ベ ン トス研究会誌 Bennthas Research 24,1×83 Capitella capitataの 個 体 群 生 態 に つ い て(予 報) 堤 裕 昭 (九州大 学理学部 附属天草臨海 実験 所)
Preliminary report on population study Capitella capitata
(Polychaeta: Capitellidae) in Japan
Hiroaki TSUTSUMI
Abstract
Population
dynamics
on Capitella
capitata
has been studied
in Amakusa since
November 1979. Though the population
repro-S
duced almost
throughout
the year,
the seasonal
fluctuations
of population
size were very large.
Size cohorts
were detected
in the size
distribution,
because
spawning
occurred
synchron-ously.
Their
life
cycles
were traced
by the close
quantitative
investigations.
The prereproductive
period
was for 4 to $ weeks
and b cohorts
occurred
only for 4 months.
The survivorship
curve
was estimated
by the new technique,
using computer
simu-lation.
は じ め に
イ トゴ カ イ 科 の 小 型 多 毛 類Capitella capitataは 世 界 各 地 の 有 機 物 汚 染域 に頻 出 し、 特に ベ ン トス群 集 が 極 め て 貧弱 な 重 汚 染 域 に局 地 的 に 高 密 度 に生 息 す る こ とか ら、 その 生 態 的 特 性 が 注 目 さ れ て い る種 で あ る。(cf. pearson and Rosenburg, 1978;Reish, 1979)。C.capitataの 有 機 物 汚 染 に 関 す る指 標 姓 に最 初 に 着 目 したReishはCapitellaを 含 む 数 種 の多 毛 類 につ いて 低 酸 素 条 件 抵 抗 性 等 の 生 理 的 諸 特 性 に 関 す る研 究 を 行 な っ て い る(Reish,1957,1960,1966)。
そ の 後 もBellan et al.(1972)、Foret(1974)及 びUeno and Yamamoto(1982)な どの 例 を み る。 これ らの 研 究 例 は究 極 的 に はC.capitataが 有 機物 汚 染 域 に特 異 的 に適 応 して生 息 し う
1) 九 州 大 学 天 草 臨 海 実験 所 邦 文 業 績 第62号
2) 本 稿 は 昭 和56年11月 東 大 海 洋 研 究 所 で開 催 され た 「多 毛類 の 分類.生 活 史.生 態 に 関 す る シ ンポ ジウ ム」 に お け る講 演 の 概 要 を と り ま とめ た も の で あ る。
る要 因 を汚 染域 に特 徴 的 で ベ ン トス に致 死 的影 響 を与 え る底 層 の 貧 酸 素 化 現 象 に対 す るC.capitata の傑 出 した抵 抗 性 の 存 在 に よ って 説 明 しよ う とす る もの で あ ろ う。 しか しなが ら、 結 果 と してあ る 程 度 の低 酸素 条 件 抵 抗 性 は 示 さ れ て は い るが、C. capitataが 汚 染 域 に お い て卓 越 す る事 実 を説 明 す る唯一 の特 性 と して は 考 え 難 い。
これ に 対 してGrassle and Grassle(1974)はCecapitataが 生 物 の 空 白 な又 は末 利 用 な場 所 へ の 移民 能力 に 秀 でて い る こ とを指 摘 す る と と もに 、玄capitataの 生 活 史上 の諸 特 性 に よ る不 安 定 な環 境 へ の適 応 に注 目 し、C. capitataの 生 態 的 特 性 に関 す る研 究 に 新 た な展 開 を 与 え た。 筆 者 は 天草 下 島 北 西 端 に位 置 す る 富岡 湾 の一 小 内 湾 で あ る 巴湾 に お い て1978よ り1980年に か る け て ベ ン トス群 集 の季 節 動 態 に 関 す る定 量 調査 を 行 ち っ た。 