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九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository アルツハイマー病の早期診断バイオマーカーを探る 山﨑, 貴男大学院医学研究院基礎医学部門臨床神経生理学分野 飛松, 省三大学院医学研究院基礎医学部門臨床神経生理学分野 Yamasaki,

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Kyushu University Institutional Repository

アルツハイマー病の早期診断バイオマーカーを探る

山﨑, 貴男

大学院医学研究院基礎医学部門臨床神経生理学分野

飛松, 省三

大学院医学研究院基礎医学部門臨床神経生理学分野

Yamasaki, Takao

Tobimatsu, Shozo

https://doi.org/10.15017/25581

出版情報:福岡醫學雜誌. 103 (11), pp.215-225, 2012-11-25. 福岡医学会

バージョン:published

権利関係:

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アルツハイマー病の早期診断バイオマーカーを探る

九州大学大学院 医学研究院 脳研 臨床神経生理

山 﨑 貴 男,飛 松 省 三

はじめに 高齢化の進む我が国では認知症患者が急増しており,2012 年の患者総数は 305 万人(65 歳以上人口の 9.9%)で,2025年には 470 万人(同 12.8%)に達すると推測されている(厚生労働省ホームページ;http: //www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1.html).認知症の中ではアルツハイマー病(Alzheim-er's disease : AD)が約半数を占めており1),AD の早期診断と治療法を開発することは喫緊の課題である.

近年,認知症の前段階として軽度認知機能障害(mild cognitive impairment : MCI)2)が注目されている.

MCI とは1)本人や家族から認知機能低下の訴えがある,2)認知機能は正常とはいえないが認知症の診 断基準を満たさない,3)複雑な日常生活動作に最低限の障害はあっても基本的な日常生活機能は正常, の3つを満たす状態を指す2).MCI の病因は多様であるが,サブタイプのひとつである健忘型 MCI は高 率(10-15%/年)に AD に移行する3).最近では,発症前 AD(preclinical AD,脳に AD 病変はあるが無症 状の時期)という概念が提唱され4),超早期診断の重要性が議論されている.この新たな概念が提唱され た背景として,バイオマーカー研究の発展により AD の脳病理を推定可能になったことが挙げられる. バイオマーカーとは,生物学的過程,病理学的過程あるいは治療に対する薬理学的応答を表現する客観 的指標のことであり5),生化学バイオマーカー,遺伝子バイオマーカー,神経生理学的バイオマーカーなど が含まれる.臨床神経生理学分野では,種々の非侵襲的脳機能計測法を用いて,AD の神経生理学的バイ オマーカーを探索している6)~11).本稿では AD の早期診断に有用と考えられる神経生理学的バイオマー カーについて,我々の成績も含め概説する. 1.AD の理想的なバイオマーカーとは 2011 年4月に米国の国立老化研究所とアルツハイマー協会から,AD の新たな診断基準が提案され た4)12)~14).AD の病理学的過程を基に臨床症状の発現前から認知症を呈するまでの過程を一つのスペク トラムとして統一的にとらえている点が特徴である.すなわち,1)発症前 AD,2)AD による MCI, 3)AD による認知症という3つの病期に区別されている.この診断基準では,1)磁気共鳴画像(MRI) での内側側頭葉の萎縮,2)脳脊髄液のアミロイドβ(Aβ)42低下,総タウやリン酸化タウ上昇,3)ポ ジトロン CT(PET)における後部帯状回,楔部,側頭・頭頂皮質の糖代謝低下/アミロイド集積,4)遺 伝子変異陽性などのバイオマーカーが診断項目に加えられている.臨床所見だけに基づいていた従来の診 断基準(DSM-IV,NINCDS/ADRDA 診断基準)15)とは異なり,病理変化を反映するバイオマーカーに基 づいて診断される発症前 AD が設定されたことは極めて画期的である.AD の理想的なバイオマーカーは 以下の条件を満たすとしている16).1)AD の神経病理の本質的な特徴を検出できる,2)神経病理学的 に確定診断された AD 患者によって検証されている,3)AD 検出の感度> 80% で他の認知症との鑑別の

Takao YAMASAKIand Shozo TOBIMATSU

Department of Clinical Neurophysiology, Neurological Institute, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, 3-1-1 Maidashi, Higashi-ku, Fukuoka 812-8582, Japan

