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ごみ焼却施設における塩素化合物の生成過程に関する調査研究

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(1)横浜国大環境研紀要13:37−49(1986). 報 文. ‖川‖‖l‖‖川l‖川l. ごみ焼却施設における塩素化合物の生成過程. に関する調査研究 ChlorinationProcessintheRefuseIncinerator,sEquipments. 花井 義道*・加藤 龍夫*・井手 敬善* YoshimichiHANAI*,Tatsuo KATOU*and HiroyoshiIDE*. SynopsIS Tocalculateamountsofgeneratedpolychlorinateddibenzo−P−dioxins(PCDD),POlychlq Orinated dibenzofurans(PCDF),Chlorobenzenes,halocarbons and polynuclear aTO㌣atic hydrocarbons,aShandgasproducedfromthe refuselncinerator,s electrostatic preclpltatOr (EP)andcoolingtowerwereanalyzed.These results showed chlorinated compounds re− markablyincresedintheEP・Tostudythechlorinationprocess,eXPerimentswereperfbrm− ed・Alargeamountofchlorofbrm,Carbontetrachloride,trichloroethylene,tetraChloroethylene,. 3∼6chlorobenzeneswereobtainedbytreatlngtheashwith HClandthenheatlngltat300. OcinthepresenceofO2・Chlorinationreactionswerefbundtobeacceleratedbyincreaslng coronadischagecurrent,temperature,reaCtiontimeandconcentrationofHClinanexperi− mentalEP.. 1. はじめに 芳香族塩素化合物は,その化学的安定性と生体へ. すでに焼却炉メーカーと共同でごみ焼却施設から排 出される灰とガス中のPCDD,PCDFの濃度を調べ た≡)その際,灰と排ガスからの発生量の比較と電気. の蓄積性によって地球全体の環境を汚染し生態系へ. 集じん機(EP)の前段階に相当する冷却塔の灰に塩. 重大な影響を与えることが1960∼70年代のPCB,D. 素化合物がほとんど存在しない点が疑問として残さ. DT等の環境調査によって示された。すでにPCB,D. れた。そこで,これらの点に注目して,ある中都市. DTは製造が停止され汚染の拡大は一応くい止められ. のごみ焼却施設を調査し,ここで採取した灰を試料. た。しかし,1980年代に入って新たにPCDD(ポリ 塩素化ダイオキシン)とPCDF(ポリ塩素化ジベン. として塩素化反応実験を行なった。. ゾフラン)が強い毒性のため注目されている。これ. 2.ごみ焼却施設の調査. らの物質は製品ではなく,芳香族塩素系農薬の副生. 2.1調査および分析方法. 物,あるいはごみ焼却の二次生成物質として生成さ. 灰と排ガス試料は通常の運転を行なっているごみ. れ環境を汚染することが知られているさ)・2)不純物と. 焼却処理施設(流動炉 60t/day,2系列)の電気集じ. して多量にPCDD,PCDFを含有する製品は,製造. ん機の前後で1985年9月3日,14時30分から15時30. および使用を中止すればよいが,ごみ焼却施設から. 分にかけて同時に採取した。調査した焼却施設のフ. の防止対策はそれほど容易ではない。基本的には多. ローを図1に示す。. 量のごみを発生する都市生活様式を問題とすべきで あるが,焼却処理を必要とする限り,塩素化合物の. 700℃. 330℃. 300℃. 生成を抑制する技術の開発が課題となる。筆者らは *横浜国立大学環境科学研究センター環境基礎工学 研究室. Department of EnvironmentalEnglneerlng Science, Institute ofEnvironmentalScience and Technology, YokohamaNationalUniverslty (1986年7月7日受領). 冷茸l塔灰. EP灰. 図1 ごみ焼却施設フローシー. ト.

