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トポロジー

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LastUpdate: 2003.4.12

目 次

1 ホモロジーとコホモロジー 5

1.1 鎖複体のホモロジーとコホモロジー . . . . 5

1.1.1 ホモロジー . . . . 5

1.1.2 コホモロジー . . . . 6

1.2 普遍係数定理とKunnethの定理 . . . . 8

1.2.1 TorExt . . . . 8

1.2.2 普遍係数定理 . . . . 10

1.2.3 Kunnethの定理 . . . . 10

1.3 位相空間のホモロジーとコホモロジー . . . . 11

1.3.1 単体的(コ)ホモロジー . . . . 11

1.3.2 特異(コ)ホモロジー . . . . 12

1.3.2.1 定義 . . . . 12

1.3.2.2 普遍係数定理 . . . . 14

1.3.2.3 空間対の(コ)ホモロジー完全系列 . . . 14

1.3.2.4 切除定理とMayers-Vietorisの定理 . . . . 16

1.3.3 CW複体の(コ)ホモロジー . . . . 17

1.3.4 Cech(コ)ホモロジー . . . . 19

1.3.5 様々な(コ)ホモロジーの関係 . . . . 20

1.3.6 局所系の(コ)ホモロジー . . . . 22

1.3.7 無限チェインのホモロジー . . . . 23

1.3.8 コンパクト台のコホモロジー . . . . 23

1.4 (コ)ホモロジーの積演算 . . . . 24

1.4.1 積の()ホモロジー . . . . 24

1.4.2 カップ積とキャップ積 . . . . 25

1.5 . . . . 28

1.5.1 Euler数とLefschetz . . . . 28

1.5.2 多様体 . . . . 29

1.5.2.1 連結和 . . . . 29

1.5.2.2 RPn . . . . 30

(2)

2.1.1 コンパクトLie . . . . 32

3 Manifolds 33 3.1 位相多様体 . . . . 33

4 微分位相幾何学 34 4.1 歴史 . . . . 34

4.2 モース関数 . . . . 35

4.3 5次元以上の多様体 . . . . 36

4.3.1 h同境定理 . . . . 36

4.3.2 Poincare予想 . . . . 37

4.4 4次元多様体 . . . . 39

4.4.1 基本事項 . . . . 39

4.4.2 Rokhlinの定理 . . . . 39

4.4.3 4次元位相多様体の分類 . . . . 40

4.4.4 Donaldson理論 . . . . 41

4.5 同境理論 . . . . 41

5 ファイバー束 43 5.1 ベクトル束 . . . . 43

5.1.1 K理論 . . . . 43

5.1.2 乗法列とChern指標 . . . . 50

5.1.3 Clifford . . . . 53

5.1.4 スピノール束 . . . . 55

5.1.5 Dirac作用素 . . . . 57

5.1.6 Rnの擬微分作用素 . . . . 59

5.1.7 ベクトル束の擬微分作用素 . . . . 61

5.1.8 Atiyah-Singer指数定理 . . . . 63

5.1.8.1 整数型指数定理 . . . . 63

5.1.8.2 楕円型作用素の族 . . . . 67

6 特性類 67 6.1 分類空間 . . . . 67

6.1.1 実ベクトルバンドル . . . . 67

6.1.2 複素ベクトルバンドル . . . . 69

(3)

