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幼児の一日の園生活の展開

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茨城大学教育学部教育研究所紀要21号(1989)31−36

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幼児の一日の園生活の展開

松丸令子・山路純子・多田慧子 大里道子・福田洋子・森 直美

1 は じ め に

 登園時刻になると幼児たちの元気な声が園庭に響いて来る。幼稚園の一日の生活の始まりである。副 園長は,アーチの所に立って一人ひとりを出迎える。その時から保育は始まっているのである。幼稚園 の保育の最も短かい単位は一日である。朝登園して来る時点から降園し家庭に戻すまでである。登園の 出会いの瞬間の幼児の姿をそのまま受け入れ,これから展開する園生活の流れの中に入りこんで行ける 入口を見い出せる手助けをしてやらなければならない。園生活のリズムは,一人ひとりの幼児の持つリ ズムに合わせていつでもその速さや内容を調節出来るものでなくてはならない。そして降平時には,各 々の家庭で受け入れようとしている各々の異ったりズムの流れにそって戻してやらなければならないの

である。

 幼児の育ちを考えて行く時には,私共教師は園生活一つ一つの活動を独立したものとして考えて行く のではなく,登園時の出会いから始まって身支度,遊び,おやつ,……等のサイクルの輪の端を家庭へ かけて更に園に戻すという大きなサイクルとしてのとらえ方をして行かねばならない。小学校等のよう に授業の時間を区切った時間割としての活動ではなく,あくまでも一日の流れそのもの,いわゆる生活 そのものが幼稚園における教育そのものであるという考えである。一日の生活の中で一人ひとりの幼児 が様々に心を揺らしながら幼稚園生活は展開されていく。登園から降園までの一日の園生活の中でいろ いろな出会いをして,一人ひとりが成長して行くのである。毎日繰り返される生活,時にはそこに色づ けや味つけをしながら展開されていく中で幼児の心の育ちが促されて行くものと思われる。私共教師は,

園生活の中で繰り返されているひとつひとつの場面で,幼児がどのような経験をしているかをしっかり と把握して対応していかなければならない。

 S51〜53年度,文部省研究指定校として幼小の連携についての研究を行った時に,幼稚園では課題に 向かう活動を,小学校では総合活動を実践する中での接点を見い出すための試みがなされた。その時に 幼稚園と小学校との違いについて論じられたことに,生活の単位という問題があった。小学校では週単 位に教科の時間割が組まれていて,ユ週間後に続きの授業が行われる。しかし,幼児の場合は,今日や ったことの目的意識を週を隔てて持続させることはおそらく不可能なことである。持続時間の問題もあ るが幼児がやる気を起こし興味を持って取り組んでいく時には,やったと言う満足感や充実感を得るま でとことん取り組ませていくように見守り援助するようにしている。活動に合った柔軟な時間配分が,

その時々に応じてなされていく。iHの生活を終えた時,幼児の心の中には明日の遊びや友達とのかか わりが描かれ期待を持って翌日登園をして来るのである。このように,幼児の場合には,1月が1日の 生活そのものが小学校以上の学校での学習の単位と一致するものであると思われ,ここが大きな相違点

(2)

ではないかと思われる。

2.幼稚園の生活

(1)幼児の1日の園生活の場面

朝の出会いから三園まで,教師は1Mの生活を共にする。その時々を幼児がどのように受け止め,

どのような経験を重ねているかについて,教師はしっかりと押えながら一人ひとりの幼児への対応を していく。幼児が今どんなことを求めているか。この場面で何を求めているか,そのサインに敏感に 対応していかなければならない。

A 登 B 朝の出会い

C 遊 び の  身 支 度 D 遊

E 遊 び1

び2

F 健綴・安全

G片付け

H 当

1 お や つ 3 弁

K 降 園   の身支度

L 担妊との   ひととき

M 転

幼児の日々の営みと育ち

〈アーチの所で副園長が毎朝出遡える(8:30〜8:50)〉

〈いろいろな遊び〉

 教節に手を貸してもらうことによって身支度  をすることをおぼえる。患来たことが幼!Eic  とって 安心感をもたらし,次の活動への意  欲となる。

〈いろいろな遊び〉

 安心感を得ると幼児は女心を取り巻く環境に  自分からかわって行くようになる。

 物についても人についても岡じように興味・

 関心を向けるQ葭分のやりたいことを満足の  谷くまでたっぷりとやるということを保障す  るととによって,幼児は充実感を味わい,自  分で動くこと,后扮からかかわるという力が  育って来る。

