An Analysis of Association Models by GLIM GLIMによる連関モデルの分析

全文

(1)

GLIMによる連関モデルの分析

小島 秀夫*・野呂 芳明**

(1987年9月12日受理)

An Analysis of Association Models by GLIM

Hideo KoJIMA*and Ybshiaki NoRo**

(Received September 12,1987)

問     題

本研究は,コンピュータ・プログラムGLIM(Generalised L inear Interactive Moddling)1)

を使用して,連関モデル(association model)の分析方法を示すことである。 GH Mは汎用性

に富むプログラムではあるが,その使用法は難しいため,その機能が十全には生かされてはいない。

わが国においても最近になって,GLIMについての解説論文2)が書かれ,社会移動表分析におけ るハウザー・モデルやホープ・モデルの設定方法が明らかにされてはいるが3),これらのモデルが 調査データの分析において通常の分析方法として使用されるようになるまでには,まだかなりの時

間がかかるものと思われる。

以下では,本研究において使用されるモデルを説明し,その後,プログラムの設定方法を示すご

ととする。

モ   デ   ル

本研究において使用されるモデルは,等質行一列効果連関モデル1(homogeneous row.oolumn

effect association model I)と行一列効果連関モデル皿(row−column effect association mo一 del II)と,その特殊ケースである等質行一列効果連関モデル皿である4)。

ここで,オッズ比を,

θ∫ゴ==(FゴゴFゴ+1,ゴ+1)/(Fらブ+1F +1,ゴ) =1, 2… 1−1;ノ=1,2…J−1   (1)

と表わすと,等質行一列効果連関モデル1は,

θゴノ=θゴθブ    =1, 2…… 1−1;ノ=1, 2・・・… J−1       (2)

*茨城大学教育学部教育社会学研究室

**社会保障研究所

(2)

と表わされる。Fりなどは,あるモデルの下で求められた期待度数であり,θ とらは特定化されな

い定数である。〔2)式は,対応する行効果と列効果が等しいことを示す。(2)式の右辺をθ、.θ.ゴとする

と,行一列効果連関モデル1が得られる。

行一列効果連関モデルHは,

lo9θ∫ブ=φゴ.φヴ       =1, 2… 。・・1−1;ノ=1, 2・・・… J−1       (3)

と表わされる。ここでlogは自然対数であり,φゴ.とφヴは特定化されない定数である。このモデルの

対応する行効果と列効果が等しい場合が,等質行一列効果モデルHであり,

bgθゴゴ=φゴφゴ      ε=1, 2・・…・1−1;ノ;1, 2・・… 。J−1      (4)

と表わされる。

これらの連関モデルの分析のために,コンピュータ・プログラムANOAS 5)が開発されている魁 ANOASは主対角線上のセルをブロックする機能が備えられているのみで,より複雑なモデルの分 析を行なうためにはGLIMが便利である。

GLIMによる分析

ここではGLIMを使用して,実際のデータを分析してみることとする。データとして使用され るのは,OCG調査皿の世代間移動表(父職×初職)である。

〔A〕等質行一列効果連関モデル1

以下に,主対角線上のセルをブロックした場合の等質行一列効果連関モデル1のプログラムが示 されている。分析結果は,自由度は7であり,G2(尤度比統計量)は39.51であった。主対角線上 のセルを含めて分析する場合には,DATA Wの部分とWEIGHT文をはずせばよい。カテゴリー 数によってB1からB5の部分も変える必要がある。

¥UNITS 25

¥CDATA ARE TAKEN FROM OPPORTUNITY AND CHANGE P 150

¥DATA F

¥RE AD

11111

22222

33333 44444

55555

¥DATA S

¥RE AD

12345

12345

12345

12345

12345

(3)

¥FACTOR F 5 S 5

¥DATA C

¥READ

1414  521 302  643  40

724  524  254  703  48 798  648  856  1676  1 08 756  9 14  771  3325  237 409  357  441  1611  1832

¥DATA W

¥RE AD

01111

10111 11011 11101

11110

¥YVARI ATE C

¥ERROR P

¥LINK L

¥CAL B 1−%EQ(F,1)*S+%EQ(s,1)*F

¥CAL B 2−%EQ(F,2)*s+彩EQ(s,2)*F

¥CAL B3−%EQ(F,3)*S+%EQ(S,3)*F

¥CAI・ B4=%EQ(F,4)*S+%EQ(S,4)*F

¥CAL B5=%EQ(F,5)*S+%EQ(S,5)*F

¥WEIGHT W

¥FIT F+S+B1+B2+B3+B4+B5

¥DISPLAYEMDR

¥STOP

〔B〕行一列効果連関モデル皿

行一列効果連関モデル皿は,行効果や列効果モデルのように簡単なわけではなく,以下のような マクロを使用する必要がある。行と列のカテゴリー数に応じてプログラムの一部を変える必要があ る。等質行一列効果連関モデル皿を求める場合には,#IT1#ST1を#IT2#ST2と変えればよい。

行一列効果連関モデル∬の自由度は9であり,G2は685.4であった。

¥UNITS 25

¥CDATA ARE TAKEN FROM OPPORTUNITY AND CHANGE P 150

¥CAL 彩R=5:%C=5

¥CAL X=%GL(%R,%C):Y=%GL(%C,1)

