Ⅰ 平成28年度予算
1 予算編成の前提となる経済情勢及び財政事情 (資料1) ⑴ 経済情勢 27年度の我が国経済をみると,「大胆な金融政策」,「機動 的な財政政策」,「民間投資を喚起する成長戦略」を柱とする 経済財政政策の推進により,雇用・所得環境が改善し,原油 価格の低下等により交易条件が改善する中で,緩やかな回復 基調が続いている。ただし,年度前半には中国を始めとする 新興国経済の景気減速の影響等もあり,輸出が弱含み,個人 消費及び民間設備投資の回復に遅れがみられた。政府は,「希 望を生み出す強い経済」,「夢をつむぐ子育て支援」,「安心に つながる社会保障」の実現に向け,27年11月26日に「一億総 活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」(以下「緊 急対策」という。)を取りまとめた。雇用・所得環境が改善 する中,「緊急対策」等の効果もあって,景気は緩やかな回 復に向かうことが見込まれる。物価の動向をみると,原油価 格等の下落の影響があるものの,経済の好循環が進展する中 で,物価の基調は緩やかに上昇している。この結果,27年度 の実質国内総生産(実質GDP)成長率は1.2%程度,名目国 内 総 生 産(名 目GDP)成 長 率 は 交 易 条 件 の 改 善 も あ っ て 2.7%程度と見込まれる。また,消費者物価(総合)は0.4% 程度の上昇と見込まれる。 28年度の我が国経済は,「緊急対策」など,既定の諸施策 の推進等により,雇用・所得環境が引き続き改善し,経済の 好循環が更に進展するとともに,交易条件が緩やかに改善す る中で,堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる。物 価については,経済の好循環の進展により,需給が引き締 まっていく中で上昇し,デフレ脱却に向け更なる前進が見込 まれる。この結果,28年度の実質GDP成長率は1.7%程度, 名目GDP成長率は3.1%程度と見込まれる。また,消費者物 価(総合)は1.2%程度の上昇と見込まれる。なお,先行き のリスクとしては,アメリカの金融政策の正常化が進む中, 中国を始めとする新興国等の景気の下振れ,金融資本・商品 市場の動向,地政学的な不確実性等に留意する必要がある。 ⑵ 財政事情 我が国財政は,27年度予算では公債依存度が38.3%にも及 び,国・地方合わせた長期債務残高が27年度末において主要平成28年度予算と財政の現状
先進国中最悪の水準である対GDP比207%程度となる見込み であるなど,極めて深刻な状況にある。こうした厳しい財政 事情の下,政府としては,32年度までの国・地方を合わせた 基礎的財政収支の黒字化目標の達成に向けて,「経済財政運 営と改革の基本方針2015」(27年6月30日閣議決定)におい て,「経済・財政再生計画」を策定した。さらに,27年末に 改革工程表を策定し,各歳出分野における歳出改革の具体的 内容や実施検討時期を明らかにした。また,計画の中間時点 である30年度において,PB赤字対GDP比△1%程度及び国 の一般歳出の水準等の「目安」に照らし,改革の進捗状況を 評価することとしており,必要な場合は,デフレ脱却・経済 再生を堅持する中で,歳出,歳入の追加措置等を検討し,32 年度の財政健全化目標を達成することとしている。 2 平成28年度予算成立の経緯 28年度予算の編成作業については,「経済財政運営と改革 の基本方針2015」(27年6月30日閣議決定)を基に進められ た。まず,「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的 な方針について」が7月24日に閣議了解され,これを踏まえ 8月末までに各省庁から概算要求書が提出された。そして, 11月27日に閣議決定された「平成28年度予算編成の基本方 針」の中では,28年度予算の編成に当たって,強い経済を実 現するとともに,少子高齢化という構造的な問題について正 面から取り組むことにより,将来への安全を確保し,誰もが 生きがいを持って充実した生活を送ることができる「一億総 活躍社会」の実現に向けた取組等に対し,27年度補正予算で の対応と併せて,「経済・財政再生計画」の趣旨や施策の優 先順位を踏まえ,適切に対処すること,28年度は,「経済・ 財政再生計画」の初年度に当たることから,「デフレ脱却・ 経済再生」への取組を加速させるとともに,改革工程表を十 分踏まえた上で,歳出改革を着実に推進するとの基本的考え 方に立ち,改革工程表における取組を的確に予算に反映させ ること等が確認された。その後,各省予算の主要項目に係る 大臣折衝を経て,12月24日に28年度予算政府案が閣議に提出 され,概算の閣議決定が行われた。 概算決定後,予算書の作成等が進められ,1月22日の閣議 決定を経て28年度予算は第190回国会(常会)に提出された。 3月1日に衆議院で可決された後,3月29日に参議院で可決 され,同日成立した。 3 平成28年度予算の概要(資料2)(地方交付税交付金等) 28年度の地方財政については,「経済財政運営と改革の基 本方針2015」(27年6月30日閣議決定)を踏まえ,国の一般 歳出の取組と基調を合わせつつ,地方の安定的な財政運営に 必要となる一般財源は,30年度までにおいて,27年度の水準 を下回らないよう実質同水準を確保することとしている。 その結果,一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計 に繰り入れる地方交付税交付金は,27年度当初予算額に対し て2,591億円(1.7%)減の15兆1,578億円,地方交付税交付金 と地方特例交付金を合わせた地方交付税交付金等は,27年度 当初予算額に対して2,547億円(1.6%)減の15兆2,811億円と なっている。 また,同特別会計から地方団体に交付される地方交付税交 付金は,27年度当初予算額に対して546億円(0.3%)減の16 兆7,003億円となっている。 (防衛関係費) 防衛関係費については,25年12月17日の国家安全保障会議 及び閣議において決定された「平成26年度以降に係る防衛計 画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度 ~平成30年度)について」等を踏まえ,警戒監視能力の強化 や島嶼部における防衛態勢の強化等を図るため,調達改革等 を通じ,一層の効率化・合理化を徹底しつつ,27年度当初予 算額に対して740億円(1.5%)増の5兆541億円を計上して いる。 なお,沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告に 盛り込まれた措置を実施するために必要な経費は28億円, 「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組につい て」(18年5月30日閣議決定)及び「平成22年5月28日に日 米安全保障協議委員会において承認された事項に関する当面 の政府の取組について」(22年5月28日閣議決定)に基づく 再編関連措置のうち地元の負担軽減に資する措置を実施する ために必要な経費は1,766億円,政府専用機の取得経費は140 億円であり,これらを総額から除いて見た場合,27年度当初 予算額に対して386億円(0.8%)増の4兆8,607億円となる。 (公共事業関係費) 公共事業関係費については,局地的豪雨等を踏まえた防 災・減災対策の充実や既存インフラの老朽化対策の計画的な 推進,民間投資の誘発や経済活性化につながるインフラ整備 への重点化・効率化を図りつつ,真に必要な社会資本整備等 に取り組むこととしている。 この結果,28年度の公共事業関係費は,27年度当初予算額 に対して26億円(0.0%)増の5兆9,737億円を計上している。 (経済協力費) 一般会計ODA予算については,G7伊勢志摩サミット及 び第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)の開催等を見据え, 平和構築や保健など国際社会が直面する課題への対応に重点 化しつつ,ODA予算及び事業量の確保を図ることとし,5,519 ⑴ 平成28年度予算のポイント 28年度予算は,上記1のような経済状況・財政状況を踏ま え,経済再生と財政健全化の両立する予算である。