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2013 年度 修士設計

障害者と健常者が共に暮らす

まちに開かれたシェアハウス

Disabled Persons And Physically Unimpaired Persons Live Together ∼Open Shared-House∼ 2014 年 1 月 高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 社会システム工学コース 1155074 小谷 慎吾 指導教員 吉田 晋 副指導教員 大谷 英人

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Disabled Persons And Physically Unimpaired Persons Live Together

Open Shared-House∼

Infrasteucture Systems Engineering Course 1155074 Shngo Odani

Abstract

・Housing Problem Of Disabled Persons

After injury, cannot be admitted to the hospital forever disabled persons. When you leave the hospital one day will come.

However, in the "public housing", occupancy number of units for disabled persons is not enough current state of housing in Japan. Then, it refused to live in the "apartment house." And, there are situations that cannot be repaired. As a result, the leave hospital is delayed house to live in be not found. It is to be admitted to different hospitals. It led to the "independence" is delayed.

It is the purpose of that by taking advantage of the characteristics of the share house in order to solve the housing problems of disabled persons, and disabled persons live with "independence".

・Community

There was a community in Japan in the past. However, the community is now no longer in urban areas in particular by modernization. Decline of the community, is also involved in social participation of disabled persons.

There is prejudice and discrimination against disabled persons in Japan. So, I want to eliminate prejudice and discrimination against disabled persons. To do so, I will increase the chance of contact with disabled persons.

In the vicinity of the "National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities", there is a community. "National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities" is a hospital where I was admitted last year. I develop it more. I design a share house as the method.

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障害者と健常者が共に暮らす

まちに開かれたシェアハウス

社会システム工学コース 1155074 小谷 慎吾 1-1 研究の背景 1-1-1 障害者の住宅問題  障害者は受傷後、いつまでも病院に居られる分けではなく、いつか退院する時が来る。 しかし、日本の住宅の現状は『公営住宅』では、障害者の入居戸数が足りない。『マンショ ン・アパート』では入居を断られる・改修ができないという状況がある。そして、住む家 が見つからず。退院が遅れたり、違う病院や施設に入所することになり『自立』が遅れる ことに繋がっている。持ち家を改修出来る人は良いがそうでない人は沢山いる。 1-1-2 コミュニティの必要性  日本のコミュニティの移り変わりとして、日本は農耕民族で先祖代々受け継がれた土地 で農業を行い暮らしてきた歴史があり、そこでは密な近所付き合いや地域の集まりがあっ たが、社会の都市化・産業化が進むにつれ近所付き合いが少なくなり都市部ではそれが無 くなりつつある。この問題は、超高齢社会を迎えた日本において、高齢者が孤独死する事 にも繋がる話である。一方、地域との関わり合いが密な地域では、災害時に多くの命が助 かっている事も事実である。  また、このコミュニティの衰退は、障害者が社会参加出るかという事にも繋がっている。 日本では障害者に対する差別や偏見が今なお存在する。これは、日本の義務教育制度のあ り方に問題がある。小学生になると特別支援学級という形で障害をかかえる児童は別のク ラスにさせられる。福祉が進む国では、障害をかかえる児童も一般のクラスでみんなと一 緒に学んでいる。この違いが差別や偏見を生む始まりだと思う。障害者と接する機会が諸 外国に比べ著しく少ない日本において、障害者は閉鎖的なイメージを持たれがちだ。その マイナスイメージで周囲になかなか障害を理解してもらえず、閉じこもり気味になる者も 少なくない。そこで、私は障害者に対する差別や偏見を無くすために、障害者と接する機 会を増やすしてやれば、障害者が社会参加をし易い環境が生まれると考えている。

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1-2 研究の目的 1-2-1 シェアハウスでの「自立」  障害者の住宅問題を解決するためにシェアハウスの特徴である共有部が充実している事 や安全である事(他人と共に暮らす事で車椅子からの落車した時も助けを呼べる)など、障害 者が暮らすためのメリットが多くあるシェアハウスを設計し、障害者が「自立」して暮ら す事を目的としている。 1-1-2 コミュニティの形成  私が昨年入所していた「国立障害者リハビリテーションセンター」の周辺では、障害者 と地域住民が気軽に声を掛け合える環境があった。それをもっと発展させたいと思い障害 者の住まいに地域住民が訪れやすい環境をつくることで、今ある障害者に対する偏見が無 くなりみんなが助け合って暮らしていくコミュニティを生む事を目的にしている。そして、 障害者も地域住民と交流していく中で外に出る機会も増えていくと考えている。

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1 はじめに 1 1-1 研究の背景  1-1-1 障害者の住宅問題  1-1-2 コミュニティの必要性 1-2 研究の目的  1-2-1 シェアハウスでの『自立』  1-1-2 コミュニティの形成 2 社会的背景 2 2-1 福祉のまちづくり 2-2 バリアフリーのまちづくりからユニバーサルデザインのまちづくりへ- 2-3 福祉の分野での『自立』の定義 2-4 『自立』の代わりに『基本的人権を享有する個人としての尊厳』 2-5 障害者の定義  2-5-1 WHO での障害者の定義  2-5-2 日本での障害者の定義  2-5-3 障害者の定義まとめ 3 シェアハウスの歴史と分類 7 3-1 シェアハウスの歴史 3-2 集まって住む形 3-3 コモンスペースの分類と定義  3-3-1 三松のコモンスペースの分類



3-3-2 コモンスペースの分類 『居住者コモン』  3-3-3 コモンスペースの分類 『外部者とのコモン』  3-3-4 コモンスペースの定義 3-4 個室-共用部機能分類  3-4-1 個室機能分類  3-4-2 共用部機能分類 3-5 シェアハウスの事例 3-6 事例資料集  3-6-1 事例データ  3-6-2 事例コモンスペースの分類

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4 障害者の住環境 31 4-1 車椅子使用者(下肢障害者)の住環境 4-2 つえ使用者(下肢障害者)の住環境 4-3 上肢障害者の住環境 4-4 内部障害者の住環境 4-5 視覚障害者(全盲)の住環境 4-6 視覚障害者(弱視等) の住環境 4-7 聴覚障害者(全ろう) の住環境 4-8 聴覚障害者(難聴) の住環境 5 シェアハウスの共用部の条件設定   35 5-1 対象とする者(障害者) 5-2 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ 5-3 障害の特徴、困ること 5-4 障害同士の環境共存度 5-5 シェアハウスのタイプを決定 5-6 共用部の条件を設定  5-6-1 トイレの条件を設定  5-6-2 玄関の条件を設定  5-6-3 浴室の条件を設定  5-6-4 キッチンの条件を設定  5-6-5 ランドリーの条件を設定  5-6-6 洗面の条件を設定  5-6-7 リビングの条件を設定  5-6-8 ダイニングの条件を設定 5-7 シェアハウスの共用部の条件を設定  5-7-1 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定  5-7-2 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定

