新 興 市 場 企 業 の営 業 損 益 をめ ぐる行 動 分 析
動 的 パ ネ ル分 析 の 基 礎 と して の個 別 決 算 集 計 デ ー タ にみ るそ の 姿
道 明 義 弘*伊 藤 研一**井 澤 裕 司***
Ont heBehavi or of Li s t edCompani es onJ ASDAQandt heOper at i ngPr of i t andLos s
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要 旨
「本 稿 で は、 動 的 パ ネ ル 分 析 の 基 礎 と して 個 別 決 算 集 計 デ ー タ に も とつ い て 、 営 業 損 益 をめぐる新 興 市 場 企 業 の 経 営 行 動 の 特 徴 を分 析 、 検 証 した 。」
1. は じ め に
企 業 の行 動 を分 析 す る方 法 は、 多 様 で あ る。 本稿 で は、 新 興 市 場企 業 につ いて の財 務 デ ー タベ ー ス を用 い て 、 集計 デ ー タを作 成し、 そ れ に基 づ い て 、新 興 市 場 企 業 の行 動 の 一端 を 明 らか に し よ う とす る もの で あ る 。 そ れ は 、動 的パ ネ ル分 析 を補う、基 礎 的 な もの とな る。 集計 デ ー タを用 い た分 析 に つ い て は、 す で に、 上 場 企 業 につ い て 、 い くつ か の 論 考 を公 表して きて い る が' ) 、新 興 市 場 企 業 に つ い て は 、 これ ま で ほ と ん ど触 れ る機 会 が な か っ た 。 店 頭 登 録 企 業 を 始 め 、 ジ ャ ス ダ ック 、 マ ザ ー ズ 、 ヘ ラ ク レス とい っ た市 場 に上 場 す る新 興 市 場 企 業 に とっ て、 資金 を調 達 す る 場 が 、 こ れ まで よ り も格 段 に増 え て い る 。本 稿 で は、 新 興 市 場 企 業と して、日本 政 策投 資銀 行 の 『企 業 財 務 デ ー タバ ンク 』 に収 録され て い る 上記 市 場 に 上場 ・登 録して い る全 社 、1571社を対 象 とす る。 な お、 個 別 決 算( 正 規 化 な し) デ ー タ を 用 い る。 そ の デ ー タベ ー ス の レ コ ード数 は、 14723レ コード、 収 録 期 間 は 、1987年12月 期 ∼2004年3月 期 まで の17期で 、 平均 収 録 期 間 は、9. 37 年とな っ て い る 。収 録 会社 数 の 内訳 は 、収 録 継 続 企 業1057社 、収 録 非 継 続 企 業514社 で あ る2) 。
集 計 デ ー タ は、 今 後 の 動 的 パ ネ ル分 析 の た め の基 礎 的 な デ ー タ と して利 用 で き る よ う にす る た め に 、営 業 損 益 に 関係 す る基 本 的 な項目に つ い て作 成した3) 。 そ れ は、 次 の よ うな項目で あ る。
( 1) 収 録 企 業 の う ち、 営 業 利 益 を生 み 出して い る会 社 と営 業 損 失 に陥 って い る会 社 を区 分し、 そ れ ぞ れ の会 社 数 を集 計して い る 。 な お 、 こ の集 計 に 当 た っ て は、 集 計 対 象 を、 収 録 全 社 、 収 録 継 続 全 社 、 製造 業 継 続 会 社 、非 製造 業 継 続 会 社 、収 録 非 継 続 全 社 、製 造 業 非 継 続 会 社 、非 製 造 業 非 継 続 会 社とい う7つ に 区分した 。
128 奈 良 大 学 紀 要 第34号
( 2) そ れ ぞ れ の 集 計 対 象 につ い て 、 集 計 会 社 総 数 とそ のレコード数 を カ ウ ン ト。
( 3) そ れ ぞ れ の 集 計 対 象 に つ い て 、 流 動 資 産 合 計 、 固 定 資 産 合 計 、 有 形 固 定 資 産 合 計 、 投 資 そ の 他 の 資 産 合 計 、 資 産 合 計 、 負 債 合 計( 旧 特 定 引 当 金 を 除 く) 、 流 動 負 債 合 計 、 固 定 負 債 合 計 ( 旧特 定 引 当金 を 除 く) 、 社 債 合 計( 1年 以 内 償 還 を含 む) 、長期 借 入 金 合 計( 1年 以 内返 済 を含 む) 、 資 本 合 計( 旧 特 定 引 当金 を含 む) 、 売 上 高 、 売 上 原 価+物 品税 等 、 販 売 費 ・一・般 管理 費、 費 用 総 額 、営 業 損 益 、営 業 外 収 益 、事 業 損 益 、営 業 外 費用 、経 常 損 益 、特 別 利 益 、特 別 損 失 、税 引 前 当期 純 損 益 、税 引後 当期 純 損 益 、期 末従 業 員 数 とい う25項目の集 計 値 を 求 め て い る。
こ れ らの集 計 デ ー タを用 い て、 営 業 損 益 をめ ぐる新 興 市 場 企 業 の行 動 をみ て い く こ とに した い 。
∬. 会 社 数 に見 る営 業 利 益 企 業 と営 業 損 失 企 業
会 社 、と くに営 利 法 人 の 目的 につ い て は 、 ほ とん どの 文 献 に お い て、 利 益 で あ る と され てい る。 とこ ろ が 、会 社 に お い て は 、計 算 上 の利 益 に は 、種 々 の利 益 が存 在して い る。 売 上 総 利 益 、営 業 利 益 、経 常 利 益 、税 引前 当期 純 利 益 、税 引後 当期 純 利 益 が存 在して い る が 、 どの利 益 が 目的 とさ れ て い るの で あ ろ うか 。株 主 に帰 属 す る利 益とい う意 味 か らす れ ば、 税 引 後 当 期純 利 益 で あ るが 、 そ れ も、 内 部 資金と して留 保され て い る とい う意 味 か らい う と、 すべ て が株 主 に帰 属 す る とい う わ け で もな さそ うで あ る 。 そ の他 の利 益 に つ い て は、 当然 、 株 主 に だ け帰 属 す る の で は な い とす れ ば 、会 社 の 目的 は利 益 で あ る とい う際 の利 益 が どの利 益 で あ る か が 問題 に な る。 ま た、 利 益目 的 とい う と きに は 、最 近 で は 、株 主 が株 式 会 社 の所 有 者と して、 そ の権 利と して 当然 利 益 を得 る こ とに な る とい う考 え か ら生じて い る と思 わ れ る が、 会 社 が利 益 を生 み 出せ な い と き、 そ の権 利 を行 使 す る こ とは で きな い 。株 主 に とっ て 、会 社 の 目的 は利 益 で あ る と考 え られ て い る の で あ ろ うか 。 一体 、会 社 の 目的 は 、何 で あ る の か 、 とい う素 朴 な疑 問 に答 え る た め の 一端と して 、利 益 に つ い て 、調 べ て み た 。本 稿 で は 、 ま ず 、営 業 損 益 に つ い て み て い る。 経 常 損 益と税 引後 当期 純 損 益 に つ い て は 、紙 幅 の制 約 上 、稿 を あ らた め て み る こ とに した い。 利 益 が どの よ うな方 向 に動 い て い る か に つ い て の分 析 は 、今 後 の動 的パ ネ ル分 析 に お い て も、 基 本 的 な情 報 を提 供 す る こ と に な る 。
