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COVERAGE INITIATED ON: 2017.05.01LAST UPDATE: 2018.06.28 当レポートは、掲載企業のご依頼により株式会社シェアードリサーチが作成したものです。投資家用の各企 業の「取扱説明書」を提供することを目的としています。正確で客観性・中立性を重視した分析を行うべく、 弊社ではあらゆる努力を尽くしています。中立的でない見解の場合は、その見解の出所を常に明示します。 例えば、経営側により示された見解は常に企業の見解として、弊社による見解は弊社見解として提示されま す。弊社の目的は情報を提供することであり、何かについて説得したり影響を与えたりする意図は持ち合わ せておりません。ご意見等がございましたら、[email protected] までメールをお寄せくだ さい。ブルームバーグ端末経由でも受け付けております。
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Coverage目 次
SRレポートの読み方:本レポートは、直近更新内容・業績動向セクションから始まります。ビジネスモデルに馴染みのない方は、事業内容セクショ ンからご覧ください。 要約 --- 3 主要経営指標の推移 --- 5 直近更新内容 --- 6 概略 --- 6 業績動向 --- 7 四半期実績推移 --- 7 中長期見通し --- 14 事業内容 --- 19 概要 --- 19 事業別概要 --- 25 コスト構造 --- 33 市場とバリューチェーン --- 34 SW(Strengths, Weaknesses)分析 --- 39 過去の財務諸表 --- 40 損益計算書 --- 40 貸借対照表 --- 53 キャッシュフロー計算書 --- 54 その他の情報 --- 55 沿革 --- 55 ニュース&トピックス --- 55 コーポレートガバナンスおよびトップマネジメント --- 58 配当方針 --- 58 大株主(2018 年 3 月 31 日現在) --- 59 主なグループ会社(2018 年 3 月 31 日現在) --- 59 従業員数 --- 59 企業概要 --- 60イグニス|3689
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Coverage要 約
事業概要
◤ 同社は、スマートフォン(スマホ)を中心としたアプリの企画・開発・運営・サービス提供を行っている。具体的に は、婚活サービス「with」を運営するコミュニティ事業(2017年9月期売上高構成比15.2%)「ぼくとドラゴン」を 運営するネイティブゲーム事業(同構成比76.1%)などである。コミュニティ事業を、成長ドライバーと位置付け、 第2の収益の柱に育成する計画である(2017年9月期売上高は前期比約6倍に成長)。また、VR(仮想現実)やAI(人 工知能)・IoT(モノのインターネット)に着目した新事業も本格始動を目指している。 ◤ 同社の特徴は、プロデューサーである同社創業者銭社長とエンジニアである鈴木CTOの2人の代表が市場選定し、お互 いが得意とする「創造」と「技術」を支えながら自ら現場を指揮していることである。また、同社は開発投資に関し て「本格的な開発に入る前のレビューの徹底とプロトタイプ完成後の積極投資」というプロジェクトマネジメントに よるコスト管理、スピードと品質を重視した開発体制で運営している。 ◤ 2010年の創業以来、同社は開発・運用体制を転換させてきた。同社は、2014年9月期までは200以上の小規模(開発期 間約1ヵ月、少人数で開発)無料ツールアプリを開発・運営し、それらアプリに広告を掲載することで、広告主から広 告収入を得ていた。しかし同社は、スマホアプリ市場で競合が新規参入する中で、小規模アプリの量産による広告収 入という広告主の予算に左右されるフロー型ビジネスから、消費者向け中・大規模アプリによるユーザー数を積み上 げるストック型ビジネスへと開発・運営の軸足を転換した。また同社は、収益モデルに関しても課金収益に軸足を寄 せて収益基盤の安定化を図ってきた。 ◤ 2015年2月リリースのスマホゲーム「ぼくとドラゴン」は、同社が開発に約1年をかけた、累計ダウンロード数350万 超、App Store売上高ランキング最高4位(2017年2月21日)のヒット作である(2016年9月期売上高は前期比2.9倍の 4,832百万円、2017年9月期は非開示だがSR社推定約4,000百万円)。「ぼくとドラゴン」は、基本無料でゲームを提 供し、ユーザーがバトルに必要なキャラクターやスキル、アイテムなどを入手する際に課金収入を得ている。 ◤ 2015年9月にWeb版、2016年3月にスマホ版がリリースされた婚活サービス「with」は、男性有料(平均会費は月約3 千円、会員登録のみは無料)、女性は基本無料のサービスである。登録会員数は90万人(2018年3月末現在)。同社 はオンラインでの婚活サービスで後発ながらも調査会社App AnnieによるiOS国内ソーシャルネットワーキングカテ ゴリの売上高ランキングで上位10位前後をキープしている。「with」の特徴は、心理学と統計学を用いた性格分析で 最適なマッチングサービス(後述)を提供していることにある。「with」の売上高寄与は大きくなってきており、第2 の収益柱となってきている。2018年2月から単月黒字となっており、増収に伴う利益拡大が期待される。 ◤ 同社は中期的な成長分野として、VR事業などの新規事業へ積極的な投資を行っている。VR事業を手掛ける子会社の パルス株式会社において、Virtual Live Platform(バーチャルライブプラットフォーム)「INSPIX」の自社開発を加 速し、有名IP誘致・新規IP制作および海外展開を本格的に始動する。業績動向
2016年11月11日に、同社は中期事業計画を発表した。最終年度の2020年9月期に連結売上高15,000百万円(2016年9月期 比2.7倍)、営業利益6,000百万円(同4.1倍)を目標に掲げている。同社は、ネイティブゲーム事業における新タイトル の投入と、コミュニティ事業における「with」の会員数拡大のほか、新規分野においてIoT(アイオーティー)*やVR(仮 想現実)関連ビジネスなど新事業創出での収益を見込んでいる。 *IoT(Internet of Things):様々なモノに通信機能を持たせ、自動制御や遠隔操作などを行うこと。イグニス|3689
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Coverage同社の強みと弱み
SR社では同社の強みを、自社IP(知的財産権)へのこだわりを背景とした収益性の高さ、話題性あるサービスの企画を 可能にする創造力、柔軟性のある経営、の3点と考えている。一方、弱みに関しては、「ぼくとドラゴン」への依存度の 高さ、新規スマホゲーム開発ラインを1本のみに絞り込むことによるリスクの大きさ、ともすれば基軸が定まらない総花 的経営、の3点と考えている。イグニス|3689
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Coverage主 要 経 営 指 標 の 推 移
出所:会社データよりSR社作成*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じた相違であることに留意。 *同社は2017年12月1日付で、1対2の株式分割を実施している。発行済は当該株式分割の影響を加味し、遡求修正を行った。
損益計算書 FY09/13 FY09/14 FY09/15 FY09/16 FY09/17 FY09/18 FY09/19 FY09/20
