新しい糖尿病治療薬(インクレチン関連薬)を
知っていますか?
あなたは、今までの古い薬の治療だけで満足し
ていませんか?
2007年Asahi.comより
どちらが合併症を進行させやすいでしょう
?
Del Prato S:Int. J. Obesity,26(Suppl3),S9-S17,2002.
HbA
1Cが同じでも・・・・・
HbA
1C:6.5%
200 100血糖値
(mg/dl
)
食後高血糖の抑制が重要
食後2時間血糖値を180mg/dL以下に維持する
食後高血糖 ⇒ 酸化ストレス亢進 ⇒ 糖尿病性合併症
•Glucose spike •Glucose fluctuation •細小血管合併症 •大血管合併症 •認知症 •膵癌•α-GI
•グリニド製剤
•Insulin 【特に超速攻型】
•DPP-4阻害剤、 GLP-1受容体作動薬
(Abbatecola AM, Neurology. 2006) (Paolisso G , Diabetes Metab. 2003 )
治療法
インクレチンとは?
インクレチンは消化管(小腸)から分泌され、インスリン
分泌を促進するホルモンである。
インクレチンとして、GLP-1とGIPが知られている。
2型糖尿病患者では、GLP-1の方が、GIPよりインスリ
ン分泌効果が高い
→GLP-1が特に注目されている。
(GLP-1, GIP) GLUT2
GLP-1とは何か?
•GLP-1は、本来、小腸から分泌される生理的物質である。
•GLP-1注射薬は、糖尿病患者の新しい血糖降下薬として、期待さ
れている。
•糖尿病状態では、血糖-GLUT2 を介した膵
細胞からのインスリン
分泌は糖毒性により傷害されてきますが、GLP-1による膵
細胞か
らのインスリン分泌は、保たれている。
インクレチン
糖尿病では、GLP-1 分泌が障害されている 体内のGLP-1 は、DPP-4によって、短時間で分解される GLP-1 受容体作動薬 • リラグルチド (ビクトーザ ) • エクセナチド注射剤
DPP-4 阻害薬 • シタグリプチン (ジャヌビア ) • ビルダグリプチン (エクア ) • アログリプチン (ネシーナ )内服薬
® ® ® ®膵
β細胞のインスリン分泌機構
佐倉宏(東京女子医科大学):ホルモンと臨床 53 2 133-139 2005. SUR1 (膵タイプSU受容体) ATP感受性 Kチャネル 細胞膜脱分極 電位依存性 Caチャネル Ca2+ 細胞内Ca2+の増加 [ATP] ↑ [ADP] ↓ K+ グルコース ブドウ糖 糖輸送担体 (GLUT2) インスリン分泌 インスリン 分泌顆粒 TCAサイクルSU剤
cAMP GLP-1 受容体GLP-1
SU剤とGLP-1のインスリン分泌機構は異なるので、SU剤の2次無効症例にも有効-1.8 -1.6 -1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0
H
bA
1c
(%
)の変化
sitagliptin 100mg sitagliptin 200mgUSA
HbA1c (24W) <8.0% 8.0% to 9.0% ≥ 9.0%Japan
HbA1c (12W) 7.6% -1.05±0.2%Ashner P, Diabetes Care, 2006 Nonaka K, DRCP, 2008
-1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 -0.70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 -25 -20 -15 -10 -5 0 シタグリプチン 50mg 変化量 変化量 変化量 ボグリボース 0.6mg HbA1c値(%) 食後2時間血糖値(mg/dl) 空腹時血糖値(mg/dl) -0.30 -51.0 -32.2 -19.6 -8.9
日本人2型糖尿病患者に対するDPP-4阻害剤単独療法の効果
