海浜砂層内の間隙水圧 の挙動
清水
正喜・ 河崎
尚弘
*1・岩成
敬介・ 野田
英明
*2土木工学科・
ホ
I運輸省・
*2海洋土木工学科
(1986年
9月
1国 受理)BehaviOur of the POre Water Pressure in the Seacoast Sand Sedirnent
by
MasayOshi SHIMIzU,Takahiro KAWASAKI*1,Keisuke lwANARI
and Hideaki NoDA*2
Departinent of Civil Engineering
ホ
lMinistry of Transportation
*2Departinent of Ocean Civil Engineering
(Received September l,1986)
The pOre‐water pressure in the sand sedilnent、vaslneasured at a seacoast in「 rottori
City Time and spatial behaviOur of the wave―
induced variation, △u, Of the pOre 、vater pressure isdiscussed on the basis Of the ObservationaT resuits PrObab】ity density distributiOn ahd pOttrer spectra of△ u are calculated and the findings are as f0110M・si △u attenuates、vith the depth belo、 v the seafioori this is further cOnfirmed by the power spectra of△u,ie,the power of△
u decreases with the depth fOr any range of the frequency.AccOrding to the distributiOn Of the hydraulic gradient in the sand sediment, the pore都 /ater flows in the nearly vertical directiOn near the surface of the sediment The hydraulc gradient varies Mrith time in the vicinity of the critical value and the liquefactiOn Of the sand frequently Occurs
1.序
韻 波によって海浜の砂が侵食を受 け移動する海浜変形の 問題は海岸工学上重要 な課題のひ とつである。従来、こ の問題に対 しては、水理学 または海岸工学的アプローチ によって問題の解明 と侵食に対する対策が講 じられてき た。 波によって海嵐地盤内で発生する間隙水圧や有効応力 の変化を予alするためには、海水の運動、海底地盤を構 成するとの構造骨格の変形、間瞭水の運動を連成的に解 く必要がある い]。 地整 を弾性体 として上の変形特性を 取 り入れた解析が行われているta〕,ぃ]が
境界条件 とし て海底地盤上にに規則的な水圧 を作用させてお り、海水 の運動と海底地盤の相互作用を評価するに至 っていない 。一方、実験層において規則波 によって発生する間隙水 圧が測定され有効応力が砂層全体で変化することが確認 されている 〔4】 。また、現地での間隙水圧の測定も行わ れ、海底面上の水圧は減衰 して地盤内に伝わ り、その減 衰の程度は理論で予測 され るより大 きい という結果が得 られている い]。 さらに、砂地盤上に一次元的に規則的 な変動水圧が作用 した ときに地盤内で液状化が発生する ことも明 らかにされている 〔6]。 本研究は、波による海浜砂の侵食機構を土貫力学的観 点か ら考察するために、まず、波 によって発生する間隙 水圧の変動を実際に現地で測定することにより、間瞭水 圧の挙動 と間隙水の運動の基本的様相を把握 しようとす るものである。すなわ ち、現地海岸で測定 した間隙水圧 の時間的変動の特性をスペ ク トル解析 を併用 して考家 し て、さらに間隙水圧の変化か ら海浜砂層内での間瞭水の 運動を論 している。2.現
