食品リサイクルと液肥活用で
循環のまちづくり
一般社団法人 循環のまちづくり研究所
中村修
[email protected]
HP:http://jmk.qwc.jp/
FB:jmk2025(研修会の案内など)
東京都消費生活総合センター
2018/05/25
ごみを資源にまちづくり 農文協 2017 8月 生ごみ資源化 農文協 2011 食育実践プログラム 家の光協会 2006 なぜ経済学は自然を無限ととらえたか 日本経済評論社1995 ほか1.循環施設の意義
• し尿処理施設
• 汚泥処理施設
• 生ごみ処理施設(ごみ焼却施設の40% 重量)
• 最終処分施設の延命
<まちづくり施設>
• 液肥生産施設、熱供給施設
• カフェ、レストラン、直売所、農産物加工施設など
• 「お金を使うだけの施設」(処理施設)→「稼ぐ施設」(循環施設)
4 区 分 人 数 (人) 直売所 正職員 1 13 61 パート(フルタイム) 3 パート(5hショート) 5 アルバイト 4 レストラン 役員 3 17 正職員 6 パート 8 循環セン ター 正職員 5 27 嘱託職員 3 シルバー(県派遣) 13 シルバー(町派遣) 6 道の駅 正職員 1 4 嘱託職員 3大木町くるるん関連の雇用者数
大木町環境課調べ 2014/8/25 資源循環だけでなく、お金の循環 雇用の創出も! 処理施設ではメーカー社員が運転 循環施設は、地元雇用で運転地産地消レストラン トイレ・情報提 供施設 バイオマスセンター 農産物直売所 N 循環型多品目 栽培農園
2.循環施設の経済性とまちづくり効果
• みやま市の場合
循環施設建設費
17.5億円、維持費1億円
し尿処理施設建て替え
30億以上、維持費1.5億円
焼却施設建て替えの小規模化
最終処分場の延命
地元雇用
• 液肥供給、循環農産物
• カフェ、イートイン、直売所、加工施設、
• レンタルオフィス、認知症カフェ
みやま市の循環施設イメージ(みやま市役所提供) 山川町南部小学校跡地を活用。2018年冬稼働予定。液肥年間2万トン。 運動場に循環施設、校舎の南側は管理施設、研修施設、北側は市民事業に利用予定。 循環施設建設費 17.5億円、維持費1億円 (し尿処理施設建て替え 30億以上、維持費1.5億円) し尿処理+焼却施設建て替えの小規模化+最終処分場の延命 地元雇用、液肥供給、カフェ、直売所、加工施設、レンタルオフィス、認知症カフェほか南部小の 中庭利用イメージ 2018/02/27朝日新聞 筑後版
4.新しい農業施設としての循環施設の提案
• 都市部で生ごみ前処理、汚泥の濃縮は別施設(下水、し尿処理)
液肥減量としてタンク車で輸送
<新しい農業施設>
• 発酵槽、ガスタンク、液肥タンクのみ
• 発電、廃熱で「メタンの湯?」(ハウスに熱供給)
• ミニ直売所、加工施設、カフェ
生ごみ前処理 汚泥前処理(濃縮) 簡易汚水処理 液肥貯蔵タンク ガスタン ク 発酵槽 管理棟 発電 熱供給 液肥供給 ハウス 温泉? カフェ 加工施設 直売所 BDF 薪センター など 前処理は別の場所都市部の、 処理施設でおこない 生ごみジュース、汚泥濃縮ジュースを 液肥の原料として運び込む など「施設配置」は自由! 循環施設は「廃棄物処理施設」ではなくなる液肥の「普及業務」とは「農家名簿」を集め年間・月間の散布計画をつくること 「普及業務」への投資が必要 月間廃棄物連載中4 9月号 1 普及とは農家名簿を集めること 6月号 ・ゴールは毎月の散布計画、散布調整 ・農家名簿を集める 名簿とは ・農家名簿を増やすには JA,農業法人、部会など との関係 実証、技術交流、コスト削減の説明など 2 導入、普及 プロの農家を対象にする 4月号 ・導入はプロ農家から 米麦はプロではない人も多い ・果樹、野菜は肥料のプロ 3 普及に投資をする意義、経済効果 5月号 ・普及には手間がかかる 人件費に投資をする経済的根拠 4 農家名簿を集めて、散布計画を作る 7月号 ・散布方法と対象 ・散布計画の作り方 組み合わせ ---5 評価をして、合理的に散布する 8月号 ・評価が必要 熱心な人を大事に 人が大事 距離よりも人 ・人、距離、量、散布の手間で評価 ・一番楽な家庭菜園、小規模農地への普及 6 プラント配置について 9月号 ・液肥散布からプラントの建設予定地を考える ・サテライトタンクを不要に!維持費削減 ・前処理と発酵槽は分離可能 ・農村では「肥料、エネルギー生産施設+カフェ」と して提案すれば、誘致合戦 面積 量 散布日 地域名 予備日ほか 連絡先、担当者名予約確認 機械利用組合a 5ha 250t 1~3 A地区 ○○
農業法人b 4ha 200t 4~6 B地区 ×× 個人c 5ha 250t 7~9 C地区 △△ 農業法人d 15ha 750t 10~17 D地区 ○×
表 ○○市の
6月の散布先と散布量 例
