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20~30歳代校友の多様なネットワーク開発 -首都圏をモデルケースとして

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Ⅰ.研究の背景

1.立命館大学校友会について 立命館大学校友会は、1918 年の文部省「新大学令」 発布に端を発した本学の大学昇格問題を機に、当時、京 都、大阪、東京に自然発生的に個々に組織されていた校 友会が、母校の大学昇格基金確立へ向けて結束し、翌 1919 年に全国組織を設立し、募金活動を行ったのが始 まりとされている1)。その後、創立 50 周年(1950 年) 時に、校友課が設置されると、同課を窓口に校友会は学 園との連携を一層強め、周年事業をはじめとする、学園 の様々な事業に対し、人的、財政的支援を行うようにな った2) 現在、本学校友会は、会員数 281,078 名、都道府県、学部、 ゼミ、サークル、職域単位、海外支部等約 470 もの組織 があり、年間1万名強の校友が活動している(図1)。 各々の組織における活動をベースにしながら、年に一 度、母校のある京都において、立命館アジア太平洋大学 校友会、附属校同窓会や現役学生と連携の上、「ALL-RITS立命館校友大会」を開催している(2007 年度は東 京において開催)。約 1,700 名の校友が一堂に会し、相 互に変わらぬアイデンティティーを確認し、旧交を温め、 母校(後輩)支援への思いを共有し合う場となってい る。 この間の校友会による学園への具体的支援事例として は、2000 年の「創始 130 年・創立 100 周年記念事業」へ の1億円の寄附、2004 年 12 月に発生したインド洋大津 波災害に対する学園独自の支援事業への5百万円の寄 Ⅰ.研究の背景 1.立命館大学校友会について 2.20 ∼ 30 歳代の校友ネットワーク開発の必要性 と意義について Ⅱ.研究の目的 Ⅲ.研究の方法 1.研究の進め方 2.具体的な研究方法 Ⅳ.研究を通して得られた知見 1.ヒアリング調査結果を踏まえた仮説の構築 2.校友アンケート調査結果 3.国内外の先進事例調査 Ⅴ.考察―仮説の検証と政策の方向性 Ⅵ.政策提起 1.学生参加のもとセミナーや勉強会をセットにし た「異業種交流会」の実施 2.教諭校友対象のセミナーや勉強会をセットにし た「同業種交流会」の実施 3.公務員校友対象のセミナーや勉強会をセットに した「同業種交流会」の実施 4.女性校友を対象とした企画の実施 5.同期生の「絆」を再構築する企画の実施 Ⅶ.研究のまとめ 1.今日的視点―多様な分野で活躍する校友のネ ットワーク化 2.将来的な視点―指導層となり、社会的影響力 をもった校友とのネットワークへ 3.新教学分野の校友ネットワーク化に向けた意味 ―ネットワーク化ノウハウの蓄積 Ⅷ.残された課題 1.ネットワークを構築し、発展させていく「コア 人材」の発掘、育成サポート 2.「校友を育てる」という意識の全学共有化