一億総活 躍社会の実現に向けて,「希望出生率1.8」,「介護離職ゼロ」 に直結する,子育て支援や介護サービス等の充実を図るほ か,教育費の負担軽減等を進めることとしている。財政健全 化については,一般歳出の伸びを「経済・財政再生計画」の 「目安」に沿って,4,700億円の増に抑制している。こうした 取組により,28年度予算は国債発行額が前年度に続いて30兆 円台となり,公債依存度は35.6%とリーマン・ショック以前 (平成20年度当初予算以来)の水準まで回復している。基礎 的財政収支対象経費は73兆1,097億円であり,これに国債費 23兆6,121億円を合わせた一般会計歳出総額は,96兆7,218億 円となっている。 一方,歳入については,税収等の収入は,57兆6,040億円, その他収入は,4兆6,858億円を見込んでいる。公債金は34 兆4,320億円となっている。 ⑵ 一般会計の概要 〔歳出〕 (社会保障関係費) 社会保障関係予算については,持続可能な社会保障制度を 構築する観点等から,診療報酬・薬価等改定を行うとともに, 「経済財政運営と改革の基本方針2015」(27年6月30日閣議決 定)に掲げられた改革検討項目について,具体的な方向性や 検討実施時期を明確にした改革工程表を策定し,改革工程表 に沿って社会保障制度改革を着実に実行することを決定する ほか,協会けんぽ国庫補助特例減額措置等を実施した。また, 「一億総活躍社会」の実現に向けて,「希望出生率1.8」・「介 護離職ゼロ」の目標に資する施策について,安定財源を確保 しつつ,重点的・効果的に拡充するなど,「経済・財政再生 計画」の目安に沿って社会保障関係費の伸びを抑制しつつ, メリハリの効いた社会保障関係予算としている。 これらの結果,28年度の社会保障関係費は,27年度当初予 算額に対して4,412億円(1.4%)増の31兆9,738億円を計上し ている。なお,「経済・財政再生計画」の目安との関係では, 消費税率引上げとあわせ行う充実等に伴う増加額及び27年度 予算における一時的な歳出の影響額を除き,27年度当初予算 額に対して,実質4,997億円の増となる。 (文教および科学振興費) 文教及び科学技術の振興については,教育環境整備や科学 技術基盤の強化等に取り組むこととしている。 その結果,文教及び科学技術振興費については,5兆3,580 億円(27年度当初予算比4億円,0.0%減)を計上しており, うち,科学技術振興費は,1兆2,929億円(27年度当初予算 比72億円,0.6%増)となっている。
Ⅱ 我が国の財政の現状
1 我が国の財政事情の推移等(資料3) 我が国の財政事情の推移を,公債の発行状況から見てみる と,昭和30年度から続いていた財政均衡原則が,昭和40年度 補正予算における歳入補てん公債発行で破られた後,昭和50 年度補正予算において初めて,特例公債が発行された。その 後,公債発行額は急増し,昭和54年度には公債依存度が 34.7%にも達した。 このような状況に鑑み,昭和59年度,次いで昭和65年度を 特例公債脱却の目標年次として掲げつつ,概算要求基準にお いていわゆるゼロ・シーリングやマイナス・シーリングを設 定すること等により財政再建路線がとられた。こうした財政 再建努力とバブル期における好調な税収増により,「65年度 脱却目標」は達成された。しかし,バブル経済崩壊後,景気 低迷による税収減や景気対策としての減税等により歳入が減 少した一方,歳出については,公共事業をはじめとした景気 対策や高齢化による社会保障費の増大により伸び続けた結 果,歳出と歳入の乖離幅は拡大し,我が国の財政は急速に悪 化した。 急激に悪化する財政事情に対する危機感から,平成9年11 月には財政構造改革法が成立し,平成10年度当初予算におけ る公共投資関係費を前年度比7%以上減額する等,予算の歳 出分野毎に量的縮減目標(キャップ)が設定された。また, 平成15年度までに特例公債への依存から脱却し,同年度まで に国・地方を合わせた財政赤字の対GDP比を3%以下とする 等の財政構造改革の目標などが定められた。平成10年度当初 予算はこの法律にしたがって編成されたが,その後,経済活 動の著しい停滞等の場合に特例公債の減額規定の例外を認め る弾力条項が設けられたのを受けて,平成10年度第1次補正 予算が編成され,さらに財政構造改革法の凍結を前提に11月 の緊急経済対策に基づく第3次補正予算,平成11年度当初予 算が編成された。この結果,平成10年度当初予算で15兆5,570 億円であった公債発行額は第3次補正後予算で34兆円,平成 11年度当初予算で31兆500億円となり,公債依存度も37.9%と なった。 その後,平成11年度,平成12年度と大量の公債発行が続い たが,平成13年度予算においては,厳しさを増している財政 状況に鑑み,公債発行額を可能な限り縮減することとし,公 債発行額は第2次補正後予算で30兆円となった。平成14年度 当初予算においては,「公債発行額30兆円以下」との目標の 下,歳出の徹底した見直しを行い,公債発行額は30兆円(補 正後予算34兆9,680億円),公債依存度は36.9%(補正後予算 41.8%)となった。 平成15年度以降,歳出改革路線を堅持することにより,公債 発行額の抑制に努め,平成18年度当初予算において平成13年 億円(27年度当初予算比98億円,1.8%増)を計上している。 (中小企業対策費) 中小企業対策費については,中小企業・小規模事業者の生 産性の向上及び経営支援の強化並びに資金繰り対策等につい て資金の重点的な配分を図ることとする一方,事業の執行状 況等を踏まえた既存事業の見直し等により支出の抑制を図 り,27年度当初予算額に対して31億円(1.7%)減の1,825億 円を計上している。 (エネルギー対策費) エネルギー対策については,「長期エネルギー需給見通し (エネルギーミックス)」(27年7月16日経済産業省決定)の 実現に向けて,徹底した省エネルギーの推進や再生可能エネ ルギーの最大導入への取組をはじめ,エネルギーの安定供給 の確保や安全かつ安定的な電力供給の確保等についても取り 組むこととし,一般会計のエネルギー対策費として,27年度 当初予算額に対して323億円(3.6%)増の9,308億円を計上し ている。 (農林水産関係予算) 農林水産関係予算については,輸出促進等の農林水産業の 競争力強化を推進するとともに,防災・減災の観点から農業 基盤整備の充実等を図ることとし,27年度当初予算額に対し て,1億円(0.0%)増の2兆3,091億円を計上している。 〔歳入〕 歳入項目について概要を説明すると以下のとおりである。 租税及印紙収入は,現行法による場合,27年度当初予算額 に対して3兆1,090億円増の57兆6,340億円になると見込まれ るが,法人課税,消費課税等の税制改正を行うこととしてい る結果,27年度当初予算額に対して3兆790億円(5.6%)増 の57兆6,040億円になると見込まれる。 また,その他収入は,27年度当初予算額に対して2,681億 円(5.4%)減の4兆6,858億円になると見込まれる。 28年度における公債金は27年度当初予算額を2兆4,310億 円下回り,前年度に続いて30兆円台となる34兆4,320億円であ る。公債金のうち6兆500億円については,「財政法」(昭22 法34)第4条第1項ただし書の規定により発行する公債によ ることとし,28兆3,820億円については,「財政運営に必要な 財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」 (平24法101)の規定により発行する公債によることとしてい る。この結果,28年度予算の公債依存度は35.6%(27年度当 初予算38.3%)となっている。