【同志社大学労働法研究会】労働基準法上の「管理 監督者」の判断基準
著者 三澤 利紀, 土田 道夫
雑誌名 同志社法學
巻 61
号 1
ページ 351‑383
発行年 2009‑05‑31
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011733
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五一同志社法学 六一巻一号
(三五一)
一 事実の概要
1
いう。)が、労働基準法四一条二号の管理監督者としとX下ー本件は、ファーストフド以店の店長である原告(て扱われ、時間外割増賃金等が支払われていないのは違法であるとして、提訴した事案である。
しャスシアトスーァフ、ージンーネマトンタスシアドンタトセ一格昇に長店に月〇一年一マ成平、て経をーャジーネカ
2
⑴被ういとY下以(社会告、に月二年二六和昭、はX。)社後)のそ、れさ用採てしとー員ニーレトーャジーネマ(、た。Yの営業ラインのランク付けの概要は、①マネージャートレーニー(入社時~セカンドアシスタントマネージャーに昇格するまでの身分)、②セカンドアシスタントマネージャー、③ファーストアシスタントマネージャー、④店長、
⑤オペレーションコンサルタント(以下OCという。)、⑥オペレーションマネージャー、⑦営業部長、⑧営業推進本部 ◆同志社大学労働法研究会◆
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準
日本マクドナルド事件=平二〇年一月二八日東京地裁判決平成一七(ワ)二六九〇三号、賃金等請求一部認容、一部却下、一部棄却(控訴)労働判例九五三号一〇頁
三 澤 利 紀 土 田 道 夫
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五二同志社法学 六一巻一号
長(代表取締役兼務)からなる。店舗の業務には、店長、ファーストアシスタントマネージャー、セカンドアシスタン
トマネージャー、マネージャートレーニー、が従事し、他にアルバイト従業員としてクルーとスウィングマネージャーが勤務している。Yにおいては、店舗の営業時間帯に商品の製造等を総指揮する者をシフトマネージャーと呼び、各営
業時間帯にはこれを置く必要があり、これを務めることができるクルーをスウィングマネージャーと呼び、これ以外にシフトマネージャーを務めることができるのは店長と、セカンドアシスタントマネージャー、ファーストアシスタント
マネージャーだけである。なお、平成一九年九月末日現在で、店長より上位の社員が計二七七名、店長が一七一五名、アシスタントマネージャー及びマネージャートレーニーが合計二五五五人、スウィングマネージャーが合計一万九八七
〇名、クルーが合計一〇万一一五二名であった。⑵ Yの就業規則においては、「パートの処遇、採用、解雇の可否、昇給の決定権限を有する店長」は、「管理または監
督の地位にある者」に該当するものとされ、就業規則の労働時間・休憩・休日に関する規定および時間外勤務・休日勤務の割増手当に関する規定の適用が除外されていた。すなわち、店長であるXは、労基法上の管理監督者に該当するも
のとの位置付けで、就業規則上も時間外割増賃金等が支払われない扱いとなっていた。他方、一般労働者については、一个月月平均所定労働時間は一六四時間、年間休日は一一九日、時間外、深夜労働、休日労働に対しては基準内給与の
時間割給とその二五%、法定休日労働については基準内給与とその三五%の割増賃金を支払うと定められていた。
3
ス時給額決定、クルーのウ用ィングマネージャーへ、の採い人事に関する事項につて⑴、店長には、アルバイトの昇格を決定する権限、人事考課、昇給決定の権限はあるが、社員については、採用権限はなかった。アシスタントマネージャーについては、第一次評価者として人事考課に関与するものの、OCによる二次評価、三者面談、評価会議を経
て最終的に決定されていた。
(三五二)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五三同志社法学 六一巻一号 ⑵ 店舗運営に関する事項について、店長は、店舗の従業員代表者との三六協定の締結、従業員の勤務シフトの決定、販促活動の実施等について一定の裁量、店舗支出における食材の仕入れやアルバイトの人件費等の決裁権限を有してい
た。
⑶
ンション等に参加している。これらでは、Yの営業ベコンい店長会議への出席につて長、店長は、店長会議や店方針や戦略、人事等に関する情報提供、店舗運営についての意見交換等がなされていた。
⑷
一覧表あるいはPC上の勤務表を用いて店舗従業員務外勤て店長の勤務態様につい、間Yでは、出退社時刻・時の労働時間を管理していたが、これらについては店長についても同様であった。店長は、自身で勤務スケジュールを決定し、早退や遅刻をした場合に、OCへの届出や承認は必要とされていなかった。なお、従業員の遅刻及び早退に関する
手続きが就業規則で定められているが、店長への適用は明示的に排除されていた。⑸ 店長に対する待遇について、店長は、基準給(月額三一万円)が固定され、それに加えて四段階評価による評価手
当(〇円~一〇万円)が支払われ、賞与も評価に応じて半期に八五万円ないし一二五万円が支払われるなど、ファーストアシスタントマネージャーと異なる報酬体系が適用され、年額賃金は、評価に応じて五七九万二〇〇〇円~七七九万
二〇〇〇円、さらにインセンティブプランにより、売り上げに関する指標が一定レベルを上回った場合には、三〇万円
~一〇〇万円を支給されていた。
4
定労働時間を超えて勤務する義務がないことの確認法外での以上のような事実関係下囲、Xは、①三六協定の範、②過去(平成一五年一二月~一七年一一月)の時間外・休日労働分の割増賃金五一七万余円の支払い、③これと同額の付加金の支払い、④違法な長時間労働を強いられたことに対する慰謝料三〇〇万円、⑤通勤に要した高速道路料金等一
四万余円の支払いを求めて提訴した。本評釈では、管理監督者に該当するか否かを中心に検討を加える。
(三五三)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五四同志社法学 六一巻一号
二 判旨 請求一部認容
⑴ 適用除外の趣旨と判断方法 与る五四もとくな少は合場え、超を間時六が間時働労分八条とを間時憩休の間時一もく時な少は合場るえ超を間)、二 「原時〇四週一、てしと則、又し対に者働労、は者用間使三て法準基働労(ずらなはせ一さ働労てえ超を間時八日は
えなければならないし、(同法三四条一項)、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならないが(同法三五条一項)、労働基準法が規定するこれらの労働条件は、最低基準を定めたものであるから(同法一条二項)、この規制の枠を超え
て労働させる場合に同法所定の割増賃金を支払うべきことは、すべての労働者に共通する基本原則であるといえる。