(百万円) 連結 連結 連結 連結 連結 会予 中計目標 売上高 875 2,048 2,419 5,586 5,578 4,400 15,000 YoY - 134.1% 18.1% 130.9% -0.1% -21.1% 売上総利益 527 1,433 1,741 4,675 4,480 売上総利益率 60.2% 70.0% 72.0% 83.7% 80.3% 販管費 219 871 1,780 3,200 4,396 YoY - 298.4% 104.2% 79.8% 37.4% 販管費率 25.0% 42.6% 73.6% 57.3% 78.8% 営業利益 308 562 -38 1,474 84 6,000 YoY - 82.1% - - -94.3% 営業利益率 35.3% 27.4% -1.6% 26.4% 1.5% 40.0% 経常利益 307 545 -149 1,465 71 YoY - 77.3% - - -95.1% 経常利益率 35.1% 26.6% -6.1% 26.2% 1.3% 親会社株主帰属当期純利益 201 310 -307 1,088 -36 YoY - 54.4% - - -当期純利益率 22.9% 15.1% -12.7% 19.5% -0.6% 一株当たりデータ(円、株式分割調整後) 期末発行済株式数(千株) 10,800 12,078 12,267 12,471 13,412 EPS(円) 18.59 28.06 -25.22 88.29 -2.72 EPS(希薄化後、円) - 27.97 - 84.42 -DPS(円) - - - - -BPS(円) 14.19 131.15 101.08 195.65 302.64 貸借対照表(百万円) 流動資産 369 1,891 1,050 3,086 4,737 現金・預金・有価証券 155 1,204 452 2,170 2,173 売上債権 171 559 375 396 614 その他流動資産 43 129 223 520 1,950 固定資産 149 248 917 1,246 1,555 有形固定資産 26 25 150 112 188 無形固定資産 1 41 209 486 476 投資その他の資産 122 181 558 648 891 資産合計 519 2,140 1,967 4,333 6,292 流動負債 312 543 609 1,390 1,396 買入債務 12 43 15 29 79 短期有利子負債 10 - 130 183 781 未払法人税等 198 257 179 814 22 その他流動負債 92 243 286 363 514 固定負債 54 13 120 445 760 長期有利子負債 41 - 15 340 617 その他 13 13 105 105 144 純資産 153 1,584 1,238 2,498 4,135 資本金 1 559 563 622 1,505 資本剰余金 - 558 562 620 1,390 利益剰余金 154 464 157 1,245 1,198 自己株式 - - -52 -52 -52 その他の包括利益累計額 -2 2 6 -3 4 新株予約権 - - 3 3 5 非支配株主持分 - - - 63 84 負債資本合計 519 2,140 1,967 4,333 6,292 キャッシュフロー計算書(百万円) 営業活動によるCF 230 94 -64 1,351 -1,931 投資活動によるCF -79 -102 -777 -123 -666 財務活動によるCF -19 1,047 87 497 2,594 財務諸表 有利子負債 51 - 145 523 1,397 ネットキャッシュ 104 1,204 307 1,647 776 ROA(総資産経常利益率) - 41.0% -7.2% 46.5% 1.3% ROE(自己資本純利益率) 370.1% 35.7% -21.8% 59.3% -1.1% 流動比率 119% 348% 172% 222% 339% 固定比率 97.4% 15.7% 74.1% 49.9% 37.6% 自己資本比率 29.5% 74.0% 62.8% 56.1% 64.3%
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Coverage直 近 更 新 内 容
概略
2018年6月28日、株式会社イグニスへの取材を踏まえてレポートを更新した。 2018年5月14日、同社は2018年9月期第2四半期決算、及び通期業績予想修正、及び繰延税金資産の取り崩しを発表した。 (決算短信へのリンクはこちら、業績予想修正のリリースへのリンクはこちら、繰延税金資産の取り崩しのリリースへの リンクはこちら、詳細は2018年9月期第2四半期決算の項目を参照) 2018年4月16日、同社への取材を踏まえてレポートを更新した。 過去の会社発表は、ニュース&トピックスを参照イグニス|3689
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Coverage業 績 動 向
四半期実績推移
出所:会社データよりSR社作成
*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じた相違であることに留意。
四半期業績推移(累計) FY09/16 FY09/17 FY09/18
(百万円) Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 (進捗率) 通期会予 売上高 1,322 2,611 4,036 5,586 1,417 2,829 4,110 5,578 1,290 2,470 56.1% 4,400 YoY 443.8% 415.4% 260.3% 130.9% 7.2% 8.3% 1.8% -0.1% -9.0% -12.7% -21.1% 売上総利益 1,140 2,203 3,388 4,675 1,172 2,346 3,330 4,480 1,011 1,817 売上総利益率 86.2% 84.4% 84.0% 83.7% 82.7% 82.9% 81.0% 80.3% 78.4% 73.5% 販管費 730 1,358 2,185 3,200 1,023 2,151 3,206 4,396 1,259 2,484 YoY 304.2% 230.7% 135.2% 79.8% 40.1% 58.3% 46.7% 37.4% 23.0% 15.5% 販管費率 55.2% 52.0% 54.1% 57.3% 72.2% 76.0% 78.0% 78.8% 97.6% 100.5% 営業利益 410 845 1,203 1,474 149 196 124 84 -248 -667 na YoY - - - - -63.7% -76.8% -89.7% -94.3% - -営業利益率 31.0% 32.3% 29.8% 26.4% 10.5% 6.9% 3.0% 1.5% -19.2% -27.0% 経常利益 406 840 1,198 1,465 136 185 113 71 -250 -674 na YoY - - - - -66.5% -78.0% -90.6% -95.1% - -経常利益率 30.7% 32.2% 29.7% 26.2% 9.6% 6.5% 2.7% 1.3% -19.4% -27.3% 親会社株主帰属当期純利益 230 895 1,001 1,088 67 92 11 -36 -233 -856 na YoY - - - - -70.7% -89.7% -98.9% - - -当期純利益率 17.4% 34.3% 24.8% 19.5% 4.8% 3.2% 0.3% -0.6% -18.1% -34.6%
四半期業績推移 FY09/16 FY09/17 FY09/18
(百万円) Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 売上高 1,322 1,289 1,425 1,550 1,417 1,412 1,281 1,468 1,290 1,181 YoY 443.8% 389.3% 132.2% 19.3% 7.2% 9.5% -10.1% -5.3% -9.0% -16.4% 売上総利益 1,140 1,063 1,185 1,286 1,172 1,174 984 1,150 1,011 805 売上総利益率 86.2% 82.5% 83.2% 83.0% 82.7% 83.2% 76.8% 78.3% 78.4% 68.2% 販管費 730 628 827 1,015 1,023 1,127 1,055 1,190 1,259 1,225 YoY 304.2% 173.0% 59.5% 19.4% 40.1% 79.5% 27.7% 17.2% 23.0% 8.6% 販管費率 55.2% 48.7% 58.0% 65.5% 72.2% 79.8% 82.4% 81.0% 97.6% 103.7% 営業利益 410 435 358 271 149 47 -72 -40 -248 -419 YoY - - - -1.2% -63.7% -89.2% - - - -営業利益率 31.0% 33.7% 25.2% 17.5% 10.5% 3.3% -5.6% -2.7% -19.2% -35.5% 経常利益 406 434 358 268 136 49 -72 -41 -250 -424 YoY - - - 8.2% -66.5% -88.8% - - - -経常利益率 30.7% 33.7% 25.1% 17.3% 9.6% 3.4% -5.6% -2.8% -19.4% -35.9% 親会社株主帰属当期純利益 230 665 106 87 67 25 -81 -46 -233 -622 YoY - - - -36.1% -70.7% -96.3% - - - -当期純利益率 17.4% 51.5% 7.4% 5.6% 4.8% 1.7% -6.3% -3.2% -18.1% -52.7%
