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論文審査委員

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 清水

シ ミ ズ

ユ ウ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(作業療法学)

学 位 記 番 号 健博 第

121

号 学位授与の日付 平成

28

9

30

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 作業療法発の住環境整備のための記録用紙の開発 論 文 審 査 委 員 主査 准教授 橋本 美芽

委員 教 授 小林 隆司 委員 准教授 井上 薫

【論文の内容の要旨】

住環境整備は,地域包括ケアシステムが掲げる住まい方を実現するための一つの方法で ある.高齢者人口が増加する中,住環境整備の重要性が高まっている.作業療法は「退院 後の住環境への適応訓練」が業務の一つとして位置づけられ,住環境整備は用いる活動の 一つになっている.しかし,作業療法における住環境整備の研究は,実施後の追跡調査や 家屋調査の報告書の内容分析にとどまっていた.

このような背景を受けて,著者らは,住環境整備における情報収集と,その際に用いる 記録用紙に着目して調査してきた.その中で,作業療法士が他職種と共用できる記録用紙 を求めていることを明らかにした.また,作業療法士が求める記録用紙のタイプやそれぞ れのタイプの共用者等を明らかにしてきた.それを受けて著者らは,①作業療法士が必要 な情報を踏まえ,②単なる家屋状況だけでなく利用者のニーズや作業遂行に着目し,クラ イアントを中心として目標指向的に住環境整備ができ,③作業療法から他職種に示すこと ができるような記録用紙が必要だと考えた.

以上より,本研究は,作業療法領域から発信する上記のような住環境整備のための記録 用紙を開発することを目的とした.

本研究は,

3

段階に分けて実施した.第一段階は,記入項目の検討と試作版の作成を目的

とした.作業療法士

64

名と理学療法士

37

名にアンケート調査を実施し,「家族用」「セラ

ピスト用」別に必要とされる記入項目を調査した.第二段階は,試作版の記入項目の用語

の検討と試用版の作成を目的とした.使用者となる家族を想定した

2

つのグループで,検討

会を開催し,アンケートの記入及び自由討論を行い,用語の意味の理解や全体への意見を

得た.また,作業療法士・理学療法士

25

名にはアンケート調査で同様の内容を調査した.

(2)

博士学位論文内容の要旨

第三段階は,試用版を臨床で試用し,改善点の意見を得,完成版を作成することを目的と した.作業療法士・理学療法士・クライアントの家族に記録用紙を使用してもらい,その 後,作業療法士と理学療法士にグループインタビューを実施した.

その結果,第一段階のアンケートは有効回答数

71

通,有効回答率

70.3%

だった. 「家族用」

6

割以上が必要だとした記入項目は

51

項目中

30

項目だった.そのうち

16

項目は寸法測定を 要する項目,

13

項目は写真を撮ってもらいたい項目だった.「セラピスト用」に

6

割以上の 回答者が必要だとした記入項目は

130

項目中

114

項目あった.

114

項目の情報収集方法は,

「調査用紙」のみで情報を入手したい項目が

61

項目で最多だったが,写真や見取り図等,

複数の情報源から情報を得たいとされた.また,「セラピスト用」は「家族用」の記入項 目の大半を含んでいた.上記を踏まえ,[簡易情報シート][見取り図シート][寸法測 定シート][写真依頼シート]の

4

シートからなる「家族用」と,部屋別に記入欄を設け,

訪問調査の目的や動作方法,プラン等も記入できる「セラピスト用」を試作した.

第二段階は,「家族用」の使用が想定される

2

つのグループ(全

9

名,平均

26.6

歳,及び,

平均

63.8

歳のグループ)と,「セラピスト用」の使用が想定される作業療法士・理学療法士

17

名,経験年数平均

6

年目)を対象とした.その結果,「家族用」については,家族を想 定した

2

グループからは,「浴槽の種類」「上がり框の高さ」を除き

75%

以上の同意が得ら れた.作業療法士と理学療法士からは,「浴槽の種類」「玄関下の段差の高さ」を除き

75%

以上の同意が得られた.同意を得られなかった項目は図や説明が必要とされた.「セラピ スト用」については,全項目で

75%

以上の同意が得られたが,写真貼付やメモスペースの要 望が挙がった.以上を踏まえて,試用版を作成した.

第三段階は,

2

病院で試用し,その後,改善点を聴取するグループインタビューを実施し た.その結果,「家族用」は改善点の指摘は少なかったが,「セラピスト用」はクライア ントに合わせて必要な項目が視覚化されることや電子化の要望が挙がった.以上を踏まえ て,エクセルによる簡易的な電子化を試み,「家族用」と「セラピスト用」を連動させ,

さらにクライアントに必要な部分だけを印刷可能にした.

完成した住環境整備のための記録用紙は,クライアントオリジナル版の作成が可能にな

り,クライアント中心の住環境整備を進めることが可能になったと考える.「家族用」は

作業療法士協会等が示したフォーマットは存在せず,新規性があった.一方,「セラピス

ト用」は既知のものがあるが,今回作成した記録用紙は,クライアントの作業に着目した

目標を出発点として,住環境を評価し,住環境整備プランまで記入するような形式にした

ことに独自性があると考える.本研究で作成した記録用紙は,在宅復帰や安全性のためだ

けに住環境整備を用いるのではなく,目標指向的にクライアント中心の作業療法を遂行す

る上で活用できると考える.

参照

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