しかるに、管理監督者については、労働基準法の労働時間等に関する規定は適用されないが(同法四一条二号)、こ
れは、管理監督者は、企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、同法所定の労働時間等の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与され、また、賃金等の待遇
やその勤務態様において、他の一般労働者に比べて優遇措置が取られているので、労働時間等に関する規定の適用を除外されても、上記の基本原則に反するような事態が避けられ、当該労働者の保護に欠けるところがないという趣旨によ
るものであると解される。」
管理監督者といえるためには「実質的に以上の法の趣旨を充足するような立場にあると認められるものでなければな
らず、具体的には、①職務内容、権限及び責任に照らし、労務管理を含め、企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているか、②その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか否か、③給与(基本給、
役付手当等)及び一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がされているか否かなどの諸点から判断すべきである
(三五四)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五五同志社法学 六一巻一号 といえる。」
⑵ 店長の権限等 事実の概要
3
いることは否定できなもてのの、労務管理に関しいっ⑴らに関する事実は認めれ担「労務管理の一端を、経営者と一体的立場にあったとはいい難い。」
事実の概要
3
めメージを構築するたにド打ち出した店舗の営イン⑵らに関する事実は認めれラるものの「本社がブ業時間の設定には、事実上、これに従うことが余儀なくされるし、全国展開する飲食店という性質上、店舗で独自のメニューを開発したり、原材料の仕入れ先を自由に選定したり、商品の価格を設定するということは予定されていない。」
事実の概要
ほ被営の体全業企らか告、方はられこ、がるいてし業針参るるれわ行が供提報情す、関に等事人、略戦業営加に議種会
3
にも店、は長店「ののる関れ長め認は実事るすら⑶会ど各るれさ催開で告被なやンョシンベンコ長店議かは、店舗運営に関する意見交換が行われるというものであって、その場で被告の企業全体としての経営方針等の決定に店長が関与するというものではないし、他に店長が被告の企業全体の経営方針等の決定過程に関与していると評価で
きるような事実も認められない。」
行画限権るす関に等施実、企行の動活進促売販、定決を使ト略遂を営運舗店たし即に戦し業営や針方業営の告被、のフ 「る者任責の舗店、は長店けしおに告被、ばれよに上と以シそ務勤の員業従、成育のや、用採の員業従トイバルアて
すべき立場にあるから、店舗運営において重要な職責を負っていることは明らかであるものの、店長の職務、権限は店舗内の事項に限られるのであって、企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、労働基準法の労働時間
等の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものとい ママえような重要な職務と権限を付与されていると
(三五五)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五六同志社法学 六一巻一号
は認められない。」
⑶ 店長の勤務態様 事実の概要
同かに月一年七一成平ら月け一一年同、上以日〇三かてに余、たま、れさくな儀をは務勤続連の上以日〇六はろこ七月
3
にも合場の告原「ののる関れ、め認は実事るすら⑷自て年同、めたるす務勤しシとーャジーネマトフら年二月から五月ころにも早朝や深夜の営業時間帯のシフトマネージャーを多数回務めなければならなかった。その結果」「時間外労働が月一〇〇時間を超える場合もあるなど、その労働時間は相当長時間に及んでいる」。
店長は、「形式的には労働時間に裁量があるといえるものの、実際には、店長として固有の業務を遂行するだけで相応の時間を要するうえ」「店舗の各営業時間帯には必ずシフトマネージャーを置かなければならないという被告の勤務
態 ママ勢上の必要性から、自らシフトマネージャーとして勤務することなどにより、法定労働時間を超える長時間の時間外労働を余儀なくされるのであるから、かかる勤務実態からすると、労働時間に関する自由裁量性があったとは認められ
ない。」
Yは上記状況にまで及んだことは、Xがスウィングマネージャーの育成に失敗したからであると主張する。そのよう
な「側面があることは否定できないものの、程度の差はあれ、これは、被告における店長が、他の従業員からシフトマネージャーを確保できなければ、自らシフトマネージャーとして勤務することでその不足を補うべき立場にいるという
被告の勤務態 ママ勢上の事情から不可避的に生じるものであり、専ら原告個人の能力の不十分さに帰責するのは相当でない。」
(三五六)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五七同志社法学 六一巻一号 ⑷ 店長に対する処遇 事実の概要
含マたっあでーャジーネトのンタスシアトスーァ者平て円を金賃増割外間時(七均五〇五万〇九五は収年フじ通間を
3
をおじ通を間年、ていに前年て一成平「に提七⑸店七年」「円四八一万七〇は長収年均平の者たっあでむ)であったと認められ、この金額からすると、管理監督者として扱われている店長と管理監督者として扱われていないファーストアシスタントマネージャーとの収入には、相応の差異が設けられているようにも見える。」しかしながら、
「S評価の店長の年額賃金は七七九万二〇〇〇円(インセンティブを除く。以下同様)、A評価の店長の年額賃金は六九六万二〇〇〇円、B評価の店長の年額賃金は六三五万二〇〇〇円、C評価の店長の年額賃金は五七九万二〇〇〇円であ
り、そのうち店長全体の一〇パーセントに当たるC評価の店長の年額賃金は、下位の職位であるファーストアシスタントマネージャーの平均年収より低額であるということになる。また、店長全体の四〇パーセントに当たるB評価の店長
の年額賃金は、ファーストアシスタントマネージャーの平均年収を上回るものの、その差は年額で四四万六九四三円にとどまっている」。「なお、被告の主張によると、店長の年額賃金には深夜割増賃金相当額(定額)として一六万八〇〇
〇円(月額一万四〇〇〇円×一二)が含まれていることになる」が「ファーストアシスタントマネージャーの月平均時間外労働時間に照らすと、深夜労働に対する賃金を除いた比較では、その差はより少額となるものと推認される。」「店
長の週四〇時間を超える労働時間は、月平均三九・二八時間であり、ファーストアシスタントマネージャーの月平均三八・六五時間を超えていることが認められるところ、店長のかかる勤務実態を併せ考慮すると、上記検討した店長の賃
