資
料
粘 土 鑛 物 の 鑛 物 學 的 性 質(1)
須
藤
俊
男
(1)序 言 鑛 物 の特 性 は,規 則 正 しい 外 形 と内部 構造 と,一 定 の 化 學 組 成で あ る こ とは周 知 の事 實 で あ るが,鑛 物 の 中 に は非 常 に 微 細 な結 晶片 の 集 合 とな つ て 産 す る ものが あ る こ と も周 知 の 事實 で あ る。 この 種 の鑛 物 を こ こで は 「微 細 鑛 物 」 な る名 稱 で 總 稱 する。 微 細 鑛 物 は あ らゆ る種 類 の鑛 物 の 中 に見 られ, その 分布 は大 きい結 晶 を な し て 産 す る鑛 物 の 分 布 よ りも 廣 い 。即 ち一般 に 二次 的 鑛 物 とか,又 は後 生鑛 物 とか云 はれ る 種 類 の鑛 物,水 成岩 を構 成 す る鑛 物,粘 土,土 壤 を構 成 す る 鑛 物 等 何 れ も大部 分 が 微 細 鑛 物 で あ る。 又 この 微 細 鑛 物 に は 大 きい結 晶 をな す鑛 物 に見 られ ぬ 興 味 あ る諸 性 質 が あ る。 例 へ ば 強い鹽 基 置換 能 力,又 は テ イキ ソ トロ ピー(Thixotropy) 等 の性 質等 はそ の 一例 で あ る。 又徴 細 鑛 物 に は,大 きい 結 晶 を な して産 す る鑛 物 に は見 られ ぬ程 廣 い應 用 方 面 が知 られ て ゐ る。 例 へ ば粘 土 鑛 物が 窯 業 方 面 に示 す廣 い應 用 方 面 は そ の 一例 で あ り,酸 性 白 土 の 更 に廣 い利 用 方 面 は特 に興 味 深 い所 で あ る。 しか るに この微 細鑛 物 の研 究 は,從 來 著 し く遲 れ て ゐた 。 その 理 由 の最 も大 な る もの は結 晶 片が 微 細 で あ つ て, しか も二,三 種 の鑛 物が 密 雜 して 産 す る ことが 多 い た め に, 先づ それ らの密 雜 塊 よ り 各 の鑛 物 を純 粋 な形 で 分 離 する こ と が 著 し く困 難で あ り,各 の鑛 物 の結 晶 構 造 を大 きい結 晶 片 を 使 用 して 詳細 に研 究 す る こ とが 難 か し く,又 純 粹 な る一 つ の 鑛 物 種 に就 き化 學 分 析 を行 ふ こ とが 難 か しい こ とに基 因 して ゐ るので あ る。 か く微 細鑛 物 の研 究 に は困 難 が伴 ふが,そ の 廣 い應 用 方 面 を考 へ る と きに微 細 なる鑛 物 の研 究 が 特 に重 要 で の る こと は論 を要 しな い。 筆 者 は 微 細鑛 物 を研 究 す る鑛 物 學 の一 部 門 を 「微細 鑛 物 學 」(Micromineralogy)ど して創 成 した い 。 微 細 鑛 物 學 の 研究 には その 研 究 對 象た る微 細 鑛 物 の特 性 に應 じ,特 別 な 方法 を必 要 とす る場 合 は充 分 考へ られ る所 で あつ て,筆 者 が實 驗 しつ ゝあ る鏡 檢 分 析(Chemical Microscopy)も そ の 一 つ と して意 義 を有 す る もの と考 へ る。 さて斯 くの如 き微 細 鑛 物 の 中 で,特 に重 要 な る もの は,比 較 的 水分 の多 い珪 酸 鹽鑛 物で あ り,特 に粕 土 の 主 體 をな す含 水 珪酸 鹽 鑛 物 で あつ て,こ れ らは 一般 に粘 土 鑛 物 と稱 せ られ て ゐ る こ とは周 知 の事實 で あ る 。 こ こで は筆 者 が ま と めた 資 料の 中 より 粘土鑛物 に關 する部分 を本誌の一部に連 載 させて 戴 くことに した。 本篇が何等かの御參考 にで もなれ ば 筆 者の望外の幸 とす る 所である。 この記述 は重要な既刊報文 の データの蒐録 に筆者 の調査の結 果 を加 へた もので あるが,筆 者の貧 しい知識 から 思 はぬ誤又は不適 當な箇所が無 いで もない。 この機會 に充分 の御批判 と御指導 を賜 はり度 い と考 へてゐる。 稿 を草す るに際 して,筆 者の研究に對 し終始御懇篤 なる御 指導 を賜 はつ てゐる 東京帝大鑛物學教室伊藤貞市先生 に厚 く 感謝 を捧 げ る次第 で ある。 又本誌に發 表の機會 を與へ られ, 種 々有益 な御忠 言を忝 くした 東京工業大學 山内俊 吉教 授及び 大東電波器材製 作所長末 野悌六氏に 深甚 なる謝意 を捧げ る次 第で ある。(2)粘
土鑛物の分類
