2016 年 1 月 26 日 楽天証券株式会社________________________________________________________________________________ 〒158-0094 東京都世田谷区玉川 1-14-1 楽天クリムゾンハウス 本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、 投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売 買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、 当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど
経済研究所企業調査レポート
連結決算 15.3 16.3 予 会社新 16.3 予 楽天証券新 17.3 予 楽天証券新 18.3 予 楽天証券新 16.3/1Q 16.3/2Q 売上収益(百万円) 前年比(%) 135,775 -5.2 144,500 6.4 147,000 8.3 269,000 83.0 357,000 32.7 35,696 12.2 34,607 13.2 営業利益(百万円) 前年比(%) 14,794 -44.0 15,200 2.7 16,000 8.2 67,000 318.8 108,000 61.2 11,674 320.4 2,730 996.4 税引前利益(百万円) 前年比(%) 18,305 -37.9 17,800 -2.8 18,600 1.6 69,000 271.0 110,000 59.4 13,208 233.7 2,696 264.8 当期利益(百万円) 前年比(%) 13,216 -35.7 13,100 -0.9 13,700 3.7 50,800 270.8 81,000 59.4 9,453 225.1 2,420 548.8 EPS(円) 124.7 123.6 129.2 479.2 764.1 配当(円) 180.0 180.0 180.0 180.0 180.0 PER(倍) 152.0 153.3 146.6 39.5 24.8免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」の将来性に期待
要 約
免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」が、がんに対するこれまでにない延命効 果と軽い副作用により注目されている。 メラノーマ(悪性黒色腫、皮膚がん)に対しては、2014 年 7 月に製造販売承認を受 け、同年 9 月に上市した。非小細胞肺がんに対しては、2015 年 12 月に適用拡大 が正式承認された。メラノーマは年間約 700 名、非小細胞肺がんは同約 6 万人の 死亡者がいる。高い薬価が認められており、メラノーマでは年間約 1500 万円、非 小細胞肺がんでは年間約 3400 万円かかる。オプジーボの需要は急拡大すると見 込まれ、その場合業績も表記のように急拡大すると思われる。 目標株価レンジ 23,000~24,000 円で新規カバレッジを開始する。株価レーティング は「A」とする。2 月 2 日に 2016 年 3 月期 3Q 決算を発表する予定。小野薬品工業(4528 東証1部)
株価 18,950 円(2016 年 1 月 25 日終値) 株価レーティング 新規A
訪問取材 セクター:医薬品 アナリスト:今中 能夫 株式時価総額 2 兆 0088 億円 発行済株数 106,007 千株(他に自己株 11,841 千株) PCFR(16/3 期楽天証券 予想) 99.0 倍 PBR(15/9 期末実績ベー ス) 4.32 倍 配当利回り(16/3 期楽天 証券予想) 0.95% ROE(16/3 期予) 2.9% 株主資本比率 90.1%(15/9 期末) 目標株価レンジ 23,000~24,000 円 株価レーティング(基準株価は表紙記載の株価) A:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上上昇すると予想される B:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満上昇すると予想される C:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が±5%未満の範囲に留まると予想される D:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満下落すると予想される E:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上下落すると予想される経済研究所企業調査レポート
2016 年 3 月期 2Q までの業績と 2016 年 3 月期業績見通し ■
小野薬品工業が開発した 画期的新薬、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の開発経緯、 作用機序(働き方)等は、既に楽天証券投資 WEEKLY(11 月 27 日号、12 月 4 日号、12 月 18 日号、12 月 25 日号、2016 年 1 月 8 日号、1 月 15 日号)において解説したところである。 そこで本レポートでは、オプジーボを要とする小野薬品工業の業績見通しと株価見通しに 絞って述べることとする。 結論を言えば、小野薬品工業の業績は、2017 年 3 月期、2018 年 3 月期と急拡大する可能 性が高く、今の株価はなお投資妙味があると思われる。 まず、2016 年 3 月期の業績動向を概観したい。 2016 年 3 月期 1Q、2Q 決算は、表1の様に、1Q が売上収益 356 億 9600 万円(前年比 12.2% 増)、営業利益 116 億 7400 万円(前年比 4.2 倍)、2Q が売上収益 346 億 700 万円(13.2% 増)、営業利益 27 億 3000 万円(11.0 倍)となった。2016 年 3 月期 1-2Q 累計決算は、2015 年 3 月期 1-2Q 累計決算が 2014 年 4 月の薬価改定(引き下げ)の影響や 2014 年 5 月発売 の 2 型糖尿病治療剤(SGLT2 阻害剤)「フォシーガ錠」の営業活動費用が増加したことなど から減収減益となったことの反動が出た。また、退職給付制度改定に伴う過去勤務費用の 影響で人件費と研究開発費が減少したことも寄与した。 また、オプジーボの国内売上高は、表 2、3 のように順調に伸びている。