金は、労働基準法の労働時間等の規定の適用を排除される管理監督者に対する待遇としては、十分であるといい難い。」「インセンティブプランの多くは、店長だけでなく、店舗の他の従業員もインセンティブ支給の対象としているのであ
(三五七)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五八同志社法学 六一巻一号
るから、これらのインセンティブプランが設けられていることは、店長を管理監督者として扱い、労働基準法の労働時
間等の規定の適用を排除していることの代償措置として重視することはできない。」⑸
「て及び責任の観点からしも権、その待遇の観点から限、以け上によれば、被告におる容店長は、その職務の内し
ても、管理監督者に当たるとは認められない。したがって、原告に対しては、時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである。」
【検討】結論賛成、判旨⑵反対。
一 本判決の特色
⑴ はじめに 労基法四一条二号は、管理監督者に該当する者について、労働基準法の定める同法第四章、六章及び六章の二で定める労働時間、休日等に関する規定の適用を除外するが、これは、労働時間等に関する規制を除外しても、労働者保護に 欠けるところがないという点に根拠を有している。したがって、四一条二号の管理監督者については相当厳格にこれを判断していく必要がある (
を経理由として、企業営質上の必要との調整的実にるた、労働時間等関。する規制を除外すま 1)
図るために、労働時間・休憩・休日に関する規定の適用を除外 (
、すあに景背のそが。在存の性要必るる 2) (三五八)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三五九同志社法学 六一巻一号 ⑵ 通達の概要 はじめに、通達における管理監督者性の判断を見てみると、「労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も労働時間等の規制になじまないよう
な立場にある者に限って」「四一条による適用の除外が認められる趣旨である」とし、「管理監督者の範囲を決めるにあたっては」「職務内容、責任と権限、勤務態様に着目」し、実態に基づく判断を前提として、「賃金等の待遇面について
も無視し得ないものであること」から、「一般労働者に比し優遇処置が講じられているか否か等について留意する必要がある」とし、「優遇処置が講じられているからといって、実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではない」
としている。さらに、ラインに属さないいわゆるスタッフ職についても、「管理監督者と同様に取り扱い、法の規制外においても、これらの者の地位からして特に労働者の保護に欠けるおそれがないと考えられ、かつ、法が監督者のほか
に、管理者も含めていることに着目して」一定範囲の者については、四一条二号該当者に含めて取り扱うのが妥当であるとしている(昭五二・二・二八基発一〇五号)。
本判決は、Xの待遇のみではなく、職種全般の待遇と他の一般労働者との待遇を比較している点 (
、裁いる点で、これまで出された判し例とは若干異なる。以下ではて求を業監督者の権限要企全体に対するものまでを あ特徴がでり、管理 3)
裁判例の分析と本判決の対比を行ったうえ、私見を述べることとする。
(三五九)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六〇同志社法学 六一巻一号
二 裁判例の分析
⑴ 管理監督者の定義 管理監督者とは、労基法が規制する「労働時間等の枠を超えて活動することが当然とされる程度に企業経営上重要な職務と責任を有し、現実の勤務形態もその規制になじまないような立場にある者を指す」として、「重要な職務と責任」 に着目する事例 (
」のよいなまじなに制規こなも様態務勤の実、現れらう地認、「性要必の上営経業企て位しと」す指を者るあにめが性要必 日の法基労」るす関に、「休「及憩休、間時働労びを規なの上営経業企いならば制れけなし動活てえ超 4)
に着目する事例 (
一に営体的立場」あ者る者とする事例と ( の経「に的端、てしと」味意者、「理労働条件の決定その他労務管にるついて経営者と一体的立場にあ 5)
、等がある。 6)
⑵ 判断基準 管理監督者の判断にあたっては、「経営方針の決定に参画し、あるいは労務管理上の指揮権限を有するなど経営者と一体的立場にあり、出退勤について厳密な規制を受けずに自己の勤務時間について自由裁量を有する地位にあるか否 か」とする事例 (
かるた観点とら検討すのいが相当」とする事例っ ( 務面遇処の等金賃、様態勤やれ、「資格及び職位の名称にとらわる、容限権と任責、内こ務職、くなと 7)
、相とこるあが量裁な由自の度程当ていつに行遂の務職や間時業就、「 8)
部下の人事や経営の重要な事項を知り、それについてのある程度の決定権があることなど」を必要とする事例 (
等がある。 9)
これらの判断内容を類型化すると、(ア)経営方針への参画・労務管理上の権限等の有無、(イ)自己の労働時間に対
する自由裁量の有無、(ウ)賃金等の待遇に分けることができ、前述の通達の内容とほぼ一致していると言える。
(三六〇)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六一同志社法学 六一巻一号 具体的な判断内容を見てみると、(ア)経営方針への参画・労務管理上の権限等の有無については、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるかどうか (
に重れそ、り知を項事な要の営経や事人の下部、「や」 10)
ついてのある程度の決定権があることが必要 (
をに有するなど経営者と一体的立場」限あるか否かを具体的に判断する ( 権参揮する事例、「経営方針の決定に画」し、あるいは労務管理上の指と 11)
とする事例等がある。 12)
正社員採用に重要な影響を与えない者 (
こい事をれなしてたた域を出ない者仕 ( ずらえ与らか司上、らがお事等にも関与していた、、独自の決定権を有して人 13)
が者きで定決かしで内囲範るす容許社い働、従業員の労条会件につき被告な 14)(
、社 15)
長会議等に出席せず、全社的な重要事項に対して影響力を有していない者 (
者いなに務職るす ( 経要を断判営な度高、れさ定限が務職当担、 16)
部者あで度程人四しいな人三が下いた行を理処の務事理経な的常日、っ 17)(
、常時部下がいて当該部下の 18)
人事権なり管理権を掌握しているわけでもない者 (
。なるいてれさといさた満を)ア(は等 19)
(ては「自己の勤務につい自っ由裁量の権限を有し」「てたイす)自己の労働時間に対るあ自由裁量の有無の判断に出 勤、退勤について厳格な制限を受けない地位にあるか (
とこる ( てあが量裁由自の度程当相いや」に行遂の務職つ間時業就、「や 20)
