[大崎市防災キャンプ]
【実践の概要】
1 ねらい
・東日本大震災直前に作成した「安否確認・情報収集・伝達マニュアル」について,学校との連携
が不十分だった点を再度見直し,児童の安否も含め,地区内の安否確認訓練を行うことで,今後
起こりうる災害に十分に対応できるような地域の防災力を高めていく。
・平成 26 年度から学社連携で行っている「こども防災教室」で子供達が学んだ防災プログラムの
実践や新しい体験活動等を通し,非常時に,子供達及び地区民が,主体的に考え,周囲と協力し
て活動できる力を養う。
2 実施期日及び場所
(1)期日 9月15日(木)午前9時30分~午前11時
場所 (株) 積水ハウス東北工場
こども防災特別編「探してみよう!危険なトコロ・やってみよう!避難所つくり」
(2)期日 11月13日(日)午前8時30分~午後1時
場所 清滝小学校体育館・清滝地区公民館・各地区集会所
「きよたき防災デイキャンプ」
3 参加対象・人数
(1)清滝小学校3,4年生児童14名他 地域関係者,あわせて 31名 参加
(2)清滝小学校児童・保護者・自主防災組織を中心とした地区民等 150名 参加
4 運営体制と実施計画
(1)防災デイキャンプ実行委員会
・清滝地区振興協議会会長 (実行委員長) ・清滝小学校校長(教頭)
・清滝地区区長会会長 ・清滝小学校PTA会長
・各区自主防災組織会長 (各区行政区長) ・清滝小防災主任(3.4年生担任)
・大崎社協清滝支部長 ・古川清滝地区公民館長
・消防団分団長 ・古川清滝地区公民館職員 (庶務補佐)
・婦人防火クラブ正副会長(応急手当普及員含む) ・大崎市生涯学習課職員 (事務局会計)
・清滝地区振興協議会庶務 (事務局庶務) ・中央公民館職員
(2)関連団体・協力団体
所属名 活動内容 所属名 活動内容
地区自主防災組織 安否確認訓練等 ㈱積水ハウス東北工場 防災プログラム研修指導
段ボールハウス貸出
清滝小学校PTA 事前アンケート
配布・回収協力
地区婦人防火クラブ 応急手当・AED訓練補助
受付補助
大崎社協古川支所 体験プログラム指導 大崎市防災安全課 防災事業全般協力
古川消防署 AED 訓練・煙体験指導 消防団清滝分団 煙体験指導
北部教育事務所 講師紹介等 ㈱古川ポンプ 非常食・防災グッズ展示
宮城シマダヤ㈱ 非常食協賛 自衛隊大崎地方事務所 パネル展示資料協力
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NPO 法人
ハッピィート大崎
パッククッキング指導 東北福祉大学
ボランティア支援課&
学生ボランティア
防災プログラム指導
中央公民館 プログラム立案等
アドバイス
パッククッキング補助
生涯学習課 プログラム立案等
アドバイス
パネルディスカッション補助
(3)実施計画
5 プログラム内容
(1)地震の揺れや実際の家を使っての危険箇所探し,段ボールを使っての避難所づくり
(2)学校の児童の安否確認を含む「清滝地区安否確認・情報収集・伝達マニュアル」を使った
地区ごとの安否確認訓練,「こども防災教室」での学習成果や(1)の学習を応用した避難所
づくり(子供達が考えた段ボールハウス・煙ハウス体験・防災カルタ・サバ飯・パック料理・
炊き出し他)等の青少年と保護者の体験活動
月 日 内 容 (敬称略)
4月11日 「こども防災教室」今年度事業打合せ
(出席者 清滝小学校教頭・3,4 年担任(防災主任・大崎社協古川支所・
市生涯学習課・北部教育事務所社教主事・清滝地区公民館)
※防災キャンプを特別編として今年度事業に加えることを決定
6月16日 地区振役員会にて今年度の「防災訓練」を拡大し,「防災キャンプ」として実施する
ことについて,概要説明と自主防災組織等への協力依頼
7月 7日 第1回防災デイキャンプ実行委員会
(主にねらい・日時の決定・今後のスケジュール・内容の検討)
8月 5日
※学校夏休み中
第1回「こども防災教室 特別編」についての打合せ・踏査
※色麻町 積水ハウス東北工場(※小学校・公民館)
8月21日 防災キャンプについての小学校PTAへの事前アンケート調査回収
9月 7日 第2回清滝防災デイキャンプ実行委員会(詳細プログラム決定等)
「安否確認マニュアル改訂」についての検討会議
9月15日 第1回「防災キャンプ(こども防災教室 特別編)」開催
※色麻町 積水ハウス東北工場