巴湾 は 湾 内 の 魚 類 養 殖 場 よ り流 出 す る 餌 料残 渣 及 び 魚 の 排 泄 物 に よ る大 量 の有 機 物 負 荷 に 加 え 閉 鎖 的 な地 形 が 相 ま っ て 富栄 養 化 状 態 にあ る。 夏季 成 層 期 に は 底 層 に貧 酸 素水 塊 が 発 生 して ベ ン トス が 一 旦 死 滅 し、 秋 季 以 降 の循 環 期 に移 行 後 再 移 民 を 行 な っ た。 こ の再 移 民 過 程 に お い て 最 も特 徴 的 な個 体 群 変 動 を 遂 げ たの がC.capitata で あ った 。C.capitataは 夏 季 に完 全 に 個体 群 が 消 滅 した後 、 環 境 条件 の 回 復 に伴 な って 重 汚 染 域 に 他 種 に 先駆 け て 逸 早 く再 移 民 し急 速 な 増 殖 を 遂 げ 、 独 占的 に卓 越 す る に至 っ た。 こ の調 査 結果 は C.copitataが 巴湾 に お い て卓 越種 とな る条 件 には 貧 酸 素 条 件 下 に お い て 個 体 群 を維 持 で きる生 理 的 耐性 で は な く、 環 境 条 件 が 回 復 した無 生 物 域 へ の 迅速 な移 民 能 力 及 び 個 体 群 の 大 きい増 殖 能力 を 必 要 と した こ とを 示 して い る。 これ は上 述 のGrassle and Grassle(1974)の 指 摘 を支 持 す る も の であ り、 筆 者 もGrassle and Grasste同 様 にCecapitataの 生 活 史 上 の諸 特性 に よ る不 安 定 な 環 境 へ の 適 応 性 に注 目 す る に 至 った 。 しか しなが らC. capitataの 個体郡 動 態 に関 す る定 量 的 な知 見が 乏 しい た め に この問 題 に 関 して は 不 明 確 な部 分 が 多 い。 筆 者 は1979年11月 よ り巴 湾 及 び隣 接 した 泥 質 潮 間 帯 の 汐入 浜 に お い てC. capitalaの 個体 群 動 態 に関 す る精 密 な 定量 調 査 を 行 い 、 非 調 和 的 環 境 に適 応 した本 種 の 個 体 群 諸 特 性 に つ い て研 究 して い る。 な お、 汐 入 浜 の場 台 は ア オ サ(Ulva pertusa)が 堆 積 し腐 食 して生 じた有 機 物 含量 の 高 い .底質 にC. capilataが 生 息 して い る。 材 料 と 方 法 C. capitataの 個体:群に 関 す る定 量 調 査 は1979年11月 よ り 巴湾 及 び 汐 入 浜 に 設 けた調 査 定 点 に お い て 随時 行 な って い る。 採 集 は 巴湾 に お い て は エ ック マ ン ・バ ー ジ型採 泥 器 を 用 い て底 泥 を採 取 後、 小 型方 形 枠(625×625×5㎝,12.5×12.5×5cm)を 挿 入 して サ ンプ ル と した。 汐 入 浜 に お い て は 干 潮 時 に 小 型 方 形 枠 を直 接 底 質 に挿 入 して サ ンプ ル を 採 集 し、10%ホ ル マ リ ンで 固定 後 研 究 室 へ 持 ち帰 った 。 サ ンプ ル は個 体 群密 度 測 定 用 に は0.5mm、 体 長 組 成 作 成 用 には0.125㎜ の 篩 を 用 い て ふ るい 、C. capitataを 選 別 し、10%ホ ル マ リ ン液 中 に保 存 した。 各 標 本 の 計 数 及 び体 長 の 指 標 と して 胸 部 節 の 最 大 幅 の計 測 を双 眼実 体 顕 微 鏡 下 に お い て行 な った 。 生 活 史 C. capitataは 雌 雄 異 体 で雄 は第8及 び第9節 に生 殖 剛 毛 を有 し、 成 熟 した雌 は 胸 部 の 体壁 を通
して 卵 巣 を 見 る こ と が で き判 別 は 容 易 で あ る。 雌 は 産 卵 管 を 作 り、 交 尾 後 管 内 壁 に 直 径 約250∼ 300μmの 卵 を40∼200個 程 度 産 み つ け 、 卵 の 孵 化 後metatrochophoreに 発 育 す る ま で 管 内 に 止 ま り 保 育 を 続 け る 。 大部 分 の 雌 は 一 生 涯 一 回 産 卵 で あ り保 育 終了 後 に 死 亡 す る。 管 を 離 れ た metalrochophoreは 短 期 間 の 浮 遊 の 後 、 定 着 、 変 態 してjuvenileと な る。 前 繁 殖 期 間 は 極 め て 短 く 実 験 室 内 の16.4∼22.1℃ の 温 度 条 件 に お い て31∼34日 で あ っ た 。