3 財政健全化の必要性・重要性(資料7) 公債発行の増加や債務残高の増大により,財政赤字が拡大 した場合の影響について,最近の欧州の政府債務問題の動向 も踏まえると,以下のように,自国内の経済・財政・国民生 活に重大な影響を与えると同時に,世界経済にも悪影響を及 ぼすと考えられ,財政の健全化は緊急の課題となっている。 ⑴ 公的サービスの水準の低下 国債の支払いが増加し,政策経費が圧迫された場合,社会 保障・文教・防衛・インフラ整備など国民生活に必要不可欠 な公的サービスの水準が低下する。また,災害や経済危機等 に対して,政府が本来果たすべき財政機能を発揮できなくな るおそれもある。 ⑵ 世代間の不公平 現役世代が受益(高齢者の年金,医療,介護等)した結果 残された債務は,将来世代に付け回されることになる。更に, 将来世代においては,膨大な債務を償還するために給付が減 り,負担の増加につながるおそれがある。受益と負担の不均 衡を現状のまま維持すれば,世界に冠たる国民皆保険・皆年 金の維持,次世代への引渡しが困難となる。 ⑶ 民間部門の経済活力の低下 政府財政への信認が低下し,国債が格下げされた場合に は,銀行等の社債が格下げとなり,社債発行による資金調達 コストの上昇が懸念される。また,政府が赤字国債の発行を 通じて民間資金を吸収し続けることにより,成長のための資 金が民間にまわらず,民間部門の経済活力の低下がもたらさ れるおそれがある。 ⑷ 財政への信認低下による金利上昇 債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれること となれば,金利の急騰がもたらされる。その場合,国債を大 量に保有する金融機関に含み損が生じる。また,信用力が落 ちることにより,貸し渋り,貸し剥がし等の萎縮が起きると 共に,金融システムが不安定化するおそれがある。その場合 には,企業や家計の資金調達及び世界経済に悪影響が及ぶこ ととなる。政府財政への信認低下がさらに進めば,金利上昇 に留まらず,政府の資金調達が困難となる。 度当初予算以来5年ぶりに新規国債発行額が30兆円を下回る 水準となった。公債依存度は37.6%に低下し,当初予算では 平成14年度当初予算以来4年ぶりに30%台となった。平成19 年度から平成20年度当初予算においては,「基本方針2006」 に定められた歳出改革を確実に実施し,歳出・歳入にわたる 努力を行った結果,新規国債発行額は減額を続けた。しかし, 平成20年秋の世界金融経済危機の影響で税収が大幅減になる とともに経済対策を行った結果,歳出・歳入の差額が拡大し, 平成22年度当初予算では,公債発行額は44兆3,030兆円,公債 依存度48.0%という異常な事態となった。 こうした厳しい財政事情の下,政府としては,国・地方を 合わせた基礎的財政収支について,27(2015)年度までに22 (2010)年度に比べ赤字の対GDP比を半減,32(2020)年度 までに黒字化,その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げ を目指すとの財政健全化目標を掲げている。27(2015)年度 におけるPB赤字半減目標については,27年度予算において 達成見込みである。32(2020)年度のPB黒字化目標の達成 に向けては,「経済財政運営と改革の基本方針2015」(27年6 月30日閣議決定)において「経済・財政再生計画」を策定し, 一般歳出の水準等の「目安」を設定するとともに,さらに は,改革工程表を策定し,各歳出分野における歳出改革の具 体的内容や実施・検討時期を明らかにした。 2 財政事情の国際比較(資料4~6) 我が国の財政事情は,主要先進国の中で極めて厳しい状況 にある。 1990年代後半に主要先進国がそろって財政収支を改善する 中,我が国の財政収支は大幅な赤字が続いた。2000年代に入 り,我が国の財政収支は改善傾向にあったが,2008年秋の世 界金融経済危機の影響により,他の主要国と同様に悪化。足 元で財政収支は再び改善しているものの,他の主要国と比較 すると大幅な赤字が続いている。 また,債務残高の対GDP比についても,90年代後半に財政 の健全化を着実に進めた主要先進国と比較して,我が国は急 速に悪化しており,最悪の水準となっている。 諸外国においては,世界金融経済危機への対応により悪化 した財政を健全化すべく,各々が定める目標のもと,財政健 全化に向けて取組を進めている。
(資料1)平成28年度経済見通し・主要経済指標 平成26年度 (実績) (実績見込み)平成27年度 平成28年度(見通し) 対前年度比増減 平成26年度 平成27年度 平成28年度 兆円 (名目) 兆円程度(名目) 兆円程度(名目) (名目) % (実質) % (名目) %程度 (実質) %程度 (名目) %程度 (実質) %程度 国内総生産 489.6 503.1 518.8 1.5 ▲1.0 2.7 1.2 3.1 1.7 民間最終消費支出 293.2 295.9 304.9 ▲0.8 ▲2.9 0.9 1.0 3.0 2.0 民間住宅 14.4 14.8 15.6 ▲8.5 ▲11.7 2.7 2.8 5.0 3.8 民間企業設備 68.4 70.7 74.7 1.6 0.1 3.4 2.8 5.6 4.5 民間在庫品増加()内は寄与度 0.2 1.1 0.3 (0.6) (0.6) (0.2) (0.2) (▲0.2) (▲0.2) 政府支出 124.7 124.0 124.6 1.9 ▲0.3 ▲0.6 ▲0.6 0.5 0.0 政府最終消費支出 101.0 102.3 103.2 2.2 0.1 1.3 1.4 0.9 0.4 公的固定資本形成 23.7 21.7 21.4 0.4 ▲2.6 ▲8.4 ▲8.5 ▲1.1 ▲2.1 財貨・サービスの輸出 88.4 90.4 95.7 10.5 7.8 2.3 2.1 5.8 4.8 (控除)財貨・サービスの輸入 99.7 93.8 97.0 3.9 3.3 ▲5.9 1.4 3.4 5.2 内需寄与度 0.5 ▲1.6 1.1 1.1 2.7 1.8 民需寄与度 0.1 ▲1.5 1.3 1.2 2.6 1.8 公需寄与度 0.5 ▲0.1 ▲0.2 ▲0.2 0.1 0.0 外需寄与度 1.0 0.6 1.6 0.1 0.4 ▲0.1 国民所得 364.4 374.2 385.9 1.5 2.7 3.1 雇用者報酬 252.5 256.0 262.4 1.9 1.4 2.5 財産所得 25.0 25.6 26.0 9.6 2.3 1.8 企業所得 87.0 92.6 97.4 ▲1.7 6.5 5.2 国民総所得 510.7 527.1 543.8 2.1 ▲0.4 3.2 3.0 3.2 2.1 労働・雇用 万人 万人程度 万人程度 % %程度 %程度 労働力人口 6,593 6,606 6,620 0.2 0.2 0.2 就業者数 6,360 6,385 6,405 0.6 0.4 0.3 雇用者数 5,607 5,643 5,665 0.8 0.6 0.4 完全失業率 3.5% %程度3.3 %程度3.2 生産 % %程度 %程度 鉱工業生産指数・増減率 ▲0.4 0.1 3.2 物価 % %程度 %程度 国内企業物価指数・変化率 2.8 ▲2.9 0.2 消費者物価指数・変化率 2.9 0.4 1.2 GDPデフレーター・変化率 2.5 1.5 1.4 国際収支 兆円 兆円程度 兆円程度 % %程度 %程度 貿易・サービス収支 ▲9.3 ▲0.9 1.5 貿易収支 ▲6.6 0.5 1.9 輸出 75.6 75.7 79.0 8.4 0.1 4.4 輸入 82.2 75.2 77.2 1.8 ▲8.6 2.7 経常収支 7.9 18.5 21.7 経常収支対名目GDP比 1.6% %程度3.7 %程度4.2 (注1) 消費者物価指数は総合である。 (注2) 消費税率引上げの影響を機械的に除いて試算すると,平成26年度の消費者物価指数・変化率は0.9%程度,GDPデフレーター・変化率は1.1%程度と見込 まれる。 (注3) 世界GDP(日本を除く),円相場,原油輸入価格については,以下の前提を置いている。なお,これらは,作業のための想定であって,政府としての 予測あるいは見通しを示すものではない。 平成26年度 (実績) 平成27年度 平成28年度 世界GDP(日本を除く)の 実質成長率(%) 3.1 2.8 3.3 円相場(円/ドル) 110.0 122.0 122.6 原油輸入価格(ドル/バレル) 90.6 52.1 44.0 (備考) 1.世界GDP(日本を除く)の実質成長率は,国際機関等の経済見通しを基に算出。 2.円相場は,平成27年11月1日~11月30日の1か月間の平均値(122.6円/ドル)で同年12月以後一定と想定。 3.原油輸入価格は,平成27年11月1日~11月30日の1か月間のスポット価格の平均値に運賃,保険料を付加した値(44.0ドル/バレル)で同年12月以後一定 と想定。