20 ∼ 30 歳代校友の多様なネットワーク開発

―首都圏をモデルケースとして

大場 茂生

伊藤  昇

志垣  陽

武田  敦

校 友 ・ 父 母 課 課 長

校 友 会 事 務 局 長 大学行政研究・研修 センター専任研究員 校友・父母課課長補佐

論文

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附、そして朱雀キャンパス移転事業への5億円の寄附等 があげられる。その他にも校友会は、その時々の学園事 情を踏まえ、多岐に亘る支援を実施してきている。 2.20 ∼ 30 歳代の校友のネットワーク開発の必要性と 意義について (1)20 ∼ 30 歳代の校友のネットワーク開発の必要性 先述のように、校友会活動は、歴史的に学園の発展に 応える形で活性化してきた。また、校友自身も「母校 (後輩)支援」に参加する中で、ビジネス・ネットワー ク等、自身に有効なネットワークを構築し、仕事や人生 に活かしてきた。つまり、校友は、校友会活動を通して、 自らの人生を豊富化してきたといえよう。 このように、「母校(後輩)支援」に大きな役割を果 たしてきた校友会ではあるが、近年、卒業生数の増加に 比して、校友会活動への参加者数の伸びが鈍化してきて いる(図1)。 学園、校友双方に意義のある校友会活動を活性化させ るという観点から、また、学園中期計画における「校友 力に依拠した学園創造の推進」の具体化を図るという観 点からも、現在の取り組みを発展させる、あるいは、新 たな取り組みを開発する必要がある。例えば、全世代を 対象とした、現行の校友大会のような企画の開発や、あ るいは、校友ニーズの世代間較差に配慮し、具体的に対 象とする世代を設定した上で、そのニーズに基づいた企 画を開発することなどが必要であると考える。特に、後 者の世代毎にセグメンテーションする企画の開発は、校 友のニーズにきめ細かく応えることができるとともに、 「母校(後輩)支援」を、それぞれの世代の役どころご と(若手、中間管理職、トップ層など)や、ライフスタ イルごとに組織できる利点を持つことから、有効な企画 になり得ると考えられる。 とりわけ、本学における全校友 281,078 名の約 40 % (1990 年以降の卒業生数は 113,784 名)を占める、20 ∼ 30 歳代の校友を校友会活動に組織できれば、学園(学 生)、校友そして校友会にとって、下記のような、様々 な効果が期待できるものと考えられる。本研究は、この 世代の校友に焦点をあて、有効なネットワークを開発し ようとするものである。 【期待される効果】 ①校友会活動の活性化 ②次世代の校友会活動を担う校友の確保 ③校友会活動と校友ネットワークの異世代にわたる拡 大 ④学生と世代間ギャップの小さい若手校友による学生 支援、校友会と学生との繋ぎ ⑤校友会活動の社会的影響力アップ など (2)20 ∼ 30 歳代の校友に焦点をあてた背景∼新たな校 友会活動の動き∼ 本研究において、校友会活動に積極的には参加してい ないと考えられている 20 ∼ 30 歳代の校友にあえて焦点 をあてたのは、先にあげた「期待される効果」とともに、 以下に示すような、最近の取り組みの経験が背景にある からである。 ①新卒者歓迎会 1997 年、東京有楽町において、東京校友会主催によ る「東京地区新人歓迎会」が開催された。参加者は、私 服、ノーネクタイで、従来の総会議事や来賓祝辞等々の フォーマルな式次第はなく、ゲーム等の企画も盛り込ま れた、若者感覚に合わせたイベント性の高いものであっ た。企画は功を奏し、多くの若い校友が参集した。そし て、同会の趣旨は、関東各県校友会の賛同を呼び、現在 では、関東各県校友会共催による「関東新人歓迎会」と 8,152 8,591 8,908 8,932 12,285 11,022 12,502 10,952 10,705 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 0 1 2 3 4 5 6 7 ︵ ︶ ︵ 名 ︶ 校友数 215,513 221,937 228,540 235,278 241,937 249,249 256,813 264,893 273,074 参加校友数 8,152 8,591 8,908 8,932 12,285 11,022 12,502 10,952 10,705 参加率(%) 3.8 4 4.1 4.1 5.7 5.1 5.8 5.1 5 1 2 3 4 5 6 7 8 9 図1 校友数、校友会活動参加者数および参加率推移(1998 ∼ 2006 年度)

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して発展している。歓迎会は、新卒社会人を歓迎すると ともに、校友としてのアイデンティティーを形成(育成) する場として定着している。 以降、2002 年の大阪校友会主催の「大阪地区新人歓 迎会」、翌 2003 年の京都校友会のU 403)組織「京都春 風会」主催の新人歓迎会、2005 年の兵庫県校友会後援 による「ALL-RITS スポーツ観戦イベント」、そして 2006 年の愛知県校友会主催の「新歓イベント」や岐阜 県校友会主催の「新校友歓迎会」等、各地で「新歓」を 切り口とした企画が次々と開催され、多くの若い校友が、 初めて校友会活動に参加する機会を得ることとなった。 ② ALL-Rits キャリア交流サロン 2007 年 11 月4日、東京国際フォーラムで開催された 「All-Rits 立命館校友大会 2007」におけるU 40 企画「All-Ritsキャリア交流サロン」には、約 600 名もの平成年間 の若い校友(含む立命館アジア太平洋大学の校友)が集 まった。U 40 限定の会場には、ベビーカーを押して参 加する家族連れや留学生など、従来の校友大会には見る ことができなかった層も大勢参加した。キャリア・アド バイザー4)を中心に構成された運営スタッフのアイデ アで、参加者は名刺交換ゲームなどを通して交流すると ともに、再会を喜び、「ノスタルジー・ニーズ」をも満 たす機会となった。 このような事例から、ニーズを把握し、それを企画に 活かせれば、若い校友は校友会活動に参加する可能性が あるということが分かった。これは、従来の「旧交を温 める」というニーズだけではなく、校友の多様なニーズ を事業(企画)化できれば、新しい校友のネットワーク を開発することができるということに繋がり、「校友力 に依拠した学園創造の推進」の端緒を切り拓く一歩にな ると考えられる。