地実験の方法 昭和60年 10月に、鳥取市女露の海岸で間瞭水圧の測定 を行 った。図 1に 観測地点の位置 を示す。観測に先立 っ て観測地点付近の地形測量 を行 った。岸沖方向の地形断 面を図2に示す。同図のa∼ fは
地形測量の測点であり 、その測4Rに沿 って、次に遮べるように間隙水圧計を設 置 した。以後、a∼ fは
岸沖方向の位置を表すのに用い ることにする。 3本の間隙水圧計(+l、
帯2、 帯3)を
、図3に示 すように、4通
りの配置の仕方で設置 した。各配置パタ ーンに対 してケ ース1∼ケ ース4と呼ぶ。ケ ース ユと3 は、それぞれ、3個
の間隙水圧計を岸沖方向同 じ位置で 深さを変えて設置 してあり、ケ ース 2と4は
それぞれ同 じ深さで位置 を変えている。間隙水圧計の設置方法の詳 X4Hは文献 :']を 参照されたい。ケ ース と、2、 3および4の
順番で測定 した。測定時間は各ケ ース とも20∼ 30分 間である。 間隙水圧の測定 と同時に、沖合の波高が波高計で測定 され、また,線
付近の波形がビデオカメラで観測された いつ。間隙水圧計は動歪計を介 してデータレコーダに接続 しデ ータを収録 した。収録 したデ ータは、マイコンを用 いて、サ ンプ リング時間間隔0.1秒
でA/D変
換 し後の 解析を行 った。 一0 1
図2:
観測地点の岸沖方向の地形断面3.現
位置砂の特性 原位置の砂の物理特性お よび透水特性を調べた。図4 に粒径加横曲線 を示す。最大粒径 2na、 D60=0・ 6H口 、 DiO=0.2na、 均等係数3.47の比較的均等な秒である。比 重2.66、 最大間瞭比0.84∼0,87、 最小問隙比0.54∼ 0,53 図1:
観測地点の位置鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
17巻
͡
口 KnR9 SnHD N●.l ▲ К∩RO S∩NO No.2 が ldID (mm)
図4:
現地砂の粒度分布 T L E 0 9 КnRg
КnR8
み 為Trイ
SnND No.生SnND No.2
0 ▲︵
。
①
∽
\
E
o
︶
主
.5 .6 .フVOID R∩
T10 e
図5:
現地砂の透水保数 と問瞭比の関係 く変化 している。砂層内に設置 した■2や
器3の
変化は 器 1に 比べて小さ くな っている。 ケ ース3(図
6(b)):こ
のケ ースはケ ース1と同 様探さ方向の水圧変化特性を調べるための配置であるが 間瞭水圧計をa点
付近 に設置 した。ケ ース1のc点
より 沖側にあり砕波の程度も小さいので、砂層の表面に設置 した幹3の
変化もケ ース 1帯 ユほど大 きくない。水探が 大 きい分だけ平均水圧 も大 きくなっている。砂層内に設 置 した帯2や
斗 ユの変化 は幹3とそれほど顔著な違いが 見 られない。 ケ ース2(図
6(c)):こ
のケ ースでは、間隙水圧 計#l、 幹2,+3を
3、 b、Cの
位置で砂層の表面か らの深度が約40cBになるように設置 した。a、 b、 c間ポ
B ︹ 8 8 9 ︹照 ︶ ↓ 〓め おo 事 斉 n 一声 。 C 一﹂ 一c o 。 ■ 。 ﹂ 。 41 cASE 2 CASE 3 °諄l cAS8 4 P I [ユ (m) 図3:
各ケースの間隙水圧計の配置 である。原位置での間隙比は場所によって異なるが、0. 66∼0.89であり主 相対密度は 100∼72イ と非常に綴い。 図5に室内透水試験の結果を示す。現場間隙比に対応す る透水係数はこの図か ら0,l cn/secの オ ーダ ーと推定で きる。4.測
定の結果 と考案4,1
間隙水圧の時間的変イヒ 図6に各ケ ースの間瞭水圧の時間的変化を示す。 まず 定性的な考案を加える。 ケ ース1(図
6(a)):こ