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6 障害者と健常者が共に暮らす まちに開かれたシェアハウス の提案 56 6-1 コンセプト 6-2 計画対象敷地の概要  6-2-1 高知県高知市長浜地区の位置  6-2-2 高知市長浜地区の概要 6-3 対象敷地の選定  6-3-1 国立障害者リハビリテーションの模式図  6-3-2 シェアハウスと地域の関係性  6-3-3 病院と学院が近隣にある敷地『長浜地区』  6-3-4 津波への配慮 6-4 対象敷地の位置 6-5 敷地写真 6-6 ダイアグラム  6-6-1 コモンスペースの配置 イメージ  6-6-2 まちに開くための建築的提案『L 字のハコ』 6-7 フラット型 シェアハウス概要 6-8 ステップ型 シェアハウス概要 6-9 居住者と周辺住民の関係性 6-10 平面図 6-10-1 フラット型 シェアハウス 平面図 6-10-2 ステップ型 シェアハウス 平面図 6-11 鳥瞰図 6-12 断面図 6-12-1 フラット型 シェアハウス 断面図 6-12-2 ステップ型 シェアハウス 断面図 6-13 立面図 6-13-1 フラット型 シェアハウス 立面図 6-13-2 ステップ型 シェアハウス 立面図 6-14 アクソノメトリック 6-14-1 フラット型 シェアハウス アクソノメトリック 6-14-2 ステップ型 シェアハウス アクソノメトリック

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6-15 パース 6-15-1 フラット型 シェアハウス パース 6-15-2 フラット型 シェアハウス パース説明 6-15-3 ステップ型 シェアハウス パース 6-15-4 ステップ型 シェアハウス パース説明 7 まとめ   84 参考文献、参考資料

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図目次 fig.1 ひつじ不動産(左)東京シェアハウス(右) fig.2 シェアハウスの歴史 fig.3 集まって住む方 fig.4 三松のコモンスペースの分類 fig.5 コモンスペースの分類 『居住者コモン』 fig.6 コモンスペースの分類 『外部者とのコモン』 fig.7 SHAREyaraicho 写真 fig.8 SHAREyaraicho 平面図 fig.9 THE SHARE 写真 fig.10 THE SHARE 平面図 fig.11 ヨコハマアパートメント写真 fig.12 ヨコハマアパートメント 平面図 fig.13 事例 個室-共用部機能分類 グラフ fig.14 国立障害者リハビリテーションセンター写真 fig.15 国立障害者リハビリテーションセンター写真 fig.16 多目的トイレ開閉ボタン fig.17 オストメイト対応の多目的トイレ fig.18 視覚障害者(全盲)が使う案内(駅の案内) fig.19 視覚障害者(弱視)が見やすいサイン fig.20 聴覚障害者が使用するライト fig.21 聴覚障害者が使用するライト fig.22 障害の特徴 fig.23 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ フローチャート fig.24 障害者の特徴とシェアハウスのタイプを決定の円グラフ fig.25 長浜地区の位置図 fig.26 国立障害者リハビリテーションセンター 模式図 fig.27 シェアハウスと地域の関係性 模式図 fig.28 愛宕病院分院 fig.29 高知医療学院 fig.30 対象敷地の津波避難困難地域 fig.31 対象敷地の候補 fig.32 対象敷地の位置図(広域)

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fig.33 対象敷地の位置図 fig.34 フラット型 シェアハウスの敷地写真 fig.35 ステップ型 シェアハウスの敷地写真 fig.36 コモンスペースの配置 イメージ平面 fig.37 コモンスペースの配置 イメージ断面 fig.38 L 字のハコが出来るまでの流れ フローチャート fig.39 L 字のハコ ダイアグラム fig.40 フラット型 シェアハウス まちへの開き方 fig.41 ステップ型 シェアハウス まちへの開き方 fig.42 フラット型 シェアハウス 1F 平面図 fig.43 フラット型 シェアハウス 2F 平面図 fig.44 ステップ型 シェアハウス 1F 平面図 fig.45 ステップ型 シェアハウス 2F 平面図 fig.46 鳥瞰図 fig.47 フラット型 シェアハウス x-x  断面図 fig.48 ステップ型 シェアハウス y-y  断面図 fig.49 フラット型 シェアハウス 南率面図 fig.50 ステップ型 シェアハウス 東立面図 fig.51 フラット型 シェアハウス アクソノメトリック fig.52 ステップ型 シェアハウス アクソノメトリック fig.53 フラット型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) fig.54 フラット型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) fig.55 フラット型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号③) fig.56 フラット型 シェアハウス 内観パース 2(パース番号④) fig.57 ステップ型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) fig.58 ステップ型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) fig.59 ステップ型 シェアハウス 外観パース 3(パース番号③) fig.60 ステップ型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号④)

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表目次 表1 集まって住む形 表2 個室機能分類 表3 共用部機能分類 表4 事例データ 表5 事例コモンスペースの分類 表6 事例 個室-共用部機能分類 表7 障害の特徴 表8 障害によって困ること 表9 障害同士の環境共存度 表10 シェアハウスのタイプを決定 表11 トイレの条件を設定 表12 玄関の条件を設定 表13 浴室の条件を設定 表14 キッチンの条件を設定 表15 ランドリーの条件を設定 表16 洗面の条件を設定 表17 リビングの条件を設定 表18 ダイニングの条件を設定 表19 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定 表20 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定 表21 フラット型 シェアハウスのコモンスペース 使われ方 表22 ステップ型 シェアハウスのコモンスペース 使われ方 表23 両方のコモンスペース 使われ方

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1 はじめに 1-1 研究の背景 1-1-1 障害者の住宅問題  障害者は受傷後、いつまでも病院に居られる分けではなく、いつか退院する時が来る。 しかし、日本の住宅の現状は『公営住宅』では、障害者の入居戸数が足りない。『マンショ ン・アパート』では入居を断られる・改修ができないという状況がある。そして、住む家 が見つからず退院が遅れたり、違う病院や施設に入所することになり『自立』が遅れるこ とに繋がっている。持ち家を改修出来る人は良いがそうでない人は沢山いる。 1-1-2 コミュニティの必要性  日本のコミュニティの移り変わりとして、日本は農耕民族で先祖代々受け継がれた土地 で農業を行い暮らしてきた歴史がある。そこでは密な近所付き合いや地域の集まりがあっ たが、社会の都市化・産業化が進むにつれ近所付き合いが少なくなり都市部ではそれが無 くなりつつある。この問題は、超高齢社会を迎えた日本において、高齢者が孤独死する事 にも繋がる話だ。一方、密な近所付き合いをしている地域では、災害時に多くの命が助か っている事も事実である。  また、このコミュニティの衰退は、障害者が社会参加出るかという事にも繋がっている。 日本では障害者に対する差別や偏見が今なお存在する。これは、日本の義務教育制度のあ り方に問題があると私は考える。小学生になると特別支援学級という形で障害をかかえる 児童は別のクラスにさせられる。福祉が進む国では、障害をかかえる児童も一般のクラス でみんなと一緒に学んでいる。この違いが差別や偏見を生む始まりだと私は思う。障害者 と接する機会が諸外国に比べ著しく少ない日本において、障害者は閉鎖的なイメージを持 たれがちだ。そのマイナスイメージで周囲になかなか障害を理解してもらえず、閉じこも り気味になる者も少なくない。そこで、私は障害者に対する差別や偏見を無くすために、 障害者と接する機会を増やしてやれば、障害者が社会参加をし易い環境が生まれると考え ている。 1-2 研究の目的 1-2-1 シェアハウスでの『自立』  障害者の住宅問題を解決するためにシェアハウスの特徴である共有部が充実している事 や安全である事(他人と共に暮らす事で車椅子からの落車時も助けを呼べる)など、障害者が 暮らすためのメリットが多くあるシェアハウスを設計し、障害者が『自立』して暮らす事 を目的としている。