¥FACTOR X %R Y %C

¥VARIATE %R R :%C C

(4)

¥MACRO INIT

¥CAL R(X)=X:C(Y)=Y

¥OUTPUT

¥FIT #M

¥OUTPUT 6

¥PRINT: BASEL、INE MODEL WITH DEVIANCE %DV AND DF %DF:

¥DEL PER PEC

¥CAL %A=%PI、+%R

¥VAR %A PER

¥CAL %A=%PL+%C

¥VAR %A PEC

¥CAL RER=0:PEC=0:%P=%PL

¥CAL %A=1:%1=0:%K= .01

¥ENDMAC¥

¥YVAR F ¥ERR P ¥DATA F ¥READ

1414  521  302  643  40 724   524  254  703  48 798  648  856  1676  108 756  914  771  3325  237 409  357  441  1611  1832

¥MACRO COL

¥CAL C 1=%IF(%EQ(Y,1), R(x),o)

¥CAL C2=%IF(彩EQ(Y,2), R(X),0)

¥CAL C3=%IF(%EQ(Y,3), R(x),o)

¥CAI. C4=%IF(彫EQ(Y,4), R(X),0)

¥CAL C 5=%IF(%EQ(Y,5), R(X),0)

¥FIT#M+C 1+C 2+C 3+C4+C5

¥EXTRACT 彩PE

¥CAL C(Y)=%PE(%P+Y)

¥ENDMAC¥

¥MACRO ROW

¥CAL R 1=%IF(%EQ(X,1), C(Y),0)

¥CAI. R2=%IF(%EQ(X,2), C(Y), o)

¥CAL R3=%IF(%EQ(x,3), C(Y),o)

¥CAI・R4=%IF(彩EQ(X,4), C(Y),0)

¥CAI、 R5・=%IF(%EQ(X,5), C(Y),0)

¥FIT#M+R1+R2+R3+R4+R5

¥EXTRACT %PE

(5)

¥CAL R(X)=%PE(%P+X)

¥ENDMAC¥

¥MACRO HOM

¥cAL c 1−R(Y)*(%EQ(x,1))+R(x)*(%EQ(Y,1))

¥CAI・C2−R(Y)*(%EQ(X,2))+R(X)*(%EQ(Y,2))

¥CAL C3−R(Y)*(%EQ(x,3))+R(x)*(%EQ(Y,3))

¥CAI・C4−R(Y)*(%EQ(x,4))+R(x)*(%EQ(Y,4))

¥CAI・C5=R(Y)*(%EQ(x,5))+R(x)*(%EQ(Y,5))

¥FIT#M+C1+C2+C3+C4+C5

¥EXTRACT %PE

¥CAL C(Y)=彩PE(%P+Y)

¥CAL R=(R+C)/2:C=R

¥ENDM AC¥

¥MACRO IT1

¥USE INIT

¥PRINT: CONVERGENCE HISTORY: ITERATION DEVIANCE PEARS ON S

¥WHILE%A H1

¥CAL R(X)=PER(X+%P):C(Y)=PEC(Y+%P)

¥FIT#M+R1+R2+R3+R4+R5+C1+C2+C3+C4+C5

¥PRI NT  READY :¥

¥ENDMAC¥

¥MACRO ST1

¥PRINT: NORMALISED SCALE VALUES: :

¥CAL %A=%CU(R)/%R:R=R−%A

¥CAL %A=%CU(C)/%C:C;C−%A

¥CAL %Kニ%SQRT(%Cu(R**2)):R=R/%K

¥PRINT ROW VARIABLE :¥LOOK R

¥CAL %K=%SQRT(%CU(C**2)):C=C/%K

¥PRINT COLUMN VARIABLE :¥LOOK C

¥CAL RC=R(X)*C(Y)

¥OUTPUT

¥FIT#M+RC¥EXTRACT%PE¥OUTPUT 6

¥PRINT: U(STAR): ¥CAI. %PE(%PL)¥

¥PRINT  STANDARDISED SCALE VALUES:

¥PRINT ROw vARIABLE :¥CAL R=R*(%SQRT(%R))¥LOOK R

¥PRINT  COLUMN vARIABLE :¥CAL C=C*(%SQRT(%C))¥LOOK C

¥CAL RC=R(X)*C(Y)

¥OUTPUT

(6)

82         茨城大学教育学部紀要(人文・社会科学,芸術)37号(1988)

¥FIT#M+RC ¥EXTRACT%PE ¥OUTPUT 6

¥PRINT二  U(STAR): ¥CAtC %PE(%PL)¥

¥PRINT READY :¥

¥ENDMAC¥

¥MACRO H1

¥CAL %1=%1+1

¥OUTPUT

¥US E ROW

¥CAL PER=(PER−%PE)**2:%B=%CU(PER):PER=%PE

¥USE COL

¥CAL PEC=(PEC−%PE)**2:彩A=%CU(PEC):PEC=%PE

¥CAL %A=%GE((%B+%A)/%P,%K)