のケ ースの位置c点
付近 では波が砕波 している。間瞭水圧計 峠1は、砂層の表面 に設置 してあ り、砂層の表面即 ち海底面での水圧を表 し ている。したが って、波の影響が直接現れていて、激 し0 0 0 0 0 0 4 2 0 8 6 4
酌
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00 80 60 40 20 0馳
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常2
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0 0 0 0 0 0 1 9 ア 5 5 1[ ︲
Y
く
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]
Ш%
拐
翌
匡
Ш銹
住
10
「
IME [sec]
(a)FIELEI EXPERIMENT
o lo 20
「
IME [sec]
(b)
10
「IME Esec]
(c)10
「
IME Esec]
(d)
PRESSURE
〔gF/cm2)
間隙水圧の確率密度分布(ケース1)
20
の距離が約lmと
短いこと、水深にあまり差がない こと か ら帯1、 器2、 ■3の
変化には大 きな違いが見 られな い。 ケ ース4(図
6(d)):こ
のケ ースはケ ース2と同 様平面的な変化を調べる 目的で間隙水圧計を配置 したが 、ケ ース2に比べて探度が浅 く(約10cm)、
間瞭水 圧計間の距離が大 きくなっている。沖側の斗 ユと帯2に は同 じような変化を示 し、最も岸側の帯3は
それ らと違 った変化を している。 4。2
水圧変動量の確率密度スペク トル 間瞭水圧の変動挙動の概要を把握するため、間隙水圧 の変動量の確率密度スペク トルを求めた。解析期間での 測定圧力の平均値 こを測定圧力uか
ら引いた量△uを
、 波による水圧の変動量 とする。 △u=」
―こ・・・・・ 。(1)
変動量Δ
uを
解析期間における I▲uIの
最大値 I▲u
lHAXで基準化 し、基準化 した変動量(相対振幅
)を
級関 0.1の21階級に分け、各時刻における▲ 」の値が属する 図6:
測定間隙水圧の時間的変化 ‐40 図7:
PR89.DENSITY DISTRIBUTl銀 隊 r将oo tstc】 0 帥6E l 口 CnSE l ▲ CnSE l鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
17巻
階級を決定 し、各階級の顔度を%で
表わ した。 一例 としてケ ース1の場合 を図7に示す。ただし、こ の図は、解新期間を300secと し、相対振幅を絶対圧力に 直 している。 図8は
、波による圧力変化 Δ」の標準偏差(SD(▲u
))を
水圧の平均値uで
正規化 した量 と平均値 (τ)と の関係である。この図よりわかるように、平均値 とが大 きいほど変動量の正規化 した標準偏差SD(△ u)/こ が小 さいことがわかる。また、この関係は岸沖方向の位置に 依存 しているようである。 平均値ごは近骰的に静水圧 、すなわ ち、水面か らの深 さに対応 していると考 えられ るので、、図8の
関係は岸 沖方向の同 じ位置における、水圧変動量の深さ方向の滅 衰特性を表わ していると解釈することができる。海底表 面か らの探さが深いほど、間瞭水圧の波 による変化 は小 さくなることを表わ している。 さらに、ある位置について得 られた関係は、その位置 における砂層表面の水圧の変化特性を主に反映 している と考えられる。したが って、図3において位置によって 関係が異なるのは、海底表面の水圧変化特性が位置に よって異なっていることを反映 していると思われる。 LOCRT10N “o
b□
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蜀 よ ◇`
く 判
詢
0知
40岡
田 iCXl 碩 [9ナ/cm2]
図8:
間隙水圧変動量の 正規化 した標準偏差 と平均水圧の関係4.3
間瞭水圧変動量のパフ ースペク トル(1)解
析方法 間隙水圧変動量Δuの
パワースペク トルを計算 した。 図6に示 したデ ータを用いて時間tBOsecから最初の10 2.4sec間を解析期間Tと
した。サンプ リング間隔は、▲ t30.lsec、 デ ータ数Nは
1024個である。まず離散化 した デ ータ△uB(n■
,2,。,1024)から高速 フーリエ変換の手 法でフーリエ係数を求め、次いでパ フ ースペク トルを計 算 した。ここに、パソ ーはT。lΣ(A uR)2/N)で
表わ される。得 られた生のスペク トルをParzenのスペク トル ウイン ドウ :e]に より周波数領域で平滑化 した。スペク トル ウイ ン ドウのパン ド幅はウイン ドウクロージングの 方法で試行的に決定 したが、0.l Hzと した場合を図9に 示す。この図には煩雑さを避 けるため2.5Hz以上の高周 波数領域でのスペク トルを示 していない。図9に基づい てスペク トルの特性を考案する。(2)パ
フースペク トルの特性 ケ ース ユ(図9(a))で
は、すべての周波数領載に おいて、パヮ ーは砂層表面 (帯1)で
最大であり、砂層 内(斗2、#3)に
おいて小 さい。砂層内では探度が大 きいほど、すなわ ち、帯3の
方が帯2に比べて、パフー が小さ くなっている。 スペク トルの形状は2 Hz以下の低周波数の領域では表 面 と砂居内 とで違いが見 られ ないが、2 Hz以上の高周波 数の領域 において顕著な違いが見 られ る。すなわ ち、#
2、#3で
は高周波数の領域で、周波数の増加に対する パワーの低減率が#1に
比べて大 きい。この ことは、砂 層表面の水圧変化の高周波数成分が砂層内では著 しく減 衰 してい くことを表わ している。 またスペ ク トルの最大のビークはいづれの間険水圧計 においても、0.lHzまたは0.24Hzに見 られる。これ らの ピーク周波数は、波高計によって観測 され た沖合波高の スペク トルのピーク周波数 と一致 している 〔7]。 ケ ース3の
場合(図9(b))、
最 も低い周波数の領 域におけるパ ワーのビークがケ ース1ほど明蔭でない。 その他は上に述べたケ ース1の場合 と大 きな違いが見 ら れない。 ケ ース2(図
9(c))で
はスペク トルの最大のピー クはやは り0.lHz付近で見 られ る。周波数の増大 ととも に、スペ ク トルの徴細な形に、位置 による違いが生 じて いる。この ことはケ ース4(図
9(d))で
はさらに顔 著になっている。すなわ ち、高周波数の領載 はもとより 、低い周波数の領域においても位置によるスペク トルの 違いが生 じている。最大のピ ークを与 える周波数は最も 沖aCの帯 ユにおいて最も小さ く、岸側へい くほど大 きい 。このような岸沖方向の位置 によるスペ ク トルの違いは 、波の性質がその方向で変化 してことの影響ではないか と考え られ る。実際、ケ ース4で
はいずれ も深度が約10 G口と小さいので直上の波の性質を反映 し易 く、かつ、辞 1と 器3で
約2mの
隔たりがある。 ∽ . 寸 . 口 \ ︵ 停 ︱ ぅ ︺ 口 ∽乳 ︻ 銘 ﹃ ︻壇 写 8 . 聟 ム 聟 進 く も こ 鮨 豊 V 一 。 ﹁ 0 9 一︱ 。 . [ o O り 、 [ ■ キ ︵ 蝉 ● 壬 h く ホ o ︶ ] ∝ 凹 蒸 ︸ ﹂ FREα受卦
CY[陀
] (a) FREα よ卦CY[Hz]
(c)
¨ ︻ 0 ﹁ 一1。 [ o o り . ミ X 柴 ︵ [ X X E o \ ∼ め ︶ ] に □ 野 め ∝ FREIXIECY[Hz](d)
図9:
間隙水圧変動量のパワースペ ク トル4.4
砂層内間瞭水の流れに関する考察 砂層内間隙水の流れが波によって どのように変化する か定性的に調べる。(1)動
水勾配の時間的変化 間瞭水の流れはダルシ ーの法則 に支配され ると考える 。例えば、2点
I、J間
の動水勾配1】_」 を(2)式
