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Table 1 Comparison with three HIV antigen and antibody screening tests Principle Detection of anti-hiv antibody gp41 HIV-1 Detection of HIV antigen Ti

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(1)

技術論文

ルミパルス

f

を用いた HIV Ag/Ab 同時検出試薬の

性能評価

石垣 卓也

1)

服部佳奈子

1)

山中 基子

1)

堀田多恵子

1)

康  東天

2) 1) 九州大学病院検査部(〒 812-8582 福岡県福岡市東区馬出 3-1-1)  2) 九州大学大学院医学研究院臨床検査医学分野 要 旨 今回,富士レビオ社が開発した第 4 世代検査試薬である「ルミパルス HIV Ag/Ab」(以下,本試薬)の性能評価を行っ た。同時再現性,日差再現性,およびプロゾーン試験に関しては良好な結果であった。同じ第 4 世代検査試薬であるアー キテクト・HIV Ag/Ab コンボアッセイ,および HISCL HIV Ag;Ab 試薬を用いた Seroconversion Panel の測定結果では,4 種中 2 種において本試薬が最も早期に検出した。残り 2 種においても他試薬と同等の検出時期であった。HIV-1 p24 抗原 の希釈感度試験においても本試薬は HISCL HIV Ag;Ab 試薬と同等の検出感度であり,高い検出感度を有していることが 示唆された。一方,干渉物質の影響では乳びにて負の影響,および RF にて正の影響が認められた。また相関試験では, 本試薬のみ陽性となった検体が 2 例認められ,マイクロフィブリンの影響が示唆された。以上のことから本試薬は第 4 世 代検査試薬の特徴である HIV-1 p24 抗原の検出感度に優れ,早期検出が期待できるが,RF による影響やマイクロフィブリ ンによる偽陽性などが発生するため,陽性を示した際は判定に注意する必要がある。

キーワード

ルミパルス f,HIV,HIV-1 p24,window period,RF

ヒト免疫不全ウイルス Human Immunodeficiency virus(HIV)は後天性免疫不全症候群 Acquired Immune Deficiency Syndrome(AIDS)の病因であり, 遺伝学的系統関係から HIV-1 と HIV-2 の 2 種に分類 されている。我が国における HIV 感染者は年々増加 し1),HIV スクリーニング検査の重要性がますます 高まっている。また,抗レトロウイルス療法 Anti-Retroviral Therapy(ART)により,HIV の増殖を抑 制し,患者の免疫能を回復させ,AIDS 発症を遅ら せることが可能となっている2)。このことから,HIV 感染症の早期発見は,HIV の拡散防止のみならず, 治療の観点からも重要である。 従来の HIV スクリーニング検査では,IgG 型であ る HIV-1 抗体および HIV-2 抗体を検出する第 2 世代 検査法,もしくは IgM 型である HIV-1 抗体および HIV-2抗体を検出する第 3 世代検査法が広く用いら れていた。しかし,抗体検査法では感染成立から抗 体産生までに一定の期間(window period)が存在 し,感染成立後早期に抗体を検出することは困難で あった。この期間をさらに短縮するため,新たに HIV-1抗原(HIV-1 p24 抗原)を同時に検出可能とし た第 4 世代検査法が開発され,第 3 世代検査法より もさらに数日早く検出することが可能となった3),4)。 今回,我々はルミパルス f を用いた HIV Ag/Ab 同 時検出試薬の基本性能評価,および,現在市販され ている同じ第 4 世代検査法間にて比較する機会を得 たので報告する。 I 対象および方法 1.試薬および装置 本試薬はルミパルス f(富士レビオ社)を用いて (平成 27 年 2 月 23 日受付・平成 27 年 3 月 19 日受理)

(2)