事業別(累計) FY09/16 FY09/17 FY09/18
(百万円) Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 Q1 Q1-Q2 Q1-Q3 Q1-Q4 売上高 1,322 2,611 4,036 5,586 1,417 2,829 4,110 5,578 1,290 2,470 コミュニティ 17 36 60 137 136 336 557 849 336 726 ネイティブゲーム 1,233 2,411 3,699 5,048 1,168 2,300 3,247 4,247 800 1,545 メディア(その他) 71 164 276 401 112 193 305 482 154 198 ネイティブソーシャルゲーム(旧区分) 1,179 2,290 3,541 4,832 - - - -無料ネイティブアプリ(旧区分) 142 320 493 753 - - - -YoY 443.8% 415.4% 260.3% 130.9% 7.2% 8.3% 1.8% -0.1% -9.0% -12.7% コミュニティ - - - - 686.3% 842.0% 826.0% 521.3% 146.9% 115.8% ネイティブゲーム - - - - -5.3% -4.6% -12.2% -15.9% -31.6% -32.8% メディア(その他) - - - - 57.9% 17.5% 10.3% 20.2% 37.4% 2.6% ネイティブソーシャルゲーム(旧区分) - - 552.1% 192.5% - - - -無料ネイティブアプリ(旧区分) -40.8% -24.3% -14.4% -1.7% - - -
-事業別 FY09/16 FY09/17 FY09/18
(百万円) Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 売上高 1,322 1,289 1,425 1,550 1,417 1,412 1,281 1,468 1,290 1,181 コミュニティ 17 18 24 76 136 200 221 291 336 390 ネイティブゲーム 1,233 1,178 1,288 1,349 1,168 1,131 948 1,000 800 745 メディア(その他) 71 93 112 124 112 81 112 177 154 44 ネイティブソーシャルゲーム(旧区分) 1,179 1,111 1,251 1,291 - - - -無料ネイティブアプリ(旧区分) 142 178 173 260 - - - -YoY 443.8% 389.3% 132.2% 19.3% 7.2% 9.5% -10.1% -5.3% -9.0% -16.4% コミュニティ - - - - 686.3% 988.1% 802.6% 283.3% 146.9% 94.7% ネイティブゲーム - - - - -5.3% -4.0% -26.4% -25.9% -31.6% -34.1% メディア(その他) - - - - 57.9% -13.4% -0.3% 42.8% 37.4% -45.8% ネイティブソーシャルゲーム(旧区分) - - 172.0% 16.4% - - - -無料ネイティブアプリ(旧区分) -40.8% -2.7% 13.1% 36.8% - - - -FY09/18
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Coverage2018年9月期第2四半期累計(上半期)実績(2018年5月14日発表)
売上高 2,470 百万円(前期比 12.7%減) 営業損失 667百万円(前年同期は営業利益196百万円) 経常損失 674百万円(同経常利益185百万円) 親会社株主帰属四半期純損失 856百万円(同四半期純利益92百万円) 同社は、2017年9月期から事業区分を従来の「無料ネイティブアプリ」「ネイティブソーシャルゲーム」から、「コミュニティ」「ネイティブゲーム *」「その他」の3ジャンルへと整理し、スマートフォンアプリ事業を行ってきた。これら3つのジャンルを既存事業の柱とし、また、新規ジャンルへ の挑戦としてIoT、VR、その他領域において経営資源を投入している 同社は、2018年9月期上半期の業績動向や通期業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検証した結果、2018 年9月期第2四半期において、繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額として143百万円を計上した。業績に与 える影響及び繰延税金資産の取り崩しに伴う法人税等調整額の計上等は第2四半期決算に反映されている。 同社は、オンライン恋愛・婚活 サービス「with」などのコミュニティ、主力の『ぼくとドラゴン』をはじめとするネイ ティブゲーム*1、空地の有効活用と街の賑わい創出を目指したフードトラック・プラットフォーム 『TLUNCH』等のそ の他という3ジャンルを、既存事業と位置付けて展開している。 *1 ネイティブゲーム:App StoreやGoogle Playなどのプラットフォーム(アプリストア)を通じて端末にダウンロードして利用するネイティブアプリのうち、他のユーザー と協力してバトルを楽しむなど、コミュニケーションをとりながらプレイするオンラインゲームのこと
新規ジャンルへのチャレンジとしては、VR・AI・IoTなどの最先端技術に着目し、2017年9月期より積極的に経営資源を 投入してきた。VR分野では、2018年2月にVRを活用した新しい音楽体験の発明として、Virtual Live Platform「INSPIX」 の開発加速と新規IP創出、海外展開等を本格的に始動した。その他、VRタレントのマネジメントを専門とする株式会社 岩本町芸能社との業務提携契約を締結や、順天堂大学との共同研究として「VRアプリケーションによる慢性痛み刺激の 緩和の臨床研究」の開始など複数のプロジェクトを推進している。AI・IoTを活用した新規分野では、機械学習を用いた 自動外観検査装置などの開発・検証について愛知県豊田市内の自動車部品メーカーと提携し推進している。 コミュニティ事業 コミュニティ事業の売上高は727百万円(前年同期比115.8%増)と大幅増収となった。オンライン恋愛・婚活サービス 「with」を中心として、ユーザー数の増加を目指した先行投資として積極的なプロモーションを展開したこともあり、売 上高は、調査会社App AnnieによるiOS国内ソーシャルネットワーキングのカテゴリにおいて上位収斂した。また、他社 類似サービスとの差別化を図るべく、心理学を活用して最適な男女のマッチングを目指した「自己紹介文の自動生成機能」 や「クリスマス相性診断イベント」「メンタリストDaiGo監修の診断イベント機能」等の機能追加やイベントを継続的に 実施した。同社は、当該サービスにおいて、引き続きユーザビリティの向上及び積極的なプロモーションを展開すること でユーザー数の増加を図るとしている。 ネイティブゲーム事業 ネイティブゲーム事業の売上高は1,545百万円(前年同期比32.8%減)となった。「ぼくとドラゴン」が引き続き利益重 視の運営を行っている。具体的な取り組みとしては「まおう様ラッキーボックス」等の機能追加や「3周年記念キャンペー ン」「350万ダウンロードキャンペーン」、「THE KING OF FIGHTERS '98 コラボキャンペーン」など各種キャンペーン
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Coverage を実施した。同社は、今後も機能追加・改善・キャンペーンを実施し、ユーザー満足度の向上と業績の安定化に努めると している。また、2018年3月には新タイトルとして、「メガスマッシュ(コードネームGK)」の配信を開始した。 メディア(その他) メディア事業の売上高は193百万円(前年同期比2.6%増)となった。同事業は、ビジネスパーソン向けメディア「U-NOTE」、 「転職メディア『U-NOTE.CAREER」やフードトラック・プラットフォーム「TLUNCH」、並びにいずれのジャンルにも属 さないサービスにより構成している。主に「TLUNCH」においては、首都圏を中心に運営スペースと登録フードトラック 事業者数を拡大させており、運営スペースは2018年3月末時点で60スペース(前年同期比300.0%増)を超え急成長を遂 げ、日本最大級の規模に成長している。その他、中長期的な成長を見越し、新規分野としてVRやAI・IoTに着目したビジ ネスにも投資を積極的に行っている。 四半期売上高 出所:会社資料よりSR社作成 四半期営業利益 出所:会社資料よりSR社作成通期業績予想修正
