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Synergistic effect of human CycTl and CRM1on HIV-1 propagation in rat T cells and macrophages

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 岡 田 紘 幸

学 位 論 文 題 名

     Synergistic effect of human CycTl and CRM1 on HIV‑1 propagation in rat T cells and macrophages

(ラット細胞でのHIV ―1 増殖におけるヒトCyclinTl とCRM1 の相乗効果)

学位論文内容の要旨

【目的】

  HIV‑1はCD4/CCR5のreceptorを介 して宿 主の細胞 に感染 するウイ ルスで ある。ヒトと チンパ ンジー以 外に感染しないので、ワクチンや治療法の開発にHIV‑1小動物感染モデル が必要 である。 ラット細 胞にヒ トCD4/CCR5を発 現させても、僅かにしかウイルスが増殖 しないが、増殖効率を改善することにより、小動物感染モデルが出来ると考えられる。最 初に、 転写効率 とウイル スmRNAの核 外輸送 を改善す るためにTatの コファクターである 転写伸 長因子ヒ ト(h) Cyclinr`1とRevのコファクターであるRNA輸送因子ヒト(h)CRM1 に 着 目 し た 。 更 に、 我 々 は、hCychnTlとhCRM1を 発現 す るTgラ ッ ト、 そ のdoubleTg ラット を樹立し た。本研 究では 、ラット 細胞株 と、hCychnTl/CRM1トランスジェニック

(Tg)ラットのprimaryT細胞と腹腔マクロファージでのHIv一1増殖における而因子の効果 と ラ ッ ト 細 胞 か ら 産 生 さ れ たvirusの 感 染 性 を 調 べ る こ と を 目 的 に し た 。

【実験方法】

@ ラ ッ トT細 胞 株FPM1とC58(NT)D、 ラ ッ ト マ クロ フ ァ ージ 株NR8383に 、hCyclinT1 及びhCRM1の発現 ベクタ ーとHIv11の発現 ベクター であるp△pol(X4virus)を一緒にヌ クレオフェクターを用いてエレクトロポレーションにより導入し、上清中のウイルス量を p24ELISAに て測 定 し た。 ま た 、R5とX4virusの発 現ベクタ ーを細胞 株に導 入し、細 胞 株 か ら 産 生 さ れ た ウ イ ル ス の 感 染 性 を TZM. bl細 胞 を 用 い て 検 討 し た 。

◎F344由 来 のWt/Tgラット の脾臓 のT細 胞又はCD4゛T細胞を 抗CD3/CD28の抗体 で(ヒ トのPBLはPHAで)2日 間刺 激 後 エレ ク ト ロポ レー ション によりHIVー1の発現 ベクター であるpCRRE(X4virus)とpmax・GFP(導入効率を確認するため)を導入し、上清中のウイ ルス量 を測定し た。更に 、上記 と同様にprimaryT細胞から産生されたウイルスの感染性 を 評 価 し た 。 ま た 、W,esternb10tに よ り 、hCyclinT1とhCRMを 検 出 し た 。

◎F344のWt/Tgラ ッ トの 腹 腔 から マ ク ロフ ァ ージを 採取し 、その後 、VSVGNL4,3シ ュ ードウイルス(X4viru8)又はNLAD8 ̄EGFP(R5virus)を感染させ、ウイルス量を測定した。

また、産生されたR5/X4ウイルスの感染性を評価した。

【結果】

@ラ ッ トT細 胞 株 とラ ッ ト マ クロ フ ァ ージ 株 におけるhCyclinT1とhCRM1の 効果を調 べ るた め 、p△polとhCyclinT1及 びhCRM1の発現ベ クター を同時にtransfectionした。 そ の結 果 、FPM1とC58(NT)Dでは 、hCych11Tlを 導入す ることに より約50倍、更にhCRM 1を同 時に導 入するこ とによ り、数倍 上清中へ のウイルス量が増加した。しかし、hCRM1 のみでは 、ウイ ルス量の 増加が 殆ど見ら れなか った。NR8383で は、hCRM1を導入するこ とにより 約15倍、 更にhCyclinT1を同時に導入することにより数倍上清中ーのウイルス量

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が増 加し た。しかし、hCyclinTlのみでは、ウイル ス量の増加が殆ど見られなかった。ま た、 ラッ ト細 胞株 から 産生 され た ウイ ルス は、R57X4ウ イル ス は共に感染性があった。