(2) 38. 採取した灰試料20gを円筒ろ紙(ガラス繊維)に入 れ,トルエン100mJでソクスレ一拍出器で6時間軸出. 飛灰およびChromosorbとFlorisilに吸着した成分 を抽出し,2時間後加熱を止め,円筒ろ紙に活性炭. した。得られた抽出液をソクスレー抽出器で約10mろ. を加えてさらに4時間抽出を続けた。以後の操作と. さらに試験管内で窒素ガスによって1mJまで濃縮し. 分析条件は灰の場合と同じである。. 分析に供する。GC/MSは島津LKB−9000を用い,SI M法でPCDD,PCDFおよび塩素化ベンゼン類等を 適当な質量数で定量した。カラムはSiliconeOV−101 2%,ChromosorbWHPlOO∼120meshガラス製3・4. 炭素数2以下の低級塩素化合物は1〟真空びんで 採取したガスを直接GC/MS−SIMで分析した。 2.2 調査結果. GC−ECDのタロマトグラムを図2に示す。塩素化. mm¢×0.5mを用いた。カラム温度は各成分の保持時. 合物に感度が高いECDのクロマトグラム上では,. 間が3分以内になるように設定した。導入ロは3500c,…宕. ガスは電気集じん機入口より出口が,灰は冷却塔灰. セパレータ310−330。c,イオン源3500c,イオン牝 電圧20eV,トラップ電流60pAとした。PCDD∼ ̄とP. よりEP灰にピークの増大が認められる。SIMで定量. CDFの標準試料は,ジベンゾーp−ダイオキシンとジ. くヲ)4CDD,5CDDはどちらの試料も検出限界以下. した結果は表Ⅰに示す。この処理場はPCDDが少な. ベンゾフランの純品,それぞれ数mgを5mわ)四塩化. で比較できなかったが,6∼8のPCDD,4∼8のPC. 炭素に加え,これに塩素を通気して溶解させ,さら. DF,3∼6の塩素化ベンゼン,低級塩素化合物は電. に触媒として鉄片を加え,一定時間反応させた後,. t 気集じん機で,すなわちEP灰,EP出口ガスで著し. GC/MSで定性し,GC−FIDで既知濃度のジベンゾ. く増加することが判った。例えば8CDDは冷却塔灰. フランから検定したものを適当に希釈して,これを. では検出限界(1ng/g)以下だが,EP灰中では150ng/g. 標準として用いた。PCDDとPCDFの相対モル感度. に,7CDFは冷却塔灰で検出限界(2ng/g)以下だが,. はジベンゾフランと同じであると仮定した。炭化水. EP灰で430ng/gに,ペンタクロルベンゼンはEP入. 素の相対モル感度は炭素数に比例し,塩素化しても. 口で5pg/m3だがEP出口で150pg/m3に増加して. 感度の変動はほとんどないためである。測定成分は. いる。しかし多環芳香族炭化水素は同程度か減少の. すべてGC/MSで定量したが,全体の概観を得るた. 傾向が見られる。. めGC−ECDでも分析した。これにはガスタロマトグ. 表1の濃度を示す値と灰とガスの排出量(実測値で. ラフHP−5840A,カラムはcrosslinked 5% phenyl−. はなく平均的値)の積から発生量を求めた結果を表. methylsiliconeultraperfbrmancecapillarycolumn,. 2に示す。灰およびEP出口ガスの値はごみ焼却施. 隈厚0.52pm o.31mm¢×25mを用い,1000c(lmin). 設からの単位時間当りの排出量(mg/H)に相当する。. →50c/min→2600c(60min)でスプリットレスモー. 電気集じん後について灰と排ガスの比率を比較する. ドで分析した。. 排ガス中のPCDD,PCDF等高沸点成分を捕集す るために,ガラス管(8mm¢×150cm)の片側に. と,6CDDは87%が排ガス中に含まれるが8CDDは 72%,また4CDFは95%だが8CDFは76%と,いず. れも塩素数の多い方が,すなわち蒸気圧の低い方が. ChromosorbWAW60−80meshを5cm,Florisi160 灰に吸着している比率が高くなる傾向が認められた。 −100meshを5cm,活性炭30∼60mesh(ソクスレ一. PCDD,PCDFに比べ蒸気圧の高い塩素化ベンゼン. 拍出器を用いて洗浄し,乾燥させたもの)を5cm,. は約99%が排ガスに含まれ煙突から多量に排出され. それぞれガラスウールで固定して充てんした捕集管. ることが判った。以上の結果は,電気集じん機を通. を用いた。試料側から空洞,Chromosorb,Florisil,. 過するガス温度が低ければ灰に,高ければ排ガス中. 活性炭の順となる。空洞部で高温の排ガスは冷却さ. に存在比が高くなることを示唆している。. れる。高沸点成分はChromosorbで捕集されるが揮 発成分は活性炭まで達する。吸着剤を活性炭だけに. 3.灰の塩素化反応実験. しなかったのは,高沸点成分の脱着が困難と思われ. 3.1灰と塩酸の反応. たからである。この捕集管を3000c,N2キャIノアー. 3.1.1実験方法. でエイジングした後,密封し,捕集管の空洞側を排. 1£真空びんを2本用意し,それぞれに冷却塔灰. ガス採取口に挿入し,真空ポンプによって1時間,. とEP灰を0.5g入れ,びんを真空にした後N2を加. 100月前後の試料を採取した。排ガス中の水蒸気は捕. え1気圧とした。これに1N塩酸を10mJ加え,室温. 集管で液化するため空気吸引量は室温に相当する値. (200C)で放置し,気相を一定時間毎にGC−TCDで分. である。採取後,灰と同じくソクスレ一拍出器で,. 析し,発生するH2を測定した。. まず空洞部のガラス壁面とガラスウールに付着した. 3.1.2 実験結果.