Ⅱ.研究の目的

本研究の目的は、20 ∼ 30 歳代の校友の多様なニーズ を調査・分析することにより、彼ら自身の要求や要望に 繋がるような、有効なネットワークを開発することと、 学生や学園との連携の可能性を追求することである。こ れは、即ち学園中期計画の「校友力5)に依拠した学園 創造の推進」の一環でもある。

Ⅲ.研究の方法

1.研究の進め方 先ず、研究の方向性を探索するために、校友を対象に プレ・ヒアリングを実施する。その中で判明した、校友 が、現在抱えている様々な課題に重点を置きながら、さ らにヒアリング調査を進め、仮説を構築する。 次に、仮説の検証と新たな知見獲得のため、ヒアリン グ調査結果を参考にアンケートを作成し、首都圏在住の 20 ∼ 30 歳代の校友を対象に調査を実施する。併せて国 内外の先進事例調査を行い、ネットワーク政策の方向性 を探る。 2.具体的な研究方法 (1)校友ヒアリング調査 プレ・ヒアリングを含め、合計 30 名の校友を対象に、 ヒアリング調査を実施する。校友が、現在抱えている課 題に重点を置きつつ、母校に対するアイデンティティー や、校友会活動への参加状況などについて質問を行う。 そして、得られた回答を、「業種」、「性別」および「年 齢層」という切り口で整理しながら、研究の方向性を定 めるとともに、仮説の構築を行う。 (2)校友アンケート調査 校友ヒアリング調査の結果を受けて、仮設の検証と新 たな知見獲得のため、校友へのアンケート調査を首都圏 (東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)において実施す る。 なお、母校(後輩)との接触機会が多く、比較的母校 愛が強いと考えられるキャリア・アドバイザーは、校友 の一般的な性向を探るため、調査対象から削除する。 ①調査内容:校友ニーズ調査 ②対  象:首都圏在住 20 ∼ 30 歳代の校友 6,093 名 ③実施方法:郵送 (3)先進事例調査 校友アンケート調査と並行して、国内外の先進事例調 査を行う。 ①国内の先進事例 ・神戸異業種交流会サークル「くろすろーど」 ・早稲田大学校友会「年次稲門会 10 年祭」企画 ・東京大学「知の創造的摩擦プロジェクト」

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・早稲田大学校友会「稲門女性ネットワーク」 ②アメリカの先進事例 ・ノースイースタン大学におけるキャリア・サービ ス、サポートを通した連携事例 ・バブソン大学における教学支援を通した連携事例 ・ヴァッサー大学における卒業生の寄附実態 ・アメリカの大学における「生涯メールアドレス」の 発行