6.2.1 Poincar´e-Hopfの定理 . . . . 71

6.2.2 Euler類とThom同型. . . . 73

6.2.3 Z2-Euler類とThom同型 . . . . 76

6.2.4 Stiefel-Whitney . . . . 79

6.2.5 Chern . . . . 81

6.2.6 Pontrjagin . . . . 82

6.2.7 障害類 . . . . 84

6.2.8 スピン構造 . . . . 86

7 Knots and Links 87 7.1 正則表示 . . . . 87

7.1.1 数論的不変量 . . . . 87

7.1.1.1 最小交点数 . . . . 87

7.1.1.2 絡み数(linking number) . . . . 88

7.1.1.3 橋指数(bridge index) . . . . 88

7.1.1.4 組み紐指数(braid index) . . . . 89

7.1.1.5 結び目解消数(unknoting number) . . . . 89

7.2 Seifert曲面 . . . . 89

7.2.1 数論的不変量 . . . . 90

7.2.1.1 種数(genus) . . . . 90

7.2.1.2 符号数(signature)と退化次数 . . . . 90

7.3 絡み目群 . . . . 91

7.4 不変多項式 . . . . 92

7.4.1 Alexander-Conway多項式 . . . . 92

7.4.1.1 Skein関係による定義 . . . . 92

7.4.1.2 構成的定義 . . . . 93

7.4.2 Jones多項式. . . . 94

7.4.2.1 Skein関係による定義 . . . . 94

7.4.2.2 Stateモデル. . . . 95

7.4.3 Homfly多項式 . . . . 96

7.4.3.1 Skein関係による定義 . . . . 96

7.4.4 Q-多項式 . . . . 97

7.4.4.1 Skein関係による定義 . . . . 97

7.4.5 Kauffman多項式 . . . . 98

(4)

7.5.1 抽象テンソル表示 . . . . 98

(5)

1

ホモロジーとコホモロジー

[LastUpdate: 2005.12.30]

1.1

鎖複体のホモロジーとコホモロジー

1.1.1 ホモロジー

【定義 1.1 (チェイン複体の圏)】   次数付R加群C = (Cj)とその準 同型 = (∂j),

· · · −−−→j+2 Cj+1 −−−→j+1 Cj −−−→j Cj−1 −−−→ · · ·j−1

2 = 0を満たすとき,チェイン複体といい,C = (Cj, ∂)と表 す.2つのチェイン複体の次数付R加群の準同型φ : C D

∂φ =φ∂を満たすとき,φをチェイン写像といい,対象をチェイン 複体,射を複体写像とする圏をチェイン複体の圏と呼ぶ.

【定義 1.2 (チェインホモトピー)】   チェイン複体C, Dの射f, g : C →Dに対して,R線形写像の列Φn:Cn→Cn+1が存在して,

f −g =n+1Φn+ Φn−1◦∂n

が成り立つとき,Φfgを結ぶチェインホモトピーという.こ のとき,f =g :H(C)→H(D)となる.

【定義 1.3 (ホモロジー関手)   チェイン複体Cに対して,

H(C) =Z(C)/B(C); Z(C) = Ker∂, B(C) = Im

により,次数付きR加群H(C) = (Hj(C)), Z(C) = (Zj(C)), B(C) = (Bj(C))を定義する.H(C)Cのホモロジー群,その元をホモ ロジー類,Zの元をサイクル,Bの元をバウンダリーと呼ぶ.さ らに,任意のチェイン写像φ:C →Dに対して,ホモロジー写像 と呼ばれるR準同型φ : H(C) H(D)φ([c]) = [φ(c)]によ り誘導される.チェイン複体にそのホモロジー群を,チェイン写像 にそれから誘導されるホモロジー群のR準同型を対応させることに より定義される,チェイン複体の圏から次数付きR加群の圏への関

手をホモロジー関手Hと呼ぶ.

(6)

【命題 1.4 (連結準同型とホモロジー完全系列)

1) 3つのチェイン複体(A, ∂),(X, ∂),(Y, ∂)の間の完全系列を 0 −−−→ A −−−→f X −−−→g Y −−−→ 0 とする.このとき,y∈Zn(Y)に対して,

[y] = [f−1◦∂ ◦g−1(y)]

によりR-線形写像∂ :Hn(Y) Hn−1(A)が定まる.この写像を,

連結準同型という.さらに,次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ Hn(A) −−−→f Hn(X) −−−→g Hn(Y) −−−→ Hn−1(A) −−−→ · · ·f 2) 2組の完全系列の間の可換図式

0 −−−→ A −−−→ X −−−→ Y −−−→ 0

⏐⏐

φ ⏐⏐ ⏐⏐ψ

0 −−−→ A −−−→ X −−−→ Y −−−→ 0 に対して,∂ ◦ψ =φ◦∂ :H(Y)→H(A)が成り立つ.