(3) 39. 図2 ガスおよび灰のGC−ECDタロマトグラム.

(4) 40. 表1 ごみ焼却処理場に於ける灰および排ガス測定結果 1985.9.3 14:30∼15:30. ng/g. 灰. EP. 冷却塔. ガス. 検出限界 EP入口. 〃g/m3. EP出口 検出限界. ●PCDD 4CDD. nd. nd. nd<0.5. nd. nd し nd<0.1. 5CDD. nd. nd. nd<1.0. nd. nd. 6CDD. nd. 17. nd<0.5. nd. 0.46. nd<0.1. 7CDD 8CDD. nd nd. 9(i 150. nd<1.0. nd. nd<0.2. nd<1.0. nd. 1.4 1.7. d nd. 之6. nd<1.0. nd. 2.1. nd<0.1. 5CDF. 1. nd<5.0. nd. 0.76. nd<0.1. 6CDF. nd. 320. nd<2.0. nd. 13. nd<0.5. 7CDF. nd. 430. nd<2.0. nd. 6.2. nd<0.5. 8CDF. nd. 440. nd<2.0. nd. 6.2. nd<0.5. ndく0.5. nd<0.2. ●PCDF 4CDF. ●塩素化ベンゼン. t. トリタロルベンゼン. 2.1. 12. 1.2. テトラクロルベンゼン. 37. 2.4. 28. ペンタクロルベンゼン. 5.1 15. 8.2. 250. 5.0. 150. ヘキサクロルベンゼン. 12. 200. 1.3. 83. ●低級塩素化合物 トリタロルエチレン. nd. 79. テトラクロルエチレン. 14. 320. 4. 510. 73. 490 46. 四塩化炭素 タロルシアン. nd<10. ●多環芳香族 アントラセン,フェナントレン. 160. 5ウ. 54. フルオランテン. 123. 15. 36. 31. ビレン. 123. 6.0. 35. 9.1. 測定した気相中のH2濃度より灰1gから発生する. 3.2 灰加熱実験. H2量を求めた結果を図3に示す。H2はEP灰および. 3.2.1実験方法. 冷却塔灰ともに30minまで急激に発生し,以後は徐. 試料としたのは冷却塔灰,EP灰,および塩酸処理. 々に増加した。150分後のH2発生量から塩素吸収量. した冷却塔灰とEP灰の4種である。塩酸処理灰は. を求めると冷却塔灰は32mg/g,EP灰は130mg/gと. ビーカーに灰50gを入れ,これに1Nの塩酸500mJを. なる。この量に相当する塩化物が生成したと考えらノ. 加え,約3時間放置後,ろ過し,デシケーターで乾. れる。. 燥させたものである。4種の灰それぞれ0・5gを各9本 の60mJガラスびんに導入し,シリコンゴムで栓をし て内部を真空にした。そのうち各4本に酸素9mJを 導入した。それぞれの灰を入れたびんを恒温槽に入. O. ︵叫\u∈︶︳軍制“エ. ︵U. 3つ‘. れ,室温,1000C,2000c,3000c,20分または60分 の条件で加熱した。なおシリコンゴム栓の部分は恒 温槽の外へ出し加熱しないようにした。加熱後,室 温に冷却し窒素を加えて常圧にした。. この気相0.5mlをGC−ECDに導入し,まず低級塩 50. 川0. 1200. 】50. 反応時間(mln). 素化合物を分析した。次にアセトン2mJを反応容器 に注入し,壁面および灰から生成物を抽出した液2.5 pEをGC−ECDに導入し,生成量の多かった3−6. 図3 灰と塩酸の反応によるH2生成量 (200c). の塩素化ベンゼンとトリタロルフェノールを分析し.

