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(1)

は じめ に

Ⅱ 新 た な法 人法 制 の基 本 的枠 組 み 1 制 度 の改 革

2 新 た な理解 へ 3 医療 法 人の位 置 づ け

株 式 会社 の営利性 と医療 法 人 の非営利性 1 株 式会社 の営利 性

(1) 伝 統 的 な通 説

(2) 旧商法52条廃 止 の趣 旨 (3) 学 説 の近況

2 医療 法 人 の非 営利性 (1) 開設 の許可 制 (2) 非営利性 の強化

おわ りに

は じめに

本稿 は,株 式 会社 に よる病 院経 営 とい う テーマ について,営利 を目的 とす る株式会社 が病 院 の経営(1)の よ うな公益 に関す る事業 を行 な うことは許 されるのか どうか を検討 し ようとす るものである この間題 に対す る解 答 は,現状では必ず しも明確 に出 されてい る

とはい えない。

株式会社 の病 院経営への参入 をめ ぐる議論 は,医療制度改革の一環 として,

2 0 0 1

(平成 13)年か ら本格 的には じまった。小泉政権が 発足 直後 の同年6月 に経済財政諮問会議 「 後 の経済財政運営及 び経済社会の構造改革 に 関す る基本方針(いわゆる 「骨太 の方針」)

を閣議決定 したのが,その皮切 りであった。

「医療制度の改革」に関 しては,「株式会社方 式 による 〔医療機 関一筆者注〕経営 な どを含 めた経営 に関す る規制の見直 しを検討す る」

こ とも基 本 方針 と して盛 り込 まれ たの で あ

その後,政府内外 の賛否両陣営の間で, さ まざまな議論が極 めて活発 に展 開 された。厚 生労働省や医師会等の反対 ・批判 も強かった が,貯余 曲折 を経て(

2

)

,2 0 0 4

(平成

1 6 )

1 0

月か ら構造改革特 区においては株式会社 によ る病 院の開設が認め られることとなった ( 造改革特別 区域法18条参照)。

この ように して,株式会社 による病 院経営 に対 す る規制 は媛和 された(3)。 しか し, この (19)

(2)

   

● 論

ような動向は,会社法制 ない し法人法制のあ り方の根本 に触れる問題であるように思 える のである

他方で,わが国の会社法制 ・法人法制は, 近時,大 きく変更 された。 まず,

2 0 0 5

(平成 17)年 には,商法第2編か ら独立 して単行法 と して 「会社 法」が 成 立 した。続 い て,翌

2 0 0 6

(平成

1 8 )

年 には,公益法人制度改革に より関連三法が成立 し,法人に関する民法の 規定が大幅に削除 された。 さらに,同年の医 療法人制度改革においては,医療法人の非営 利性 を強化する改正がなされた。

以上の ような法状況 を前 にして,本稿では, 会社法制 ない し法人法制のあ り方 とい う見地 か ら,株式会社 による病院経営 について検討 してみたい。「営利 と非営利 の問」 とい う副 題 は,本稿の問題関心 を示す ものである

以下,次のような順序で検討 を進めてい く まず,続 くにおいては,新 たな法人法制の 基本的な枠組みを確認するとともに,そこに おける医療法人の位置づけを明 らかにする そ して,Ⅲにおいて,株式会社の営利性 と医 療法人の非営利性 とを対比す る形で若干の検 討 を行 なった後,で, まとめを付すること に したい。

新 たな法人法制 の基本的枠組 み

1 制度の改革

わが国の法人法制は,

2 0 0 6

(平成

1 8 )

年の 公益法人制度改革三法の成立 によって,その 姿 を大 きく変えた。すなわち,同年6月に,

一般社 団法人及び一般財団法人に関する法 (以下,「一般法人法」),「公益社 団法人及 び公益財 団法人の認定等 に関す る法律(

(20)

下,「公益法人認定法」),「一般社 団法人及び 一般財団法人に関する法律及び公益社 団法人 及び公益財団法人の認定等 に関する法律の施 行 に伴 う関係法律の整備等 に関する法律」( 下,「一般法人整備法」)とい う三つの法律が 制定 され,大 きな制度改革が行 なわれた。最 後の一般法人整備法 によって,中間法人法が 廃止 (整備1条) されるとともに,民法か ら 公益 法人 に関す る規定がすべ て削 除 (38 条) された。公益法人改革三法 は,

2 0 0 8

(

2 0 )

1 2

1

日か ら施行 されている

改革前 には,「公益 二関スル」社団 ・財団で

営利 ヲ目的 トセサルモノ」であれば公益法 人 (平成

1 8

年改正前民法

3 4

条),「社員 に共 通す る利益 を図ることを目的 とし,かつ,刺 余金 を社員 に分配することを目的 としない社 団」は中間法人 (旧中間21号),営利 を目 的 とす る場合 には会社形態 (平成17年改正 前商

5 2

条,旧有

1

条)とい うように,法人の 目的に応 じて3種類の法人形態が用意 されて いた。

しか し,一般法人法 ・公益法人認定法の下 では,事態が一変 した。従前の民法が公益 目 的の社団または財団について主務官庁の許可 による公益法人 (社 団法人 ・財団法人)の成 立 を認めていたのに対 して,一般法人法は会 社法 と同 じく準則主義 による一般的な非営利 法人 (一般社 団法人 ・一般財団法人)の成立 を認めた。そ して,一般法人法 により法人格 を取得 した一般社団法人 ・一般財団法人の う ち,公益 目的事業 を行 なうものは公益認定 を 申請 し,行政庁 による公益認定 を受けて公益 法人 (公益社団法人 ・公益財団法人) となる