n=155 n=146 n=152 n=146 n=155 n=146 ベースライン 7.74 7.78 240.4 231.5 147.6 146.7 食事・運動療法にも関わらず十分な血糖コントロールが得られない日本人2型糖尿病患者319例を対象と して、シタグリプチン50mg1日1回または、ボグリボース0.2mg毎食前1日3回を12週間経口投与した。 承認時資料-1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 プラセボ群 -0.41 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 Hb A1c の変化量 (% ) ピオグリタゾン に併用 (n=134) Hb A1c の変化量 (% ) Hb A1 c の変化量 (% ) シタグリプチン群 0.40 プラセボ群 シタグリプチン群 プラセボ群 シタグリプチン群 0.30 -0.39 0.29 -0.47 メトホルミン に併用 (n=149) グリメピリド に併用 (n=138) ベースライン HbA1c値(%) 7.62 7.73 7.93 7.72 7.90 8.14 食事・運動療法に加えてピオグリタゾン、メトホルミン、または、グリメピリドの単剤治療で十分な血糖コント ロールが得られない日本人2型糖尿病患者を対象として、シタグリプチン50mg1日1回を12週間経口投与 した。尚、併用糖尿病薬は固定容量とした。 承認時資料
DPP-4阻害剤の多剤への併用効果
Method of administration
• Once-daily s.c. injection
• Select dose (0.6, 1.2 or 1.8 mg)
• Inject at any time, independent of mealtimes (preferably same time each day)
• Can use needles up to length of 8 mm and as thin as 32G
• Abdomen, thigh or upper arm
• Can change site and timing without dose adjustment
• Prefilled, disposable pen for s.c. injection
• Contains 18 mg liraglutide in 3 ml 0.6 mg selected 1.2 mg selected 1.8 mg selected
+1.6 24 -1.1 Glim, Met+Glargine -1.8 37 -1.3
Glim, Met+Liraglutide
BMI31 8.2 58 17 +2.1 22 -0.4 Glimepiride+Rosiglitazone -0.2 42 -1.1 Glimepiride+Liraglutide BMI30 8.4 56 26 +0.9 36 -1.0 Met+Glimepiride -2.8 42 -1.0 Met+Liraglutide 体重88.6 8.4 不明 26 +1.1 28 -0.5 Glimepiride -2.5 51 -1.1 Liraglutide BMI33 8.3 53 52 BMI (kg/m2) 体重 (Kg) HbA1c (%) 体 重 変化 (Kg) HbA1c<7% 達成率 (%) HbA1c 変化量 (%) 治療内容 Baseline 年齢 (歳) 観察 期間 (週)
GLP-1注射薬 (Liraglutide (ビクトーザ))の臨床効果
下田将司: Progress in Medicice, 28, 2008より改変インクレチン作用の特徴
食欲抑制(GLP-1のみ) 胃排出遅延(GLP-1のみ) 血糖 依存的 インクレチン療法で 期待されるメリット 低血糖のリスクが 少ない 膵保護* β α インスリン分泌促進 グルカゴン分泌抑制 (GLP-1のみ) β細胞量増加* 体重減少 (GLP-1のみ) *非臨床試験でのみ確認されている 膵作用 膵外作用 βSchemitz O: J Clin Endocrinol Metab 93, 375-377, 2008
DPP-4=dipeptidyl peptidase-4 インクレチン 活性の維持 DPP-4阻害薬 インスリン グルカゴン 血糖コントロール改善 膵島機能改善 インクレチン 反応の低下 2型糖尿病 インスリン グルカゴン 高血糖 膵島機能悪化
インクレチンによる膵島機能の改善
グルコース グルコースインスリン分泌を増加させ、グルカゴンの過剰分泌を抑制する
スルホニル尿素薬 速効型インスリン分泌促進薬
従来の経口血糖降下薬の作用:
多彩な要因に対する治療の必要性
グルカゴン 過剰分泌 β細胞機能 の低下 チアゾリジン薬 ビグアナイド薬 グルコース 吸収 α-グルコシ ダーゼ阻害薬 インスリン抵抗性 (インスリン作用の障害) 膵島機能障害 インスリン 分泌低下2型糖尿病歴と膵β細胞機能低下
Lebovitz H.E.:Diabetes Reviews,7,139,1999.より改変
100 75 50 25 0 -12 -10 -6 -2 0 2 6 10 14 (年数)