当初の会社予想売 上収益は 35 億円(2015 年 3 月期 25 億円)だったが、上期だけで既に売上収益が 30 億円 になっているため、会社側では通期見通しを 55 億円に引き上げた。ただし、これには 12 月 17 日に正式承認された非小細胞肺がんへの適用は想定されておらず、なお、上乗せ期待 がある。楽天証券ではオプジーボの通期売上収益が 80 億円前後に拡大する可能性がある と考えている。 2Q までの業績を見て、会社側は 2016 年 3 月期業績見通しを、当初の売上収益 1351 億円 (前年比 0.5%減)、営業利益 140 億円(5.4%減)、税引前利益 165 億円(9.9%減)、親会社 の所有者に帰属する当期利益(以下当期利益)116 億円(10.6%減)から、売上収益 1445 億 円(6.4%増)、営業利益 152 億円(2.7%増)、税引前利益 178 億円(2.8%減)、当期利益 131 億円(1.0%増)に上方修正した。 これに対して楽天証券では、2015 年 12 月に非小細胞肺がん向けにオプジーボが承認され たことから、売上収益 1470 億円(8.3%増)、営業利益 160 億円(8.2%増)、税引前当期利益 186 億円(1.6%増)、当期利益 137 億円(3.7%増)と予想する。経済研究所企業調査レポート
表1 連結業績推移:四半期ベース
14/3期 15/3期 16/3期 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 売上収益 37,299 33,441 40,684 31,823 31,808 30,573 44,886 28,508 35,696 34,607 伸び率 -14.7% -8.6% 10.3% -10.4% 12.2% 13.2% 売上総利益 29,469 25,820 30,999 24,213 23,507 22,180 34,826 20,126 26,468 25,281 売上総利益率 79.0% 77.2% 76.2% 76.1% 73.9% 72.5% 77.6% 70.6% 74.1% 73.1% 伸び率 -20.2% -14.1% 12.3% -16.9% 12.6% 14.0% 販売費及び一般管理費 9,027 9,547 9,436 10,367 11,412 10,511 10,587 9,712 6,832 11,380 対売上高販管費比率 24.2% 28.5% 23.2% 32.6% 35.9% 34.4% 23.6% 34.1% 19.1% 32.9% 伸び率 26.4% 10.1% 12.2% -6.3% -40.1% 8.3% 研究開発費 10,117 11,357 10,988 11,951 9,209 10,444 10,342 11,351 7,835 11,262 対売上高比率 27.1% 34.0% 27.0% 37.6% 29.0% 34.2% 23.0% 39.8% 21.9% 32.5% 伸び率 -9.0% -8.0% -5.9% -5.0% -14.9% 7.8% その他の収益 29 235 44 30 28 269 38 33 36 258 その他の費用 234 230 70 1,086 136 1,246 487 776 164 167 営業利益 10,120 4,921 10,549 839 2,777 249 13,448 -1,680 11,674 2,730 営業利益率 27.1% 14.7% 25.9% 2.6% 8.7% 0.8% 30.0% -5.9% 32.7% 7.9% 伸び率 -72.6% -94.9% 27.5% 赤転 320.4% 996.4% 税引前四半期利益 11,476 5,173 12,066 749 3,958 739 15,102 -1,494 13,208 2,696 対売上高比率 30.8% 15.5% 29.7% 2.4% 12.4% 2.4% 33.6% -5.2% 37.0% 7.8% 伸び率 -65.5% -85.7% 25.2% 赤転 233.7% 264.8% 親会社の所有者に帰属する四半期利益 7,991 3,539 8,353 461 2,908 373 12,427 -2,732 9,453 2,420 税引利益率 21.4% 10.6% 20.5% 1.4% 9.1% 1.2% 27.7% -9.6% 26.5% 7.0% 伸び率 -63.6% -89.5% 48.8% 赤転 225.1% 548.8% 単位:百万円 出所:会社資料より楽天証券作成。表2 小野薬品工業:主要製品の販売状況
2015年3月期 上期 2016年3月期 上期 前年比 2015年3月期 2016年3月期 会社予想 前年比 グラクティブ錠 159 160 0.6% 308 320 3.9% リカルボン錠 49 57 16.3% 103 110 6.8% イメンド/プロイメンド 42 47 11.9% 86 95 10.5% リバスタッチパッチ 32 39 21.9% 68 85 25.0% フォシーガ錠 13 16 23.1% 15 45 200.0% オレンシア皮下注 15 37 146.7% 41 80 95.1% ステーブラ錠 25 26 4.0% 53 45 -15.1% オプジーボ点滴静注 3 30 900.0% 25 55 120.0% オパルモン錠 127 119 -6.3% 248 225 -9.3% オノンカプセル 45 41 -8.9% 102 90 -11.8% オノンドライシロップ 25 25 0.0% 58 55 -5.2% フオイパン錠 32 28 -12.5% 61 50 -18.0% キネダック錠 27 22 -18.5% 48 45 -6.3% 単位:億円経済研究所企業調査レポート
小野薬品工業の 2017 年 3 月期、2018 年 3 月期業績予想の前提 ■
以下では、小野薬 品工業の 2017 年 3 月期、2018 年 3 月期業績予想を行う。その前に前提を示す。 ①オプジーボの投与人数