Tel : 092-642-5542 Fax : 092-642-5545 E-mail : yamasa@neurophy.med.kyushu-u.ac.jp Exploring the Early Diagnostic Biomarkers for Alzheimer's Disease

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特異度> 80%,4)信頼性が高い,5)再現性が良い,6)非侵襲的,7)簡便に施行できる,8)高価 でない.しかし,現状ではこのような条件をすべて満たす理想的なバイオマーカーは未だ存在しない. 神経生理学的(特に電磁気生理学的)バイオマーカーは生化学や遺伝子バイオマーカーに比べて,非侵 襲的,簡便,安価である.また日常診療において信頼性の高さ,再現性の良さ,潜在性異常の検出に優れ ることも証明されている.従って,神経生理学的バイオマーカーは,AD の理想的な早期診断バイオマー カーとなり得る可能性を秘めている. 2.AD の神経生理学的バイオマーカー 神経生理学的手法は電磁気生理学的手法と神経画像的手法の2つに大別される17).前者には脳波,事象 関連電位,脳磁図などが含まれ,時間分解能が高いことが特徴である.一方,後者には MRI,SPECT, PET などがあり,空間分解能に優れている. 2.1.電磁気生理学的バイオマーカー 2.1.1.脳波 脳波は大脳の活動に伴う微弱な神経細胞の電気的活動を頭皮上の電極を介して記録する方法であ る17)18).一般の視察法では,AD の進行に伴い基礎律動(アルファ波)の徐波化や徐波の混入がみられる. しかし病初期には異常を示さないことが多く,早期診断への利用は難しい.一方,定量的解析を行うこと で,AD と健常者を鑑別できる可能性がある18)19).AD ではシータ帯域(4-8 Hz)やデルタ帯域(1-4 Hz) の低周波数帯域のパワー値(活動の大きさ)が増大し,アルファ帯域(8-13 Hz)とベータ帯域(13-40 Hz) の高周波数帯域ではパワー値の減少がみられる19).シータ帯域の活動が大きいほど認知機能評価法 (MMSE,認知速度テスト)にて認知機能の障害が強いとの報告がある19)~21).また,シータ帯域のパワー 値は髄液の総タウ蛋白,リン酸化タウ,リン酸化タウ/Aβ42蛋白比と相関がある19)21).MCI でもシータ 帯域のパワー値の増大とアルファ帯域のパワー値の減少がみられる19) 睡眠ポリグラム記録では,睡眠ステージ2(軽睡眠期)に特徴的な睡眠紡錘波や K 複合波などの脳波パ ターンの消失やレム睡眠の持続時間の短縮(潜時は正常)などの所見がみられる19).これらの異常パター ンは,健常老年者やレム睡眠障害を呈するうつ病などの他の疾患ではみられず,AD に特徴的である19)

2.1.2.事象関連電位(event-related potential : ERP)

ERP は外的あるいは内的な事象に時間的に関連して生じる脳の電気的活動であり,脳波を加算平均する ことで得られる18).視覚や聴覚刺激などを用いた ERP が AD や MCI に応用されている18)19)22)23).一般 に 100 ミリ秒前後の早期の感覚成分(視覚性 P100 や聴覚性 N100,陰性成分を N,陽性成分を P と表現す る)は潜時・振幅とも正常のことが多いが,P300,N400,P600 などの後期成分は異常を示すことが多い23) P300 はオドボール課題(2種類の感覚刺激をランダムに呈示し,呈示頻度の低い方の刺激が呈示された 時にボタン押しなど反応を行わせる課題)で誘発される成分であり,AD では P300 潜時が延長するほど認 知機能の低下(AD 評価尺度や MMSE の異常)が強い19)24).また遺伝的に AD のリスクが高い健常者 (AD の家族歴,アポリポ蛋白 Eε4 キャリア,プレセニリン1やアミロイド前駆体蛋白遺伝子変異)でも P300 の潜時延長がみられる23) N400 や P600 は言語課題(意味的あるいは統語的に逸脱した言葉を呈示する)で記録される成分であり, 健常者では刺激を繰り返し呈示すると振幅が低下する(繰り返し効果)23).一方,AD や後に AD に移行 した MCI では N400 や P600 の繰り返し効果がみられず,その異常は言語記憶指標と相関がある23)25).さ らに,後に MCI あるいは AD を発症した健常老年者(ERP 記録時は発症前 AD であったと推定される) でも P600 の繰り返し効果の減弱が報告されている23)26) AD では脳内に老人斑と呼ばれる Aβの線維状凝集体が沈着するが,最近,その中間体である可溶性 Aβオリゴマーによるシナプス機能障害が AD の発症要因であるという仮説(オリゴマー仮説)27)が有力