同社は、2018年9月期上半期決算発表時に、通期売上高予想を期初の7,000百万円から4,400百万円に修正した。 修正の理由は、2018年3月にリリースしたスマートフォン向けゲームの新タイトル『メガスマッシュ』について、当初想 定していた売上高を下回って推移しており、現状のユーザー利用実績及び今後の方針を検討した結果、当該タイトルの通 期売上高が想定を下回る見通しとなったため。『メガスマッシュ』はリリース以降、ユーザー継続率、課金率が伸び悩ん でいたこともあり、新規キャラクターの追加や各種イベント施策を講じてきたが、継続率及び課金率の大幅な改善には至 らなかった。そのため、サービス終了も視野に運営体制の見直し、縮小を決定したとしている。 また、連結子会社であった株式会社mellowが連結要件を満たさなくなったことにより非連結子会社(持分法適用会社) となったことや、「INSPIX」を活用したVR 事業最大プロジェクトのサービス提供開始時期の調整等から、通期の売上高 見込額が減少したことも一因であるとしている。 1,322 1,289 1,425 1,550 1,417 1,412 1,281 1,468 1,290 1,179 0 500 1,000 1,500 2,000 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 FY09/16 FY09/17 (百万円) 410 435 358 271 149 47 -72 -40 -248 -419 (600) (400) (200) 0 200 400 600 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2FY09/16 FY09/17 FY09/18
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Coverage 同社では、安定収益基盤の確立と更なる成長に向けた事業の多面展開を図っており、マーケットの拡大が見込まれるオン ライン婚活サービスや、VR技術を活用したサービス等の開発・運営体制強化に注力するとしている。そのため、選択と 集中の観点から『メガスマッシュ』の運営にかかるリソースは他事業へのシフトを検討する。 なお、各利益については、事業投資にかかる経費等、不確定要素が多く存在するため公表していない。 過去の四半期実績と通期実績は、過去の財務諸表へイグニス|3689
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Coverage2018年9月期会社計画
出所:会社データよりSR社作成 *表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じた相違であることに留意。 2018年5月14日、同社は、2018年9月期上半期決算発表と同時に、2018年9月期通期売上高予想を期初の7,000百万円から 4,400百万円に修正した。 修正の理由は、2018年3月にリリースしたスマートフォン向けゲームの新タイトル『メガスマッシュ』について、当初想 定していた売上高を下回って推移しており、現状のユーザー利用実績及び今後の方針を検討した結果、当該タイトルの通 期売上高が想定を下回る見通しとなったため。『メガスマッシュ』はリリース以降、ユーザー継続率、課金率が伸び悩ん でいたこともあり、新規キャラクターの追加や各種イベント施策を講じてきたが、継続率及び課金率の大幅な改善には至 らなかった。そのため、サービス終了も視野に運営体制の見直し、縮小を決定したとしている(注:2018年5月18日に、 同年7月18日15:00をもって『メガスマッシュ』のサービスを終了することを発表した*1)。 *1 同社によれば課金の払い戻しを2018年7月以降に行うとのこと また、連結子会社であった株式会社mellowが連結要件を満たさなくなったことにより非連結子会社(2018年9月期下半 期からは持分法適用会社)となったことや、VR事業最大プロジェクトのサービス提供開始時期の調整等から、通期の売 上高見込額が減少したことも一因であるとしている。 同社では、安定収益基盤の確立と更なる成長に向けた事業の多面展開を図っており、マーケットの拡大が見込まれるオン ライン婚活サービスや、VR技術を活用したサービス等の開発・運営体制強化に注力するとしている。そのため、選択と 集中の観点から『メガスマッシュ』の開発・運営に関わってきた人的リソースは他プロジェクトへのシフトを検討する*2。 *2次に投入するネイティブゲームについては、現在、発表できる段階ではないとしている。基本的な考え方としては、収益見通しの立ちやすい手堅 いジャンルを展開すると同時に、当たれば大きな収益が見込めるチャレンジジャンルにも取り組むとしている。手堅いジャンルとチャレンジジャン ルのバランスをとりながら開発・運営を行う方針とのこと。 なお、各利益については、事業投資にかかる経費等、不確定要素が多く存在するため公表していない。2018年9月期業績は21.1%減収を計画
同社は中期事業計画として、2020年9月期に売上高を15,000百万円、営業利益を6,000百万円とすることを掲げている。 これを実現するため、既存事業の収益基盤拡大のみならず新規事業投資についても積極的に取り組んでいる。しかし、当 2018年9月期の連結売上高見通しについては、前述の通り、期初の7,000百万円から4,400百万円に同社は修正した。営業 利益、経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益については、2017年9月期決算発表日現在において不確定要素 が多く存在するため、公表していない。 業績推移 FY09/13 FY09/14 (百万円) 通期実績 通期実績 通期実績 1H実績 2H実績 通期実績 1H実績 2H実績 通期実績 通期会予 売上高 875 2,048 2,419 2,611 2,975 5,586 2,829 2,749 5,578 4,400 YoY - 134.1% 18.1% 415.4% 55.5% 130.9% 8.3% -7.6% -0.1% -21.1% 営業利益 308 562 -38 845 630 1,474 196 -112 84 YoY - 82.1% - - 208.6% - -76.8% - -94.3% 営業利益率 35.3% 27.4% -1.6% 32.3% 21.2% 26.4% 6.9% -4.1% 1.5% 経常利益 307 545 -149 840 625 1,465 185 -113 71 YoY - 77.3% - - 402.0% - -78.0% - -95.1% 経常利益率 35.1% 26.6% -6.1% 32.2% 21.0% 26.2% 6.5% -4.1% 1.3% 親会社株主帰属当期純利益 201 310 -307 895 193 1,088 92 -128 -36 YoY - 54.4% - - 4,361.4% - -89.7% - -当期純利益率 22.9% 15.1% -12.7% 34.3% 6.5% 19.5% 3.2% -4.6% -0.6%イグニス|3689
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Coverage新しい事業ポートフォリオによる運用体制の強化