ことがで きる (公益認定4条)。 こうして,公 益法人は非営利法人の うち公益認定 を受けた

(3)

 

 

 

 

株式会社 による病院経営 ⑳

もの とい う位置づけがなされた。

また,一般法人の 目的に関 しては,「非営利」

であ る こ とを除いて何 ら限定 され てはい な い。それゆえ,「公益的な事業,共益的な事業, あるいは,収益事業 など,強行法規や公序良 俗 に反 しない適法 な事業であれば,あ らゆる 事業 を 『目的』として」(4)一般社 団法人 ・一般 財団法人の形態 を利用することがで きる 員 に共通す る利益の追求 を目的 として一般社 団法人 を設立す ることも可能である そのた ,「中間法人法 は廃止 され,中間法人制度が 一般社 団法人制度 に統合 され るこ ととなっ た」̀5)ゎけである

以上の ように,

2 0 0 6

(平成

1 8 )

年の制度改 革の結果,わが国の一般的な法人法制は,非 営利法人 と営利法人の2本立 て に改 め られ た。本来,公益性の有無 と営利 ・非営利 とは 別次元の ものであるか ら,従来の公益法人 ・ 営利法人 とい う区別では,その中間に公益で

も営利で もない事業 を行 なう法人が生 じて し まい,分類 として適切でなかった。 しか し, 新たな法人法制の下では,法人 を営利 ・非営 利でまず区別 し,公益法人は非営利法人の う ち公益 認定が された もの とい う位 置づ けに なったので,分類 の穴が埋 め られた(6'。そ し て,非営利法人については一般法人法が,営 利法人については会社法が,それぞれ規律す るとい う仕組みがで きあがった。

2 新たな理解へ

一般法人法 は,一般的な非営利法人制度 を.

定めているが,一般社 団法人 ・一般財団法人 における 「非営利性」 を正面か ら規定 してい るわけではない。 しか し,定款の記載 (記録) 事項 について,次の ような定めが置かれてい

すなわち,一般社団法人の場合 には,「 員 に剰余金又 は残余財産の分配 を受ける権利 を与 える旨の定款の定めは,その効力 を有 し ない」 とされてお り (一般法人

1 1

条2項), 一般財 団法人の場合 には,「設立者 に剰余金 又 は残余財産の分配 を受ける権利 を与える旨 の定款の定め」は無効 とされている (

1 5 3

条3項)。 したが って,一般法人法 における

非営利性」 とは,定款 において剰余金 また は残余財産 を社員あるいは設立者 に分配する 定めがないことである, とい うことになる

この点に関 して,立法関係者 は,「このよう な定めは,剰余金の分配 を目的 としない法人 であるとい う一般社団法人の基本的性格 に反 す るものであるし, また,定款の定めによっ て も社員が法人の資産に対する持分 を有する 仕組みを採用す ることがで きない点 を明 らか に し,営利法人 との区別 を明確 にするためで ある (会社法

1 0 5

2項参照)(7)と説明 して いる

他方,会社法

1 0 5

条2項 は,一般法人法の 規定 とは対照的に,株主 に剰余金配当請求権 お よび残余財産分配請求権の全部 を与 えない 旨の定款規定 を無効 と定 めてい る こう し て,新 たな法人法制の下では,構成員 に対す る剰余金 ・残余財産の分配権の有無が,法人 の営利 ・非営利 を分かつ指標 である」(8) こと になった と理解すべ きだろう

法人 とい う制度があ り,非営利法人 と営利 法人に二分 されるようになった。両者 を区別 す る明確 な一線 も引かれた。 ここで, この点 の認識の重要性 を強調 しておかなければなら ない。

(21)

(4)

⑳ 論

3 医療 法人の位 置づ け

一般 法人法 は,非営利法人の設立 に関す る 一般法 として制定 されたが,医療法人 に関 し ては,従 来 どお り,医療法 に委 ね られてい る そ こで, 医療 法 に基づ く医療法人 につ いて, 法人法制 にお けるその位置づ けを してお くこ

とに したい。

民法学 の伝 統 的 な通説 は,「公益」を 「社会 全 般 の利益 ‑不特定多 数 の者 の利益 」(9)とい う意味 で理解 す る。 この ように理解 す れ ば, 医療事 業 の公益性 を否定す るこ とはで きない だろ う 公益性 を有す る以上,病 院等 をかつ ての民法上 の公益法人 として設立す る こ とも 不可能 だ ったわけではない(10)

しか し,戦後 しば らくしてか ら, 医療法 人 の制度 が設 け られ る前 までは,次の ような状 況 で あ った。す なわ ち,「医療事業 には実 際 上か な りの収益 が伴 うところか ら,例 えば相 当数 の患 者 につ い て 医療 費 の減免 を行 うな ど,他 の一般 の病 院 とは違 う慈善的 な病 院 な どは別 として, ただ普通 に医療事業 を行 って い るにす ぎない もの に対 しては,民法上 の公 益 法人 としての設立 の許可 は与 え られ ない取 扱 いであ った。 そのため,一般 の民 間の医療 機 関 には,法 人格 を取得 しうる道が 閉 ざされ る結果 となっていた」(ll) のである そ こで,

1 9 5 0

(昭和

2 5 )

