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日大生産工

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Academic year: 2021

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(1)

19 F NMRによる電気二重層キャパシタの充放電挙動

日大生産工

(院) ○段下 龍太郎

日大生産工 山根 庸平・山田 康治

1.

緒言

電気二重層キャパシタとは,電解質と電極界 面に形成される電気二重層に電荷が蓄えられ る蓄電器のことである.電荷を蓄えるには,電 気二重層が両極で等しく形成される必要があ る.しかし,電気二重層キャパシタの充放電過 程における分子レベルの研究は,キャパシタを 分解した試料に対して行われてきた.

本研究では,有機溶媒に電解質を溶解した液 体電解質と活性炭電極を用いてキャパシタを 形成し,充放電試験中にキャパシタを分解する ことなく,in situ(その場観察)でNMR測定し,

分子レベルで電気二重層形成のメカニズムを 考察した.

電気二重層キャパシタの充放電挙動をNMR を用いて,in situで観察するため,以下に示す 2つの異なった実験環境を構築した.

①超伝導磁石を利用したNMRによる試料部 位の選択的観察.

②永久磁石の磁場勾配を利用したNMR.

①の観察は,

Fig. 1の左側に示すように,NMR

のコイルに,目的とする部位を入れ,そこから 得られたスペクトルが充電や放電によってど のように変化するのかを観察する.その結果に 基づき,電極に吸着されたイオンの運動性や化 学シフトの違いを考察する.

②の観察では,キャパシタ全体をコイルに挿 入するが,磁場内に形成された磁場勾配を利用 し,位置の情報も収集する.すなわち,Fig. 1 の右側に示すように,磁場勾配の場合を考える.

このような磁場中の2箇所に試料を置き,信号 を測定すると,各位置からの信号の共鳴周波数 はずれ,2つの共鳴周波数をもつ信号となる.

そのため,試料全体を1つのコイルで受信し,

フーリエ変換することで,どの位置に試料が存 在しているのかを知ることができる.よって,

片方の電極から,もう片方の電極へのイオンや 分子の移動を,スペクトル変化から識別できる.

これらの方法は非破壊検査であり,スペクト ルの変化をサンプルの交換等における問題を 取り除き,充放電中におこる変化としてとらえ ることが出来る.

Behaver of Charge and Discharge of Electric Double Layer capacitor by 19F NMR

Ryutaro DANSITA, Yohei YAMANE and Koji YAMADA

Fig. 1 実験別のNMRの説明図

−日本大学生産工学部第43回学術講演会(2010-12-4)−

― 139 ― 5-66

(2)

Fig. 4 19F NMRによる負極の変化 2.

実験

①の観察として,片方の電極の変化を6.4 Tの 超伝導磁石NMRを用いて測定した.液体電解質 は(C

2H5)4NBF4

をpropylene carbonateに溶解し 調整した.

Fig. 2に外径2 mm,内径1 mm,長さ23 mmのガ

ラス管を用いて,キャパシタ状のセルを形成し た.電極には,銅線の周りに活性炭を固定した.

ガラス管に電解質を満たし,両側から電極を入 れ,密封した.そのセルを用いて,2.5 Vまで電 気的な充電し,放電した.また,同時に

19F NMR

測定を行った.

次に,②の観察として,磁場勾配を利用する ために,外径3 mm,内径2 mmのガラス管に水 を入れ,永久磁石の中を一定の割合で移動させ,

1H NMRを測定し,位置と周波数の関係を調査

した.

磁石の中央から6.5 mm間隔で移動し、磁石の 中央を原点として、移動距離と周波数の関係を グラフに示す.

3.

結果および考察

①の観察として,Fig. 3に正極側で,Fig. 4に 負極で測定した

19F NMRの結果を示す.正極で

の測定結果にのみ,充電時のピークがブロード に変化している.この変化は,アニオンが充電 によって,正極に集まり,吸着されたため,運 動が制限されていると考えられる.

②の観察として, Fig. 5において,原点から 遠ざかるほど、磁場が急激に減少していること がわかる。そのため、移動距離が少ない,中央 から10 mm程度の範囲が,直線的に磁場が減少 しているため、磁場勾配を利用した実験に用い ることが出来ると考えられる.

今後,充放電によるスペクトルの変化を定量 的に評価しキャパシタ容量との関係を検討す る.

shift/kHz

25 20 15 10

5 移動距離/mm 0

-5

-10

-15

Fig. 3 19F NMRによる正極の変化

Fig. 5 磁場勾配のグラフ

4.

参考文献

1)

松井 茂,“NMRイメージング/スペク トロスコピー/高分解能NMR”東京化学同 人.

Fig. 2

自作セルの模式図

5.0 mm 液体電解質

活性炭電極

銅線 ガラス管 254.2000 254.2005 254.2010 Frequency/MHz

充電前 充電後 放電

254.2010 254.2005

254.2000

Frequency/MHz

充電前 充電後 放電

実験に使える 領域

― 140 ―

Fig. 1  実験別のNMRの説明図
Fig. 4    19 F NMRによる負極の変化2. 実験 ①の観察として,片方の電極の変化を6.4 Tの超伝導磁石NMRを用いて測定した.液体電解質は(C2H5)4NBF4をpropylene carbonateに溶解し調整した. Fig

参照

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