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クリエイティブデザインの現在と未来 : 異分野からの考察(<特集>実践するデザイナーたちのデザイン知)

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(1)

NII-Electronic Library Service

ク リ

イ テ

デ ザ

ン の

未来

異分 野 か ら

考察

Present

 

and

 

Future

 

of

 

Creative

 

Design

Consideration

 

from

 

the

 

Outsider

s

 

Viewpoint

渡 辺 健 太 郎 産 業 技 術 総 合 研 究所

WATANABE

 

Kentaro

National

 

Institute

 of 

Advanced

 

Industriai

 

Science

 and Ti∋chnology (AIST)

概 要

業 競

争 力の向 上

ある いは

々 な 社 会

題の解 決の 手

と して

ク1丿 ィブデザ インに 対 する期 待 が 高 まっ て お り

デザ イン の

実践

やデザ イン対

も 広 が りを

せて い る

そ の

み の有 効

を考え る 上 で

改め て

従 来デザイ ナ

が行っ て き た

内容

そ の

内 在

す る

実 践

知につ い て の 分析

が必 要と なっ て い る

そこ で本 稿では

ク リエ イティ

デザ イン の知 性のあ り方を検

す る 「デ ザ イ知 研 究 会 」に お け る デ ザ イン研 究 者

実 務 家 の

論 を 元 に

探 索 的アプロ

チ と して の デザ イン過 程

並 び に そ の

実践

に求 められる デザ イ ナ

力の

特 徴

異 分 野の

点 か ら分

する

ま た

本 分 析 を 元 に

デザ イン主 体

及 び デザイ ン

対象

が り の

で発

さ れ る デザイ ナ

の能 力 や

につ い て

ずる

Abstract

Recently

 creative 

design

 

is

 

gaining

 more  attentions as a

means  

to

 

improve

 corporate competences  and 

to

 solve vari

ous social 

problems.

 

T

()consider 

the

 e幵ectiveness  of recent

design

 

practices

 

by

 various  actors  or 

for

 new  

kinds

 of 

design

objects

 

further

 analysis  and  understanding  on 

the

 creative  

de

sign 

process

 of 

professional

 

designers

 are required

ln

 

this

 

paper

 the author analyzed the 

discussion

 among  

design

researchers  and  

practitioners

 

in

design

 

intelligence

 work

shop

1

 to clarify the 

intelligence

 

in

 creative  

design

 

from

 the 

per

spective  of the 

di

幵erent research  

fieid

 

Based

 on 

this

 analysis

the author  

discusses

 

the

 role and  capabilities  of 

designers

 

for

new  

kinds

 of 

design

 objects  or 

in

 the collabora ±

ion

 with vari

ous actors

1.

は じ め に 近

の競 争 力 を

める斬 新 な 製 品 や サ

ビス の開 発

さ ら には

々 な

会 課 題の解 決の 手 段として

ク リエイ ティ フ デザイ ン に対 する

期待

が 改 めて

まっ て いる

ク リエイ ティ

デザインについ ては

従来

デザ イ ナ

の創 出 す る デ ザ イン結 果 やデザイ ナ

人の

に対 して

い関 心 が集 まってい たの に対し

国の デザイ ン フ ァ

IDEO

及びスタン フォ

ド 大 学の

d

school の提 唱す る デザイ ン シ ン キ ング匚1] が 世 界 的に 広く紹 介さ れ た こ と も あ り

デザイ ン の実 践 過

につい ても 閧 心 が 寄せ られ る よ うになっ て い る

デ ザ インシンキングの

示 す る デ ザ イン過 程 や 概 念 は 非 常 に 分 か り や す く

数 多

くの

実践

が な されている 反 面

や や 概 論 的でも あ り

その

有 効性

につい て議 論 も あ る よ うであ る [2]