年 に医療法 を改正 して,新 た に医療 法 人 の制 度 を設 けて,「一定 の規模 以 上 の一般 の民 間の医療機 関に対 して,経営 の 実態 は 『私企業 的な経営』 の ままで (7 会参 議 院厚 生 委員会 議録242にお け る久 下政府 委員 の説 明参 照),容易 に法 人格 を取 得 しうる道 を開いた」(12)ゎけである

以上 の経緯 に照 らす な らば,医療法人 は, どち らか とい うと公益 法人 に近 いが,営利 的

(22)

色彩 も濃 く,公益法人 と営利法人 との中間に 位置づ け られ るべ きものだろ う(13)。新 たな法 人法制 の下 で,法人 を非営利法人 と営利法人 とに分 ける と,医療法人は非営利法人 に分類 され る 後述 す るように,医療法人 は,剰余 金 の配 当 を禁止 されているか らであ る (医療 54条)。

株式会社 の営利性 と医療法 人の非 営利性

1 株式会社 の営利性

2 0 0 5

(平成

1 7 )

6月

2 9

日に 「会社 法」が 成立 し

,2 0 0 6

(平成

1 8 )

5月1日か ら施行 されてい る この新 しい会社法 は,会社 法 の 現代化 を大幅 に前進 させたが,会社 の営利性 に関 して は新 たな基本問題 を提起 してい る

会社 の営利性 を規定 していた

2 0 0 5

(平成

1 7 )

年 改正 前 商法

5 2

条 に相 当す る規定 が会社 法 には設 け られ なかったか らである(14)。 はた し て,新 法 の下 において も,営利性 は株 式会社 に とって不可欠 の要素 なのか どうか。 まず こ の点 を検討 してお く必要がある。

(1)伝統 的 な通説

2 0 0 5

(平成

1 7 )

年改正前 の商法

5 2

1 においては,いわゆる商事会社 について,「 法 二於 テ会社 トハ商行為 ヲ為 ス ヲ業 トス ル 目 的 ヲ以 テ設立 シタル社 団 ヲ謂 フ」 と定 め られ てお り, 同条2項 においては,いわゆ る民事 会社 につ いて,「営利 ヲ目的 トス ル社 団 ニ シ テ本編 ノ規定 二依 り設立 シタルモ ノハ商行為 ヲ為 ス ヲ業 トセザルモ之 ヲ会社 下着倣 ス」 と 定 め られ て い た。1項 の商事 会社 につ い て は,

2

項 の民事会社 の場合 と違 って,営利 を

(5)

株式会社 による病院経営 ⑳

目的 とす ることが明示 されていたわけではな い。 しか し,商事会社 について も,営利の 目 的を要 しない趣 旨ではな く,商行為 をなす こ とを目的 とす るとい う要件の中に営利 目的が 当然 に前提 とされているもの として理解 され ていた(15)

そ して,そ こでい う会社の営利性 とは,伝 統的な通説 によると,会社がその対外的な活 動 によって利益 を得て,その利益 を出資者で ある構成員 (株主 ・社員)に分配することを い うと理解 されていた(16)。つ まり,会社 自体 が利益 を獲得する目的で対外的な活動 を遂行 することを意味するだけではな く,それに加 えて対外活動 によって得た利益 を構成員 に分 配す ることをも意味するもの として考 え られ ていた。構成員への利益の分配は,定期的な 利益配当の方法で も,残余財産の分配の方法 で も差 し支 えないが(17),営利性 を欠 くものは 会社 であるとはいえず,営利性 は会社 にとっ て不可欠の要素であるとされていた(18)。

この ような通説の基礎 を確立 したのは絵本 桑 治博士̀19)であ り,遅 くとも昭和初期 まで には,学説 において博士の見解が通説的地位 を占めるに至 ったのである(20)。本稿のテーマ に関連 して, ここでは次の点を指摘 してお く 必要がある それは,株式会社 による病院経 営が一切許 されない とは,通説 も考 えていな い とい うことである 過去の学説の中には, 営利会社 は営利 を唯一の 目的 としなければな らず,営利の 目的のほかに公益 を目的 とす る ことはで きない とす る見解(21)がなかったわ けではない。 しか し,会社 は営利行為 をなす こ とを必ず しも唯一の 目的 とす る必要 はな く,同時にそれ以外の公益的事業 を兼営 して も差 し支 えない とい うのが,一般的な見解で

あった(22)。そ して,「病院の経営」について も 言及がなされていた(23)。

(2)旧商法52条廃止の趣 旨

会社法 は,旧商法52条の ような規定 を置 いていない。 しか し,会社法は,一方で,会 社がその事業 としてする行為お よびその事業 のため にす る行為 は商行為 であ る と定義 し (会社5条),他方では,株主に剰余金の配当 を受ける権利お よび残余財産の分配 を受ける 権利の全部を与 えない旨の定款 の定めは効力

を有 しない としている (1052項)。

そ こで,会社法の立案担当者 は,営利 を 目的 とする社 団』であることを定めていない のは,会社法上,会社 の株主 ・社員 には,刺 益配当請求権 ・残余財産分配請求権が認め ら れていることは明 らかであ り,会社が対外的 活動 を通 じて上げた利益 を社員 に分配す るこ とを意味する 『営利 を目的 とする』 とい う用 語 を用いる必要がない という理由によるもの である」 と説明 している(24)。 この見解 は,伝 統的な通説に沿 っていると考 えられる 営利 目的の要件 を不要 とすることまでは意図 して いないだろう(25)