(a)分類の基 準 古 い鑛 物學の時 代即 ち結 晶構造 を究明する 方法が知 られな かつた時代 に於 ては,鑛 物 を研究 する有力な る一 つ の方 法 は化學 分析 で あ つた 。 從 つ て その 時 代 に於 け る 鑛 物 の分 類 は主 に化 學 分析 に よつた もの で あ る。 しか し化 學 分 析 は,鑛 物 の解 剖 こ相 當 す る もの で あ つ て,即 ち構 成 單 位 をバ ラバ ラに くづ し て研 究 す る方 法 で あ つ て,そ れ らの 構 成 單位 が 如 何 に組 立 て られ て ゐ るか に就 て は 化 學分 析 の結 果 の みか ら判 定 が 殆 ん ど不 可 能 に近 い の で あ る。 よつ て一 つ の 鑛 物 の化 學 式 の構 成方 法 に も 屡 々幾 通 りもの方 法 が考 へ られ, 從 つ て化 學分 析 の み か ら考 へ られ た 分 類 に も 幾 通 りもの方 式 を生 む 場合 が 屡 々見 受 け られ た 。 そ の 好例 は緑泥 石(Chlori-tes)の そ れ で あ る。 次 に 最近 に結 晶 構 造 の研 究 が行 はれ る様 になつ て か ら,二 三 の重 要 な る事 實 が判 明 し,分 類 の 基 準が 定 め られた ので あ る。 その 事 實 と云 ふ の は次 の 如 き もの で あ る 。 即 ち結 晶 を構 成 す る 各 元素 は結 晶状 態 に 對 應 し,各 元素 に特 有 な大 き さを 有 す る 。 これ が オ ン半 徑 と一般 に 呼ば れ て ゐ る もの で あ り, 珪酸鹽鑛 物に於ては一般 に酸素が 最 も大 きい イオ ン半徑 を有 する。 故 に珪酸 鹽鑛 物の結晶構 造は酸素原子の數 と結 合様式 によ り大勢が決定 され て仕舞ふのであつて,相 等 しい結晶構 造 を有す る珪酸鹽鑛物 は酸素原 子の數 を同 じくする。 又相等 しい構造 を示 す鑛 物同志 の間 には 陽 イオ ンが置換 して依 然 と して相 等 しい構 造 を保 つ こ とが屡 々 あ る 。 この 時 に於 け る イ オ ンの 置換 は イオ ン半 徑 の 大 き さの 近 似 の もの 同 志 の 間 に起 り,原 子 價 は必 ず し も關 係 しな い。 しか し酸 素原 子 の數 を不 變 に保 つた めに原子價の異つた イオ ンが置換 し合ふ場合 には 必ずその原 子價 の變化 を相償ふ如 く別 な イオ ン置換が 同時に 生 ずる。即 ち相等 しい構造 を有 する鑛 物 同志 の間に 於ては陽 性原 子數 と陰性原子數 が夫 々相等 しい 。 結晶構造 を相等 し く70 須 藤 俊 男 第54集
す る鑛 物 は互 に 同 型 で あ る と 云 ひ,イ オ ン半 徑 が 近 似 で 互 に 置 換 し合 ふ イ オ ン を 同 形 イ オ ン列 と 云 ふ 。 同 形 イ オ ン列 の 代 表 的 な 例 は, (1) Mg++, Fe++, Ni++, Mn++, Co++, (2) Al+++
Fe+++, Cr+++, (3) Na+, Ca++, (4) Si++++, Al+++,等 で あ
る 。 例 へ ば 苦 土 橄 欖 石(Forsterite)(Mg2 SiO4)に 於 てMg ++, Fe++の 同 形 イ オ ン置 換 が 行 は れ て 橄 欖 石(Olivine)((M g, Fe)2 SiO4)を 生 ず る が 如 き 例 は 普 通 の 例 で あ り,曹 長 石 (Albite)(Na Al Si3 O8)に 於 てNa+とCa++と の 置 換 と 同 時 にSi++++とAl+++の 置 換 が 起 り,酸 素 原 子 の 數 を 不 變 に 保 つ て 灰 長 石(Anorthite)(CaAl2 Si2 O8)を 見 出 す 如 き は 他 の 一 例 で あ り,又 一 般 に 三 價 の 元 素(Al+++. Fe+++)が 一 部 分Si++++を 置 換 し,殘 りの 一 部 が 二 價 の 元 素(Mg++, Fe++)を 置 換 す る 例 は 粘 土 鑛 物 に 見 ら れ る 例 で あ る 。 次 に 二 つ の 化 合 物 が あ り,そ の間 に同 形 イオ ン置換 が 見 ら れ,し か もその 置 換 量が連 續 して 種 々 な る量 に變 化 して ゐ る 場 合 が 見 られ,こ れ ら二 つ の化 合 物 の 間 に 一連 の化 合 物 が 實 際 に見 出 され る時 には,こ の 二 つ は連 續 系 列 を なす と云 ひ, 然 らざ る場 合 は不 連續 系 列 に あ る と云 ふ 。 苦 土 橄 欖 石(Fors terite)(Mg2 SiO4)ど 鐵 橄 欖石(Fayalite)(Fe2 SiO4)は