膵
細胞機能(
%
)
IGT 食 後 高血糖 糖尿病 第2期 糖尿病第3期 糖尿病 第1期糖尿病の診断
糖尿病患者の膵細胞機能自然歴膵
β細胞機能
=正常の50%
β細胞複製 ビルダグリプチン コントロール ビルダグリプチン ビルダグリプチン β細胞アポトーシス β細胞量 ビルダグリプチン 60mg/kg 生後21日目 コントロール インスリン陽性細胞 生後7日目 生後21日目
Duttaroy A, et al: Diabetes 54(Suppl1), A141 Abstract 572-P and poster presented at ADA, 2005
コントロール コントロール 方法:生後2日目のラットにビルダグリプチン60mg/kgまたは蒸留水(コントロール)を1日1回19日間反復経口投与し、膵臓の組織切片 の免疫組織化学的検討および形態計測を行った。β細胞の複製はBrdU抗体、アポトーシスはTUNEL法で検出し定量した。 β細 胞量は、膵臓全体における膵島のインスリン陽性細胞の面積比に、膵臓の重量を乗じて推定した。 p<0.05 0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 陽 性 細 胞 p=0.001 0 20 40 60 80 100 120 ア ポ ト ー シ ス 細 胞 p<0.05 (μ㎡×105) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 (mg) β 細 胞 量
DPP-4阻害剤の膵β細胞量増加作用(ラット)
(μ㎡×105) 生後7日目 mean±S.E. 各群n=6 2標本t 検定 BrdU100 75 50 25 0 -12 -10 -6 -2 0 2 6 10 14 (年数)
膵
細胞機能(
%
)
IGT 食 後 高血糖 糖尿病 第2期 糖尿病第3期 糖尿病 第1期糖尿病の診断
糖尿病患者の膵細胞機能自然歴 膵細胞を守る治療を考慮した場合の膵細胞機能 GLP-1, DPP-IV阻害薬による介入2型糖尿病歴と膵β細胞機能低下
Drucker DJ: Cell Metab 3, 153-165, 2006
Drucker DJ, et al: Lancet 368, 1696-1705, 2006より作成、改変
脳 心臓 肝臓 筋肉 消化管 胃 膵臓 GLP-1 糖産生
GLP-1の作用 (臓器保護効果)
胃内容物排出 胃酸分泌 神経保護? 食欲 インスリン合成 β細胞増殖 β細胞アポトーシス インスリン分泌 グルカゴン分泌 インスリン感受性 心保護 心拍出量 眼(網膜) 血管 動脈硬化?Timmers L, J Am Coll Cardiol.;53(6):501-10, 2009
Li Y et al. PNAS 2009;106:1285-1290
©2009 by National Academy of Sciences
26
Case 1 80歳男
(SU剤2次無効でのDPP-4阻害剤著効例)
身長160cm, 体重52kg, BMI 20.3kg/m
2糖尿病(2型)(10年前~)+腎症2期+神経症
高血圧
糖尿病内服薬を種々変更するも糖尿病コントロールは
長期不良(HbA1c 9-10%)で、最近は、グリミクロン
80mg+メトホルミン750mgを服用で、HbA1c9.1%で、
SU剤の2次無効状態であった。インスリン治療(BOT)を
進めるも同意が得られなかった。
27 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
HbA1c (%
)
グリミクロン80mg +メトホルミン750mg グリミクロン40mg +メトホルミン750mg +ジャヌビア50mg28
Case 2 63歳男
(SU剤2次無効でのDPP-4阻害剤著効例)
身長165cm, 体重73kg, BMI 26.8kg/m
2糖尿病(2型)(8年前~)+神経症
高血圧
糖尿病内服薬を種々変更するも糖尿病コントロールは
長期不良(HbA1c 9-10%)で、最近は、グリミクロン
160mg+アクトス30mg+メトフォルミン750mg+ベイスン
0.9mgを服用で、HbA1c9.1%で、SU剤の2次無効状態
であった。インスリン治療(BOT)を進めるも同意が得ら
れなかった。
29 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
H
bA1c (%
)