Ⅳ.研究を通して得られた知見

1.ヒアリング調査結果を踏まえた仮説の構築 ヒアリング調査結果を踏まえ、「20 ∼ 30 歳代の校友の ニーズ」と、20 ∼ 30 歳代の校友のネットワーク化が、 校友、校友会そして学園(学生)にもたらすであろう 「新しい様々な効果・可能性」を、研究の仮説として以 下の通りまとめた。 仮説は、下記の「校友のニーズ」と、それに応える企 画を開発し、そこへ若手校友が参加することにより、同 じく下記の「新しい様々な効果・可能性」が生まれると いう組み立てになっている。 アンケート調査は、ニーズの「確かさ」を中心に調べ るものとして設計した。 〔20 ∼ 30 歳代の校友のニーズ〕 (1)異業種交流会を通して、ビジネス・パートナーの 獲得等、自身に有効なネットワークを構築したいとい うニーズ (2)教諭校友や公務員校友に見られる、情報交換や相 談機能を有した同業種交流ニーズ (3)自分自身の発展や成長に繋がるような機会、例え ばキャリア・アップやスキル・アップを目的としたセ ミナー・勉強会への参加ニーズ (4)女性のニーズに基づいた「女性だけの会」への参 加ニーズ (5)同期生同士の交流ニーズ (6)「進路・就職支援」や「課外活動支援」等の母校 (後輩)に対する高い支援意欲 〔20 ∼ 30 歳代の校友のネットワーク化がもたらすであろ う新しい様々な効果・可能性〕 (1)校友同士の交流により校友自身にもたらされるで あろう新しい効果・可能性 ①ビジネス・ネットワーク等、自身に有効なネットワ ークの構築、獲得 ②自身が抱える様々な課題の解決に繋がる有効なネッ トワークの構築、獲得 ③自己啓発、自己革新に繋がるような機会獲得 等 (2)学園(学生)との連携を通した校友に対する新し い効果・可能性・ニーズ ①「キャリア・アップ」や「スキル・アップ」獲得に 向けた本学教学資源の活用 ②校友のモチベーション・アップ (3)校友会活動に対する効果・可能性・ニーズ ①「立命館校友ネットワーク」の社会的な拡がり ・ 20 ∼ 30 歳代の校友は多様な分野へ進出 ・多様な分野へ進出し、活躍している 20 ∼ 30 歳代の 校友のネットワーク化は、校友会活動の社会的な拡 がりを実現 ②校友会活動参加者数の飛躍的な増加 ・従来、校友会活動に参加していなかった、校友全体 の 40 %を占めている世代が、校友会活動に参加す ることによる校友会活動参加者数の飛躍的な増加 ③校友会活動の多様化と活性化 ・多様な分野へ進出し、活躍している 20 ∼ 30 歳代の 校友の多様かつ新しいニーズへの対応に基づくネッ トワーク化は、校友会活動の多様化や活性化を実現 ・上記ネットワーク化経験が新教学分野の校友の組織 化ノウハウの蓄積を実現 (4)学園(学生)に対する効果 ①校友による「学園(学生)支援プログラム」の開発 ・正課における寄附講座の提供、学会・講演会への協 賛、講師・ゲストスピーカーとしての教育事業支援 への参画等 ・寄附やインターンシップの受入、受託研究の仲介等、 多様な分野への進出、活躍している校友との連携に よる様々な「学園(学生)支援プログラム」の開発 ②学生と校友との交流の「場」・「システム」の開発 ・「キャリア・アドバイザー懇談会」をはじめ、20 ∼ 30 歳代の校友の多様なニーズに基づき開発され たネットワークへ、学生を参加、参画させることに よる様々な教育効果、相談効果の実現 ③多様な分野における活躍が学園の社会的評価をアッ プ(ブランド力アップ)

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・多様な分野への進出を遂げた 20 ∼ 30 歳代の校友が、 ニーズに基づく相互交流を通して、それぞれの分野 において活躍することによる、学園の社会的評価ア ップ 2.校友アンケート調査結果 (1)校友アンケート調査回答結果と年齢層別分析 2007 年7月 10 日∼ 31 日にかけて、首都圏(東京都、 神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の 20 ∼ 30 歳代校友 6,093 名を対象に、郵送によるアンケート調査を実施し た。 回答者総数は 770 名、回答率は 12.6 %であった。回答 結果を年齢層別に分析してみると、卒業 10 年前後であ る 30 ∼ 34 歳の層が、最も高い回答率であった(表1)。 (2)20 ∼ 30 歳代の校友の校友会活動参加状況および参 加意欲の湧く内容 20 ∼ 30 歳代の校友の約 80 %が、校友大会や各都道府 県校友会総会等の校友会活動に、「参加したことがない」 と回答したものの(図2)、不参加の理由を分析してみ ると、「意義が感じられなかった」(14 %)以外は、決 して悲観的なものではなく(図3)、「企画を知っていれ ば」あるいは「企画内容に興味が持てれば」、今後、参 加増が期待できるものと思われた(図4)。 20 ∼ 30 歳代の校友には、校友会活動に対して「ノス タルジー」を求めるニーズはあるものの、プライオリテ ィーは決して高くはなく、全体として、「異業種交流会」、 「同業種交流会」および「キャリア・アップやスキル・ アップに繋がる勉強会」等、自分自身の成長やビジネ ス・チャンスに繋がるような出会いに、大きなニーズが あると思われた(図5)。 このことは、ヒアリング調査の結果に基づき構築した 仮説とも一致している。 性別分析では、「『子育て』に関する会」や「女性校友 の会」というニーズにおいて、女性校友に特徴が見られ た(図6・図7)。 業種別分析では、民間企業および国家公務員の校友は、 全体とほぼ同様の傾向を示し(図8・図9)、地方公務 員および教諭の校友は、「同業種交流会」へのニーズが 高い結果が見られた(図 10 ・図 11)。 (3)情報入手ツールとして希望するもの 校友会や母校からの情報を入手するツールに関して は、「校友会報『りつめい』」が、圧倒的に高い支持を得 年齢層 実施人数 回答数 回答率 20 ∼ 24 歳 0663 052 07.8 25 ∼ 29 歳 1784 185 10.4 30 ∼ 34 歳 2066 314 15.2 35 ∼ 39 歳 1580 218 13.8 不明 001 合計 6093 770 12.6 表1 校友アンケート調査年齢層別回答結果 *回答者中 1 名のみ年齢層不明 参加したこと がない 82.9% 参加したこと がある 16.9% 不明・ 無回答 0.3% 図2 校友会活動参加経験の有無(n = 770) 一人では参加しに くかった 34% 企画内容に興味を持てなかった 17% 参加する事の意義 が感じられなかっ た 14% 「校友会」のこと をよく知らなかっ たので参加しにく かった 18% 不明・ 無回答 0% 企画が開催されて いる事を知らな かった 9% その他 8% 図3 校友会活動不参加理由(複数回答) 参加しようとは 思わない 14% 不明・ 無回答 1% 参加しようと思う 85% 図4 不参加理由が改善された場合の参加意欲(n = 638)