※参加 清滝小学校3,4年生・小学校・公民館・社協・PTA 会長等
10月26日 第3回清滝防災デイキャンプ実行委員会(詳細プログラム・当日役割分担決定等)
11月13日 第2回「きよたき防災デイキャンプ」開催
12月 8日 第4回清滝防災デイキャンプ実行委員会(振り返り)
※振り返り後,「安否確認マニュアル改訂版」と「防災メモ」を地区へ配布
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【本キャンプ実施にあたっての「しかけ」
】
1 公民館から学校・地域への働きかけ
・学校⇔公民館⇔行政の連携
平成25年度に北部教育事務所の研修会で,社教主事の先生の提案プログラムを知った
のがきっかけです。北部教育事務所に学校との間を,中央公民館に大崎社協古川支所と
の間をつないでもらい,思いを伝え,3者で合同会議を開催し,「こども防災教室」の
開催にこぎつけました。 以来,小学校 3,4 年生の総合学習等の授業として合同で開
催しています。今回は,4 月の「こども防災教室」の年間打合せの際に公民館から提案,
特別編として組み入れました。
市生涯学習課は,中央公民館とともに,計画段階から参加して全面的にバックアップし
ていただきました。特に,講師の紹介,全体の実施計画などへのアドバイスが大変助か
りました。
・プラス地域の連携
毎年マニュアルにそった行政区単位の安否確認訓練を行ってきており,3.11 の時は,安否
不明者を自主防災組織で他の避難所を回って探し出したほどの団結力がある地区です。
今回は,指定管理者である地区振(町内会組織)が,報告により公民館事業の「こども防
災教室」の普段の活動を知っていたため,公民館からの提案に,スムーズに対応,地域各
団体に働き掛けて,地区振を中心とした実行委員会の組織ができました。
・児童と地域住民の連携と日頃の取り組み
地区の各種コミュニティ事業や学校行事,公民館教室への,児童,保護者,来賓として
の出席も含め各種団体役員の参加率が非常に高く,地区として「子供」をとても大事に
しております。顏を合わせる機会が多いので,自然と連携できる素地ができているよう
に思います。
また,学校と公民館は,普段からお互いに気軽に行き来しており,PTAや子供会育成会
の若い世代と公民館も共催事業を通して,協働関係が出来ています。
2 子どもたちや地域の方々の姿
・第 1 回目に積水ハウスで学んだ既製品の段ボールハウス作りを,担任の先生とそ
の後の授業で,身近にある段ボールを利用して耐久性等も工夫するなどして,デ
イキャンプまでに作り直し,お仕着せでない,自分達で考える学習となりました。
また,「こども防災教室」で 2 年間かけて作った防災カルタも,地域の方や保護
者と共に行い,遊びながら防災に関する意識を高めるよい機会となりました。
子供達は,学習した成果が実際に役立つのを感じ,達成感を感じたと思います。
子どもたち
・今までにない形での体験型キャンプで,防災に対しての意識が高まった,良い
企画だった,継続して行ってほしいとの意見が多く見られました。
・各地区自主防災組織は,世帯の児童の安否確認も含めて行うという,責任ある大
仕事を引き受けて,真剣に取り組んでくれました。いろいろと課題も見えましたが,
地域の防災を担っていく大きな力であると感じました。
・小学校PTAは,今回影の主役で,学校PTA行事等で忙しい中,事前アン
ケートの配布,回収や,当日の参加の声掛け等に尽力してくれました。
地域の方々
[大崎市防災キャンプ]
3 活動の成果,課題や今後の展望(○・・・成果,▲・・・課題)
○「防災キャンプ」に取り組んだことで,学校と公民館,社協などの協力団体のみで行っていた学社
連携事業「こども防災教室」が,地域を巻き込むことにより,一段と大きな発展的な学習となり
ました。
○ 社協,NPO,企業,大学生のボランティアなど,多くの専門的な経験とノウハウを持つ方々に,
体験的なプログラムの指導をお願いしたことで,子供達,保護者,地域住民共に,楽しく,有意義
に防災について学ぶことができました。
○ 実行委員会を組織したことで,地区振,自主防災組織他,学校,役所,PTA等,普段集まって
話すことの少ない団体が,一つの目的に向かって話合いを行い,協力して活動を行うことができ
ました。 今までにないことであり,大きな成果です。