会 社 が行 動した結 果 と して 、 い つ も利 益 が発 生して い る、と くに、 上 場 企 業 や新 興 市 場 企 業 に お い て は 、 当然 、利 益 が生じて い る は ず で あ る と考 え られ て い る で あ ろ う。 税 引後 当期 純 利 益 な らば と もか く、 と くに 、営 業 利 益 は 、売 上 高 か ら事 業 活 動 に必 要 な 、売 上 原 価と販 売 費 ・一般管 理 費 を 引 い た残りで あ る か ら、利 益 が な け れ ば や っ て い け な い こ とに な る。 こ の段 階 で 、 も し損 失 が で て い る の で あ れ ば 、 もの を作 っ て 、 あ る い は 、 もの を仕 入 れ て 売 る だ け で 、損 を して い る とい うこ とに な る か ら、事 業 の継 続 は お ぼ つ か な い こ とに な る。 こ ん な こ とは あ り得 な い とい う の が常 識 的 な考 え 方 で あ ろ う。 とこ ろ が 、 実 際 に は、 上 場 企 業 に お い て も、 新 興 市 場 企 業 に お い て も、営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 は存 在 す る 。 どの程 度 で あ る か に つ い て、 新 興 市 場 企 業 に お い て営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 数 を み て お こ う。
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年
一 収録全社 匡 継続全社匡 非継続全社+収 録全社比率 →←継続全社比率 →← 非継続全社比率
図1新 興 市 場 営 業 損 失 の会 社 数 と比 率一収 録 全 社 、 収 録 継 続 全 社 、 収 録 非 継 続 全 社 こ の グ ラ フ に よれ ば 、収 録 全 社 で は、営 業 損 失 の会 社 数 は、1993年度 以 降 は、100社以 上 で あり、最 高 は2002年 度 で 、250社近くに な っ て い る。収 録 全 社 が1225社 で あ るか ら、そ の割 合 は、20%弱 で あ る 。1992年度 以 降 は、10%∼15%で あ り、1999年度 と2002年度 が 高 くな っ て い る。この 営 業 損 失 の 全 社 に お け る会 社 数 の変 化 は 、1999年度 まで は、収 録 非 継 続 の会 社 に よる変 化 の影 響 が大きか っ た が 、2000年度 以 降 は、収 録 継 続 会 社 に よる変 化 の方 が大き く影 響 す る よ うに な っ て い る。収 録 継 続 全 社 に つ い て は 、1999年度 以 降 、急 激 に営 業 損 失 の会 社 数 が増 え て い る。収 録 会 社 全 体 か らみ れ ば 、 10%∼15%で あ るが 、そ の 原 因 が どの よ うな と ころ に あ る の か 、と い う こ とが 問題 に な っ て くるで あ ろ う。1999年度 を境 に して 、そ れ ま で とは 明 らか に異 な っ た行 動 が み て とれ る。
こ こ で 、収 録 継 続 全 社 、収 録 非 継 続 全 社 に つ い て、製 造 業 と非 製 造 業 に区 分した 場 合 の 営 業 損 失 の会 社 数 とそ の比 率 を示して お く。次 頁 の[ 図2] の グ ラ フ に よ って 、収 録 継 続 全 社と収 録 非 継 続 全 社 に お け る 製造 業と非 製造 業 で の営 業 損 失会 社 の会 社 数 の違 い と、そ れ ぞ れ の 行 動 の 相 違 をみ る
こ とが で きる 。
130 奈 良 大 学 紀 要 第34号
単位: 社100
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年
1一 製造業匡 非製造業+製 造業比率+非 製造業比率1
図2製 造 業 ・非 製 造 業 営 業 損 失会 社 数 と比 率一収 録 継 続 全 社と収 録 非 継 続 全 社 な お 、営 業 損 失 に 陥 っ て い る期 間 は 、平 均 す る と、 ほ ぼ3年 で あ り、 最 短 で、 非 製 造 業 継 続 会 社 の2. 5年、 最 長 で 、 製 造業 非 継 続 会 社 の3. 7年 で あ る。3年 間頑 張 っ て我 慢 をす れ ば 、 営 業利 益 に 転 換 す る こ とが で きる とい うこ とに な る 。
こ こ で 、各 集 計 単 位 に お け る営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 の平 均 営 業 損 失額と営 業 利 益 を生 み 出
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年
一 収録全社 匡 継続全社 匡 製造業継続 一 非製造業継続+非 継続全社 →← 製造業非継続 →← 非製造業非継続
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年
一 収録全社 匡 継続全社 匡 製造業継続一 非製造業継続+非 継続全社+製 造業非継続 →← 非製造業非継続
図4集 計 対 象 区分 別 平 均 営 業 利 益 額 して い る会 社 の平 均 営 業 利 益 額 を示して お く。
ま ず 、平 均 営 業 損 失額 を示 す前 頁 の[ 図3] か ら明 らか な よ うに、 損 失 額 の最 大 は、 非 製 造 業 の非 継 続 会 社 で あ り、非 継 続 会 社 の 方 が継 続 会 社よ り も損 失 額 が大き く、 収 録 全 社 の損 失 額 は、 非 継 続 会 社 に よる とこ ろ が大きい こ とが わ か る 。平 均 損 失額 は 、徐 々 に減 少して きて い る とみ な す こ とが で きる状 況 に あ り、減 少 の た め の努 力 が な さ れ て い る とい え る。
次 に 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 に つ い て 、 そ の平 均 営 業 利 益 額 を み て お きた い。 平 均 営 業 利 益 額 に つ い て は 、上 の[ 図4] の よ うに な っ て い る。
平 均 営 業 利 益 額 は 、収 録 全 社 で み る か ぎ り、傾 向 的 に減 少して きて い る。 利 益 を生 み 出 して い る会 社 に あ っ て も、 そ の利 益 額 は 、減 少して きて い る こ とが わ か る。 そ の原 因 の 一 つ と して、 利 益 を生 み 出 して い る会 社 の多くは 、 上 の市 場 に 上場 替 え を行う とい うこ とが考 え られ る が、 こ れ は 、収 録 非 継 続 全 社 の利 益 額と会 社 数 か ら読 み とれ る とこ ろ で あ ろ う。
そ れ で は 、 どの よ うな 原 因 に よっ て 、 こ の よ うな営 業 損 失 とな っ て い る の か に つ い て 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社と比 較しな が らみ て い くこ とに した い。
