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平成20年3月4日

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Academic year: 2021

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平 成 2 3 年 8 月 5 日

日 本 銀 行 福 島 支 店

【本件に関する問い合わせ先】

日本銀行 福島支店 総務課

電話:024-521-6353

最近の観光動向と今後の課題について

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行福島支店まで ご相談ください。 転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

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1 ▲ 100.0 ▲ 80.0 ▲ 60.0 ▲ 40.0 ▲ 20.0 0.0 20.0 40.0 60.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 09 10 11 図表1 県内主要観光施設の入込み客数 (出所:日本銀行福島支店) (注)県内の主な観光施設9か所の入込み客数を集計 (前年比、%) 図表2 業況判断D.I.の推移(6月短観) (「良い」-「悪い」社数構成比<%ポイント>) 3月 6月 変化幅 福島県 ▲ 18 ▲ 27 ▲ 24 +3 全国 ▲ 9 ▲ 18 ▲ 15 +3 福島県 ▲ 14 ▲ 22 ▲ 8 +14 全国 ▲ 4 ▲ 15 ▲ 8 +7 福島県 ▲ 21 ▲ 30 ▲ 33 -3 全国 ▲ 11 ▲ 20 ▲ 20 0 福島県 ▲ 33 0 ▲ 43 -43 全国 ▲ 29 ▲ 51 ▲ 37 +14 (出所:日本銀行福島支店) 9月予測 製造業 非製造業 宿泊・飲食サービス 2011年 全産業 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 10 11 県内主要観光施設の入込み客数 (出所:日本銀行福島支 (注)県内の主な観光施設9か所の入込客数を集

1.はじめに

県内経済は、生産の持ち直しや災害復旧関連の需要増から、東日本大震災で大幅に悪化し た状態から脱する動きがみられている。もっとも、県内の主要観光施設の入込み状況をみる と、原発災害による風評悪化を主因に厳しい状況で推移している。 観光産業は当県経済を支える主要産業の1つであり、雇用の創出や県外からの観光客の飲 食、土産物購入等を通した波及効果も大きい。まさに、観光業の再興が福島県経済復興の鍵 と言っても過言ではない。こうしたことから、本レポートでは、当県における観光の現状と 課題について取りまとめた。

2.県内観光の現状

県内の観光動向をみると、震災後約5か月を経過しても、地震や津波被害から休業を余儀 なくされた観光施設が浜通り地区を中心にみられるほか、直接被害が少なかった会津地区や 中通り地区でも、原発災害に伴う風評被害から団体客を中心に入込み客数は大幅に落ち込ん でいる。県内主要観光施設の入込み客数をみると、3月以降4か月連続で前年比▲8~9割 の大幅減少となった(図表1)。一方、各宿泊施設では、震災支援の一環として、避難者や 応援者(公務、工事関係者、ボランティア)の受入れを実施していることから、結果的に観 光客の大幅減による稼働率低下を補う形になっているが、それでもなお、震災直後から大規 模な雇用調整を余儀なくされている先が少なくない。また、観光地の土産物店等では、観光 客の減少が売上減に直接繋がっている。 当県の 6 月短観の結果をみても、観光業関連(「宿泊・飲食サービス」)の業況判断 D.I. は、現状では避難者や応援者の受入れによる下支え効果がみられている(図表2)。もっと も、先行きは、こうした受入れが減少していく一方で、観光客の回復が見通しにくいことか ら、大幅な悪化を見込んでおり、改善を見込んでいる全国とは対照的な動きとなっている。

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3.夏休み予約状況

県内温泉旅館等における夏休み(8 月)の宿泊予約状況をみても、風評による県外客の減 少から、大変厳しい状況が続いている。地区別にみると、会津地区では、隣県からの観光客 に幾分動意がみられるほか、福島市や郡山市など県内からの旅行需要がみられているが、 なお前年比▲5割程度の予約状況となっている。一方、中通り地区では、同▲8割程度、い わき地区では、多くの先で原発等の復旧作業員の受入れを継続していることから通常予約を 受付けている先が少なく、観光需要はほぼ皆無となっている。多くの温泉旅館等からは、「例 年この時期であれば、8月の予約は満室になっているが、今年は県外の団体客や家族連れの 動きが全くみられない」など、風評被害を指摘する声が聞かれている。さらには、「通常営 業を再開した矢先に肉牛問題が発生し、『売り』にしていた県産品中心の食事メニューを変 更せざるを得ない」等、原発災害関連の新たな対応に苦慮している声も聞かれている。

4.今後の課題

今後、温泉旅館等における避難者の受入れが終了に向かう中で、県内観光業界では秋の紅 葉シーズンを観光の本格的な再開時期と位置付け、営業強化を図っており、大手旅行会社で も当県へのツアープランを企画する動きがみられ始めている。もっとも、原発事敀の収束や 食の安全確保が思うように進まない中で、県内の観光地に客足が戻るまでには、今暫く時間 を要するものと見込まれる。今後は、復興までの間、県内観光・宿泊施設の経営が安定する ように補償や公的支援等の政策対応を行うことに加え、以下のとおり、中長期的な課題を含 めた取組みを進めていくことが重要と考えられる。