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である.シナプス機能を同定・定量化できる ERP は,発症前 AD のシナプス機能障害の検出に有用であ る可能性がある. 2.1.3.脳磁図 脳磁図は脳の電気的活動によって生じる極微弱な磁場の変化を頭皮上から計測する方法である18)28) 脳波と同等の意義を持つが,脳波に比べて空間分解能が高く電流源の推定に優れている18)28).周波数解析 にて,AD では低周波数帯域のパワー値の増大,高周波数帯域のパワー値の減少がみられる29).電流源解 析を行うと,低周波数帯域の電流源密度(活動の大きさ)は側頭・頭頂領域で増加しており,認知機能の 程度と相関を認める29).例えば,側頭領域のシータ活動が大きいほど認知機能(MMSE スコア)が低く, デルタ活動が大きいほど AD の重症度(機能評価ステージスコア)が高いとの報告がある30).さらに ERP のように,視覚・聴覚課題などを試行中の事象関連脳磁場も記録できる.例えば聴覚課題時に,AD では 聴覚刺激に対する脳磁場反応が健常者よりも増加している(脱抑制現象)29).しかし,AD および MCI に おける研究報告は少ない. 近年の全頭型脳磁計装置の発展に伴い,脳部位間の機能的結合(離れた脳領域間における信号の時間的 相関)解析の AD への応用が増えている.AD では種々の周波数帯域,様々な脳部位間の機能的結合が複 雑に変化している29).機能的結合パターンの特徴から,AD 発症の予測や他の認知症との鑑別ができる可 能性があり,今後のさらなる解析法の発展が期待される. 2.2.神経画像的バイオマーカー 2.2.1.MRI の種類

MRI には構造的 MRI,機能的 MRI,拡散テンソル画像法,血液スピンラベリング灌流画像法,MR スペ クトロスコピーなど様々な手法がある31)~33).これらの手法を用いることで,AD および MCI の脳の形態

から機能まで幅広く評価することができる.

構造的 MRI(structural MRI : sMRI)

sMRI は脳の構造,容積,密度を測定・画像化する方法である32).AD では内側側頭葉,特に扁桃体,海

馬,海馬傍回の萎縮が顕著である31).これらの脳部位の萎縮の程度は認知機能障害の程度とよく相関す

る33).本邦の認知症疾患治療ガイドライン 2010 では,sMRI による内側側頭葉の萎縮の評価はグレード

A となっている15).近年のメタ解析では,海馬の萎縮は軽度〜中等度 AD における診断の特異度は 85%,

感度 88% とされている32).日常診療では自動的に簡便に脳の容積を評価できる VSRAD(Voxel-based

Specific Regional analysis system for Alzheimer's Disease)がよく用いられる34).この VSRAD では健常

者のデータベースと比較し,ある患者の関心領域(海馬傍回)の脳萎縮の程度を統計学的(Z スコアを用い る)に評価することができる.

機能的 MRI(functional MRI : fMRI)

fMRI は課題遂行時あるいは安静時の脳神経活動に伴う脳局所血液灌流量の変化を画像化する手法であ る9)31)~33).AD ではエピソード記憶や視空間認知の障害がよくみられることから,それらに関連する課 題を用いた研究が多い9).一般に AD では課題に関連した脳部位(記憶課題では内側側頭葉を含む記憶 ネットワークなど;視空間認知課題では頭頂葉など)の活性化が減少するとの報告が多い31)33).一方, MCI や遺伝的に AD のリスクが高い健常者ではそれらの脳部位の活性化は増強しており,それは代償性 機構が働いているためであると考えられている31)33) 安静時 fMRI では被検者は特定の課題を行う必要がないため,重度の認知症患者など非協力的な患者に おいても施行できるという利点がある9).AD および MCI では特に default mode network(DMN)におけ

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面,中側頭回などから成り,安静時に活動し課題遂行時には沈静化する.AD ではこの部位のアミロイド の集積が多く,PET で糖代謝の低下が認められる部位と一致しており大変興味深い9).さらに DMN だけ でなく,脳全体のネットワークの機能的結合の障害も報告されている9).これらの課題関連および安静時

fMRI のパターンから AD,MCI,健常者を鑑別できる可能性がある.