皿. 営 業 利 益 の 会 社 と営 業 損 失 の 会 社 の 相 違
ま ず 、営 業 利 益 の会 社と営 業 損 失 の会 社 の差 を 明 らか にす る た め に、 そ の基 本 的 な大きさ を調 べ て み た 。平 均 資 産 、平 均 売 上 高 、平 均 従 業 員 数 に よっ て大きさ を表 すとす る と、 そ れ ぞ れ の集 計 対 象 区分 ご とに 、次 頁以 下 の[ 図5] ∼[ 図7] の よ うに な る。 こ こ で は 、製 造 業 非 継 続 会 社
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1一 資産合計[ コ 売上高+期 末従業員数1
図7収 録 非 継 続 全 社 の 平 均 資 産 ・売 上 高 ・従 業 員 数
つ ぎに 、営 業 利 益 の会 社 で は 、 資 産 は売 上 高 よ り も小 さ い か、 ほ ぼ等しい程 度 で あ る の に対し て 、営 業 損 失 の会 社 で は 、 資 産 が売 上 高 よ り も大きい、 そ れ も、 は る か に大きい とい う状 態 が 明 らか に な っ て い る 。営 業 損 失 の会 社 に あ っ て は 、投 資 が先 行し、 そ れ も不 適 切 な投 資 で あ っ た可 能性 が 高 い とい うこ とが で きる 。 と くに 、バ ブ ル終 焉 後 の1990年代 の は じめ に 、 巨額 の投 資 を実 行して い る 。事 後 的 に み れ ば 、 明 らか に 追 随 的 な過 剰 投 資 を行 っ て い た こ とに な る。リス ク を負 わ な い フ ォロ ワ ー は 、市 場 競 争 に勝 て な い とい うこ とで あ ろ うか。
さ らに 、営 業 利 益 の会 社 の場 合 、 こ こ か ら明 らか に な っ て い る よ うに、 バ ブ ル後 は、と くに、 資 産投 資額 を抑 え 、従 業 員 を減らす とい う方 向 で、 一定 の 方針 の も とに政 策 が実 行 さ れ て い る と み られ る 。 そ れ に対して 、営 業 損 失 の会 社 に お い て は、 変 化 が激し く、 統 一 した政 策 が採られ て い る とは考 え られ な い 。バ ブ ル後 の行 動 は 、営 業 利 益 の会 社とは異 な っ た方 向 を示して い る。
収 録 継 続 、収 録 非 継 続 の全 社 に つ い て み て きた が 、 さ らに 、収 録 継 続 全 社 の うち 、製 造 業と非 製造 業 で は 、 どの よ うに異 な る か を調 べ た 。 そ の結 果 が 、次 頁 の[ 図8] と[ 図9] で あ る。
製造 業 継 続 会 社 、非 製造 業 継 続 会 社と もに 、 同 じ よ うな傾 向 が み られ る。 収 録 継 続 全 社 で は 、 営 業 利 益 の会 社 に つ い て は 、売 上 高 が 資 産 を上 回 っ て い た が、 そ の 原 因 は、 非 製 造 業 に あ る こ と が分 か る 。1992年 度 以 降 、非 製 造 業 に お い て は、 売 上 高 が 資 産 を上 回 っ て い る。 他 方 、 製 造 業 で は 、両 者 は 、 ほ ぼ 同 じ値とな っ て い る 。従 業 員 数 は、 非 製 造 業 の 方 が多くな っ て い る が、 製 造 業 ほ ど低 減 せ ず 、 ま た 、増 加して きて い る 。
134 奈 良 大 学 紀 要 第34号
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図8製 造 業 継 続 会 社 の 平 均 資 産 ・売 上 高 ・従 業 員 数
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図9非 製 造 業 継 続 会 社の 平 均資 産 ・売 上高 ・従 業 員 数
られ て きた とみ な す こ とが で きる の で あ り、2004年 度 、製 造 業 で は 、 わ ず か に 、非 製 造 業 で は 、 か な り、雇 用 は 回復した とい うこ とが で きる 。営 業 損 失 の会 社 に お い て は、 製 造 業 で は、 相 対 的 に 高 い雇 用 水 準 を維 持した ま まで 、最 近 に な っ て、よ うや く雇 用 削減 に取りか か っ て お り、 非 製 造 業 に お い て は 、1990年代 は じめ の過 剰 な雇 用 を削 減 す る の に非 常 な努 力 を払 っ て い た とい え る が 、 そ の 政 策 は 、功 を奏して は い な い よ うで あ る。
製造 業と非 製造 業 を比 較 す る と、非 製造 業 の 方 が そ の大きさ が大きい こ とが わ か る。 こ の理 由 と して 、 た とえ ば 、 製造 業 に お い て は 、大きな装 置 産業とみ な さ れ る会 社 が な い か 、 あ っ て も少 な い とい うこ と、 あ る い は 、小さな装 置 産業 で あ る とい うこ とが 考 え られ る。 ま た 、製 造 業 の大 き さを規 定 す る生 産 方式 が 、大 量 生 産 方式 で は な く、少 量 多 品種 生 産 向 き、 あ る い は 、特 化した 製 品生 産 用 の 生 産 方式 で あ り、 設 備投 資 が大き くない とい うこ とも考 え られ る。これ は、と くに、 営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 に お い て は 、 バ ブ ル期 以 降 も徐 々 に で は あ る が、 資 産総 額 が増 加
して お り、急 激 な投 資増 加 が み られ な い こ と、 そ して、 従 業 員 数 を削 減 す る とい うそ の行 動 か ら み て 、 そ の投 資 は 、不 必 要 な生 産 設備 の廃 棄 を伴 っ た省 力 化 投 資 とみ な す こ とが で きる。 製 造 業 に お け る政 策 は 、1999年 度 以 降 、 資 産総 額 が売 上 高 に先 行 す る形 に変 わ っ て きて お り、新 た な投 資 を 実行 す る政 策 が採られ る よ うに な っ て きた とい え る。 こ の よ うな製 造 業 に対して 、非 製 造 業 で は 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る 会社 は 、非 常 な勢 い で 、 モ ノ の リストラ 、 設備 廃 棄 を実 行して い る こ とが うか が え る 。1992年 度 以 降、 売 上 高先 行 型 に軌 道修 正し、 投 資 を抑 制し、 設 備 廃 棄 を 進 め 、従 業 員 も削減し、 ひ た す ら利 益 を生 み 出 す よ うに努 力して い る こ とが うか が え る。 こ の こ とは 、製 造 業と非 製 造 業 で は 、 資 産 の 内容 が異 な り、 利 益 を生 み 出す た め に は、 異 な る行 動 が必 要 と され て い た こ とを示して い る 。