」等を判断するとしている。 21)
私用による外出、無断で店舗を閉める権限がない者 (
度程いてし有を権量裁の者当い相に行遂務職の己自、な 22)(
、早退や 23)
欠勤につき書面によって上司に届け出なければならない者 (
管者務事るいてれさ理り働よにドーカムイタ、労 24)(
にの況さよって日常就刻労状況が査定対状打とに者るいてれードよのり管理され、そ象 ( カムイタ、 25)
、緩やかであるが出退社時刻に 26)
ついてタイムカードによる管理を受けていた者 (
後午てれらめ定とでま時五者らるか時八前午が間時務勤、い 27)(
金が者るれさ額合賃減 ( 場の刻遅、 28)
。なるいてれさといさた満を)イ、(は等 29)
この他にも、従業員の出勤時刻はもちろん、退勤時刻についても客観的に記録、把握する仕組みが何ら設けられてい
(三六一)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六二同志社法学 六一巻一号
ない場合において、勤務時間を客観的に把握する状況になかったからといって、その状況をもって出退勤に厳格な規制
がないと評価することはできないとし、(イ)を満たさないとされた裁判例がある (
。 30)
(欠しなくてもその保護にけ制るところがないといえを規ウに)賃金等の待遇の判断あ間たっては「厳格な労働時る ほどの優遇処置が」講じられているかどうかや (
が、一ていおに等与賞か従るいてれさが遇待般業しが」かるいてれら取置員処遇優てし較比にいわふに位地のそ等当さ 活基制規の法い労、もて越おにを動、「えて賃するに見合った役職手金 31ママ)
判断の一要素となる (
合な、管理職に見いう手当どてが支給されていない者も ( のてし領受を給本基円で万る事例がある。具体的な「額」あとい〇五額月、ておるに例事各、がす 32)
て万れわ払支を与給るえ超を円〇〇六間年ていおに社会族同、 33)
いても、年齢、経験、仕事内容等を考慮して、当該待遇が高いといえない者 (
で。らかとこのこる額いてれさと、、「」な的のもるま定に観自客もしず必は体いえいいさわし待遇をうけているとは もをれしこ、はてって管理監督者と、ふ等 34)
はないようである(一律に何万円以上ならばよいとは決められない)。
⑶ 各基準の関係 いかなる判断基準を用いるかは、裁判例によって違いがある (
すけ述後、はていつに例事るおに店食飲なうよの件本。 35)
るように、概ね(ア)ないし(ウ)の基準の充足を要求しているが、遅刻や欠勤につき賃金が減額され、勤怠管理がなされていたとしても、管理監督者性の判断を左右するものではないとする事例 (
素い要一の断判、「てつに遇待。るあが 36)
になる (
に時め認とたっかな少が間るれなに由自めたな忙多てら、「つす例事るいてしと」ばれ慮付考合総てめ含を情事的随い ( 遇・、りおてし有を限権務間職な要重、や例事るす待に」を時勤退出、がるいて得遇つ待の高最中員業従ていと 37)
38)
もある。
(三六二)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六三同志社法学 六一巻一号 三 本判決の分析
⑴ 労基法四一条二号の趣旨・判断基準 本判決は、適用除外の趣旨について、「企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、同法所定の労働
時間の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与され、また、賃金等の待遇やその勤務態様において、他の一般労働者に比べて優遇処置が取られているので、労働時間等に関す
る規定の適用を除外されても」、当該労働者の保護に欠けるところがないという趣旨によるものとしている。
そして、上記のような法の趣旨を充足するような立場にあると認められるためには、「①職務内容、権限及び責任に
照らし、労務管理を含め、企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているか、②その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか否か、③給与(基本給、役付手当等)及びその一時金において、管理監
督者としてふさわしい待遇がなされているか否か」などの諸点から判断すべきとしている。
⑵ 経営方針への参画・労務管理上の権限等の有無 本判決は、(ア)に対応する①については、事業場内での権限付与では収まらず、全社的な権限の付与を要求している。これまでに、本件のような飲食店の店長等に関する裁判例の(ア)に相当する判断について、少し詳細に見てみると、
判断基準こそ「企業経営上重要な職務と責任を有し」、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあ」るか否かとしているものが多いが (
長い員で運営してた従小規模店舗の店業のた、二に主、はてっ人あに定認のそ 39)
につき、パート従業員の採用権限はあるが、あくまで被告経営者の許容する範囲内でしか、その権限を行使できない者 (
40)
(三六三)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六四同志社法学 六一巻一号
や、数名から十数名の店舗における店長について「全く店員の採用権限がない」者 (
、店きつに長店のケオラカ・茶喫、 41)
全社的な重要事項を決定する社長会議等に出席せず、「営業方針や重要事項の決定に参画する権限が認められていたわけでは」ない者 (
に・おいて、店長を補佐代店理するマネージャーに食ア飲業員のほとんどがル、バイト従業員である従 42)
ついて、正社員の採用権限がなく、営業時間の変更や幹部会議において人事や経営に関する重要事項の決定に参画しているとはいえない者 (
えるいと判断されてい。えこれらの認定を踏まない一はいては、経営者と体に的な立場にあるとつ 43)
れば、基準こそ「全社的」な権限まで要求してはいないが、小規模事業場におけるその判断にあたっては、管理監督者に要求される権限の範囲を、企業経営の中心的存在である正規雇用者の採用権限や、企業経営全体に対する重要事項へ
の参画や関与を要求しているものと考えられる。
⑶ 自己の労働時間に対する自由裁量の有無 本判決は、(イ)に対応する②については「その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか否か」
を判断するとしている。この点はこれまでの裁判例と概ね整合的な立場といえる。
⑷ 賃金等の待遇 本判決は、(ウ)に対応する③については、「給与(基本給、役付手当等)及びその一時金において、管理監督者とし
てふさわしい待遇がなされているか否か」を判断するとしている。待遇の内容を給与、一時金としている点自体は、これまで出されてきた裁判例と整合的な立場である。ただ、認定にあたって、X固有の待遇を明確に認定せず、店長職全