(資料2)平成28年度予算のポイント
平成28年度予算のポイント
一億総活躍社会の実現に向けて、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」に直結する、子育て支 援や介護サービス等の充実を図るほか、教育費の負担軽減等を進める。また、地方創生の本格展開 を図る。 持続可能な社会保障制度の確立に向けて、社会保障関係費の伸びを「経済・財政再生計画」の 「目安」に沿って抑制(+4,400億円*)。診療報酬の適正化、改革工程表の策定などの改革を推 進。 * 「経済・財政再生計画」における「目安」との関係では、平成27年度予算における一時的な歳出の影響額等を除き、実質+5,000億円。 事前防災・減災対策の充実や老朽化対策など国土強靭化を推進。また、「攻めの農林水産業」に 向けた施策を推進。 伊勢志摩サミットの議長国として、充実した外交予算により「地球儀を俯瞰する外交」を推進。 また、防衛予算を充実し、防衛力を着実に整備。 教育の質向上に向けた取組みや科学技術の基盤強化を推進。 復興ステージに応じた課題に対応し、復興を加速化。 一般歳出の伸びを「経済・財政再生計画」の「目安」に沿って抑制(+4,700億円*)。 * 「経済・財政再生計画」における「目安」との関係では、平成27年度予算における一時的な歳出の影響額等を除き、実質+5,300億円。 国債発行額(34.4兆円)は前年度から▲2.4兆円の減額。公債依存度は35.6%とリーマン・ショック以前 (平成20年度当初予算以来)の水準まで回復。 * 国税税収(57.6兆円。消費税率8%引上げ分6.3兆円を除くと51.3兆円)は平成19年度決算(51.0兆円)を上回る水準まで回復。 * 地方税収等(41.8兆円。平成19年度決算40.2兆円)の増を反映し、平成21年度以降措置してきた地方交付税の別枠加算を廃止。経済再生と財政健全化の両立する予算
財政健全化
平成28年度予算のポイント
(注1) 一般歳出及び社会保障関係費の増加額は、 「経済・財政再生計画」における「目安」との関係では、平成27年度予算の一時的な歳出の減による影響額等を除き、それぞれ実質 +5,316億円、実質+4,997億円。 (注2) 社会保障関係費の平成27年度予算は、平成28年度予算との比較対照のため、組替えをしてある。また、計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致 しないものがある。 (単位:億円) 27年度予算 (当初) 28年度予算 27'→28' 備 考 (歳 入) 税 収 545,250 576,040 30,790 そ の 他 収 入 49,540 46,858 △2,681 公 債 金 368,630 344,320 △24,310○ 公債依存度 35.6%程度(27年度当初 38.3%) うち4条公債(建設公債) うち特例公債(赤字公債) 60,030 308,600 60,500 283,820 470 △24,780 計 963,420 967,218 3,799 (歳 出) 国 債 費 234,507 236,121 1,614 基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 728,912 731,097 2,185 うち一般歳出 573,555 578,286 4,731 うち社会保障関係費 315,326 319,738 4,412 うち社会保障関係費以外 258,229 258,549 319 うち地方交付税交付金等 155,357 152,811 △2,547 ○ 地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額 について実質的に同水準を確保。 計 963,420 967,218 3,799 27年度予算 (当初) 28年度予算 27'→28' 備 考 (歳 入) 税 収 545,250 576,040 30,790 そ の 他 収 入 49,540 46,858 △2,681 公 債 金 368,630 344,320 △24,310○ 公債依存度 35.6%程度(27年度当初 38.3%) うち4条公債(建設公債) うち特例公債(赤字公債) 60,030 308,600 60,500 283,820 470 △24,780 計 963,420 967,218 3,799 (歳 出) 国 債 費 234,507 236,121 1,614 基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 728,912 731,097 2,185 うち一般歳出 573,555 578,286 4,731 うち社会保障関係費 315,326 319,738 4,412 うち社会保障関係費以外 258,229 258,549 319 うち地方交付税交付金等 155,357 152,811 △2,547 ○ 地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額 について実質的に同水準を確保。 計 963,420 967,218 3,799
平成28年度予算フレーム
(注1) 平成27年度及び平成28年度は、「平成28年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成27年12月22日 閣議了解)による。 (注2) 平成26年度の名目GDP成長率及び消費者物価上昇率のカッコ内の計数は、消費税率引上げによる影響を除いた計数。 (注1) 計数は全て当初予算ベース。なお、平成24年度は基礎年金国庫負担2分の1ベース。 (注2) 一般歳出とは、一般会計歳出から国債費及び地方交付税交付金等を除いたもの。 <経済指標> <財政(一般会計※当初予算)> 平成24年度 (実績) 平成25年度 (実績) 平成26年度 (実績) 平成27年度 (実績見込み) 平成28年度 (見通し) 名目GDP成長率 0.0% 1.7% 1.5%(0.1%) 2.7% 3.1% 名目GDP 474.4兆円 482.4兆円 489.6兆円 503.1兆円 518.8兆円 実質GDP成長率 0.9% 2.0% ▲1.0% 1.2% 1.7% 消費者物価上昇率 ▲0.3% 0.9% 2.9%(0.9%) 0.4% 1.2% 完全失業率 4.3% 3.9% 3.5% 3.3% 3.2% 平成24年度 (実績) 平成25年度 (実績) 平成26年度 (実績) 平成27年度 (実績見込み) 平成28年度 (見通し) 名目GDP成長率 0.0% 1.7% 1.5%(0.1%) 2.7% 3.1% 名目GDP 474.4兆円 482.4兆円 489.6兆円 503.1兆円 518.8兆円 実質GDP成長率 0.9% 2.0% ▲1.0% 1.2% 1.7% 消費者物価上昇率 ▲0.3% 0.9% 2.9%(0.9%) 0.4% 1.2% 完全失業率 4.3% 3.9% 3.5% 3.3% 3.2% 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成(政府案)28年度 基礎的財政収支対象経費 71.0兆円 70.4兆円 72.6兆円 72.9兆円 73.1兆円 一 般 歳 出 54.4兆円 54.0兆円 56.5兆円 57.4兆円 57.8兆円 税 収 ※( )は消費税率引上げ(5%→ 8%)に伴う増収分 42.3兆円 43.1兆円 