拡散テンソル画像法(diffusion tensor imaging : DTI)

DTI は水分子の拡散のし易さやその方向性を定量化する方法である.脳白質では水分子は線維に沿う 方向に拡がりやすく,線維に垂直な方向へは拡がりにくい(異方性が強い)という性質があることから, 白質の走行性やその異常の評価に有用である31)~33).拡散のし易さの指標として,みかけの拡散係数や平 均拡散能がある.また拡散の異方性の強さを表す指標の異方性度は,0-1までの値をとる31)33).0は等 方性拡散で,拡散が空間的に等しいことを意味する.1は異方性拡散で,ある一定の方向への拡散が強い ことを意味する.従って,白質病変により白質線維の統合性が低下すると,拡散係数や平均拡散能は上昇 し,異方性度が低下する. AD と MCI では,海馬,嗅内皮質,海馬傍回などの内側側頭葉の白質,後部帯状束,脳梁膨大部など 様々な脳部位において,拡散係数あるいは平均拡散能の上昇と異方性度の低下が認められる32)33).これら の拡散性の変化は認知機能の程度と相関がある31)~33)35)36).例えば,海馬白質の平均拡散能が高いほど35) あるいは後部帯状束の異方性度が低いほど36),言語記憶(遅延再生)の障害が強いとの報告がある.さら に海馬の拡散性は海馬の容積変化よりも MCI から AD への移行予測に優るとの報告もあり31),テンソル 画像の早期診断への応用が期待される. 血液スピンラベリング灌流画像法

(arterial spin labeling-perfusion-weighted imaging : ASL-PWI)

ASL-PWI は磁気学的にラベルした動脈血液を用いて脳血流量を測定する MRI 撮像法である32)33).後

述するが(2.2.2.および2.2.3),AD や MCI では SPECT や PET にて特徴的な血流/代謝の 低下パターン(両側側頭・頭頂葉と後部帯状回における低下)を示す32)33).ASL-PWI でも同部位の血流

低下を認める32)33).放射性造影剤を用いずに非侵襲的に脳血流を測定できる点で,非常に期待されている

方法である.ASL-PWI が PET と同等の感度・特異度を示すかどうかの検討が今後の課題である33)

MR スペクトロスコピー(magnetic resonance spectroscopy: MRS)

プロトン(1H)を利用した1H-MRS では脳組織の生化学的構成成分の量的変化を捉えることにより,脳

代謝の情報を観察できる31)~33).N-アセチルアスパラギン酸(NAA)は正常神経細胞・軸索密度の指標,

ミオイノシトール(mI)はグリア増生の指標,クレアチン(Cr)は細胞のエネルギー代謝の指標となる32)

AD では早期から NAA の減少,mI の増加がみられる33).海馬における NAA/Cr 比や NAA/mI 比の低 下は,AD と健常者との識別や(感度 83%,特異度 98%),MCI から AD への移行の予測に有用である(感 度 100%,特異度 75%)33).無症状のアポリポ蛋白 Eε4 キャリアにおいても,NAA/Cr や NAA/mI 比の

低下がみられている33)

2.2.2.SPECT

SPECT は99mTc-HMPAO,99mTc-ECD,123I-IMP などのトレーサーを利用して脳の血流を評価する方

法である.最近では画像を統計学的に解析できる eZIS(easy Z-score Imaging System)や 3D-SSP (3-dimensional stereotactic surface projection)が日常診療で盛んに用いられている14)

AD で最初に血流が低下する部位は,後部帯状回,楔前部である34).これらの部位はエピソード情報の

想起に関与する.覚醒安静時に最も血流が多く,自己に関する思考を行う場として注目されている DMN に含まれる.頭頂連合野である下頭頂小葉も初期から血流低下を認める34).AD の進行にともなって血流

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低下は側頭連合野,さらに前頭連合野へと進展する.MCI から AD への移行を予測する所見として,後部 帯状回から楔前部の血流低下よりも,頭頂連合野の低下が重要との報告がある34).