こ の よ うな利 益 を生 み 出 して い る会 社 に対して 、損 失 に 陥 っ て い る会 社 は 、製 造 業 、非 製 造 業 と もに 、バ ブ ル後 に投 資 を著し く伸 ば して お り、バ ブ ル に乗り遅 れ た 追従 型 の過 剰 投 資 を実 行し て い る こ とが 明 らか に な っ て い る 。営 業 損 失 に 陥 っ て い る 会社 の場 合 、製 造 業と非 製 造 業 の 会社 の大き さに そ れ ほ ど大きな差 が な く、 い ず れ も、投 資 の 失敗 に よっ て 、大きな ダ メ ー ジ を受 け て い る様 子 が み られ る 。過 剰 設備 の 削減 に 失敗して い る、とい う よ り も、 誤 っ た投 資政 策 を修 正 す る こ とが で きな い とい うこ とに よっ て 、営 業 損 失 に 陥 っ て い る こ とが わ か る。と くに、 製 造 業 に お い て は 、売 上 高 が 資 産総 額 に対して著し く低 い た め に、 過 剰 な投 資 の 資金 を 回収 す る こ とは不 可 能 で あ ろ う。
こ の よ うに み て くる と、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社と営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社とで は 、 明 らか に そ の行 動 に差 が あ る こ とが わ か る 。利 益 を生 み 出 す た め に は 、 一貫した政 策 が必 要 で あ り、 資 産 と売上 高 のバ ラ ンス を どの よ うに とる か が重 要 な課 題とな る。 製 造 業と非 製 造 業 で は 、 そ の 政 策 に相 違 が み られ る が 、 い ず れ に お い て も、 課 題 に対 す る対 処 を誤 れ ば、 簡 単 に営 業 損 失 に 陥 る こ とが 明 らか に な っ て い る 。
具体 的に、営 業利益 と営業損 失そ れぞれが 、 どの ように して生 じてい るのか を明 らか に してお きたい。 こ こで は、集計対象 区分 ごとに、営業利益 が生 じてい る会社 と営 業損失 に陥って いる会社 につ いて、売上 高営業利益率 を、そ の分解 式 と ともに計算 し、 その結果 を、次頁以下 の[ 図10] ∼[ 図14] の グラフに示
136 奈 良 大 学 紀 要 第34号
1. 200
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1口売上高営業利益率 ■ 売上原価率 口販管費率1
図10収 録 全 社 の売 上 高営 業 利 益 率 の展 開
まず 、 収 録 全 社 の グ ラフ か ら明 らか な よ うに、 営 業 利 益 、 営 業損 失 の いず れ の 会社 に お いて も、 販 売 費・一般 管 理 費( 以 下 、販 管 費 と略称 す る) は 、増 加 傾 向 に あ る 。販 管 費率 は 、1988年 度以 降 、減 少 す る こ とは な い 。 こ の状 況 に お い て 、利 益 を生 み 出す か 、損 失 に 陥 る か は 、売 上 原 価 率 に か か っ て い る 。売 上 原価 を 引 き下 げ る こ とが で きれ ば 、利 益 を生 み 出す こ とが で きる が 、 そ う で な け れ ば 、損 失 に 陥 る 。営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 は 、販 管 費率 の増 加 を売 上 原 価 率 の低 減 に よっ て カバ ー す る こ とで 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る。 利 益 率 の大きさ は 、売 上 原 価 率 低 減 の大き さに か か っ て い る こ とが わ か る 。利 益 率 が、 こ こ 数年 、 徐 々 に逓 増して きて い る が、 そ の 増 加 は 、販 管 費率 の増 加 を超 え る売 上 原価 率 の低 下 に よっ て もた らさ れ て い る。 わ れ わ れ の事 前 の想 像 を超 え る低 い売 上 原価 率 を達 成して い る こ とに な る。 基 本 的 に は、 販 管 費率 の減 少 を予 想
つぎ に 、 収 録 継 続 全 社 と、 収 録 非 継 続 全 社に つ い て み て いこ う 。[ 図11] と[ 図12] を 参 照さ れ た い 。
営業利益 営業損失
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1口売上高営業利益率 ■ 売上原価 率 口販管費率1
図11収 録 継 続全 社 の 売 上 高 営 業 利益 率 の展 開
営業利益 営業損失
1. 200
1. 000
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1口売上高営業利益率 ■ 売上原価率 口販管費率1 図12収 録 非 継 続 全 社 の 売 上 高 営 業 利 益 率 の 展 開
収 録 継 続 全 社 と収 録 非 継 続 全 社の 最 大の 差 異は 、 売 上 原 価 率の 大 き さ に あ る 。 収 録 継 続 全 社に
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138 奈 良 大 学 紀 要 第34号
お い て は 、80%強 の 大きさ で あ る の に対して 、収 録 非 継 続 全 社 で は、 利 益 を生 み 出 して い る会 社 で も、90%近 い 売 上 原 価 率とな っ て い る 。 そ の 結 果 、 収 録 非 継 続 全 社 の 販 管 費 率 は、 極 端 に低 い 値とな る。 販 管 費率 を営 業利 益 を生 み 出 してい る会 社 で 比較 す る と、 収録 継 続 全 社 で は、 ほ ぼ20% 弱 、収 録 非継 続 全 社 で は、10%を 切 っ て い る 。 収 録 非 継 続 全 社 の 売 上 高 営 業 利 益 率 は、2%に 届 か な い値とな っ て い る 。収 録 継 続 全 社 で は 、6%程 度 の 利益 率 と な って い る。
営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 に あ っ て は 、売 上 原 価 率 の 高 さ よ り も、販 管 費率 の 高 さ が 問題 で あ る 。 こ れ は 、収 録 継 続 全 社 、収 録 非 継 続 全 社 の両 方 に 当 て は ま る。 売 上 原 価 率 は 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社と同 じか 、収 録 非 継 続 全 社 で は 、 む しろ低 い く らい に な っ て い る に もか か わ ら ず 、営 業 損 失 に 陥 っ て い る の は 、 ひ とえ に 、販 管 費率 が 高 い た め で あ る。 人 の リストラ が要 求 さ れ る 。 こ れ を 実行しな い か ぎ り、営 業 利 益 を生 み 出す こ とは で きな い。
こ の よ うな収 録 継 続 全 社と収 録 非 継 続 全 社 に続 い て、 収 録 継 続 全 社 に お け る製 造 業と非 製 造 業 を み て い くこ とに し よ う。 次 の[ 図13] と[ 図14] を 参 照 さ れ た い。