体についての待遇と一般の労働者の待遇を比較している点で、従来の裁判例と異なっており、後述するようにこの点に
(三六四)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六五同志社法学 六一巻一号 本判決の意義がある。本判決以外にも、前掲アクト事件(注(
十わ」、くなはでける職いてれさ遇厚り役手職管てしと者督監理、当もてし慮考を等よ般検をていおに給本基、「し討一
3
参照)では一、管理職と)般職との職域の賃金格差間分な処遇がなされているとは認められないと判断し、職域全体の待遇を比較しているが、他の裁判例においては、原告固有の収入と一般労働者の収入を比較している事例が多い。本判決が上記のような判断を行ったのは、おそらくYにお
ける店長職の人数の多さを考慮したためではないかと考える (
。 44)
⑸ 各基準の関係 上記(ア)ないし(ウ)の関係については、それぞれの判断基準を掲げ「諸点から判断すべきである」としている。
そして、(ア)に相当する①(職務内容、権限及び責任に照らし、労務管理を含め、企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているか)を判断した段階で、「重要な職務と権限を付与されているとは認められ」ず、経営
者と一体的な立場にないとし、①について否定している。その後、他の②(その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか否)ないし③(給与(基本給、役付手当等)及びその一時金において、管理監督者としてふさ
わしい待遇がなされているか否か)について検討を加えている。①~③を要件とするならば、①を否定した段階で、他
の②ないし③を検討する必要がないため、全ての基準の充足までを要求しているわけではないと思われる。判旨が、管理監督者性を肯定するために、どの要素を重視しているのかは明らかではない。
(三六五)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六六同志社法学 六一巻一号
四 考察
⑴ 序 管理監督者に該当しても、有給休暇(労基法三九条)、深夜労働に対する割増賃金の支払い(労基法三七条三項)は適用除外とはならないこと、労基法と一体的な関係にある労働安全衛生法において、長時間労働による健康被害を防止
するための健康診断(労安衛法六六条、労安衛法規則四四条一項)や面接指導(労安衛法六六条、六六条の九、労安衛法規則五二条の二)が規定されていること等を併せ考えると、管理監督者性を判断するにあたっては、労基法の労働時
間に関する保護を及ばさなくとも、労働者保護の精神に反しないということが大前提になると考える。以下では、(ア)ないし(ウ)それぞれの判断基準について検討を加える。
⑵
判断方法。しの」理管「はく若地」督監、「上言文の「位条あるれらえ考とるで」要必がとこるあに文 (地務無有の等限権の上理管労つ・画参のへ針方営経)にい位管にあア者」というの理はてくし若督監、「ずま、はる 問題は、そのような地位にある労働者の、労務管理や経営事項への参画等についてであるが、「経営者と一体的な立場」という判断基準が、管理監督者としての範囲を画するのに有用な基準として運用され、これを具体的に判断するにあた
っては、労務管理に関する権限、若しくは経営者の経営方針に参画しているか否か等の判断が不可欠であると考えられるため、いずれか一方を満たす必要があると考える (
、画がるあで論勿は合場るいてし参に針方営経の者営経、りまつ。 45)
そのような事情がなくとも、労務管理に関する一定の権限が付与されていれば、「経営者と一体的な立場」にあるもの
(三六六)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六七同志社法学 六一巻一号 と解する。なぜなら、労基法四一条二号が想定する対象者は、あくまで労働者であり、「経営者と一体的な立場」にある管理監督者といえども、企業経営全般に関する権限まで要求する必要はない。経営判断に関する事項は、株式会社で
あれば株主から委任を受けている取締役等の職務の範囲であって(会社法三二九条、三三〇条、三四八条)、いち労働者に要求すべき事柄ではないと考えられるからである。
この点、「裁判例・通達における判断は、企業における実態とかけ離れた状況にあり、管理監督者の範囲を実態に即したものにするべく、管理監督者性の判断は、労働時間の自由裁量の有無を中心として判断」すべき (
、という指摘もあ 46)
る。
しかし、実態との乖離を理由として労基法の趣旨たる労働者保護の精神を後退させなければならない理由はなく、裁 判例においても、経営者と一体的な立場にあるか否かを中心に管理監督者性を判断することが定着している (
画け、労働時間規制の保護を受なとい管理監督者の適用範囲をはこ場あ営者と一体的な対るにるか否かを判断基準とす 。経、たま 47)
するに際して、使用者の恣意的運用から労働者を保護するために有効に機能すると考えられる。本件事案のように、長時間労働が長期に渡る労働者が存することからも、管理監督者性の判断は厳格に行う必要がある。したがって、経営者
との一体的な立場にあることを、管理監督者性の判断要素から外すことは相当でない (
。 48)
かよ労な格厳は者働労なうの時そ、れさ想予に然当が働間こでとこるれらえ考とるあ様管態務勤いなまじなに理とる (るいつに無有の量裁由自すは対に間時働労の己自)てイす間動活てえ超を枠の制規時管働労、は者るた者督監理、
ら、労働時間規制になじむ場合は、(イ)については否定されるべきであると考える。そして、この(イ)の基準をどのように判断するかであるが、二つのアプローチがあると考えられる。
第一に考えられるのは、「自分自身の労働時間の決定につき相当程度の自由裁量を有しているか否か」で判断する方
(三六七)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六八同志社法学 六一巻一号
法である。前述の経営者と一体的立場にある者ならば、その勤務態様が必ずしも法定される労働時間規制になじまない
ものであると考えられ、相応の権限が付与されているはずであるから、自己の労働に対していちいち使用者から指示を受ける立場にないはずである。そもそも業務上の都合によって労働時間の把握が困難というだけならば、裁量労働制の
規定(労基法三八条の三、四)に基づき労働させればよいだけであることから、労働時間を決定する裁量の有無を中心に審査する手法は有効である。
第二は、「出退勤時間につき裁量を有しているか否か」で判断する方法である。管理監督者は、前述のように重要な職務と責任、権限を有し、労働時間に基づいて賃金を算定される者ではなく、企業経営に対する貢献度や責任の大きさ
等から賃金が算定されるはずである。したがって、遅刻や早退をした場合であっても、それは賃金の減額事由とはならないはずであるため、出退勤時間の自由裁量性を中心に審査する手法である。すなわち、労働基準法は一日八時間、週