・散布体制、散布能力との関係で計画作成 ・希望農地が多くても、時期が集中する場合は、「優先順位」(評価など)を 用いて、散布する ・数年後には希望農家が増えて、液肥は不足になる。そのときに、「評価制度」が有効になる。普及業務2:年間・月間散布計画をつくる
液肥の性質:肥料としての消化液
濃度が薄い 肥料障害が小さい 微粒子
成分 肥効 肥料障害
化学肥料
濃い 速効 大
堆肥
薄い 緩効 小
メタン消化液薄い 速効 小
佐賀大学田中研究室 大木町の委託研究より ・液肥の肥効は堆肥に似ている 障害は少ない ※液状で使う際、粒子が課題になる液肥の性質:濃度が薄い
• 濃度が薄いことを活用:肥料障害がほとんどない
• 「液肥濃縮」はコストアップ
液肥を使いこなす技術ではない
N
P
2O
5K
2O
消化液
0.23%
0.07%
0.04%
例:大木町の液肥成分
キャベツ元肥 窒素成分
16kg/10a
=化学肥料 80kg☓20%
=液肥7t☓0.23%
液肥の散布方法
普及は散布方法・散布体制に制約される
① 散布車による散布 散布車1台 2600万円、輸送車 1850万円☓3台 1日の散布量 50~100t(液肥タンクと農地の距離で決まる) 例えば、液肥を希望する水田がたくさんあっても、散布体制に制限される 田植え前に散布できる時期を30日とすると、3つの散布体制では、最大100t☓3☓30日 9000tとなる <輸送車のみ利用> ② 輸送車による、流し肥(ながしごえ) ③ 輸送車で、農地に散布 ホースを使う ④ 輸送車で、農地横のタンクにいれるだけ その後、農家が自分で散布 じょうろ、ポンプ、灌水チューブなど ⑤ ほか 今後、地域ごとに工夫を重ねて共有する メタンプラント 液肥製造 ①:散布車と輸送車使用 水稲・麦・高菜・菜種 などの元肥 ※大量に液肥を使うが日程 調整、農地選定が課題 ②輸送車のみ使用 流し肥 水稲・ハウスなど の元肥、追肥 ④輸送車のみ使用で 畑横のタンクに移し 替えるだけ 露地栽培・家庭菜園での液肥利用 サテライトタンク 4000t(8500万円) 液肥輸送 ?回×3.2t 液肥輸送 ?回×3.2t 液肥輸送 ?回×3.2t ③輸送車のみ使用で ホースで散布 小さな農地 露地栽培・家庭菜園での液肥利用 ① 散布車による散布 散布体制1セット: 散布車1台 2600万円、輸送車 1850万円☓3台 1日の散布量 50~100t(液肥タンクと農地の距離で決まる) ※水稲元肥 1ha あたり 液肥50t ※大量に散布できるが、事前準備が必要 写真上・トレーラーで散布車を運ぶ 写真下・輸送車(3.6tだが3.2t)で液肥を輸送し、 散布車にうつす プラントあるいはサテライトタンクから農地までの距離 および輸送車の台数によって、散布量は決まる。 散布車1台、輸送車3台の場合、それぞれ10往復した場合で 3☓10☓3.2=96t 距離が遠い場合は、往復の輸送回数が減り、散布量も減る また、雨が降って、農地がぬかるむと散布できない② 輸送車による流し肥(ながしごえ) 輸送車だけでいい 散布車不要 例:ハウス ナス栽培の元肥(もとごえ) 野菜の場合、元肥で8t/10a ほど ※流し肥の場合、いったん水を満たし、翌日 水がひいた状態で液肥と水をいっしょに 流し込むことで、奥まで届く なお、奥は土、板などでせきとめておく ※農家による 事前準備が必要 ② 輸送車による、流し肥(ながしごえ) 水田の追肥(ついひ) 20t/ha 散布車が不要 水田の場合、液肥を流したあと 「押水」(おしみず)として30分~1時間以上 水を流し込むことで、水田のおくまで 液肥が届く ※液肥がうまく広がらない農地もある その場合、収量が若干減る しかし、米価が下がっている現状では 安価・無料の液肥散布だけでも 喜ばれる 収量よりも手間の削減が求められている ※田植え時に、溝を切って、その溝を活用 して液肥を奥まで拡散させている例もある
③ ホースで、農地に散布 輸送車(3.5t)を農地に横付けし ホースで散布 対象 小規模な農地 散布車がはいれない農地 ハウスの中などで活用 こまわりがきく ※野菜、果樹農家は普及員や 大学研究者よりも「肥料のプロ」 という認識が必要 埼玉県小川町 NPOふうど 桑原 ④ 輸送車で、農地横のタンク にいれるだけ 農家が自分で散布するので、 もっとも楽 散布方法としては ・じょうろ ・エンジンポンプによる散布 ・灌水チューブ ※粒子対策で要注意 埼玉県小川町の桑原さんは、メ タン発酵槽にわずかな酸素を 供給することで、硫化水素の発 生をおさえると同時に、硫黄を 液肥に溶かし込んでいる H2S+O2→H2O+S 硫黄を含んだ液肥で栽培する と野菜の食味がよくなるため、 直売所でも大好評
中村の畑での液肥の実証 D 輸送車で、農地横のタンクにいれるだけ 農家が自分で散布 ※ 沈殿して泥状になる粒子対策が必要