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0 100 200 300 400 500 3位 133 91 136 28 69 32 90 58 65 10 58 2位 118 183 148 40 58 36 69 23 72 4 19 1位 214 113 159 37 38 33 48 27 88 4 9 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリ アアッ プ・ス 「子育 て」に 関する 「年 金」 「裁判 女性校 友の会 レクリ エー ション キャン パスに おける 恩師と の繋が りに重 その他不明・ 無回答 図5 参加意欲の湧く企画内容(n = 770 優先回答) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 3位 42 35 36 20 28 32 25 23 15 2 21 2位 35 34 61 29 26 35 22 6 23 1 7 1位 45 36 53 28 21 31 17 10 32 2 4 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリ アアッ プ・ス 「子育 て」に 関する 「年 金」 「裁判 女性校 友の会 レクリ エー ション キャン パスに おける 恩師と の繋が りに重 その他不明・ 無回答 図6 参加意欲の湧く企画内容(女性校友 279 名) 0 50 100 150 200 250 300 350 3位 91 56 100 8 39 0 65 35 50 8 37 2位 82 149 87 10 32 1 47 17 49 3 12 1位 169 77 105 9 17 1 31 17 56 2 5 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリ アアッ プ・ス 「子育 て」に 関する 「年 金」 「裁判 女性校 友の会 レクリ エー ション キャン パスに おける 恩師と の繋が りに重 その他 不明・ 無回答 図7 参加意欲の湧く企画内容(男性校友 489 名) 0 100 200 300 400 3位 102 72 101 25 50 20 72 41 48 9 35 2位 93 147 114 25 42 25 50 16 48 3 12 1位 183 69 124 27 34 23 31 20 58 4 2 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリ アアッ プ・ス 「子育 て」に 関する 「年 金」 「裁判 女性校 友の会 レクリ エー ション キャン パスに おける 恩師と の繋が りに重 その他不明・ 無回答 図8 参加意欲の湧く企画内容(民間企業従事者 575 名) 0 5 10 15 20 25 3位 7 5 7 0 6 0 6 3 2 0 2 2位 5 9 12 0 3 0 3 0 6 0 0 1位 11 10 4 0 1 0 6 1 5 0 0 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリアアッ プ・スキ ルアップ 「子育 て」に 関する トピック なテーマ の勉強 女性校 友の会 レクリエー ション中 心の会 キャンパス におけ るホームカ 恩師の との繋 がりに その他不明・ 無回答 図9 参加意欲の湧く企画内容(国家公務員 38 名) 0 2 4 6 8 10 12 3位 4 0 3 1 3 2 1 0 3 0 6 2位 3 5 2 3 2 0 2 0 3 0 3 1位 2 7 1 0 0 1 4 2 3 0 3 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリアアッ プ・スキ ルアップ 「子育 て」に 関する トピック なテーマ の勉強 女性校 友の会 レクリエー ション中 心の会 キャンパス におけ るホームカ 恩師の との繋 がりに その他不明・ 無回答 図 10 参加意欲の湧く企画内容(地方公務員 23 名) 0 5 10 15 20 3位 6 2 5 0 0 2 1 4 4 0 0 2位 3 5 5 1 1 1 2 1 5 0 0 1位 1 12 6 0 0 0 1 1 2 0 1 異業種 交流会 同業種 交流会 キャリアアッ プ・スキル アップに 「子育 て」に 関する トピックな テーマの勉 強会 女性校 友の会 レクリエーショ ン中心の 会 キャンパス におけ るホームカミ 恩師の との繋 がりに その他不明・ 無回答 図 11 参加意欲の湧く企画内容(教諭校友 24 名) 0 100 200 300 400 500 600 700 3位 76 146 174 98 97 72 6 101 2位 113 186 157 100 140 49 1 24 1位 497 48 60 21 112 26 4 2 校友会報 「りつめ い」 立命館大 学校友会 HP 立命館大 学HP テレビ・ 新聞等 メールマ ガジン SNS その他 不明・回 答 図 12 情報入手ツールとして希望するもの(n=770 優先回答)