:まずオプジーボの年間投与人数は、メラノーマ 600 人、非小 細胞肺がんは、2017 年 3 月期 3,000 人、2018 年 3 月期 7,000 人とした。また、胃がんに ついては 2017 年 8 月に臨床試験第 3 相(フェーズⅢ)が終了する予定であり、その結果 が良好であれば、その後申請→承認→適用拡大となる。ここでは、2018 年 4 月に適用 拡大が承認されるとし(実際には 2018 年 1-3 月期に承認される可能性がある)、投与人 数を 2018 年 3 月期 6,000 人とした。 投与人数を考えるときには、メラノーマの場合は現在の投与人数が約 600~700 人と推 定されるため、これが今後も続くとした。 非小細胞肺がんについては、現在年間約 6 万人が死亡している。また、Ⅳ期の患者数 は約 3.2 万人である(表 11)。2016 年 2 月 1 日から DPC(包括医療費制度)の適用をは ずれ出来高払いとなるため、病院がオプジーボを投与するハードルは、各病院の薬事 審議会でオプジーボが承認されることだけになった。当社では、メラノーマ用に使うこと の出来る病院約 180 件を肺がん向け含めて約 1000 件に増やす計画だが、今は始まっ たばかりである。 非小細胞肺がん向けに本格的に投与される場合、Ⅳ期の非小細胞肺がんの患者に対 する奏効率(標的病変の長さを合計したものが 30%以上減少し、この状態が 4 週間以上 持続した患者の比率)は約 20%だが、これを含めて約 70%の患者に対してオプジーボ は何らかの効果がある。そのため、一時的投与も含めた投与人数を 3.2 万人×70%= 2.2 万人として、この半分の約1万人を継続的投与人数の最大数とし、これに向けて投与表3 オプジーボ売上高
BMS(単位:100万ドル) 小野薬品工業 (単位:億円) US その他 全世界 日本その他 2014年7-9月期 1 3 2014年10-12月期 1 4 5 12 2015年1-3月期 38 2 40 10 2015年4-6月期 107 15 122 14 2015年7-9月期 268 37 305 16 出所:各社資料より楽天証券作成経済研究所企業調査レポート
人数が段階的に増加すると想定した。 このように考えて、2016 年 1-3 月期の投与人数はメラノーマ 600 人、肺がん 100 人、2017 年 3 月期、2018 年 3 月期はメラノーマが各 600 人、肺がんは 3000 人、7000 人と増える とした。 胃がんについては、2014 年の死亡者数が約 4.7 万人であり、2018 年 3 月期になればオ プジーボを使う病院が増えていると思われるため、6,000 人とした。 なお、現在申請中の腎細胞がんへの適用拡大については、年間死亡者数が少ないた め、予測の中では無視した。適用拡大となった後に改めて予想し直すつもりである。現 在臨床試験中の各がん種向けについても、承認された後に予想し直すつもりである。 また、当社が開発中のオプジーボが効く患者を見分けるための診断薬については、 2017年にも予想される非小細胞肺がん1次治療向けの適用拡大に合わせて完成、上市 となると思われる。表4 オプジーボと小野薬品全社の売上高予想
オプジーボ薬価 (メラノーマ1年 分、万円) 投与人数(人) 売上収益(億円) オプジーボ薬価 (非小細胞肺がん 1年分) 投与人数 売上収益 2016/3期1-3月期 1,500 600 23 3,400 100 9 2017/3期 1,500 600 90 3,400 3,000 1,020 2018/3期 1,130 600 68 2,550 7,000 1,785 2019/3期 730 600 44 1,660 9,000 1,494 オプジーボ薬価 (胃がん1年分) 投与人数 売上収益 オプジーボ売上 収益合計 2016/3期1-3月期 31 2017/3期 1,110 2018/3期 1,853 2019/3期 1,660 6,000 996 2,534 オプジーボ売上収 益 ロイヤルティ 既存事業売上 収益 全社売上収益 2017/3期 1,110 181 1,400 2,691 2018/3期 1,853 316 1,400 3,569 2019/3期 2,534 427 1,400 4,361 単位:万円、億円、人 出所:楽天証券作成経済研究所企業調査レポート
②オプジーボの薬価:
薬価については表 5 のように想定した。 当面の薬価改定タイミングは、2017 年 4 月(次の薬価改定時)、胃がんへの適用拡大時 (2018 年 1~4 月?)とした。 来年度以降の薬価については、中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会に おける討議で、年間販売額が 1,000 億円を超え 1,500 億円以下、かつ予想販売額の 1.5 倍以上の場合は最大 25%引き下げ、 年間販売額が 1,500 億円を超え、かつ予想販売 額の 1.3 倍以上の場合は、最大 50%引き下げという方向性が決まっているようであり、こ の最大引き下げ幅を採用した。 また、適用拡大で投与人数が大幅に増えることが予想される場合も、薬価引き下げの対 象となる。過去の事例では最大 35%の引き下げ例があるので、2018 年 4 月に想定した 胃がんへの適用拡大時に 35%の薬価引き下げがあるとした。 胃がんについては、投与時の用量が不明なので肺がんと同じ用量と仮定した。 なお、ここでの薬価の想定は、最も厳しい場合を想定している。現時点では、オプジー ボはメラノーマ、非小細胞肺がんとも、2 次治療以降の末期がんの患者に対する「最期 の薬」という位置づけである(図1)。他の抗がん剤では数ヶ月間延命するだけのところを 1年以上延命しているケースがでており、画像上がんが消えるケースもメラノーマ、肺が んで数件でている。この効能と役割を評価したときに、ここでの想定のような厳しい引き 下げにならない可能性もあろう。 ③ブリストル・マイヤーズ スクイブ(以下 BMS)とのライセンス契約:
小野薬品工業は 2005 年にアメリカのバイオ企業、メダレックス社と免疫チェックポイント阻害剤の共同開発 で提携しており、メダレックスがブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)に買収されてから は、BMS とこの分野で全面的な提携関係にある。 この契約によれば、日本、韓国、台湾は小野薬品工業がオプジーボを販売し、BMS に表5 オプジーボの薬価の前提
薬価引下げ 時期 メラノーマ 1年分 肺がん1年 分 2015年12月 1500 3400 オプジーボ非小細胞肺がんへ適用 2017年4月 1130 2550 薬価改定で約25%引き下げ 2018年4月 730 1660 胃がんへの適用拡大で約35%引き下げ 出所:楽天証券経済研究所企業調査レポート
対して売上収益の 4%を支払い、更に BMS 向けの 4%を差し引いた売上収益から原価 と営業経費を除いた利益の 20%を支払う契約である。また、北米、欧州は BMS が販売し、 北米での売上収益の 4%、欧州での売上収益の 15%を小野薬品工業が受け取ることに なる。業績予想はこの契約に従って予想した。 また、BMS のオプジーボ売上収益を表 6 の様に予想し、そこから小野薬品工業が受け 取るロイヤルティを予想した(表 7)。表7 小野薬品工業のロイヤルティ収入試算(1ドル=117円で換算)