測定し,比較対照法として,同じ第 4 世代検査法で ある ARCHITECT アナライザー i2000(アボットジャ パン社)を用いたアーキテクト・HIV Ag/Ab コンボ アッセイ(以下,アーキテクト),および HISCL(シ スメックス社)を用いた HISCL HIV Ag;Ab 試薬(以 下,HISCL)を用いて測定した(Table 1)。 2.測定原理 本試薬はアルカリホスファターゼ(ALP)標識抗 原あるいは抗体を用い,化学発光基質として(3-(2'-スピロアダマンタン)-4-メトキシ-4-(3''-ホスホリ ルオキシ)フェニル-1,2-ジオキシセタン・2 ナトリ ウム塩)(以下,AMPPD)を使用する化学発光酵素 免疫法(CLEIA 法)を原理としている。測定には前 処理操作が必要となっており,検体 5 容量に対して 処理液 1 容量を混合し,測定用検体とする。本試薬 では検体 200 μL に対して処理液 40 μL を加え,測定 用試料とした。抗 HIV 抗体検出では HIV-1 リコンビ ナント gp41 抗原と HIV-2 リコンビナント gp36 抗原 をそれぞれ結合させたフェライト粒子と検体中の抗 HIV-1抗体および抗 HIV-2 抗体を反応させ,免疫複 合体を形成する。また,HIV-1 p24 抗原検出では HIV-1 p24モノクローナル抗体 N1-9 と HIV-1 p24 モ ノクローナル抗体 N3-3 をそれぞれ結合させたフェ ライト粒子と検体中の HIV-1 p24 抗原を反応させ, 免疫複合体を形成する。B/F 分離を行った後,ALP 標識 HIV-1 リコンビナント抗原や,ALP 標識 HIV-2 リコンビナント抗原,および ALP 標識抗 HIV-1 p24 抗体を作用させ免疫複合体を形成させる。再び B/F 分離を行った後,基質である AMPPD を作用させ発 光した光を検出し,抗 HIV-1 抗体,抗 HIV-2 抗体, HIV-1 p24抗原を検出している。 II 成績・結果 1.同時再現性 陽性プール血清を,陰性血清を用いて濃度の異な る 3 種類の試料(陰性,低値陽性,高値陽性)を調 整した。これら 3 濃度の試料を連続 10 回測定し,同 時再現性について検討した。なお,前処理による要 因の影響を避けるため,前処理を行った検体を基に 重複測定を行った。陽性試料については低値陽性, 高値陽性ともに CV 4%未満と良好であった。また, 陰性試料についても,測定値は 0.2~0.3 C.O.I と安定 しており,良好であった(Table 2)。 2.日差再現性 –30℃にて凍結した上記試料,およびメーカー指定 のコントロール試料を用いて 10 日間,1 日 1 回測定 を行った。陽性試料については血清試料,コントロー ル試料ともに CV 4%未満と良好であった。陰性試料 についても,測定値は 0.2~0.3 C.O.I と安定してお り,良好であった(Table 3)。 3.希釈感度試験

WHO International Standard NIBSC code:90/636 (HIV-1 p24 抗原)を基に,0.25 IU/mL から 2.00 IU/mLまでの 6 系統の希釈系列を調整した。これら の試料を各試薬にて 1 回測定を行った。本試薬, HISCLはともに 0.50 IU/mL にて陽性と判定された。 一方,アーキテクトでは 1.00 IU/mL にて陽性と判定 Within-run precision

Negative Low positive High positive Mean (C.O.I) 0.23 1.55 10.78

S.D. 0.05 0.05 0.26 C.V. (%) 21.0 3.4 2.4

Table 2  Comparison with three HIV antigen and antibody screening tests

Principle Detection of anti-HIV antibody Detection of HIV antigen Time (min) Sample (μL)

Lumipulse HIV Ag/Ab

(Fujirebio) CLEIA gp41 HIV-1 monoclonal p24 antibody N1-9 (mouse) 25 120 gp36 HIV-2 monoclonal p24 antibody N3-3 (mouse) Architect·HIV Ag/Ab

combo assay CLIA

gp41 HIV-1

monoclonal p24

antibody (mouse) 29 100 gp41 HIV-1(O)