た だ

れ にせよ

イン と い う行 為 が

従 来 直 接デザ インと 関 係のな かっ た

くの 人々 の関 心 を 集 め

実 践 さ れるよ う に なっ てきて い ることは 注 目 す べき こ と である

こ のような 試み の有 効 性 を 考 え る に あたっ て は

従 来 デ ザ イ ナ

が 行ってきた実 践 内 容 やそ の中に

内在

する 実

知につ いて分 析 し

理 解 を 深 めること が必 要である と考え られる

のよ う な

景の下

多摩 美術 大学 須 永剛 司

の呼 び か け により

ク1丿エ イ テ ィブデザイ ン の

実際

の実 践 過

の分 析 を 通 じて

デザイ ンの知

のあ り

検 討

する 「ザ イ知 研 究

」 が 開

されて いる

著者

デザ イン

実 務 家 に 混 じっ て

本 研 究 会に唯

工学 系の研 究

と し て

加し て い る

著 者の 専 門 は工 学設 計であ り

デ ザ イン研究全般に 関心を置い て は い る も の の

クリエイ テ ィブデザイ ン の専 門教 育 は 受 けて いない。

研 究

者 が 負っ て い る (であろう) 役 割 は

イ ナ

実践 内容

暗 黙的

行 わ れ

て い る知 的 プロセス を 客 観

異な る

視 点

ずる ことによ り

デザ イン過

びにその

実践

知のあ り方 を

り返るきっか け を 生 み

すと

デザイ ナ

以外

の人 か らの デザ インという行 為 に

す る 理

すこ と にあると

えて い る

例 え ば

エ ンジニ ア と デ ザ イ ナ

製 品や シ ス テ ム を作る上で最も協 力 を 要 す る反 面

提と す る

え方や アプロ

チ の違いから

相 互 理 解 が

易 で はない

クリエ イ ティブデザ イン の専 門 家では ない著

も加わ っ て デザイ ン過 程につ い て の分 析 や 説 明 を 行 うこ と で

イ ナ

以 外

にも

デザ インとい う

為 が よ り理 解 しや す く な る のでは ないかと

え て い る。 そ こ で本 稿では

デ ザ イン知 研 究 会で の

議論

を元に

デザ イン の実 践 過 程 に 見 ら れ る ク リエイ ティ

デザイ ン の

特 徴

の整 理を 行う

次に

同 特 徴と類 似

のある 工

の手 法 を 例 示

30

デ ザ イ ン 学 研 究 特集号

special

 

jssue

 

oflapanese

 

societyforthe

 

science

 

ofdesign

Vol

21

3

 

ND

832014

(2)

NII-Electronic Library Service

デザイ ン の

実践

と の比

を す る こ と で

異な る分 野の

視 点

か ら デザイ ン の アプロ

チ を

現 し

ニ ア を は じ め

デ ザ イ ナ

以 外の人 間に よ る デ ザ イン過 程の理 解を促 進 す ること を

み る

見 ら れ る デ ザ イン対 象の広 が り や デ ザ イン教 育 を受 けていない人 た ち の 参 画 す る デ ザ インの あ り

につ い て

本稿

で の分

析結

果 を 元 に

論考

を 行 う

2.

リエ

ティ

ザ イ

ン の

分 析

2.

1.

分 析 対 象 デザ イン知

研 究会

開催

立 ち

現役

の デザイ ナ

8

身の デザイン

践を語り

察 者

が そ の

内容

につ い て質 疑

解 釈を行う こ と で

デ ザ イ ナ

践に

在 す る 知 性を探 る 「 ザ イン 知ワ

ク ショ ッ プ」 が

2013

6

16

日に開 催された

そ の

内容

につ い て は

6

21

日に日 本デ ザイン学 会 第

61

季 研 究 発

大 会の中で報 告 さ れている

そ の後

、2014

2

22

日 にデザ イン知

1

回 会合

施 さ れ

デザ イン知ワ

クショ ッフの

結果

を 元に

クリエ イ テ ィブデザ インの アプロ

チ の

特徴

する

議 論

行 わ れ

著 者

を除く と

美 術 大 学の教 員

研 究 者

4

デ ザ インの

実務 家

2

の計

6

であっ た

本 稿では

以上のデ ザ イン

教 育

研 究

実 践の

門 家の議 論を分 析し

クリエイ ティ ブデザインの持つ

徴を

理 する

なお

本 稿では ク リエイ ティブ デ ザ イン を

美 術 大 学 を は じめ と し た 教 育

関 に お け る デ ザ イン の専

びデザ イン の専 門 職 に よ る 実 践の中で培 わ れ た

しい アイディ ァを

考案

具現 化

する

行 為

える

な お

注釈 や前 置

き を

場 合

本 稿

で は

デザインは ク リエ イ テ ィデ ザ イン

デ ザ イ ナ

は ク リエ イ ティブデ ザ イン の実 践 者の こ と を指す こ と と する

2

2

ク リエ イ ティ

デ ザ インの 特 徴 前 述の議 論の結 果 挙 げ ら れ た

ク リエイティブデザイ ン の主 要 な 特 徴 を 下 記 に 列 挙 す る

多 く

のア

ディア

を 創 出す

る ク リエイ ティ

デ ザ インの 実 践 過 程 に おいては

実 際 に ク ラ イ アン トに 提 示 さ れ る

あ るいは 採 択 さ れ るアイ ディアに 至 る ま で に

数 多

くの アイデ ィ ア が創 出 さ れ る

美 術 大 学

教育

に おいて も

く の ア イ デ ィ ア

えば

100

件 )