50.0兆円 (4.5兆円) 54.5兆円 (6.2兆円) 57.6兆円 (6.3兆円) 公 債 金 収 入 ※別途、基礎年金国庫負担2分の1 への引上げに伴う年金特例債あり 44.2兆円 ※年金特例債2.6兆円 42.9兆円 ※年金特例債2.6兆円 41.3兆円 36.9兆円 34.4兆円 基 礎 的 財 政 収 支 ▲24.9兆円 ▲23.2兆円 ▲18.0兆円 ▲13.4兆円 ▲10.8兆円 公 債 依 存 度 47.6% 46.3% 43.0% 38.3% 35.6% 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成(政府案)28年度 基礎的財政収支対象経費 71.0兆円 70.4兆円 72.6兆円 72.9兆円 73.1兆円 一 般 歳 出 54.4兆円 54.0兆円 56.5兆円 57.4兆円 57.8兆円 税 収 ※( )は消費税率引上げ(5%→ 8%)に伴う増収分 42.3兆円 43.1兆円 50.0兆円 (4.5兆円) 54.5兆円 (6.2兆円) 57.6兆円 (6.3兆円) 公 債 金 収 入 ※別途、基礎年金国庫負担2分の1 への引上げに伴う年金特例債あり 44.2兆円 ※年金特例債2.6兆円 42.9兆円 ※年金特例債2.6兆円 41.3兆円 36.9兆円 34.4兆円 基 礎 的 財 政 収 支 ▲24.9兆円 ▲23.2兆円 ▲18.0兆円 ▲13.4兆円 ▲10.8兆円 公 債 依 存 度 47.6% 46.3% 43.0% 38.3% 35.6%(兆円) (%) 公債発行額 (左軸) 公債依存度 (右軸) (注1) 計数は当初予算ベース。公債依存度は公債発行額を一般会計歳入額で除して算出。 (注2) 平成24年度の公債依存度は、基礎年金国庫負担2分の1ベース。 (年度)
公債発行額、公債依存度(当初予算ベース)の推移
(注1) 計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。 (注2) 一般歳出※における社会保障関係費の割合は55.3%。 (単位:億円)平成28年度一般会計歳出・歳入の構成
一般会計歳出 一般会計歳入 (単位:億円) 食料安定供給 中小企業対策 エネルギー対策 恩給 経済協力 その他の事項経費 予備費 10,282 (1.1) 1,825 (0.2) 9,308 (1.0) 3,421 (0.4) 5,161 (0.5) 61,193 (6.3) 3,500 (0.4) ※「一般歳出」(=「基礎的財政収支対 象経費」から「地方交付税交付金等」を除 いたもの)は、578,286(59.8%)(単位:億円) (注1) 平成27年度予算は、平成28年度予算との比較対照のため、組替えをしてある。 (注2) 計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。 主要経費 27年度予算 28年度予算 増減額 増減率 備 考 社会保障関係費 315,326 319,738 4,412 + 1.4%27年度予算の一時的歳出の影響額等 ▲585億円 文教及び科学振興費 53,584 53,580 ▲ 4 ▲ 0.0%新型交付金への拠出 ▲120億円 うち科学技術振興費 12,857 12,929 72 + 0.6% 恩給関係費 3,932 3,421 ▲ 511 ▲ 13.0%受給者の減少に伴う自然減等 ▲511億円 地方交付税交付金等 155,357 152,811 ▲ 2,547 ▲ 1.6%地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額について27年度と実質的に同水準を確保。 防衛関係費 49,801 50,541 740 + 1.5%中期防対象経費の増 +386億円(+0.8%)SACO・米軍再編関係経費等の増 +354億円 公共事業関係費 59,711 59,737 26 + 0.0% 経済協力費 5,064 5,161 97 + 1.9% (参考)ODA 5,422 5,519 98 + 1.8% 中小企業対策費 1,856 1,825 ▲ 31 ▲ 1.7%景気回復に伴う信用補完関連予算の減 ▲18億円新型交付金への拠出 ▲51億円 エネルギー対策費 8,985 9,308 323 + 3.6%温対税増税を踏まえた省エネ・再エネ等予算の増 +585億円 食料安定供給関係費 10,417 10,282 ▲ 135 ▲ 1.3%収入減少影響緩和対策移行円滑化交付金の減 ▲385億円 その他の事項経費 61,379 61,193 ▲ 185 ▲ 0.3% 予備費 3,500 3,500 - - 合 計 728,912 731,097 2,185 + 0.3% 主要経費 27年度予算 28年度予算 増減額 増減率 備 考 社会保障関係費 315,326 319,738 4,412 + 1.4%27年度予算の一時的歳出の影響額等 ▲585億円 文教及び科学振興費 53,584 53,580 ▲ 4 ▲ 0.0%新型交付金への拠出 ▲120億円 うち科学技術振興費 12,857 12,929 72 + 0.6% 恩給関係費 3,932 3,421 ▲ 511 ▲ 13.0%受給者の減少に伴う自然減等 ▲511億円 地方交付税交付金等 155,357 152,811 ▲ 2,547 ▲ 1.6%地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額について27年度と実質的に同水準を確保。 防衛関係費 49,801 50,541 740 + 1.5%中期防対象経費の増 +386億円(+0.8%)SACO・米軍再編関係経費等の増 +354億円 公共事業関係費 59,711 59,737 26 + 0.0% 経済協力費 5,064 5,161 97 + 1.9% (参考)ODA 5,422 5,519 98 + 1.8% 中小企業対策費 1,856 1,825 ▲ 31 ▲ 1.7%景気回復に伴う信用補完関連予算の減 ▲18億円新型交付金への拠出 ▲51億円 エネルギー対策費 8,985 9,308 323 + 3.6%温対税増税を踏まえた省エネ・再エネ等予算の増 +585億円 食料安定供給関係費 10,417 10,282 ▲ 135 ▲ 1.3%収入減少影響緩和対策移行円滑化交付金の減 ▲385億円 その他の事項経費 61,379 61,193 ▲ 185 ▲ 0.3% 予備費 3,500 3,500 - - 合 計 728,912 731,097 2,185 + 0.3%
主要経費別内訳
〇 社会保障関係費の伸びを、「経済・財政再生計画」の「目安」に沿って抑制(+4,412億円*)。 * 「経済・財政再生計画」における「目安」との関係では、平成27年度予算における一時的な歳出の影響額等を除き、実質+4,997億円。 〇 28年度診療報酬改定において、診療報酬本体+0.49%(+498億円)、薬価▲1.22%(▲1,247億円)、材料価格▲0.11%(▲115億円)。別途、 外枠で、医薬品価格の適正化、大型門前薬局等に対する評価の適正化などの制度改革を実施(▲609億円)。 〇 「骨太方針2015」に掲げられた制度改革検討項目について、改革の方向性、検討実施時期を明確化した工程表を策定。 〇 今後、「骨太の方針2015」に掲げられた改革検討項目について、「経済・財政再生計画改革工程表」に沿って改革を着実に実行。 〇 一億総活躍社会の実現に向けて、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」に直結する施策を充実。 社会保障 〇 公共事業関係費は前年度同水準(5兆9,737億円(+0.0%))としつつ、局地的豪雨等を踏まえた防災・減災対策を充実するとともにインフラの老 朽化対策を計画的に推進。また、民間投資を誘発し、経済活性化につながる物流ネットワークの整備等を推進。 〇 27年度補正において措置したTPP関連政策大綱に基づく体質強化策(3,122億円)に加え、輸出促進策(各産地における円滑な輸出検疫手続きの 構築等)や農業経営の高度化支援(経済界の技術・人材の導入等)など、「攻めの農林水産業」に向けた施策を推進。 