アメリカ売上収益 アメリカからのロ イヤルティ(売上 収益の4%) 欧州売上収益 欧州からのロイヤ ルティ(売上収益 の15%) ロイヤルティ合計 2016年3月期分 1,316 53 201 30 83 2017年3月期分 2,340 94 585 88 181 2018年3月期分 3,510 140 1,170 176 316 2019年3月期分 4,095 164 1,755 263 427 単位:億円 出所:楽天証券試算表6 ブリストル・マイヤーズ スクイブのオプジーボ売上高
US その他 全世界 2014年7-9月期 1 2014年10-12月期 1 4 5 2015年1-3月期 38 2 40 2015年4-6月期 107 15 122 2015年7-9月期 268 37 305 2015年10-12月期予想 350 50 400 2016年1-3月期予想 400 70 470 2016年3月期分予想 1,125 172 1,297 2017年3月期分予想 2,000 500 2,500 2018年3月期分予想 3,000 1,000 4,000 2019年3月期分予想 3,500 1,500 5,000 単位:100万ドル 出所:BMS業績リリースより楽天証券作成。予想は楽天証券。 注:その他は主に欧州。経済研究所企業調査レポート
④売上総利益率、研究開発費、販管費:
オプジーボは原価率の高いバイオ医薬品で あり、今後の売上拡大に伴って薬価引下げが予想される。そのため、オプジーボの粗利 益率を 2017 年 3 月期には 70%としたが、2018 年 3 月期には薬価引下げによって 60% に低下し、その後もその水準の粗利益率が続くと想定した。ただし、海外からのロイヤル ティ収入が増加すると思われるため、全社の粗利益率は一定水準を維持すると想定し た。 また、販売網の構築、更なる新薬の開発のために、販管費、研究開発費は毎期各々100 億円程度増えると想定した。 ⑤オプジーボの将来性:
今のところオプジーボは「延命」を目的としており、がんが完治 する新薬ではない。メラノーマ、非小細胞肺がんともに、がんが画像上消失した事例は あるが、それが治ったのかどうかはまだ分らない。また、現在は使い続ける必要があり、 いつ止めればいいのか分っていない。奏効率は概ね 20~30%であり、全ての患者に効 く訳ではない。従って、様々ながん種のⅣ期患者の全てにオプジーボが投与されると考 えるには無理があると思われる。 一方で、楽天証券投資 WEEKLY2016 年 1 月 15 日に掲載した国立がんセンター中央病 院副院長大江氏の講演にあったように、非小細胞がんの中の非扁平がん患者の約 30%に対してオプジーボは全く効果がないが、残りの約 70%では奏効率の基準には至 らないものの、0%以上の範囲でがん腫瘍が縮小している。今後、肺がんの臨床結果が 積み上がるに従って、オプジーボを使った新たな治療法が見つかるかもしれない。 また現在、胃がんなどのがん種で臨床試験が進んでいる。日本人に多い大腸がんにつ いても、BMS が行っている欧米での臨床試験の動向を見ながら、日本でも行うかどうか 検討する模様。 他剤との併用による効果向上の可能性もある。オプジーボと他の抗がん剤や免疫チェッ クポイント阻害剤と併用することでよい臨床試験の結果が得られている。オプジーボと BMS のヤーボイとの併用、大日本住友製薬の子会社ボストン・バイオメディカルが開発 中のがん幹細胞性阻害剤「ナパブカシン」との併用などである。 これらの併用の臨床試験結果にも注意したいが、今回の業績予想では単剤での使用の みの予想を行った。 このように、オプジーボはがんに対する万能薬、「夢の薬」ではないものの、大きな可能 性のある新薬であると思われる。経済研究所企業調査レポート
表8 小野薬品工業:オプジーボ(ONO-4538)の主な開発状況
対象疾患 日本 欧米 韓国・台湾 悪性黒色腫(2次~) 上市 上市(米)、上市(欧) 承認(韓)、申請(台) 悪性黒色腫(1次) 申請 申請(米)、承認(欧) 申請(韓) 悪性黒色腫(2次)イピリムマブ併用 Ⅱ 承認(米)、申請(欧) - 非小細胞肺がん(2次~) 承認 承認(米)、申請(欧) 承認(韓)、申請(台) 非小細胞肺がん(1次) Ⅲ Ⅲ Ⅲ 腎細胞がん(2次~) 申請 承認(米)、Ⅲ(欧) - 腎細胞がん(1次)イピリムマブ併用 Ⅲ Ⅲ - 頭頸部がん Ⅲ Ⅲ Ⅲ 胃がん Ⅲ Ⅰ/Ⅱ Ⅲ 小細胞肺がん Ⅲ Ⅲ Ⅲ 食道がん Ⅲ - Ⅲ 膠芽腫 Ⅱ Ⅲ - びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非ホジキンリンパ腫) - Ⅱ - 濾胞性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫) - Ⅱ - ホジキンリンパ腫 Ⅱ Ⅱ - 卵巣がん Ⅱ - - 尿路上皮がん Ⅱ Ⅱ - ウィルス陽性・陰性固形がん Ⅰ/Ⅱ Ⅰ/Ⅱ Ⅰ/Ⅱ 大腸がん - Ⅰ/Ⅱ - 膵がん、胃がん、小細胞肺がん、トリプルネガティブ乳がん、尿路上皮がん - Ⅰ/Ⅱ - 胆道がん Ⅰ - - 肝細胞がん Ⅰ Ⅰ - 血液がん(T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性白血病、他) - Ⅰ - 慢性骨髄性白血病 - Ⅰ - 出所:小野薬品工業「開発パイプラインの進捗状況」平成27年11月5日に楽天証券が一部加筆。経済研究所企業調査レポート
小野薬品工業の 2017 年 3 月期、2018 年 3 月期業績予想 ■
以上のような前提から、小 野薬品工業の 2017 年 3 月期、2018 年 3 月期業績を表 9、10 の様に予想した。 これによれば、2017 年 3 月期は売上収益 2690 億円、営業利益 670 億円、税引前当期利益 690 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益(以下当期利益)508 億円、EPS 479.2 円、 2018 年 3 月期は売上収益 3570 億円、営業利益 1080 億円、税引前当期利益 1100 億円、 当期利益 810 億円、EPS 764.1 円と予想した。 また、オプジーボの売上高が順調に伸びた場合の 2019 年 3 月期を試算した。それによれば、 売上収益 4360 億円、営業利益 1330 億円、税引前当期利益 1350 億円、当期利益 994 億 円、EPS 937.7 円と試算される。表9 オプジーボからの営業利益と小野薬品工業全社の営業利益予想