(5) 41. 表2 灰およびガスからの発生量の比較 単位:mg/H. E P 前. E P 後 ガスの占め る割合%. 冷却塔灰 ガ ス. ガスの占め. EP灰 ガ ス. る割合%. ●PCDD 4CDD 5CDD 87. 6CDD. 1.7. 7CDD. 9.6. 32. 77. 8CDD. 15. 39. 72. 2.6. 48. 95. 18. 62. 32 43. 300. 90. 140. 77. 44. 140. 76. ●PCDF 4CDF 5CDF 6CDF 7CDF 8CDF ●塩素化ベンゼン. 29. 99.6. 1.2. 190. 99.4. 55 115. 99.5 99.4. 3.7 25. 640. 99.4. 3500. 99.3. 30. 98.0. 20. 1900. 99.0. 1800. 100. テトラクロルエチレン. 320. 100. 7400. 100. 四塩化炭素. 90 1700. 100 100. 12000 11000. 100 100. 0.11. トリクロルベンゼン. テトラクロルベンゼン 0.26 ペンタクロルベンゼン. 0.75. ヘキサクロルベンゼン 0.60 ●低級塩素化合物 トリクロルエチレン. クロルシアン. ●多環芳香族 アントラセン,フェナントレン. 8.0. 1200. 99.3. 5.7. 1100. 99.5. フルオランテン. 6.0. 830. 99.3. 1.5. 710. 99.8. ビレン. 6.0. 810. 99.3. 0.6. 210. 99.7. 冷却塔灰50kg/H,EP灰100kg/H EP入口,出口ガス……23,000Nm3/H. として計算した。. た。カラムはいずれもcrosslinked methylsilicone. クロルエチレン7700ng/g,テトラクロルエチレン. ultraperfbrmancecapillarycolumn,膜厚0・52pm,. 27000ng/g,テトラクロルベンゼン700ng/g,ペンタ. 0.3lmm¢×25mを用いた。キャ.)アーN210m〝minとし,. クロルベンゼン19000ng/g,ヘキサクロルベンゼン. 低級塩素化合物は注入口圧力0.2kg/cm2,スプリット. 23000ng/gが生成した。これらの生成量は真空中,. モード,500C→50C/min→1500c,塩素化ベンゼン. および1000Cでは著しく少なかった。塩酸処理した. は0.5kg/cm2,スプリットレスモード,800C(lmin). 灰ほど顕著ではないが,冷却塔灰,EP灰ともに加熱に. →100C/min→2600Cで分析した。. よって塩素化合物が生成した。特にクロロホルムと. 3.2.2 実験結果. トリクロルフェノール(2,4,6−)は2000Cでも生成量. 表3にそれぞれの条件で実験した後の塩素化合物. が多かった。タロルベンゼン類は3000cに加熱しな. の量を示す。この値は灰1g当りに実験以前から含. ければ生成しなかった。. 有していた量((主潮⑳参照)と1g当りの生成量の. 3.3 冷却塔灰放電実験. 和を示している。実験の結果,冷却塔灰,EP灰とも. 3.3.1実験方法. に塩酸処理した灰を酸素雰囲気で3000Cに加熱(⑰. 放電実験装置を図4に示す。直流電源部はトラン. ⑲⑮⑳参照)することにより極めて多量の塩素化合. スと整流器からなり,最大電圧は−6kV,最大電流. 物が生成することがわかった。例えば塩酸処理した. は100mAである。出力電圧は高圧トランス入力側の. 冷却塔灰を酸素雰囲気で60分間加熱した試料からク. 電圧をスライダックで調整して変えることができる。. ロロホルム4800ng/g,四塩化炭素11000ng/g,トリ. 反応容器は1月真空びんを用いた。真空びんには銅.