幼児と対話する中で健縦状態,心の状態など把握したことを担任に戻して行く。ま た保育後,教師 のミーティングの中での話題にもなり,全教師の目で幼児を犯つ め合ったことを保育の中に生かして行く。

副園長との対話を楽しみに登園する幼児は,遵端の♂ 〔花を摘んで来ては渡ず,

一人ひとりの幼児の誕生目を祝い,幼児も保護者もクラスの枠を越えての誕生会が 北謝テラスの小さな空悶で展開する。

人数は登園時間帯を1司じくする幼児と保護者40名の誕生会となる。友達のために轟 園長のためにプy一ゼント作りが各クラスの活動として{立証つく。

〈薮 番〉

 年畏紐の活動として位薩ついているが,年  少,年中繕の幼児も興味を持ちいつの に  か加わる申で自然な形で伝承されて行く。

いろいろな遊びを通して幼児は様々な友との かかわりを持ち楽しさやぶつかりを経験する ことにより,自 と案じような又は違った考 えを持つ存在を知るようになる。気の念う友 とのかかわりで安定感を持つための努力をす るようになる。安定感は,各々の幼児の育ちに によってバランスを崩しながら様々な絡みを 見せて行く。

〈健康で安全に〉

 朝の忠会い,身支度,遊び等の中で幼り己は楽  しく活動するために,健康や安全に関する習  慣を身に付けることが必要であることに気付  き徐々に自 のものにしていくようになる。

様々な遊び様々な友とのかかわりの中で,幼児 は自 と他との存在をはっきりと区別してとら えることが出来るようになる。友へのいたわり 友と協調することが生活の中に現れff  ていく。

好きな遊びの中には,他のクラスとのかかわ りが大きく羅臼つく。自分のクラスの遊びに 行きづまった 、塩分のクラスから外に目を 向けるようになった ,他クラスとのかかわ りによって,大きく視野を広げ,同年齢では 育ち得ない傭びを経験する。

遊びの中で幼児はもっと楽しくする ための工夫をする。想{象性,創造性 を働かせながら遊びを深めて行く申 で自分の力を確かなものにする。

<おやつ・弁当>

 1Hの生活の中で遊びの山が越えたところに位置つく,年齢に応じて  活動の様梅は異なる。ほっとしたひとときをみんなで…緒にゆっくり  と過ごす。

遊びのリズムは,その時々の幼児の取り 組む状態により時醐的に,空間的に,繰 り返しも随時変えられて行く。

〈明日の活動のための称付け〉       〈担任とのひととき〉

 遊んだ後片付けをするが,遊びに目的が出て持続するようになると,   たくさん遊んだ後の満足した,或いは不完全燃焼のままの幼児の気持  片付けは明日の又は次の活動のための準備ともなる。         を汲み,握任の懐の中ですべてを分かってもらえるという安定のひと        ときを過ごす。

      明Uへの期待を持ち降園する。

〈幼児の育ちを確かなものにするために〉

 迎えの保護看に玉日の生活の中のエピソード等を話し,家鷹での話題のひとつとして伝える。

 一人ひとりの幼児については 園から家庭から ○○ちゃんのこと を通して連絡をする。その他(「健康の記録」「園だより」「クラスだよ  り」 「保健だより」 「PTAだより」 「成長のあゆみ」等)i蒲生活で経験し,貯えられたことが家庭でゆっくりと消化し吸収され,;ee Llの園生活  を親も子も楽しみに待つようになる。

 保護者会,保欝参観の他に副弓長を中心に傑護者の農発的な参加によるアセンブリーで幼児の育ちについての見方,とらえ方をより確かなものと  する。

② 園生活のlEIのリズム

幼稚園では1日の生活の中で,特に大切にしているのは遊びである。遊びの中で幼児はいろいろな 状況にぶつかりそれを乗り越えながら心を育てていく。下の表のように幼児の育ちからの持続性を加 味しながら時間的な配分がなされていくが,その日の幼児の活動によって順序も時間も柔軟に組み変 えられていくものである。