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1-1-2 コミュニティの形成  私が昨年入所していた『国立障害者リハビリテーションセンター』の周辺では、障害者 と地域住民が気軽に声を掛け合える環境があった。それをもっと発展させたいと思い障害 者の住まいに地域住民が訪れやすい環境をつくることで、今ある障害者に対する偏見が無 くなりみんなが助け合って暮らしていくコミュニティを生む事を目的にしている。そして、 障害者も地域住民と交流していく中で外に出る機会も増えていくと考えている。 2 社会的背景 2-1 福祉のまちづくり  「ハンディキャップを持つ人もそうでない人も、普通の生活を営む権利があるとするノ ーマライゼーションの理念に基づいている。近年では、社会参加を可能とするために、年 齢・性別・国籍・個人の能力にかかわらず、はじめからできるだけ多くの人が利用可能な ように、利用者本位・人間本位の考え方に立って快適な環境をデザインするユニバーサル デザインの考え方が浸透しつつある。障害を持っている人々が社会的不利(ハンディキャッ プ)を感じるかどうかは、周囲の社会的・物的環境による。つまり環境がハンディキャップ を創り出すのである」1。 1 引用:三船 康道+まちづくりコラボレーション(2009). まちづくりキーワード事典 第三版(p174)  学芸出版社 2-2 バリアフリーのまちづくりからユニバーサルデザインのまちづくりへ  「リハビリテーションとノーマライゼーションの実現のために、まちや社会に障壁(バリ ア)があれば、それは取り除かなければならない。障害者が自由に社会活動を行い、社会参 加できる仕組みをつくり、実現することが『バリアフリーのまちづくり』である」2。 ↓  その『バリアフリーのまちづくり』から「市民の大多数に配慮することは、一人ひとり が健常状態から障害状態まで経験する中で、誰もが活動し、生活しやすい、人に優しいま ちづくりを目指すことである『ユニバーサルデザインのまちづくり』に変わっていった」2  まちづくりに対しては、大勢の人が利用する事を想定した『ユニバーサルデザイン』が 適切と思うが、住宅においても『ユニバーサルデザイン』を謳っている物がある。今回取 り扱う共同住宅に対しては、障害の違いにより誰かが我慢を強いられるという問題が発生 する。そのため、ある程度の制約が必要だと私は考えた。 2 参考文献: 樗木 武(2005). ユニバーサルデザインのまちづくり(p10-13) 森北出版

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2-3 福祉の分野での自立の定義  一般的な『自立』は、「他の援助を受けずに自分の力で身を立てることだが、福祉分野で の『自立』は、人権意識の高まりやノーマライゼーションの思想の普及を背景として、『自 己決定に基づいて主体的な生活を営むこと』、『障害を持っていてもその能力を活用して社 会活動に参加すること』の意味として用いられている」3。これは、つまり他者からの援助 を受けながらでも、『自立』は成り立つということだ。そして、障害者の自己決定権・選択 権を最大限に尊重されている限り、どんなに重い障害を持つ人でも『自立』があり得るこ とを示したものである。今回の修士設計では、障害者同士で交流ができる。その結果、情 報交換をする事で選択肢が増えたり、お互いに刺激を与え合う事で『自立』への意欲が高 まると考えている。また、周辺住民との交流では、障害者が出来ない事をボランティアと いう気持ちで来てもらうのではなく、イベントにして周辺住民の方に講師として訪れても らい、周辺住民の方も一緒に楽しみながら生活して行こうという想定をしている。その逆 で、障害者が講師としてアートの手本を見せたりする事も想定している。イベントにする 事で初めは、ある程度の距離感があるかもしれないが、周辺住民にはイベント以外にもシ ェアハウスのコモンスペースを利用してもらう事で密な関係が築ける事を目標にシェアハ ウスを設計する。 3 引用:厚生労働省 第 9 回社会保障審議会  (http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/04/s0420-6b2.html)

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2-4 『自立』の代わりに『基本的人権を享有する個人としての尊厳』  『自立』の代わりに、新たに、『基本的人権を享有する個人としての尊厳』を明記した『障 害者総合支援法』4が平成25 年 4 月 1 日施行されている。 ・『障害者基本法』の目的 『基本的人権を享有する個人としての尊厳』が明記されている『障害者基本法』の目的で は、「この法律は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する かけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障 害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生す る社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原 則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社 会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び 社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。」5  今回の修士設計では、法律の施策を建築という形あるもので提案している。コミュニテ ィの『集いの場』に障害者の居場所を作る事で障害者と健常者が平等な関係で生活する事 ができると考えている。そこでは、障害者も講師役になり一緒に活動して行くという光景 が見られる。このように自立だけでなく社会参加も行えるシェアハウスを設計する。 4 厚生労働省 法律の概要 法律の事項別概要 (http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougo ushien/dl/sougoushien-06.pdf) 5引用: 内閣府 共生社会政策(http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kihonhou/s45-84.html)

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2-5 障害者の定義 2-5-1 WHO での障害者の定義 ・ 障 害 者 の 定 義  「障害とは、身体の損傷、活動の制約、参加の制限が含まれる包括的な用語である。͒損 傷は身体における機能もしくは構造に対するものを指し、活動の制約は個人が仕事や行動 を行う際に直面する困難を指し、参加の制限は個人が生活する中で体験する問題である。͒ したがって、障害は複雑な現象であり、ある個人の肉体が持つ特徴と、その人が生きる社 会の特徴とがもたらす相互作用の反映である」6 ・『 国 際 障 害 分 類 ( I C I D H )』 (1980 年 発表)6  (1)機能障害: 病気や心身機能の変調が永続化した状態。  (2)能力低下: そのために諸活動の遂行が制限又は欠如すること。  (3)社会的不利: その結果として社会の中で様々な個人に生じた不利益。 ・『 国 際 生 活 機 能 分 類(ICF) 』(2001 年 発表)6  (1)心身機能・構造: 心身機能は身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。           心身構造は器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分           である。  (2)活動: 課題や行為の個人による遂行のことである。  (3)参加: 生活・人生場面(life situation)への関わりのことである。  (4)環境要因: 人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的        な態度による環境を構成する因子のことである。                    (1)機能障害(構造障害を含む): 著しい変異や喪失などといった,心身機能または身体                 構造上の問題である。  (2)活動制限: 個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。  (3)参加制約: 個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのことである。 6 引用:・障がいと福祉のまとめサイト(http://cwj.moo.jp/?p=34)    ・『国際生活機能分類‐国際障害分類改訂版‐』(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について         (http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html) これらが障害とされる状態を次に示す。

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2-5-2 日本での障害者の定義 ・『 障 害 者 基 本 法 』 障 害 者 の 定 義(昭和 45 年 5 月 21 日法律第 84 号)5               (最終改正:平成 25 年 6 月 26 日法律第 65 号) (1)障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害 がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制 限を受ける状態にあるものをいう。 (2)社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような 社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 2-5-3 障害者の定義まとめ  国際障害分類では『機能障害』『能力低下』『社会的不利』の3つに区分されている。ど れも、障害はマイナス面として捉え考えられている。それが国際生活機能分類では、様々 な活動を通じて障害を個性として認めたり、社会の中でもお互いを認め共に暮らしていこ うというノーマライゼーションの意識が高まった結果、『環境因子』が加えられた」4。そし て、WHO の障害の定義は『障害は複雑な現象であり、ある個人の肉体が持つ特徴と、その 人が生きる社会の特徴とがもたらす相互作用の反映である』というものになった。つまり、 障害は環境が変われば障害ではなくなるということだ。  日本においても、障害者基本法 障害者の定義で『障害及び社会的障壁により継続的に日 常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう』とある。これも、社会 生活に相当な制限がなくなれば社会参加のレベルが向上する事を意味している。  WHO の定義の方が踏み込んだ考え方をしている。それは、1500 項目という細かい分類 がなされている事からも分かる。ハードだけでなく人間関係などソフトも項目の中に含ま れている。日本でも、ICF の日本語版が平成 14 年(2002 年)に、厚生労働省により発行さ れている。  今回の修士設計では、WHO の定義の様に細かい項目による条件設定は出来ていない。そ して、究極の目標である障害がなくなるという事は用意に実現できる事ではないと考えて いる。しかし、日本の定義の様に社会参加のレベルが向上出来る仕組みは作る事を心がけ 設計を行う。