〇 更に、土地改良事業(農業農村整備事業関係予算)の充実を図り、防災・減災事業を推進。 〇 教育 → 教育現場が抱える諸課題への対応として、小学校の専科教育、貧困対策、特別支援教育など必要な教職員定数を充実するほか、チーム学 校(専門人材活用)の推進、民間教育機関と連携した教員研修を実施。国立大学の機能強化に向けた運営費交付金の適正化・再配分ルールを導入。 〇 科学技術 → 人工知能の基盤技術の研究拠点の構築をはじめ、産学連携促進・若手研究者支援等システム改革も推進。 〇 サミット等を見据え難民対策などグローバルな課題に貢献。テロ等を踏まえた邦人の安全対策や戦略的対外発信に取り組む。一般会計全体のODA予 算は、無償資金協力等の増額により、平成11年度以来、17年ぶりの増(+1.8%)。 〇 「中期防衛力整備計画」に沿って、南西地域の防衛態勢の強化等を図るなど、中期防対象経費について+0.8%を確保。沖縄等の負担軽減等のために 行う米軍再編事業も着実に推進し、防衛関係費全体としては+1.5%の5兆541億円。 〇 長期避難者のケアやコミュニティ形成などの被災者支援や除染、産業の再生等を推進し、復興ステージの進展に伴う課題に対応。 〇 地方税収増等を反映して、別枠加算(0.2兆円)を廃止し、地方交付税交付金等は減額(15.5兆円→15.3兆円)しつつ、地方の一般財源総額を適切 に確保。 公共事業 地方財政 復興 外交・防衛 教育・科学技術 農林水産平成28年度予算の特徴①(各歳出分野の特徴)
主な施策 概要 充実額 保育の受け皿の拡大(平成29年 度末までの整備目標+40万人→ +50万人) 子ども・子育て支援新制度における保育サービス量の拡大(+45万人程度)等 (社会保障・税一体改革財源) +356億円 (27:2,392→28:2,748) 公費:+817億円 (27:5,189→28:6,006) 新たな企業主導型保育施設の整備等(+5万人程度)(事業主拠出金引上げによる 財源を充当) +835億円 保育人材の確保 保育士の勤務負担軽減を図るための保育補助者の配置に必要な費用の支援 +118億円 保育士等の待遇の改善(人事院勧告に連動した給与水準の引上げ+1.9%) +177億円 勤続年数が長い施設に保育士1人分の加配を可能とするチーム保育推進加算の創設 +43億円 ひとり親家庭・多子世帯への支 援(幼児教育無償化を含む) 児童扶養手当の機能の拡充(多子加算の倍増(第2子月額+5,000円、第3子以降 同+3,000円)、養育費確保の促進等) +28億円(初年度) 低所得のひとり親家庭・多子世帯に係る保育料負担等の軽減(子どもの同時就園要 件の撤廃) +126億円 教育費の負担軽減 大学生等向け無利子奨学金の充実(新規貸与枠6,000人増、37億円)など教育に係る負担軽減を推進 (27:1,219→28:1,417)+197億円 三世代同居の推進 良質な三世代同居対応住宅の建築・リフォーム等を支援・ 建築 ︓補助限度額100~165万円/戸に30万円/戸を加算(110億円の内数) ・ リフォーム︓補助限度額100万円/戸に50万円/戸を加算(40億円の内数) +150億円の内数 主な施策 概要 充実額 保育の受け皿の拡大(平成29年 度末までの整備目標+40万人→ +50万人) 子ども・子育て支援新制度における保育サービス量の拡大(+45万人程度)等 (社会保障・税一体改革財源) +356億円 (27:2,392→28:2,748) 公費:+817億円 (27:5,189→28:6,006) 新たな企業主導型保育施設の整備等(+5万人程度)(事業主拠出金引上げによる 財源を充当) +835億円 保育人材の確保 保育士の勤務負担軽減を図るための保育補助者の配置に必要な費用の支援 +118億円 保育士等の待遇の改善(人事院勧告に連動した給与水準の引上げ+1.9%) +177億円 勤続年数が長い施設に保育士1人分の加配を可能とするチーム保育推進加算の創設 +43億円 ひとり親家庭・多子世帯への支 援(幼児教育無償化を含む) 児童扶養手当の機能の拡充(多子加算の倍増(第2子月額+5,000円、第3子以降 同+3,000円)、養育費確保の促進等) +28億円(初年度) 低所得のひとり親家庭・多子世帯に係る保育料負担等の軽減(子どもの同時就園要 件の撤廃) +126億円 教育費の負担軽減 大学生等向け無利子奨学金の充実(新規貸与枠6,000人増、37億円)など教育に係る負担軽減を推進 (27:1,219→28:1,417)+197億円 三世代同居の推進 良質な三世代同居対応住宅の建築・リフォーム等を支援・ 建築 ︓補助限度額100~165万円/戸に30万円/戸を加算(110億円の内数) ・ リフォーム︓補助限度額100万円/戸に50万円/戸を加算(40億円の内数) +150億円の内数
平成 28年度予算の特徴②
(「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連予算) ≪「希望出生率1.8」に直結する施策≫ ≪「介護離職ゼロ」に直結する施策≫ 主な施策 概要 充実額 新型交付金(地方創生推進交付 金) 地方の自主的かつ先駆的な取組を支援する「新型交付金」を創設 +1,000億円公費:+2,000億円 観光立国の推進 訪日外国人年間2,000万人の目標達成が視野に入る中、受入環境整備や地方への誘客を加速し、訪日外国人数の更なる増加を図るため、観光庁予算を倍増 (27:99→28:200)+101億円 主な施策 概要 充実額 新型交付金(地方創生推進交付 金) 地方の自主的かつ先駆的な取組を支援する「新型交付金」を創設 +1,000億円公費:+2,000億円 観光立国の推進 訪日外国人年間2,000万人の目標達成が視野に入る中、受入環境整備や地方への誘客を加速し、訪日外国人数の更なる増加を図るため、観光庁予算を倍増 (27:99→28:200)+101億円平成28年度予算の特徴②
(「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連予算) (注1) 「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連予算は、国費ベースで対前年度+0.5兆円(平成27年度:1.9兆円→平成28年 度:2.4兆円)、公費ベースで対前年度+0.8兆円(平成27年度:3.4兆円→平成28年度:4.2兆円)。 (注2) 計数については精査中であり、今後異動が生じる可能性がある。 ≪地方創生の本格展開等≫ ≪投資促進・生産性革命≫ ※ このほか、地方創生の取組のために地方財政計画に計上する「まち・ひと・しごと創生事業費」は、1兆円 主な施策 概要 充実額 IoT(Internet of Things) やロボット、人工知能の技術開 発や実証等の支援 IoTを活用した様々なビジネスモデルの実証を新たに実施 中小企業などのロボットの導入実証を新たに実施 次世代人工知能・ロボットの技術開発の拡充 等 +20億円 +23億円 +21億円 (27:10→28:31) 先端的な省エネ設備や省エネ住 宅等の導入支援 工場や事業場等における先端的な省エネ設備の導入支援の強化 省エネ住宅(ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及や省エネビル(ゼロ・エネル ギー・ビル)の開発の促進 +105億円 (27:410→28:515) +102億円 (27:8→28:110) 主な施策 概要 充実額 IoT(Internet of Things) やロボット、人工知能の技術開 発や実証等の支援 IoTを活用した様々なビジネスモデルの実証を新たに実施 中小企業などのロボットの導入実証を新たに実施 次世代人工知能・ロボットの技術開発の拡充 等 +20億円 +23億円 +21億円 (27:10→28:31) 先端的な省エネ設備や省エネ住 宅等の導入支援 工場や事業場等における先端的な省エネ設備の導入支援の強化 省エネ住宅(ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及や省エネビル(ゼロ・エネル ギー・ビル)の開発の促進 +105億円 (27:410→28:515) +102億円 (27:8→28:110)平成28年度予算の特徴③(優先課題推進枠を活用して措置した重点施策の主な例)