(Abbott japan) gp36 HIV-2 HISCL HIV Ag;Ab

CLEIA undetermined monoclonal p24

antibody (human) 17 30 (Sysmex)

(3)

されており,本試薬の HIV-1 p24 抗原に対する感度 は HISCL と同等であり,アーキテクトと比較して高 い感度を有していた(Table 4)。

4.感染初期の早期検出能試験

Boston Biomedical Inc. (BBI) HIV Seroconversion Panel (PRB954, PRB961), お よ び ZeptoMetriy Seroconversion Panel (HIV9012, HIV9032)を用い,感 染 初 期 の 早 期 検 出 能 に つ い て 検 討 を 行 っ た (Table 5)。

各 Panel の No. 1 は HIV に感染したと疑われ,採 血を始めた日(Day 0)であり,No. 2 以降の検体に ついては No. 1 からの経過日数を表記している。ル ミパルス プレスト オーソ HIV-1/2(第 3 世代検査 法),ルミパルス オーソ HIV-1/2(第 2 世代検査法) における各 Panel の測定は富士レビオ社に依頼した。 HIV-1 RNA,Western blotting の結果については,各 Panel付随の添付資料より引用した。 本試薬は全てのパネル血清において,アーキテク ト,HISCL と比較して同等か,またはそれよりも早 期 に 検 出 す る こ と が 可 能 で あ っ た 。 PRB954 , HIV9012,HIV9032 では第 4 世代検査法であるアー キテクトに対して,2 日から 7 日早期に検出できて おり,早期検出能を有していた。PRB954 において

Comparison of the sensitivities of three HIV antigen and antibody screening tests using WHO International Standard NIBSC

IU/mL Lumipulse HIV Ag/Ab (C.O.I) Architect·HIV Ag/Ab combo assay (S/CO) HISCL HIV Ag;Ab (C.O.I) 0.25 0.6 0.37 0.7 0.50 1.0 0.68 1.5 0.75 1.4 0.99 2.3 1.00 1.8 1.27 3.2 1.50 2.7 1.78 4.8 2.00 3.5 2.51 6.1 Table 4  は,HISCL が他の第 4 世代検査法と異なり,最も遅 く 21 日目に陽性となる結果となった。これは第 3 世 代検査法であるオーソ HIV-1/2 と同じ検出時期で あった。 5.プロゾーン試験 HIV-1抗体強陽性検体(ProMedDx 社),および HIV-2抗体強陽性検体(SCIPAC 社),HIV 抗原強陽 性検体の 10 倍希釈による多段希釈系列を調整し,各 測定試薬のプロゾーン現象の有無を確認した。その 結果,全ての測定試薬にてプロゾーン現象は確認さ れなかった(Table 6)。 6.干渉物質の影響 干渉物質の影響を調べるため,干渉チェック A プ ラス(シスメックス社)を用いて陽性試料,陰性試 料に添加し,評価を行った。その結果,遊離型ビリ ルビンでは 19.5 mg/dL まで,抱合型ビリルビンでは 20.9 mg/dLまで,ヘモグロビンでは 487 mg/dL まで, 影響は認められなかった。一方,乳びでは,陽性試 料にて濃度に応じた負の影響を認めた。干渉チェッ ク・RF プラスを用いた評価では,陽性試料,陰性試 料ともに RF の濃度に応じて測定値に正の影響が認 められた(Figure 1)。 このことを確認するため,高値 RF 患者血清 3 例 を用いた添加回収試験を行った。陽性試料が 10 倍希 釈になるように,高値 RF 患者血清を添加し,測定 した。対照として RF 濃度 31 U/mL の患者血清を同 様に添加し,測定を行った。その結果,対照を 100% とした場合,全ての検体において正の影響が認めら れた(Table 7)。 7.相関 陽性相関として 2012 年 12 月から 2013 年 4 月の 間に,HIV-1 RNA 検査にて陽性が確認された 16 例, 陰性相関として入院および外来患者の残血清 99 例, 計 115 例の検体を用い,本試薬と対照法との相関を Between-day precision