四〇時間の範囲内で労働させることを原則としているが(労基法三二条一項、二項)、管理監督者にはこの規定は適用されない。これは、管理監督者は、労働時間の管理によって賃金を算定することになじまない勤務態様であるから、遅
刻や早退が賃金の減額事由になるということは、労働時間の管理になじむということになり、これと矛盾すると考えられるからである。管理監督者ではない一般の労働者ですら、フレックスタイム制(労基法三二条の三)等が導入されて
いれば、使用者から出勤や退勤につき具体的な指示を受けないこととなっていることからも、これらの保護が及ばない管理監督者なのであれば、出勤や退勤につき、裁量を有しているものと考えられる。
前述のように、管理監督者は、労働者を保護するために設けられている厳格な労働時間規制を除外されてしまうのだから、どちらかの判断方法による審査が必要である。
しかし、二つの審査方法を完全にクリアすることを要求するのは現実的ではない。現代のようにITインフラが高度
(三六八)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三六九同志社法学 六一巻一号 に発達している社会においては、パソコンへのログインの有無から出退勤を管理したり、一度自宅に帰宅してから、専用のイントラネットを利用して自宅から工場での生産状況や、事業場の稼働状況を把握することも可能であり、経営者 と一体的な立場にあればあるほどそのような情報インフラを利用して労働に従事することが多いと考えられるからである (
・手おける実態や時間管理法業の多様化を踏まえて、遅刻に、企さは格な時間管理等がなれ。ているか否かについて厳 49)
早退等が賃金の減額事由となっているかどうかを前提として、管理監督者という理由で労働時間や出勤日数が社会通念上許容されない域 (
すまはないだろうか。つりき、管理監督者に該当でべをるしているかどうかメにルクマールに考え達 50)
る者の労働時間が管理されているとしても、労働者の健康管理に対する配慮がなされていれば、各事案に即して、ある程度柔軟に本基準に関する認定を行うべきである。(イ)の基準が要求される実質的意義は、労基法の趣旨たる労働者
保護の精神に反しない事態を避け、労働者が長時間労働にさらされないために求められるものであるから、形式的に出退勤の管理が行われ、労働時間が管理されていたとしても、直ちに(イ)の基準を満たさないわけではない (
。また、右 51)
記のような企業における時間管理の多様化を考慮すれば、どちらを中心に審査するかは、各事例毎に検討するほかないと考える。
(労、経営方針への参画・務て管理上の権限等の面でもしウて)賃金等の待遇についはと、高額の給与を得ている、 経営者と一体といえる実質を備えていない限り、管理監督者とはいえない (
充る意味合いで用いべすきであると解するる ( 、補、(ウ)の要素は他たの基準・要素をめ 52)
、制間に関する規が働除外されるが時労理。は者るた者督監、管、らなぜな 53)
これは、高額な給与と引き換えに労働者保護の精神を捨象する趣旨ではないからである。
そして、①管理監督者の人数が多く、当該企業に占める管理監督者の割合が高い (
金成賃な的義主果②、ていおに合場 54)
制度における人事考課等により、管理監督者の属する職域の待遇が著しく上下する可能性があり、③下位職種の待遇と
(三六九)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七〇同志社法学 六一巻一号
大きく重なる制度に基づき、管理監督者の範囲を決定して
いる場合には、労働者個人ではなく、当該事案で問題となっている職域全体の待遇を考慮して判断すべきであると考
える。以下にその理由を示す。
Aタイプは、①管理監督者の人数が多く、当該問題とな
っている企業における管理監督者の占める割合が高い場合において、②成果主義的な賃金制度における人事考課等に
より、管理監督者の待遇の範囲が著しく上下する可能性があり、③一般労働者と待遇の幅が大きく重なる制度を表し
たものである。管理監督者の人数が多く、当該職域において既に待遇に格差が生じている場合、上限に位置する者は
管理監督者としてふさわしい待遇を得ているといえるが、下限に位置する者は管理監督者としてふさわしい待遇にな
いことは明らかである。なぜなら、Aタイプの場合、下限にあたる労働者と一般労働者との待遇に確たる差はなく、
前述のように、管理監督者には、時間外労働に対する割増賃金が支払われないという性質上、少なくとも一般労働者
よりも厚遇されていなければ、労働時間に関する規制を外
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(三七〇)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七一同志社法学 六一巻一号 し、三七条一項、二項の適用を除外することを正当化できないと考えられるからである。このような取扱いの場合に、下限に位置する労働者を、上限に位置すれば厚遇が得られるからという理由で、下限にあたる労働者の待遇についての 実態を考慮せず、労働者をまとめて管理監督者として取り扱うということは、割増賃金を削減するために四一条二号の効果を濫用しているものと推認せざるをえない (
。 55)
管理監督者の認定にあたっては実態を考慮して行われなければならない。Aタイプのように、管理監督者として取り扱われ、当該待遇が著しく下降する可能性があり、下降した場合にある一定のラインからは下位職種と同様、若しくは
これより低い待遇となるならば、原告固有の待遇と下位職種の待遇とを比較するよりも、管理監督者の人数が多いという事実と、待遇が著しく下降する可能性があるという実態を考慮して、問題となっている職域全体の待遇と、下位職種
との待遇を比較するのが妥当である。
これに対してBタイプは、管理監督者の人数こそAタイプと同じであるが、その待遇につき一般労働者に比し明確に
優遇されている制度を表したものである。このような場合には、原告固有の待遇と一般労働者の待遇を比較しても、待遇に関しては厚遇されていると判断できる。管理監督者とされる労働者間において格差が生じていたとしても、それは
あくまで一般労働者の待遇を凌駕している範囲内での話であり、管理監督者としてふさわしい待遇を確実に確保できる
限りにおいては問題ない。つまり、①管理監督者の人数が多く、当該企業に占める管理監督者の割合が高い場合において、②成果主義的な賃金制度における人事考課等により、管理監督者の属する職域の待遇が著しく上下する可能性があ
るとしても、③の要件を満たさないのだから、職域全体の待遇を用いて比較する必要はないということである (
。 56)
このような解釈を用いる根拠は、管理監督者性を巡る問題の根底には、十分な待遇を得ないまま割増賃金の支払いを
カットされ、長時間労働という実態にそぐわない待遇で労働を強いられるという管理監督者の範囲を決定する制度上の