営業利益 営業損失
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1口売上高営業利益率■売上原価率 口販管費率1 図13製 造 業 継 続 会 社 の 売 上 高 営 業 利 益 率 の 展 開
製造 業と非 製造 業 で は 、 そ の行 動 に 、 明 らか に相 違 が み られ る。と くに営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 に お い て 、 そ の相 違 は顕 著 で あ る 。 製造 業 の方 が売 上 高営 業 利 益 率 は 高 い が 、 そ の原 因 は 、販 管 費 率 の低さ にあ る。 製 造 業 で は、 売 上 原 価 率もほ ぼ 一 定 で 、75%程 度 で あ り、 販 管 費 率 が18%程 度 で あ れ ば、7%位 の 利 益 率 と な る。1992年 度 、1993年度 に は 、20%を 超 え て い た販 管 費 率も、徐 々 に 下 がり、18%程 度とな っ て い る 。 そ れ に対して 、 非 製 造 業 で は、 販 管 費 率 の増 加 が 著しい 。売 上 原価 率 は 、 む しろ低 減して い る に もか か わ らず 、 販 管 費率 の上 昇 に よっ て、 売 上 高 営 業 利 益 率 は 、4%強 に と ど ま って い る。 製 造 業 よ りも明 らか に低 い 。
1. 200
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営業利 益 営業損 失
一〇 . 200
年
1口売上高営業利益率■売上原価率 口販管費率1 図14非 製造 業 継 続 会 社 の売 上 高営 業 利 益 率 の展 開
会 社よ り も販 管 費率 が 高 い た め に 、営 業 損 失 とな っ て い る が、 売 上 原価 率 が 高 くな る と、 そ れ に 輪 を か け て営 業 損 失 が大き くな る 。営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社よ り も、 営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 の 方 が 、利 益 率 の絶 対 値( 損 失率) は 大きい。 損 失 に 陥 る と、 利 益 を生 み 出すよ り もは る か に大きな マ イ ナ ス( 損 失) を 生じ させ る こ とに な る。
営 業 利 益 を生 み 出 して い る 製造 業 の会 社 で は 、売 上 高 の減 少 は そ れ ほ ど大き くな い とい うこ と もあ っ て 、 か な り安 定 した行 動 を とっ て い る 。 そ れ は 、販 管 費率 の減 少 に よっ て 、利 益 率 を上 昇 させ る こ とが で きる こ とを示して い る 。 人 の リストラ が進 行して い る とい え る。
そ れ に対して 、非 製 造 業 に お い て は 、売 上 高 の減 少 に よっ て、 販 管 費率 が上 昇して い る。 同 じ 従 業 員 数 で あ れ ば 、 当然 、 人件 費率 は 上昇 す る 。従 業 員 減 少 の ス ピ ードが売 上 高 の減 少よ り も遅
く、 そ の た め に 、販 管 費率 の 上昇 が生じて い る とみ る こ と もで きる。 非 製 造 業 に とっ て は、 売 上 原価 率 が 製造 業よ り も低くな っ て きて い る の で あ る か ら、売 上 高営 業 利 益 率 を上 昇 させ る た め に は 、 も う一段 の 人 の リストラ が 、 求 め られ て い る こ とに な る。
営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 に とっ て は 、 製造 業 、非 製 造 業と もに 、売 上 高 が減 少して い る の で あ る か ら、 売 上 原価 、 販 管 費 と もに、 縮 小 で きる よ うに努 力 して い か な けれ ば な らな い で あ ろ う。 売 上 原価 率 、販 管 費率と もに 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 に比 べ て、 か な り高 い値 に な っ て い る 。 どの よ うに して 、 こ の 費用 を 削減 す る か が 克服 す べき課 題 で あ る。
売 上 高営 業 利 益 率 を め ぐる行 動 の相 違 か ら、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社と営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 の 行 動 に相 違 が あ る こ とが 明 らか に な った 。 次 に、 これ らの会 社 のROAとROEに つ い て 、簡 単 に触 れ て お きた い 。
集 計 対 象 区分 ご とに少しず つ の 違 い は み られ るが 、 営 業 利益 を 生 み 出 して い る会 社 に お いて は、 0
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140 奈 良 大 学 紀 要 第34号
ROA、ROEと も にプ ラス で あ るが 、 営 業 損 失 に 陥 っ て い る会社 は 、 両 者 と もマ イナ ス にな っ て い る 。 そ して 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社と営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 を比 較して み る と、 程 度 の差 こ そ あ れ 、総 資本 回転 率( =総 資 産 回転 率 、 以 下表 記 を 略 す) と 財 務レバレ ッジ に差 が み られ る 。 一般 的 に い っ て 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 に あ っ て は、 営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社よ り も、総 資本 回転 率 が 高 く、財 務レバ レ ッジ が低 い とい う傾 向 が み られ る。 こ こ で は、 こ の こ とを 明 らか に す る た め に 、収 録 全 社と、 製造 業 継 続 会 社 お よび非 製 造 業 継 続 会 社 に つ い て 、総 資本 回転 率 と財務レバレッ ジ につ い て グ ラ フ化 して お く( [ 図15] 参 照) が 、 そ の他 の 集 計 対象 区 分 の分 析 結 果 につ い て は 、紙 幅 の関 係 で 省 略す る。 なお 、ROA、ROEの 分 析 につ い て は 、 経常 損 益 、税 引後 当期 純 利 益 の動 向 を も う少し詳 し くみ て い く必 要 が あ る が 、 こ の 点 に つ い て は 、稿 を あ らた め る こ とに した い 。 こ こ で は 、営 業 損 益 の レベ ル で の集 計 値 に つ い て分 析した結 果 を示 す に と どめ て お きた い 。