で 与えると、ダルシ ーの見かけの速度ペ ク トルの I」 方向 の成分v卜 Jは
(3)式
で与 えられる。i=_JB E(uI
― u゛ )′ρg―(he=
‐he」)]′
IJ
●●●●●●●●●●
(2)
Vェ_J=k●
i卜J・ ・・・o(3)
9T (SEC)
(a) 8 T (SEC)(b)
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第17巻
ここに、h。 :あ る基準面か らの位置水顔、u:水
圧、 ρ :海 水の密度、g:重
力の加速度 、IJ:IJ間
の距 離、k:透
水係数である。この式で、二=_J>0の
とき 速度成分v卜 Jが
正であ り、Iか
らJに水が流れること を表わす。この式か ら各ケ ースの動水勾配を計算 した。 その時間的変動を示す と図10の
ようになる。 ケ ース1(図
10(a))と
ケ ース3(図
10(b)
)の
場合か ら、鉛直方向の動水勾配の時間的変化の様子 を調べ よう。図10(3)に
おいて、ia_1の
変動を見 ると、二E‐lは ta7お
よび16 sec付近を除いて正であり、大 きさは1付近で変動 している。これは、砂層表面近 くでは速度の帯
2-+1方
向の成分が帯2から#1の
向 8T
〔sec) (c) ィ ギ η イ ︻ い 〓 鰤 ︼ ︹ 増 館 ∪ ф ︼ F つ 々 に 0 ” 主 一. 〇 ︻ド N ド め ド ︻ 中 〓 四 ︼ ︹ 々 ∝ ︺ ¢ ︻ 劇 ﹃ ■ に ︹ 弟 要 ︰ ︲ 甲 ∵ 〒 ︻ い え 四 ︼ ︹ ︼ ∝ ψ Φ ︻ コ ﹁ ■ に n 弟 ︼ 図10:
動水勾配の時間変化き、すなわ ち鉛直上向きに卓越 していることを表わ して いる。 同様にケ ース3では、図
10(b)に
おいて、 is‐2が
約4秒
の同期で瞬間的に正にな っている以外ほ とんど負で変動 している。つまリケ ース3では、速度の 帯3-#2方
向の成分が半2か
ら帯3の
向き、すなわ ち 鉛直上向きに卓趣 していることを表わ している。 一方海底面に平行の速度成分の大 きさはケ ース2と4
の結果から非常に小さい と推定できる(図10(c)、
(d)参
照)。 このことか ら、対象 とした砂層内では間 隙水の流れは鉛直方向に卓越 した一次元流れに近い状態 であると推案される。(2)海
浜砂の液状化 動水勾配の時間変化特性を調べるために、動水勾配の 確率密度スペク トルを求めた。解所の方法は4,2で
述 べた方法 と同 じである。等時間間隔のデ ータを用いてい ‐ 0.2 0.2 Unit x10‐][ ca/sec 】 a Scale 図11:
平 均 動 水 勾 配 に基 づ く平 均 流 水 場 巧-4-5‐
2‐ 1012
I 図12:
動水勾配の確率密度分布(ケース1) るので確率密度スペ ク トルか ら算出で きる確率は時間割 合を示す と考えられる。 各ケ ースの動水勾配の平均値を基に して間隙水の平均 的な流れを図示すると図11が
得 られ る。ケ ース1とケ ース3の結果か ら得 られる鉛直方向の速度成分がケ ース 2やケ ース4か
ら得 られる水平方向の成分 より約10倍
大 きいことがわかる。すなわ ち先に指摘 したように鉛直 方向の流れが卓越する一次元的流れの場が形成されてい る様子が うかがえる。 さて、鉛直一次元の流れでは動水勾配が限界動水勾配 に連すると砂は童量を失い、いわゆる液状化の状態にな る。3.に
示 した現位置砂の物理特性値か ら、原位置砂 の限界動水勾配を概算 してみると、約 1に なる。図10
(3)、(b)か
ら、ケ ース1の幹 1と#2や
ケ ース3 の器3と器2などの海底表面付近では動水勾配は限界動 水勾配に近い値で変化 していることがわかる。 図12に
、ケ ース1の場合の確率密度スペク トルを示 す。この図よりia_l>0、
すなわ ち、砂層表面付近で 速度の鉛直方向の成分が上向きである時間割合は約97え 、二a_1>1、
すなわ ち限界動水勾配を越える時間割合 は約42え であることがわかる。 同様に してケ ース3の