1.1.2 コホモロジー

【定義 1.5(コチェイン複体)】   次数付R加群C = (Cj)とその準同 δ= (δj),

· · · −−−→δj−2 Cj−1 −−−→δj−1 Cj −−−→δj Cj+1 −−−→ · · ·δj+1

δ2 = 0を満たすとき,コチェイン複体といい,C = (Cj, δ)と表 す.2つのコチェイン複体の次数付R加群の準同型φ:C →D δφ=φδを満たすとき,φをコチェイン写像といい,対象をコチェイ ン複体,射をコチェイン写像とする圏をコチェイン複体の圏と呼ぶ.

(7)

【定義 1.6 (コホモロジー関手)   コチェイン複体Cに対して,

H(C) =Z(C)/B(C); Z(C) = Kerδ, B(C) = Imδ

により,次数付きR加群H(C) = (Hj(C)), Z(C) = (Zj(C)), B(C) = (Bj(C))を定義する.H(C)Cのコホモロジー群,その元をコ

ホモロジー類,Zの元をコサイクル,Bの元をコバウンダリーと 呼ぶ.さらに,コチェイン写像φ :C →Dは,φ[u] = [φ(u)]によ りコホモロジー群の間のR準同型φ :H(C)→H(D)を誘導す る.コチェイン複体にそのコホモロジー群を,コチェイン写像にそ れから誘導されるコホモロジー群のR準同型を対応させることによ り定義される,コチェイン複体の圏から次数付きR加群の圏への関 手をコホモロジー関手Hと呼ぶ.

【命題 1.7 (連結準同型とコホモロジー完全系列)】

1) 3つのコチェイン複体(Y, δ),(X, δ),(A, δ)の間の完全系列を 0 −−−→ Y −−−→f X −−−→g A −−−→ 0

とする.このとき,a∈Zn(A)に対して,

δ[a] = [f−1◦δ◦g−1(a)]

によりR-線形写像δ :Hn(A) Hn+1(Y)が定まる.この写像を,

連結準同型という.さらに,次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→δ Hn(Y) −−−→f Hn(X) −−−→g Hn(A) −−−→δ Hn+1(Y) −−−→ · · ·f 2) 2組の完全系列の間の可換図式

0 −−−→ Y −−−→ X −−−→ A −−−→ 0

⏐⏐

φ ⏐⏐ ⏐⏐ψ

0 −−−→ Y −−−→ X −−−→ A −−−→ 0 に対して,δ◦ψ =φ◦δ :H(A)→H(Y)が成り立つ.

(8)

1.2

普遍係数定理と

Kunneth

の定理

1.2.1 TorExt

【定義 1.8 (加群のねじれ積) Rを単項イデアル整域とする.

1) R-加群Aに対して,R-自由加群F0, F1R線形写像d:F1 →F0, : F0 →Aが存在して,

0 −−−→ F1 −−−→d F0 −−−→ A −−−→ 0

が完全系列となるとき,この短完全系列をAの左自由分解という.

2) R加群A, BおよびAの左自由分解1)に対して,チェイン複体 0 −−−→ F1RB −−−→d⊗1 F0RB −−−→ 0

の1次ホモロジー群をABのねじれ積とよび,TorR(A, B)と表す:

TorR(A, B) = kerd⊗1 このとき,次の完全系列が成り立つ.

0 −−−→ TorR(A, B) −−−→ F1RB −−−→ F0RB −−−→ A⊗RB −−−→ 0 ねじれ積は自由分解の取り方によらず同型を除いて一意的である.

【命題 1.9 (加群のねじれ積の性質)】   加群のねじれ積は次の性質を

持つ.

i) C R加群の圏とするとき,TorC ×C からC への関手で,い ずれの変数についても共変的である.

ii) Tor(A, B) = Tor(B, A).

iii) Tor(A⊕B, C) = Tor(A, C)⊕Tor(B, C).

iv) Aが自由加群の時,TorZ(A, B) = 0.

v) Kが標数0の体,Aが有限生成加群のとき,TorZ(K, A) = 0.