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3 シェアハウスの歴史と分類 3-1 シェアハウスの歴史 7  複数の個人が集合して一つの住宅や敷地を共同利用するという住まい方は、近年突如と して出現してきたものではないが、1990 年代ごろから来日外国人を中心に取り入れられ始 められたものだと言われている。それを機に日本人の間でも普及していったと考えられて いる。理由としては、高度経済成長期からポストバブルの時代、日本人の若者が設備共有 の寮や下宿を敬遠し新たに台頭してきたワンルール物件に大移動を始める中、空きが目立 ち始めた水回り共同の間取りを持った住宅が、来日した外国人向けの住宅は、通称『ガイ ジンハウス』といわれ普及して行く。  1998 年から 2000 年の前半にかけて、日本人学生の海外留学数がそれ以前に比べ急激に 伸びている。こうした世代の海外居住では、主にホームステイやシェアハウス、または学 生寮が選択される事が多かった。海外留学を経験した日本人学生が、シェアハウス居住へ の拒否感を和らげる要因となったといわれる。  こうして、広まり出した住まい方は、インターネットの普及にともない、さらに認知さ れて行く事となる。2002 年には、日本ではじめてのルームシェア解説書『ルームシェアす る生活』が発売され、2004 年の NHK ドラマ『ルームシェアの女』によって、それまで一 部の間だけで広がっていた住まい方が、多くの人に知られるきっかけとなった。  2005 年には株式会社ひつじインキュベーション・スクエアが運営するシェアハウス住居 の総合メディアが運営する『オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動』のサー ビスが開始された。このひさじ不動産は国内最大のシェア住居専門メディアとなり、2010 年には入居者同士の交流や独特の共有空間を事例で商会する単行本『東京シェア生活』を 発売する。 fig.1 ひつじ不動産(左)東京シェアハウス(右)8 8 引用:ひつじ不動産(http://www.hituji.jp/)

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 フジテレビ系) ドラマ『ラスト・フレンズ』でシェアハウスの生活が取り上げられ、シ ェアハウスという言葉が使われ始めた影響で、シェアハウスという言葉は認知度をさらに 上げて行った。シェアハウス住居という文化の拡大と歩みを合わせ、その時々の市場全体 の様々な課題の解消などに向き合いつつ、日々地道な取り組む事を目的とした。  2011 年には、『Colish(コリッシュ)-コンセプトのあるシェアハウス生活はじめよう』 というシェアハウスを仲介するサービスを行うサイトなども登場した。  TBS 系) バラエティー『ひみつの嵐ちゃん』の嵐シェアハウスやフジテレビ系) リアリ ティーショー『テラスハウス』など、シェアハウスはたびたびメディアに取り入れられ、 認知度をましていった。それにともない、シェアハウスという住まい方も受け入れられて きている。 fig.2 シェアハウスの歴史

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3-2 集まって住む形  ひとくくりにシェア住居といっても、シェアルームやシェア住居と称される。一重戸に 少人数の他人と住むものから、各個人のプライベート空間以外に共用部 (リビングやキッチ ンなど)を大きく確保し入居者に開放した集合住宅を事業者が運営する形態のゲストハウス まで、その種類は多岐にわたる。また、その定義もさまざまであるため、下記の表と図で 整理する。 契約形態 管理人 部屋 食事 家具 要項 ゲスト ハウス 運営業者との 契約 運営業者 個室 共有キッチン 備え付け 短期間滞在を目的 とする住居 シェア ハウス 運営業者との 契約 運営業者 個室 共有キッチン 備 え 付 け (共 有 部屋のみ) ルーム シェア 個人同士によ る契約 基 本 的 に 不 在 相部屋/個室 共有キッチン 無し 寮 運営業者との 契約 運営業者 相部屋 食堂 備え付け 教 育 機 関 、 企 業 な どが設置する コ レ ク テ ィ ブ ハ ウス 運営業者との 契約 運営業者 個室 共 有 キ ッ チ ン / 専用キッチン 無し コモンスペースを完 備 グループ ホーム 運営業者との 契約 運営業者 相部屋/個室 食堂 備え付け 専門スタッフ等 表1 集まって住む形

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fig.3 集まって住む方

7 引用: 三松 元気 (2012). 『街に開くシェアハウスの設計』

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3-3 コモンスペースの分類と定義 3-3-1 三松のコモンスペースの分類 9  以下は、昨年 三松が行った修士設計でシェアハウスのコモンスペースの分類である。 このコモンスペースの分類する事は、居住者のプライバシーを確保しながらまちに開くシ ェアハウスを実現するのに適した物だと思う。しかし、三松の作品でのコモンスペースの 定義は曖昧な物であった。それにより、高知工科大学の学生を対象として行ったアンケー トの結果に意見が引っ張られ、最終的にこのコモンスペースの分類が設計においてあまり 利いておらず、まちに開くシェアハウスの設計において新しい提案が出来ていない様に思 える。そこで、私はこのコモンスペースの分類の時点でソフト面も含め分類を行う事で利 用の仕方が明確になり、まちに開くシェアハウスの新しい提案が出来ると考えた。 fig.4 三松のコモンスペースの分類 9 引用: 三松 元気 (2012). 『街に開くシェアハウスの設計』  高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 社会システム工学コース 修士設計(p8)

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3-3-2 コモンスペースの分類 『居住者コモン』  その昨年、三松が行った修士設計の『コモンスペースの分類』を引用した。三松は学生 を対象としてコモンスペースを『クローズコモン』『オープンコモン』に分けていた。それ を『クローズコモン』を『コモン(屋内)』、『オープンコモン』を『コモン(屋外)』に言い換 えた。そして、私は更に『誰が利用するか』ということを追加して 4 つに細分化した。居 住者が利用する『居住者コモン』。居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコモン』に分 けた。 『居住者コモン』は、シェアハウスの居住者である『障害者同士』の交流。そして、『障害 者』と『福祉を学ぶ学生』の交流ができる。 fig.5 コモンスペースの分類 『居住者コモン』