すこ とが

学生

め ら

ア イ ディア の

探索

各種 技法

を 用いる 多 数の アイディアを 生み出 すにあ たっ て

様 々 な 技 法 が用 い ら れている

例 え ば

他のものに なぞら えて対 象 を 表 現 する 見立 てやメタファ

(隠 喩 ) は

新 規 な 発 想に 至 るため のきっ かけ を 与 え る た め に用いら れる

人の

言葉

用 する こと や

ア イ ディアを 組 み 合 わせるこ と も

しいアイディアを 生み

に よ く用いら れる方 法である

にも

くの

法 が あるが

稿の狙いか ら

れるた め

こ の

範 囲

め る。 ア イ ディア を 具

体 的

現 す る デ ザ イン の アイディ アは

何 ら かの手 段 に よっ て具 体 的 な 形 で表 現 さ れる

般 的 な 手 法 はスケッチであるが

に も

的 な 形

部 機 能

実 現

するプロ トタイピング が よ く 行 わ れ る

ま た

人の行 動 や 役 割 をデザ イン対

と する場

に は

とテキス トで シ ナ リ オ と して

表 現

する ス ト

1丿

ディ ング や

デザ イン

果 を

確 認

するた めに実

う アク テ ィング

ア ウ トが 行わ れ る

ザ の 立 場でア イ ディア を 評 価 す る デザ イ ナ

ア イ ディ アを具現 化し

目 に見え る形に す る こ とで アイディアを 評 価 する

こ の評

を 行う上で

デザイ ナ

はユ

の立

に立つ こ と

デザイ ン

対 象

実 世

界 やユ

と の

関係 性

評価

する こと を

訓練

て い る。 ア イ ディア の

評 価基 準

ア イ ディア の

創 出 と

価 を

通 じ て

め る アイデ ィアを

評 価

する

観 点

や 基

事前

に定 まっ て い るも の で は必 ずしも ない

ア イ ディ ア を生み

す る過

た な評

づく こ と も し ば し ば発生 す る

ア イ ディア収 束 の た め

目 印 を 設 定 す る アイデ ィア の探 索 過 程 は 発 散 する恐 れ が あるため

理想 的 なデ ザ インイ メ

ジ をアイデ ィ ア

収 束

暫定 的

な 目

標 (

印)

とし て設 定 すること が ある

た だし

この目

が理想の ア イ ディア という わ けでは な く

目印

変 わ

る こと も

る。

本稿

で は

者 の

門であ る工学 設 計 の 分 野 か ら

本 特 徴 か ら 類 推 さ れる手 法 を 例 示 し

同 手 法 との比 較 を 通 じて

クリエイ ティ

デザ イン の実 践 過 程 を 異 なる観 点 から理 解 する こと を 試 み る

3

学 設 計 手 法

と の

比 較

3.

1

最 適 化 設 計 手 法 本 稿では

ク リエイティ ブデザ イン の実 践 過 程 を

異 なる観 点 から理 解 する上で の比 較 対 象と し て

最 適 化設計 手 法を採り上 げる。 最

適 化

とは

あ る 設

計 対象

徴 づ け る 設 計 変 数

例 え ば

部材

や長 さ

材 質等 )

所定

制 約

と なる

目的関 数 (

えば

強度

をで

る だ け

くす る

等)

適 な

定 する こと を 目

る。 最

適化

すべき

対 象

存 在 (

え ば

強 度

と 大 き さ

等) す

る こ と も

あ り

厳密

が 導け る こ と は稀であ る た め

本 計 算に は探 索 的に解を導 く こ とがで き る進

的 ア ル ゴリズム が採 用されること が多い 匚3 ]

進 化 的ア ルゴリズム の代

的な例と して

伝 的ア ル ゴ リ ズ ム が

げら れ る [4 ]。 遺

伝 的

ア ル ゴリズム は

複 数の解 候 補の情

え ながら

適解

を 探

す る 手 法であ る

計変 数

の セ ットに

づ き

成 し た 複 数 の 解 候 補 (

体 ) を 目

ては めて

その評 価 値 に 基づき

所 定の手 順で残 す

個 体

を 選

す る

次 に 選 択 し た 個 体の情 報の

1

1

1

∵:

(3)