同社は、2017年9月期から事業区分を従来の「無料ネイティブアプリ」「ネイティブソーシャルゲーム」から、「コミュ ニティ」「ネイティブゲーム」「その他」に変更した。同社は、これら3つのジャンルを既存事業の柱とし、また、新規 ジャンルへの挑戦としてIoT、VR、その他領域において経営資源を投入している。枠組み変更を通じた新しい事業ポート フォリオによる運用体制強化によって、収益力の向上を図っている。 同社によれば、2017年9月期における先行投資によって事業ポートフォリオを拡大し、ライフハック事業が立ち上がり、 VR事業も方向が定まってきたとのことである。ネイティブゲーム事業において「ぼくとドラゴン」で創出するキャッシュ フローを、次期成長ドライバーとなるオンライン恋愛・婚活サービス「with」を運営するコミュニティ事業や、新分野で あるライフハック事業(自動カーテン開閉機「めざましカーテン mornin’」と、ビルの空地とフードトラック事業者を マッチングさせるフードトラック・プラットフォームの「TLUNCH」)とVR事業などへ積極的に先行投資を行った。 2018年9月期以降は、ネイティブゲーム事業「ぼくとドラゴン」、コミュニティ事業「with」、ライフハック事業「mornin’」 「TLUNCH」を基盤収益事業として、VR事業を積極的投資事業として、それぞれ推進していく。 VR事業同社はVR事業を行う子会社のパルス株式会社において、Virtual Live Platform(バーチャルライブプラットフォーム) 「INSPIX」の自社開発を行っている(「事業内容」の章に詳述)。パルスでは、新規IP創出に必要な全てのリソース(例 えば、コンテンツ制作、VRタレントのマネジメント等)を有していると同社では考えている。 「INSPIX」で進めている複数のIP創出プロジェクトのうち、今後展開予定のVR最大規模のプロジェクトは、ローンチのタ イミングが2019年9月期以降にズレ込む。詳細はまだ明らかにされていないが、同社によれば、スマートフォンアプリと VRライブを組み合わせた大型IP展開である模様。 2017年末以降、日本において、バーチャルキャラクターのYouTuber達が人気を集めている。例えば、世界初のバーチャ ルYouTuberを自称する「キズナアイ」*1によるYouTubeチャンネル「A.I.Channel」と「A.I.Games」では、登録者が2018 年4月現在延べ2.4百万人を超え、総視聴回数は140百万回を超えている。一方、パルスでも、「INSPIX」を活用して、VR タレント事務所「岩本町芸能社」所属のVR女性アイドルグループ「えのぐ」*2のライブ配信を、ニコニコ生放送、YouTube Live、SHOWROOMで行っている。「えのぐ」はCDデビューが決定している。ライブチケット、グッズ、CD、ゲームの 販売や、ファンクラブ運営などによる、マネタイズが想定される。 *1 Activ8株式会社が開発した日本のバーチャルYouTuber。3DコンピューターグラフィクスによるキャラクターアニメーションをYouTubeに投稿する 「バーチャルYouTuber」。自称「世界初のバーチャルYouTuber」。 *2 鈴木あんずと白藤環(しらふじたまき)の2人(あんたま)に、日向奈央(ひなたなお)、栗原桜子(くりはらさくらこ)、夏目ハルの3人を加え た5人のVR女性アイドルグループ。同社ではバーチャルYouTuberの後には、VRアイドルの認知が世の中で進むと考えている。複数名のVRアイドルが 歌と踊りのパフォーマンスをVR上でライブ配信するという取り組みは、現VRマーケット環境下において革新的なものと言える。
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Coverage事業ポートフォリオにおけるキャッシュフローのイメージ
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Coverage中 長 期 見 通 し
中期事業計画
同社は、2016年11月11日に中期事業計画を発表した。同社は、最終年度である2020年9月期に連結売上高15,000百万円 (2016年9月期比2.7倍)、営業利益6,000百万円(同4.1倍)を目標に掲げている。営業利益率に関しては、2016年9月期 26.4%から2020年9月期は40.0%まで拡大する見通しだが、コミュニティ事業や、今後立ち上げ予定の新規事業が2020年 9月期に収益貢献することなどが主な理由となっている。 2018年5月に、同社は2018年9月期の連結売上高見通しを従来の7,000百万円から4,400百万円へ下方修正した(「2018年 9月期会社計画」の段に詳述)が、2020年9月期の中期計画目標値については継続している。 同社業績と中期事業計画における2020年9月期目標数値(2018年5月修正発表時点) 出所:会社資料よりSR社作成 同社は、中期事業計画において、1)既存事業における収益力の維持・強化、2)新事業創出、を掲げている。以下は、 それぞれの概要である。既存事業における収益力の維持・強化
既存3事業(コミュニティ事業、ネイティブゲーム事業、その他事業(主にメディア事業)では、現在提供しているサー ビスを軸に収益力の強化を図る計画である。 コミュニティ事業 コミュニティ事業では、オンライン恋愛・婚活サービス「with」において機能拡充によってユーザーに対する利便性の強 化を図る計画である。具体的には、ユーザーインターフェースの改善やアルゴリズムを用いたサービスの高度化である。 2020年9月期までに、同社では「with」の更なる会員数増加を目指している。 ネイティブゲーム事業 ネイティブゲーム事業では、「ぼくとドラゴン」のユーザー数とARPPU(課金ユーザー1人あたり平均売上高)の堅調な 推移により、長期にわたるキャッシュカウ(CashCow)としての足場固めを計画している。また、コスト面での無理な ライン増加をせず、タイトル1本ずつ「ユーザー体験」を重視した設計を行うとしている。同社は、新規タイトル(コー ドネーム:「GK」改め「メガスマッシュ」)として3Dアクションゲームを開発し、2018年3月28日に配信を開始した。 (注:2018年5月18日に、同年7月18日15:00をもって『メガスマッシュ』のサービスを終了することを発表した*1)。 *1 同社によれば課金の払い戻しを2018年7月以降に行うとのこと 875 2,048 2,419 5,586 5,578 4,400 15,000 308 562 -38 1,474 84 6,000 (1,000) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 (2,000)0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 連結 連結 連結 連結 連結 会予 中計目標FY09/13 FY09/14 FY09/15 FY09/16 FY09/17 FY09/18 FY09/19 FY09/20
売上高 営業利益(右軸)
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Coverage その他事業 その他事業では、主に既存サービスであるビジネスパーソン向けメディア「U-NOTE」とキャリアにフォーカスしたメディ ア「U-NOTE. CAREER」により、メディア事業の収益力の維持向上を目指している。新事業創出
同社は、2020年9月期までの中期事業計画において、ライフハック事業、VR事業、名称非公表の新事業、という新事業創 出を計画している。同社はVR事業を除くこれら新事業に関し、最終年度である2020年9月期には、全て収益貢献する事業 まで育てることを計画している。2017年9月期通期決算説明資料によると、具体的には、新事業営業利益の構成比として、 2019年9月期15%、2020年9月期30%まで高める計画となっている。以下は、ライフハック事業とVR事業の概要である。 ライフハック事業 IoT関連 ライフハック事業では、同社の持分法適用会社でIoT*のベンチャー企業である株式会社ロビットが、2016年7月13日に自 動カーテン開閉機「めざましカーテンmornin’(モーニン)」を発売開始した。スマホ等でカーテンの開閉が可能となる アイデア家電「めざましカーテンmornin’」は、本体をカーテンレールに装着して使用する。専用アプリを用いて開閉時 間を設定することで、設定時間になると自動でカーテンが開いて太陽の光により快適に目覚められるという。2017年12 月末現在の累計販売個数は33,000個を突破している(販売価格は税込みで3,985円)。なお、2018年2月には機能拡充さ せた新型「めざましカーテン mornin’ plus」(販売価格は税込みで7,538円)を発売、同時に乃木坂46等とコラボした 限定モデル(販売価格は税込みで9,980円)も期間限定で販売した。 *IoT(Internet of Things):様々なモノに通信機能を持たせ、自動制御や遠隔操作などを行うこと。 フード関連 同社が54.2%出資する連結子会社である株式会社mellow*1は、「ビルの空地」と「フードトラック*2事業者」をマッチン グさせる、フードトラック・プラットフォーム「TLUNCH(トランチ)」を運営している。2016年2月の設立以降、首都 圏を中心に運営スペース数と提携事業者数を拡大させ、現在では日本最大級のフードトラック・プラットフォームに成長 している。