ところが,別の立案担当者は,次の ように 述べている(26)。「会社法 は,旧商法52条 に相 当す る規定 を置 いていない。 この旧商法52 条の廃止の趣 旨は,会社 とそれ以外 の社 団法 人 を 『目的』 によって区別することを放棄す ることにある すなわち,従来の社 団法人法 制 は,社 団法人の 目的によって法人の種類 を 区別 した うえ,それぞれの社団法人の設立根 拠法 において設立手続 を規定するとい う法制 を採用 していた。‑‑旧商法52条 もこうし た社 団法人法制の典型的な規定であった」が,

(23)

(6)

● 論

「この従来の社 団法人法制は,構造改革特別 区域法 (平成14年法律189号)との整合性 を 試 される」。「同法 に基づいて,会社 による農 業参入や学校の設置事業 を行 う構造改革特別 区域推進計画が認定 される等会社の活動範囲 が大幅に拡大 されることとなった」か らであ 「この ような背景 において,従来の法人 法制の ように,事業 を 『営利事業』 と 『公益 事業その他非営利事業』に二分化 し,会社 は, 前者のみを目的 とす ることがで きる旨の解釈 をとると,構造改革特別区域法で会社の活動 を広げて も,会社法 自体がその障壁 になって しまうことになる ‑‑そこで,会社法は, 旧商法52条 の規定 を廃止 し,会社 の 目的に 営利性 を要求 しないこととし,公益事業,例 えば,環境保全 ・病院や学校法人の経営等 も 株式会社 の 目的 とす ることがで きることとし たのであ る」。要す るに,構造改革特別 区域 法 との整合性 に配慮すると,営利 目的の要件 を不都 合 だ と考 えて廃止 した とい うのであ

立案担当者たちの間には見解の相違がある ようであるが,それはともか くとして, ここ で指摘 してお きたいのは次の点である 従来 の登記実務 において も,株式会社の 目的 とし て 「病院経営」 とする設立登記の申請は,認 め られる とされていたのである産婦人科 病院経営‑‑を目的 とした株式会社設立登記 申請は,‑‑医業 を主たる目的 とするもの と 認め られ民法 または医療法人による法人 とし て設立 さるべ きであ り会社組織 となすべ きで はないか ら右登記 申請は受理で きない」ので はないか との照会 に対 して,「受理 して差 し つか えない」 とした回答(27)がある 営利 目 的の要件が病院経営のネ ックになっていたわ

(24)

けではない。

(3)学説の近況

学説 に目を転 じよう 学説では,伝統的な 通説 に立ちつつ,会社法の下で も営利性の要 件 は維持 されているとい うのが一般的な見解 となっている(28)。ただ し,その根拠 について は,い くつかの見解が説かれている 会社法 5条 を引用 して,「これは,会社 は営利 を目的 として対外的活動 を行 うのが通常だか らであ る」とす る見解(29)や,会社法1052項 に言 及 して,「利益 (剰余金)配当請求権 と残余財 産分配請求権の双方 を否定 してはならない限 りにおいて,営利は依然 として株式会社 の本 質 的要素 であ る と解 され る」 とす る見 (30),さらには,「この二つの規定か ら,会社 では,営利活動 を行 うだけでな く,株主‑の 財産的利益の分配が想定 されていると解 され

る」 とす る見解(31) も示 されている

以上のように,営利性が認め られる条文上 の根拠 は必ず しもはっきりとはしないが,会 社法の下で も,伝統的な通説に従 って,対外 的 な活動 に よって利益 を獲得す るだ けで な く,その利益 を構成員 に分配するとい う意味 での営利 目的の要件 は維持 されているとす る のが一般的な理解である(32)

そ して, このような理解 によるな らば,医 療事業か ら得 られた利益のすべてを株主 に分 配 しないで公益 目的に使用することは,株式 会社の営利性 に反するもの として認め られな い, とい う結論 になるはずである

ところが, ごく最近になって,伝統的な通 説 とは異 なる解釈 をほ どこす見解(33'が現 れ ている この見解 は,会社の営利性 とは,社 員 ・株主の会社 に対する経済的な 「持分」の

(7)

株式会社 による病院経営 ◎

存在 を前提 として,団体法上の規律が図 られ る とい うことであ り,通説 と違 って,事業か ら生 じた利益 の社員‑ の分配 は必ず しも必要 ではない とす る̀34)。そ う考 えると,株式会社 は定款 で

,

会社 の事業 目的 として,利益 の株 主以外 へ の分 配 と しての公益 団体 等へ の寄 附,その他 の公益事業 を設定す ること」 もで (35),また

,

剰余金の株主へ の配当を一切行 わず,その全 部 を公益 目的に利用す る旨の定 款規定 を設定す ること」も,「会社設立時 にお ける原始定款 で設定 され, なおかつ非公 開会 社 として株式譲渡 によって一般投資家が参加 す る余地が ないな ど,株主 に不意打 ち とな ら ない ような条件が整 え られている限 りにおい ては,株 主 における持分価値 の一部放棄 とし て」で きないわけではない(36)。 さらに,「剰余 金 の配当 を一切行 わない こと,及び,解散 ・ 精算時 における残余財産の分配 について,各 株主の株式払込金額 に相 当す る金銭 の分配の み を行 い,その余 の財産 は特定の公益 団体等 に寄附 をす る旨の定款規定 を設定す ること」