NII-Electronic Library Service

交差

再 度 目 的 関 数に当て は めて評 価 し

選 択を す る

こ の繰 り 返 し に よ り

よ り よい

を探

す る こ と ができ る

さ ら に

交 差

に所 定の確

で元の個 体 情 報と

関 係に 情 報 を

き 換 え る (突 然 変 異 )こと で

部 分 最 適 に 陥 らないよ う に 工 夫 さ れている

デザイ ンと

化 問

題 との

につ いて は

Simon

〔5]の

述 が

有名

である

ま た

松 岡

はインダス トリ ア ル ヂザインとエ ン ジニ ア リング デ ザ インの実 践 過 程の特 徴 比 較の中で

最 適 化 法と の関 連

じてお り 匚6]

井ら 匚7]も デ ザ イン過程を 進化 的 方 法 論と して捉え

論 述を行っ て い る

本 稿では

デ ザ イン知 研

究会

での

議 論

を元に

最 適

設 計で用いる遺

伝 的

ア ル

ム の 具 体 的 な 手 順 と の 比 較 か ら

ク リエイ ティ

デ ザ イ ン の特 徴 を 分 析 す る

3.

2,

先 述のク リエイ ティ ブ デ ザ イン の特 徴 と 遺 伝 的アル ゴ リ ズ ム に よる最 適 化 設 計 手 法の特 徴には下記の類 似 点 が 見られる