(6) 42. 表3 灰の加熱実験結果 反応容器60mL O2導入量9ml,灰0.5g,塩酸処理1N,10m〝g. 気相 温度時間 Oc min CHC13 CC14 C2HC13 C2C14 C6H3C13 C6H2C14 C6HC15 C6Cl6 C6H2C130H 20 100 60. 0. 0. 0. 0. 300 20 290 130 300 60 680 170. ④. 冷却塔灰 ⑥ ⑦. 02. ⑧. 100 20 200 20 130. 0. 20 100 60. ⑲ ⑪. ⑬ ⑲. 02. ⑫ ⑬. ⑳ ⑪. ⑳. EP灰. ⑳. EP灰. 塩酸処理 ⑳. ⑳. 59. 4. 02. 92. 0. 440 0. 0. 44. 33. 4 6. 19. 0. 30 11 85 45. 0 310 5 40. 54. 840. 29. 34. 19. 0 0. 45 69 98 530 570 1500. 84 88. 0. 230 60. 53. 42. 0. 0. 33. 47 210. 1. 14. 0 17 59 96 46 190 49. 890. 200 60 910. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 8. 31 51. 49 72. 390. 480 0. 950. 360 1000. 0. 0. 14 0 0. 970. 350 290. 670. 53. 0. 8. 5. 20. 3. 0. 200 60 2500. 19. 0. 0. 0. 0. 19. 99. 100 20 130 200 20 4100. 260. 0 0 2. 450 】800. 36. 300. 0. 0. 0. 220 350 1100. 0. 29 69 69 3700 2800 840 230. 0 60. 300 20 740 300 60. 140 220 290 45 53 37 11 280 290 10 860 350. 3 75 190 290 9 110 210 250. 3. 7 13. 18. 330. 300 20 1300 1000. 真空. ⑪. 4. 2. 2. 0. 20 100 60 120. ⑳. 8. 3 130 5 30 4 30. 8. 0. 6. 300 60 3o. ⑳. 55 34. 0. 02. ㊨. 3. 0 3 0. 0. 100 20 200 20 120. ⑳. 3. 0. 17 59. 0. 0. 300 60 880 450. ⑳. 0. 0. 300 20 430 470. ⑳. 0. 5. 300 60 4800 ‖000 7700 27000 780 7000 19000 23000 460. 真空. ⑳. 4. 0. 59. 6】. 3. 4. 0. 87 19. 20 100 60. ⑲. ⑮. 100 20 200 20 1900. 0 0. 0. 300 20 1100 560 410 1100 300 60 1400 190 570 360. 冷却塔灰 塩酸処理. 11. 0 0. 1. 真空. ⑫ ⑬. 0. 27. 0. 7. 300 60 250. ㊨. 0. 0 24 20 57. 真空. ③. ng/g. 含有量 + 生成量. 実験条件. No. 試 料. 74 230 430 1800 490 1700 12. 0. 24. 48. 2 55 280 31 190 440 6 10 25. 30 58 61 480 210 77 330 1300 84 91 150 65 45 34. 230. 21 190. 450. 0. 0 0. 480. 330. 270 】500. 300 60 8700 2100 3700 58000 1500 8800 36000 76000. 板(20×30cm)が巻かれており,直流電流計を通し. 試料として冷却塔灰200mgを真空びんへ入れ,内. てアースされる。電極はステンレス管(1.5mm¢×. 部を真空にした後,酸素100m/を導入し,放電電流. 15cm)の先端にニクロム線(0.3mm¢×5cm)を銀. 0∼60pA,温度200∼400Oc,時間0∼60min,注. ろう付けしたものを用い,シリコンゴム栓を通して,. 入する塩酸100/ノ£の濃度0∼5Nを変化させて,そ. 先端が1£真空びんの中央になるように挿入した。. れぞれの生成量におよぼす特性を調べた。放電は電. 真空びんはマントルヒーターと温度制御装置によっ. 極側が負電圧となるようにし,電圧によって電流値. て最高4000Cまで一定温度に加熱することができる。. を変化させた。一定電流を放電させるのに要する電.