も,「原始定款へ の記載 ・株式投 資における事 前 の情 報 開示 の充実が 図 りうる限 りにお い て,株 主 とって不意打 ち とな らない程度で, 株式持分 の経済的利益が何 らかの方法で保障 されているのであれば」で きないわけではな い ことになる(37'。そ して,「新 ・会社法 におい ては,社員 ・株 主 において,会社財産 に対す る経済的な 『持分』が個人的利益 に結 び付 け られて存在 していることを営利性 として捉 え て,持分 の経済的な価値が,社員 にとって不 意打 ち的 に奪取 されない限 りにおいては,定 款設定 ・変更 における手続保障 を行 った うえ で,幅広 く定款 自治 による事業利益 の処分 を な し得 る もの として,従来,公益的 といわれ

ていた分野 について,積極 的に会社組織 の利 用 を促 進 すべ き もの と思 われ る」 と主 張 す (38)。

これは伝統的な通説への問題提起 を含 んだ 傾聴すべ き主張だ と思 う また,解釈論的試 み として興味深 い ものである とはいえ,辛 業か ら生 じた利益 の社員へ の分配 は必ず しも 必要 で はない と解 す るため には,「株 主 に不 意打 ち とな らない ような条件が整 え られてい る限 りにおいては」とか 「原始定款へ の記載 ・ 株式投資 における事前の情報開示 の充実が図

りうる限 りにおいて」 とかの限定 を付 きざる をえない ようである なるほ ど,その ような 限定 を加 えるな らば,上記の ような定款規定 を設定す ることもで きるか も知れない。 しか し,その ように してまで,株式会社 の営利性 を否定 して公益 的分野へ の利用 を積極 的 に促 進す る必要があるのか,はなはだ疑 問である

利益 の分配 を 目的 とした くないな らば,一般 社 団法人 ・一般財 団法人 を設立す ることがで

きるのである

2 医療法人の非営利性

前述 した ように,新 たな法人法制 の下では, 法人 は非営利法人 または営利法人の どち らか

に分類 され る 医療法人は,営利法人的な色 彩 を帯 びた ものであるが,特別法 に基づ く非 営利法人である ここでは,医療法人の非営 利性 に焦点 をあわせ てみたい。

( 1 )

開設の許可制

医療法 は,「医療法人」を 「病 院,医師若 し くは歯科 医師が常時勤務す る診療所又 は介護 老人保健施設 を開設 しようとす る社 団又 は財 団」 と定義 している (医療39条)。 したが っ (25)

(8)

⑳ 論

て,医療法人の本来の業務 は病院等の開設で ある

そ して,医療法人が病院を開設する場合 に は,開設地の都道府県知事の許可 を受ける必 要がある (71項)。開設許可 の申請が あった場合,その申請に係 る施設の構造設備 お よびその有す る人員が法の要求する一定の 要件 を満た していれば,知事 は許可 を与 えな ければな らない (74項)。

ただ し,医療法75項 は,「営利 を目的 と して,病院,診療所又 は助産所 を開設 しよう とす る者 に対 しては,前項の規定にかかわ ら ず,第1項の許可 を与 えないことがで きる」

としてい る この規定 は,「これ らの施設が 営利 を目的 として開設 されるときは, とか く 収益 を得 るとい うことが重要視 されて,その 後の管理,業務の遂行の上において, これ ら 施設の本来の使命の達成 に欠 くることにな り 易いか らである」(39) という考 え方で説明され ている 営利 を目的 として病院等 を開設 しよ うとす る者 に対す る警戒の念が うかがわれる 規定である

行政解釈 に よれば,「営利 を目的 とす るか 否かの判定 はその申請 に係 る医療施設の開設 主体,設立 日的,運営方針及び資金計画等 を 総合 的 に勘案 して行 な」(40)ゎれ,営利法人 経営の医療施設 は,職員等の厚生福利施設 と 認め られるものを除 き,許可 しない」(41) とさ れている 逆 にい うと,営利 を目的 とする場 合であって も,厚生福利施設 と認め られるよ うな場合であれば,許可が与 えられることが ある(42)。

ただ,いずれにして も,医療法 は,営利 を 目的 とする医療施設の開設 を許可制 とするこ とによって,医療法人の非営利性 を確保 しよ

(26)

うとしている

(2)非営利性の強化

医療法 はまた,「医療法人は,剰余金の配当 をしてはならない(医療54条) とい う規定 を置いて,医療法人の非営利性 を確保 しよう としている 医療法人に関 しては,業務活動 の結果 として剰余金が生 じて も,それを構成 員等 に分配す る ことはで きない とい うこ と が,医療法 に正面か ら規定 されている̀43)。

もっ とも,従来,社員の持分の定めのある 社 団たる医療法人においては,非営利性が必 ず しも徹底 されていなかった。 とい うのは, 持分の定めのある医療法人の場合 には,持分 の払戻 しによって,社員は実質的に経済的成 果 を得 ることがで きたか らである(44)。

そこで,持分の定めのある社団たる医療法 人 については,出資額 を上限 として払戻 しを 請求で きるいわゆる 「出資限度額法人」‑の 移行が促進 されることになった。「出資限度 額法人」の定款 においては,社員の退社時に おける出資持分の払戻請求権および解散時 に おける残余財産分配請求権の限度 を払込出資 額 にす ることが明足 される そ して,「出資 限度額法人」 は (持分の定めのない医療法人 への)「経過措置型医療法人」として位置づけ られ,当分の間,旧医療法56条に定める残余 財産の帰属 ・処分 に関する規律が適用 される