所管 施策 概要 28’予算額 (対前年度増減) 一 億 総 活 躍 緊 急 対 策 等 国交省 観光立国の推進 訪日外国人年間2,000万人の目標達成が視野に入る中、受入環境整備や地方への誘客を加速し、訪日外国人数の更なる増加を 図るため、観光庁予算を倍増。 200億円 (+101億円) 経産省 IoT・人工知能・ロボット技術の産業化 IoT、人工知能及びロボットに関する技術開発や実証等を通じて、生産性革命の実現や投資促進を図る。 (+51億円)95億円 内閣府 新型交付金(地方創生推進交付金) 地方の自主的かつ先駆的な取組みを支援する「新型交付金」を創設。 1,000億円(皆増) 文科省 大学生等向け無利子奨学金の充実 無利子奨学金の新規貸与者枠の拡充(+6,000人分)、ひとり親世帯や多子世帯への貸与基準の優遇の拡充。 (+132億円)880億円 公 共 事 業 ・ 農 林 水 産 等 国交省 国際コンテナ戦略港湾の機能強化 国際コンテナ戦略港湾において国際水準の大水深ターミナルの整備等を実施。 (+60億円)747億円 首都圏空港の機能強化 羽田空港において旅客や航空会社の利便性を一層向上させるため国際線・国内線地区を結ぶトンネル整備等を実施。 (+5億円)145億円 農水省 農業農村整備事業等 集中豪雨等により甚大な被害の発生のおそれのある地域の防災・減災対策や、農地中間管理機構と連携しつつ、高収益作物 への転換を図る農地整備等を推進。 3,085億円 (+232億円) 外 交 ・ 防 衛 外務省 無償資金協力・技術協力(国際協力機構(JICA)運営費交付金) サミット等を見据え、難民対策などグローバルな課題に対応すべく、無償資金協力・技術協力を増額。 (+50億円)3,120億円 防衛省 調達改革等の下で実施する装備品取得 装備品のまとめ買い、長期契約の活用等による合理化・効率化(調達改革等)を推進。 (+583億円)1,117億円 文 教 ・ 科 技 文科省 国立大学運営費交付金 国立大学の機能強化に向けた運営費交付金の適正化・再配分ルールを導入。 10,945億円(同額) 科学研究費助成事業 新たな学問領域の創成や異分野融合につながる「挑戦的な研究」への支援を強化。(異部門の審査員による多角的審査を導入) 2,273億円(同額) 所管 施策 概要 (対前年度増減)28’予算額 一 億 総 活 躍 緊 急 対 策 等 国交省 観光立国の推進 訪日外国人年間2,000万人の目標達成が視野に入る中、受入環境整備や地方への誘客を加速し、訪日外国人数の更なる増加を 図るため、観光庁予算を倍増。 200億円 (+101億円) 経産省 IoT・人工知能・ロボット技術の産業化 IoT、人工知能及びロボットに関する技術開発や実証等を通じて、生産性革命の実現や投資促進を図る。 (+51億円)95億円 内閣府 新型交付金(地方創生推進交付金) 地方の自主的かつ先駆的な取組みを支援する「新型交付金」を創設。 1,000億円(皆増) 文科省 大学生等向け無利子奨学金の充実 無利子奨学金の新規貸与者枠の拡充(+6,000人分)、ひとり親世帯や多子世帯への貸与基準の優遇の拡充。 (+132億円)880億円 公 共 事 業 ・ 農 林 水 産 等 国交省 国際コンテナ戦略港湾の機能強化 国際コンテナ戦略港湾において国際水準の大水深ターミナルの整備等を実施。 (+60億円)747億円 首都圏空港の機能強化 羽田空港において旅客や航空会社の利便性を一層向上させるため国際線・国内線地区を結ぶトンネル整備等を実施。 (+5億円)145億円 農水省 農業農村整備事業等 集中豪雨等により甚大な被害の発生のおそれのある地域の防災・減災対策や、農地中間管理機構と連携しつつ、高収益作物 への転換を図る農地整備等を推進。 3,085億円 (+232億円) 外 交 ・ 防 衛 外務省 無償資金協力・技術協力(国際協力機構(JICA)運営費交付金) サミット等を見据え、難民対策などグローバルな課題に対応すべく、無償資金協力・技術協力を増額。 (+50億円)3,120億円 防衛省 調達改革等の下で実施する装備品取得 装備品のまとめ買い、長期契約の活用等による合理化・効率化(調達改革等)を推進。 (+583億円)1,117億円 文 教 ・ 科 技 文科省 国立大学運営費交付金 国立大学の機能強化に向けた運営費交付金の適正化・再配分ルールを導入。 10,945億円(同額) 科学研究費助成事業 新たな学問領域の創成や異分野融合につながる「挑戦的な研究」への支援を強化。(異部門の審査員による多角的審査を導入) 2,273億円(同額) (注)28’予算額は、優先課題推進枠による措置額及び要求措置額の合計額。歳出各分野における効率化等①(「経済・財政再生計画」の実現に向けた改革工程表の概要)
歳出分野 主な事項 社会保障 全ての都道府県における地域医療構想の平成28年度末までの前倒し策定や、入院・外来医療費 の適正化目標等を盛り込んだ医療費適正化計画の早期策定など、医療提供体制の適正化に向けた 改革を推進。 疾病・重症化予防、介護予防の推進など、保険者や個人の取組を促すインセンティブのある仕 組みを構築。 負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化等に向けた制度改革事項について、改革の方向性 や検討・実施時期を明確化。 薬価、調剤等の診療報酬及び医薬品に係る改革について、平成28年度診療報酬改定における対 応を明確化。 地方財政 トップランナー方式の導入︓先進的自治体の経費水準を他団体の基準財政需要額算定に反映 (平成28年度から情報システムの運用等16業務について反映開始)。 適正な民間委託を推進(平成28年度からモデル事業を実施等)するとともに、ITクラウド化 (目標︓平成29年度までにクラウド導入市区町村数を約1,000団体に倍増)等を通じ業務改革を 促進。 社会資本整備等 公共施設の効率的管理等のため、地方公共団体による「公共施設等総合管理計画」の策定を、 特別交付税措置等を通じて促進。 都市機能や居住を誘導・集約するため、市町村による「立地適正化計画」の策定を、財政支援 等を通じて促進。 教育 少子化の進展、エビデンス(研究者等による検証)等を踏まえ、教職員定数の中期見通しの提 示に向けた教育研究に関する実証研究を平成28年度から開始。 国立大学・応用研究への民間資金の導入促進、研究の質の向上の観点からKPIを設定。 歳出分野 主な事項 社会保障 全ての都道府県における地域医療構想の平成28年度末までの前倒し策定や、入院・外来医療費 の適正化目標等を盛り込んだ医療費適正化計画の早期策定など、医療提供体制の適正化に向けた 改革を推進。 疾病・重症化予防、介護予防の推進など、保険者や個人の取組を促すインセンティブのある仕 組みを構築。 負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化等に向けた制度改革事項について、改革の方向性 や検討・実施時期を明確化。 薬価、調剤等の診療報酬及び医薬品に係る改革について、平成28年度診療報酬改定における対 応を明確化。 地方財政 トップランナー方式の導入︓先進的自治体の経費水準を他団体の基準財政需要額算定に反映 (平成28年度から情報システムの運用等16業務について反映開始)。 適正な民間委託を推進(平成28年度からモデル事業を実施等)するとともに、ITクラウド化 (目標︓平成29年度までにクラウド導入市区町村数を約1,000団体に倍増)等を通じ業務改革を 促進。 社会資本整備等 公共施設の効率的管理等のため、地方公共団体による「公共施設等総合管理計画」の策定を、 特別交付税措置等を通じて促進。 都市機能や居住を誘導・集約するため、市町村による「立地適正化計画」の策定を、財政支援 等を通じて促進。 教育 少子化の進展、エビデンス(研究者等による検証)等を踏まえ、教職員定数の中期見通しの提 示に向けた教育研究に関する実証研究を平成28年度から開始。 国立大学・応用研究への民間資金の導入促進、研究の質の向上の観点からKPIを設定。 「改革工程表」において、「経済・財政再生計画」期間の改革の方向性や検討・実施時期等を明確化。歳出各分野における効率化等②(診療報酬改定)