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3-3-3 コモンスペースの分類 『外部者とのコモン』

 外部のコモンは、『シェアハウスの居住者』と『周辺住民』の交流ができる。

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3-3-5 コモンスペースの定義 ○コモン(屋内)の定義 ・コモンスペースが屋内にある。 ・『土間』は扉で仕切られているためコモン(屋内)とする。 ・『縁側』は窓・雨戸等で仕切る事で完全に室内になるものをコモン(屋内)とする。 ・『テラス』は窓等で仕切る事で完全に室内になるものをコモン(屋内)とする。 ・ガラス張りのコモンスペースは屋内であるためコモン(屋内)とする。 ○コモン(屋外)の定義 ・コモンスペースが屋外にある。 ・『縁側』は窓・雨戸等で仕切られておらず完全に室内にならないものコモン(屋外)とする。  つまり、窓・雨戸等で仕切られていない軒下空間をコモン(屋外)とする。 ・『テラス』窓等で仕切られておらず完全に室内にならないものコモン(屋外)とする。 ・『ルーフテラス(屋上庭園)』は屋外にあるためコモン(屋外)とする。 ・カーテンにより仕切られたものはコモン(屋外)とする。 ・『中庭』は屋外であり周りが建物により周辺からは遮断されているがコモン(屋外)とする。 ・『庭』は屋外にあるためコモン(屋外)とする。

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3-4 個室-共用部機能分類  個室と共用部に『玄関・トイレ・浴室・キッチン・ランドリー・洗面』6 つの機能が、ど の程度備わっているかというのを分類した。ここでいう『玄関』とは共用部にエントラン ス等の『玄関』を持つか持たないかで判断している。つまり、共用のエントランス『玄関』 がなくそのまま個室へ出入りできる造りになっている場合は個室に『玄関』があるという 判断をしている。一方、共用のエントランス『玄関』がある場合は、個室に『玄関』がな いという判断をしている。 3-4-1 個室機能分類 表2 個室機能分類 3-4-2 共用部機能分類 表3 共用部機能分類

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3-5 シェアハウスの事例 3-5-1 SHAREyaraicho (事例番号 No.16)       fig.7 SHAREyaraicho 写真10 10 引用: JA+U(https://www.japlusu.com/news/shareyaraicho) ■作品名  SHAREyaraicho ■設計 篠 原 聡子/空間研究所 +内村 綾乃/ A studio ■コモンスペースの分類  ・居住者コモン(屋内)  ・居住者コモン(屋外) ■個室機能分類  D 完全不備 ■共用部機能分類  d 完備 ■所在地  東京都新宿区 ■住宅形態  シェア型賃貸住宅 ■戸数(何人部屋)  7 戸(1 人部屋)

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fig.8 SHAREyaraicho 平面図11 11 引用: 新建築 2012. 8 ■敷地面積 ■コモンスペース面積 128.60 ㎡  ■建築面積   76.68 ㎡ ■延床面積  184.27 ㎡ ■個室面積  12.28 ㎡ 18.38 ㎡

work area2

work area1

hall

common terrace

 hall 15.48 ㎡  work area1 22.77 ㎡  work area2 7.98 ㎡  common terrace 7.42 ㎡  ルーフテラス(屋上) 69.42 ㎡  合計123.07 ㎡

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・ 建 物 概 要  東京都新宿区の古くからの落ち着いた邸宅地の一画に 7 人が入居するシェアハウス 『SHAREyaraicho』が建っている。3 階建ての金属の門型フレームにテント張りという大 きな箱のような建物に 20 代∼40 代の性別も職業も異なる 7 人が、キッチンやリビングやト イレ・バスルームなどを共有しながら、一人ずつ個室を持つというシステムの中共同生活 をしている。そのファサードに張られたテントには鍵の付いたジッパーがあり、それを上 げると入口になるというユニークな発想の入口になっている。1 階の作業場では住人が共同 で使用する家具などを製作し、『住みこなし』を体験し実践している。 ・ コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類  『hall』『work area2』は、屋内で居住者のみが利用する『居住者コモン(屋内)』に分類 されている。

 『work area1』『common terrace』は、半透明な防水シートにより仕切られた半屋外空 間で居住者のみが利用する『居住者コモン(屋外)』に分類される。

 屋上にあるルーフテラスは、屋外で居住者のみが利用する『居住者コモン(屋外)』に分類 される。

 これによって、『work area1』『common terrace』は半屋外にあるものの積極的には周 辺住民との交流を促すものにはなっていない。 ・ 個 室-共用部機能分類  個室は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』『洗面』の機能がないため 『D 完全不備』に分類される。  共用部は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』『洗面』の機能が全て備 わっているため『d 完備』に分類される。  これによって、『SHAREyaraicho』は、一人ずつ個室を持つ事でプライベートは確保さ れつつ、共用部が生活の中心にあるということになる。

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3-5-2 THE SHARE (事例番号 No.14)

      fig.9 THE SHARE 写真12

■作品名  THE SHARE ■設計  ジーク ■コモンスペースの分類  ・外部者とのコモン(屋内)  ・外部者とのコモン(屋外) ■個室機能分類  C 半不備 ■共用部機能分類  c 充実 ■所在地  東京都渋谷区 ■住宅形態  シェア型賃貸住宅 ■戸数(何人部屋)  64 戸(1 人部屋)

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fig.10 THE SHARE 平面図12

12 引用: THE SHARE TOKYO SOCIAL STANDARD (https://www.the-share.jp/)

■敷地面積 ■コモンスペース面積 -㎡  ■建築面積   -㎡ ■延床面積  3,823 ㎡ ■個室面積  11.60 ㎡、18.10 ㎡、21.30 ㎡ 6th パプリック 349.09 ㎡ コミュニティガーデン 170.28 ㎡ 合計519.37 ㎡

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・ 建 物 概 要

 『THE SHARE』は、東京都渋谷区にある S H O P・O F F I C E・A P A R T M E N T 機 能が一つになった 6 階建ての新しい複合シェア施設。建物内に内包された様々なコンテン ツやモノ・コトをシェアし、集う・暮らす・創造するといった͒時間を楽しく、魅力的に過 ごせる空間を目指している。 ・ コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類  『6th パブリック』は、屋内で居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコモン(屋内)』 に分類されている。オフィス入居者も利用しているこの『6th パブリック』はパーティも 行われる他、イベント事にも使われている。  『コミュニティガーデン』は、屋外空間で居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコ モン(屋外)』に分類される。『6th パブリック』同様『コミュニティガーデン』もオフィス 入居者も利用していてパーティやイベント事に使われている。  よって、『THE SHARE』のコモンスペースは積極的に周辺住民と交流を促すものになっ ている。そして、1F の SHOP は居住者と周辺住民とを繋ぐコミュニティハブとなる空間で あり、ここでも地域コミュニティの場となるようなイベントも開催している。 ・ 個 室-共用部機能分類  個室は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』の機能がないが『洗面』だ け備わっているため『C 半不備』に分類される。  共用部は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』の機能が全て備わってい るが『洗面』だけ備わっていないため『c 充実』に分類される。  これによって、『THE SHARE』は、一人ずつ個室を持つ事でプライベートは確保されつ つ、共用部が生活の中心にあるということになる。

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3-5-3 ヨコハマアパートメント (事例番号 No.11)

      fig.11 ヨコハマアパートメント写真13

13 引用: ondesign & Partners Architects Office (http://ondesign.co.jp/)

■作品名  ヨコハマアパートメント ■設計  西田司+中川エリカ ■コモンスペースの分類  ・外部者とのコモン(屋外) ■個室機能分類  B 一部不備 ■共用部機能分類  b 付加 ■所在地  神奈川県横浜市 ■住宅形態  共同住宅 ■戸数(何人部屋)  4 戸(1 人部屋)

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fig.12 ヨコハマアパートメント 平面図14 14 引用: 新建築 2010. 2 ■敷地面積 ■コモンスペース面積 140.61 ㎡  1F 半外部ラウンジ 広場 51.09 ㎡ ■建築面積   83.44 ㎡ ■延床面積  152.05 ㎡ ■個室面積  16.56 ㎡+3 ㎡(倉庫)、17.29+3 ㎡(倉庫)、19.00 ㎡+3 ㎡(倉庫)