連續 同形 系 列 に屬 す る こ とは よ く知 られ た事 實 で あ る 。 次 に結 晶 構 造 の方 面 の 研 究 が もた ら した 重 要 な る事 實 は, 瑳 酸 鹽 の本 體 は 何 れ も酸 素 の形 成 す る 四面 體 の 中心 に珪 素 原 子 の入 つ た もの,即 ちSi-Oの 四 面體 が 基 本 體 に なつ て ゐ る こ とで あつ て,こ のSi-Oの 四 面體 は 常 に頂點 で互 に結 合 し,こ の結 合 の 様 式 如 何 で 各種 の 珪酸 鹽 の形 を生 む と云 ふ 事實 で あ る。 ここで は ペ の ジの都 合 で 全 部 を御 紹 介す る こ と は 出 來 な い が,今 問 題 に せ ん とす る粘 土 鑛 物 は殆 ん ど全 部 Si2O5の 型 で あ り一 部 にSi4O11の 型 が あ る。Si2O5の 型 は Si-Oの 四 面 體 が 三 つ の頂 點 に よ り互 に相 隣 るSi-Oの 四 面 體 と連絡 し,二 次 元 的 に四 面體 の層(層 格 子)を 形成 す る も の で あつ て,こ れ を層構 造 と云 ふ 。 この層 が平 行 に つ み重 な り,こ の 層 の 間 に他 の 陽 イオ ン群 が 交 互 に は さま つ てゐ る も ので あ る。 珪酸 鹽 鑛 物 で はSi2O5のSi一 部 が屡 々A1で 置 換 され る 。即 ち(Si4O10)(Si3A1O10)(Si2Al2O10)の 如 くで あ る。 この 構 造 は外 形 に あ らはれ 箔 状,鱗 片状 の 外 形 が示 さ れ る。 而 して この鱗 片 の 面 はSi-Oの 四 面體 の結 合 層 に 平 行 に な つ て ゐ る。粘 土 鑛 物 の大 部 分 は この 型 に屬 す る。Si4O11 の型 はSi-Oの 四 面 體 が相 隣 る二 つ の頂 點 で 鎖 状 に連 結 し, こ の様 な鎖 が 二 本 づ ゝ對 を な し て平 行 に連 結 した もの で 複 鎖 状 構 造 と 云 はれ る。 こ の型 は元 來 が 角 閃 石(Amphiboles) に見 られ る もの で あ るが,蛇 紋 石 の 中の ク リ ソタ イル(Chry sotile)は こ の型 の構 造 を 有 して ゐ る こ とが知 られ て ゐ る。 以上は極 く概 略の記述 であ るが,か く結晶構造の研究が鑛 物 の研 究に適用 され はじめてか らは 從來化學分析 によ り個 別 的 に檢 出 して ゐ た 元 素 が實 際 の鑛 物 の 中 に如 何 な る骨 組 に組 立 て られ て ゐ る かが 明 らか とな り,こ こに鑛 物 の 化學 式 は構 造に 準據 し て示 され ね ば な らぬ こ とが 明 らか と な り,一 つ の 種(Secies)の 鑛 物 に は一義 的 な化 學 式 が與 へ得 る様 に なつ たの で あ る。 斯 く の如 き 性 質 の式 は鑛 物 の眞 の意 味 の構 造 式 と言 はるべ き もので ある。 斯く して從來 の結晶 構造の研 究の 背 景 を有 しな い 化學 式 は 漸 次 構 造 式 に 書 きあ らた め られ る様 に な り,こ の種 の仕 事 が 現 在 の鑛 物 學 の 一 つ の大 きな仕 事 に な つ て ゐ る。 又斯 くの如 き根 本 的 な意 義 を有 す る構 造 式 の 決 定 は 、 鑛 物 の基 本 的 な分 類 即 ち構 造 の型 を 基 準 と した分 類 に 導 くこ とは 明 らか で あ る 。 この分 類 を筆 者 は構造 分 類 と稱 す る。 構 造 分 類 は鑛 物 の 中で,最 初 に珪 酸 鹽鑛 物 に試 み られ, 例 へ ばC. K. Swartz, H. Berman等 に よ り総括 報 告 され た, が 粘 土鑛 物 の構 造 分 類 は未 だ著 し く不 完 全 であ る。 これ は既 に述 べ た様 に 結 晶 構造 の 解 析及 び化 學 分 析 が 困 難 な るに基 く もの で あ る。 以 上 述 べ た 所 を要 ず るに,鑛 物 の研 究 に は先づ 化學 分 析 と 結 晶 構 造 の ご つ の 方面 の研 究 の 融 合 が 必要 で あつ て,そ の何 れ を缺 くも鑛 物 の性 質 の正 しい 解 明 は 出來 な い こ と を意 味 す る もの で あ る。 (b)粘 土鑛 物 のX線 粉 末寫 眞 前節に述べた如 く粘土鑛物 に於 て は,結 晶 片 が 多 くの場 合 微 細 で み り,二 三 の種 の鑛 物 が 互 に密 雜 して産 す るた め,そ れ らの鑛 物 を純 粹 な形 で分 離 す る ことが 難 か し く 結 晶構 造 の解 析 及 び純 粹 な る 試 料 の 化 學 分 析 が 困 難 で あ る 。 