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た。その他、「校友会 HP」、「大学 HP」、そして「メール マガジン」にニーズを確認できた。 なお、1位希望という観点では、「メールマガジン」 が、「校友会報『りつめい』」に次いで2番目に高い支持 を得ており、今後、実施検討の余地があると思われた (図 12)。 (4)20 ∼ 30 歳代の校友の母校(後輩)支援状況 ① 20 ∼ 30 歳代の校友の母校(後輩)支援実態 本データの中に、キャリア・アドバイザーが組み込ま れていない影響もあるが、一般的に、20 ∼ 30 歳代の校 友の 80 %近くが、母校(後輩)支援に携わった経験が ないということが分かった(図 13)。 しかしながら、主たる未経験理由(図 14)は、「チャ ンスがなかった」、「時間的余裕がなかった」、あるいは 「手続きを知らなかった」というものであり(83 %)、 全く支援意志がないが故に、支援に携わらなかった (11 %)という訳ではない(図 15)ということが分かっ た。 そして、今後、未経験理由となった条件が改善された 場合の、母校(後輩)に対する支援意志の有無を尋ねた ところ、75 %が支援意志を表明した(図 15)。 支援意志を表明した 449 名が考える、今後、実施可能 な母校(後輩)支援活動内容(図 16)は、「進路・就職 支援」が最も多く 50 %、次いで「具体的な支援が思い つかない」が 26 %、そして3番目には、母校や在学中 所属していた課外活動団体への「財政的支援」で7%と いう結果であった。さらに、校友の得意分野などを活か す、「具体的な支援」活動を開発すれば、多彩な支援の 可能性があることも分かった。 ②年齢層別分析結果 より支援意志の強い年齢層を究明すべく、支援意志を 表明した 449 名について、年齢層別分析を試みたが、年 齢層間に明らかな差はみられなかった。換言すれば、各 年齢層とも、75 %前後の高い支援意志が存在している といえる。 (5)校友アンケート調査結果からの考察 今回の校友アンケート調査結果から、本学の 20 ∼ 30 歳代の校友には、全体として、「異業種交流会」、「同業 種交流会」および「キャリア・アップやスキル・アップ に繋がる勉強会」等、自分自身の成長やビジネス・チャ ンスに繋がるような出会いに、大きなニーズがあること が確認でき、地方公務員や教諭校友には「同業種交流」 ニーズ、女性校友には、「『子育て』に関する会」や「女 性校友の会」などのニーズがあり、今後は、それらのニ ーズに基づいたネットワーク構築の必要性があると考え られた。また、母校(後輩)支援という点では、本学の 20 ∼ 30 歳代の校友は、「進路・就職支援」をはじめとす ある 22% ない 77% 不明・ 無回答 1% 図 13 母校(後輩)支援経験の有無 (n = 770) チャンスが なかった 41% 母校支援に あまり興味 が無かった 11% その他 5% 不明・無回 答 1% 手続きを知 らなかった 17% 時間的余裕 が持てな かった 25% 図 14 母校(後輩)支援未経験理由 (n = 602 複数回答) 携わりたい 75% 携わりたく ない 24% 不明・ 無回答 1% 図 15 母校支援未経験者の今後の支 援意志(n = 598) 進路・就職 支援, 50% 寄付等財政支援, 7% 具体的な支 援内容が思 いつかな い, 26% その他, 17% 図 16 今後実施可能な母校(後輩)支援活動内容(n=449 複数回答)