個体 群密度 の周年変化
C. capitataの 個体 群 と して の 繁 殖 は 周 年 に 及 ん で い る。 しか し な が ら安 定 した 個 体 群 密 度 は 維 持 され て い なか っ た。 図1に は 1979年11月 よ り1981年2月 に 至 る個 体 群 密度 の周年変化を示 した 。 巴湾 及 び汐 入 浜 の 両 地 点 に於 い て激 しい 個 体 群 変 動 が 見 られ た。 巴湾 に於 い て は夏 季 の 貧 酸 素 水 塊 の 発 生 に 伴 な って 個 体 群 が 一 旦 消 滅 し、10月 に 再 移 民 した。 これ に対 して 汐入 浜 に お い て は 同 様 に 嫌 気 的 環 境 が 夏 季 に 形 成 され る の で あ る が 、 潮 間 帯 で あ る た め に 底 質 の最 表 層 に は 酸 化 層 が 存 在 す るの で低 密 度(880個 体/㎡)な が ら個 体群 が 維 持 さ れ て い る。 秋 季及 び冬 季 は 個 体 群 の 急 速 な増 殖 期 で あ り両 地 点 に お い て わ ず か数 ケ 月 間 に40,000個 体/㎡ 以 上 の 高 密 度 な 個体 群 が 形 成 さ れ た .図1Capitella capitataの 個 体 群 密 度 の 周 年 変 化 Seasonal changes of population tlensiry of Capitella capitata世 代
解 析
C. capitataの 個 体 群 と し て の 繁 殖 は 周 年 に 及 ん で い る が 、 大 潮 前 後 に 同 調 し て 行 な わ れ 、 一 生 涯 一 回 産 卵 で あ る こ と 及 び 前 繁 殖 期 間 が 短 い た め に 個 体 群 の 体 長 組 成 中 に コ ホ ー ト(cohort同 時 出 生 集 団)を 検 出 す る こ と が 可 能 で あ る こ と が 判 明 し た 。 図2に は そ の 一 例 と して 汐 入 浜 に お け る 1981年6月 の1ケ 月 間 の 体 長 組 成 の 変 化 を 示 し た 。 体 長 組 成 中 に は 欄体 群 と し て の 同 調 し た 繁 殖 に よ っ て コ ホ ー トが 形 成 さ れ て い く過 程 が 認 め られ る 。 筆 者 は1981年5月 よ り8月 ま で 汐 入 浜 に お い て 高 頻 度 の 定 量 調 査 を 行 い、 調 査 期 間中 のC. capitataの 個 体 群 の 体 長 組 成 に 認 め ら れ る コ ホ ー トの体 長 の モ ー ドを 図3に 示 し た 。 図3に は 幾 分図21981年6月 の 汐 入 浜 に お け るCaitella capitataの体 長 組 成
Size distribution of Capitella capitata in June 1981 at Shioiri Flat.
煩 雑 に な る が 合 わ せ て 各 コ ホ ー ト の 新 規 加 入 に 要 した 期 間 を 胸 幅 0.2mmの 位 置 に 破 線 で 示 し、 コ ホ ー トが 繁 殖 を 行 な って い る 場 合 に は そ の モ ー ドを 黒 丸 で 印 す と と も に 繁 殖 時 の コ ホ ー トの 体 長 の 広 が りを 縦 線 で 示 し、 さ ら に 次 の コ ホ ー ト形 成 に つ な が る子 孫 の 流 れ を 影 を 付 け た 部 分 に よ っ て 示 し た 。 一 例 を 挙 げ る と 、 コホ ー ト (cohort)1は5月20日 頃 に 新 規 加 入 を 終 了 し、 成 長 し て5月30 日 及 び6月24日 ∼29日 の2回 、 同 調 し て 繁 殖 を 行 な っ て い る 。1回 目 の 繁 殖 は モ ー ドよ り大 型 の 個 体(胸 幅0.5∼0.85㎜)に 限 ら れ 、 生 産 さ れ た 幼 生 は6月8日 ∼29日 に 新 規 加 入 し コ ホ ー トIIを 形 成 し た 。2回 目 で は 繁 殖 を 行 な っ た 個 図31981年5月 よ り8月 ま で の 汐 入 浜 に お け る Capitella capitataの 各 コ ホ ー ト(同 時 出 生 集 団)の 生 活 環
Life cycle of each cohort of Capitella capitata from May to August in 1981 at Shioiri Flat.