これ らの 困難 を幾 分 で も輕 くす る 方法 と してにX線 粉 末 寫 眞 法,鑛 物 の 分 離 の 方 法の 研 究(靜 電選 鑛等)及 び 微 量 分 析 等 の研 究 が 現 在 の所 考 へ れ らる 。こ こで は 先 づ 粘 土鑛 物 のX線 粉 末 寫眞 の性 質 を概 述 し よ う と思 ふ 。 主な る粘 土鑛 物 の 中 に は世 界 的 に珍 ら しい 大 きい結 晶 を な して産 す る もの もあ り,そ れ らに よ り結 晶學 的 の性 質 は可 成 詳 細 に 研 究 され て ゐ る もの もあ るが,一 般 に は斯 くの如 き大 きい結 晶 を粘 土 鑛 物 の 中 よ り得 る こ とは 困難 で ある 。 故 に少 量 の 粉 末 で 撮 る こ との 出來 るX線 紛 末 寫眞 は粘 土鑛 物 の結 晶 構 造 の 方 面 の 性 質 の 示 す 唯一 の もので あ る。 この 意味 で 粘 土 鑛 物 のX線 粉 末寫 眞 は そ の構 造 分 類 を試 み る に就 て の重 要 な る一 方 法 と して採 用 し得 るの で あ る。X線 粉 末 寫 眞 を特性 付 け る もの は周 知 の如 く廻 折 線 の 方位 と その 濃度 で あ る 。 各廻 折 線 の 方 位 に は網 面 間 隙 が對 態 す る ので,普 通 は この 網 面 間 隙 の値(d)と そ の 濃度(I)を 以 て 粉 末 寫眞 を表 はす 。dの 單 位 は オ ング ス トロ ー ムで 示 す。 今 〓 は簡 單 の た め に 例 へ ば 「1.5の 線 」の 如 く示 した場 合は1.5オ ング ス トロー ムの 網 面 間 隙 を有 す る網 面 よ り反 射 せ るX線 に よ り生 じた粉 末 線 を 意 味 す る もの とす る 。 (以 下dの 單 位 は オ ング ス ト ロ ー ムで 示 す が オ ング ス ト ロー ム な る 字 は略 す) 粘 土 鑛 物 のX線 粉 末 寫 眞 に は 見 掛 け に よ り二 つ の 型 が あ る 。 そ の 一 つ は 比 較 的 數 多 き 鮮 明 は る廻 折 線 を示 す もめ で あ り,他 は 長 時 間 露 出 して も廻 折 線 が 著 し く現 れ 難 い もの,即 ち數 少 な い 太 く不 鮮 明 な 廻 折 線 を 示 す 型 で あ る 。 前 者 を 假 に A型,後 者 を 假 にB型 と名 付 け る と各 の 例 は 次 の 如 くで あ る。
A型,パ イ ロ フ イ ラ イ ト(Fyrophyllite),滑 石(Talc)緑 泥 石(Chlorite),カ オ リ ン(Kaolin)等
B型,モ ン モ リ ロ ナ イ ト(Montmorillonite),ヂ ユ ウ エ ラ イ ト(Deweylite),ハ ロ イ サ イ ト(Halloysite)等
も と よ りこの二 つ の型 は確 然 と 分 け 得 られ る性 質 の もの て な く,兩 型 り 間 に種 々 な る程度 の ものが 見 られ る。 又B型 に屬 す る もの で も長 時 間 の 露 出時 間 をか けれ ば,弱 い線 が迫 加 出 現 す るが,廻 折 線 の現 れ難 い點,及 び 廻折 線 の不 鮮 明 な點 で はや は りA型 と區 別 され ね ばな らぬ。 何 故 にB型 の 寫眞 を示 す ものが あ るか と就 て は既 にG. Nagelschmidtが 言 及 した 如 く,一 般 に粘 土鑛 物 の構 造 の 不 整(Imperfection)に よ る もの と思 はれ る。(例 へば層格子 が互に完全 に平 行でない等)。 即 ちB型 の 寫 眞 を示 す もの で はA型 を示 す もの よ り不 整 の程 度 が 甚 だ し く即 ち モザ イク の程 度が 甚 だ しい もの と考 へ られ る。 次 に粘 土 鑛 物 の粉 末 寫眞 に は次 の如 き性 質 が あ る 。 即 ち X線 粉 末 寫 眞 り性 質(主 に廻 折線 の示 す 網 面間 隙 と廻 折 線 の 濃 度 に示 され る)に は特 有性 と偶 然 性 とが あ る。而 して二 つ の 寫眞 を見 比 べ て認 め得 た差 の 中 に,特 有 性 の 差 即 ち特 性差 と偶 然 性 の 差 即 ち偶 然 差 とが あ る 。 も と よ りこの 中で特 有性 と特 性 差 を問 題 とせ ね ば な らない 。 