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Academic year: 2021

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07378102

書 字 に 困 難 を 示 す 児 童 へ の 日 記 @ 作 文 指 導

特 別 支 援 教 育 専 攻 田 中 優 子

第1章 序 論

( 1 )書くことの重要性

文部科省の実施した全国実態調査 (2003) によると,知的発達に遅れがないにも関わら ず,学習面か,行動面で著しい困難を示す児 童生徒は,通常学級の中に6.3%在籍してい る。中でも「読むJ または「書く J に著しい 困難を示す児童の割合は約2.5%であること が明らかになった。

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特別支援教育の推進に ついて(通知 )J においても特に小学生にお ける読み書きの教育は,習得の初期段階にあ たり,個々の児童のニーズに合った的確な指 導が求められていると記されている(文部科 学省, 2007)。読み書きは日常生活に不可欠 なものであり学習の基礎的な技能であるとい える。

(2)適合的教育

知能や認知能力の状態を知ることは障害を 持つ児童への教育的支援を行う上で欠かすこ とのできない最も大切なアセスメントだとい える。従ってアセスメントの結果に即して,

個々人に適した指導方略を選定し,認知特性 に応じた指導を提供していくことが重要であ

指 導 教 員 島田 恭 仁

る。このような指導方針に基ずいて作文や日 記,ソーシャルスキル等の指導を行って成果 を上げた例が多くあり,現在は,臨床的有用 性も高く評価されている。

(3 )本研究の目的

本研究では,児童の認知特性を把握し,認 知特性に応じた作文@日記指導を行うことの 効果について,事例研究を通して検討する。

また,指導を行う際にどのような教材の工夫,

指導方法の工夫が有益であるかについて検討 を加えることが主な目的である。

第2章 事 例 研 究

行動観察@授業観察開始時,小学校4学年 の女児(以下A児 )0 A児の認知特性は, W ISC一亜の結果から全般的な知的発達が軽 度知的障害の水準がわかり,言語性と動作性 の差は認められないことが確かめられた。ま たK ‑ A B Cの結果からも継次処理と同時処 理に差のないバランス型の認知特性であるこ とがわかった。ただし,プロフィーノレ分析の 結果から,視覚的な処理と抽象的刺激に対す る視知覚に強さが認められたのに対して,短

FhU 

(2)

期記憶(聴覚)には弱さがあることが確かめ られた。従って,基本的にはバランス型の指 導方略を用いるが,教材としては視覚的に訴 えていけるものを工夫し,短期記憶(聴覚) の弱さに配慮、した指導を行うことを方針とし た。

第3章 ま と め と 今 後 の 課 題 ( 1 )指導方法

指導開始前に行動観察及び保護者と担任へ の聞き取りを実施し A児の実態把握を行った。

指導は,対象児の在籍校で,週1回を原則 とし 1回につき45分程度の指導を22回実施 した。指導形態、は個別指導である。

指導時期を第I期 (2008年 1月"'‑'4月), 

第E期 (2008年5月"'‑'7月 ), 第皿期 (2008 年8月"'‑'10月)に分けたが,第I期は予備的

な指導の時期として位置づけたため,各種心 理検査とプリテストによる実態把握を引き続 き実施した。主たる指導は第 E期から第E期 にかけて行うことにした。これらの全指導期 間を通じて,

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児の実態に沿った個別指導計 画 を 作 成 し 作 文J

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漢字J

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特殊音節表 記Jの3つの指導領域を設定し,指導を行う

ことにした。また,各時期の短期目標の達成 度を考慮、しながら,次の時期の短期目標を設 定して指導を進め,最終的に長期目標が達成 できたか否かについて検討するという, Plan 

‑Do‑Seeの原則に従った指導を行うことにし た。

作文領域では文章構成課題を,漢字領域で は漢字課題を,特殊音節表記課題では異問弁 別課題と短文作成課題を設定した口いづれの 課題も,個別指導計画の基本的な方針に従っ て, A児の優位な認知特性を活かせるように,

教材と指導方法の作成(選択)に工夫を加え たものである。

(2)指導の結果

1)作文領域:作文領域の長期目標「既習 漢字や句読点を適切に用いて整った作文をす ることができるJについては,句読点を適切 に用い,文章構成の基本要素が入ったわかり やすい作文が可能になった点を考慮し,長期

目標は達成できたといえるo

2)漢字領域:漢字領域の長期目標

r

2・ 3学年程度の漢字を使うことができる Jにつ いては,プリテスト時には,不完全・不能が 大方であった漢字がポストテストでは正しく 表記できるようになった点,指導期間中に漢 字課題の各時期の短期目標を達成できた点を 考慮して,長期自標は達成できたといえる一

3)特殊音節表記領域:特殊音節表記領域 の長期目標

r

f.幼音・促音等の特殊音節を使い 分けることができる J については,書字課題 のプリテストの促音・劫音・十幼長音の正答率 が極めて低かったのに対し,ポストテストで はいずれの特殊音節についても高い正答率が 得られた点,指導期間中の短文作成課題の短 期目標をほぼ達成した点を考慮すると,長期

目標は達成できたといえる。

FO  

Fh u 

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