今後も流通総額の拡大を図っていく。 *1 2018年9月期上半期決算発表にて連結要件を満たさなくなったことを発表している。 *2 フードトラック:専門店のシェフが移動販売車で出来たての料理を提供する新しい飲食業態 VR事業 2016年11月に同社は、VR(Virtual Reality:仮想現実)事業への進出と子会社(パルス株式会社、代表取締役は同社の銭 社長)の設立に関して発表した。同社では、銭社長がVRを体験した際に感情を揺さぶられたことがきっかけとしてVR事 業への進出を決めた。VRコンテンツの企画・開発・運営としている。パルス株式会社には、作詞家で知られる秋元康氏、 日本におけるAI(人工知能)・ディープラーニング研究の第一人者で東京大学大学院の特任准教授の松尾豊氏、メンタリ ストで知られるDaiGo氏の3名が資本参加を表明している。 パルス社においては、2016年12月には第0弾企画と題し、順天堂大学教授(堀江教授、川戸教授)とのVR技術応用に関す る共同研究として、「認知症の防止並びに進行遅延効果のあるVRコンテンツの研究開発」を発表している。また、「痛 み軽減効果へのVR技術応用」についても研究を進めている。同社によれば、順天堂大学教授と臨床試験を開始したこと を2018年4月10日に順天堂大学側からも発表している。パルス社への資本参加者3名の協力により、同企画に限らず、他イグニス|3689
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Coverage に複数の企画・開発を進めているという。それぞれの企画は、クオリティの高いサービス・コンテンツ提供を目指し、慎 重に開発を進めているもようであり、進捗に応じて適宜詳細内容を公表するとしている。 同社は、今後のサービスの普及拡大と急成長が見込まれるVR・AI・IoT等の最先端技術に着目し、2017年9月期より積極 的に経営資源を投入してきた。VR事業におけるサービス提供に関しては、品質を高めることが最も重要と考え、開発に は十分な時間をかけて将来の収益貢献ができる事業に育成させたいとしている。 パルス社は、2017年11月、VRを主な活動の場とするタレントのマネジメントを専門とする世界初の芸能事務所である岩 本町芸能社との業務提携を発表している。岩本町芸能社がプロデュースするVRアイドル鈴木あんずと白藤環(しらふじ たまき)の通称「あんたま」は人気がでており、同社は岩本町芸能社へ技術面・資金面で全面的に支援し、VRアイドル 事業を進めていく。VR領域でこれまでにないような斬新なユーザー体験を提供していく考えであり、現在複数のプロジェ クトを計画中であるとのこと。岩本町芸能社は、インターネット生放送にてユニバーサルミュージックからのCDデビュー が決まったことを発表している(2017年10月)。また、パルス社自社開発の大型プロジェクトとして、Virtual Live Platform 「INSPIX」を発表している(2018年2月)。VRアイドル「あんたま」は、新たに3名のメンバーが加わり5名のVRアイドル 「えのぐ」として始動し、「INSPIX」を活用し初オリジナル曲をライブ配信した(2018年5月)。 新規事業 また、株式会社ロビットは、2017年10月27日、自動車産業の一大集積地である愛知県豊田市に本社を置く自動車部品メー カー2社と連携し、機械学習を用いた自動外観検査装置の開発・検証を開始することを発表した。国内の工場で、製造工 程においては自動化が進んでいるものの、検査工程においてはまだ完全な自動化はされていない状況であり、検査員の五 感に頼る部分が多いとのこと。また、技術力を支えてきた技能者の高齢化や労働人口の減少も進んでいる中で、検査員の 確保は年々難しくなっているという。そのため、検査工程の自動化は自動車部品メーカーにとって重要な経営課題となっ ている。従来の自動外観検査装置は対象の部品毎に専用のハードウェアを開発する必要があったが、株式会社ロビットが 開発する自動外観検査装置は機械学習とロボット技術を活用することで、コストパフォーマンスが向上し、少ないサンプ ルで多様な部品と不良に対応可能であるという。ハードウェアとソフトウェアのどちらも設計できる強みを自動外観検査 装置の開発・検証に活かしていく。尚、本提携は、豊田市によるオープン・イノベーション支援の一環であり、株式会社 ロビットは豊田市の支援のもと、市内製造企業の生産性向上と新規事業創出、社会全体の課題解決に貢献していく。なお、 2018年2月には成果発表会「DemoDay」に参加し、「自動外観検査装置」のデモ機をお披露目し、多くの製造業者から 高い評価を得た模様。投資戦略
同社の中期事業計画では、中期的にゲーム依存の収益体質から収益構造が下図のように変わっていくとしている。 成長のステップ(投資戦略) 出所:会社資料よりSR社作成 15% 30% 新規事業の 営業利益(目安) 新規事業の 営業利益(目安) 2017年9月期 2018年9月期会予 2019年9月期会予 2020年9月期会予 既存事業の 営業利益 既存事業の 営業利益 既存事業の 営業利益 85% 70% 事業投資に注力 (種まき)イグニス|3689
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Coverage財務戦略
同社は、中長期の事業成長を見据えたサービス開発・運営を行っていくために、積極的な人材採用・教育などの人的投資、 ユーザー集客のためのプロモーションを中心とした広告宣伝投資を目的とした資金調達が必要と考えている。 新株予約権の発行 こうした考えのもとで、2016年5月17日に同社は、割当先をドイツ銀行ロンドン支店、割当日を2016年6月2日、3回にわ たる新株予約権発行数の合計6,200個、潜在株式数620,000株、資金調達額約4,315百万円(差引手取概算額)という第三 者割当てによる新株予約権(第10回のみ行使価額修正選択権付)の発行および新株予約権買取契約(行使許可条項付・ ターゲット・イシュー・プログラム「TIP」)による資金調達を発表した。 この「TIP」という手法は、同社が新株式の発行に際して希望する目標株価(ターゲット価格)を3パターン定め、これ を行使価額として設定した新株予約権である(詳細下表)。これは、同社の事業拡大による成長と将来における同社株価 の上昇を見越し、3パターンの行使価額によって、段階的に新株式を発行(ターゲット・イシュー)できることを期待し て設定したものである。 第8回新株予約権 第9回新株予約権 第10回新株予約権 発行数 1,550個 2,170個 2,480個 発行価額の総額 726,950円 438,340円 257,920円 発行価額 469円 202円 104円 行使価額 3,600円 5,900円 10,000円 「行使価額の修正」の項目 無 無 有 行使期間 2年間 2年間 2年間 行使許可条項 有 有 有 出所:会社資料よりSR社作成 同社は、新株予約権の発行で調達する資金の具体的な使途として、以下の3つを掲げている。 具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期 スマートフォン向けアプリ事業拡大のためのエンジニアなどの人材の採用・育成などに係る人件 費など 940 2016年6月~2018年9月 無料ネイティブアプリ事業に係るユーザー集客のための広告宣伝費 1,118 2016年6月~2018年9月 ネイティブソーシャルゲーム事業に係るユーザー集客のための広告宣伝費 2,256 2016年6月~2018年9月 出所:会社資料よりSR社作成 上記の第8回から第10回までの3回にわたる新株予約権のうち、第8回と第9回については2016年11月までに権利行使がす べて完了し、同社は合計で1,838百万円の資金調達を行った。 また、2018年3月5日には、同社は、ドイツ銀行ロンドン支店を割当予定先とする第三者割当による第14回・第15回・第 16回新株予約権の発行、及び割当予定先との新株予約権買取契約(行使停止条項付・ターゲット・イシュー・プログラ ム「TIP」*)を締結することを決議した。 当該新株予約権の内容 割当日 2018年3月22日 発行新株予約権数 17,000個 第14回新株予約権 10,000個 第15回新株予約権 3,500個 第16回新株予約権 3,500個イグニス|3689