例 へ ば 粘 土 鑛 物 の 中 で は 同一 種(Species)のX線 粉 末 寫 眞 に於 て も互 に 産地 を異 に し 試 料 を異 に す る と,そ れ らのX線 粉 末 寫 眞 に も互 に多 少 づ ゝ 異 な る所 が あ る と云 ふ 事 實 が あ る。 この點 を明 らか に示 摘 さ れ た例 はA. F. Hallimondに よ り研 究 され た鐵 縁 泥 石 の 一 種 の シヤ モ サ イ ト(Chamosite)の 例 で あ る。 斯 ぐの如 き場 合 に 見 られ る差 は偶 然 差 と一態 考 へ て よい もの と思 は れ るが, A. F. Ha11imondは 斯 くの 如 き差 の認 め られ る原 因 と して, (1)粉 末 試 料 を つ くる時 の結 晶 片 の 方位 度 の變 化,粉 末 の粒 度 の相 異,(2)化 學 成 分,格 子 恆 數 等 の變 化 の二 つ を掲 げ, (1)の 原 因 に就 て は考 へ 得 べ き こと を述 べ,(2)の 原 因 に就 て はA. F. Hallimondの 撮 つ た粉 末 寫 眞 の 試料 の一 つ 一 つ に 就 き詳 細 な調 査 が 行 はれ て る ない か ら確 言 出來 ない と述 べ で ゐ る 。 もと よ り同 一種(Species)に 屬 す る もので も,化 學 成 分 に多 少 の攣 化 が あ り得 る譯 で そ れ らに對 態 して結 晶構 造 的 の 性質 に變 化 が起 り,この愛 化 がX線 粉 末 寫眞 の方 面 に現 れ る こと も考 へ られ るが .筆 者はこの種の偶然差 の一つの原因に, 格 子 不 整 の 程 度 の 差 に基 くものが あ る様 に思 ふ 。 例 へ ば他 の 一例 と してJ . W. Grunerの 示 した ノ ン トロ ナ イ ト(Nontro nite)のX線 粉 末 寫 眞 には可 成長 時 間 の 露 出 時 間 をか け て得 た多 くの弱 い 廻折 線 の 様 式 は各 産 地 の ノ ン トロ ナ イ トに於 て 異 な り,弱 い線 の 出現 様式 に見 られ る差 は一 つ の 偶 然差 を示 して ゐ るに過 ぎ ない 様 で あ る。斯 く一 般 に二 つ のX線 粉 床 寫 眞 の 差 に は偶 然 差 と 特 性 差 が あ るの で 如何 な る 點が 偶 然 差 で あ り,如 何 な る點 が特 性 差 で あ る か を判定 す る 必 要が あ る。 そ れ に は同 一 種(Species)のX線 粉 末 寫眞 を出來 る だ け數 多 檢 し,そ の 中 よ りその種 のX線 粉 末 寫 眞 の特 有 性 を認 あ るこ とが 必 要で あ る。 外 國報 文 に 於 て は最 近 に粘 土鑛 物 の 研 究 の 發 展 に伴 つ て主 な る粘 土鑛 物 のX線 粉 末 寫 眞 の 性 質 の 研 究 報 文 が 見 られ は じ め て來 た 。 筆者 は 内地 で 手 に入 れ る こ との出 來 た 主 な る粘 土鑛 物 二三 種 づ ゝのX線 粉 末 寫 眞 を撮 り,そ れ らのX線 粉 末 寫 眞 の 性 質 を檢 し,外 國報 文 に 既 に發 表 され た デー タ と比較 研 究 した 。そ の結 果 を次 に總 括 す る。次 に述 べ る 所 で も明 らか な如 く入 々 よ り 特 性 性 の認 め 方の異 なつ て ゐ る 所 もあつ て,未 だ 研 究 の 行 き と どかぬ 所 が 多 々 あ る様 に 見受 け られ る。 一 般 に 云 つ て(1)特 性 性 は強 い廻折 線 の様 式 に見 られ 偶 然 性 は弱 い廻 折 線 の様 式 に見 られ る。(2)一 つ の種(Species)の 數 枚 のX線 粉 末 寫眞 に於 て相 對 態 す る強 い廻 折 線 の 示 す網 面 間 隙 の値 は 完 全 に 一致 しな いで 僅 か で は あ るが 誤 差 以上 の或 範圍 に變 動 を示 す場 合 が 多 い 。例 へ ば緑 泥 石群 の7附 近, 4.5 附 近, 3.5附近の 線 の 如 くで あ る。 これ は偶 然性 と見 ちれ るか 今 後 は一 つ の 線 を指 示 す る場 合 に 「何 々 オ ング ス トロ ー ム附 近 の 線 」 と記 述 す る の は上 の如 き 性 質 を考慮 して ゐ る か らで あ る 。(3)一 つ の 種 の數 枚 のX線 粉 末 寫 眞 の 強 い廻 折 線 の 中 で 僅 か の線 の 濃 度 が著 し い變動 を示 す ことが あ る。 例 へば 緑 泥 石 の4.5附 近 の 線 の 如 くで あ る 。 これ も偶 然性 と して取 扱 はれ る。