多数

実 際

出す

伝 的 アルゴ リズムで は

複 数の個 体 を 生 成 し

都 度 評 価 し な が ら有 望 な 解の探 索 を 行 う

こ の点 は

ク1丿エイティブデザ イ ン に おいて求 め ら れ る

多 数の アイ ディア導 出 と 類 似 してい る

士 を掛

合 わ

しい

解 を出 す

遺 伝

的ア ルゴ リズムで は

値のよい

体 同士を

わせ るこ と によ り

さ ら に

れた

個 体

生 成

み る。 こ の アブ ロ

チ も

の言

用 す る

アイデ ィア を

わせ る

クリエ イテ ィ

イン で用いられ る

手 法

が 見ら れ る

突 然 変 異 を 起こす さら に

的ア ルゴリズム で は

体 同 士の交 差の際

、一

定 の

確 率

で 元 の

個 体

と 大 き く異な る 突

然変

異を起こ す

組み を

包 して い る。 これ は

述の通 り

部分 最適

らないよ う にする

仕組

み であるが

クリエイ ティブデザイ ン で

立てや メタファ

い て アイデ ィ ア の

げる

みと

類似 性

られる。

を 収

させる 制

を 行 う 暫 定 的 な 目標 を 設 定 するクリエイテ ィ

デザ インの アプロ

チ と は 異 なるが

遺 伝 的アル

ム に おいても

解 が 収

になるよう

評 価 値の高い個 体 は常 に 残 す 等

個 体の選 択 方 法 や 突 然 変 異の確 率の制 御 を 行 う

この よ う に

ク リエ イ ティ ブデザイ ン

的ア ルゴリズム共 に

複 雑 な 問題 に 対 し

す 上で

複 数

類似

した 方 法

仕 組 み を 持っ ているこ とが 分 か る

3

3

相 違 点

相違 点

し て

ザ イ

開始

タ イ ミ

リエイティ

イン の

る ア イ デ ィ アを

成 する

要 素

32

デザイ ン学 研究 特集 号

sPecial issue ot jaPanese society forthe science ef design

Vol

21

3 No

S32014 (最 適 化 設 計に お け る設 計 変 数 )が 定 まっ て い な い こ と が

げ ら れ る

加えて

最 適

手法に見ら れ る目 的 関 数に

相 当

す る

ア イ デ ィ ア の評 価 基 準も ク1丿イ テ ィデ ザ イ ン の開

時 に は必

し も 明 確では ない

こ の問 題 に 対 し

先 に 述べ た と お り

デザ イ ナ

はアイ ディア を

具体

的 な

に表

する ことによっ て

世界

の中で知 覚 可 能 に し

さら にユ

ザの立 場に立っ て表

現物

を 知

経 験 す るこ と に よって

デ ザ イン結 果に求め ら れ る更な る要

や評

規に見 出す こ と が で き る

こ の こ とが可能 な理由につ い て は

デ ザ イン知研 究 会の議 論に お いても

デザイ ナ

の感

に 基 づく と い う こ と以上 の

え は

ら れなか っ たが

いず れに せ よ

ア イ ディアの創 出

評 価 の 際

時 に 新 た な設 計 変 数 が 追

さ れ

目的 関 数 が 変 化 す る とい う

特 異 な 問 題 に デ ザ イ ナ

は 取 り組 んで い ると 考 え ること ができ る

この問 題を

数 学 的

な 問 題と して

え る と

化問

題 と は 呼 び に くい

な ぜ な ら

「 最

」 の 基

と な るべ き目 的 関

法 の過 程で変 化してし ま う か らであ る

目 的 関

変化

し て し ま う理 由と しては

デ ザ イ ナ

がユ

の代わ り に デザイ ン対

を評 価 す る 点に起 因 する可 能 性が挙げ ら れ る。 デ ザ イ ナ

が ユ

ザ の 代 わ り に デ ザ イン対

を 評 価 す る 上では

よ う に

デ ザ イ ナ

が デ ザ イン結 果 を 実 際 に 使 わ れ る 実 世 界で 知 覚 可 能 な 形で表 現でき ること

ま た そ れ を デ ザ イ ナ

がユ

ザの立 場と デザイ ン対 象と の 関係 性 を正 し く 理解し て評 価でき る かどう か

が 強く影 響す る

逆に言えば

デザイナ

の表 現 能 力とユ

ザに対 する 理解 能 力 がこの過 程の有 効 性 を 大 き く 左 右 する可 能 性 が ある

こ の点 につ いては 後で更 に 考 察 を 行 う

し か し

に こ の 評価 を想 定ユ

ザ 自 身で行っ た とし ても

ずし も固 定

なも の に はならない

ザの要 望で

入した

機能

であっ ても

いざ

実 際

使 用

して み ると

な い と い う

判断

に 至 る こ と は

し くない。 な ぜ なら

ザ も

経験

品 や サ

ビス につ い て

的確

に評

価 す

ること は

しいか らであ る

逆に

使

用の結 果

要 な 要

が 明ら か になる こ とも あ る

した が っ て

ク リエ イテ ィ

デ ザ イン の過 程は

ア イ ディア (解

評 価と ア イ ディア

を構 成す る 要

と そ の評

を同 時並行 的に同 定す る 過

にならざるを 得な い のであ る

こ の点は

的ア ルゴリズム等 を用 い て行 わ れ る 最

適化

とは

本質 的

に 異 な る

る。

3.

4.

ま と め

上のまと めとし て

的ア ルゴリズ ム に よる最 適 化 設 計の

過 程

とクリエイ テ ィブデザイ ン の過

1

式 的 に 示 す。

1

にお ける丸 は

解候 補

を 表 してお り

矢 印 は

あ る 解 候

を 元に して

た な

解候 補

探 索

する過

を表 して いる

ま た

丸 角の四

は あ る設

計 変数

と目 的 関

成 さ れる

解の 存 在 す る 空 間 を 表して いる

最 適 化 設 計の模 式 図は

探 索

の結 果

徐々 に目 的 関 数に 基づく最 適な

解 (

1

上で は波 線で 表 示 )に解 候 補が 近 づ いてい く

子 を表し て い る

。一

クリ エイ ティ

イン の

模式

図で は

探 索過程

において

の存 在 す る

間が

変 化

し て い く

子 を

し ている

_

_

(4)

NII-Electronic Library Service

最 適 化 設 計

2

設計 変数

と 目

ク リ

イテ

ブ デザ イ

ン 計 変 数 と

目的 関数

1

最適化 設計と ク リエ イ ティ ブ デ ザ イン 図

1

に示 す よう に

解を探 索 する過 程については

最 適

と ク リエイ ティ

デ ザ インで 類 似

が み ら れ る が

適 化

では 同 じ設 計 変 数 と 目 的 関 数 に基 づ き

を 探

す るの に

ク リエ イ ティ

デ ザ インでは ア イ ディアの評

の過

で設

計変

数と目 的 関 数 を 再 設 定 しなが ら

よ りよいデザイン の

探 索

する

つま り解 くべき 問 題 と その答 え を 同 時 並 行で

え る

み である と言 える

こう したアプロ

チ は

多 くの職 業 分 野に お い て重

さ れる

論 理 的 な 思 考 プロセス と は 大 き く異 な る

デ ザイ ナ

と の

協働

におい て は

クリエイ ティブデザ インが

な 思

プロ セ スだけ で は

解 決

課題

け た

法である こ とを 認

す ると同

解 探 索

う トライア ン ドエ ラ

や 問 題 設

イン過

で見ら

特有

行動

を 理

す ることが

要となる と

え る

これ は

著 者 自

身 が

参画

して い る デ ザ インプロジェ ク ト匚8 】の中で 感じ たことでも あ る

な お

本 分 析 に あた り

適 用 段 階も対 象も異 なる

2

つの ア ブ ロ

チ を 比 較 す る 上で

各 アプロ

チの概 念

例えば 目的 関

評 価

準)

の対 応 付 け を 行っ た が

これ は ク リエイテ ィ

デ ザ イン の実 践 過

を 定 量 化

定 式 化 す ることを 意 図 した もの で は ない

あ く までもデザ イ ナ

ー、

及 び デ ザ イ ナ

以 外の人 た ち が

ク リエイティブ デ ザ イン の過 程 を 知 る 上で の比 較 対 象 と し て最 適 化 設 計 を 取 り上 げ た 次 第であ る

今 後

デ ザ イン知 研 究 会 に おいては

は 実 際のデ ザ イン過 程 を 理

す る た めの分 析 方 法 につ いての研 究 が 重 要とな ると

えて い る

4.

