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迅速な受容体機能解析を指向した新規クロスリンク試薬類の合成

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017 年 2 月 8 日

迅速な受容体機能解析を指向した新規クロスリンク試薬類の合成

応用生物科学専攻 生命分子化学講座 生態化学生物学 吉田卓真

1. 研究背景・目的

生理活性物質と受容体間の相互作用解析は,標的となる生体分子の同定,作用機序解明に重要で ある。ケミカルバイオロジー的手法によって,リガンドを基盤としたプローブを用いた受容体との 特異的相互作用解析が可能であるが,中でもクロスリンク可能な官能基(光反応性基,catechol 骨格など)を用いて共有結合を形成する手法が,注目を集めている。クロスリンク後の,ラベル化 生体分子の単離精製や検出,非特異的標的分子との区別が,課題となる。本研究において,この 問題点を解決する,簡便かつ迅速な解析が可能なプローブの開発を目指した。

2. 方法

標識タグとして,質量分析時に有用な重水素標識や click chemistry に利用可能な alkyne,特異 的相互作用を裏付ける Enantio-differential 法に注目し,比較的安価かつ入手が容易な化合物や 試薬等を用いた新規機能性プローブの効率的有機合成法の確立を試みた。

3. 結果

当研究室で開発した水素-重水素交換試薬 TfOD を用い,環選択的な重水素交換,並びに Friedel-Crafts 反応により,効率良く環選択的重水素標識された光反応性 phenylalanine 誘導体

(Bz-Phe,1)の合成を達成した。また,光学活性アミノ酸誘導体を用い,立体保持合成を行う ことで,不斉触媒を用いることなく甘味活性が期待される光学活性アミノ酸クロスリンク試薬(2)

の合成にも成功した

1)

。さらに,phenol 性水酸基を保護することなく,phenylazide 基や catechol 骨格を有する新規 diketopiperazine 誘導体を合成可能であった

2)

。ホウ酸結合蛋白質探索を指向 したプローブの合成においては,リガンド活性を損ないにくい比較的嵩の小さな官能基である alkyne や脂肪族 diazirine 骨格を有する 3 機能一体型プローブ(3)の合成に成功した。

4. まとめ

本研究において,リガンド-受容体間に共有結合を形成可能な官能基を有するだけでなく,

受容体解析をより簡便かつ迅速にする新規機能性プローブの合成に成功した。今後,合成したプロ ーブを用いて,生体内における様々な受容体解析への応用が期待される。

図 1 本研究で合成した化合物例 1) M. Hashimoto, T. Yoshida, et al. Heterocycles

, in press.

2) T. Yoshida, et al, Letters in Organic Chemistry

, 2015, 12, 544-548.

photoreactive O-benzylserine (2) 3 functional probe (3) alkyne (click-tag)

diazirine

(photophore) boronic acid (ligand) benzophenone

(photophore) Deuterated Bz-Phe (1) Selective

deuteration

optically active R = photophore

or fluorophore

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