(4)一 本 の線 が 明 らか に複 線 に分 れ る場 合 又 は その 逆 の場 合 は特 性 性 と して多 くの 場合 取 扱 ひ得 る 。 この例 は例 へ ば 蛇 紋 石 群 の ア ン チ ゴ ラ イ ト(Antigorite)と ク リ ソ タ イ ル(Chrysotile)の 寫 眞 の 間 及 び ヂ ユ ウ エ ラ イ ト(Deweylite) と モ ンモ リロナ イ ト(Mont mori11onite)の 寫 眞 に見 られ る。 (5)dの 最 も大 き い廻 折 線 の 性 状 は最 も明 らか な特 性 を示 す 。 例 へ ば 主 な る粘 士鑛 物 のX線 粉 末 寫 眞 に 於 てdの 最 も大 きい 廻 折 線 を一括 表 示 す れ は第1表 の如 くで あ る 。 第1表 即 ち モ ンモ リロナ イ ト群 が 最 も大 きり値 を示 す 。 た ゞ斯 の 如 きdの 最 も大 き い廻 折 線 を利 用 す る場 合 に二 つ の 注意 が 必 要 で あ る 。 即 ち その 一 つ は この 種 の 線 は屡 々 カ メ ラの穴 に さ へ ぎ られ て,フ ィル ム上 に 印せ られ ない こと が多 い こ とで あ る。他 の一 つ は モ ンモ リロナ イ トの 如 く外 界 の状 態 に 最 も鋭 敏 に感 應 し易 い鑛 物 が あ る こ とで 即 ち モン モ リロナ イ トの場 合 は外界 の温 度 に よ り鑛 物 の 中の 含 水 状 態 も變 化 し,そ れ に伴 ひ,格 子 恒數 も 變化 し, dの 大 きい 廻 折線 の 方 位 も變 化 す る性 質 が あ る。 即 ち モ ンモ リロ ナ イ トに於 てdの 最 も大 きい廻 折 線 は 普 通 は13-15で あ るが,水 分 の 特 に 多 い時 は21附 近 ま で達 し, 200゜∼500℃ に 乾 かす と9.6附 近 の 値 を示 し, 雲 母 群 の それ に近 づ い て來 る。 さてX線 粉 末 寫眞 の特性 性 が 認 め られ た 時 は,そ こにX線 粉 末 寫 眞 の型 を確 め る こ とが 出來 る。 外 國 に於 て は 最 近 に主 なる粘 土 鑛 物 のX線 粉 末 寫 眞 の 型 に注 意 した 論 文 が 見 られ は じめ て來 た 。 それ らの結 果 に筆 者が 自 ら撮 つたX線 粉 末 寫眞 を檢 した結 果 及 び更 に廣 く外 國 に於 て發表 され た 粘 土鑛 物 の X線 粉 末 寫 眞 の デー タ を通 覧 した結 果 を加 へ て見 る と,特 性 差 と從 末認 め られ た點 の 中に も あ ま り 重要 で な い も の もあ
72 須 藤 俊 男 第54集 り,又 反對 に從來氣付 かなかつた點 に比較點重要な特性差 と 思 はれ る ものが あるので,適 當に補足改正 して筆者が 最 も適 當 と思ふ形 にして表示 した結果 は第2, 3, 4表 の如 くである。 以 下 の記 述 は 第2,第3,第4表 の補 足的 説 明 で あ る 。 先 づG. Nagelschmidtは 雲 母 群のX線 粉 末 寫 眞 を撮 り, X線 粉 末 寫 眞 の型 よ り雲 母群 は白 雲 母 型 と黒 雲母 一 金雲 母型 の 二 つ の 型 に 分 れ る こ と を示 した 。而 し て前 者 に は 白雲 母 (Mnscovite),絹 雲 母(Sericite),鱗 雲 母(Lepidolite)が 屬 し,後 者 に は黒 雲 母(Biotite),金 馨 母(Phlogopite)鐵 第2表 白雲母 型 と點 雲母 一金雲母 型 〓X線 紛末寫眞の比較 第2表 註, *G, Nagelschmidtに は 指 摘 され て ゐ ない が,今 ま.發 表 され た雲 毋 群 のX線 粉 末 寫 眞 を 通 覧 す る と,こ の兩 型 の特 性 差 に な り得 る。 第3表 ア ソチ ゴ ラ イ ト型 とク リ ンタ イル 型 のX線 粉 末 寫 眞の 比較 第3表 註,「 例 へば 」 と して示 した數 値 は,算 者 の撮 つた 寫 眞 に て 得 られ た 數 値 で あ る。 第4表 常 縁 泥 石型 と しシヤ モ サ イ ト型 のX線 粉末 寫 眞 の 比較 (常 縁 泥 石 型 の一 例 として チ ユ ー リンヂ ヤ イ トを 示 す) 第4表 註,表 〓中 に 「例 へば 」 と して 記 した 教 値 は 算 者 の撤 つ た寫 眞 よ り得 られ た數 値 を示 す 。 雲 母(Lepidome1ane)チ ン ワ ル ド雲 毋(Zinnwaldite)が 屬 す る 。