ISO 22000:2005
食品安全管理システム:食料提供網のあらゆる組織の要件 (仮訳)鹿児島大学名誉教授 岡本嘉六 訳注:ISO22000 の全文は有料(138 スイスフラン)で販売されている。し たがって、ウェブ上に公開することは著作権違反になる。ここに翻訳した部分 は、ISO ホームページに掲示されている最初の一部であり、購入促進のための ものであり、下記の警告が付されている。ここに翻訳する意図も同じであり、 全文をお読みください。 ――――――――――――――――― 規格のこの部分はあなたには利用できない。全ての内容を閲覧するために は、「購入」ボタンをクリックして、規格を購入する必要があります。 はじめに ISO(国際標準化機構)は、国の標準組織(ISO 加盟組織)の世界的連合体 である。国際規格を準備する作業は、通常はISO 技術委員会(TC)を通して行 われている。技術委員会が設置された課題に興味を持った各加盟組織は、その 委員会に公式代表となる権利を持っている。ISO と関係を持つ国際機関、政府 および非政府組織もこの作業に参加する。ISO は、電気技術の規格の全ての事 案に関して国際電気標準会議 (IEC)と密接に連携している。 国際規格は、ISO/IEC 指令パート 2 に規定された規則に従って起草される。 技術委員会の主な仕事は、国際規格を準備することである。技術委員会によ って採択された国際規格草案は、投票のため加盟組織に回される。国際規格と しての公開は、投票した加盟組織の少なくとも75%の承認を必要とする。 この文書の一部の要素が特許権の対象となり得る可能性に注意が必要であ る。ISO はそのような特許権の一部や全てを特定する責任を決して持っていな い。 ISO 22000 は、技術委員会 ISO/TC 34 食料製品によって作成された。 緒言 食品安全は、消費時点(消費者による喫食)の食品における食品媒介性の危 害の存在と関連している。食品安全上の危害の発生は食料供給網のどの段階で も起き得ることから、食料供給網全体の適切な管理が不可欠である。したがっ て、食品安全は食料供給網に参加している全ての組織の合同の努力を通して確 保される。 食料供給網内の組織は、飼料生産者と第一次生産者から、食品製造業者、輸 送と保管業者および下請業者を通して(設備、包装資材、洗浄剤、添加物と原 料の生産者など相互に関連する組織とともに)、小売業者と食品販売者までに及んでいる。サービス提供者も含まれる。 この国際規格は、最終的喫食時点までの食料供給網に沿った食品安全を確保 するため、一般的に認められている以下の鍵となる要素を結びつける食品安全 管理システムの要件を特定している。 ● 双方向性コミュニケーション ● システム管理 ● 前提プログラム ● HACCP の原則 食料供給網に沿ったコミュニケーションは、関連する食品安全上の全ての危 害が食料供給網内の各段階において特定され、適切に管理されるよう確保する ことが基本である。このことは、食料供給網の上流と下流の組織の間における コミュニケーションを意味する。特定された危害および制御措置について顧客 と供給者とのコミュニケーションは、顧客と供給者の要求事項の明確化を助け る(たとえば、それらの要求事項の実現可能性と必要性および最終製品への影 響に関して)。 食料供給網内の当該組織の役割と立場の認識は、最終消費者へ安全な食料製 品を届けるために食料供給網を通した効果的な双方向性コミュニケーションを 確保するために不可欠である。食料供給網の利害関係者間のコミュニケーショ ン窓口の例を図1 に示してある。
図1.食料供給網内のコミュニケーションの例 注:この図は、供給者と消費者の直接取引による食料供給網の相互コミュニケ ーションの種類を含んでいない。 最も効果的な食品安全システムは、組織化された管理システムの枠組みの中 で確立、運用および更新され、組織の全体的管理活動に組み込まれる。これは、 組織と関係者に最大の便宜をもたらす。この国際規格は、二つの規格の両立性 を高めるためにISO 9001 と調整されている。この国際規格と ISO 9001 の間の 相互参照は、付属文書A に規定されている。 この国際規格は、別の管理システム規格とは独立して適用できる。その実施 は、この国際規格を満たす食品安全管理システムを確立するために、既存の管 理システムを活用する場合に、既存の関連する管理システムと調整または統合 することができる。 この国際規格は、Codex 委員会によって開発された危害解析必須管理点 (HACCP)システムの原則および適用手順を統合している。監査可能な要件を 用いて、HACCP 計画と前提条件プログラム(PRP)を結びつける。危害解析 の実施は組織において制御措置の効果的組み合わせを確立するため求められる 知識の助けになることから、危害解析は効果的な食品安全管理システムの鍵で ある。この国際規格は、処理工程と使用する設備の種類に関連する危害を含め