体 が コ ホ ー トの 体 長 組 成 全 体 に 広 が り 、 繁 殖 後 コ ホ ー ト1は 消 滅 す る と と も に 生 産 さ れ た 幼 生 が7 月2∼13日 に 新 規 加 入 して コ ホ ー トIIIを形 成 し て い る 。 汐 入 浜 に お け るC. capitata個 体 群 は 各
4ケ 月間 に6コ ホー トを形 成 して は 消 滅 して い る。 これ らの コ ホ ー トの動 態 を 定 量 的 に解 析 す るた め に は さ ら に複 雑 な過 程 を必 要 と した。C. capitata は 一 生 涯 一 回 産 卵 で あ るに もか か わ らず 、 図3に 示 した コ ホ ー トI及 びIIは2度 同調 した繁 殖 を 行 な って い る。 こ れ は 春 季 の 比 較 的 低 温 な 条件 下 に お い て は コ ホ ー ト内部 の成 長 及 び成 熟 過 程 の 斉 一性 が 崩 れ るた め で あ る。 筆 者 は 天 草 臨 海 実験 所 の 田 中 雅 生 博 士 の 御 協力 を 得 て この 点 を解 消す る た め に次 の よ うな 数 理 的 解 析 を 加 え た。 ま ず図2に 示 した 側 体 群 の 体 長 組 成 をCassie(1954)に 従 って コ ホ ー ト別 の 体 長 組 成 に 分 離 し、 コ ホ ー トの新 規加 入 過 程 よ り繁殖 及 び 消滅 に至 る まで の 体 長 組 成 を 得 る。 コ ホ ー トの体 長紐 成 の時 間 的 変 化 は新 規 加 入 数 曲 線 、 成 長 曲 線及 び生 残 曲線 に よ っ て 規 定 され て い る と み なす こ とが で き る。 そ こで これ ら3曲 線 を 任 意 に想 定 し、 計 算 機 を用 い て コ ホ ー トの体 長 組 成 を 合 成 し実 際 の デ ー タ と の適 合 度 を検 定 す る とい うシ ュ ミ レー シ ョンを反 復 す る こ とに よ っ て3曲 線 を 推 定 した。 この 手 法 と結 果 の 詳 細 に つ い て は 現 在 準 備 申 の別 著 に よ り公 表 を 予 定 して い る。 図4に は以 上 の 手 法 に よ って 求 め ら れ た コ ホ ー トIIの生 残 曲線 を 森 下 の表 現 法(森 下,1975)を 用 い て 示 した 。 この 生 残 曲線 は 新 規 加 入 初 期 に お け る 死 亡 が 少 な く、 加 入 後42日 以 降 の 繁 殖 終 了 後 に急 速 な死 亡 が み られ る。 考 察 Capitella capitataに 関 す る定 量 的 な 個体 群 解 析 は 唯一Warren (1976) に よ って 試 み られ た の み で あ り、 前 繁 殖 期 間 を 約1年 と推 定 して い る。 この 結 果 はReish (1974)、Forel (1974) 及 び筆 者 が 室 内 飼 育 実験 に よ って 確 認 され た 前 繁 殖 期 間 約1∼2ケ 月 とは 大 き な 隔 りを 示 す も の で あ る。 筆 者 は さ らに野 外 側 体 群 に お い て も上 述 の よ う に精 密 な 定 量 調 査 及 び 解 析 処 理 を 経 て 早 期 の成 熟 及 び 繁 殖 が 実 現 され て い る こ とを 確 認 した 。Warren(1976)の 研 究例 は 毎 月1回 の野 外 調 査 に よ る も の で あ るが 、 この 調 査 間 隔 は生 活 環 が 短 か く早 期 に成 熟 に達 す る可 能 性 を 持 っC.capitataの 世 代 解 析 に は不 適 切 図4森 下 の 表 現 法(森 下,1975)に 従 っ た コ ホ ー トIIの 生 残 曲 線