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Coverage 発行価額 総額12,061,500円 (第14回新株予約権1個当たり790円、第15回新株予約権1個当たり677円、第16回新 株予約権1個当たり512円) 当該発行による潜在株式数 1,700,000株(議決権ベースの希薄化は12.67%) 第14回新株予約権 1000,000株 第15回新株予約権 350,000株 第16回新株予約権 350,000株 資金調達の額 7,262,061,500円(差引手取概算額: 7,242,161,500円) 行使価額 当初行使額 第14回新株予約権 3,050円 第15回新株予約権 5,000円 第16回新株予約権 7,000円 募集又は割当方法 (割当予定先) 第三者割当の方法によりドイツ銀行ロンドン支店に割り当てる 当該新株予約権行使期間 2018年3月23日~2021年3月22日 出所:会社資料よりSR社作成 調達する資金の使途 調達する資金の具体的な使途 金額 支出予定時期Virtual Live Platform「INSPIX」開発・運営のための国内・海外における人 材採用等に係る人件費、海外拠点立ち上げ・専用スタジオ建設等のコンテン ツ拡充の投資、ユーザー集客のための 広告宣伝費等 5,242百万円 2018年3月~2021年3月 コミュニティ事業に係るユーザー集客のための広告宣伝費 2,000百万円 ターゲット・イシュー・プログラム「TIP」 :第15回・第16回新株予約権については、ターゲット・イシュー・プログラム「TIP」を採用しており、 この手法は、同社が新株式の発行に際して希望する目標株価(ターゲット価格)を定め、これを行使価額として設定した新株予約権である。将来の 株価上昇を見越し、異なる行使価額によって、段階的に新株式を発行(ターゲット・イシュー)できることを期待して設定したものである。また行 使停止条項により、同社株価動向等を勘案して、同社が割当予定先による当該新株予約権の行使を希望しない場合には、停止指定期間を指定するこ とができる。第15回・第16回新株予約権において、行使価額は原則としてターゲット価格に固定されるが、第16回新株予約権については、同社は行 使価額修正に関する選択権を保有している。なお、第14回新株予約権はTIPではないが、行使停止条項は付されている。 株式分割の実施 同社は2017年11月13日、同年11月30日を基準日、12月1日を効力発生日として、普通株式1株を2株に株式分割した。
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Coverage事 業 内 容
概要
ビジネスモデル
同社は、スマートフォン(スマホ)を中心としたサービス(アプリ)の企画・開発・運営を行っており、「コミュニティ 事業」「ネイティブゲーム事業」「その他事業」*という3つの事業を有する。 *同社は、2017年9月期から事業区分変更を通じた運用体制強化によって収益力の向上を図るとし、従来の「無料ネイティ ブアプリ」「ネイティブソーシャルゲーム」から、「コミュニティ」「ネイティブゲーム」「メディア(その他)」に変 更されている。 このため、本レポートでは、2017年9月期以降に関する記載は、「コミュニティ」「ネイティブゲーム」「メディア(そ の他)」による新区分を、2016年9月期以前に関しては従来の「無料ネイティブアプリ」「ネイティブソーシャルゲーム」 の2つからなる旧区分を適用している。 「ネイティブゲーム事業」では、子会社・株式会社スタジオキングがスマホゲームの「ぼくとドラゴン」の企画・開発・ 運営を行っている。「ぼくとドラゴン」は基本無料のソーシャルゲームである。同社はゲーム内で使用する希少なキャラ クターなどを求めるプレイヤーから、一部課金によりそれらを入手できる「ガチャ」と呼ばれる仕組みを設けており、そ れによる課金収入を得ている。 「コミュニティ事業」では、同社と子会社・株式会社アイビーがオンライン恋愛・婚活サービス「with」の企画・開発・ 運営を行っており、婚活サービスを提供して利用者から月額課金収入を得ている。なお、課金対象は男性ユーザーである。 その他事業では、主に子会社の株式会社U-NOTEがビジネスマン向けにメディアサービス「U-NOTE」を提供し、主に企 業から成果報酬型の広告収入を得ている。 すなわち、同社の売上高は個人消費者からの課金収入(2017年9月期売上高構成比約90%)と企業からの広告収入など(同 約10%)で構成されている。また、同社グループにおける各事業の経営は事業会社単位で行われており、同社はそれぞ れの事業における経営責任の明確化と機動的な運営を重視している。 同社のビジネスモデルと方向性 出所:会社資料よりSR社作成イグニス
広告収入モデル ゲーム 非ゲーム 課金収入モデル 「ぼくとドラゴン」 「with」 「U-NOTE」イグニス|3689
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Coverage 事業別売上高 出所:会社データよりSR社作成 2017年9月期における売上高構成比は、「ネイティブゲーム」が76.1%を占めており、「コミュニティ」が15.2%、「そ の他」が8.6%となっている。コミュニティ事業の成長性は高く、当事業の売上高構成比は2016年9月期の2.4%から2017 年9月期は15.2%へ拡大している。同社はコミュニティ事業を収益柱に育成する計画である。2013年9月期~2016年9月期の営業利益率は25%以上(2015年9月期を除く)
同社の売上高は、2010年の創業、2016年9月期まで6期連続の増収(2012年9月期以前は単独)を達成した。黎明期のス マホアプリ広告市場拡大による恩恵と、ソーシャルゲーム「ぼくとドラゴン」のヒットによる効果が増収に寄与した。 2017年9月期は注力しているコミュニティ事業が、オンライン恋愛・婚活サービス「with」の伸長により、前期比521.3% 増収となるも、主軸の「ぼくとドラゴン」が発売開始後2年半を経過したことなどにより減収となり、全体の売上高は2016 年9月期並みとなった。 営業利益に関しては、開発・運用体制転換によって赤字となった2015年9月期を除けば、上場により開示された2013年9 月期以降2016年9月期までの期間においては営業利益率は25%以上を記録した。これは、同社が扱うスマホアプリの収益 性が高いこと(限界利益率は課金収入からプラットフォーム手数料約30%を除いた約70%)と、2015年9月期以降に開発 ライン数を限定してコストコントロールを行ってきたことが理由となっている(「ネイティブゲーム事業」は2ラインの み)。2017年9月期においては、既存事業の強化のための事業投資や、新プロダクト開発や新規事業立ち上げに向けた先 行投資などにより、前期比94.3%営業減益となった。 同社連結業績 出所:会社資料よりSR社作成事業別業績 FY09/13 FY09/14 FY09/15 FY09/16 FY09/17
(百万円) 連結 連結 連結 連結 連結 売上高 875 2,048 2,419 5,586 5,578 コミュニティー - - - 136 848 ネイティブゲーム - - - 5,048 4,247 その他 - - - 400 481 <旧事業区分> ネイティブソーシャルゲーム 8 349 1,652 4,832 -無料ネイティブアプリ 866 1,697 766 753 -YoY - 134.1% 18.1% 130.9% -0.1% コミュニティー - - - - 521.3% ネイティブゲーム - - - - -15.9% その他 - - - - 20.2% <旧事業区分> ネイティブソーシャルゲーム - 4,262.5% 373.4% 192.5% -無料ネイティブアプリ - 96.0% -54.9% -1.7% -構成比 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% コミュニティー - - - 2.4% 15.2% ネイティブゲーム - - - 90.4% 76.1% その他 - - - 7.2% 8.6% <旧事業区分> ネイティブソーシャルゲーム 0.9% 17.0% 68.3% 86.5% -無料ネイティブアプリ 99.0% 82.9% 31.7% 13.5% -11 81 202 875 2,048 2,419 5,586 5,578 35.3% 27.4% -1.6% 26.4% 1.5% -10% 10% 30% 50% 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 単独 単独 単独 連結 連結 連結 連結 連結
FY09/10 FY09/11 FY09/12 FY09/13 FY09/14 FY09/15 FY09/16 FY09/17
売上高 営業利益率(右軸)
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Coverageビジネスモデルの変貌