○ 防災キャンプをきっかけに,平成 22 年度に作成した「防災マニュアル」についてもう一度見直す
事ができ,不足部分はつけ足し,より大事な情報は,「防災メモ」として,もう一度毎戸にわかり
やすい形で配布し直すことができました。
▲ 児童の安否確認は,実際に行ってみると,各地区自主防災組織の全戸確認が終わってからの報告
では,時間がかかりすぎ,効率的でないとわかりました。今後は,安否確認方法の効率化に努め
ると共に、学校は,地区の対策本部と,早く入ってきた情報を共有しつつも,自らも独自に児童の
安否確認に回り,またそれを地区と共有する方向に変えていくこととなりました。
▲ 半日に内容を盛り込みすぎたので体験にかける時間が長くとれず,アンケートで,時間がなく全部
まわれなく残念という意見がありました。内容を絞る必要がありました。
<活動の様子 写真など>
行政区集会所で安否確認報告の様子 地区の防災対策本部での学校との情報共有の様子
モデルハウスでの危険個所探し(講師 積水ハウス) 段ボールハウスの組み立ての様子
[大崎市防災キャンプ]
アルミ缶を使ったサバ飯作り(講師 社協職員) AED訓練(講師 消防署)
防災カルタで遊ぶ様子 パッククッキングを体験 (講師 NPO)
自分達で考えた段ボールハウスの組み立て みんなでさんあい体操(講師 福祉大ボランティア)
4 今後のプログラム展開と可能性
今後も,学校との「こども防災教室」は続けていきたいと思いますが,今回,消化しきれなかった
防災に関するいろいろな情報をもう一度吟味し,非常時に,覚えておくと役立つ知識や技術を子供
達に継続的に学んでもらう事で,「教育」という名前の防災スキルを,地域に備えたいと思います。
そのスキルは,どこにいても誰といても役立ち,決してなくならないものだと思います。
また,せっかくつないだ地域と学校との絆,協力いただいた団体とのご縁をもっと深めていけるよ
う,内容を深化させた共同の防災訓練や,防災プログラムの実施を考えていきたいです。
[大崎市防災キャンプ]
【「地域防災力」を高めるための三者連携の今後の在り方について】
「防災」というキーワードは,立場は違えど,地域,学校,行政,それぞれに,共通の課題として
協議できるものだと思います。
今,私たちのように指定管理を請け負っている公民館は,半民,半官の立場なので,どちらの立場
も理解でき,間に立つのはとても向いていると思います。公民館がつなぎ役を担い,お互いの立
場を理解して,話し合いと実践を重ねることが,円滑に三者が連携して,地域防災力を高めるカ
ギになると思います。
ただし,立場が違うと,一つの事を決めるのにも合意形成が簡単にはいかないので,時間をかけて
話し合うことが必要です。地域,学校,行政が,情報も含めそれぞれの強みを持ちより,相手を
信頼し,部分的には,完全に任せてしまう事も大事な要素だと思います。
また,当地区のように面積は広いですが,人口規模の小さい地区は,実際の災害の際には,自分
や家族の安全確保(自助)・歩いて回れる隣近所の助け合い(小さい共助)で手一杯で,地域全
体の安全確認や避難所の運営(大きな共助)までは中々手が回らないことも考えられます。
そういった場合にも備え,地区や学校,公民館は,行政はもちろん,社協やNPO,ボランティア
の組織の方々等とも,平時から積極的に関わり門戸を開いておくことで,非常時の際に,助けにき
て下さった方々との関わり方がわからず困ることのないように備えておくべきだと思います。
【「地域防災力」を高めるためのリーダーの在り方,役割について】
災害がいつ起きるかわからない状況の中,普段の地域のリーダーが,必ずしもその場にいる
とは限らないです。
また,子供達も,必ずしも保護者や学校の管理下にいるときに災害がおきるとは限らないです。
よって,災害が起きた時,子供も大人も,その場にいる人同士で協力して,困難な状況を乗り
切る術を身につけたほうが良いと思います。
リーダーも部門ごとにたくさんいても良いと思います。また子供が,リーダーになっても良い
と思います。子供達に沢山防災について学んでもらい,率先避難者ならぬ,地域の率先子供防災
士になってもらいたいと思います。地区の大人は,外からの沢山入ってくる情報を取捨選択して,
一番良い方法をその場にいる人と相談,協力して選べるような訓練も,自分がリーダーにならざ
るを得なくなったときに備えて,平時に行っておくとよいかと思います。