(3)

松丸他:幼児の一日の園生活の展開 33

脅 ち の 道 筋

・。鴎㌶響

8 30

8 50

oo

10 30

(12 OO)

ll OO

11 30

12 OO

13 OO

A登    園

B朝の幽会い C遊ひへの身 支 度

F健康。女全 H当   番 D遊 ひ  1

E遊 ひ 2 GA ft け 1お  や つ

駅弁

J

の隻

費支園

降身 のきとと任と

担ひし

M降   翻

  1 園に慣れて安定し適恥てきるよっになる        H いろいろな遊ひの中て目分の力を知⇔     班 集団の巾て自分の力を生かすことかてきる

 期 ・期  ・⊃一 … ]1 ・ 期=「至期  ・ 期

     3    歳       歳

       5     歳

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③ 遊びの中で

  A登園からM降園までの各々の活動は,ひとつひとつが独立しているものではなく,各々が接点を  持って,いろいろな組み方がなされながら展関されている。

  一日の生活の大半は遊びであるので,指導計画の中でも大きく位置ついて来る。このことを考え,

 一日の生活の中の「遊び,について述べてみる。

  当園では遊びには,幼児が自ら進んで取り組み毎日繰り返される遊びといつもの生活にうるおいや  変化ももたらす遊びがあるというとらえ方をしている。

  毎日繰り返される遊びの中心をなして行くものには,様々なごっこ遊びがある。また,遊びとは名  もっけられないような,幼児の心をほっかりと包みこんでいるという小さな遊びがある。こうした遊  びを追っていくと,そこには個としての,集としての育ちを難い出すことが出来る。それを遊び1と  名付けている。遊び1の中での幼児は楽しいことばかりでなく,うまくいかないというトラブルも度  々経験しながら,自分の力を知ったり,相手の良さを知ったり,悲しさを味わったりしながらも自分  というものを伸ばして行くようになる。こうした毎日繰り返される遊びの中に,いろいろな形で投げ  こまれたり,織りこまれたりしていく活動がある。いつもの生活にうるおいや変化をもたらす活動で  あり,私共はこれを遊び2と名付けている。

  遊び2には,何日も前から胸をはずませて待つという行事的なものや,突然に訪れたお客様を迎え  た時,また,ひとつの活動が大きな山を越えて,ほっとひと息つくという時の小さなものもある。幼

児が心から楽しみにし,それに浸れるという場を日々の生活の中に,どのように織りこんでいくかは,

幼児の育ちをしっかりと押さえながら様々な要因とのかかわりを考えていくことが幼稚園での重要な

(4)

指導のポイントとなっている。またこれらの遊びは,各々のクラスの中でたっぷりと遊ぶことだけで はなく,クラスの枠を越えて展開されるのである。それによって,幼児がクラスだけでは味わえない 伸びを見せることが出来るからである。

 これら遊び1,遊び2の中で幼児は次の様なことを身につけ成長して行く姿を見ることが出来る。

ア 安定するまでに

  新しい物に対しては,大人でも少なからず不安を抱く。幼児も入園まもない頃は,いろいろな物  との出会いや新しい環境に不安を抱く,その中で,幼児なりにいろいろな方法で安定しようとする  姿を見ることが出来る。じっと友達の遊びを見ていて一歩も動き出さない幼児,積み木をやってい  たかと思うと粘土,粘土をやってたかと思うと製作というように,次々と遊びが変って行く幼児と  様々である。前半の幼児の中には友達の遊びをじっと見ながら自分も遊んでいるつもりになってい  る幼児もいる。また目に入った物や聞こえたもの,手にしたものすべてに興味関心を持ち経験をく  りかえし試していく中で活動が貯め込まれ,幼稚園生活が安定して行く幼児たちもいる。これら  遊びを通し,教師の存在に気づき「先生ならなんでも分かってくれる」という気持ちを持つように  なり,教師と幼児の信頼関係が育ち,園生活に安定し,伸び伸びと周囲の幼児にかかわって行くよ  つになるのである。