(平成18年改正法附則102項)。

さらに,2006(平成18)年の改正医療法 は, 医療法人の非営利性 を強化 した。医療法人が 解散 した場合,残余財産は帰属権利者 に帰属 す る旨を定款 に定めることがで きるが (医療 561項),帰属権利者の定めを設ける場合 には,その者 は,国 ・地方公共団体 ・医療法

(9)

株式会社 による病院経営 ⑳

人その他 の医療 を提供す る者 であって厚生労 働省令 で定 める ものの うちか ら選定 されるよ うに しなければな らない としたのである (

4 4

5

項)

( 4 5

)

以上 の ように して,医療法 は,医療法人の 非営利 性 を強化 す る方 向 に進 んだ わけで あ そ して,

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(平成

1 9 )

4

1

日以降 に新 たに医療法人の設立認可 申請 をす る場合 は,「財 団医療法人」か 「持分の定めのない社 団医療 法 人」 の形 態 に限 られ る こ とにな っ(46)。

おわ りに

株式会社 による病 院経営 とい う大 きなテー マについて,会社法制 ない し法人法制のあ り 方 とい う見地か ら検討 して きた。営利 を目的 とす る株式会社 が病 院の経営 とい う公益 的事 業 を行 な うことは許 されるのか どうか。 とり あえず, これ までの検討結果 をまとめてお き たい。

2 0 0 5

(平成

1 7 )

年 には会社法,

2 0 0 6

(平成

1 8 )

年 には公益法人改革三法がそれぞれ制定 され た。 これ らの法律 が制定 され た こ とに よって,会社法 も含 めた新 たな法人法制の基 本的な枠組 みがで きあがった。

新 たな法人法制の下では,法人は非営利法 人 と営利法人 とに二分 された。法人の営利 ・ 非営利 を分かつ指標 は,構成員 に対す る剰余 金 ・残余財産 の分配権 の有無 に求め られる

そ して,非営利法人 については一般法人法が, 営利法人 については会社法が,それぞれ規律 す る とい う仕組み になった。医療法人 は,従 来 どお り医療法 の規律 に服す るが,非営利法 人 に位置づ け られる

ところで,伝統的な通説 は,構成員へ の利 益 の分 配 とい う意 味 で の営利性 を,会社 に とって不可欠 の要素 として理解 して きた。 と はいえ,会社 は営利行為 をなす ことを必ず し も唯一の 目的 とす る必要 はな く,同時 にそれ 以外 の公益 的事業 を兼営 して も差 し支 えない とい うのが,一般的な見解 であった。それゆ え,株式会社 による病 院経営が一切許 されな い とは,考 え られていなかった。ただ し,過 説の考 え方か らすれば,医療事業か ら得 られ た利益 のすべ てを株主 に分配 しないで公益 目 的に使用す ることは,株式会社 の営利性 に反 す る もの として認め られない, とい う結論 に 至 る 会社法 は営利性 を示す規定 を削除 した が,会社法の下で も通説の考 え方は維持 され るべ きである そ うす ると,その結論 は動 か せ ない。

他方,医療法 は,営利 を目的 とす る医療施 設の開設 を許可制 にし,剰余金の配当を とく に禁止す ることによって,医療法人の非営利 性 を確保 しようとして きた。 しか し,それは 必ず しも実効的 とい うわけではなかった。そ こで,

2 0 0 6

(平成

1 8 )

年の医療法人制度改革 では,医療法人の非営利性 を大幅 に強化す る 方向での改正が なされた。

法人 とい う制度があ り,非営利法人 と営利 法人 とに分 け られた。両者 を区別す る明確 な 一線 も引 か れ た。そ れ なの に, この 区別 を あって無 さが如 きもの とす るのは望 ま しい こ とではないだろ う 翻 って,「医は仁術 」とい う言葉 を普通 に受 け取 るな らば,営利 を 目的 とす る株 式会社 か ら病 院経営へ の距 離 は遠

(47)

*本稿 の研 究 については,第一生命お よび損保 ジヤ

(27)

(10)

● 論

パ ンよ り研 究助成 を受 けた。

(1)医療法 によれば,「『病 院』 とは,医師又 は歯科 医師が,公衆又 は特 定多 数人 のため医業又 は歯 科 医業 を行 う場所 で あっ て,20人以上 の患者 を 入 院 させ るための施設 を有」 し, しか も 「傷病者 が,科 学 的でかつ適正 な診療 を受 け る こ とが で きる便 宜 を与 える こ とを主 た る 目的 として組織 され,かつ,運営 され る もの(医療1条 の5 1項)であ り,「『診療所』 とは,医師又 は歯科 医 師が,公 衆又 は特 定多 数 人 のため医業又 は歯科 医業 を行 う場所 で あっ て,患者 を入 院 させ るた めの施設 を有 しない もの又 は19人以下の患者 を 入 院 させ るための施設 を有す る もの(1条の 5第 2項)である この ように 「病 院」 と 「診療 所」とはか な り異 なる ものであるが,本稿 では両 者 をあえて区別 しない。