て、食料供給網で起きることが合理的に予測される全ての危害が特定されて査 定されることを求めている。したがって、特定された危害を組織が何故制御す る必要があるのか、それ以外について何故必要がないのかを判定して文書化す るための方法をこの文書は提供している。 危害解析を通して、PRP と HACCP 計画を結びつけることによって、危害 の制御を確保するための戦略を組織が決定できる。 Codex 委員会の HACCP 原則と適用手順(参考文献 11)とこの国際規格と の間の相互参照は、付属文書B に記載されている。 この国際規格の適用を促進するため、これは監査可能な規格として策定され た。ただし、個々の組織は、この国際規格の要件を満たすための必要な方法と 取組み方を自由に選ぶことができる。この国際規格の実施に関して個々の組織 を手助けするため、使用の手引きがISO/TS 22004 に提供されている。 この国際規格は、食品安全に関連する側面のみの取組みを意図している。こ の国際規格に規定されているものと同様の取組み方は、その他の食品の特定側 面(たとえば、倫理的側面、消費者の注意喚起)に対して組織して対応するた めに利用することができる。 この国際規格は、組織(小規模な未発達の組織など)が外部で策定された制 御措置との組合せを実施することも容認している。 この国際規格の目的は、食料供給網内の産業界に対して食品安全管理の国際 水準の要件を調和させることにある。とりわけ、法律で一般的に求められる以 上に的を絞った、整然とした統合された食品安全管理を求める組織によって適 用されることを意図している。これは、組織が、自らの食品安全管理システム を通して、法律と規則の要件と関連した適用可能なあらゆる食品安全に適合す ることを求めている。 1.適用範囲 この国際規格は、食品がヒトの喫食時に安全であることを確保するため、食 料供給網の組織が食品安全上の危害を管理する能力を証明する必要がある場合 に、食品安全管理システムの要件を特定するものである。 これは、食料供給網のあらゆる側面に関与し、安全な詩品を恒常的に提供す るシステムを実施することを望む全ての組織に、規模の大小にかかわらず、適 用可能である。この国際規格のあらゆる要件を満たす手段は、内部的および外 部的な資源の利用を通して達成できる。 この国際規格は、組織が以下のことをできるための要件を特定している。 a) 意図した使用に従う限り、消費者に安全な製品を提供することを目的と する食品安全管理システムを計画、実施、運用、維持および更新する
b) 適用可能な法律と規則の食品安全要件についての適合性を証明する c) 顧客の満足度を高めるため、顧客の要求を評価・査定し、食品安全と関 連する相互に合意した顧客の要求についての適合性を証明する d) 食料供給網における供給者、顧客および関連する関係者に対して食品安 全問題を効果的に情報交換する e) 組織が宣言した食品安全方針を遵守していることを保証する f) 関連する関係者に対してそのような適合性を証明する、ならびに g) 食品安全管理システムを外部の組織による認証や登録を求めるか、また は、この国際規格への適合性を自己査定して自己宣言する。 この国際規格の全ての要件は、包括的であり、規模や複雑性に関わりなく、 食料提供網の全ての組織に適用できることを意図している。これには、食料提 供網の一段階以上に直接または間接的に関わっている組織も含む。直接関わっ ている組織には、食料生産者、収穫者、農業者、食品成分製造業者、食品製造 業者、小売業者、食品事業者、仕出し業者、ならびに、洗浄消毒、輸送、保管 および配布の業務を提供する業者が少なくとも含まれる。間接的に関わってい る組織には、設備、洗浄剤・消毒剤、包装材、およびその他の食品と接触する 資材の供給者が少なくとも含まれる。 この国際規格は、小規模あるいは未発達な組織(たとえば、小規模農家、包 装・配布業者、小規模小売店、食品直販者)などの組織が、外部で策定された 管理措置の組合せを許容する。 注:この国際規格の適用の手引きは、ISO/TS 22004 にある。 2.引用規格 以下の参考文献は、この文書の適用に不可欠である。発刊日付の文献は、引 用された版のみが有効である。発刊日が付いていない文献は、参考文献の最新 版が有効である(あらゆる改正を含む)。 ISO 9000:2000; 品質管理システム、基礎および用語 3.用語と定義 この文書において、用語と定義は、ISO 9000 および以下に規定されている。 この国際規格の利用者の便宜のため、ISO 9000 の定義の一部を、この特別 な適用に限って利用可能な注釈を加えて引用する。 注:用語は、一般の辞書の定義のままの場合は再定義されない。定義に太字 が用いられている場合、本節の別の用語定義との相互参照を示しており、用語 の参照番号は括弧で与えられている。
3.1 食品安全 意図した使用に従って調理および喫食された時に、消費者に危害を及ぼさな いという概念。 注1:参考文献[11]から採用 注2:食品安全は、食品安全上の危害(3.3)の発生と関連し、たとえば、栄養 失調などと関連するその他の健康上の側面を含まない。 3.2 食料供給網(food chain) 第一次生産から消費までの食品および食品成分の生産、加工、流通、保管お よび取り扱いに含まれる段階や作業の繋がり。 注1:これには、食用動物および食料生産のための動物に供する飼料の生産 を含む。 注2:食料供給網には、食品または生の材料に接触する機材の生産も含まれ る。 3.3 食品安全上の危害 健康への悪影響をもたらす可能性がある食品の生物学的、化学的または物理 的因子、あるいは食品の状態。 注1:参考文献[11]から採用 注2:「危害(hazard)」という用語は、食品安全の文脈において「リスク (risk)」と取り違えてはならない。