(7) 43. 図4 放電実験装置 それぞれの条件で実験した後の塩素化合物の量を. 庄は温度によっても異なるため,加熱開始から一定 温度となるまで電流計を見ながら調整した。3000C,. 表4と図5に示す。値は灰1g当りの最初から含有. 40/JAの場合は−3.5kVであった。灰は真空びんの中. する量(⑬参照)と生成量の和であるが,冷却塔灰. 央に集中させ,塩酸100/ノ£を直接灰にふれないよう. には測定した塩素化合物がほとんど含有されていな. に注入し,加熱によって塩化水素と水蒸気を発生す. いため,生成量と見なすことができる。電流特性に. るようにした。塩酸1Nの100/上月は塩化水素3.65mg,. ついては図5−(∋に示すとおり四塩化炭素,トリク. 水蒸気260mJ(3000C)に相当する。. ロルエチレン,テトラクロルエチレン,テトラクロ. ルベンゼン,ペンタクロルベンゼンが電流値ととも. 実験後室温にもどしてから窒素を導入し一気圧と. に著しく増加し,放電によって塩素化反応が促進さ. する。3.2.1と同じく気相部0.5mlをGC−ECDへ導入. して低級塩素化合物を分析した後,アセトン10mJを. れることがわかった。なお電流値0での実験㊨は,. 真空びんへ注入し,壁面および灰から生成物を抽出. 冷却塔灰+酸素+塩化水素+水蒸気の反応系による. し3−6の塩素化ベンゼンを測定した。分析条件は. 3000cでの熟反応による生成量を示している。クロ. 3.2.1と同じである。. ロホルムは熟反応のみでも生成され放電効果は認め. 3.3.2 実験結果. られなかった。. 表4 冷却塔灰放電実験結果. 反応容器1E,気相02100mL 試料100mg,塩酸0∼5NlOOpE 実 験 条 件 No. 試験項目. ng/g. 含有量 + 生成量. 電流 〃A. ⑳. 1100. 0. 360. 26. 51. 0. 30. 43. 93. ⑳. 20 300 20 18 1400 1000 140. ⑲. 60. ⑳. 電流特性. ⑪. 880 6200 480. 200. 1700 110 170. 400. 500 7400 1000. 530. 20. 440 150 130 19. 0. 0. 12. 13. 温度特性 ⑫. 0. ⑬. 0. ⑲ HCl. 0. 1700 2900 410 160. 時間特性 ⑮. 790 1200 7700 5300 2200 0. 0. 20 100. 84 110. 0. 11. 12. 18. 3200 15000 540 2000 170 1000 1300 1100. 60 0. 250. 400. 16. 51. 0. 70. 29. 44. ㊨ 濃度特性 40 300 20 3.65 700 1800 450 190 230 530 170 78 ⑲ 7.3 1300 3400 530 200 150 340 100 56 ⑳. 18. 1700 2900 410 160. 20 100. 84 110. 22. 30.

(8) 44. CHC1,,. 20. 0. 40. 60. 20. 0. 40. 60. Current(/LA). Current(〃A). C2C14. C2fIC13 600. 600. 40000. ( 400 u. \. 、、. ヽヽ■′. ヽ■■′ 切 ⊂. b8 ⊂. 200. 200. 8. 0. 20. 0. 40. 60. 20. 0. 40. 60. Current(.〃A). Current(〃A). C6Ii3C13. C6H2C14. 60. 40 (. b8 b8. \. 20. 0. 20. 0. 40. 60. 20. 0. 40. 60. Current(.,EA). Current(/LA). Cs C1,. C6HC15. 20. 40. 6D. Current(A). 20 40 Current(‥A). 温度:3000c,時間:20min,HCl:18mg/E,02:100mL 反応容器:1E,試料:冷却塔灰100mg 図5−① 放電電流と生成量の関係.