J. W. Gruner及 びG. Nagelschmidtの 報 告 に 依 れ ば,モ ンモ リ ロ ナ イ ト(Montmorillonite)ノ ン ト ロ ナ イ ト(Nontronite),バ イデ ラ イ ト(Beidellite)の3つ は 亙 にX 線 粉 末 寫 眞 が 一 致 し,こ れ ら3つ の 鑛 物 は 連 續 同 形 系 列 に 屬 す る 。J. W. Groner及 びG. C. Selfridgeに 依 れば,蛇 紋 石 群 は 二 つ の 型 即 ち ア ン チ ゴ ラ イ ト(Antigorite)型 と ク リ ソ タ イ ル(Chrysotile)型(こ の 二 つ の 型 の 名 稱 は 二 人 に よ り 多 少 異 な る)に 分 つ こ と が 出 來 る 。A. F. Hallimondは 縁 泥 石 群 のX線 粉 末 寫 眞 を 檢 し,コ ル ン ドフ イ ラ イ ト(Corundo phyllite),ダ フ ナ イ ト(Daphnite),バ バ ラ イ ト(Bavalite)
チ ユ ー リ ン ヂ ヤ イ ト(Thuringite),ア フ ロ シ デ ラ イ ト (Aphrosiderite)は 一 つ の 型(常 縁 泥 石 型)を 示 し,シ ヤ モ サ イ ト(Chamosite),ア メ サ イ ト(Amesite),ク ロ ンス テ ダ イ ト(Cronstedite)の3つ は 何 れ も常 縁 泥 石 型 との 間 に 僅 か な 特 性 差 を 示 し,且 互 に も僅 か な 特 性 差 を 示 す こ と を 明 ら か に し た 。 又, G. Nagelschmidt, M. Mehmel及 びC. W. Corrensは ハ ロ イ サ イ ト(Halloysite)の 粉 末 寫 眞 を 論 じ, それ と モ ン モ リ ロ ナ イ ト,メ タ ハ ロ イ サ イ トの 粉 末 寫 眞 の 類 似 性 に 注 意 し,そ れ ら の 寫 眞 の 間 に 見 られ る 差 を 論 じ た 。 こ れ を ま と め て 筆 者 の 意 見 を 補 註 した もの が 第5表 の 一 部 で あ る 。 更 に 筆 者 は 自 ら撮 つ た 主 な る 粘 土 鑛 物 のX線 粉 末 寫 眞 を 檢 し た 結 果,ヂ ユ ウ エ ラ イ ト(Deweglite)グ ン サ イ ト(Gen thite),ガ ー ニー ラ イ ト(Carnierite)等 が 一 つ の型 の 寫眞 を示 す こ と を認 め,こ れ を ヂ ユ ウ エ ラ イ ト型 とした 。 而 して この デ ユ ウエ ラ イ ト型 は モ ン モ リロナ イ ト型,ハ ロ イサ イ ト との粉 末 寫 眞 と類 似 す るが これ らの 寫 眞 の 間 に は 僅 か な特性 差 の あ る ご と を認 め た。 これ を第5表 に瓶 記 して示 しだ 。 粘 土 鑛 物 のX線 粉 末 寫眞 の型 を論 じた結 果 は現 在 の所 で は上記 の諸 結 果 に 盡 き るが,な ほ特 殊 な粘 土鑛 物 の 中で そ のX線 粉 末 寫 眞 に注 意 せ られ て ゐ る もの が あ るの で それ ら をま とめ て 以 下 に記 す る。(未 完) 第5表 ヂュウエラ イ ト型,モ ンモ リロナイ1型,ハ ロイ サ イ ト型,及 びカオ リンのX線 紛末寫眞 の比較 22
第5表 註,(表 中 に 「例 へ ば 」 とし て記 した 値 は主 と して算 者 の 撮 つた 寫 眞 よ り得 た 値 で あ る。) *こ の線 は常 に 比 現 す る とは 限 らず,出 現 し て も薯 し く弱 い こ と も あ そ。G, Nagelschmidtは こ の線 の出 現 を モ ンモ リロナ イ ト型 の 粉 末 寫 眞 の特 性 の 一 つ に 見 て ゐ る が, M. Mehmel及 びC. W. Corr ensは こ の線 の 出現 に 注 意 して ゐ ない 。 **こ の線 は ヂ ュ ウエ ラ イ ト製 及 び ハ ロイサ イ トの大 部 分 に現 れ るが モ ン モ リロナ イ ト型 に は殆 ん ど現 れ ない 。G. Nagelschmidtは ハ ロ イサ イ トで は3,6附 近 の比 較 的 強 い 廻 折 線 が殆 ん ど常 に現 れ る こ とを 記 して ゐ る が, M. MehmelとC. W. Corrensの 二 人 は ハ ロイ サ イ トで は3, 40附 近 の 線 が 現 は れ,メ タ ハ ロ イサ イ トで は3,63 附 近 の線 が 出 現 す る こ とを 記 して ゐ る。 