Serum sample Control sample

Negative Low positive High positive Negative Positive 1 (anti-HIV-1 antiboby) Positive 2 (anti-HIV-2 antiboby) Positive 3 (HIV-1 p24 antigen) Mean (C.O.I) 0.24 1.55 10.22 0.24 4.10 4.01 3.52 S.D. 0.05 0.05 0.23 0.07 0.09 0.09 0.12 C.V. (%) 21.5 3.4 2.3 29.1 2.3 2.2 3.5 Table 3 

(4)

評価した。その結果,陽性検体では全例一致したが, 陰性検体において 2 例,本試薬のみが陽性を示した (Table 8)。 乖離した 2 例について各分析試薬での測定値及 び , 本 試 薬 に て 再 検 査 を 実 施 し た 結 果 を 示 す (Table 9)。 No. 1は 3 回再検を行ったが,再現性は得られず, No. 2では 2 回再検して全て陰性となった。乖離した 2例は HIV-1 RNA 検査の依頼がなく,HIV 感染歴は 不明であったが,再検査での測定値が初回値と異な

Detection of HIV infection in four HIV seroconversion panels

Panel No. Day Lumipulse HIV Ag/Ab Architect HIV Ag/Ab combo assay HISCL HIV Ag;Ab Lumipulse Presto Ortho HIV-1/2 Lumipulse Ortho HIV-1/2

HIV-1 RNA* Western blotting*

Generation 4th 4th 4th 3rd 2nd

C.O.I Result S/CO Result C.O.I Result copies/mL

PRB 954 1 0 0.2 – 0.13 – 0.0 – 0.2 0.1 BLD NEG 2 2 0.2 – 0.12 – 0.0 – 0.2 0.1 BLD NEG 3 7 0.3 – 0.18 – 0.0 – 0.2 0.1 BLD NEG 4 10 0.2 – 0.14 – 0.0 – 0.2 0.1 1,000 NEG 5 14 1.0 + 0.74 – 0.0 – 0.2 0.1 60,000 NEG 6 17 8.6 + 5.78 + 0.2 – 0.2 0.1 600,000 NEG 7 21 >15 + 72.33 + 4.1 + 1.2 0.2 >800,000 NEG PRB 961 1 0 0.2 – 0.08 – 0.0 – 0.2 0.1 <50 IND 2 5 0.2 – 0.06 – 0.0 – 0.2 0.1 <50 IND 3 7 0.2 – 0.09 – 0.0 – 0.2 0.1 <50 IND 4 12 0.2 – 0.09 – 0.0 – 0.2 0.1 <50 IND 5 14 0.2 – 0.09 – 0.0 – 0.2 0.1 <50 IND 6 19 0.2 – 0.09 – 0.0 – 0.2 0.1 <50 IND 7 21 0.2 – 0.10 – 0.0 – 0.2 0.1 480 IND 8 27 10.4 + 8.07 + 13.7 + 0.2 0.1 150,000 IND 9 29 >15 + 26.10 + 54.3 + 0.2 0.1 200,000 IND HIV 9012 1 0 0.3 – 0.09 – 0.0 – 0.1 0.1 157 NEG 2 2 0.2 – 0.08 – 0.0 – 0.1 0.1 <50 NEG 3 7 0.2 – 0.08 – 0.0 – 0.1 0.1 69 NEG 4 9 0.2 – 0.08 – 0.0 – 0.1 0.1 221 NEG 5 14 1.0 + 0.58 – 1.4 + 0.1 0.1 33,740 NEG 6 16 3.9 + 2.42 + 7.1 + 0.1 0.1 101,800 NEG 7 21 >15 + 39.91 + >100 + 6.7 1.6 >500,000 NEG 8 23 >15 + 96.44 + >100 + 10.4 5.9 >500,000 p24 p160(vf) HIV 9032 1 0 0.2 – 0.08 – 0.1 – 0.1 0.2 <50 NEG 2 2 0.2 – 0.07 – 0.0 – 0.1 0.1 <50 NEG 3 7 0.2 – 0.08 – 0.0 – 0.1 0.1 <50 NEG 4 10 0.2 – 0.07 – 0.0 – 0.1 0.1 <50 NEG 5 14 0.2 – 0.10 – 0.0 – 0.1 0.1 134 NEG 6 17 0.2 – 0.12 – 0.0 – 0.1 0.1 1,507 NEG 7 22 1.0 + 0.66 – 0.8 – 0.1 0.2 29,006 NEG 8 24 40,815 NEG 9 29 4.6 + 2.15 + 1.6 + 1.2 3.1 20,395 p24 10 36 2.8 + 2.37 + 2.0 + 1.1 7.4 2,425 p24, p65 11 38 2.9 + 2.10 + 2.4 + 1.2 7.7 3,161 p24, p65 12 49 5.1 + 2.47 + 7.9 + 3.1 12.6 4,052 p24, p65 13 51 6.3 + 2.46 + 10.2 + 3.6 13.0 4,967 p24, p65, gp160 14 56 9.5 + 3.30 + 15.5 + 6.1 14.7 1,377 p24, p65, gp160 *Data from panel data sheet.