(9) 45 CHC13. 叶\ 200. 200. 400. 400. Temp(Oc). Temp(Oc). C2HC13. C2C14. 200. 400. 200. 400. Temp(Oc). Ternp(:c). C8H2C14 120 nU. 0 0 0. ︵叫\晋︶. ︵u\営︶. 0 8. 0 0 0 5 0. 0 0. ′﹂. 卜﹁[﹂0. C6HC15 6000. 42. ︵u\晋︶. 0 0 0 0 0 0 0. 200. C6C16. 200 Temp(1c). 400. Temp(C). 400. 放電電流:40pA,時間:20min,HCl:18mg/E,02:100mろ 反応容器:1E,試料:冷却塔灰100mg 図5−(診 反応温度と生成量の関係.

(10) 46. CHC1,,. 40 20 Time(min). 20. 60. 40. 60. 40. 60. 40. 60. 40. 60. Time(min). C2C14. C2HC13 3000. (2000 u. \b山. ヽ−.ノ′. 1000. 0. 20. 0. Time(min). C6H2C14. C6fI3C13. 40. 20. 0. 60. 20. 0. Time(min). Time(min). C6f王C15. 0. Cg Cls. 20. 40. 60. 口. 20 Time(mIn). Tjme(min). 放電電流:40pA,温度:3000c,HCl:18mg/E,02:100mL 反応容器:1E,試料:冷却塔灰100mg 図5−(卦 放電時間と生成量の関係.

(11) 47. CC14 3000. ( 2000 b♪. b8. \. 1000. 0. 了.3. 0. 14.6. HCl(mg/g). C2fIC13. C2C14. 7.3. 0. 14.6. HCl(mg/ゼ). C6Ii3C13. C6だ2C14. 300. 600. 200. 400. 100. 200. 0. 0. 7.3. 0. 14.6. 7.3. 0. 14.6. HCl(mg/ゼ). HCl(mg/g). C6HCl。. Cg C16 120. 芯 80 \b山. 40. 0 0. 7.3. 14.6. HCl(mg/り. 0. 7.3. 14.6. HCl(mg/り. 放電電流:40pA,温度:300Oc,時間:20min,02:100mL 反応容器:1E,試料:冷却塔灰100mg 図5−(彰 塩化水素濃度と生成量の関係.

(12) 48 温度特性については図5−(彰に示すとおりクロロ. ホルム以外の低級塩素化合物は2000cから4000cに,. 知られるようにFeC13は炭化水素の塩素化反応に触 媒として作用する。また酸素中で加熱すると塩素を. 3∼6のタロルベンゼンは3000cから4000Cにかけ. 発生する事も知られている。塩酸処理した冷却塔灰,. て生成量が激増した。. EP灰を酸素雰囲気で加熱した時に多量の塩素化合. 時間特性については図5−(彰に示すとおり,0−. 物が生成した事は,灰に含まれるFeが上記のよう. 40分にかけて増加する傾向が認められた。クロロホ. な過程でFeC13に変化し,有機物の塩素化に寄与し. ルムとトリクロルエチレンは40分から60分にかけて. たのではないかと思われる。また,有機塩素化合物. 減少したが,その他の成分,特に塩素化ベンゼンは. が多量に生成した事は,灰の中に起原物質が多量に. 40−60分にかけて著しく増加した。. 含まれている事を示している。2.2の調査結果によれ. 塩化水素濃度特性については図5一(むに示すとお. ば,生成した塩素化合物は蒸気圧が高いため,大部. り塩化水素濃度0∼3.65mg/ゼにかけて生成量は増. 分が気相中に移行し,灰に吸着している量は少ない。. えたが,それ以上では明瞭な関係は見い出せなかっ. 塩酸処理をしなかった冷却塔灰,EP灰も2000C以. た。. 4.考 察 ごみ焼却施設の調査結果によれば,有機塩素化合. 上で塩素化合物が生成している。これは燃焼によっ て生じた塩化水素によって灰のFeの一部はすでに 塩化物に変化していたためと考えられる。 また,灰の加熱実験で2000cでトリクロルフェノ. 物,すなわちPCDD,PCDF,塩素化ベンゼン,低. ールが生成され,3000Cで減少傾向が見られたのは,. 級塩素化合物は焼却炉ではなく,大部分が電気集じ. トリタロルフェノールの反応性が高く,他の成分に. ん機で生成されている。この点について考察する。 