算 者 の撮 つ た ハ ロイサ イ ト の 寫 〓 に於 ては, 3, 58を 示 す 線 は 非 常 に弱 く, 3, 35な る値 を示す 線 〓 中位 の 強 度 を 示 す 。 ハ ロイサ イ トの中 に は 石 英 カ 密 雜 す る こ と が屡 々あ り,石 英 の最 も強い 廻 折 線 は3,35で あ るか ら,こ の點 が ハ ロイ サ イ トの寫 眞 を撮 る時 に注 意 を要 す る が,算 者 の 取 扱 つ た ハ ロイ サ イ トの 試 料 の 中 には 石英 粒 は 含 ま れ て ゐ ない 。從 つて 算者 の 取扱 つ た ハ ロイ サ イ トの粉 末 寫 眞 に見 られ る性 状 はM, Mehmel及 びC. W, Corrensの 結 果 に 近い 。 ***こ の線 は現 はれ る場 合 もあ り,又 現 れ ぬ 場 合 もあ るの で,こ の 線 の 出現 は重 要 な特 性 とは思 は れ な い 。 ****こ の線 の強 さに は 著 し〓 變 動 が あ る。P. F. Kerrは こ の の出 現 は サ ホ ナ イ ト(Saponite)に 限 つ て ゐ る如 く記 し,こ の線 の 出現 の有 無 で サホ ナ イ トと他 の モ ン モ リ ロ ナ イ ト,ノ ソ ト ロナ イ ト との 特 性 差 の 如 く述 ぺて ゐ るが,廣 くモ ン モ リ ロナ イ ト群 の寫 眞 を檢 す る と,モ ソモ リロナ イ ト,ノ ン トロナ イ トに於 て も この 線 が 一般 に 出現 し,屡 々この線 が 著 し く強 く出現 す る場 合 が あ るが ら,こ の線 は モ ン モ リ ロナ イ ト群 全 體 に 見 られ る も の と考 へ られ る。 しか しそ の強 さは 著 しく變 動 す る。 (1)須 藤 俊 男,岩 礦,昭18, 29, 290,昭19, 31, 13, 123, 207. 274,昭19, 32, 111
(2) J. Orcel, Bull soc. franc, miner., 1927, 50, 75 (3) L. Laves, Naturwiss, 1937, 25, 722
(4) E. Eitel, Physikalische Chtmie der Si1ikate, 1941, 45 (5) W. L. Bragg, Atomte Structure of Minerals, 1937, 37 (9) E. Eitel, op, cit., 1941, 9
(7) W. L. Bragg, op, cit., 1937, 139
(8) R. E. Warren and W. L. Bragg Z. Krist., 1930, 76, 201 (9) C. K. Swartz, Am. Miner., 1937, 22, 1.61
(l0) H. Berman, Am. Miner., 1937, 22, 342 (11) G. Nagelschmldt, Miner. Mag., 1938, 25, 140 (12) A'F. Hallimond, Miner, Mag• 1939, 25, 441 (13) J. W. Gruner, Am. Mimer., 1985, 20, 475 (14) R. C. McMurcky Z. Krist_??_ 1934, 88, 420
(15) A. N. Winchell, Am. Miner., 192_??_, 13, 161 (16) J. W. Gruner, Am. Miner., 1 37, 2, 87 (17) G. C. Selfridge, Am. Miner., 1936, 21, 463
(18) G. L. Clark, F• F. Rieken, and D. H. Reyriold, Z. Krist., 1937, 6, 237
(19) G. L. C ark, R. E. Grim. and W. F. Bradley., Z. Krist., 1937 96, 32_??_
(20) U. Hofmann, K. Ende11 und D. Wilm, Z. Krist., 1933, 86 340
(21) G. Nagelsehmidt, Z. Krist., 1937, 97, 54 (22) G. Nagelschmidt, Z. Krist., 1934, 87, 120 (23) M. Mehmel, Z. Krist., 1935, 90, 35
(24) C. W. Correns and M. Mehmel, Z. Krist., 1936, 94, 337 (25) T. Sudo and T. Anzai, Prec. Imp. Acted. Sci. Tokyo, 1942,
18, 400