¥OUTPUT 6

¥PRINT %1 %DV %X2

¥ENDMAC¥

¥MACRO IT2

¥USE INIT

¥PRINT:℃ONVERGENCE HISTORY : ITERATION DEVIANCE PEARSON S

¥WHILE %A H2

¥CAL R(X)=PER(X+%P)

¥PRINT: DEGREES OF FREEDOM %DF:

¥PRINT  RE ADY :¥

¥ENDMAC¥

¥MACRO ST2

¥CAL %A=%Cu(R)/%R:%K−%SQRT(%Cu((R−%A)**2))

¥CAL、 R=R−%A:R=R/%K

¥PRINT NORMALISED SCALE VALUES: ¥LOOK R

¥CAL RC=R(X)*R(Y)

¥OUTPUT¥FIT#M+RC ¥EXTRACT%PE ¥OUTPUT 6

¥PRINT: U(STAR): ¥CALC %PE(%PL)

¥PRINT: STANDARDISED SCA毛E VAI.UES:

¥CAI. R=R*(%sQRT(%R)) ¥LOOK R

¥CAL RC=R(X)*R(Y)

¥OUTPUT¥FIT#M+RC¥EXTRACT%PE ¥OUTPUT 6

¥PRINT: U(STAR): ¥CAL %PE(%PL)

¥PRI NT  READY :¥

¥ENDMAC¥

¥MACRO H2

(7)

¥CAL %1;%1+1

¥OUTPUT

¥US E HOM

¥OUTPUT 6

¥PRINT 箔1 %DV %X2

¥CAL PER=(PER−%PE)**2:彩A=%CU(PER):PER=%PE

¥CAL %A=%GE(彩A/%P,彩K)¥

¥ENDMAC¥

¥MACRO MX+Y

¥ENDMAC¥

#IT1

#ST2      }

¥STOP

分 析 結 果

連関モデルの分析結果が表1に示されている。1は独立モデル,Uは一様連関モデル(uniform

association model), Rは行効果連関モデル(row−effect association model), Cは列効果連関 モデル(column−effect association model), S YMは対称モデル(symmetry model), QS YM

は,準対称モデル(quasi−symmetry model)である。ここで,準対称モデルが比較的うまく適合

していることが明らかにされる。

分析ではさらに,行一列効果連関モデル且と他のモデルを合併したモデルの適合度を求めてみた。

その結果,QS YM+RC皿が良く適合していることが明らかにされた。

表1 連関モデルの適合度

モデル   G2   df   AIC   モ デ ル    G2   df   AIC

1         6170.0        16       6138.0

U    2281.0    15    2251.O   U+RCH    178.7    8   162.7 R    2080.0    12    2056.O   R+RCI    223.3    6   211.3 C     903.8    12    879.8    C+RCH     158.3    6    146.3

SYM   2805.0   10   2785.O  SYM+RCI   23.1   3   17.0 QSYM    27.5   6    15.5  QSYM+RC皿   2.8   1    0.8

RCjI    685.4    9    667.4

(8)

1)GLIMについては, GUMのマニュアルのほかに,次のような文献を参照せよ。 P.Mc Cullagh and J.

A.Nelder, Gεπ召rαiisθd L πθαr MbdθZs.(Chapman and Hall,1983), London. Michael A.Adena and Susan R. Wilson, G㎝θrαZ 88d L πεαrハ40de乙s π瓦ρ d2m oiog菰cαZ Reseαrcん.

(lnstat,1982), Sydney. Annette J. Dobson,みπ1説ro伽c εoπ o Sεαε 8ε cαZ、Mo(オθZZ η8㌧

(Chapman and Hall,ユ983), London.

ただし,これらの解説書は,クロス表の分析について詳しく述べられているわけではない。

2)岩本健良「GLI Mによるモデル構成」盛山和夫編『社会移動分析のコンピュータ・プログラム』 (東京大 学文学部社会学研究室,1987)

3)ハウザー・モデルについては,11、島秀夫・友枝敏雄「GLIMによる移動表分析の方法」『茨城大学教育学 部紀要(人文・社会科学,芸術)』35,1986を参照せよ。なお,そこでは行効果モデルなどの基本的モデ ルの設定方法が示されている。ホープ・モデルについては,小島秀夫rGLIMによるHopeモデルの設定 方法」盛山和夫編『社会移動分析のコンピュータ。プログラム』 (東京大学文学部社会学研究室,1987)

を参照せよ。

4)これらのモデルについては,Leo A. Goodman,コ「んθ.AηαZッsおqプCross,(】Zαssヴ ed 1)α α正地ひ一

加80rdθrεd C㍑qgorεεs.(Harvard University Press,1984), Cambridgeを参照せよ。

5)このプログラムは,ANOAS(A Computer Program for the Analysis of Association in Two−Way Cross−Classifica虹ons Having Ordered Categories)で,米国ペンシルヴェニア州立 大学のClifford C. Clogg教授によってかかれたものである。

付記:GLIMマクロの使用法については,オランダTilburg大学のRuud Luijkx教授に御教授いただいた。

記して感謝したい。内容については,筆者らが責任を負うものである。

@      

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参照

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