(9)

vi) TorZ(Zm,Zn)=Zd (m, n >0, d=GCD(m, n)).

vii) Kが体の時,TorK(A, B) = 0.

【定義 1.10 (Ext) Rを単項イデアル整域,A, BR加群とする.

Aの左自由分解

0 −−−→ F1 −−−→d F0 −−−→ A −−−→ 0 から誘導されるコチェイン複体

0 −−−→ HomR(F0, B) −−−→dT HomR(F1, B) −−−→ 0 の1次コホモロジー群をExtR(A, B)と定義する:

ExtR(A, B) = HomR(F1, B)/ImdT. このとき,次の完全系列が存在する.

0 −−−→ HomR(A, B) −−−→ HomR(F0, B) −−−→ HomR(F1, B) −−−→ ExtR(A, B).

ExtR(A, B)は,Aの自由分解の取り方によらず同型を除いて一意的

に定まる.

【命題 1.11 (Extの性質)】   加群のExt積は次の性質をもつ.

i) C R加群の圏とするとき,ExtC ×C からC への関手を与え,

第1変数について反変的,第2変数について共変的である.

ii) 任意のR加群A, B, Cに対して,

ExtR(A⊕B, C)∼= ExtR(A, C)ExtR(B, C), ExtR(A, B⊕C)∼= ExtR(A, B)ExtR(A, C).

iii) 任意の加群Aに対して,

ExtZ(Z, B) = 0, ExtZ(Zm, B)∼=B/mB (m >0).

(10)

1.2.2 普遍係数定理

【定理 1.12 (普遍係数定理(ホモロジー)) Rを単項イデアル整域,

Cを自由R加群のチェイン複体,GR 加群とするとき,自然な 短完全系列が存在する:

0 −−−→ Hn(C)⊗G −−−→ Hn(C⊗G) −−−→ TorR(Hn−1(C), G) −−−→ 0.

この完全系列は分解する.

【定理 1.13 (普遍係数定理(コホモロジー)) Rを単項イデアル整

域,Cを自由R加群のチェイン複体,GR 加群とするとき,次 の短完全系列が存在する:

0 −−−→ ExtR(Hn−1(C), G) −−−→ Hn(HomR(C, G))

−−−→ HomR(Hn(C), G) −−−→ 0.

この短完全系列は分解する.

1.2.3 Kunnethの定理

【定理 1.14 (K¨unnethの定理(ホモロジー)) Rは単項イデアル整 域,Cは自由R加群のチェイン複体,DR加群のチェイン複体 とする.このとき,短完全系列

0 −−−→

p+q=nHp(C)RHq(D) −−−→× Hn(CRD)

−−−→

p+q=n−1TorR(Hp(C), Hq(D)) −−−→ 0

が存在する.Dも自由R加群のチェイン複体のときには,この間

全系列は分解する.

【定理 1.15 (K¨unnethの定理(コホモロジー)) Rは単項イデアル 整域,Cは自由R加群のコチェイン複体,DR加群のコチェイ ン複体とする.このとき,短完全系列

0 −−−→

p+q=nHp(C)RHq(D) −−−→× Hn(C RD)

−−−→

p+q=n+1TorR(Hp(C), Hq(D)) −−−→ 0

が存在する.Dも自由R加群のコチェイン複体のときには,この

間全系列は分解する.

(11)

1.3

位相空間のホモロジーとコホモロジー

1.3.1 単体的(コ)ホモロジー

【定義 1.16 (単体複体)

1) 集合Kとその部分集合の属Σが次の2条件を満たすとき,組(K,Σ) を単体複体という:

i) s Σに対して,s ⊂s(s =)なら,s Σ.

ii) 任意のv ∈Kに対して,{v} ∈Σ.さらに,∅ ∈Σ.

s∈ΣK(n+ 1)この元からなるとき,sn(次元)単体,とく 0単体を頂点という.また,Kの濃度が有限,可算,任意の頂点 を含む単体が有限個,可算個のとき,それぞれ有限,可算,局所有 限,局所可算単体複体という.