これらの脳部位の血流低下は AD に特徴的であり,認知症疾患治療ガイドライン 2010 ではグレード B である15)99mTc-HMPAO では,AD vs. 血管性認知症で感度 71.3%,特異度は 75.9%,AD vs. 前頭側頭

型認知症で感度 71.5%,特異度 78.2% である15)123I-IMP と 3D-SSP を用いた比較研究では AD とレ ビー小体型認知症の鑑別の精度は 65%,視診と組み合わせた場合は 66% である15) 2.2.3.PET 糖代謝とアミロイドイメージングが AD の早期診断に応用されている33)34) 糖代謝(18F-2-fluoro-2-deoxy-D-glucose : FDG)-PET FDG-PET は脳内のブドウ糖代謝を画像化する手法である33)34).前述の SPECT の血流低下部位に相 当する脳部位の糖代謝低下がみられる34).SPECT と同様に,両側側頭・頭頂葉と後部帯状回の糖代謝障 害は認知症疾患治療ガイドライン 2010 ではグレード B である15).FDG-PET による進行性認知症の 2.9 年の追跡調査と病理学的確認による AD の診断感度は 94%,特異度 73% である15).メタ解析の平均感度 は 86%,特異度は 86% である15).MCI では 81% が後部帯状回と海馬の糖代謝の低下を示す15).遺伝的に AD のリスクが高い健常者(アポリポ蛋白 E ε4 キャリア)でも AD 様の FDG-PET パターンを示す33) FDG-PET はシナプス機能を反映するとされており33),発症前 AD の検出に有用である可能性がある. アミロイド PET 11C-PiB などのトレーサーにより老人(アミロイド)斑を画像化する手法である33)34).AD の画像診断 の中で現在最も注目されている.AD では後部帯状回から楔前部,頭頂葉,前頭前野などの大脳皮質およ び線条体に高い11C-PiB の集積がみられる33)34).アミロイドは AD 発症の 15 年程前より大脳皮質に集積

するとされており,MCI の段階ですでに大脳皮質の11C-PiB 集積はほぼピークに達している34).AD の

90% 以上,MCI の 70-80%,健常者の 20-30% で11C-PiB の集積が認められる14).認知機能は正常だが遺 伝的に AD のリスクが高い者(AD の家族歴,アポリポ蛋白 E ε4 キャリア)は非リスク者に比べて,アミ ロイド PET でより11C-PiB の集積が高い33).従って,発症前 AD の検出に有効であると考えられる. 3.当分野における神経生理学的バイオマーカー研究 AD では早期より視空間認知(運動視や立体視)の障害 を生じやすいという点に着目し,我々は ERP と fMRI を 組み合わせた視覚(特に運動視)関連の神経生理学的バイ オマーカー研究を進めている6)~11). ヒトでは視覚情報は小細胞(parvocellular : P)系と大 細胞(magnocellular : M)系により並列的に処理されてい る(図1)37)~39).P 系は主に色や物体などの視覚情報の 処理に関与しており,網膜→外側膝状体→後頭葉の1次 視覚野→側頭葉の4次視覚野→下側頭葉前部と情報が伝 達される(腹側路).一方,M 系は主に運動視や立体視の 処理に関与し,網膜→外側膝状体→1次視覚野→側頭頭 頂部の5次視覚野→頭頂葉と情報が伝達される(背側路). 頭頂葉では上頭頂小葉(superior parietal lobule : SPL)に 投射する経路(背−背側路)と下頭頂小葉(inferior parietal lobule : IPL)に投射する経路(腹−背側路)に分

図1 ヒトの並列的視覚情報処理.視覚情報は大細 胞系(背側路)と小細胞系(腹側路)の並列的 視覚路で処理される.小細胞系(腹側路)は 主に色や物体などの視覚情報の処理,大細胞 系(背側路)は主に運動視や立体視の処理を 行う(理解を促すために図は簡略化してある).

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図2 (A)運動視刺激.黒色の背景画面に白色のドット 400 個を呈示し,共同運動レベル 90% の放射状 OF 刺激と水平方向運動(HO)刺激を作成した.(B)健常者における ERP 波形.頭頂部電極では N170 と P200 が主成分として記録される.N170 は両 刺激で誘発され,P200 は OF のみに出現する.(C)健常者における fMRI 活動. OF 刺激では下頭頂小葉(IPL)が活性化し,HO 刺激では上頭頂小葉(SPL)が活性 化する. 図3 各群における ERP 波形(右頭頂部電極).すべての群において,N170 は OF と HO の両刺激で誘発され,P200 は OF 特異的である.健常老年者(Old)では若年者 (Young)に比べて,両刺激に対する N170 潜時の延長,OF 刺激における P200 潜時 の延長と N170 振幅の低下を認める.MCI 患者では健常老年者に比べて,P200 潜 時が延長しているが,両刺激に対する N170 潜時は延長していない.AD 患者では 他の群に比べて,N170 潜時,P200 潜時とも延長している.文献 11)から引用.