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る母校の後輩支援に対して、意欲的であるという実態も 確認でき、ヒアリング調査結果を踏まえて構築した仮説 を実証する形となった。 一方で、母校(後輩)への支援意欲はあるものの、 「具体的な支援内容が思いつかない」という層が 26 %も 存在しているという実態も確認できた(図 16)。これは、 校友会活動不参加理由も含めて、20 ∼ 30 歳代の校友と 学園(学生)との間に、有効なコミュニケーション方法 が、未だ確立できていない部分があるためと考えられ、 新たに有効なコミュニケーション方法を開発、検討する 必要があると思われた。また、財政的支援を含めた校友 による母校(後輩)支援を、今後、いかに開発し、発展 させていくか等の課題も明らかとなった。 3.国内外の先進事例調査 ヒアリングの結果構築した仮説の実証、校友アンケー ト調査の結果判明した 20 ∼ 30 歳代の校友ニーズと同様 のニーズに基づいた取り組み(参考事例)の経験、そし て校友による母校(後輩)支援方法を、今後、開発する にあたっての参考事例の収集を目的に、国内外における 先進的な事例を調査することとした。 (1)国内における先進事例 〔異業種交流ニーズ〕 ①神戸異業種交流会サークル「くろすろーど」 1998 年に設立された同サークルは、20 ∼ 30 歳代の社 会人および学生で構成され(コア・メンバー 50 名、登 録会員 300 名)、2ヵ月に1回、トピックなテーマの勉 強会と懇親会をセットにした異業種交流会を実施してい る。企画広報は、HP、メーリングリストに加え、最近 では独自の SNS6)を活用している。毎回、50 名前後が 参加し、起業家、サラリーマンそして学生が有意義な交 流を行っている。 〔同期生同士の交流ニーズ〕 ②早稲田大学校友会「年次稲門会 10 年祭」企画7) 早稲田大学校友会「稲門会」が、若手の交流の場とし て企画した、学部卒業後 10 周年目の集い。同期生とい う話題を共有し合える者同士、活発な交流が展開され、 2006 年1月の「年次稲門会 10 年祭」に参加したメンバ ーは、その後、「W 92 会」という新たな同期会を立ち上 げ、交流活動を継続、発展させている。 「卒業後 10 年は、公私ともども一番充実している時 期」、「この充実した時に年次のつながりができれば、5 年後、10 年後、各自が責任あるポジションに就いた時、 日本を動かせる横のつながりになるかもしれない」、あ るいは「『早稲田』にも恩返しできるようになりたい」 等々、「卒業後 10 年」を機に、様々な可能性を有したネ ットワークが構築されようとしている。 また、同会は「精神的に自己回帰して、新たな気持ち で頑張れる場」と、女性校友にも好評で、参加者も多い とのことであった。 「同期会」および「卒業 10 年」は、20 ∼ 30 歳代校友 のネットワーク化において、重要なニーズであるとの感 触を得た。 〔母校(後輩)支援に意欲的であるということ〕 ③東京大学「知の創造的摩擦プロジェクト」8) 2005 年 10 月に発足した、東京大学「知の創造的摩擦 プロジェクト」は、「東京大学三四郎会」9)約 130 名と 学生 300 名で構成、運営されている学生と校友との交流 会企画である(年2回開催)。「就職」や「キャリア形成」 をテーマに、7∼8名の小グループで、ディスカッショ ンを行い、多様な価値観に触れ合いながら、学生と校友 が相互に高め合える場となっている。 また、同プロジェクトは、プロジェクト推進学生委員 会「東大ドリームネットワーク」の学生が、「東京大学 三四郎会」の指導、助言を受けながら、企画を推進する 「教育」の場にもなっているとのことであった。 〔母校(後輩)支援に意欲的であるということ〕 ④早稲田大学校友会「稲門女性ネットワーク」10) 1995 年に、「同窓の女性同士、地区、専門、サークルを越 えて交流し、新しい活動を創造したり、現役女子学生を 支援する」ということを趣旨に設立された早稲田大学の 女性校友会。会長は、文京学院大学の島田 子学長。会 員数は約 300 名。現役女子学生の就職支援イベント開催、 留学生との奉納大相撲観戦や「稲門女性ネットワーク奨 学金」事業等、多彩な活動を展開している。 中でも活動の中心は「稲門女性ネットワーク奨学金」 で、「次代を担う女子学生を支援する」ことを目的に、 毎年年会費 6,000 円の内 3,000 円を、奨学金として早稲 田大学奨学金制度内に積み立てて、実施している。 奨学生からは、一年後に報告を聞く場を持つとのこと。