収録全社 製造業継続会社 非製造業継続会社 1. 400
1. 200
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一 総 資本 回 転 率( 全 社) 匡 総 資 本 回転 率( 営業利 益) 匡 総 資 本 回 転率( 営業 損 失) +財 務レバ レッジ( 全 社) → ← 財 務 レバ レッジ( 営 業利 益) - e一 財 務 レバ レッジ( 営 業 損 失)
図15総 資本 回転 率と財 務レバレ ッジ
製造 業 の 方 が低く、非 製造 業 の 方 が 高 い 。 い ず れ も、低 下 傾 向 に あ る こ とは 、財 務 体 質 が変 質 し て きて い る こ とを示して い る 。他 人 資本 か ら 自己 資本 へ の 資金 調 達 方 法 の変 化 が認 め られ る。 製 造 業 に お い て は 、営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 の財 務レバレ ッジ は、 か つ て は異 常 に 高 か っ た が、 近年 は 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社とそ れ ほ ど大きな差 が な くな っ て きて い る。 非 製 造 業 で は 、両 者 の 関係 は 、製 造 業 ほ ど明確 で は な く、営 業 利 益 を生 み 出 して い る会 社 の財 務レバレ ッジ が大き く低 下 して い る こ とが 目立 っ て い る 。1993年 度以 降 、急 激 に変 化して きて い る こ とを うか が わせ る結 果 で あ る 。 わ が 国企 業 の財 務 体 質 は 、製 造 業 、非 製 造 業と もに 、バ ブ ル以 降 、大き く 変 質 して きて い る こ とを うか が わせ る 。
営 業 利 益 を生 み 出 して い る 会社と営 業 損 失 に 陥 っ て い る 会社とを比 較して み る と、 か つ て は 、 後 者 は 、総 資本 回転 率 が低く、財 務レバレ ッジ も高 い こ とが多 か っ た が、 近 年 で は、 そ の差 が あ ま り大き くは な くな っ て きて い る 。 と くに 、財 務レバレ ッジ に お い て は、 そ れ ほ ど大きな差 は み られ な い 。 だ が 、 や は り、総 資本 回転 率 が低く、効 率 が悪 い こ とを示して い る。した が っ て、 現 在 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る どの会 社 に あ っ て も、効 率 が悪 化 す れ ば営 業 損 失 に 陥 っ て も仕 方 が な い とい う状 況 に あ る とい え る で あ ろ う。 一歩 誤 れ ば 、 どの会 社も営 業 損 失 に な る可 能性 が存 在して い る こ とに な り、利 益 を生 み 出 す よ うに会 社 の 舵 を取 る の は、 い よい よ困 難 に な っ てい る。
以上 、総 資本 回転 率と財 務レバレ ッジ に つ い て簡 単 に み て きた が 、最 後 に 、新 興 市 場 企 業と上 場 企業との比 較 を して お きた い 。
] . v. む す び に代 えて 一新 興 市 場 企 業 と上 場 企 業 との 違 い
こ れ ま で 、新 興 市 場 の企 業 に つ い て の分 析 を試 み て きた 。 失 わ れ た10年とい わ れ て い る1990年 代 に お い て 、 わ が 国 の新 興 市 場 に上 場して い る会 社 の多くは 、 自 らの努 力 に よっ て営 業 利 益 を確 保して きて い る 。利 益 を確 保して きた 会社 は 、 設備 投 資 、雇 用 問題 に つ い て 、利 益 を確 保 す る た め に 、 一貫した行 動 を採 用し、 そ の結 果 と して 、利 益 を生 み 出 す こ とが で きた、とい う当然 の結 果 を みせ て い る 。 そ れ に対して 、営 業 損 失 に 陥 っ て い る会 社 に お い て は、 そ の行 動 に は 一貫 性 が な く、単 に利 益 を 求 め て行 動した結 果 、損 失 を生 み 出す こ とに な っ た とい わ ざ る を え な い もの で あ っ た 。損 失 が発 生して い る 原 因 を 究 明 す る こ とな く、 利 益 の た め の行 動 を採 用した結 果 、 む し ろ損 失 を発 生させ 、損 失 を拡 大させ て い くこ とに な っ た。 そ こ か ら抜 け 出 す た め に は 、状 況 を 的 確 に分 析し、利 益 を生 み 出 す た め の ロ ジ ック に基 づ い た 、 一貫した行 動 が 求 め られ る。
こ の よ うな結 果 か らみ て 、営 業 損 益 の段 階 で 、収 録 継 続 会社 に お い て さえ 、製 造 業 で は 、収 録 会社 の10%∼20%の 会社 が 、 また 、非 製 造 業 にお い て も、10%∼15%の 会 社 が 、 営 業 損 失 に 陥 っ て い る こ とは 、注目 しな け れ ば な らな い で あ ろ う。収 録 全 社 で み て も、 ほ ぼ 同 じで あ る。 非 継 続 会 社 で は 、 さ らに 高 い比 率とな っ て い る 。 こ の こ とは、 営 利 法 人 で あ る会 社 ・企 業 に とっ て、 利 益 が 目的で あ る とす れ ば 、異 常 に高 い 営 業損 失 会 社 の 比 率 で あ る とい わ な けれ ば な らな い。 利 益 は、 当然 の ご と く生 み 出 され る の で は な く、会 社 に お け る努 力 の結 果 で あ り、 そ れ は、目的 とい う よ
142 奈 良 大 学 紀 要 第34号
ような こ とが 、上場 企 業 に対して も当て は まるか どうか につ い て、簡 単 に考究 してお くことに したい 。 新 興 市 場 の場 合と同 じ よ うに 、上 場 収 録 全 社 を母 集 団 と して、 営 業 損 失 の会 社 に つ い て、 そ の 会 社 数 を集 計 し、全 体 に 占 め る割合 を計 算して み た 。 そ の結 果 は、 次 の[ 図16] の とお りであ る。 集 計 対 象 期 間 は 、新 興 市 場 の 場合よ り も長く、1980年 度 ∼2004年度 で あ る。 なお 、 収録 会 社 数 は、 2879社 、平 均 収 録 期 間 は、 約18年 で あ る。
単 位 社4500
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年 1一会社数+比 率1
図16上 場 全 社に おけ る 営 業 損 失 の 会 社 数と 全 社に 占 める 比 率