BMSへのロイヤルティを除く 売上収益(オプジーボ売上 収益の96%) 粗利益率 粗利益 オプジーボ 営業費用 オプジーボ 営業利益 2016/3期1-3月期 30 60.0% 19 0 19 2017/3期 1,066 70.0% 777 100 677 2018/3期 1,779 60.0% 1,112 100 1,012 2019/3期 2,432 60.0% 1,520 200 1,320 小野薬品の営業利益取り分 (80%) オプジーボの海外 ロイヤルティ 既存事業 営業利益 販管費、開 発費増加分 営業利益 合計 2016/3期1-3月期 15 20 7 20 22 2017/3期 542 181 150 200 673 2018/3期 809 316 150 200 1,075 2019/3期 1,056 427 150 300 1,333 単位:億円 出所:楽天証券作成経済研究所企業調査レポート
表10 小野薬品工業(4528) 更新日 2016/1/25 株価 18,950 円(16/1/25) 発行済株数 106,006,695 株 時価総額 2,008,827 百万円 自己株(外数) 11,840,805 株 連結業績推移 EV 1,883,175 百万円 2014/3通 2015/3通 2016/3通 2016/3通予 2017/3通予 2018/3通予 2019/3通 会社予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 楽天証券試算 (15/11/4) (16/1/25) (16/1/25) (16/1/25) (16/1/25) 売上収益 143,247 135,775 144,500 147,000 269,000 357,000 436,000 伸び率 0.3% -5.2% 6.4% 8.3% 83.0% 32.7% 22.1% 売上総利益 110,500 100,639 106,300 107,100 173,000 234,000 279,000 売上総利益率 77.1% 74.1% 73.6% 72.9% 64.3% 65.5% 64.0% 伸び率 -0.7% -8.9% 5.6% 6.4% 61.5% 35.3% 19.2% 販売費及び一般管理費 38,381 42,222 44,000 44,000 49,000 59,000 69,000 対売上高比率 26.8% 31.1% 30.4% 29.9% 18.2% 16.5% 15.8% 伸び率 7.1% 10.0% 4.2% 4.2% 11.4% 20.4% 16.9% 研究開発費 44,413 41,346 46,000 46,000 56,000 66,000 76,000 対売上高比率 31.0% 30.5% 31.8% 31.3% 20.8% 18.5% 17.4% 伸び率 -0.8% -6.9% 11.3% 11.3% 21.7% 17.9% 15.2% その他の収益 338 368 600 600 700 700 700 その他の費用 1,620 2,645 1,700 1,700 1,700 1,700 1,700 営業利益 26,423 14,794 15,200 16,000 67,000 108,000 133,000 営業利益率 18.4% 10.9% 10.5% 10.9% 24.9% 30.3% 30.5% 伸び率 -11.7% -44.0% 2.7% 8.2% 318.8% 61.2% 23.1% 税引前当期利益 29,458 18,305 17,800 18,600 69,000 110,000 135,000 対売上高比率 20.6% 13.5% 12.3% 12.7% 25.7% 30.8% 31.0% 伸び率 -10.7% -37.9% -2.8% 1.6% 271.0% 59.4% 22.7% 親会社の所有者に帰属する当期利益 20,548 13,216 13,100 13,700 50,800 81,000 99,400 当期利益率 14.3% 9.7% 9.1% 9.3% 18.9% 22.7% 22.8% 伸び率 -11.4% -35.7% -0.9% 3.7% 270.8% 59.4% 22.7% 遡及済みEPS 193.8 124.7 123.6 129.2 479.2 764.1 937.7 配当 180.0 180.0 180.0 180.0 180.0 180.0 180.0 配当金額 19,084 19,084 19,081 19,081 19,081 19,081 19,081 設備投資額 14,200 29,700 30,800 30,800 32,000 32,000 32,000 減価償却費 5,100 6,100 6,600 6,600 7,600 8,500 8,500 キャッシュフロー 25,648 19,316 19,700 20,300 58,400 89,500 107,900 フリーキャッシュフロー -7,636 -29,468 -30,181 -29,581 7,319 38,419 56,819 CFPS 241.9 182.2 185.8 191.5 550.9 844.3 1,017.9 FCFPS -72.0 -278.0 -284.7 -279.1 69.0 362.4 536.0 EBITDA 31,523 20,894 21,800 22,600 74,600 116,500 141,500 PER 97.8 152.0 153.3 146.6 39.5 24.8 20.2 PCFR 78.3 104.0 102.0 99.0 34.4 22.4 18.6 PBR 4.49 4.27 4.32 4.32 配当利回り 0.95% 0.95% 0.95% 0.95% 0.95% 0.95% 0.95% EV/EBITDA 59.7 90.1 86.4 83.3 25.2 16.2 13.3 <別掲> 資本 447,327 470,575 465,254 465,254 一株当たり資本 4,219.8 4,439.1 4,388.9 4,388.9 単位:百万円、円、倍 出所:会社資料より楽天証券作成経済研究所企業調査レポート
株価見通し ■
上記の業績予想では、オプジーボが牽引して 2017 年 3 月期、2018 年 3 月期と高い利益成長が予想される。 そこで、楽天証券の 2017 年 3 月期予想 EPS479.2 円に PER50 倍を当てはめ、あるいは、2018 年 3 月期予想 EPS 764.1 円に PER30~35 倍を当てはめて、目標株価レンジを 23,000~ 24,000 円とした。株価レーティングは「A」とした。リスク要因 ■