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・ 建 物 概 要  神奈川県横浜市にある『ヨコハマアパートメント』は、1階を近所にも開かれた天井高 5mの半外部ラウンジ 広場 、そこから各々の専用階段をぐるっと回って、高くて明るい2 階の居住部屋に入る事が出来るという構成になっている。 ・ コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類  『1F 半外部ラウンジ 広場 』は、半透明な防水シートにより仕切られた半屋外空間 で居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコモン(屋外)』に分類される。この大きなキッ チンのある1 階の 広場 で、日常の食事や趣味を楽しむ他 個展やパフォーマンス、シン ポジウムなどのイベントが開催されている。また、地域の集会やワークショップ、講習会 も開催されている。  よって、『ヨコハマアパートメント』のコモンスペースは積極的に周辺住民と交流を促す ものになっている。 ・ 個 室-共用部機能分類  個室は、『洗面』だけなく、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』の機能 が備わっているため『B 一部不備』に分類される。  共用部は、『玄関』『トイレ』『キッチン』『洗面』の機能が全て備わっているが、『玄関』 『浴室』『ランドリー』が備わっていないため『b 付加』に分類される。  これによって、『ヨコハマアパートメント』は、一人ずつ個室を持つ事でプライベートは 確保されている。しかし、機能が個室に備わりすぎていて個室での生活が重視されている。

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3-6 事例資料集 3-6-1 事例データ 事例 番号 竣工年 名称 掲載媒体 戸(室)数 何人 部屋 住宅形態 特徴 No.1 1991 再春館製薬女子寮 新建築 1991. 10 20 4 人 単身寮 4 人部屋にすることで広々した LDK がある。 No.2 1992 高島平の集合住宅 新建築 1992. 5 14 1 人 共同住宅,店舗 1つの住戸に複数の他人と共同生活するという新しい プログラムを持ち、プライバシーは確保されつつも、積 極的な出会いの場、交流の場を所有する住戸形式を 目指した。 No.3 1994 コルテ松波 新建築 住宅特集 1994. 8 22 1 人 単身寮 ワンルームタイプ。ランドリーを共有 No.4 1998 YKK 黒部寮 新建築 1998. 11 99 1 人 単身寮 部屋にバス・トイレ完備。 No.5 2002 真鶴共生舎 木の家 新建築 2003. 4 10 1 人 共同住宅(シルバー) 自立した老後の共同生活の場。バリアフリー。 No.6 2002 松陰コモンズ 新建築 住宅特集 2003. 10 7 1 人 共同住宅(コレクティブ) 150 年余前の古民家を改修したシェア型賃貸住宅。 2010 年末日でプロジェクトは終了、200 年 4 月から子 育て世代とさまざまな世代が出会う場として『古民家 mamas』になっている。 No.7 2003 かんかん森 新建築 住宅特集 2003. 10 28 - 共同住宅(コレクティブ) 多世代型コレクティブハウス。 No.8 2003 久が原のゲストハウス 新建築 2004. 4 10(9 戸+オ ーナー) 1 人 共同住宅(ゲストハウス) 船をイメージした外観とおしゃれなお部屋が一番の魅 力。 No.9 2005 森山邸 新建築 2006. 2 6 1 人 共同住宅 生活が個室で全て完結する。 表4 事例データ(次のページに続く)

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事例 番号 竣工年 名称 掲載媒体 戸(室)数 何人 部屋 住宅形態 特徴 No.10 2008 マージ ュ西国分寺 新建築 2009. 2 9(9 世帯) 世帯 共同住宅(SOHO) ダイニングキッチン、リビング、そしてルーフテラスとい う共用スペースを、各部屋とつなげるように設けてい る。1 階部分には SHOP がある。 No.11 2009 ヨコハマアパ ートメント 新建築 2010. 2 4 1 人 共同住宅 1階を近所にも開かれた天井高5m の半外部ラウン ジ 広場 、そこから各々の専用階段をぐるっと回っ て、高くて明るい 2 階の居住部屋に入る事が出来ると いう構成になっている。 No.12 2011 京だ んらん東福寺 ひつじ不動産 6 1 人 シェア型賃貸住宅 築 80 年を越す京町家を改修したシェア型賃貸住宅。 No.13 2011 シェアプ レイス田園調布南 ひつじ不動産 73 1 人 シェア型賃貸住宅 築 41 年の独身寮を、リノベーション工事。

No.14 2011 THE SHARE CASA BRUTUS 2012.2 64 1 人 シェア型賃貸住宅

SHOP・OFFICE・APARTMENT 機能が一つになった新 しい複合シェア施設。OFFICE・APARTMENT 入居者 共有のコミュニティガーデンやパブリックスペース(キッ チン、シアタールーム、ラウンジなど)がある。 No.15 2012 鎌倉のリノベ ーション音楽 ホール付シェアハウス 新建築 住宅特集 2012. 8 5(4 戸+オ ーナー) 1 人 共同住宅(ゲストハウス) 音楽ホール付シェアハウス。 No.16 2012 SHAREyaraicho 新建築 2012. 8 7 1 人 シェア型賃貸住宅 開口部が防水テント幕で出来ている。1 階の作業場で 住人が共同で使用する家具などを製作し、『住みこな し』を体験し実践する。 表4 事例データ

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3-6-2 事例コモンスペースの分類 事例 番号 竣工年 名称 生活共有空間分類 No.1 1991 再春館製薬女子寮 Ⅰ 高島平の集合住宅 共有室 Ⅰ No.2 1992 高島平の集合住宅 店舗 Ⅴ No.3 1994 コルテ松波 Ⅰ YKK 黒部寮 ミーティング室、和室、ラウンジ、セルフキッチン Ⅲ YKK 黒部寮 レストラン、バー、厨房、ライブラリー Ⅴ No.4 1998 YKK 黒部寮 テラス Ⅳ 真鶴共生舎 木の家 食堂、居間、読書室 Ⅰ No.5 2002 真鶴共生舎 木の家 テラス Ⅱ 松陰コモンズ サンルーム、土壁の居間 Ⅰ No.6 2002 松陰コモンズ 座敷、広縁 Ⅲ No.7 2003 かんかん森 Ⅰ 久が原のゲストハウス 共用キッチン 共用スペース(ダイニング、リビング) Ⅰ No.8 2003 久が原のゲストハウス ラウンジ Ⅰ No.9 2005 森山邸 なし マージュ西国分寺 店舗 Ⅴ マージュ西国分寺 SOHO Ⅵ No.10 2008 マージュ西国分寺 コモンダイニング Ⅰ No.11 2009 ヨコハマアパートメント Ⅳ 京だんらん東福寺 和室、インナーテラス Ⅰ No.12 2011 京だんらん東福寺 ルーフデッキ、中庭 Ⅱ シェアプレイス田園調布南 ラウンジ、スタディスペース キッチン、IKADA 屋内、DOTE 屋内、和室、ベースメント Ⅰ No.13 2011 シェアプレイス田園調布南 IKADA 屋外、DOTE 屋外、屋上庭園 Ⅱ 表5 事例コモンスペースの分類(次のページに続く)