リスクは、特定の危害に暴露された時の健 康への悪影響(たとえば病気になる)の可能性とその影響の重篤度(死亡、入 院、休業など)の積を意味する。リスクは、危害の発生の可能性とその危害の 重篤度との組合せとして、ISO/IEC Guide 51 に定義されている。 注3:食品安全上の危害にはアレルゲンを含む。 注4:飼料と飼料成分の流れにおいて、該当する食品安全上の危害は、飼料 と飼料成分に存在する可能性があり、それらを動物が食べることで食品に移行 する可能性があり、その結果としてヒトの健康に悪影響を引起す可能性がある ものを言う。飼料と飼料成分の直接的取扱い以外の流れにおいて(たとえば、 包装資材の生産、洗浄剤など)、該当する食品安全上の危害は、規定された生産 物や業務の意図した利用のために直接的または間接的に移行されることがあり、 その結果としてヒトの健康に悪影響を引起す可能性があるものを言う。
3.4 食品安全方針(food safety policy)
食品安全(3.1)と関連する組織の、筆頭管理者によって公式に表明された包括 的な意思と指示。
3.5 最終製品(end product)
組織によってそれ以上加工や成形されない製品。
れでは最終製品であり、第2の組織の流れでは原材料や成分である。 3.6 流れ図(flow diagram) 生産段階の繋がりと関連性の系統的な概要図。 3.7 制御措置(control measure) 食品安全上の危害(3.3)を予防または排除するか、あるいは許容レベルまで減 らすために利用可能な<食品安全>の行為や活動。 注1:参考文献[11]から採用 3.8 前提プログラム(PRP; prerequisite programme) 安全な最終製品(3.5)およびヒトの消費にとって安全な食品を生産、取扱いお よび提供するのに適した食料供給網(3.2)を通して衛生的環境を維持するために 必要な<食品安全>の基礎的状態と活動 注1:必要とされるPRP は、組織が操業する食料供給網の部分、ならびに 組織の種類(付属資料 C 参照)に依存している。同等の用語の例として、適正
農業活動(GAP; Good Agricultural Practice)、適正獣医療活動(GVP; Good Veterinarian Practice)、適正製造活動(GMP; Good Manufacturing Practice)、 適正衛生活動(GHP; Good Hygienic Practice)、適正生産活動(GPP; Good Production Practice)、適正流通活動(GDP; Good Distribution Practice)、な らびに適正貿易活動(GTP; Good Trading Practice)がある。
3.9 操業前提プログラム(operational PRP; operational prerequisite programme)
食品安全上の危害(3.3)の侵入の可能性を制御するか、あるいは、生産物や処 理環境における食品安全上の危害(3.3)の汚染や増幅を制御するための基本とし て、危害解析によって特定されたPRP (3.8)。
3.10 必須管理点(CCP; critical control point)
制御が適用可能な<食品安全>の段階で、食品安全上の危害(3.3)の予防や排 除、あるいは許容レベルまで減らすために不可欠な段階。 注1:参考文献[11]から採用 3.11 許容限界(critical limit) 許容と非許容を分ける基準。 注1:参考文献[11]から採用 注2:許容限界は、CCP (3.10)が制御下にあるかどうかを判定するために設 定される。許容限界を超えるか破った場合、影響を受けた生産物は安全でない 可能性があると見做される。 3.12 監視(monitoring) 制御措置(3.7)が意図した通りに作動しているかどうかを査定するための観 察や測定の計画された反復進行を実施すること。
3.13 是正(correction) 発見された非適合を排除するための活動。 出典:ISO 9000:2000、定義 3.6.6 注1:この国際規格の目的において、是正は安全でない可能性がある生産物 の取扱いと関連しており、したがって、是正活動(3.14)と結びつけて使用される。 注2:是正は、たとえば、再処理、さらなる処理、あるいは非適合の悪影響 の排除(別の用途のため廃棄、特別な標識をするなど)の方法がある。 3.14 是正活動 発見された非適合またはその他の望ましくない状況の原因を排除する活動。 注1:一つの非適合に対して一つ以上の原因があることもあり得る。 出典:ISO 9000:2000、定義 3.6.5 注2:是正活動には原因の解析が含まれ、再発防止策が取られる。 3.15 妥当性確認(validation) HACCP 計画と操業 PRP (3.9)によって管理された制御措置(3.7)が有効であ る証拠を得る<食品安全> 注1:この定義は、参考文献[11]に基づいており、ISO 9000 の定義よりも 食品安全(3.1)の現場に適している。 3.16 検証(verification) 特定された要件が満たされている客観的証拠の提供を通した確認。 出典:ISO 9000:2000、定義 3.8.4 3.17 更新 最新情報の適用を確保するための迅速かつ計画された活動。 規格のこの部分はあなたには利用できない。全ての内容を閲覧するためには、 「購入」ボタンをクリックして、規格を購入する必要があります。