こ れ か ら の デ

イ ナ

役 割

関 す

考 察

4

1

デザ イ ナ

の能 力の特 徴 デザイ ン知研究 会で の

論の分 析

並 びに 最適 化設計 手 法と の 比 較 を通 じ て

デザイ ナ

に求め られる 下 記 の

3

つの能 力 が 改 めて浮 き彫 り と なっ た

1

}多

数の アイディアを 出 す 能 力 まず

的ア ルゴリズム と の 比

か ら

ら れ る

クリエ イ ティ

インの

否 の

前 提

と し て

多数

すこと

が 挙 げ

られ る

ア イ ディア を 出 す た めの方

べたメ

ファ

や ア イ ディア の掛 け 合 わせ以 外にも 様 々 な 手 法 が 提 案 さ れてい る が

ず れ

に せよ

相応

訓 練

ないし

れ が 必

とな る

2

ア イ ディア の

能 力

デ ザ イン のア イ ディア の 評 価 に あ た り

、一

定 の リ ア リ ティを 持っ て知 覚でき る だ け の ア イ ディア の 表 現 能

要 な

能 力

あ る

例 え ば デン の技 能 は

デ ザ イ ナ

の 能 力 と し

更に

及すべき 点で はないよう に思 わ れるが

アイディ ア の

能力

がデザイ ナ

身による ア イ ディ ア の

評価

能 力の

と し

で あ る

を こ こ で は調 し て おき た

3

ザ 視 点 で の ア イ ディア の 評

能 力 ユ

ザの

点 か らアイデ ィアを 評 価でき るこ とも

デ ザ イナ

重 要

力の

つである

この点 につ いて

デザ イン教 育 を 行 う 美 術 大 学で重 要 視 している 能 力であ るこ とが

デ ザ イン知 研 究 会でも 言 及 さ れて いる

これら の

力は

美術 大 学

教員

研 究者

同様

の教

けたデ

インの

実 践者

議 論

から

がっ た もの であ り

従来

のデ ザ イン実 践

教 育に おい て は当 然の ことで あ る も の と

え られ る

こ こ数 年

新 規ビ ジネスや サ

ビス

政 策 等

様 な 対 象に対し

デザ イン の ア プロ

チ を適 用 する取り組み が行わ れ てお り

ま た

従 来の デ ザ イン 教

を受けて い な いビ ジネ ス パ

ソン等によ るデザ イン活 動も活 発とな りつ つある。

し い デ ザ イン対

に 対 し

イ ナ

能 力

用 す る か

ま た デ ザ イン教 育 を 受 けていない人 間 に よ る デ ザ イン活 動 が ど の 程 度の有 効 性 を 持つか

今 後 更 なる分 析 が 必 要であろう

本 稿 で は

こ の点につ いてもう少し論 考 を 加 え たい

4

2

誰も が デ ザ イ ン す る時

に お け る デ ザ イ ナ

役 割

冒 頭に述べた よ う に

デ ザ イ ン教 育を受けて い な い人々 の デ ザ イン 過 程へ の参 加が

近年 研 究の み な らず

実 社 会の動 き と して も顕 著に見られる よ う に な っ て いる

例え ば

最 新のデ ジ タ ル 技 術 を 用い て 自 分 が 必 要 な ものを 自 分で デ ザ インす る メ

メン ト匚9 ] やユ

イ ノベ

調

_

(5)

NII-Electronic Library Service

ショ ン [10]

地 域 や

組 織

課 題

を 関

係者

間の

議 論

を通 じて

解決

す る

築す るフ ユ

チ ャ

センタ

[11 ]等がこれ に 該 当 す る

者も

小 サ

ビス業の活 性 化を目 的と し

従 業 員コミュ ニ ティの主

的 な デ ザ イン活 動の た めの方 法 論

及 び 手 法の開 発 を行っ て い る 匚 12]