上 場 企 業に お い ても 、 営 業 損失 に 陥 っ て い る 会 社は 、 存 在 し て い る 。わ が 国 企 業がも っと も利 益を 上げ て い ると思わ れ て い た1980年 代末 から1990年 代はじ め に か け て の 、 い わ ゆ る バブ ル の 最 終 段階 に お い ても 、 少なく は あ る が 、 営 業 損失 に 陥 っ て い る 会 社は 存 在 し た 。そ れ 以降 、 営 業 損 失 に 陥 っ て い る 会 社の 数 はう なぎ登 りに 上 昇し 、250社 以 上 、1999年 度 、2002年 度に は 、400社 を 超え て お り、 そ の 比 率は16%強 と な っ て い る 。こ の 比 率 は 、 新 興 市 場 の 場 合より も低い が 、 会 社 の 大 き さ を 考え れ ば 、 異 様に 大 き な 割 合で あ ると い わ な け れ ば なら な い で あ ろう。資 本 金10億 円 以上 の 会 社の10%を 大き く超え る 会 社が 営 業 損 失に 陥っ て いる と いう 状 況は 、 普 通で は な い 。そ れ 以 外の 年度 に お い ても 、 営 業 損失 に あ えぐ会 社数 は 、 新 興 市 場の 場 合 よ り も 、 そ の 割 合は 低い が 、 少な いと は い え な い で あ ろう 。 そ の 変 化に は 、 新 興 市 場の 場 合 と ほ ぼ 同じ傾向 が みら れ る 。 な お 、 上 場 企 業の 場 合 、 営 業 損 失に 陥っ て い る 期間 は 、 平 均3. 7年 で あ り、こ の 期 間 は 、 新 興 市 場 企 業の 場 合に 比 べて 、 長く な っ て い る 。 上 場企 業の 方が 、 営 業 損 失から抜け 出 すた め に 、 長い 期 間 が 必 要 と な っ て い る 。
250000000
200000000
150000000
100000000
50000000
単位千円
営業利 益 営業損 失
単位 人
0
墨NW藝 塁 蟹塁 塁 塁 塁 塁 奏 養甕 塁 翼 藝 塁 墨 § 塁 塁 塁 塁 甕NOON甕
年
3000. 0
2500. 0
2000. 0
1500. 0
1000. 0
500. 0
0. 0
1一 資産合計 一 売上高+従 業員数1
図17上 場 全 社 平 均 資 産 ・売 上 高 ・従 業 員 数
営業利益 営業損失
単位 千円10000000
8000000
. 111111
4000000
2000000
0
一z OOOOOO
一4000000
年 1口営業損益1
図18上 場 全 社 営 業 利 益 会 社の 平 均 営 業 利 益 額 と営 業 損 失 会 社の 平 均 営 業 損 失 額 以 降 、 従 業 員数 を 削 減 し てき て おり 、1993年 度 以 降 、 本 格的 な 人 のリ ス トラ を 実 行 し て い る 。
1993年 度は 、 資 産と 売 上 高 の ピ ー ク で あ る が 、そ れ 以 降 、 資 産 の 減 少 額は そ れ ほど大 き く なく、 売 上高 の 減 少 額が 大 き く な っ て い る 。 営 業 利 益を 生み 出し て い る 会 社に お い ても 、 モ ノ のリ ス ト
「 「
一
一
継l l 」1
催
軒
l l 制1
144 奈 良 大 学 紀 要 第34号
1. 100 1. 000
1・11
o. s oo 0700 1. 11 0. 500 0. 400 0. 300 0. 200 o. i oo 0000
営業利 益 営業損 失
一〇 . i oO
年
1口売上高営業利益率■売上原価率口販管費率1 図19上 場 全 社 にお け る売 上 高 営 業 利 益 率 の 展 開
ラ は 、 そ れ ほ ど十 分 に 実 行 さ れ て は い な い と思 わ れ る。 こ の行 動 結 果 は、 新 興 市 場 企 業 と は異 な っ て い る 。
[ 図18] に 、営 業 利 益 を生 み 出 して い る 会社 の平 均 営 業 利 益 額 と、営 業 損 失 に陥 って い る 会社 の 平 均 営 業 損 失額 を示 してお い た 。利 益 額 は新 興 市 場 企業 よ りも大き く、 そ の変 化 の あ り方 は異 な っ て い る。 損 失額 は、 や は り新 興 市場 企 業 よ りも大きい が 、 その 変化 の あ り方 は よ く似 て い る。
上 場 企 業 に お け る営 業 損 失 の会 社 を対 象と して 、新 興 市 場 の場 合と同様 に 、 そ の原 因 を探 る た め に 、 売上 高営 業 利 益 率 を計 算した 。 そ の結 果 の グ ラ フ が 、[ 図19] で あ る。
こ の よ うな営 業 利 益 を生 み 出 して い る 会社 に対して 、営 業 損 失 に 陥 っ て い る 会社 の状 況 は 、新 興 市 場 企業 の場 合と同様 に 、売 上 原価 率 を低 減させ る こ とに失 敗し、 さ らに、 販 管 費率 の増 加 に 悩 む とい う結 果 に な っ て い る。 近 年 は、 販 管 費 を極 端 に切りつ め る とい う行 動 を採 用して い るが 、 そ れ が逆 に売 上 原価 の増 加 を招き、営 業 損 失 に 陥 る こ と とな っ て い る。 こ こ に は、 明 らか に、 一・ 貫した政 策 はみ られ な い。 新 興 市 場 企 業 と比 較した場 合 、 売 上 高営 業 利 益 率 の マ イナ ス の程 度 は、 小さい の で あ る が 、 そ の 原 因 は 、販 管 費率 の低さに あ り、売 上 原 価 率 に つ い て は 、 明 らか に新 興 市 場 企 業 の 方 が低くな っ て い る 。上 場 企 業 に とっ て は 、売 上 原 価 率 に つ い て の コ ン トロ ー ル が必 須とな る 。他 方 、新 興 市 場 企 業 で は 、販 管 費率 の コ ン トロ ー ル が必 要 で あ る こ とに な る。
こ の こ とを 明 らか に す る た め に 、参 考 資料と して 、新 興 市 場 企 業 の収 録 全 社 に お け る平 均 売上 原価 ・平 均 販 管 費 と上 場 企業 全 社 に お け る平 均 売 上 原価 ・平 均 販 管 費 を比 較した グ ラ フ を示して お きた い 。 次 の[ 図20] と 次 頁 の[ 図21] が そ の グ ラ フ で あ る。 こ の二 つ の グ ラ フ に よっ て、 販 管 費 に つ い て 、異 な る行 動 が み られ る こ とが わ か る。
営業利益 営業損失
単位 千円100000000
90000000 80000000
70000000 . 1111111
50000000
40000000 30000000 20000000
10000000 0
「r 鴨COσ) OuNc っ寸Lnく9卜㍉M寸 卜Cつ 寸LnqD卜 寸 ooooo
ooooo
ド ア ド ド ア ア ア ド ド ア ア ド ドNNNNNド ァ ア ア ド ァ ア ア ア ド ァ ド ァ NNNNN 年
1口売上原価 ■ 販管費1
図20新 興 市 場 収 録 全 社に おけ る 平 均 売 上 原 価 ・平 均 販 管 費
ROA、ROEに つ い て は 、 新 興 市 場 企 業 の 場 合 と異なり、 営 業 利 益 を生み 出して いる 会 社は 、 営 業 損失 に 陥 っ て い る 会 社 よ り も 、 総資 本回 転 率は 相 対的 に 低 く 、 財 務 レバ レ ッ ジも低いと いう結 果 に な っ て い る 。 新 興 市 場企 業 と は 異な ると こ ろ で あ る 。こ こ でも、 参 考資 料 と し て 、 上 場 企 業 に お け る 総資 本回 転 率 と財 務 レバ レ ッ ジ の 動向 を 、 次頁 の[ 図22] に 示 し て おく。