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事例

番号 竣工年 名称 生活共有空間分類

THE SHARE SHOP Ⅴ

THE SHARE OFFICE Ⅵ

THE SHARE 6th パブリック Ⅲ

No.14 2011

THE SHARE コミュニティガーデン Ⅳ

No.15 2012 鎌倉のリノベーション音楽ホール付シェアハウス Ⅰ

SHAREyaraicho hall Ⅰ

SHAREyaraicho work area1、common terrace Ⅱ

SHAREyaraicho work area2 Ⅰ

No.16 2012 SHAREyaraicho ルーフテラス Ⅱ 表5 事例コモンスペースの分類 記号) Ⅰ:居住者コモン(屋内) 、Ⅱ:居住者コモン(屋外) Ⅲ:外部者とのコモン(屋内) 、Ⅳ:外部者とのコモン(屋外) Ⅴ:パブリックスペース 、Ⅵ:その他 ・考察  シェアハウスのコモンスペースが周辺住民に開放されている事例は稀でイベントを開く 目的を元に計画されて物が殆どである。その中で『マージュ西国分寺』の様に店舗やSOHO とシェアハウスが一体になった物もある。近年では規模が大きくなり『THESHARE』の様に 複合施設の中にシェアハウスがある事例も出て来ている。そして、本提案で示した 4 つの コモンスペースが1 つのシェアハウスに集約された事例は無かった。本提案では、4 つのコ モンスペースを幾つも配置する事で各コモンスペースの配置の違いにより、色々な交流の 仕方が生まれる事を狙っている。

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3-6-3 事例 個室-共用部機能分類 個室 共有部 事例 番号 竣工年 名称 玄 関 ト イ レ 浴 室 キ ッ チ ン ラ ン ド リ ー 洗 面 玄 関 ト イ レ 浴 室 キ ッ チ ン ラ ン ド リ ー 洗 面 個 室 機 能 分 類 共 用 部 機 能 分 類 No.1 1991 再春館製薬女子寮 ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d No.2 1992 高島平の集合住宅 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ C c No.3 1994 コルテ松波 ○ ○ ○ ○ ○ ○ B b No.4 1998 YKK 黒部寮 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ C c No.5 2002 真鶴共生舎 木の家 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ C d No.6 2002 松陰コモンズ ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d No.7 2003 かんかん森 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ B c No.8 2003 久が 原のゲ ストハウス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ B b No.9 2005 森山邸 ○ ○ ○ ○ ○ ○ A a マージ ュ西国分寺 A F タイプ ○ ○ ○ ○ C No.10 2008 マージ ュ西国分寺 G H タイプ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ B c No.11 2009 ヨコハマアパ ートメント ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ A b No.12 2011 京だ んらん東福寺 ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d シェアプ レイス田園調布南 105 号室 ○ ○ C No.13 2011 シェアプ レイス田園調布南 105 号室以外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d No.14 2011 THE SHARE ○ ○ ○ ○ ○ ○ C c

鎌倉のリノベ ーション No.15 2012 音楽ホール付シェアハウス ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d No.16 2012 SHAREyaraicho ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d 表6 事例 個室-共用部機能分類 記号) 個室-共用部の機能分類の記号は P15 を参照。

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fig.13 事例 個室-共用部機能分類 グラフ ・考察  事例の多くが共用部依存-共用部重視である。つまり、共用部が生活の中心にあると言え る。特に近年の事例はそれが顕著に現れている。これは、光熱費削減というよりも他人と の交流を求め入居する者への対応という目的の方が大きいと思われる。本提案でも居住者 である障害者と福祉を学ぶ学生の交流を促すために共用部にトイレなどの機能を備える事 にした。そして、今回対象とする入居者が障害者という一人ひとり特殊な環境で生活する 者なので、機能を個室に備えると入居者の障害、障害区分が偏る原因になると考え上記の 設定にした。

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4 障害者の住環境 4-1 車椅子使用者(下肢障害者)の住環境  車椅子使用者は、タイヤなので段差につまづく、乗り越えられないという事があるので 段差が解消されている。そして、車椅子が回転できる広さが確保されている。また、浴室・ トイレが特殊で車椅子の動ける広さが確保されている。他、重度障害でる頸髄損傷者は座 位バランが悪いため、下記の写真のように車椅子の座面の高さ GL+500 に板を張った平面 ろ台に便器を埋め込んだトイレを使用する者もいる。このトイレは頸髄損傷者の中でも長 座位移乗 (足を伸ばした状態で移乗)する者が使用する。          浴室                トイレ fig.14 国立障害者リハビリテーションセンター写真 4-2 つえ使用者(下肢障害者)の住環境  つえ使用者は、手すりがないと体を預けることができないので手すりが設置されている。 そして、足が上がりにくいので段差を低く設定するか、段差が解消されている。また、椅 子に座って動作することがあるので椅子が設置されている。          浴室               トイレ fig.15 国立障害者リハビリテーションセンター写真

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4-3 上肢障害者の住環境  上肢障害者は、腕に障害があり腕が動きにくい、力が入りにくい。または、細かい作業 ができないという事があるので、大きな取っ手付きの引き戸であったり、鍵はレバー式の 物が使用されている。公共施設の多目的トイレを例に挙げると、自動式引き戸であったり (ボタンにより開閉する物が主流)、鍵は自動でロックされる物が使用し易い。                            拡大 fig.16 多目的トイレ開閉ボタン 4-4 内部障害者の住環境  内部障害者は、『心臓機能障害』『腎臓機能障害』『呼吸器機能障害』『膀胱・直腸機能障 害』など内部に障害がある。人工肛門、人工膀胱を増設している者がいるため公共施設の 多目的トイレでもオストメイト(人工肛門又は人工膀胱保有者)対応のトイレが使用し易い。 また、体力が低下しているいて長い距離を歩く事ができない者がいるので椅子が設置され ている。  fig.17 オストメイト対応の多目的トイレ

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4-5 視覚障害者(全盲)の住環境  視覚障害者(全盲)は、視覚による情報認知が不可能なため部屋の框などの段差や床材(絨 毯なども含む)の変化により危険を察知する。そして、屋外でも誘導用・注意喚起用床材、 手すり、音声案内板、点字などを頼りに行動している。         京都駅 誘導用床材         高知駅の触地図(※)15 fig.18 視覚障害者(全盲)が使う案内(駅の案内) 15 引用:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課.   『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.163) ※触地図とは道路や建物などの地物を凹凸のある線や網目模様で、注記を点字により表現 している。 4-6 視覚障害者(弱視等) の住環境  視覚障害者(弱視等)は、全盲者と同じように床材の変化により危険を察知する者もいる。 弱視なので少し見えている者はサインによって空間を把握する。そのため、サインは大き な文字や色のコントラストをつけた物が確認し易い。そして、サインの位置も重要で白棒 を使用している者は地面にサインがあると分かり易い。 fig.19 視覚障害者(弱視)が見やすいサイン16 16 引用: トヨタループス(http://www.toyota-loops.co.jp/text/top.html)