(2)この間の経緯 については,二木立 『医療改革 と 病 院 (動草書房,2004年)3頁以下 に詳 しい。

(3) とはい うものの,実 は,株式会社立病院 とい う ものが古 くか ら存 在 して きた。岩 田新 「営利法 人の意義」商学研 究6巻3 (1927年)42頁 は 次 の ように記 してい る (旧字 を新 字 に直 して引 )。私 の直接 に知 っ て をる病 院株 式会社 は大 9年 に設 立 された千葉県 一宮病 院で あ る 時全 国 に同様 の実例 が数個存在 して をる といふ ことであった」と また,株式会社 か どうかは分 か らないが,菅谷章 『日本 の病 院 (中公新書, 1981年)176頁 に よる と,「医療機 関が不足 して いた時代 に,会社 が企業 内福 利厚 生 ‑労務管理 政策 の一環 として,会社 附属 の職域病 院 を もつ 例 も多 か った。そ して昭和34年末 には会社 附属 病 院は339施設 (53年末88施設),28000 (53年末1.23万床) に発展 したが,減速経済 に はい ってか ら会社 立病 院 は,年 々その数 を減 ら して きつつあ」った とい う 現在 の ところは,67 施設,13427床 である (厚 生労働省 「医療施 設動態調査 (平成216月末概数)」による。同 省 のホームページを参照)。

(4)新 公益 法 人制度研 究会編著 『一 間‑答公益 法

(28)

人関連三法 (商事法務,2006年)29頁。

(5)新公益法 人制度研究会編 ・前 出注(4)231頁。

(6)この点 について,簡単 には,内田貴 『民法( 則 ・物権総論)〔4版〕』(東京大学出版会,2008 年)210頁 を参照。

(7)新公益法人制度研 究会編 ・前 出注(4)31頁。

(8)落合誠一 「会社 の営利性 について」江頭還暦 『 業法の理論 (上巻)』(商事法務,2007年)23頁。

(9)我妻栄 『新訂民法総則 (岩波書店,1965年) 136頁,林 良平 『新版注釈民法(2)林良平 ‑前 田 達明編(有斐 閣,1991年)187頁。

(10)菅谷 ・前 出注(3)180‑ 181頁 による と,民法 34条 に よる公益法人立の病 院 としては,聖路 加 国際病 院 ・聖母病 院 ・三井厚生病 院 ・整肢療護 園 ・倉敷 中央病 院な どの病院があるが,‑‑‑なか には敗 戦後 の混乱 期 に規模 を拡大 した私立病 院 が,公益法人 に転換 した もの も多 くみ られた」と い う 現在 の ところは,390施設,92538 である (厚生労働省 「医療施設動態調査 (平成21 6月末概 数)」に よる 同省 のホームペ ージを 参照)。

川村俊雄 『新版注釈 民法(2)』 〔林 良平 ‑前 田達 明編

(有斐 閣,1991年)500頁。

(12) 川村 ・前 出注(ll)500頁。

於保不二雄 『民法総則講義』(有信堂,1954年) 92頁,野 田寛 『医事 法 (中) (青林 書 院,1987 年)341頁。 なお,相続税法 にい う 「公益 を 目的

とす る事業 を行 う法 人」 に当た るか どうかが争 われた事案 において,東京地判昭和46715 日行裁例 集227号963頁 は,「医療法 人 はい わゆ る営利 法 人 で はな く, さ りとていわゆ る公 益 法 人 その もので もな く,い わば両者 の 中間 に 位 し, む しろ公益 を 目的 とす る事業 を行 な う法 人 に該 当す る もの とい うべ きであ る」 と判示 し ている

(14)落合 ・前 出注(8)3頁。

この点 については,さしあた り,石井照久編著

註解株 式 会社 法 (1巻 設 立) (勤 草書房, 1953年)65‑ 66頁,谷川久 『新版注釈会社法(1)

上柳 克郎 ほか編〕(有斐 閣,1985年)38‑ 39 頁 を参照。

(11)

株式会社 による病院経営 ⑳

(16) 文献 は文字 どお り枚挙 にい とまが ないが,代 表的な もの として,粉本桑治 『日本会社法論』( 於 堂書店,1929年)63頁,田中耕太郎 『会社法概 論 〔再訂増補〕』(岩波書店,1933年)45‑46頁, 西原寛一 『会社法 (商法講義Ⅱ)〔2版〕』(岩波 書店,1969年)ll‑ 12頁,大隅健一郎 ‑今井宏

会社法論 (上巻)〔3版〕』(有斐 閣,1991年) 18頁,田中誠二 『会社法詳論 (上巻) 〔三全訂〕 (動革書房,1993年)59‑60頁,鈴木竹雄 ‑竹 内昭夫 『会社法 〔第三版〕』(有斐 閣,1994年)15 頁〜16頁,江頭憲治郎 『株式会社 ・有 限会社法

4版〕』 (有斐 閣,2005年)15‑ 16頁 など

( 1 7 )

た とえば,石井編 ・前 出注(15)66頁,谷川 ・前 出注個 39頁 な どを参照。

(18) た とえば,石井編 ・前 出注(15)66頁,谷川 ・前 出注(15)39頁 な どを参照。

(19) 松本桑治 「公益法人,営利法人の類別」法学協 会雑誌221 (1904年)55頁以下,同 「営利 法人の観念」法学協会雑誌283351頁以下, 4 (1910年)554頁以下。後者 は後 に同 『 法論文集』 (巌桧堂書店,初版,1916年,改訂新 版,1926年) に収録 されている

担o) 岩田 ・前 出注(3)40頁。

(21) 松波仁一郎 『新 日本商法 (桧波私論)』 (有斐閣 書房,1920年)187頁。

㊧2) この点 をはっき りと説 くのは,粉本 ・前 出注(16) 63頁,田中 (耕)・前 由注(16)49頁,実方正雄 『 社法学(資本 と会社企業)』 (有斐 閣,1949年) 11頁,清水新 『会社法 〔改訂〕』(中央書房,1973 年)6頁 な ど。