○ 全体で国費 ▲1,495億円(28年度予算ベース)、医療費 ▲6,200億円程度(平年度ベース)
(1)診療報酬本体 +0.49% (国費+498億円) 各科改定率 医科 +0.56% 歯科 +0.61% 調剤 +0.17% (2)薬価等 ① 薬価 ▲1.22% (国費▲1,247億円) ※ 上記のほか、 ・ 市場拡大再算定による薬価の見直し(国費▲200億円) ・ 年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特 例の実施(国費▲282億円) 等により国費▲502億円((3)に後述) ② 材料 ▲0.11% (国費▲115億円) (3)診療報酬・薬価等に関する制度改革事項 (国費▲609億円) ① 医薬品価格の適正化 (国費▲502億円) ・ 新規収載された後発医薬品の価格引下げ ・ 後発医薬品の数量シェア目標の引上げを踏ま えた長期収載品の特例的引下げの基準見直し ・ 市場拡大再算定による薬価の見直し、年間販 売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算 定の特例の実施 ② 大型門前薬局等に対する評価の適正化 (国費▲38億円) ③ 経腸栄養用製品に係る給付の適正化 (国費▲42億円) ④ その他(湿布薬の1処方当たりの枚数制限 等) (国費▲27億円)歳出各分野における効率化等③(教育、地方財政、行政事業レビュー)
行政事業レビューでの指摘事項の予算への反映状況の例 事業名 秋のレビューでの主な指摘事項 平成28年度予算 ○ 国立研究開発法人日本原 子力研究開発機構運営費交 付金に必要な経費 「開栄丸」(使用済核燃料運搬船)については、 利用状況の見通しを踏まえながら、最も合理的な方 策に改めるべき。 リサイクル機器試験施設(RETF︓RecycleEquipment Test Facility)について、改造すること は時期尚早。 「開栄丸」については、使用の終 了を行うこととし、終了に伴い必要 最低限の経費のみ措置。 「RETF」については、改造の ための調査費の計上を見送る。 ※ 要求15億円→6億円(▲9億円) ○ CCSによるカーボンマ イナス社会推進事業 ○ 二酸化炭素削減技術実証 試験事業 〇 二酸化炭素貯留ポテン シャル調査事業
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage︓ 二酸化炭素の回収・貯蔵)については、人・モノ・ 金を分散させることなく、まずは沿岸での実証事業 に戦略的かつ集中的に投下すべき。 沖合での実証事業は、当面中止。 二酸化炭素貯留ポテンシャル調査 の対象は、沿岸地域に絞り込む。 ※ 要求187億円→142億円(▲46億円) 〇 沿岸域環境改善技術評価 事業(オリパラ関係) 2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに 見込まれる成果を示すことができない以上、2020年 に確実に間に合う他の方法を検討すべき。 事業廃止。 ※ 要求0.5億円→0億円(▲0.5億円) 事業名 秋のレビューでの主な指摘事項 平成28年度予算 ○ 国立研究開発法人日本原 子力研究開発機構運営費交 付金に必要な経費 「開栄丸」(使用済核燃料運搬船)については、 利用状況の見通しを踏まえながら、最も合理的な方 策に改めるべき。 リサイクル機器試験施設(RETF︓Recycle
Equipment Test Facility)について、改造すること は時期尚早。 「開栄丸」については、使用の終 了を行うこととし、終了に伴い必要 最低限の経費のみ措置。 「RETF」については、改造の ための調査費の計上を見送る。 ※ 要求15億円→6億円(▲9億円) ○ CCSによるカーボンマ イナス社会推進事業 ○ 二酸化炭素削減技術実証 試験事業 〇 二酸化炭素貯留ポテン シャル調査事業
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage︓ 二酸化炭素の回収・貯蔵)については、人・モノ・ 金を分散させることなく、まずは沿岸での実証事業 に戦略的かつ集中的に投下すべき。 沖合での実証事業は、当面中止。 二酸化炭素貯留ポテンシャル調査 の対象は、沿岸地域に絞り込む。 ※ 要求187億円→142億円(▲46億円) 〇 沿岸域環境改善技術評価 事業(オリパラ関係) 2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに 見込まれる成果を示すことができない以上、2020年 に確実に間に合う他の方法を検討すべき。 事業廃止。 ※ 要求0.5億円→0億円(▲0.5億円) ○ リーマンショック後の危機対 応措置として7年間継続した別 枠加算(平成27年度︓0.2兆 円)を廃止するとともに、地方 交付税交付金等を着実に縮減 (▲0.3兆円)。 地方財政 ○ 28年度は少子化の進展に伴う基礎定数の減(対27 年度比▲3,100人)や、更なる統廃合の進展による定 数減(同▲900人)の見込みを適切に反映。 ○ その上で、学校現場が抱える諸課題への対応として、 小学校の専科教育、貧困対策、特別支援教育など必要 な加配定数を拡充(同+525人)。 ⇒ 結果として、27年度比▲3,475人の効率化(国費 ベースで▲75億円)。 教育
○消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化に向ける。 ○社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から、平成28年度の増収額 8.2兆円については、 ①まず基礎年金国庫負担割合2分の1に3.1兆円を向け、 ②残額を満年度時の ・「社会保障の充実」及び「消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増」と ・「後代への負担のつけ回しの軽減」 の比率(概ね1:2)で按分した額をそれぞれに向ける。 ○基礎年金国庫負担割合2分の1 (平成24年度・25年度の基礎年金国庫負担割合 2分の1の差額に係る費用を含む) ○社会保障の充実 ・子ども・子育て支援の充実 ・医療・介護の充実 ・年金制度の改善 ○消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増 ・診療報酬、介護報酬、年金、子育て支援等についての 物価上昇に伴う増 ○後代への負担のつけ回しの軽減 ・高齢化等に伴う自然増を含む安定財源が 確保できていない既存の社会保障費 〈28年度消費税増収分の内訳 〉 後代への負担のつけ回しの軽減 消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増 社会保障の充実 基礎年金国庫負担割合1/2 《8.2兆円》 《14兆円》 (参考)算定方法のイメージ 7.3兆円 0.8兆円 2.8兆円 3.2兆円 概ね ② ① 満年度 (消費税率5%引上げ時) : (注1) 金額は公費(国及び地方の合計額)である。 (注2) 上記の社会保障の充実に係る消費税増収分(1.35兆円)と社会保障改革プログラム法等に基づく重点化・効率化による財政効果(▲0.29兆円)を活用し、社会保障の充実(1.53兆 円)と税制抜本改革法に基づく低所得者に対する逆進性対策である「簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」等(0.11兆円)の財源をあわせて一体的に確保。 (注3) 28年度予算ベースでの消費税収(国・地方(休日調整後))を用いて機械的に算出。 3.1兆円 1.35兆円 0.37兆円 3.4兆円 ② ① : 28年度 3.1兆円 1.35兆円 0.37兆円 3.4兆円 《増収額計:8.2兆円》