場合に表面村近で速度の鉛直方 向の成分が上向きである時間割合は約97イ 、限界動水勾 配を越える時間割合は約14イ であった。(3)聞
隙水の流れ と水位の変動の関係 間瞭水の流れ と水位の変動の関係 を調べ る。図13に
測点cにおける海水位の変化 とその時間におけるケ ース 1で のvぃ
と とva_3の
大 きさを図示 した。上述のよう に表面付近では鉛直上 向き、深い ところでは鉛直下向き の流れが卓越 している。tB7.2secで流れの向きが逆転 し ているが、その とき水位が急激に上昇 していることがわ かる。斗1の水圧 は水位の急激な変化に対応 して上昇す るが杵2の
水圧は上昇が遅れるか らと思われる。5.結
論 鳥取市賀露海岸 において打組付五の砂層内の間隙水圧 を測定 した。波によって発生する間隙水圧の時間的,拐 所的変化特性 を考家するとともに砂層内での間隙水の流 れを定性的に考察 した。得 られた主な結果は次のようで ある。 ▲uの
標準偏差 と平均水圧 この関係か ら、岸沖方向の 位置が同 じであれば、深さが深 くなると間隙水圧変動量 Δuの
変化が小 さくなることがわか った。 ▲このパフースペク トルは、岸沖方 向の位置が同 じて B 腑 日 彎 母 開 8 旧 R 盟 9 い 0 ︵\ ︺ .a .∝鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
17巻
t 営4.4 sec 4.8 5,2,c 5.6
● 6`0 =c 一 ― 一 。♯3 あれば、いずれの周波数領域においても砂地盤内の深さ とともに小さくなる。 砂層の車置付近では、鉛直方向に卓越 した一次元的な 間隙水の流れの場が形成されている。間隙水は鉛直上向 きに流れ ようとし、動水勾配が限界値 に達する時間的郎 合は位置によっては40%にもなり、砂は頻繁に液状化の 状態になっている可能性がある。 謝辞 本研究は、一部、本学工学部海洋土木工学科木 村晃助教授、松原雄平助手、松見吉晴助手 と協同で送行 した。現地観測な らびにデ ータ処理について有益 な示唆 を賜 った。深嶺の謝意を表する次第である。また、現地 観測に際 して同学科の学生譜君の力を借 りた。ここに記 して感謝の意を表する次第である。 参考文献 [11右本弘孝(1985):波による海底地疑内の有効応力変 化のFEM解
析,鳥
取大学大学院工学研究科修士論 文〔2〕 YanaⅡoto,T. et al. (1973): On the Response of
a poro―elastic bed to water waves, Jurnal of
Fluid Mechanics, Vol.87, Part l, pp-103‐ 206.
6.4 : 6.8 7.2 7.6 8,0
-
―ギ
1〒
〒〒〒 甲〒〒〒〒
図
13:
砂層表面付近の間隙水の流水 と海水位の関係Scale
喝 .01cB/sec Mdsen,0,S,(1978): 甲ave―Induced Pore Pressures and Effective Stresses in a Porous Bed, Geoいtechniquc, V。 1.28, No,4, pp.377‐ 393.
Denars,K.R, and Vanover,E.A.(1985): Mcasure‐
nent of ttave‐Induced Pressures and Stttesses
in a Sandbed, Marine Ceotechnology, Vol.6, pp 。29‐59
:51 0kusa,S(1985): Measurenents of ttave‐ Induced Pore pressure in Suub口 arine Sediments under Various Marine Conditions, Marine Geotech‐
nology, Vol,6, No.2, ppl19‐ 144
[6,名合宏之(1982):変動水圧 による砂層の液状化に関 する研究、第26回水理講演会議演集 [7〕河崎尚弘(1986):波による砂地盤内の間隙水圧の変 動に関する研究