(三七一)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七二同志社法学 六一巻一号
不合理性が、その背景にあると考えられるからである。労働者は生活の糧を得るために労働を継続するのであり、十分
な待遇が補償されないまま、実態の伴わない労働者を一括して管理監督者とする制度は、労基法上は正当化されない。「多店舗展開する小売業、飲食店等における管理監督者の範囲の適正化を主眼とした監督指導結果 (
」においては、店長 57)
とされている五五人中管理監督者と認められる店長は一〇人、店長以外の者三三人中管理監督者と認められる者は〇人という調査結果となっている。
したがって、右記のような調査結果も考慮し、管理監督者性の判断にあたっては、待遇に関する認定を通して管理監督者の範囲を決定する制度自体の適正を判断する必要があると考える。
この点、「適用除外の対象となる管理監督者性は、特定の労働者の集団の平均をみて定型的に判断されるべきものではなく、問題となっている労働者の個別の状況に照らして判断されるべきである (
は。法基労、しかしるあが摘指のと」 58)
労働時間を厳格に法定し、罰則を持って使用者にこの法定労働時間の遵守を求めている。そして、労使協定を締結するなどの手続きを行った場合等に限り、例外的に法定労働時間を超えて労働させることを使用者に認め、時間外労働につ
いては通常の賃金以上の支払いを強制している。このような労基法の法条関係を前提とすれば、恒常的適用除外者たる管理監督者については、待遇面においても他の一般労働者と明確に一線を画するものでなければならない。Aタイプの
ような場合には、待遇面において明確な一線を画していないのであるから、企業における昇進基準や賃金制度設計そのものの合理性が問われるとすることは、労働者保護の観点からも妥当であると考える (
。 59)
また、この待遇に関する基準は相対的な基準であって、絶対的に何万円の年収を得ていればこの基準を満たすというわけではなく、当該事案に即して、他の労働者より優遇処置が取られているか否かが判断されねばならないということ は言うまでもない (
。 60)
(三七二)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七三同志社法学 六一巻一号 ⑶ 各基準の関係 二厳適の制規間時働労な格、をは者るた者督監理管、し用除しこ条一四ういといながとる外け欠に護保のそ、もてしか (アでにうよの述前、がるあ準裁基断判の)ウ(しいな)、判る要あものもいないてし求を例足充の準基各、はに中の。
号の趣旨から、労働者が長時間労働にさらされないために、(イ)の基準を充足することが重要であると考える。もっとも、労働時間に関する裁量を有しているという点では、裁量労働制で働く労働者と同じであるため、このような労働
者と一線を画するためにも、(ア)の基準を充足する必要がある。したがって、この(ア)及び(イ)を充足しない場合には、管理監督者性を肯定することは難しいと考える。
し、号二条一四もとくな少が文るれわ思とるあで準基の言き導。いし難はとこす出きをか準基るす関に遇待のこらるで (者をい払支の金賃増割が督け監理管、はてし関に)受ウが射とこす出き導てしと効反立のそ、らかとこいなに場る
たがって、待遇に関する基準はあくまでも他の基準を補充する意味合いで用いるのが妥当である。つまり、積極的に管理監督者性を肯定するという意味合いで用いるのではなく、管理監督者性を否定する補充的要素として運用すべきであ
る。
五 本判決の評価
⑴ 経営方針への参画・労務管理上の権限等の有無(ア)について Xは店長として、店舗のアルバイト従業員を採用し、時給額を決定したり、クルーのスウィングマネージャーへの昇
格決定の権限を有していた。また、将来アシスタントマネージャーや店長に昇格していく社員を採用する権限はないが、
(三七三)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七四同志社法学 六一巻一号
一次評価者としてその人事考課には関与していた。Yを代表して店舗従業員との間で時間外労働等の協定を締結した
り、就業規則変更の際の店舗従業員からの意見聴取を行い労働基準監督署長に届出も行っていた。また、形式的には店舗の営業時間を変更する権限を有していた。さらに、OCエリア(OCは、一〇店舗程度を担当し、その担当区域をO
Cエリアという。)や、OMエリア(OMとはオペレーションマネージャーのことでありOMは、六箇所程度のOCエリアを統括し、その担当区域をOMエリアという。)ごとに開催される店長会議や、店長コンベンション、キックオフ
ミーティングにも参加していた。
以上によれば、Xは店舗運営において重要な責任を有していると認められる。また、部下に対する人事考課や採用権
限については、アルバイト従業員の採用権限、スウィングマネージャーへの昇格を決定する権限を有しており、正規従業員たる社員の人事考課についても、一次評価者として関与していた。店長は店舗運営における重要な責任を有してお
り、Yが全国展開する店舗を運営する飲食店である以上、本社が直接全国各地の店舗の労務管理等を行うことは困難であると考えられる。とすれば、労働時間規制を超えて活動する企業経営上の必要性は肯定でき、右記のような店長の労
務管理に関する権限を併せ考慮すれば、(ア)については満たすと評価できる。
この点、判旨では、重要な職責を負っていることは明らかであるが、全国展開する飲食店という性質上、店舗で独自
のメニューを開発したり、原材料の仕入れを自由に選定したり、商品の価格を設定するということは予定されていないこと、また、店舗の営業時間も、本社がブランドイメージを構築するために打ち出した店舗の営業時間の設定に事実上
従うことを余儀なくされていること、店長会議等への出席は、Yからの経営方針等に関する情報提供や、店舗運営に関する意見交換が行われるに過ぎず、企業全体としての経営方針等の決定に店長が関与していたわけではないこと、さら
に、付与されている職務、権限は、店舗内に限定されていること、等から、「企業経営上の必要から、経営者との一体
(三七四)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七五同志社法学 六一巻一号 的な立場において、労働時間規制の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与されているとは認められない」としている。
しかし、Xは、一店舗の管理職として、アルバイト従業員の採用権限や、店舗を代表して三六協定を締結する権限を有しており、正規従業員に対する人事考課への関与も認定されている。「人」の採用、それに対する人事評価、昇格の
権限の他、事業所を代表して労働者と就業規則や三六協定の締結に係る業務を担当している。私見によれば、全社的な経営事項に参画していなくとも、Xのように労務管理に関して一定の権限を有していれば、「経営者と一体的な立場」