146 奈 良 大 学 紀 要 第34号
営 業利益
単位: 千 円z OOOOOOOO
180000000
160000000 140000000
120000000 100000000
80000000
60000000 40000000 20000000
0
塞 翼 葭 塁 塁 塁N
図21 営業利益
0
0
6
1
0
0
4
1
0
0
2
1
0
0
0
1
0
0
8
0
0
0
6
0
0
0
4
0
0
0
2
0
0
0
0
0
営 業損 失
藝 墨 塁000NN8N菱 塞NW藝 塁 墨ONa塗 塁OOONN8N養
年 1口売上原価 ■ 販管費1
上 場 全 社 平 均 売 上 原 価 ・平 均 販 管 費 営業損失
0
0
0
2
1
0
0
0
0
1
0
0
0
8
0
0
0
6
0
0
0
4
0
0
0
2
0
0
0
0
蜜 翼a墨 翼 塁N葦 塁 塁OgNN8NNOWNWa塁 塁 塁Na塁 塁 §N8NN
年
1一総資本回転率 →一財務レバレッジ1
図22収 録 上 場 全 社 の 総 資 本 回 転 率と 財 務レ バレッ ジ
*本稿 は
、平 成17年 度 科 学 研 究 費補 助 金( 基 盤 研 究( B) 用して い る 。
注
1) さ しあ た り、 次 の 論 考 を参 照 さ れ た い 。拙 稿 「日本 の 会 社 は 強 か っ た の か? 一 検 証: 株 式 会 社 「日本 』 一」 「経 営 情 報 研 究 』( 摂南 大 学 経 営情 報 学 部)
、 第3巻 第2号( 平 成7年7月) 、pp. 73∼98、 同 「日本 の 会社: 金 利コストの 分 析一検 証: 株 式 会 社 「日本 』 一」 「経 営 情 報 研 究 』( 摂 南 大 学 経 営 情 報 学 部) 、第3 巻第1号( 平 成7年7月) 、pp. 99∼l l 5、 同 「金 融機i 関の 株 式 所 有 状 況と融 資動 向 の 分 析: 生 命 保 険 会 社 を 中 心 と して 一検 証: 株 式 会 社 「日本 』 一」 『奈 良 大 学 情 報 処 理 セン ター 年 報 』( 奈良 大 学 情 報 処 理 セン ター) 、第6号( 平 成7年l l 月) 、pp. 49∼72、 同「日本 の 会 社: 資 金 調 達 の 分 析 一検 証: 株 式 会 社 『日本 』 一」 「経 営 情 報 研 究 』( 摂南 大 学 経 営情 報 学 部)
、 第3巻 第2号( 平 成8年2月) 、pp. 15∼62、 同 「金 融 機 関 の融 資 動 向 の 分析一検 証: 株 式 会社 「日本 』 一」 『経営 情 報 研 究 』( 摂南 大 学 経 営情 報 学 部) 、第3巻 第 2号( 平 成8年2月) 、pp. 63∼81、 同 「日本 の 製 造 業: 付 加 価 値 の 生 産一検 証: 株 式 会 社 『日本 』一」 『経 営 情 報 研 究 』( 摂南 大 学 経 営 情 報 学 部) 、第4巻 第1号( 平 成8年7月) 、pp, 1∼46、 同 「日本 の製 造 業: 空 洞 化 の 実 態 一検 証: 株 式 会社 「日本 』 一」 『経営 情 報 研 究 』( 摂南 大 学 経 営情 報 学 部) 、第4巻 第 1号( 平 成8年7月) 、pp. 79∼l l 8、 同 「日本 の製 造 業: 労 働 生 産 性 の二 変 量 変 化 分 析一検 証: 株 式 会 社
『日本 』 一」 「奈 良大 学 情 報 処 理 セ ン ター 年 報 』( 奈良 大 学 情 報 処 理 セ ン ター) 、第7号( 平 成8年10月) 、 pp. 43∼65、 同 「日本 の 製 造 業: 資 本 生 産 性 とそ の二 変 量 変 化 分析一検 証: 株 式 会 社 「日本 』 一」 「経 営 情 報 研 究 』( 摂南 大 学 経 営 情 報 学 部) 、第4巻 第2号( 平 成9年2月) 、pp. 1∼56、 同 「日本 の 製 造 業: 空 洞 化とOEM効 果 一検 証: 株 式 会 社 「日本 』 一」 「経 営 情 報 研 究 』( 摂 南 大 学 経 営 情 報 学 部) 、第4巻 第2号
( 平成9年2月) 、pp. 65∼147、 同 「日 ・米・加 製 造業 の収 益 力 比 較 一検 証: 株 式 会社 「日本 』 一」 『経 営 情 報研 究 』( 摂南 大 学 経 営 情 報 学 部) 、 第5巻 第1号( 平 成9年7月) 、pp, 31∼84、 同 「日 ・米 ・加 非 製 造 業 の 収 益 力 比 較 一検 証: 株 式 会社 「日本 』 一」 「奈 良 大 学 情 報 処 理 セ ン ター 年 報 』( 奈良 大 学 情 報 処 理 セ ン ター) 、第8号( 平 成9年9月) 、pp. 45∼74、 同 「企 業 集 団 の収 益 カー検 証: 株 式 会 社 「日本 』一」 『経 営 情 報 研 究 』( 摂 南 大 学 経 営 情 報 学 部) 、 第5巻 第2号( 平 成10年2月) 、pp. 51∼89、 同 「日 ・米 ・ 加 一 般 機 械 産 業 の収 益 力 比 較 と奈 良県 上 場 企 業 一検 証: 株 式 会社 「日本 』 一」 「奈 良大 学研 究所 所 報 』( 奈 良大 学 総 合 研 究 所) 、第6号( 平 成10年3月) 、pp. 47∼95、 同 「日・米 ・加 製 造 業 ・非 製 造 業 に お け る 自 己 資本 経 常 利 益 率 規 定 要 因 の解 明 一集 計 デ ー タ に も とつく企 業 財 務 分 析 一 〈検 証: 株 式 会 社 『日本 』〉」 『フ ァイ ナ ンス研 究 セ ン タ ー リサ ー チ ペ ー パ ー シ リー ズ 』( 立命 館 大 学 フ ァイ ナ ンス研 究 セ ンタ ー) 第 98005号 、平 成l l 年3月 、pp. 1∼104、 同 「日本 の 製 造 業: OEM化 の メ カニ ズ ム とそ の 影響一検 証: 株 式 会社 「日本 』」 『奈 良大 学 紀 要 』( 奈 良 大 学) 、第28号、 平 成12年3月 、pp. 185∼206、 同 「OEMと 雇 用 の流 動 化一検 証: 株 式 会社 「日本』」 『奈 良大 学 情 報 処 理 セ ンタ ー年 報 』、 第10号 、 平 成l l 年9月 、pp. 55∼79、 同 「戦 略 的要 因 と して のOEM化: 市 場と組 織 」 「立 命 館 経 済 学 』( 立命 館大 学 経 済 学 会) 、第49巻 第2号 、 平 成12年6月 、pp, 17∼54、 同 「OEM化 の メ カ ニ ズ ム: 企 業 規模と市 場 、 組 織 」 「フ ァ イナ ンス 研 究 セ ン
ター リサ ー チ ペ ーパ ー シ リーズ 』( 立命 館 大学 フ ァイナ ンス研 究 セ ン ター) 、第Ol - 006号 、平 成13年12月 、 pp. 1∼37、 同 「産 業( 業 種) 別OEM化 の メ カニ ズ ム: パ ネ ル デ ー タに よ る先 決性 の検 定 」 「立 命 館 経 済 学 』( 立 命 館 大 学 経 済 学 会) 、第50巻第6号 、 平 成14年2月 、pp. 15∼52。
2) 本 稿 に お い て は、 これ ら の企 業 を対 象 に 、個 別 決 算 の 財 務 デ ー タ に基 づ き、 分析を進 め て い くが 、 連 結 決 算 に つ い て は、 稿 を あ らた め て論じる こ とに した い。