イ 友達に向かうようになるまでに

  幼稚園生活そのものに安定した幼児たちは,友達とのかかわり方も,一方的でなく,相手の気持  ちや考え方を自分の中へ取り入れながら遊びを発展することが出来るようになる。この時期になる  と小さなグループが沢山出来,部屋中が小さな家や基地で歩けないほどである。囲って囲って,そ  の中で,気の合った友達が出来,十分満足いくほど遊ぶ。しかし,仲間意識が強いため,いろいろ  な理由をつけて仲間からはずそうとしたりして遊ぶためにトラブルも出て来る。これらのトラブル  の中で幼児は人間関係を学んで行くものであるから,押さえたりすることだけにとどまらず,十分  それぞれの意見を言えるような雰囲気を作り,それぞれの意見の言い合える場とする必要がある。

 その中で,一人ひとりが,友達の良さに気づいたり,自分の力を知っていったりするのである。ま  た教師は,それぞれが遊んでいる様々な遊びを幼児たちに知らせることが大切になって来る,なぜ  なら,これらの中で,自分を知り,自信を持ったり,周囲を大きくとらえることが出来るようにな  るからである。この様に生活して来た幼児は,集としての遊びの楽しさも分かって来て,多少イメ  ージが違っても,遊びを面白くするために協力したり我まんしたりすることが出来るようになる。

 集としての遊びも可能になって来るので,クラスの枠を越えての大きなかかわりや変化のある活動  も無理なく出来るようになって来ているため,変化やうるおいのある,遊び2の大きな集としての  流れのある遊びの投げ込みも可能になって来る。

ウ 実際に身体を動かし感動体験をしながら,自己発揮して行けるようになるまでに

  一人ひとりが,追従から主体的に遊びを深めることが出来るようになり,自分の五感で物を確か  めながら,遊びを進め,内面的に育って行く時期に入ると

 。 遊びの中で試したり創りかえたり,また試すといったことを繰り返しながら,それぞれが考え   ていく姿が見られる。

 。 自己課題を持って取り組む姿が見られる。

 。 約束に対する意識が高まる。

 ・ 役割意識や年長意識が高まる。

(5)

松丸他:幼児の一日の園生活の展開

35

・ 人に対する思いやりが育つ

など,遊びを通じて様々なことを学んでいく。

 例えばゲーム作りをしている幼児たちのグル ループを見てみると,一度で満足することな

く作っては試し,試しては作って行くという ように,何度も挑戦し,より高い成功感を求 め自己課題に向かって取り組む姿を見ること が出来る。更に別のグループでは,不思議な こと疑問点にぶつかると,とことん試してみ る姿を見ることが出来る。例えば,電池の様 に重い物は浮かばない「軽い物が浮くんだ」

と,いろいろな板切れや箱を浮かべて遊んで いる幼児たちの所へ,教師が「ほんとかなと 電池にカップを付けた物を出し「重くても浮 くよ」と投げかけてみる。と「すごい,重く ても浮くんだ」とぴっくりして,いろいろな ことを試す姿が見られる。「なぜだろう」

「どうして」という疑問に,幼児たちは時間 の流れも忘れさせる。この様に自己課題に向

(ぼくが乗ったらどうかな?)

2 疲詮勢陣縁

匹寒い噛慈二轡礪

 (電池は重ても浮くよ )

かった時は,時間の流れなどまったく無視して没頭する幼児たちである。1日中そのことにかかり きりであり,それが幼児の生活そのものなのである。教師は,幼児たちの課題をしっかりと受けと めてやりながら教師も共に考え,成功感を味わわせ,それぞれの考える力や課題に自らいどむカを 大切に伸ばして行く必要がある。また,これら自己課題に向かえるようになった頃には,運動会や 遠足なども,自分たちのものとして受けとめ,活動して行くことが可能である。行事の1つとして 取りあげるのではなく,幼児が待ちに待った楽しい変化,うるおいのある活動として幼児のものと