グリミクロン160mg +メトホルミン750mg +アクトス30mg +ベイスン0.9mg グリミクロン40mg +メトホルミン750mg +アクトス30mg +ベイスン0.9mg +ジャヌビア50mg30
Case 3 77歳男
(DPP-4阻害剤単剤著効例)
身長165cm, 体重47kg, BMI 17.3kg/m
2糖尿病(2型)(5年前~)
出血性脳梗塞で脳外科入院中
高血圧
アルコール性肝障害
出血性脳梗塞で脳外科入院時、糖尿病コントロール不良
のため、内科依頼。
初診時 HbA1c 9.2%
糖尿病内服治療歴なし
6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 4月 5月 6月 7月 8月 9月
HbA1
c (%
)
ジャヌビア50mg開始
Case 4 76歳女
(DPP-4阻害剤による重症低血糖例)
糖尿病(2型)(20年前~)+網膜症+腎症4期
高血圧
慢性心不全
10年前よりインスリン導入、今までは、ノボラピッド
30mix30-14単位で試行していたが、低血糖を繰り返す
ようになり、 30mix20-10単位に変更。その後も低血糖
の繰り返しあり、ランタス8単位に変更したが、低血糖を
繰り返すため、紹介。
インスリン抗体(-), ACTH, コルチゾール正常来院時 HbA1c 5.4%, BS 290mg/dl, BUN 16.5mg/dl, Cre 1.1mg/dl 抗GAD抗体<1.4, S-CPR 2.4, CPI index 0.83
アマリール1mg 朝前 昼前 夕前 就寝前血糖値 3/10 271 -371 -322 -288 3/11 225 -362 -260 -301 アマリール1mg+アクトス15mg 3/12 254 -325 -261 -318 3/13 229 -328 -224 -285 3/14 180 -251 -256 -272 アマリール2mg+アクトス15mg 3/15 184 -257 -252 -268 3/16 147 -226 -230 -254 3/17 190 -226 -201 -216 アマリール2mg+アクトス15mg+ジャヌビア50mg 3/18 168 -259 -164 -212 3/19 110 - 97 -76 -66 -81 内服すべて中止 3/20 39 -45 -142 -122 -35 -45 -151 -46 -115 -26 3/21 128 -29 -61 -47 -87 -20 -103 -39 -28 -113 -79 -49 -167 3/22 69 -167 -51 -141 -102 -290 -325 3/23 378 -397 -385 -355 アマリール2mg 3/24 302 -355 -337 -339 3/25 237 -338 -282 -269 3/26 176 -264 -281 -285
34 症例 年齢 性 シタグリプチン 投与量 併用血糖降下薬 投与開始時中 止薬 投与開始後 低血糖発現日 低血糖発現時の 血糖値 転帰 1 50歳代 女 50mg グリメピリド2mg/日 メトホルミン750mg/日 - 2日目 40mg/dl 回復 2 90歳代 女 50mg グリメピリド6mg/日 ブホルミン150mg/日 ミグリトール 2日目 42mg/dl 回復 3 80歳代 男 50mg グリクラジド120mg/日 ボグリボース 2日目 ? 回復 4 80歳代 女 50mg グリメピリド6mg/日 ピオグリタゾン30mg/日 - 4日目 23mg/dl 回復 5 60歳代 女 50mg - ナテグリニド 4日目 53mg/dl 回復 6 60歳代 男 50mg グリベンクラミド5mg/日 - 4日目 ? 回復 7 60歳代 女 50mg グリメピリド7.5mg/日 メトホルミン250mg/日 - 5日目 58mg/dl 回復 8 70歳代 男 50mg グリメピリド6mg/日 メトホルミン500mg/日 ピオグリタゾン30mg/日 アカルボース300mg/日 - 5日目 30mg/dl 回復 9 80歳代 男 25mg - グリメピリド 10日目 51mg/dl 回復 10 80歳代 女 50mg グリメピリド4mg/日 ボグリボース0.6mg/日 - 17日目 ? 軽快 11 70歳代 女 50mg グリメピリド3mg/日 ボグリボース0.6mg/日 - 21日目 24mg/dl 回復 12 80歳代 女 50mg グリメピリド3mg/日 ミグリトール150mg/日 - 約1カ月目 33mg/dl 回復 13 年齢不明 男 50mg グリメピリド6mg/日 インスリン 34日目 25mg/dl 回復