2) 単体複体(K,Σ),(K0,Σ0)に対して,K0 ⊂KかつΣ0 Σが成り立 つとき,K0Kの部分複体という.

3) K, Lを単体複体とし,φ :K Lを頂点集合の写像とする.K 任意の単体s={v0,· · · , vn}に対して,{φ(v0),· · · , φ(vn)}から重複 する頂点を取り除いたものがLの単体となるとき,φを単体写像と いう.さらに,単体複体K, Lの間の全単射φで,φφ−1が共に単 体写像となるものが存在するとき,KLは同型であるという.

3) Kを単体複体とし,そのq単体sとする.sの頂点の列の集合にお いて偶置換で移り合うものは同値という同値関係を与えたとき,各 同値類をsの向きという.向きの与えられたq単体を向きのついた q単体と呼び,σと表す.sの頂点が{v0,· · · , vq}のとき,対応する 向きのついた単体をσ= [v0,· · · , vq]と表記しする.

【定義 1.17 (単体的ホモロジーとコホモロジー)

(12)

1) 単体複体K の各単体に向きを与え,向きのついたq単体全体から 生成される自由Abel群をCq(K)とする.さらに,線形写像q : Cq(K)→Cq−1(K)

q([v0,· · · , vq]) = q k=0

(1)k[v0,· · · , vk−1, vk+1,· · · , vq]

により定義する.ただし,σqの向きを反転した単体は−σqと同一 視する.これにより定義されるチェイン複体C = (Cq, ∂q)のホモ ロジー群をHq(K)と表し,単体複体K の整係数ホモロジー群とい う.また,R加群Gに対して,R加群のチェイン複体CZGから 定義されるホモロジー群H(K;G)KG係数ホモロジー群と いう.さらに,R 加群のコチェイン複体C = HomZ(C, G)のコホ モロジー群H(K;G)G係数コホモロジー群という.

2) 単体分割可能な位相空間Xに対して,Kをその単体分割とするとき,

H(K;G), H(K;G)は単体分割Kの取り方によらない.H(K;G) およびH(K;G)Xの単体的ホモロジー群,単体的コホモロジー 群という.

1.3.2 特異(コ)ホモロジー

1.3.2.1 定義

【定義 1.18 (特異チェイン複体)

1) 位相空間Xに対して,Rn+1の標準単体ΔnからXへの連続写像 σ : Δn→X

X n-特異単体という.その全体から生成される自由加群を

Sn(X) として,その直和として定義される次数付加群をS(X) = (Sn(X))とおく.ただし,n <0に対してSn(X) = 0.n:Sn(X) Sn−1(X)

n(σ) = n

j=0

(1)jσj, σ ∈Sn(X)

(13)

により定義する.ここでjは,Δn−1の頂点ek(k = 0, n1)Δn の頂点ek(k ≤j),ek+1(k > j)を対応させることにより定義される,

Δn−1からΔnへのアファイン写像である.S(X) = (Sj(X), ∂) チェイン複体をなし,特異チェイン複体と呼ばれる.

2) 位相空間の対(X, A)(A X)に対して,チェイン複体 S(X),

S(A)から新たなチェイン複体

S(X, A) :=S(X)/S(A)

が定義され,自然に位相空間の対の圏からZ-チェイン複体の圏への 共変関手Sが得られる.また,R加群Gに対して,チェイン複体 CC ⊗GおよびHomZ(C, G)を対応させると,それぞれ自然 にチェイン複体の圏からR-チェイン複体への共変関手⊗G,および R-コチェイン複体への反変関手Hom(∗, G)が得られる.関手の結合 H∗◦⊗GSで得られる共変関手をG係数特異ホモロジー関手,それ による(X, A)の像H(X, A;G)を空間対(X, A)G係数特異ホモ ロジー群と呼ぶ.同様に,H∗◦Hom(∗, G)Sで得られる反変関手を G係数特異コホモロジー関手,それによる(X, A)の像H(X, A;G)

を空間対(X, A)G係数特異コホモロジー群と呼ぶ.すなわち,

H(X, A;G) =H((S(X)/S(A))⊗G), H(X, A;G) = H(Hom(S(X)/S(A), G)) である.以下,

S(X, A;G) = (S(X)/S(A))⊗G, S(X, A;G) = Hom(S(X)/S(A), G) と略記する.また,R=G=Zの時,Gを省略する.