◎hCyclinTlとhCRMl Tgと そ のdouble Tgラ ッ ト のcharactrizationを 行 っ た 。 hCyclinTl Tgの脾 臓細 胞をPHAで 刺激 した とこ ろ、hCyclinTlが発 現し なか った が、 抗 CD3/CD28抗体 で刺 激す るとhPBL(human peripherallymphocyte)と同等の発現があった。

ラッ ト腹 腔マ クロ ファ ージ にお い ても 、hMDM(human monocyte derived macrophage)と 同等の発現が確認された。この結果から、double Tgラットは、HIV‑1感受性ラットモデル に有用であることが示唆された。

◎ ラ ッ トprimaryT細 胞 で のHIV‑1増 殖 効 果 に お け るhCyclinTlとhCRM1の 効 果 を 検 討す るた め、pCRREとpmax‑GFPを 導入 し、ウイルス量を測定した。その結果、hCyclinTl Tgラ ット の脾 臓のT細胞 にお いてWtと 比べ て約15倍 、double Tgラ ット にお いて は、 約 40倍 まで ウイ ル′ ス量 が増 加し た 。そ して 、ヒ トPBLの 約3分 の1の量であった。また、

double Tgラ ッ ト のCD4+T細 胞 で は、Wtと 比べ て約170倍 まで ウイ ルス の産 生量 が増 加 した。

@ ラ ッ ト 腹 腔 マ ク ロ フ ァ ー ジ で のHIV‑1増 殖効 果に おけ るhCyclinTlとhCRM1の 効果 を 検討 する 為に 、腹 腔マ クロ ファ ー ジにVSV‑GNL43シ ュー ドウ イ ルスを感染させ、12日間 上 清 中の ウイ ルス の産 生量 をモ ニタ ー した 。そ の結 果、Wtと 比べ てhCRMl Tg由 来の マ クロ ファ ージでは約3倍ウイルス量の増加が見られ た。更にdouble Tgでは約5倍増加し、

hMDMの1/2から1/6の産 生量 であ った 。 次に 、ラ ット 腹腔 マク ロフ ァー ジか ら産 生さ れ たウ イル スの 感染 性を 検討 とこ ろ 、NL‑4‑3 virusでは、hMDM由来のウイルスと同等の感 染 性 が あ り 、NLAD8‑EGFPで は hPBL由 来 の ウ イ ル ス の 約 1/2で あ っ た 。

【 考察】

@ ラ ッ トT細 胞株 にお いて 、hCyclinTlとhCRMlを 同時 に導 入す るこ と によ り、 ウイ ル ス 量 が著 しく 増加したが、hCRMlのみ では増加が見られなかった。また、ラットprimary T細 胞で は、Wtと 比べ てhCyclinTl/CRMl double Tgラットにおい て著しくウイルス量の 増 加 が見 られ 、細 胞株 と同 様の 傾向 を示 した。また、ヒトPBLと 比較すると約3分の1に ま で 増加 した 。この結果から、ラットT細胞には、hCyclinTlは必 要な因子であると考え ら れる。

◎ ラ ット マク ロフ ァー ジ株 では 、hCyclinTlとhCRMlを 同時 に 導入 することにより、ウ イ ルス量の著しい増加が見られたが、hCyclinTlのみでは増加が見られなかった。また、

double Tgラット由来の腹腔マクロファージにおいても細胞株と同様の傾向を示した。この 結 果 か ら 、 ラ ッ ト マ ク ロ フ ァ ー ジ に は 、hCRMlが 必 要 な 因 子 で あ る と考 えら れる 。

◎ ラット細胞株とprimary細胞 から産生されたウイルスは、R5 type、X4 type共に感染性 が あった。

【 結 語】

  今 回の 結果 から ,ラ ットprimaryT細胞とマクロ ファージにおけるHIV‑1の増 殖には、

ヒ トCyclinTlとCRM1が 必 要 な 因 子 で あ り、 このhCyclinTl/CRMl double Tgラッ トに HIV‑1のreceptorで あ るCD4/CCR5を 発 現さ せる こと によ り、HIV‑l感受 性ラ ット が出 来 る と期 待さ れる 。

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学位論文審査の要旨

     学位論文題名

    Synergistic effect of human CycTl and CRIVI1 on HIV − 1propagation in ratTcells and macrophages

