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心理的ストレスプロセスにおけるレジリエンスの機能について : 大学生を対象とした検討

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Academic year: 2021

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心理的ストレスプロセスにおけるレジリエンスの機能について

-大学生を対象とした検討-

宇佐美 尋子

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概念であり,積極的コーピングの採択を促す機能があるととも に,心理的ストレス反応の抑制という適応状態の維持・回復に 効果的に機能することが明らかになった。  これまで,臨床場面での心理的介入においては,心理的スト レスプロセスにおけるコーピングの変容に焦点を当てた介入が 行われている27)28)29)。この介入においては,環境刺激に対する 認知や行動の改善によって,ストレッサーによって生起したネ ガティブな情動を低減することに加え,ストレッサーとなって いる環境刺激(問題)そのものの除去を行い,適応状態につな げることが目的とされる。この介入効果が実証されている一方 で,様々なコーピングを実行することによる疲弊というコーピ ングコストの問題30)31)や,個人のコーピング力を超えたストレ スフル状況における心の健康の維持の困難さといった,コーピ ングの限界が指摘されている。  しかし,本研究結果を踏まえると,レジリエンスはコーピン グの資源として機能するとともに,個人のコーピング力を超え たストレスフル状況から回復するために機能するといえる。つ まり,レジリエンスは,コーピングの限界を補填するものとし て重要な機能を果たすと考えられ,レジリエンスの獲得に焦点 を当てた介入の必要性が指摘される。今後,本研究の限界とし て先述したような,ストレッサーのレベルやコーピングの詳細 な内容を踏まえた上で,レジリエンスとコーピング,心理的ス トレス反応との関連について検討を行うとともに,レジリエン スを踏まえた心理的介入の効果について実証していくことが必 要である。 引用文献

  1) Lazarus,R.S., & Folkman,S. 1984 Stress,appraisal, and coping. New York: Springer.

  2) 小塩真司・中谷素之・金子一史・長峰伸治 2002 ネガティブな出 来事からの立ち直りを導く心理的特性−精神的回復力尺度の作成− カウンセリング研究,35,57-65.  3) 小花和Wright尚子 2004 幼児期のレジリエンス ナカニシヤ出版.  4) 石毛みどり・無藤隆 2005 中学生における精神的健康とレジリエ ンスおよびソーシャル・サポートとの関連−受験期の学業場面に着 目して− 教育心理学研究,53,356-367.  5) 石井京子 2009 レジリエンスの定義と研究動向 看護研究,42, 3-14.

 6) Luthar,S.S., Cicchetti,D., & Becker,B. 2000 The construct of resilience: A critical evaluation and guidelines for future work. Child Development,71,543-562.

 7) Wagnild,G.M., & Young,H.M. 1993 Development and psychometric evaluation of the resilience scale. Journal of Nursing Measurement,1,165-178.

8) Rutter,M. 1990 Psychosocial resilience and protective mechanisms. In J.Rolf, A.S.Masten,D. Cicchetti, K.H.Nuechterlein & S.Weintraub. (Eds.), Risk and protective factors in the development of psychopathology. New York: Cambridge,pp.181-214.

 9) 田亮介・八木剛平・田辺英・渡邊衡一郎 2008 精神疾患における レジリエンス研究-PTSDからの発展- 臨床精神医学,37,349-355. 10) 森敏昭・清水益治・石田潤・冨永美穂子・Chok C.Hiew. 2002 大 学生の自己教育力とレジリエンスの関係 学校教育実践学研究,8, 179-187. 11) 野崎優樹 2012 自己領域と他者領域の区分に基づいたレジリエン ス及びストレス経験からの成長と情動知能の関連 パーソナリティ 研究,20,179-192. 12) 平野真理 2010 レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の 試み-二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成 パーソナリティ 研究,19,94-106.

13) Moos,R.H.,& Billings,A.G. 1982 Conceptualizing and measuring coping resources and processes. In L.Goldberger & S.Breznitz (Eds.), Handbook of stress: theoretical and clinical aspects. New York: MacMillan,pp.212-230.

14) Schwarzer,R., & Taubert,S. 2002 Tenacious goal pursuits and striving toward personal growth: proactive coping. In E.Frydenberg (Eds.), Beyond coping: meeting goals, visions,and challenges. New York: Oxford University Press, pp.19-35.

15) Spector,P.E. 2002 Employee control and occupational stress. Current Directions in Psychological Science,11,133-136.

16) 原郁水・烏川美香・藤井悠子・古田真司 2011 大学生のレジリエ ンスとストレス反応及び不定愁訴の関連−客観的ストレスの違いに よるレジリエンスの効果の比較− 東海学校保健研究,35,3-16. 17) 原郁水・古田真司 2012 小学生のレジリエンスと対人ストレスコ ーピングおよびセルフエスティームの関連 東海学校保健研究,36, 43-54. 18) 高比良美詠子 1998 対人・達成領域別ライフイベント尺度(大学生 用)の作成と妥当性の検討 社会心理学研究,14,12-24. 19) 鈴木綾子・大塚泰正・小杉正太郎 2001 大学生を対象としたライ フイベント尺度作成の試み⑴ 日本心理学会第65回大会発表論文集, 1061. 20) 小杉正太郎・田中健吾・大塚泰正・種市康太郎・高田未里・河西真知子・ 佐藤澄子・島津明人・島津美由紀・白井志之夫・鈴木綾子・山手裕子・ 米原奈緒 2004 職場ストレススケール改訂版作成の試みⅠ:スト レッサー尺度・ストレス反応尺度・コーピング尺度の改訂 産業ス トレス研究,11,175-185. 21) 島津明人・小杉正太郎 1998 職場不適応発生過程の検討 心理学 研究,69,198-205. 22) 川喜田二郎 1967 発想法 中公新書. 23) 中野良哉 2007 臨床実習における状態-特性不安とレジリエンスと の関連 高知リハビリテーション学院紀要,9,1-7. 24) 田中千晶・兒玉憲一 2010 レジリエンスと自尊感情,抑うつ症状, コーピング方略との関連 広島大学大学院心理臨床教育センター紀 要,9,67-79. 25) 田中健吾・小杉正太郎 2002 ソーシャルサポートとコーピング方 略・心理的ストレス反応との関連−職場ストレッサーの種類別によ る検討− 産業ストレス研究,9,169-177.

26) Shimazu,A., Shimazu,M., & Odara,T. 2005 Divergent Effects of Active Coping on Psychological Distress in the Context of the Job Demands-Control-Support Model: The Roles of Job Control and Social Support. International Journal of Behavioral Medicine,12,192-198.

27) Rahe,R.H., Taylor,C.B., Tolles,R.L., Newhall,L.M., Veach,T.L., & Bryson,S. 2002 A novel stress and coping workplace program reduces illness and healthcare utilization. Psychosomatic Medicine,64,278-286. 28) 小杉正太郎・齋藤亮三 2006 ストレスマネジメントマニュアル  弘文堂. 29) 佐藤澄子 2009 企業従業員を対象としたメンタルヘルス活動の実 際-調査票を用いた職場カウンセリングと効果の検討- 産業スト レス研究,16,93-103.

30) Cohen,S., Evans,G.W., Stokols,D., & Karantz,D.S. 1986 Behavior, health, and environmental stress. New York: Plenum Press.

31) 高田未里・小杉正太郎 2006 企業従業員におけるコーピング方略

参照

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