複 雑 化

ズの多 様 化 等によ り

個人

コミュニ ティの 抱 え る 課 題 は 個 別 化 してお り

事者

参 与

が よ り強 く

め られ る よ う に なっ てい る

誰 も が 参 加 す る デ ザ イン活 動 を 支 える上で

に述 べた デ ザ イ ナ

の持つ能 力 を ある

程度 発 揮

で きるよう

々 な 支 援 手 法 や 技 術 が開 発 さ れ て い る

まず

数の ア イ デ ィ ア を出す こ と につ いて は

々 な発 想 支 援 手 法が開 発されて お り匚13] [14]

表現能 力につ いて も

デ ジ タ ル技 術の普 及で簡 単 なモ ック アップ や プ ロ ト タ イ ピング は多 少の訓 練を経 ることで

実践

となっ て いる [ 9]

ま た

あ る 当 事 者 自 身 が デザイ ンする

アイディアの評 価 も よ り直 接 的 に 行 うこと がで きる。

や は り専 門 的 な 教 育 を 受 け た デ ザ イ ナ

に よる ア ア創 出 はそ の質 や 効 率 性

及びそ の役

を担う こ と についての 自 負の点で秀で て い る と考え ら れ る

ま た

当事 者

暗 黙

的に 抱え て い る

現状に対す る 認識の

組み を脱す ること が デ ザ イ ン の実 践におい て重 要で あ る が

そ の た め に は

当 事 者 以 外の

与 が

え る

果は大 きい [15]

した が っ て

誰 も が デ ザ イン する

時代

にお け るデ

インプロジェ ク トの

1

つの 形 と して

当 事

の主

的な活 動と

それを

門の デザ イナ

が支 え る 形で の

Co−Design

望であると

え ら

る。

今 後

さ ら に こ の 分 野の

究 が 進

することが

期 待

される

4 .

3.

新 しい デザ イン対

に対 する デザイ ナ

役割

Simon

匚5] は

々 な人工物を デ ザイン の対 象と して考 え

在の

態を よ り好ま し い も の に変え るべ く

行 為の道 筋を考 案 する こ と」 と し て

デザイ ン の重 要 性を論じ た が

今 日ま さ に 様 々 な 対 象に対 する デザイ ン の

議論

実 践が行わ れて いる

そ の対

に は

えば

新 規

ビ ジ ネス

コ ミュ ニ ティ

ビ ス

等 が

げられる

著 者

は サ

ビス の設

イン の 研

に 取 り 組 んで いる が

この よ う な 対

の デ ザ インに あ たっ ては

特 に どのよ う に 対 象 を 表 現 し

知 覚 す れ ば よいか が 大 き な 課 題 に なる 匚T2]

ま たデ ザ イ ナ

が 得 意 と する

ザ 個 人 と して の評 価 を

デザイ ン 対 象の総 合 的 な 評 価 上

どのよ う に位 置づけるか も 重 要 な 課 題 とな る

これらの課 題 に 対 応 す る に は

多 様 な 専 門 家 との協 働 が不 可 欠とな ると考 えられ

その意 味でも

デ ザ イ ナ

に よっ て実 践される デ ザイン過 程につ い て の更 な る 分 析と

他の専 門 分 野 に お け る 方 法 論 や 手 法 と の 関 連 性の検 討 を 今 後 さ ら に 進 め てい く必 要 が あ る

5 .

お わ り に 本 稿では

デ ザ イン知 研 究 会で の議 論 を 元 に

ク1丿エイ ティブ デザイ ン の実 践 過 程の特 徴の分 析 を 行い

さら に 工学 設 計 分 野 におけ る

適 化

計 手 法 との比 較 検 討 を 実 施 した

そ の結

34

デザイ ン学研究特 集号

spec[al  issueofjapanese  seciety forthe scienGe ofdesign

Vo)

21

3 Ne

83 2014 果

数の アイディアを 倉1

評 価 し な が

解 くべき 問 題と 解 を 同 時 並 行 的に探 索 するとい う デザイ ン過 程の特 徴 を明 ら か にし た

ま た

デザ インにお ける アイデ ィア の創 出 能 力と表 現 能 力

及 びそ の表

現結 果

を 実

世 界

けて

評 価

する

力 を デザ イ ナ

の特 徴 と して

出 し

の デザイ ン主

及 びデ ザ イン対 象の広 が りに対 し

ザ や

専 門家

との

協 働

デ ザ イ ナ

の能 力 が さ ら に発

さ れる

可 能性

が ある こと を 論 じ た

本 稿

はデ

イン の 実 践 過 程の

つ の側 面 につ い て論 じた に す

ない

今 後 も デ ザ イン知 研 究 会で の活 動 等 を 通 じて

デザ イン 過 程 につ い て の分 析と実 践の支 援に向 け た 議 論

研 究 を 進め て いき たい

謝 辞

稿 の 執

の きっ か け を く だ さい ま した

デ ザ イン知 研 究 会の 皆 様 に

この場 を 借 りて御 礼 申 し上 げ ま す

参 考文 献

1

Tim

 