BLD; below limits of detection, NEG; negative, IND; indeterminate.

(5)

り再現性が得られないことから,検体由来の影響が 考えられ,検体中に含まれるマイクロフィブリンの 影響が示唆された。

Prozone phenomenon of high titers

Dilution Lumipulse HIV Ag/Ab (C.O.I) Architect·HIV Ag/Ab combo assay (S/CO) HISCL HIV Ag;Ab (C.O.I) HIV-1 Ab positive ×100 >15.0 957.96 >100.0 ×101 >15.0 755.78 >100.0 ×102 >15.0 376.37 75.8 ×103 >15.0 64.50 12.8 ×104 4.3 6.56 1.2 ×105 0.6 0.79 0.1 ×106 0.2 0.13 0.0 ×107 0.2 0.09 0.0 HIV-2 Ab positive ×100 >15.0 165.11 >100.0 ×101 >15.0 109.55 67.0 ×102 >15.0 47.10 13.6 ×103 2.6 8.04 1.3 ×104 0.4 0.83 0.1 ×105 0.2 0.16 0.0 HIV-1 p24 Ag positive ×100 >15.0 1,645.47 >100.0 ×101 >15.0 1,616.22 >100.0 ×102 >15.0 1,280.65 >100.0 ×103 >15.0 399.06 >100.0 ×104 >15.0 52.65 >100.0 ×105 8.2 5.66 16.9 ×106 1.0 0.60 1.7 ×107 0.3 0.11 0.2 Table 6  Recovery test of RF RF Concentration (IU/mL) Contrast quantity (C.O.I) Recovered quantity (C.O.I) Recovery (%) No. 1 1,188 2.3 2.8 121.7 No. 2 1,458 2.3 5.1 221.7 No. 3 864 2.3 2.5 108.7 Table 7 

Corelation between Lumipulse HIV Ag/Ab and comparison assay

n = 115

Lumipulse HIV Ag/Ab

Positive Negative Total Architect·HIV Ag/Ab combo

assay HISCL HIV Ag;Ab

Positive 17 0 17 Negative 2 96 98 Total 19 96 115 Concordance rate 98.3% Table 8  III 考 察 2008年に出版された「診療における HIV-1/2 感染 症診断のためのフローチャート」において HIV-1/2 スクリーニング検査法に用いられる方法は,感度が 十分に高い検査法であることが望まれている5)。今