【注 1.19】

1. c∈Sn(X)に対して,

[c]∈Zn(X, A) ∂c∈Sn(A),

[c]∈Bn(X, A) ⇔ ∃c ∈Sn+1(X) s.t. c−∂c ∈Sn(A)

(14)

2. 一般に,R加群の短完全列0→A→B →Cに対して,Hom(C, G) Hom(B, G) Hom(A, G) 0はやはり短完全列となる.これよ り,Sn(X, A;G)の元はu∈Hom(Sn(X), G)u|Sn(A) = 0となるも のと一対一に対応する.この対応の元で,< δ[u],[c]>=< u, ∂c >.

よって,

[u]∈Zn(X, A;G) < u, ∂c >= 0∀c∈Sn+1(X),

[u]∈Bn(X, A;G) ⇔ ∃[u]Hom(Sn−1(X), G) s.t. < u, c >=<

u, ∂c >∀c∈Sn−1(X).

1.3.2.2 普遍係数定理

【定理 1.20 ((コ)ホモロジーの普遍係数定理) (X, A)を空間対,

Gを加群とする.

1) 空間対のホモロジーに対して,自然な短完全系列

0→Hn(X, A;Z)⊗G→Hn(X, A;G)→TorZ(Hn−1(X, A;Z), G)0 が存在する.この短完全系列は分裂する.

2) 空間対のコホモロジーに対して,自然な短完全系列

0ExtZ(Hn−1(X, A;Z), G)→Hn(X, A;G)→Hom(Hn(X, A;Z), G)0 が存在する.この短完全系列は分裂する.

1.3.2.3 空間対の(コ)ホモロジー完全系列

【定理 1.21 (空間対のホモロジー完全系列)

(15)

1. 空間対(X, A)に対して,次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ Hn+1(X, A;G) −−−→ Hn(A;G) −−−→i Hn(X;G)

j

−−−→ Hn(X, A;G) −−−→ · · · . 特に,A=のとき次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ Hn+1(X, A;G) −−−→ H˜n(A;G) −−−→i H˜n(X;G)

j

−−−→ Hn(X, A;G) −−−→ · · · .

これらの完全系列は,空間対の連続写像に対して共変的関手性を もつ.

2. 空間の三つ組みB ⊂A⊂Xに対して,次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ Hn+1(X, A;G) −−−→ Hn(A, B;G) −−−→i Hn(X, B;G)

j

−−−→ Hn(X, A;G) −−−→ · · · .

この完全系列は,空間の3つ組の連続写像に対して共変的関手性を もつ.

【定理 1.22 (空間対のコホモロジー完全系列)

1. 空間対(X, A)に対して,次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ Hn−1(A;G) −−−→δ Hn(X, A;G) −−−→j Hn(X;G)

i

−−−→ Hn(A;G) −−−→δ · · · . 特に,A=のとき次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ H˜n−1(A;G) −−−→δ Hn(X, A;G) −−−→j H˜n(X;G)

i

−−−→ H˜n(A;G) −−−→δ · · · .

これらの完全系列は,空間対の連続写像に対して反変的関手性を もつ.

(16)

2. 空間の三つ組みB ⊂A⊂Xに対して,次の完全系列が成り立つ:

· · · −−−→ Hn−1(A, B;G) −−−→δ Hn(X, A;G) −−−→j Hn(X, B;G)

i

−−−→ Hn(A, B;G) −−−→δ · · · .

この完全系列は,空間の3つ組の連続写像に対して反変的関手性を もつ.