C23) 松 本 ・前 出注(16)63頁,田中 (柿)・前 出注(16) 49頁,大隅 ‑今井 ・前出注(16)19頁。

相棒哲編著 『一間‑答新 ・会社法』(商事法務, 2005年)25頁。 なお,同編著 『立案担 当者 によ

る新会社法の解説』 (商事法務,2006年)22頁 も 参照。

担5) 山下友信 「新 会社 法 の意義」法学教 室304 (2006年)7頁。

(26) 菓玉 匡美 『会社法大系1』 〔江頭憲治郎 ‑門口 正人編

(青林書院,2008年)110‑ 111頁。

¢7) 昭和30・5・10民四発100号民事局第四課長回

答。 なお,江頭憲治郎 『会社法 コンメ ンタール1

同編(商事法務,2008年)86頁 も参照。

多 数 の概 説書 で も触 れ られてい るが, ここで は,詳 しく検討す るもの として,神作裕之 「一般 社 団法人 と会社‑ 営利性 と非営利性」 ジュ リ ス ト1328 (2007年)39頁以下,落合 ・前出注 (8)3頁以下,前 田重行 「株式会社法 における営利 性 の機能」前 田喜寿 『企業法の変遷』 (有斐 閣, 2009年)401頁以下 をあげてお く

C29) 弥永真生 『リーガルマイ ン ド会社法 〔11版〕 (有斐 閣,2007年)7頁。

(30) 神作裕之 「会社法総則 ・擬似外 国会社」ジュリ ス ト1295 (2005年)138頁。

(31) 森淳二朗 ‑吉本健 一編 『会社 法エ ッセ ンシ ャ ル』 (有斐 閣,2006年)7頁。 しか し, 〔補訂版〕

(2009年)になって,叙述 は変更 されている(7) 頁。

(32) ただ し,宮島司 『新会社法エ ッセ ンス 〔3版〕 (弘文堂,2008年)7頁 は,「会社が営利 を目的 とす る とい う場合 には,会社 自身 について決す れ ば足 るのであ り,社員 の営利意思 はその結集 の動機 にす ぎない ものであるか ら,通説 は,会社 の意義 を定 め る場合 に余分 なことまで要件 とし て しまっている と考 え られる 会社 の営利性 は, 商行為 をなす商人 の一般 の営利性 とい う意味で 理解すれば足 るのである」 としている

(33) 桧井英樹 「新 ・会社法 における会社 の営利性」

中央学院大学法学論叢211 (2007年)25 以下

(34)松井 ・前 出注(33)38‑39頁。

(35) 松井 ・前 出注(33)41‑42

(36)松井 ・前 出注(33)42‑43頁。

(37) 松井 ・前 出注(33)43頁。

(38)桧井 ・前 出注(33)44頁。

(39) 磯崎辰五郎 ‑高島撃司 『医事 ・衛生法 〔新版〕 (有斐 閣,1979年)230頁。

(40) 昭45・6・15医発693号医務局長回答。

(41) 昭48・6・1432号医務局総務課長通知。

(42) 医療法人の制度 は1950(昭和25)年の医療法 改正 に よって新 し く設 け られたが,その後 もか な りの数 の会社 立病 院が開設 された ようであ る

(29)

(12)

● 論

(菅谷 ・前 出注(3)を参照)。

(43) それゆえ,「剰余金が生 じた場合 には,法人職 員の給与改善,施設の整備等 にあて,もって医療 内容 の向上 を図 り, さ らに積 立金 として留保 さ れ る こ ととな る(野 田 ・前 出注(13)342頁)。な お,昭25・8・2発医98号厚生事務次官通知。

以下の叙述 は,神作裕之 「医療法人 と医療法の 規制」畔柳 達雄 ほか編 『医療 の法律相談』(有斐 閣,2008年)76頁以下 に負 うところが大 きい。

厚生労働省令 では,① 医療法31条 に定める公 的医療機 関の開設者 または これ に準ず る者 とし て厚生労働大 臣が認 め る もの,②財 団医療法 人 または社 団医療法人 であ って持分 の定 めのない もの と定 め られ てい る (医療 施行 規則31条 の 2)

(46) 平成19・3・30医改発0330049通知第13(3) (47)冒頭 で触 れた ように,規制媛和 政策 の一環 と

して構造改革特 区 においては株式会社 に よる病

(30)

院の開設が認 め られたが,その後,「株式会社病 院特 区」 を実施 してい るの は神奈川県 のバ イオ 医療 産業特 区1件 のみである 政府 の構造改革 特別区域推進本部評価 ・調査委員会 は,特例措置 を全 国展 開す る方針 について,平成20年度は評 価 を見送 り,あ らためて平成21年度 に評価 を行 うこ ととしてい る (首相官邸 のホームペー ジを 参照)。 ちなみ にアダム ・ス ミスは, この点 に関 連 して,「株式会社 で うま く経営で きる可能性が あ る とい う理 由だけで,あ る事業 のため に株 式 会社 を設立す るのは,つ ま り,国民全体 に適用 さ れてい る法律 の例外 を認 めれば事業 に成功 を収 め られ る可能性が あ る とい う理 由だ けで,商人 のあ る集 団 に例外 を認 め るの は, どう考 えて も 適正 だ とはいえない」 と述べている (アダム ・ス ミス (山岡洋一訳)『国富論一下』 (日本経済新 聞 出版社,2007年)346頁)。

参照

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