競合:免疫チェックポイント阻害剤の仕組みを改めて述べる。我々の体内では、がん細胞が 増殖してきたときに免疫細胞であるT細胞ががん細胞を攻撃して、殺したり、それ以上増え ないようにしたり、対外に排出したりする。ところが、何かの要因でT細胞上に発現する 「PD-1」とがん腫瘍上に発現する「PDL-1」が結びつくことによって、免疫が抑制されてがん 細胞が増殖してしまう。この PD-1 と PDL-1 が結びつくのを阻害するのが、抗 PD-1 抗体の 「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)である。 このような「免疫チェックポイント」は他にもあり、それを阻害する免疫チェックポイント阻害剤 がいくつか上市されている。抗 CTLA-4 抗体の「ヤーボイ」(BMS、一般名イピリムマブ、2011 年に欧米で発売され、2015 年に日本で発売)、抗 PD-1 抗体の「キートルーダ」(メルク、一般 名ペンブロリズマブ、2014 年アメリカで承認、日本では臨床試験中)が既に上市されており、 他にも臨床試験中のものがある。欧米においては抗がん剤の研究開発の中心が免疫チェッ クポイント阻害剤になっている。 現時点では、日本で上市されているのは小野薬品工業のオプジーボと提携関係にある BMS のヤーボイだけであり、他の日本企業が同種の抗がん剤を上市することは当面ないと思わ れる。また、現時点で最もがんに効き易いのは PD-1 と PDL-1 の結び付きを阻害するオプ ジーボであるといわれている。ただし、いくつかの海外企業が独自の免疫チェックポイント阻 害剤を日本で臨床試験中である。当面は当社が日本におけるこの分野では独走すると思わ れるが、競合には注意したい。 なお、オプジーボの物質特許は 2030 年頃まで有効である。 オプジーボの採算、研究開発費、販管費:オプジーボは細胞を培養して作る抗体医薬品 (バイオ医薬品)であり、低分子の化学療法剤に比べコストが高い。オプジーボの需要は今 後急速に拡大すると思われるが、一方で薬価引き下げも予想される。その時のオプジーボ の採算がどうなるか不透明である。上述の業績予想では全社の粗利益率を一定としている が、実際には上下変動する可能性がある。 また、オプジーボが拡大するにつれて販管費、研究開発費も増加すると思われるが、この経済研究所企業調査レポート
ペースは今後観察する必要があろう。 オプジーボの将来に関する不確実性(需要と薬価)と業績予想の精度について:今回の業 績予想では、2017 年 3 月期の非小細胞肺がん向けの投与人数を 3000 人とした(1年間で 3000 人が 3400 万円分のオプジーボを使うと想定した)。2017 年 4 月の薬価改定でオプジー ボの薬価が引き下げになると思われるが、楽天証券予想ではオプジーボの売上収益(主に 国内)は表4のように 1100~1200 億円となるため、薬価引下げ率をこの売上レンジの最大引 き下げ率である 25%とした。 ただし、非小細胞肺がんでの投与人数が 5000 人になればオプジーボの非小細胞肺がん向 け年間売上高は 3400 万円×5000 人=1700 億円となり、上述の薬価引き下げ率最大 50% の条件に抵触してしまう。そして、その薬価が 2018 年 3 月期の業績に影響することになる。 逆に、非小細胞肺がんの投与人数が 1000 人に止まれば、年間売上高が 1000 億円未満と なり、薬価引下げ率はより小さいものとなろう。 このように、今後 1 年間のオプジーボの売上高によって、その後の業績予想が変動してしま う。業績予想の精度は現時点では高くはないということに留意されたい。また、このことによっ て小野薬品工業の株価変動率が高くなる可能性もあろう。経済研究所企業調査レポート
表11 非小細胞肺がんの標準治療(罹患数9万人) 病期 対象患者数 標準治療 ⅠA 3.6万人 手術 ⅠB ⅡA 0.9万人 手術→化学療法 ⅡB 手術→化学療法 ⅢA 化学療法→手術 1.3万人 放射線治療+化学療法 ⅢB 放射線治療+化学療法 Ⅳ 3.2万人 化学療法 注:肺がんには他に小細胞肺がん(罹患数1.5万人)がある。 出所:国立がん研究センター中央病院副院長大江祐一郎氏「オ プジーボによる肺がん治療の展望」より楽天証券作成。 図1 Ⅳ期非小細胞肺がんに対する薬物治療フロー 出所:国立がん研究センター中央病院副院長大江祐一郎氏「オプジーボによる肺がん治療の展望」より楽天証券作成 薬物療法未治療例 非扁平上皮がん 扁平上皮がん EGFR遺伝子変異陽性例 /ALK遺伝子転座陽性例 EGFR遺伝子変異陰性/ALK遺 伝子転座陰性例/不明例 1次治療 2次治療 3次治療 以降 EGFR-TKI/ALK阻害剤 プラチナ併用療法 ニボルマブ(オプジー ボ)、ドセタキセル、ペ メトレキセド等 プラチナ併用療法 ニボルマブ(オプ ジーボ)、ドセタキセ ル、ペメトレキセド 等 ニボルマブ(オプ ジーボ)、ドセタキ セル等経済研究所企業調査レポート
<補足資料> オプジーボについて(小野薬品工業資料より抜粋)
オプジーボの働き方
経済研究所企業調査レポート
非小細胞肺がん(扁平上皮がん)の臨床試験結果
(出所:国立がん研究センター中央病院大江祐一郎氏「オプジーボによる肺がん治療の展 望」より)
経済研究所企業調査レポート
非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)の臨床試験結果
(出所:国立がん研究センター中央病院大江祐一郎氏「オプジーボによる肺がん治療の展 望」より)
経済研究所企業調査レポート
