多いという第三点は,

第8表と第9表によれば,土地税比率50パーセ  全体的な納税額の減少に伴うもので必ずしも経営 ント未満の互選人は79人(25年度),70人(32年  の上昇によるものではないが,動揺を繰り返しな 度)存在し,延べ互選人々数の40パーセントにな  がらも実業家互選人が層として次第に定着してい

る。その職業は全ての種類にまたがっているが,  ることを物語る。

商業と醸造業が最も多い。      次に第14表から各職業種類別の検討を行おう。

第13表 土地税比率別互選人々数(商業・醸造業)

呉服商 肥料商 米穀肥料商 その他商業 酒造業 醤油醸造業 その他醸造業

40%以上 1 2  3 3  2 3  1

2

30%以上 1 1  2 2  2 1  1 1  1 1

20%以上

2

1 3  1 1  1 2  3 1  1 1

10%以上 3  1 2  1 2  1 3  6

3

1  2 1

10%未満 7  1

2

13 10 4  1 4 1

10  5 2  5 6  4 21 22 13  7 10  5 3  3

総人数 12  9 5  9 10  6 29 33 17 13 15 10 14 12

備考 各欄の数字は左が25年度,右が32年度の互選人数である。

第13表は土地税比率50パーセント未満の,商業  32年度に初めて互選人資格を得たのは12人である と醸造業の互選人についてさらに詳しく職業別内  が,9人が商業である。この9人を含めて商業互         19)をみたものである。「その他醸造業」を除けば  選人の営業内容は多様である。しかも呉服商と肥 表の職業では互選人の過半数が50パーセント未満  料商を除くと新興の商業が中心である。未だとり である。なかでも呉服商,「その他商業」は土地  たてて工業地域の形成されなかった両大戦間期の 税比率の低い互選人が多い。土木請負業や製造業  茨城県においては,都市的消費財や一部の特産農 と並ぶ非地主的な職業と言えよう。そこでこれら  作物,工業製品を取り扱う商人の最上層部が流動 の土地税比率が低い互選人を必ずしも適切な用語  的ではあるが実業家として,地主的性格が比較的 ではないが実業家互選人と呼ぼう。        強い米穀肥料商等の伝統的商業経営者たちと並ん さて,実業家互選人の典型として土地税比率が  で経済的支配階級に加わりつつあったと言えるで 10パーセント未満の互選人を第14表に掲げた。全  あろう。

体的な特徴として,第一に大半の互選人の住所が   先に,醸造業や金銭貸付業など伝統的に地主的 水戸市あるいは町であること,第二に両年度にわ  営業とされていた職業にも専業的な経営者が互選 たる互選人が少ないこと,第三に順位は低いもの  人資格を得るまで成長していることを指摘したが,

が多いが32年度のほうが概して高いこと,また25 第14表に登場する実業家互選人達がその典型であ 年度の14位と15位,32年度の12位のようにかなり  る。このうち酒造業地域である石岡町,高浜町に 上位にくる場合もあることなど指摘できる。第一  住むもの,近江商人の系譜を引くもの(村井3家)

(lo)

点は商業が多いことから当然予想できることであ  などは明らかに専業醸造業者である。西野仁兵衛 る。住所が村になっていても,醸造業者を除くと  は旧幕期以来の醤油製造業者であるが近代に入っ 水戸市あるいは町に隣接する村である。第二点は  てから生産を拡大し,特に日露戦時に特別陸軍糧 これらの互選人の営業が不安定であることを示す。  秣廠に販売以来全国的に販路を拡大していった。

固定的な地祖が少ないため,営業所得が減少する  1911年度の15人の互選人のなかに入ったこともあ と直ちに互選人の資格を失うのである。32年度に  り,こうした実業家互選人の先駆者である。

(11)

大槻:両大戦間期茨城県の経済的支配階級の存在形態      37

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(12)

特産物を専業的に生産し全国的に販売するのは   (C)r大正一五年用 全国株主要覧』経済之日 3人の製造業者互選人も同様である。例えば秋場    本社,1926年2月刊

三松は東京で織物問屋を経営した後に石下町に織     全上場株式会社中,極端なポロ株を除き,

物工場を設立して大規模に生産していた。また,    株主の住所が判明する会社(約300種)の100 小林賢一郎は表では麦粉製造となっているが儒米    株以上の株主のうち住所の判明する株主を掲 の製粉業者であり,やはり製品を全国的に販売し   載。

ていた。このような専業工業資本家は土地税比率   これらの名簿のうち収録対象の明確さと調査の 50パーセント未満の醸造業互選人のなかに他にも  習熟度から見て最も信頼できるのは名簿Bである 含まれていると思われるが,全互選人中に占める  が,この名簿は府県別に配列されていないので全 比率は小さい。多少の工業資本家は成長しても固  国約2万7千人のうちから茨城県の株主を拾い出 有の工業地域を未だ形成していない当時の茨城県  すのは容易でなく,住所,職業等の記載がないの        q3)

o済では例外的な存在であった。        で分析は容易ではない。これに対して名簿Cは府 県別に配列し町村名が記載されているので利用は 三、互選人の株式所有      容易であるが,調査に未習熟であるうえ調査対象 貴族院多額納税者議員互選人の資格となる納税  が明確でないこと,住所判明を原則にしたためか 額には,給与,利子・配当等は算入されていない  えって欠落が増えたと思われることなど大きな問 ため,会社経営者や地主でない金利生活者等はそ  題がある。また,これらの名簿がいずれも全国的 の所得のみでは互選人の資格を得ることができな  な調査であるため,地方的な重要企業が一部しか い。経済的支配階級の全体像を明らかにするには  入っていないという限界がある。この問題は対象 茨城県経済における諸会社の地位とその経営者及  企業が異なる両者を併用し,さらに具体的に株式 び出資者の状況を明らかにすることが不可欠であ  投資の内容を検討することによって補完せざるを