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4-7 聴覚障害者(全ろう) の住環境  聴覚障害者(全ろう) は、音が聞こえない(音声による情報認知が不可能)なので、目でわ かる情報が必要。そのため、リビング等に来客者が来た事が分かるようにインターホンと 連動している回転灯(パトライト)やフラッシュランプが設置すされている。そして、聴 覚障害者のために施設の個室にも設置されている。また、危険を認識するためにガス警報 機や火災報知機と連動している回転灯(パトライト)やフラッシュランプが設置されてい る。            回転灯(パトライト)17     フラッシュランプ fig.20 聴覚障害者が使用するライト 17 引用:わかふじ寮歳時記-blog-(http://blog.canpan.info/wakafuji/archive/205) 4-8 聴覚障害者(難聴) の住環境  聴覚障害者(難聴)は、音が聞こにくい(音声による情報認知が困難)。全ろう者と同じよう な住環境で生活している者もいる。フラッシュランプは、ドアベルやチャイムの近くに設 置しそれらの音を感知し無線信号を発信する。それを使い来客、電話、目覚まし、赤ちゃ んの泣き声、火災警報を光、振動、音で知らせている。  フラッシュランプ fig.21 聴覚障害者が使用するライト18 18 引用:自立コム(http://www.jiritsu.com/)

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5 シェアハウスの共用部の条件設定  『シェアハウスの共用部の条件設定』では、住む人が我慢を強いられないように設定し ている。  そ し て 、 新 し い 試 み と し て は 『 す べ て の 人 に と っ て 使 い や す い 』 と い う ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 考 え 方 で は 、 障 害 者 に と っ て 使 用 で き な く て 我 慢 を 強 い ら れ る 事 が あ る 。 一 方 、 現 在 の 日 本 の 施 設 で は 『 視 覚 障 害 者 』 だ け 違 う 棟 で 生 活 す る な ど 過 度 に 生 活 空 間 を 区 別 し て い る 所 が あ る 。そ こ で 今 回 、『 視 覚 障 害 者 』以 外 の 障 害 者 で も 『 視 覚 障 害 者 』 と 同 じ 空 間 で 生 活 で き る こ と を 示 し て い る 。 5-1 対象とする者(障害者)  『身体障害者』と『健常者』を対象とする。『健常者』は福祉を学ぶ者を対象とする。 『身体障害者』の内 以下の 8 つの障害を対象とする。 fig.22 障害の特徴19 19 引用:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課.  『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.15) ・車椅子使用者(下肢障害者)  ・つえ使用者(下肢障害者)  ・上肢障害者 ・内部障害者        ・視覚障害者(全盲)    ・視覚障害者(弱視等) ・聴覚障害者(全ろう) ・聴覚障害者(難聴)

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5-2 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ fig.23 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ フローチャート 障害の特徴、困る こと 障害者同士の環境 共存度 シェアハウスのタイプを決定 (シェアハウスにどの障害を持つ者 を住まわすかを決定) 共用部(玄関、トイレ、浴室、キッチン、 ランドリー、洗面、リビング、ダイニン グ)の条件を設定 ↓ 「違う障害に対応した条件でも問題な く住めるのか」を判断 シェアハウスの共用部の条件を設定 ! 設定した条件で「その障害者が問題なく 住めるのか」を確認

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5-3 障害の特徴、困ること  今までの自分の経験と『高知県ひとにやさしいまちづ くり条例 施設整備設計マニュアル』 を参考に『障害の特徴』、『障害によって困ること』の表を作成した。 障害別 車椅子使用者(下肢障害 者) つえ使用者(下肢障 害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 動きの性質特 徴 ・車椅子で移動する。 (タイヤである、前輪が小さ い。) (斜面地の移動や静止が 困難。) (動作に一定スペースを必 要とする。) (車椅子に足乗せ台があ る。) (両手で車椅子を操作す る。) (座った状態である。) ・車椅子から乗り移りす る。 (手すりを使う。) ・体の支えが必要。 ・杖を使う。 ・手すりにつかま る。 ・足が上がりにくい。 ・力が入りにくい。 ・腕が動きにくい。 (腕の稼働範囲が 狭い。) ・細かい作業がで きない。 (握力が弱い。) (指が動かない。) ・装具等への充電が 必要。 ・人工肛門、人工膀 胱を増設している。 ・体力が低下する。 (力が入りにくい。) (疲れやすい。) ・視覚による情報認知が不可能。 ・音で確認する。 ・さわって確認する。 ・手すりを伝う。 ・目が見えにくい。 (視覚による情報認知が 困難。) ・色の見分けがつきにく い。 ・音が聞こえない。 (音声による情報認知 が不可能。) ・音が聞こにくい。 (音声による情報 認知が困難。) - 表7 障害の特徴19 20 参考文献:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.15-26)

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障害別 車椅子使用者(下肢障害 者) つえ使用者(下肢障 害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 困ること ・タイヤで段差につまづく、 乗り越えられない。 ・凸凹の床面や厚い絨毯 では、車椅子が操作しにく い。 ・(出入り口等)幅が狭いと 車椅子が通れない。 ・便房が狭いと車椅子が 回転できない。 ・足乗せ台が当たるため、 水飲み器、電話台、窓口カ ウンター、記載台等に近づ けない。 ・開き戸の場合車椅子を操 作しながらでは開きにく い。 ・傘を差すことができない。 ・高いところは、見えない (手が届かない)。 ・背もたれのない椅子や便 座は使えない。 ・床面によって、杖 が滑って転ぶ。 ・手すりがないと、体 を預けることができ ない。 ・手すりの位置によ っては、力が入らず 使いにくい。 ・小さな段でもつま づく。 ・段の蹴上げが高い と上がれない。 ・重い戸は開けに くい。 ・取っ手等の位置 (遠い、高いなど) によって使えな い。 ・細かい仕様の取 っ手等の操作がで きない。 ・コンセントからプ ラグを引き抜く操 作が難しい。 ・健康保持、その他 の障害を補うための 機器への充電が必 要。 ・トイレで排泄用装 具を交換するスペー スや置き場がない。 ・トイレで排泄の際、 通常の便座では低く 使いにくい。 ・重いものが持てな い。 ・早く歩けない、長 時間歩けない。 ・階段での移動が難 しい。 ・表示が読めない。 ・危険がわからない。 ・誘導用、注意喚起用床材が過剰に 設置されているとわかりにくい。 ・戸があることがわからず、ぶつか る。 ・トイレ、浴室の出入り口がわからな い。 ・音声案内板の音が反響して聞き取 りにくいことがある。 ・トイレで水洗ボタンがセンサー式の 場合、手をかざす位置がわからな い。 ・トイレで非常ボタンの位置がわから ない。 ・トイレで非常ボタンと水洗ボタンを 間違える。 ・歩道と車道を段差で判断するた め、段差がないと危険。 ・建物では手すりを頼りに目的場所 へ行くことが多いが手すりがないこと もある。 ・階段を昇降する際、何階にいるか わからない。 ・小さな字や下地と同系 色のサインは情報が識 別しにくい。 ・階段の段鼻が目立たな いと段の見分けができず 転倒する。 ・廊下の幅が広い場合、 足元が暗く見えにくい。 ・ガラス戸は見分けがつ きにくくぶつかる。 ・同系色の表示は色の見 分けがつきにくいので、 危険を見落とすことがあ る。 ・アナウンス情報、危険 や緊急事態がわからな い。 ・目でわかる情報が必 要。 ・エレベーターが緊急 停止した時等、外の様 子がわからない、外部 との連絡も取れない。 ・電話での意思疎通が できないため、緊急時 に連絡が取れない。 ・アナウンス情報、 危険や緊急事態 がわからない。 ・高音域の警報が 聞こえないことが ある。 ・目でわかる情報 が必要。 ・エレベーターが 緊急停止した時 等、外の様子がわ からない、外部と の連絡も取れな い。 ・電話での意思疎 通ができないた め、緊急時に連絡 が取れない。 - 表8 障害によって困ること19 20 参考文献:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.15-26)

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