Surviviorship curve of cohort II represented by Morisita's expression
で あ り、 世 代 解 析 に お い て 最 も重 要 な体 長 組 成 を コホ ー ト別 に 分 離 す る過 程 及 び そ の 体 長 組 成 の変 化 よ り コホート の成 長 を 追 う過 程 に お い て も誤 った 判 断 を 下 した疑 い が あ る。 したが って前 繁 殖 期 間1年 とい う結 論 は 事 実 誤 認 の 疑 い が あ る。 筆 者が確 認 したC. capitataの 繁 殖 様 式 は 大 卵少 産 で 幼 生 は 卵 栄 養 型 で あ り、 卵 及 び幼 生 は親 によ って 保育 され た 幼 生 の 浮 遊 期 間 は非 常 に 短 い。 これ らの 特 徴 は 総 じて幼 生 の 浮 遊 期 に お け る分 散 を 抑 制 す る傾 向 に あ る。 事 実、 図4に 示 した生 残 曲 線 を 元 に した 概 算 で は幼 生 の 約50%が 短 期 間 の 浮遊 を経 て母 個体 群 周 辺 に定 着 した とい う結 果 を得 て い る。 C.capitataは 上 述 の 繁 殖 様 式 に加 え 、1∼2ケ 月 程 の 短 い 前 繁 殖 期 間 及 び そ の間 の高 い生 残 率 、 個 体 群 と して の 繁 殖 が 周 年 に及ぶ こ とな どの生 活 吏 上 の 諸 特 性 は図1に 示 した よ うに環 境 条 件 の 回 復 に即座 に対 応 して急速 な 増殖 を遂 げ、短 期 間 に 局地 的 に 高 密 度 な個 体 群 を形 成 す る こ と に大 き く貢 献 して い る と考 え られ る。 しか しな が ら広 域 的 な 分 散 能 力 に欠 け る こ とはC. capitataの 分布 が 有 機 物 の 最 も豊富 な底 質 に偏 在 して い るこ とか ら、 夏 季 の 嫌 気 的 環 境 条 件 下 にお い て は個 体 群 全体 が その 影 響 を 受 け る と い う個 体 群 の維 持 に 関 して は不 利 に作 用 す る と考 え られ る面 を 持 ち合 わせ て い る。 実 際 に 巴湾 に生 息 す る個 体 群 は 夏季 に 一度 消 滅 して い る し、 汐 入 浜 の個 体 群 もか な りの 低 密 度 まで 減 少 して い る(図1)。 巴湾 に 生 棲 す るCapitellaは 人為 的 に 形成 され た富 栄 養 な底 質 を利 用 して好 気 的 な環 境 条 件 が 形 成 され る循 環 期 に限 って生 息 して い るに す ぎず 独 立 して 維 持 さ れ て い る個 体 群 で は な い と判 断 され る.非 調 和 的 な環 境 に適 応 して生 息 す るCapitellaに 関 す る個 体 群 の諸 特 性 及 び個 体 群 維 持 機 構 を 理 解 す るた め に は 周年 個 体 群 が 維持 され て い る汐入 浜に お け る動 態 を解 明 す る こ とが 重 要 であ る と 考 え られ る。 筆 者 は現 在 汐入 浜 に お い てC. capitata如 の 個 体 群 動 態 に 関 す る精 密 な定 量 調 査 を 行 な って い る。 この研 究 を 行 うに あ た り終始 適 切 な御 助言 と御 教 示 を い た だ い た九 州 大 学 天 草 臨 海 実 験 所 菊 池 泰 二 教 授、 田中 雅 生 、 野 島 哲 両 氏 を は じめ 研 究 室 の 諸 氏 に御 礼 を 申 し上 げ る。 な お研 究 の遂 行 に当 り 文 部省 科 学 研 究 費(課 題 番 号448009)の一 部 を 使 用 した。
文
献
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