1.3.2.4 切除定理とMayers-Vietorisの定理

【定義 1.23 (切除的)】   位相空間Xの部分空間X1, X2に対し,包 含写像

S(X1) +S(X2)→S(X1∪X2)

がチェインホモトピー同値写像であるとき,組{X1, X2}は切除的で あるという.Y =X1∪X2におけるXiの内部をintYXiと書くとき,

Y = intYX1 intYX2

ならば,{X1, X2}は切除的である.

【定理 1.24 (Mayers-Vietoris完全系列) Xを位相空間,{X1, X2} Xの切除的な空間の組とするとき,関手性をもつ次の加群の完全 系列が存在する:

· · · −−−→Δ Hn(X1∩X2;G) −−−−−−→i1∗⊕(−i∗2) Hn(X1;G)⊕Hn(X2;G)

j1∗+j2∗

−−−−→ Hn(X1∪X2;G) −−−→Δ Hn−1(X1 ∩X2;G) −−−→ · · ·,

· · · −−−→Δ Hn(X1∪X2;G) −−−−→j1⊕(j2) Hn(X1;G)⊕Hn(X2;G)

i1i2

−−−→ Hn(X1∩X2;G) −−−→Δ Hn−1(X1∪X2;G) −−−→ · · · また,X1∩X2 =であるときは,Hq(Hq)を簡約ホモロジー(コホ モロジー)H˜q( ˜Hq)で置き換えた完全系列が存在する.

(17)

【定理 1.25 (切除定理) U A⊂Xを位相空間Xの部分空間の 列とし,部分空間V V A¯ かつ,X−V からX−U への変位レト ラクションrtrt(A−V)⊂A−V となるものが存在するなら,包 含写像i: (X−U, A−U)(X, A)は任意の係数群Gに対してホモ ロジー群とコホモロジー群の同型

i :Hn(X−U, A−U;G) −−−→

= Hn(X, A;G), i :Hn(X, A;G) −−−→

= Hn(X−U, A−U;G)

を誘導する.

1.3.3 CW複体の(コ)ホモロジー

【定義 1.26 (CW複体)

1) Hausdorff空間の部分集合eに対して,相対同相写像φ: (Dn, Sn−1)e,e)˙ が存在するとき,en(次元)胞体,φをその特性写像という.

2) Hausdorff空間Xの胞体の集合{eλ| λ∈Λ}は,次の条件を満たす ときXの胞体分割という.

i) eμ∩eν =(μ=ν).

ii) X =λ∈Λeλ.

iii) Xq :=μ:dimeµqeμとおくとき,dimeμ=q+1ならばe˙μ⊂Xq. 3) 胞体分割の与えられたHausdorff空間Xを胞体複体,その0胞体を 頂点,Xqq切片という.また,Xの部分集合Aと交わるXの胞 eに対してe¯⊂Aが成り立つならば,Aと交わる胞体の全体はA の胞体分割を与える.この胞体分割をもつAXの部分複体とい う.Xの胞体の数が有限,可算のときそれぞれ有限複体,可算複体 という.また,各点x∈Xに対して,xintAとなる有限(可算)

部分複体Aが存在するとき,Xは局所有限(可算)であるという.

4) 胞体複体Xから胞体複体Y への連続写像fは,f(Xq)⊂Yqを満た すとき,胞体写像という.

(18)

5) 胞体複体Xは,次の2条件を満たすときCW複体という:

C) Xの各胞体eに対してeを胞体として持つ有限部分複体が存在 する.

W) Xの集合U は,Xの各胞体eに対してU ¯ee¯の開集合の ときしかもそのときに限り開集合である.

【命題 1.27 (CW複体の性質)】 CW複体は次の性質を持つ.

1) 局所有限な胞体複体はCW複体である.(逆は成り立たない.

2) CW複体Xの胞体複体としての部分複体Aは閉集合であり,再び

CW複体となる.

3) CW複体はパラコンパクトな正規空間で,局所可縮である.