ごみの燃焼とは炭素を含む高分子の固体が熱分解 によって低分子化し,気化して空気中の酸素と結合. 変化したためと考えられる。トリタロルフェノール は縮合すれば4CDDに変化する点で,興味のもたれ る成分である。. して炭酸ガスに変化する過程である。ここで酸素で. 冷却塔灰の放電実験は実際の電気集じん機をモデ. はなく含塩素のプラスチック等から供給される塩素. ルとしており,どのような条件で運転すれば塩素化. と結合すると有機塩素化合物が生成される。焼却炉. 合物の生成を抑制できるかの手がかりを得ることが. の温度は7000cで,熱分解によって発生した気体は. できる。放電電流と共に塩素化合物の生成量が増え. 瞬く間に酸化されるため,塩素化反応はほとんどな. るのは,放電によってHClが解離し,反応性の高い. いか,あるいは生成されてもさらに酸化される。電. Cl,C12を生じ,塩素化反応を促進するためと考え. 気集じん機の温度は3000cと低く,滞留時間も長い. られる。電気集じん機は放電しなければ集じんでき. ため,酸化反応は受けず塩素化反応が進行する。こ. ないので,この点に関しては集じん方法を原理的に. こで問題となるのは反応の起原物質が何かと,放電. 変えるしかない。. が反応に関与するか否かという点である。塩素化を. 温度特性は集じん機の操作温度を2000c以下にす. 受ける原料物質としてはアセチレン,ベンゼン等炉. れば著しく塩素化反応を抑制できることを示してい. の排ガス成分がまず考えられる。しかし,これらの. る。すなわち,炉と電気集じん機の間の冷却塔の冷. 未燃成分は不完全燃焼した時に一時的に高くなるが,. 却能力を上げ,集じん機を通過するガス温度を200. 通常の濃度レベルは1ppm前後と低くヲ)気相中の未. 0c以下にすれば良く,既存の設備での対策は容易と. 燃成分が起原物質になるとは考えにくい。気相以外. 思われる。. の起原物質としては,灰から気化せず残存した高分. 時間特性からは灰の高温での滞留時間をできるだ. 子の有機成分が考えられる。そこで,この調査で分. け減らすこと,HCl濃度特性からはHCl濃度を減. 析した灰を試料として有機塩素化合物の生成過程に. 少させる必要を指摘できる。. 関する一連の実験を行なったわけである。 灰と塩酸の反応によって多量の水素が発生したが,. いずれにしても集じん方法,温度,滞留時間,HCl 濃度等の要因と有機塩素化合物の生成量の関係につ. これは灰の中の金属と反応した結果と考えられる。. いて実装置で検討し,有効な対策をとることが望ま. 灰の中には多種類の金属が含まれている皇)なかでも. れる。. Fe,Znは量も多く,これらの金属は塩酸と反応して H2を発生すると共に塩化物を生成する。Feの場合は. FeCl2を,Fe304はFeC12とFeC13を生成する。また FeC12は水蒸気と反応してFeC13を生成する。良く. 謝辞. 本調査研究は焼却炉メーカーの方々の協力によっ て可能となったものです。とくに,調査には佐藤信介.

(13) 49. flyashandcindersco11ectedn・OmSeVeralmuni−. 氏の協力を得ました。関係者の皆様に感謝します。 文献. CIPalincineratorsinJapan・Environmental. 1)K.01ie,P.L.Vermeulenand O.Hutzinger:Chlo−. rodibenzo−P−dioxinsandchlorodibenzofurans aretracecomponentsofnyashandfluegasof. SOmemuniclpalincineratorsintheNetherlands. Chemosphere,6,455(1977). 2)T.WakimotoandR.Tatsukawa:Polychlorinat− eddibenzo−P−dioxinsanddibenzofuransin. HealthPerspectives,59,159(1985). 3)花井義道・加藤龍夫:ごみ焼却炉における塩化. 水素濃度とPCDDs,PCDFs生成量の関係につ いて,横浜国大環境研紀要,12,11(1985) 4)秋山 薫:都市ごみの焼却処理に伴う重金属等 の挙動について(その1)一焼却灰の性状調査 −,東京都清掃研究所研究報告,37(1982).

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