(1) 安心・安全の確保

観光復興のためには、原発事敀の収束に止まらず、放射能問題を背景とした丌安を取り 除かなければ、観光客の本格回復は見込めない。国や県、県民が一体となって食の安全を 含めた地域の安全・安心を確保することが、観光復興の大前提である。そのためには、 地域や土壌の除染や県産品の適切な検査体制の確立、その結果の幅広い情報開示等に取り 組んでいくことが重要である。既に県を中心にこうした取組みが進んでいるが、早期の復 興のためには、可能な限りスピード感を持って対応していくことが肝要である。

(2) 応援需要の取込み

全国的に被災地を応援する動きが活発にみられており、震災後、大幅に減少した観光需 要を補うためには、足もとの対応として、以下のように、応援需要を積極的に取込んでい くことが重要である。 ◆ 一部の宿泊施設では、営業状況を確認する常連客からの問い合わせが多く寄せられて いる。こうした当県の魅力を知りつくした常連客に来県を促すような営業を強化する。 ◆ 県外自治体からのイベントオファーが数多く当県に寄せられており、各地で開催さ れる風評被害払拭に向けたイベントでは、県産品の売上や来場客数が好調となる等、 強い応援需要が窺われる。こうした取組みは、当県の復興をPRできる最良の場とな っていることから、こうしたイベント時に当県のツアープランの売込みを図り、個人 客の確保を図る。

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3 4 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 9 0 0 3 0 0 5 0 0 3 0 0 8 0 0 4 0 0 (単位:万人) 図表4 地域別にみた県内入込み状況(09年) 県北 県南 県中 いわき 相双 磐梯・猪苗代 会津中部 会津西北部 南会津 (出所:福島県「観光客入込状況」) ◆ 民間企業をみても、社員食堂の食事に福島産の野菜や米を使用したり、社員の当県へ の旅行に補助金を支給するケースがみられるほか、県外自治体の一部でも、被災地への 旅行費用の一部を助成する動きがみられている。観光客回復に向けて県外企業・自治体 といった組織単位へのアプローチを強化する。 ◆ 復旧活動に絡み、県外からボランティアが数多く訪れていることから、ボランティ ア活動の合間を捉えたツアープランを提案し、当県の観光PRを行う。

(3) リピーターの創出に向けた仕掛け作り

当県の観光を継続的に盛り上げていくには、当県の特徴を踏まえ、リピーターを作り出 す「県内観光の組織化」が重要である。 当県は、首都圏から比較的近距離に位置し、湖沼群、国立公園、山海など豊かな自然に 加え、温泉、史跡、大型観光施設など多様な観光資源を有しており、年間の延べ宿泊者数 は東北 1 位に位置している(図表3)。また、県内観光地の入込み客数は一極集中ではな く、北海道、岩手に次ぐ広大な県土に幅広く分散していることが特徴である(図表4)。 このように、多彩な観光資源が点在する地域の多様性が当県の特徴であることを踏まえる と、例えば、以下のような、各地域の特徴をさらに際立たせるための街作りやテーマ、シナ リオ作りを県全体として強力に推進し、リピーターの創出を図る仕掛け作りが重要である。 ◆ 県内観光地は、歴史情緒漂う会津・喜多方地域、山登り・スキー、紅葉や湖畔レジ ャーを中心とした磐梯・猪苗代地域、花見山や瀧桜等の季節の花々や果樹、あぶくま 洞などの変化に富んだ景観が楽しめる中通り地域、マリンスポーツやゴルフが楽しめ る浜通り地域等に大別される。それぞれの地域毎にコンセプトのある街作りを進める ほか、複数回に分けて地域間を巡るシナリオ作りや受入れ体制、PR方法を構築する。 ◆ 広い県土に分散する観光地を周遊する仕組みとして、複数回・複数地域を訪れた観光 客に対する割引優待制度を導入するほか、利用者にとって安価で便利な交通手段を整備 する。 ◆ 県内全地域に共通する強みとして、豊富な温泉郷の存在があげられる。地域毎のシナ リオの中にこうした強みを織り込むとともに、老朽化した宿泊施設の近代化等、所要の 整備も地域として支援していくことが考えられる。

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5.終わりに

県内の観光産業は、過去に類をみない厳しい局面にあるが、一方で、行政における県内観 光道路の無料化や国際戦略観光拠点の選出(会津若松市)、県の大型観光キャンペーンの実 施のほか、来年以降に当県と縁のあるテーマを題材にした映画や大河ドラマの制作など、明 るい話題も聞かれ始めている。今後は、こうした活動を追い風としながら、地域一体となっ て県外客の来県回復に向けた取組みが実行され、観光業の再興、ひいては県内経済の復興に 繋がることが期待される。 以 上

参照

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