Brown

:デザ イン思 考 が

世界

える

イノベ

ショ

  

ン を 導 く 新 しい考 え 方 (原 題:

Change

 

by

 

Design

How

  

Design

 

Thinking

 

Transforms

 

Organizations

 and 

Inspires

   

lnnovation

川 書 房

2010

2

AXIS

(ア ク シ ス)

2014

04

月 号 :デザイン思考の誤 解

   アク シス

2014

3

) 中 山 浩 隆

達 哉

荒 川 雅 生

分 :

目 的 最 適

   

し な や か シ ス テ ム 工学ア プロ

現 代 図

   

2008

4

) 北 野 宏 明 :遺 伝 的ア ル ゴズ ム

産 業 図 書

1993

5

Herbert

 

A

Simon

シ ス テ ム の科 学 第

3

版 (原 題:

The

   

Sciences

 of 

theArtificial

−3rd

 

Edition

ソナ ル メ ディ

   ア

1999

6

) 松 岡 由 幸 :二 つ のデ ザ イン

デ ザ イン科 学の統 合フレ

ム    ワ

ク の構 築に向 けて

一、

デ ザ イン学 研 究

研 究 発 表 大 会

   

概 要 集

Vol

53

 

pp

2

3

2006

7

藤 井 晴 行

中 島 秀 之 :デ ザ インという

行為

のデ ザ イン

  

科 学

Vol

17

 

No

3

 

pp.

403

416

2010

8

渡辺

太 郎

藤 満

原 田 由 美子

山口真 由美

椛 島 久

   美

之 下 さと み

美貴

ロ朋

田 クリ ス

   介

小早川 真 衣子

新野佑 樹

須 永 剛司

阪 本 雄

西

   

村 拓

一、

本 村 陽

MED

 

project

表 現 活 動 を 通 じ た 持 続    的 な ヂ ザ イン活 動 プログラムの構 築 に 向 け た 取 り組 み と 考    察

ビス学 会 第

2

回 国 内 大 会 講 演 論 文 集

2014

9

Chris

 

Anderson

MAKERS

− 21

世 紀

の産

業 革 命

まる

   〔

原 題:

Makers

The

 

New

 

lndustrial

 

Revolution

 

NHK

    版

2012

10

小 川 進 :ユ

イノ ベ

ショ ン ;

消費 者

か ら始 ま るもの    づく りの未 来

東 洋 経 済 新 報 社

2013

11

)野 村 恭 彦 : フユ

チャ

セン タ

をつ くろう

対 話をイ

  

ノ ベ

ショ ン につな げ る 仕 組 み

プレジ デン ト社

2012

N工 工

Electronic  Library  

(6)

NII-Electronic Library Service

12

)渡 辺 健 太 郎

黒 田 知 宏

福 原 知 宏

三輪 洋 靖

西 村 拓

一、

   

本 村 陽

:現 場 主 導のサ

ス設 計 に 向 けて

 

User−

   

driven

 

Product

Activity

 

Design− 、

人工 知 能 学 会 誌

   

Vol

28

 

No

6

 

pp

918

923

2013

13

)堀 公 俊

加 藤 彰 :ワ

ク ショ ップ デ ザ イン  知 をつむ ぐ

   

の場づ く り

日 本 経 済 新 聞 出 版 社

2008

14

部科学省

;「イ ノベ

ション対

ル の 開 発」 につい て

   

http

:〃 www

mext

go

jp

/a

_

menu /shinkou /sangaku /

   

1347910 .

htm、

2014

15

rrakeshi

 

Sunaga,

 

Sachiko

 

Fujimitsu

 

Yumiko

 

Harada

 

Yuki

   

Niino

 

Maiko

 

Kobayakawa,

 

Kosuke

 

C 、

 

Yamada,

 

Kentaro

   

Watanabe

 

Yuichiro

 

Sakamoto,

 

Takuichi

 

Nishimura

 and

   

Ybichi

 

Motomura

SELF−DIRECTION

 

IN

 

A

 

CO −

DESIGN

   

PROJECT

 

FOR

 

A

 

HOSPITAL

 

INFORMA

10N

 

SYS

τ

EM

   

TOWARD

 

SOCIETV−SHAPING

 

DESIGN,

 

In

 

Proceedings

 of

   

DESIGN

 

2014 ,

 

Dubrovnik

 

Croatia

、2014

参照

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