回検討に用いた BBI Seroconversion Panel,および ZeptoMetriy Seroconversion Panelにて,本試薬は比較 対照としたアーキテクトや HISCL に対して,同等 か,それ以上早期に HIV を検出可能であった。ま た,HIV-1 p24 抗原を用いた希釈感度試験の結果か らも,HIV 早期検出能の高さを示しており,他の第 4世代検査法と比較して検出感度の高い検査法であ ることが確認された。一方,相関に用いた検体にお いて,2 例偽陽性検体が認められた。初回値と再検 値の乖離については,検体由来のマイクロフィブリ ンによる影響が報告されており6),本試薬において もマイクロフィブリンによる影響が示唆された。こ のことから本試薬添付文書においても,陽性となっ た検体については再検査を行い,再現性を確認する ことが推奨されている。また,干渉物質による影響 を調べた際,本試薬は RF の濃度に比例して正の影 響を受けていた。RF による測定値への影響は一般的 に知られており,各社 RF の影響を考慮した試薬が 設計されている。本試薬が RF の影響を受けた原因 は不明であるが,影響を受けることから陽性検体に 対する扱いや再検基準の設定などには十分注意する 必要がある。 Seroconversion Panel PRB954を用いた評価では, 第 4 世代検査法である HISCL が第 3 世代検査法と 同じ時期となったが,他の Panel,希釈感度試験に用 いた試料,プロゾーン試験で使用した HIV-1 p24 リ コンビナント抗原などを用いた評価では,HISCL の

Comparison of two unmatch test and retest of Lumipluse HIV Ag/Ab

Lumipulse HIV Ag/Ab (C.O.I) Architect·HIV Ag/Ab combo assay (S/CO) HISCL HIV Ag;Ab (C.O.I) Retest Lumipulse HIV Ag/Ab (C.O.I) No. 1 2.5 0.12 0.0 0.6 1.9 2.4 No. 2 2.5 0.09 0.0 0.2 0.2 Table 9 

(6)

HIV-1 p24抗原に対する感度は,他の第 4 世代と同 等かそれ以上の性能であった。このことから,PRB954 にて HISCL が HIV 抗原と反応しなかったのは, HIV-1 p24抗原認識部位に変異が発生し,HISCL の モノクローナル HIV-1 p24 抗体が反応できなかった 可能性が考えられる。 認識部位の変異による抗原検出の偽陰性は,B 型 肝炎ウイルスにおける HBs 抗原検査などで報告例が あり7),8),PRB954 の HIV も同様に抗原認識部位であ る gag 領域に変異が発生し,偽陰性になったと推測 される。これに対して,本試薬では抗原決定基が 2 つあり,HIV に変異が起こり,1 つの抗原決定基が 反応しなくても,もう 1 つの抗原決定基がこれを補 うことができ,偽陰性となることを回避することが 可能と考えられる。 IV 結 語 今回検討に用いたルミパルス HIV Ag/Ab は他の第 4世代に比べ同等かそれ以上の感度を有しており, Seroconversion Panelにおいても本試薬のみが,他の 試薬に比べ早期に検出することが可能であった。ま た,偽陰性などの未反応もなく,スクリーニング試 薬としての性能を十分に満たしているといえる。 しかし,相関検体における偽陽性検体や RF によ る偽陽性反応など,非特異反応が見られることがあ るため,判定の際には十分注意する必要がある。 今後,HIV 感染者数は増加していくと考えられ, 早期発見による拡散防止や早期治療のため,本試薬 のスクリーニング試薬としての有用性が期待される。   本論文の内容は,第 53 回日本臨床化学会年次学術 集会(2013 年 8 月,徳島)にて報告した。 ■文献  1) 白坂 琢磨,他:平成 23 年エイズ発生動向年報,厚生労働省 エイズ動向委員会,2012.  2) 平成 25 年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事 業:「抗 HIV 治療の開始時期(成人,慢性期)」,抗 HIV 治療 ガイドライン,12–19,HIV 感染症及びその合併症の課題を 克服する研究班(編),2014.