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かれる37)~39).前者は水平方向の動き(horizontal motion,HO)など単純な動きの処理を行っている.一

方,後者は自己運動知覚に深く関与する放射状方向(optic flow : OF)の動きを処理している.従って,HO 刺激と OF 刺激を用いると,高次レベルの運動視機能を別個に検討することが可能である37)38) MCI,AD,健常若年者および老年者において,OF と HO 刺激(図2 A)を呈示すると,すべての群で P1/N1,N170,P200 が ERP の主成分として記録された(図2 B)8)10)11).P1/N1 は1次視覚野由来の初期 成分である.N170 は両刺激で誘発される非特異的運動視関連成分であり,発生源は5次視覚野である. P200 は OF のみで誘発される OF 特異的成分で,IPL 由来である8)~10)38).これらの成分の潜時と振幅を 群間で比較したところ,P1/N1 は群間で有意な差はなかった8)10)11).MCI では OF に対する P200 潜時が 老年者に比べて有意に延長していたが(図3 A,4 A),N170 潜時に差はなかった(図3)8)10)11).一方, AD 群は他のすべての群に比べて,N170,P200 潜時ともに有意に延長していた(図3,4 A)8)10)11)

従って,MCI,AD ともに1次視覚野の機能は保たれていること,MCI は選択的な IPL 障害があること, AD では5次視覚野以降の高次レベル運動視系が広範囲に障害されていることが示唆された8)10)11) N170,P200 成分と認知機能評価法(MMSE スコア)との関連性を調べたところ,N170,P200 ともに MMSE スコアと有意な相関を認め,特に P200 潜時において最も強い相関がみられた(図4 B)8)10) 図4 各群における P200 潜時(A)および P200 潜時と MMSE スコアとの相関(B). (A)P200 潜時は各群で有意に異なっている(***p < 0.001;*p < 0.05).(B) P200 潜時と MMSE スコアとの間に有意な相関を認める.文献 8)から改変.

図5 MCI と AD における fMRI 反応.(A)MCI 群では HO 刺激で SPL は有意に活性化さ れるが,OF 刺激では IPL の活性化はみられない.(B)AD 群でも OF 刺激にて IPL は 活性化されない.さらに HO 刺激に対する SPL の活性化も減弱している.文献 10)か ら改変.

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同様の刺激を用いて fMRI を記録すると,若年者,老年者ともに,HO で SPL,OF で IPL が有意に活性 化した(図2 C).一方,MCI では HO によって SPL は有意に活性化されたが,OF では IPL の活性化は みられなかった(図5 A).AD でも OF での IPL の活性化はなく,HO に対する SPL の活性化も減弱し ていた(図5 B).従って,MCI では IPL の選択的な障害があること,AD では IPL に加えて SPL まで広 範囲な高次レベル運動視系障害が存在することが示唆された10).これらの結果は電気生理の結果と一致 する所見であった. さらに種々の視覚刺激を用いた ERP により,MCI 患者の並列的視覚路を1次視覚野レベルの P 系と M 系および高次視覚野(4次と5次視覚野以降)レベルの P 系と M 系に分けて体系的に機能評価を行っ た10).1次視覚野レベル P 系の機能評価には赤緑正弦波格子縞パターン刺激,1次視覚野レベル M 系に は白黒正弦波格子縞パターン刺激が適している.4次視覚野以降の P 系の機能評価には顔刺激や漢字刺 激,5次視覚野以降の M 系には運動視刺激と仮名刺激が有用である38).これらの刺激を呈示し反応を記 録したところ,1次視覚野レベルの P 系,M 系および4次視覚野以降の P 系は MCI では異常を示さない ことが分かった10).一方,5次視覚野以降の M 系(特に IPL)機能を反映する OF 刺激の P200 と仮名刺 激に対する N170 の潜時が,健常老年者に比べて MCI 患者で有意に延長していた10).これらの結果は, MCI における IPL の選択的障害を支持する結果であった.