Ilユ)

るが,本稿では全面的な分析の余裕がない。ここ  えない。

では,さしあたり互選人の全国株に対する投資状   第15表は株主名簿から互選人を選び出し,その 況を分析したい。この範囲の分析でも経済的支配  状況を市郡別に示したものである。これによれば

q4)

階級の金利生活者化がどこまで進んでいるか,ま  77人の互選人が株主名簿に記載されている。この た株式投資家のうち互選人がどれほどを占めてい  人数は住所の判明した株主のほぼ3分の1に当る。

るかがある程度判明する。分析の対象にする資料  市郡別にみると東茨城,鹿島,行方郡では株主の

r12)

は次の3つの全国的な株主名簿である。      大半が互選人であり,那珂,筑波,結城,猿島等

(A)r大正六年版 全国株主要覧』ダイヤモン  の各郡でも半分近くになる。住所の判明しな.い株 ド社,1917年6月刊      主がまだ50人近く残るのでそれを考えると株主中 全国285社の100株以上の株主について名  で互選人の占める比率はあまり高くない。またこ 寄せし,所有株合計が500株以上の株主を掲  の人数は全互選人のほぼ4分の1にしかならず互 載。調査対象は原則として大正5年下半期の  選人資格を持つ本県最上位の多額納税者としては 株主名簿。       その比率は低い。表示しなかったが平均持株数は

(B)r大正九年版 全国株主要覧』ダイヤモン  16年1168株,19年1234株,25年913株で全体の平 ド社,1920年6月刊      均1128株,1169株,715株を上回っているが,そ 全国511社の50株以上の株主について名寄  れほど差はない。これらの事実から互選人が特に せし,所有株合計が300株以上の株主を掲載。  株式投資を盛んに行っているとはいえない。

調査対象は原則として大正8年下半期の株主   第16表は,互選人の株式所有状況の一覧である 名簿。       (A〜Cは初出の名簿を示す)。株主名簿への登

(13)

第15表 郡別互選人株主状況

名簿登載 互  選  人  株  主  人  数

株主人数 人数  大地主 25年度  32年度 A    B    C

水戸市 39 7    1    5     4 2    6 東茨城郡

5

4    1    3    2 1    4

西茨城郡 4 1      1     1 1

那珂郡

7

4      2     4 1    4

久慈郡 14 2      1    1 2

多賀郡 10 2      1     1 1     1

鹿島郡

2

2    2     2     1 1    2     1

行方郡 1 1    1     1     1 1     1

稲敷郡 8 3    2    2    3

3

北相馬郡 4 1    1     1     1 1     1

新治郡 17 7    2    5    5 7     4

筑波郡

9

6    5     5     5 1    6     2

真壁郡 28 9    3    9    7 5     9     6

結城郡 39 16    9    11    14 3    14    12

猿島郡 25 12    4     8     9 2    8    6

合  計 212 77       31       57       59 14    56    50

備考 株主人数は住所の判明したもののみ。同一家族と思われるものは合算してある。

大地主とは,50町歩地主である互選人,25年度,32年度はそれぞれの年度の互選人,A〜

Cはそれぞれの名簿に記載されている互選人の人数である。

第16表(A)互選人株式所有状況……1916年株主 氏   名 住   所 職   業 耕地25年度 32年度

蒲L 順 位 順位  1916年ミ数 株数  1919年ミ数 株数

 1925年 ミ数 株数 岩 崎 亀次郎 猿島郡古河町 米 雑 穀 商

124   198

10 3041 21 6196 6 1091 秋山 藤左衛門 結城郡水海道町 農    業

121.7  25   10

7 2129 16 4986 6 3579

沼尻権次郎 真壁郡下妻町 銀行頭取→公史

60.8  52   67

6 1817 14 4419 9 4353 野々村 源四郎 結城郡水海道町 肥  料  商 94 4 1430 6 2132 4  691

小倉紋三郎 猿島郡古河町 呉  服  商

131

3 1300 12 2477 4 1886

稲 葉 源一郎 筑波郡吉沼村 醤油醸造・農業

112.8  27   19

4 1052 9 2418

間々田 惣助 真壁郡下館町 肥  料  商 57   72 3  981 21 3674 11 3696 荒 野 こ う 鹿島郡大同村 農    業

89.1 190

4  946 4 1916

桜 井 藤 八 真壁郡真壁町 農    業 26   36 3  823 9 2083 4 1411 宮 本 庄次郎 行方郡玉造町 農    業

400.8  1    2

5  820 7 1867

山 中 彦兵衛 結城郡水海道町 醤 油 醸 造 34   23 2  760 5 1531 4 1406 入 江 平一郎 真壁郡大宝村 農    業

89.1  47   43

3  683 10 1192

尾 見 浜五郎 真壁郡吉間村 農    業

127

5  564 5  928

備考 耕地所有は50町歩地主名簿の耕地合計,25年度順位,32年度順位はそれぞれの年度の互選人名簿の順位で ある。社数と株数は新株旧株等の区別を無視して単純に合計した。

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