4) (胞体近似定理) CW複体の間の任意の連続写像に対して,それとホ

モトープな胞体写像が存在する.

5) CW複体とその部分複体との対は,任意の位相空間に対してホモト

ピー拡張性質をもつ.

6) CW複体は任意のファイバー空間に対して被覆ホモトピー性を持つ.

7) CW複体X, Y の積複体X ×Y は,XY のいずれかが局所有限

ないし両方が局所可算ならば,CW複体となる.

8) CW複体X, Y に対して,その積複体X×Y はあるCW複体にホモ

トピー同値である.

9) 多面体|K|はその開単体全体の集合を胞体分割として,正則eq = Dq)CW複体となる.逆に,任意のCW複体に対して,それとホ モトピー同値な多面体が存在する.

(19)

【命題 1.28 CW複体Xとその部分複体Aの対(X, A)に対して,

X¯q =Xq∪Aとおく.任意の係数群Gに対して Hq( ¯Xn,X¯n−1;G) = 0 (q=n),

λ∈Λn

φλ :

λ∈Λn

Hn(Dnλ, Sλn−1;G)−→= Hn( ¯Xn,X¯n−1;G)

が成り立つ.特に,Hn( ¯Xn,X¯n−1)は自由加群となる.

【定義 1.29 (CW複体のチェイン複体)

1) 加群Cn(X, A)

Cn(X, A) :=Hn( ¯Xn,X¯n−1)

により定義する.さらに, : Cn(X, A) Cn−1(X, A)を空間対 ( ¯Xn,X¯n−1)に対する連結準同型と射影準同型jを用いて

:Hn( ¯Xn,X¯n−1)−→ Hn−1( ¯Xn−1)−→j Hn−1( ¯Xn−1,X¯n−2) により定義する.このとき,(C(X, A), ∂)はチェイン複体となる.

これをCW(X, A)のチェイン複体という.

2) CW(X, A)に対して,そのチェイン複体C(X, A)から定義される

ホモロジー群H(C(X, A)⊗G)およびコホモロジー群H(Hom(C(X, A), G) CW対の胞体ホモロジー群および胞体コホモロジー群という.

1.3.4 Cech(コ)ホモロジー

【定義1.30( ˇCechの(コ)ホモロジー)】   位相空間Xの開被覆U に対 して,U に属する各開集合を頂点,共通部分が空でないnコの開集合 の組をn単体と定義すると,U から単体複体K(U)が作られる.X とその部分空間Aに対して,このようにして得られる単体複体の対を (K(U), L(U))とすると,そのホモロジー群H(K(U), L(U);G)

(20)

およびコホモロジー群H(K(U), L(U);G)が定義される.次に,X の開被覆全体の属は,細分により擬有向集合となり,これらのホモ ロジー群とコホモロジー群はこの擬有向集合に対して,それぞれ射 影系および帰納系となる.それらの射影極限および帰納極限をそれ ぞれ,空間対(X, A)に対するCechˇ のホモロジー群およびコホモロ ジー群という:

Hˇ(X, A;G) = lim

H(K(U), L(U);G), Hˇ(X, A;G) = lim

H(K(U), L(U);G)

1.3.5 様々な()ホモロジーの関係

【定義 1.31 (Eilenberg-Steenrodの公理)

1) 次の3つの関数の集合をHで定義する:

i) 各位相空間対(X, A)と各整数qに対して,AbelHq(X, A) 対応させる関数.

ii) 各連続写像f : (X, A) (Y, B)と各整数qに対して,準同型 f :Hq(Y, B)→Hq(X, A)を対応させる関数.

iii) 各位相空間対(X, A)と各整数qに対して,準同型δ : Hq Hq+1(X, A)を対応させる関数.

Hが次の7つの公理を満たすとき,Hを位相空間対の圏上のコホ モロジー理論という.

I) 1 = 1

II) f : (X, A) (Y, B),g : (Y, B) (Z, C)ならば,(g◦f) = f◦g

III) (ホモトピー公理) f g : (X, A)(Y, B)ならば,f =g

参照

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