2010年の創業以来、同社は開発・運用体制を転換させてきた。同社は、暗中模索のなかで広告コンサルティング、小規 模スマホアプリの開発・運営などによって、成功と失敗の両方を経験してきた。同社は、スマホアプリ市場における競争 が激化するなかで、フレキシブルにビジネスモデルを変えながらこれを乗り越えてきたのである。以下は、現在の同社事 業ポートフォリオが形成されるまでのいきさつである。 創業期:2010年から2012年中頃 2010年5月に創業者である銭錕氏(現・同社代表取締役社長)が、株式会社シーエー・モバイル(株式会社サイバーエー ジェント(東証1部4751)子会社)での経験を経て同社を設立した。設立後、同社は広告コンサルティングとともに、ス マホアプリの企画・開発・運営を行っていた。 スマホアプリの開発を進めるなかで、同社は「モノづくり」のためには優秀なエンジニアが必要と考え、インターネット 業界への知見を有する第一人者である佐藤裕介氏(現・同社社外取締役、2018年2月1日付で株式会社フリークアウトホー ルディングス(東証マザーズ6094)取締役国内広告事業管掌 兼 新領域事業管掌に就任)の紹介により、当時、株式会 社ファーストタイプ代表取締役であった鈴木貴明氏(現・同社代表取締役CTO)を2011年11月に同社取締役として迎え 入れた。 その後、同社はLINE株式会社(東証1部3938、当時未上場)のスマホアプリ「LINE」(2011年6月にサービス開始)と同 時期に同様のグループチャットサービス「peep」の開発を手掛けた。銭社長は「peep」の世界同時展開を実現しようと、 サンフランシスコ、北京、香港に出向いた。しかし、同社は市場投入のタイミングにおいて「LINE」に後れを取り、2012 年5月のリリースから2週間で「peep」プロジェクトから撤退している。 確立期:2012年中頃から2014年中頃 「peep」プロジェクトの失敗という反省を踏まえ、銭社長は鈴木取締役と事業拡大に向けて、「モノづくり」の開発体制 の整備に向けて動き出す。こうして、現在の同社における「2代表制」の原型となる体制(銭氏がアプリの企画・立案を 主導し、鈴木氏がそれを技術面で支える体制)がスタートした。同社では、「peep」の失敗と新しい体制作りを行った 2012年5月を第2の創業と位置付けている。 その後、同社は「モノづくり」に重要な存在となるエンジニアを育成するために人事評価体制を整備し、さらに優秀なエ ンジニアを外部から採用した。こうして、同社は小規模(開発期間約1ヵ月、少人数で開発)のスマホアプリを中心に、 開発を加速させた。2012年5月にリリースした、銭社長企画の「サクサク for iPhone」(使用中のメモリー領域のうち、 不要となったメモリー領域を明示的に開放させることで、スマホ端末の動作速度を回復させるツールアプリ)のヒットを 皮切りに、2014年中頃までの2年間で開発したスマホアプリは200を超え、70%以上が10万ダウンロードのヒット作と なった。 また同社は、他のユーザーとコミュニケーションをとりながらプレイすることによって、ライフサイクルが比較的長期間 にわたる特徴を持つソーシャルゲームの開発に着手し、事業領域を拡大させた。2013年5月にリリースされた「神姫覚醒!! メルティメイデン」(2014年9月に売却)は、同社の第1弾のソーシャルゲームである。さらに、2013年8月に同社は、全 巻無料型ハイブリッドアプリ*の開発・運営を目的として株式会社イグニッションを設立し、「サラリーマン金太郎」** などの漫画アプリをリリースしている。 *全巻無料型ハイブリッドアプリ:あるコンテンツ(主に漫画)に対し、一部無料で提供し、さらにコンテンツを楽しむユーザーは課金購入によって 続きを楽しむことができるアプリのこと。同社にとっては、収益源が広告収入と課金収入の両方(ハイブリッド型)となっている。イグニス|3689
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Coverage **サラリーマン金太郎:1994年から週刊ヤングジャンプに掲載された本宮ひろ志氏による人気漫画のこと。 転換期:2014年中頃から2016年中頃 スマホアプリ市場の拡大が続く一方で、新規参入によって競合が激化した。また、ユーザーがこれまで以上に高品質のア プリを求めるようになったため、同社はそれまでのように小規模のアプリでのマネタイズが難しくなってきた。また、収 益の大半を広告収益が占めていたことから、広告マーケットの景気に左右される収益モデルを課題と感じていた。そのた め同社は、小規模アプリの量産によるフロー型ビジネスから、中規模・大規模アプリであり、ユーザーを積み上げていく ことができるストック型ビジネスへと開発・運営の軸足を転換した。さらに同社は、収益モデルも課金収益に軸足を寄せ て収益基盤の安定化を図ってきた。 その後、同社は第2弾のネイティブソーシャルゲーム開発に着手し、約1年をかけて2015年2月に「ぼくとドラゴン」をリ リースした。また、同社は婚活サービスの開発にも着手し、2015年9月にWeb版「with」、2016年3月にスマホ版「with」 をそれぞれリリースした。このように、ライフサイクルの長いソーシャルゲームと月額有料会員による婚活サービスとい う、ストック型ビジネスの基盤が確立された。 同社における開発スタイルの変遷(「小規模量産」から「大規模開発スタイル」へ) 出所:会社資料よりSR社作成 事業領域拡大期:2016年中頃以降 現在、同社は社内におけるほぼすべての経営資源を大規模開発に振り向けているが、これまでの小規模アプリと比較して 大規模アプリの開発は、より多くの課題が発生し、「ぼくとドラゴン」を生み出すまでに数多くの失敗を経験したという。 同社は、こうした失敗経験をもとにプロジェクトマネジメント***を重視し、業界構造とチーム力の分析によって、成功 確率を向上させる努力を行っている。 ***プロジェクトマネジメント:チームに与えられた目標を達成するために、人材・資金・設備・スケジュールなどをバランスよく調整し、全体の進 捗状況を管理する手法のこと。 同社は、こうしたプロジェクトマネジメントを活かして、事業における「モノづくり」の領域を、従来のスマホアプリか ら、IoT(Internet of Things)によるスマート家電や、VRなどに拡大させつつある。 同社は「ぼくとドラゴン」依存からの脱却を図るために、「with」、「TLUNCH」、「U-NOTE」などによるストック型 事業の伸長を図り、新規ネイティブゲームタイトル「GK」改め「メガスマッシュ」の投入やVR・IoT関連新規事業などを 立ち上げ、事業の多面的展開を進めていく。FY09/14 FY09/15 FY09/16
小規模アプリを 量産して成長 婚活サービス「with」 スマート家電「mornin'」 などの 新しいユーザー体験の創出 中規模・大規模アプリ、 ソーシャルゲームの 開発にシフト
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Coverage 今後の事業展開 出所:会社資料よりSR社作成 中期事業計画の戦略体系 出所:会社資料よりSR社作成同社の特長
プロデューサーである銭社長とエンジニアである鈴木CTOという2代表制による新事業創出 同社は代表権を持つ銭社長と鈴木CTOが「モノづくり」の現場で自ら指揮をしている。具体的には、これまで様々なアプ リを企画してきた銭社長が新事業、新製品の企画・立案を主導し、「ぼくとドラゴン」を成功に導く卓越した技術力で鈴 木CTOがこれを支えている。同社の2代表制による新事業創出のポイントとしては、「トップ自らが市場を選定」「迅速 な意思決定」の2点があげられる。 トップ自らが市場を選定 同社では、2代表が常に開発現場の最前線に立ち、最新のユーザーニーズや技術に関するトレンドを把握しながら開発陣 を指揮している。新事業創出に向けて、業界構造の分析および競合開発チームの実力と自社開発チームの実力を徹底的に 比較分析し、成功確率が高いことを確認してから実行に移している。同社における2代表を含めた開発陣は、常に最新ア 2017年9月期 2018年9月期予 2020年9月期予 メディア事業 ネイティブゲーム事業 コミュニティ事業 コミュニティ事業 ネイティブゲーム事業 メディア事業 メディア事業 ネイティブゲーム事業 コミュニティ事業 ライフハック事業 ライフハック事業 VR事業 VR事業 新規事業??? 新 規 事 業 の 創 造 ス ト ッ ク 型 の 強 化イグニス|3689
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