AD に特徴的な病理像は MCI では IPL に限局しているが,AD では IPL から SPL に拡がっているとの 報告がある40)41).従って,われわれの ERP と fMRI の結果は AD の病理学的過程を反映していると考え

られる.さらに SPECT や FDG-PET でみられる IPL の血流・代謝の低下は,MCI から AD への移行を予 測するバイオマーカーとして有用であると報告されている34)42).以上より,IPL の機能を反映する OF 関 連電位および fMRI は非侵襲的な MCI,AD の早期診断バイオマーカーとして有用であると考えられる. 今後は縦断的研究を行い,発症前 AD における超早期診断への応用を試みたい. おわりに 本稿では AD の早期診断に有用と考えられる神経生理学的バイオマーカーについて,我々の成績も含め 概説した.特に腹−背側路の下頭頂小葉の機能評価の重要性を指摘した.本邦では AD に対して長らく アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルしか使えない状況であったが,新しい薬剤が相次い で使用可能となり治療の選択肢が広がっている43).さらに,AD の基本的病理過程に基づいてその病理を 抑制修飾する疾患修飾薬が開発されつつある44).従って,超早期診断・治療介入や疾患修飾薬の開発・効 果の判定のために,神経生理学的バイオマーカーを含めたバイオマーカー研究のさらなる発展が望まれる. 謝 辞 本研究にご協力いただいた,以下の先生方に深謝いたします.伊地知郁江,宮永幸佳,堀江静,緒方勝 也,吉浦敬,大八木保政,神庭重信,吉良潤一(九州大学),門司晃(佐賀大学),谷脇考恭(久留米大学), 後藤純信(国際医療福祉大学),栗田ちはる,高島幸子,三野原元澄,三野原勝子(三野原病院),宗綱信 治(九州工業大学),村中博幸,加世田ゆみ子(広島市総合リハビリテーションセンター),三森康世(広 島国際大学),鳥居剛(呉医療センター),大下智彦(梶川病院),松本昌泰(広島大学)(敬称略) 参 考 文 献 1) 北川泰久,中島健二,池田学,三上祐司,羽生春夫:認知症診断・治療の進歩と医療連携.日医雑誌 141: 501-513,2012.

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山﨑 貴男(やまさき たかお) 九州大学特任助教(大学院医学研究院 基礎医学部門臨床神経生理学分野)医博 ◆略歴:1972 年生まれ.1997 年佐賀医科大学医学部卒業.九州大学医学部附属病院研修医を経て 2000 年小倉記念病院神経内科医員.2002 年東京大学大学院医学系研究科脳神経学専攻特別研究学 生修了.2005年九州大学大学院医学系学府機能制御医学専攻博士課程修了.同年より脳研臨床神経 生理助手(助教),2007 年より現職(泯江堂三野原病院神経内科医師併任). ◆研究テーマ:非侵襲的脳機能計測法を用いたヒトの高次脳機能の脳内基盤の解明,認知症,自閉症. プロフィール 飛松 省三(とびまつ しょうぞう) 九州大学教授(大学院医学研究院 基礎医学部門臨床神経生理学分野)医博 ◆略歴:1955 年生まれ.1979 年九州大学医学部卒業.九州大学医学部附属病院研修医を経て 1983 年九州大学医学部脳研神経内科助手.1985年医学博士(九州大学).同年シカゴ・ロヨラ大学医学部 神経内科客員研究員.1987 年九州大学医学部脳研生理助手.1991 年脳研臨床神経生理講師.1999 年九州大学大学院医学系研究科脳研臨床神経生理教授.2000 年より現職. ◆研究テーマ:非侵襲的脳機能計測法を用いたヒトの感覚・運動情報処理機構の解析および高次脳 機能の脳内基盤の解明.

参照

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2)医用画像診断及び臨床事例担当 松井 修 大学院医学系研究科教授 利波 紀久 大学院医学系研究科教授 分校 久志 医学部附属病院助教授 小島 一彦 医学部教授.

URL http://hdl.handle.net/2297/15431.. 医博甲第1324号 平成10年6月30日

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1367号

金沢大学学際科学実験センター アイソトープ総合研究施設 千葉大学大学院医学研究院

東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻. hirai@mist.i.u-tokyo.ac.jp

鈴木 則宏 慶應義塾大学医学部内科(神経) 教授 祖父江 元 名古屋大学大学院神経内科学 教授 高橋 良輔 京都大学大学院臨床神経学 教授 辻 省次 東京大学大学院神経内科学

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

1991 年 10 月  桃山学院大学経営学部専任講師 1997 年  4 月  桃山学院大学経営学部助教授 2003 年  4 月  桃山学院大学経営学部教授(〜現在) 2008 年  4