にあるものと考えられる。「経営者と一体的な立場」を判断するにあたって、経営事項への参画を必須としてしまうと、それは最早ラインに属する労働者という階級を抜け出し、企業経営を判断する取締役等と同等の職務と権限を要求せざ
るをえなくなり、およそ(ア)については、労働者の殆どがこれを満たさない事態となってしまうと思われる。したがって、判旨⑵については反対である。
⑵
いつに)イ(無有の量裁自由るす対に間時働労の己自て 店長は、店舗従業員の勤務シフトを決定する際、自身の勤務スケジュールも決定することになるので、形式的には自己の労働時間の設定や休日もコントロールできる立場にあるといえる。しかし、Y各店舗では営業時間帯に必ずシフトマネージャーを置く必要があり、X自らシフトマネージャーを勤めなければならない状態にあった。その結果、平成一
六年七月ころには三〇日以上、同年一一月から平成一七年一月にかけては六〇日以上の連続勤務を余儀なくされ、同年二月ころから五月ころにも早朝や深夜の営業時間帯のシフトマネージャーを多数回務めなければならない状態にあり (
、 61)
その結果時間外労働が一〇〇時間を超える場合もあり、その労働時間は相当長時間に及んでいる。
(三七五)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七六同志社法学 六一巻一号
「ているか否か」で審査しみしると、形式的には自らて有自定分自身の労働時間の決にをつき相当程度の自由裁量が
勤務スケジュールを決定できるため、労働時間の決定につき、相当程度の裁量を有していると思える。しかし、シフトマネージャーを必ず置かなければならないというYにおける制度上、実質的には裁量を有していないと評価できる。ま
た、「出退勤時間につき裁量を有しているか否か」で審査しても、早朝や深夜における営業時間帯のシフトマネージャーを多数回務めなければならない状態におかれ、時間外労働が一〇〇時間を超える場合もあったことから、出退勤時間
につき裁量を有していたとは評価できない。したがって、(イ)を満たさない。
判旨においては、「かかる勤務実態からすると、労働時間に関する自由裁量性があったとは認められない」と結論付
けている。このことから、本件では「自分自身の労働時間の決定につき相当程度の自由裁量を有しているか否か」を中心に審査したものと考える。
思うに、本件のような労働環境にある労働者を、労基法の労働時間規制から外すことは労働者保護の精神に著しく反すると考える。判旨においても、形式的な労働時間に関する裁量の有無ではなく、実質的な裁量の有無に焦点をあてて いる。Xの異常な長時間労働、連続勤務の背景として、「シフトマネージャーを確保できなければ」店長「自らシフトマネージャーとして勤務することでその不足を補うべき立場にあるという被告の勤務態 ママ勢上の事情から不可避的に生じ
る」と認定し、Yの制度設計自体の瑕疵について言及している。そして、Yの「原告の労働時間が長時間に及んだのは、部下とのコミュニケーションが不足するなどして、シフトマネージャーを務めることができるスウィングマネージャー
の育成ができなかったことが原因である」という、責任転嫁に近い主張を退けている。Yの主張は、管理監督者の業務遂行方法いかんによって(イ)の判断が変化するということであり、このような主張には賛成できない。したがって、
判旨
⑶
を支持する。(三七六)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七七同志社法学 六一巻一号
⑶
賃金等の待遇(ウ)について 本件では、Xの店長としての職務評価や年収を明確に認定はしていないが、認定された割増賃金の時間単価から逆算すると、月額給与は、平成一五年一二月から平成一六年三月まで三六万五三八円 (月か三年七一成平ら月四年六一成平、 62)
まで四〇万二七八四円 (
一年八三万四三でま月一円同五らか月四年七一成平、七 63)(
なあいしC評価でっ価たと推認できる ( 評かAる。このことらと、Xの評価はな 64)
あ評一二个月、B価間またはC評価でが期でるして、A評価あ。ったと思われそ 65)
ったと思われる期間が一二个月であり、このうちのB評価またはC評価であった期間を、店長の下位の職種であるファーストアシスタントマネージャーの年額賃金と比較している。
店長の賃金には月額一万四〇〇〇円が深夜割増賃金として含まれていること、B評価の店長の年額賃金とファーストアシスタントマネージャーの年額賃金の差が約四五万円であること、店長の月平均時間外労働時間が三九.二八時間、
ファーストアシスタントマネージャーの月平均時間外労働時間が三八.六五時間であることも比較し、前述のような店長の勤務実態も考慮して、管理監督者としての待遇として十分ではないとしている。
本件は、私見によれば、四
すで労外間時に様同、種を職の位下、りあで要働すがをとるなにとこるえ超金れ賃額年の種職位上ば必遇たっ合見に待
⑵
プ労。るす属にたイタA時し討検)でウ働(間督れそ、ばらな者監規理管るれさ外除制をれば、それはもはや、企業経営上の必要性から、労働者を管理監督者としているのではなく、単に人件費を削減するために法の効果を濫用しているものと考えられる。
裁判所は、Yにおける店長の人数・正規雇用者に占める店長の割合と年収等の待遇が上下するという実態を考慮して、X固有の収入と、その他の労働者との収入を比較するのではなく、店長職全体の収入とその下位職種たるファーストア
シスタントマネージャーの収入を比較しているものと思われる。前記四
⑵
管す定決を者督監理、(にうよたし示)でウる(三七七)
労働基準法上の「管理監督者」の判断基準三七八同志社法学 六一巻一号
制度自体の合理性を審査した運用であり、判旨
⑷
を支持する。⑷
結論 以上から、Xは全社的な経営事項に関する権限を有していないものの、店舗において労務管理に関する一定の権限を有しているため、(ア)については満たす。しかし、長時間労働を余儀なくされ、労働時間に関する裁量を有していないこと、それに見合った待遇を得ていないことから、(イ)、(ウ)を満たさず、Xは労基法四一条二号にいう管理監督者に該当しない。したがって、判旨の結論を支持する。
六 今後の課題 厳格な労働時間管理がなされているか否かについて、特に問題となるのは、使用者側が労働者全体の労働時間を管理
していない場合や、勤務態様を全く把握していない場合である。これらの場合には、そもそも労働時間を厳格に管理しているのか否かが不明なのだから、このことをもって労働時間につき厳格な時間管理がなされていないとすることは妥
当ではないと考える。適用除外の趣旨の前提である労働者保護の観点をふまえれば、この(イ)に関する基準の充足が特に重要であるが、法は企業経営上の必要性との調整を図るために、使用者の経済活動に配慮し、管理監督者について
は労働時間等に関する規制を除外している。このことに照らせば、労働時間を管理する責務を放棄している使用者にその効果を享受させる理由はない。したがって、このような場合には、厳格に(イ)に関する認定を行う必要があると考
える。
(三七八)