 3) Stekler J et al.: “Screening for acute HIV infection: Lessons

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0 5 10 15 20 (C.O.I) (mg/dL) Bilirubin F Negative 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0 10 20 (C.O.I) (mg/dL) Bilirubin C Negative 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0 250 500 (C.O.I) (mg/dL) Hemoglobin Negative 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0 500 1,000 1,500 (C.O.I) (mg/dL) Turbidity Negative 90 95 100 105 110 0 10 20 (%) (mg/dL) Bilirubin F Positive 90 95 100 105 110 0 10 20 (%) (mg/dL) Bilirubin C Positive 90 95 100 105 110 0 250 500 (%) (mg/dL) Hemoglobin Positive 90 95 100 105 110 0 500 1,000 1,500 (%) (mg/dL) Turbidity Positive 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 0.0 200.0 400.0 600.0 (C.O.I) (IU/mL) Rheumatoid factor Negative 6.6 6.8 7 7.2 7.4 7.6 7.8 0.0 200.0 400.0 600.0 (C.O.I) (IU/mL) Rheumatoid factor Positive

Effect of interference substances and Rheumatoid factor (RF) Figure 1 

(7)

learned,” Clin Infect Dis, 2007; 44: 459–461.

 4) 桜庭 尚哉,他:「ルミパルス Presto II を用いた HIV Ag/Ab 同 時検出試薬の基礎性能評価」,医学と薬学,2011; 65: 663–672.  5) 山本 直樹,他:「診療における HIV-1/2 感染症の診断 ガイド ライン 2008(日本エイズ学会・日本臨床検査医学会標準推奨 法)」,日本エイズ学会誌,2009; 11: 70–72.  6) 井本 真由美,他:「マイクロチップ電気泳動法を利用した AFP,AFP-L3%および PIVKA-II 測定の評価―基礎検討,検 体安定性およびマイクロフィブリンの影響について―」,医 学と薬学,2011; 66: 535–540.  7) 松田 親史,他:「S 領域の変異株による HBs 抗原(EIA 法) 偽陰性の 1 例と HBs 抗原関連試薬の反応性」,感染症学雑 誌,2011; 85: 21–25.  8) 出口 松夫,他:「HBs 抗原検出感度と変異株検出能における 7種類の免疫学的測定試薬の評価」,感染症学雑誌,2005; 79: 138–142. Technical Article

Evaluation of fourth-generation measurement of HIV antigen antibody

with Lumipulse

f

Takuya ISHIGAKI1) Kanako HATTORI1) Motoko YAMANAKA1) Taeko HOTTA1)

Dongchong KANG2)

1)Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, Kyushu University Hospital(3-1-1, Maidashi, Higashi-ku, Fukuoka 812-8582, Japan)

2)Department of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University

Summary

We evaluated a new fourth-generation HIV test, Lumipulse HIV Ag/Ab assay, for the measurement of the HIV antigen and antibody. Good results were obtained for the within-run precision, between-day precision and prozone phenomenon of high titers. In the detection of HIV infection using four HIV seroconversion panels, Lumipulse HIV Ag/Ab assay detected more quickly than a comparison assay using two samples. In the comparison of the sensitivities to the HIV-1 p24 antigen using WHO International Standard NIBSC, Lumipulse HIV Ag/Ab assay was observed to have a higher sensitivity than Architect・HIV Ag/Ab combo assay. However, we observed negative interference in the chyle test and a positive interference in the rheumatoid factor test. In a correlation test, two samples were unmatched between the Lumipulse HIV Ag/Ab assay and the comparison assay. In this study, although Lumipulse HIV Ag/Ab assay was good for screening HIV infection, it was necessary to judge a positive result carefully.

Key words: Lumipulse f, HIV, HIV-1 p24, window period, RF

Table 2 Comparison with three HIV antigen and antibody screening tests

参照

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