出所:国立がん研究センター中央病院大江祐一郎氏「オプジーボによる肺がん治療の展 望」より 株価・財務指標の計算式 PER=株価÷EPS(一株当たり当期純利益) 配当利回り=配当÷株価 株式時価総額=株価×発行済株数(自己株式を除く) PCFR=株価÷一株当たりグロスキャッシュフロー (グロスキャッシュフロー=当期純利益+減価償却費) ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本 PBR=株価÷一株当たり純資産 自己資本比率=自己資本÷総資産【リスクについてのご説明】 ◆上場有価証券等のリスク 〔現物取引〕 国内外の金融商品取引所に上場されている株式(現物取引)等の上場有価証券(以下「上場有価証券等」 (※1)といいます。)には、以下のリスクがあります。 ・上場有価証券等の売買等にあたっては、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変 動や、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式、債券、 投資信託、不動産、商品、カバードワラント等(以下「裏付け資産」(※2)といいます。)の価格や評価 額の変動に伴い、上場有価証券等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。 ・上場有価証券等の発行者または保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた際や、裏付け資産の発行 者または保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた際に、上場有価証券等の価格が変動することによ って損失が生じる場合があります。 ・上場有価証券等のうち、他の種類株式、社債、新株予約権その他の財産に転換される(できる)旨の条 件または権利が付されている場合において、当該財産の価格や評価額の変動や、当該財産の発行者の業務 や財産の状況の変化に伴い、上場有価証券等の価格が変動することや、転換後の当該財産の価格や評価額 が当初購入金額を下回ることによって損失が生じる場合があります。 ・また、新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使できる期 間に制限がありますのでご留意ください。 また、新株予約権証券は、あらかじめ定められた期限内に新株予約権を行使しないことに より、投資金額全額を失う場合があります。 なお、上場有価証券等が外貨建ての場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することにより、為 替相場が円高になる過程で円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程で円貨換算した価値は上昇す ることになります。したがって、売却時等の為替相場の状況によっては為替差損が生じる場合があります。 〔信用取引〕 上場有価証券等を「信用取引」でおこなう場合は、以下のリスクがあります。 ・信用取引を行うにあたっては、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動や、投資信託、投 資証券等の裏付けとなっている株式、債券、不動産、商品等(以下「裏付け資産」(※2)といいます。) の価格や評価額の変動に伴い、信用取引の対象となっている株式等の価格が変動することによって損失が 生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合があります。 ・信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた場合や、 裏付け資産の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた場合、信用取引の対象となってい る株式等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れ た委託保証金の額を上回る場合があります。 ・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失(評価損)が生じたり、代用有価 証券の価格が値下がりすること等によって、委託保証金の維持率20%未満となった場合には、不足額を所
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由 に該当した場合には、計算上の損失が生じている状態で建玉(信用取引のうち決済が結了していないもの) の一部又は全部を決済(反対売買または現引・現渡)される場合もあります。この場合、その決済で生じ た実現損失について責任を負うことになります。 ・信用取引の利用が過度であると金融商品取引所または当社が認める場合には、委託保証金率の引上げ、 信用取引の制限または禁止の措置等をとることがあります。 ※1 「上場有価証券等」には、国内外の店頭売買有価証券市場において取引されている有価証券を含み、 カバードワラントなど、法令で指定される有価証券を除きます。また、外国又は外国の者の発行する証券 又は証書で同様の性質を有するものを含みます。 ※2 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合には、そ の最終的な裏付け資産を含みます。 ※3 各有価証券には、外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
【手数料等についてのご説明】 ○手数料について (以下、手数料・費用は何れも税抜。()内は税込価格) 国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の現物取引における売買手数料 日本株式(現物取引)の売買が約定した際には、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの 手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認くださ い。 [超割コース] ※1 回あたりの取引手数料(税抜) 。()内は税込金額 選択されている手数料コースにかかわらず、カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文 は下記の手数料が適用されます。 約定代金 現物取引 50 万円まで 3,450 円(税込 3,726 円)/1 回 100 万円まで 3,800 円(税込 4,104 円)/1 回 150 万円まで 4,000 円(税込 4,320 円)/1 回 150 万円超 4,500 円(税込 4,860 円)/1 回