(ラット細胞でのHIV −1 増殖におけるヒトCyclinTl とCRM1 の相乗効果)

  ラットはHIV―1の受容体であるヒトCD4とCCR5を発現させるとウイルスが僅かに増殖するので、

増殖率を改良することでワクチンや治療法を開発するため良いモデルになる可能性がある。本論 文では、ラット細胞でのHIV―1増殖に おけるHIV−1の転写のコファクターヒトCyclinTiとmRNA の輸送因子ヒトCRM1の効果を解析した。

  ラット細胞株に韜ける両因子の効果を調べるため、hCyclinTl及びhCRM1発現ベクターとHIV―1 発現ベクターをエレクトロポレーショ ンにより導入し、上清中のウイルス量をp24 ELISAにて測 定し た。 その 結果 、ラットT細胞株では、hCyclinTlを導入することにより約50倍、hCRM1を同 時に導入することで、更に数倍ウイル ス量が増加した。ラットマクロファージ株では、hCRMlを 導入することにより約15倍、hCyclinTlを同時に導入することで更に数倍増加した。また、ラッ ト 細 胞 株 か ら 産 生 さ れ た ウ イ ル ス は 、R57X4ウ イ ル ス 共 に 感 染 性 が あ っ た 。   ラット細胞株にヒトCyclinTlとCRM1を同時に導入することにより著しいウイルスの増殖を確 認し たの で、 ヒトCyclinTlとCRM1を発現するTgラット及び、そのdouble Tgラットを樹立し、

primaryT細胞及ぴ、腹腔マクロファー ジでのHIV―1増殖における両因子の効果と、産生された ウイルスの感染性を検討した。

  最初に、ラットの脾臓細胞を抗CD3/CD28抗体で刺激するとhCyclinTlとhCRMl共にhPBL (human peripheral lymphocyte)と同等の発現があることを認めた。また、胸腺細胞においても而因子の 発現があった。ラット腹腔マクロファージにおいても、hMDM (human monocyte derived macrophage) と同等の発現があった。次に、ラットprimaryT細胞でのHIV−1増殖効果における両因子の効果 を検討するため、H工V―1発現ベクターとGFPを発現するベクターを導入した。その結果、wtの脾 臓のT細胞 と比 べてdouble Tgラッ トで は約40倍 ウイ ルス 量が 増加 した 。ヒトPBLの約3分の1 の量 であ った 。ま た、double TgラットのCD4+T細胞では約170倍増加した。 次いで,ラットマ     ―237ー

郎 藏

二 賢

川 田

有 高

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

クロファージにおける効果を調べるために,腹腔マクロファージにvsv―GでコートしたHIV―1ウ イ ルスを 感染させ た。そ の結果、wtと比べてdouble Tgラットにおいてウイルス量が約5倍増加 し た。hMDMの 約1/2か ら1/6量であっ た。ラ ットprimary細胞か ら産生さ れたウイルスは、R57 X4ウ イルス 共に感染 性があった。以上の結果から、ラットprimaryT細胞とマクロファージにお けるHIV一1の増殖にはヒトCyclinTlとCRM1が必要な因子であり、このhCyclinTl/CRMl double Tg ラ ットにHIV―1のreceptorで あるCD4/CCR5を 発現させることにより、HIV‑1感染小動物ラット が作製出来ることが期待された。

  発 表後、 高田賢蔵 教授よ り「ラッ トCyclinTlとCRM1を過剰発現させるとヒトCyclinTlとCRM 1と同様にHIV−1の増殖を促すのか?」、有川二郎教授より「ラット細胞に感染するウイルスの単 離が出来るのか?」、志田壽利教授より「研究遂行上最も重要な点は何か9」との質問があった。

高田賢蔵教授の質問に対して申請者は自身の論文報告などを引用し、有川二郎教授の質問に対し てはウイルスの単離が出来る可能性を示唆し、志田壽利教授の質問に対しては本研究で用いた浮 遊細胞への安定したtransfectionの実験系の樹立がポイントであったことを述べ、申請者自身の 考察を交えて概ね適切かっ明確に回答した。

  こ の論文 は,トラ ンスジェニックラットにおいてHIV―1の産生量が著しく増加され、今後の HIV−1感染小動物モデルの樹立に向けての方向性を示唆した点が高く評価できる。審査員一同は、

これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども併せ申請者が博士(医学)

の学位を受けるのに充分栓資格を有するものと判定した。

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