して活動して行けるよう工夫している。また,友達関係も信頼し合うようたなり,お互いの気持ち が通じ合うようになると,それぞれの考えを出し合いながら遊びが進められるようになるので,大       きなごっこ遊びが展開することが出来るようにな       る。例えば,一人の幼児が「演奏会をしよう」と言

(さあノ楽譜が出来たぞ)

い出すと周囲にいる幼児も同意し,それぞれが楽 譜を作ったり看板を描いたり,招待券を作ったり して,ひとつの目的に向かって,役割が分担され,

みんなで一緒に行動していく姿を見ることが出来 る。その中で,お互いの良さを認め合ったり,協 力したり,自分の意見を言ったり,友達に合わせ ようとする姿を見ることが出来る。ひとつの遊び を進める中で,遊びを盛り上げるための創意工夫 ばかりではなく,人と人とのかかわり方などにつ いても,大切な勉強をしているのである。更にル

(6)

一ルのある遊びも,このころになると出来るようになる。

それぞれのおもわくから,自分の思うようなルールを作り出 し,それぞれがそのルールで遊ぶため,トラブルがたえな いこともある。例えば,サッカーらしき遊びが出て来ると,

兄弟がいて「家で教えてもらって来た」と言う幼児がリー ドして遊びを進め,自分の都合のよいように,ルールを決 め,勝つことに意義を認め「入った,入った/」と大喜び をしているが,だんだん,周囲の幼児も「なんだかおかし い」と気づくようになり「○ちゃんは,ずるい/」と言う

・灘

(シュートするぞノ)

ようになる。みんなで話し合いながら,毎日遊ぶ中で,新しいルールが決まって行く。お互い納得 しながら作って行き,それを守って遊ぶことが楽しくなっていくのである。教師は,ひとつの遊び をこんなルールでこんなふうに遊ぶのであると遊びを始めから教えるのではなく,幼児の遊んでい

る遊びを見守り,不合理な点に気づいていく幼児の姿を大切にし,応援したり,軌道修正したりする 役目をすることが重要な役目となって来る。

 この様に,幼児は,遊びを通し様々なことを学び,身に付け成長して行くのであるから,幼稚園 での遊び(生活)は,幼児の育ちそのものであると同時に成長をうながす,大切なものであり,遊 んでいるという表面的なとらえ方ではなく,遊びの内面的な深まりを見のがしてはならない。

3 ま と め

 幼稚園の一日の生活,それが幼児にとって最もふさわしい育ちにかかわった一日になるように努力を している。朝登園した時から帰る時まで休む時間はなく,1分たりとも教育の場として無駄は出来ない。

幼児の一日の生活のすべてが,幼児の成長を促しているからである。

 生活は,教科のようにひとつひとつを切り離すことは無意味なことであり,継続している一日の流れ の中に身を置くことによって,幼児は様々な経験をし吸収して心を育てていく。

 幼児を取り巻く様々な人的,物的環境とのかかわりが,育ちを方向づけていくような,育ちに合った ふさわしい園生活が展開出来るように見守っていかなければならない。

 幼児期には,それまでの生活経験や生まれ月により大きな差が認められる。こうした差が少しずつ埋 められて来るようになり,みんな一緒ということが楽しくなり,持続していくようになるのは小学校入 学を間近にする頃からである。幼児期は特にこのように一人ひとり違うということを根底において,2 年〜3年の教育期闘の中で最大限に伸していくということ,これは育ちに合わせた柔軟な対応以外には ない。そして,幼稚園の教育が,幼稚園の期間に止まることなく,その端は小学校教育の端にかかって いるということも踏まえながら,持続性,目的意識,見通し,思考の深まり,他の刺激の取り入れ,応 用カ……等の育ちの芽ばえを幼児期にも確かにとらえていけるような努力をしていかなければならない。

従って,小学校での生活科が教育の生活化と言うことであれば,幼稚園は生活の教育化ということで,

ここが大きな違いであると考えられる。

 以上,今回は幼稚園教育の中で考えている 生活 について述べることにし,幼児期にふさわしい生 活をどのように展開していくか,その具体的な実践例については,次年度に改めて取り上げることにし

たいと思う。

参照

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