※上記の「株式等」には「上場投資信託受益証券(ETF)」、「不動産投資信託証券(REIT)」、「預託証券(DR)」を 含みます。 ※手数料は当社の判断により変更する場合があります。 国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の信用取引における売買手数料 信用取引による売買が約定した際には、インターネット(マーケットスピード含む)又は自動音声応答ダイヤルを 経由した場合、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの手数料を支払っていただきます。お 客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認ください。(手数料は当社の判断により変更 する場合があります。) [超割コース] ※1 回あたりの取引手数料(税抜) 。()内は税込金額 選択されている手数料コースにかかわらず、カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注 文は下記の手数料が適用されます。 信用取引 30 万円 3,250 円(税込 3,510 円)/1 回 30 万円超 3,450 円(税込 3,726 円)/1 回 なお、お客様が追加保証金(追証)や不足額を入金されず、当社の任意でお客様の計算により建玉又は代用有 価証券を決済・処分(強制執行)する際には、オペレーター取次ぎの手数料を支払っていただきます。さらに、信用 期日の前営業日までにお客様が信用建玉を処分されなかった場合の強制執行においては、オペレーター取次ぎ の手数料に10,000円(10,800円)を加算した額の手数料を支払っていただきます。
信用取引関係諸費用 [事務管理費] 建約定日から1ヶ月経過するごとに、1株あたり10銭(税込10.8銭)の事務管理費がかかります。(単元株制度 の適用を受けない銘柄(売買単位1株)については1株あたり100円(税込108円)になります。)ただし、同一銘柄、 同一日に成立した売付株数又は買付株数をそれぞれ合計し税込108円に満たない場合は税込108円、税込108 0円を超える場合には税込1080円とします。 ※ 税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。 [名義書換料] 権利確定日を越えて買建をしている場合、信用建玉毎に1売買単位あたり50円(税込54円)の名義書換料がか かります。 ※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。 【名義書換料の一部例外について】 平成13年10月1日以降に行われた株式の分割もしくは併合または1売買単位の株式の数の変更(取引所に上 場される前に行われたものを除く。)について、それぞれ行われる都度算出された当該分割比率もしくは当該併合 比率または当該1売買単位の株式の数の変更比率をそれぞれ乗じて得た数(以下「分割等による調整率」といいま す。)が10以上となった場合の銘柄を例外の対象とします。 ※分割比率:当該株式の分割後の発行済み株式の総数を当該分割前の発行済み株式の総数で除して得た数を いいます。 ※併合比率:当該株式の併合後の発行済み株式の総数を当該併合前の発行済み株式の総数で除して得た数を いいます。 ※変更比率:1売買単位の株式の数の変更前の1売買単位の株式の数を当該変更後の1売買単位の株式の数で 除して得た数をいいます。 例外の対象となった銘柄については、信用建玉毎に1売買単位あたり50円(税込54円)に10を乗じ、分割等に よる調整率で除してもとめられる金額(円未満の端数切捨て)を名義書換料としてお支払いいただきます。 ○委託保証金について 委託保証金は、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上が必要です。また、有価証券により代用する場合の 代用価格は、以下に掲げる銘柄に応じて、前日終値にそれぞれの掛目を乗じた価格となります。 東証(マザーズを含む)上場銘柄 前日の終値の 80% 名証単独上場銘柄 〃 0%
委託保証金率及び代用有価証券の掛目については、市場の動向により金融商品取引所により変更 されること 又は当社の判断により変更することがありますので、ご注意ください。 なお、当社の判断により代用有価証券の掛目の変更又は除外(以下「掛目の変更等」といいます。)を行う事象 は以下のとおりです。掛目の変更等を行う場合には、あらかじめその内容をご通知し、変更後の掛目(又は除外)の 適用日につきましては、通知した日から起算して5営業日目の日といたします。ただし、下記③の事象の場合にお いて、当社が必要と認めたときには、通知した日の翌営業日から適用することができるものといたします。(当社「信 用取引規定」第5条の2参照) ①株価が一定の水準を継続して下回る、または、出来高が過少で流動性が確保できないなど、決済リスクの観点 から当社が不適当と判断した場合。 ②当社での信用取引建玉状況や代用有価証券の預り状況等に照らして、著しく偏りが見られるなど、与信管理 の観点から当社が不適切と判断した場合。 ③特定の銘柄について、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等が発生し、今後、株価が継続 かつ大幅に下落することが予想され、当該銘柄の時価が本来の株価水準を反映していないことから、保証金として の適切な評価を行うことができないと当社が認めた場合。 なお、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等の事例としては、例えば、次のようなケースが想 定されます。 ・重大な粉飾決算の疑いが発覚し、直近の株価の水準が粉飾されたとされる決算内容に基づき形成されていた と判断される場合 ・業務上の取引等で経営に重大な影響を与える巨額な損失が発生した場合 ・突発的な事故等により長期にわたりすべての業務が停止される場合 ・行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発等により、すべての業務が停止される 場合 ・その他上場廃止につながる可能性が非常に高い事象が発生した場合 ・PTS 取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず 1 回の約定代金が 50 万円まで 450(486 円)/1 回、100 万円まで 800 円(840 円)/1 回、150 万円まで 1,000 円(1,080 円)/1 回、150 万円超は 1,500 円 (1,620 円)/1 回がかかります。いずれも税抜価格。()内は税込価格。 ・国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、購入対価のみお支払い いただきます(委託手数料はかかりません)。 商号等:楽天証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 195 号、商品先物取引業者 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 日本商品先物取引協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会