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奨学金を授与した後も、期待を込めて学生の成長を見守 るというところが、「絆」を築く重要なポイントである と感じた。 (2)アメリカにおける先進事例 アメリカの大学は、校友に対して、様々なサービスを 提供している11)。その一方で、大学は、校友からも物 心両面にわたる様々な支援を享受している。つまり、校 友へのサービスと校友からの母校(学生)支援が表裏一 体となった政策として取り組まれている。校友による母 校(学生)支援の開発に関わる先進事例として、ノース イースタン大学、バブソン大学そしてヴァッサー大学を 訪問し、その取り組みを調査した。 ①ノースイースタン大学におけるキャリア・サービス、 サポートを通した連携事例 ノースイースタン大学は、求人情報の提供、履歴書の 添削、そしてコーチングやカウンセリングに至るまで、 実に様々な内容のキャリア・サービスを校友に提供して おり、年間 1,500 名もの校友が、同サービスを利用して いる。 また、ランチタイムを利用した「業界研究会」や、学 生との「交流イベント」など、校友による学生へのキャ リア・サポートも盛んに行われている。学生にとっては、 職業観を身につける場、校友にとっては、気持ちをリフ レッシュするとともに、「卒業後もなお、母校と関わっ ている、母校の役に立っている」という一体感を得る場 となっている。 キャリア・サービスの提供や学生へのキャリア・サポ ートは、校友の母校愛を高め、寄附等の母校(後輩)支 援に、確実に繋がっているとのことであった。 ②バブソン大学における教学支援を通した連携事例 バブソン大学では、1回生と3回生の時に、「リーダ ーシップ」、「チームワーク」、「意思決定」、「傾聴」そし て「口述コミュニケーションスキル」を身につけるため に、ビジネスマンとして実社会で活躍している校友から、 コ ー チ ン グ を 受 け る プ ロ グ ラ ム が 設 定 さ れ て い る (Coaching for Leadership and Teamwork Program)。

ノースイースタン大学における校友による学生へのキ ャリア・サポートと同様、校友にとっては、コーチ役を 担うことが、名誉であり、母校愛の証となっている。し たがって、校友は無報酬で、喜んでコーチ役を担ってく れるという。 ③アメリカの大学における「生涯メールアドレス」の発 行 アメリカの大学との比較において、ネットワーク構築 上、本学が、明らかに後塵を拝している点は、「生涯メ ールアドレス」の発行がなされていない点である。アメ リカでは、「生涯メールアドレス」が整備された環境で、 校友は、相互に検索し合い、卒業後も同級生等とコミュ ニケーションを継続している。また、大学側も校友に対 し、必要に応じて、様々なニュースを提供している(メ ールマガジンの発信等)。 つまり、校友にとって必要な情報、あるいは学園(学 生)にとって重要な情報が、メールを送受信できる環境 でありさえすれば、世界の隅々にまで行き渡り、校友同 士あるいは校友と学園(学生)が相互に交流することが できるということである。 ホームページや会報(紙媒体)と併せて活用すること により、校友同士あるいは校友と学園(学生)とのコミ ュニケーションレベルは、格段に高まるものと考えられ る。 ④ヴァッサー大学における校友の寄附実態12)とブラン ド政策としての校友政策 2003 年∼ 2004 年の一年間における、ヴァッサー大学 の寄附者数(個人および団体)は、約 12,000 名で、校 友のシェアは 64 %であった(図 17)。寄附金額は、総額 (Annual Fund と Designated Gift の合計)$32,073,959 で、

内、校友の寄附金額は、$31,497,466、シェアは 98.2 % であった(表2)。 基金 25% その他 1% 企業 2% 政府 2% 他の組織 1% 支援者 3% 校友 64% 父母 2% 図 17 ヴァッサー大学における寄附者の構成 (2003 年∼ 2004 年 n =約 12,000)

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表2 ヴァッサー大学における校友の寄附シェア

Annual Fund Designated Gift Total % Alumni $7,161,956 $24,335,510 $31,497,466 98.2 Total $7,738,449 $24,335,510 $32,073,959 − 同大学は、生涯アドレスの発行のみならず、Web を 活用したクラス単位での交流や、毎年開催されるホーム カミングデーを利用した同期生同士の再結集(リユニオ ン)など、「同期の絆」の構築を重視した政策を行って いる。 寄附状況をみても、同期生ごとに結束し、他の年次と 競い合いながら寄附をしており、校友へのサービスと寄 附政策が見事にマッチングした形となっている。 どのようにして、このような寄附文化を構築できるよ うになったのかと、調査訪問時に担当者に尋ねたところ、 「ヴァッサーをはじめ、アメリカの私立大学は、大学の 『ブランドイメージ』というものを、とても大切にしてい る。親も通ったし、自分自身も通った、そして将来は自 分の子どもも通わせたいと思われる大学になることを、 常に心がけている」との回答を得た。つまり、全ては大 学のブランディングと繋がっているというのである。学 生への教学も、校友へのサービス提供も、そして寄附や キャリア・サポートといった後輩支援(学生支援)も。 校友と教職員からの手厚い支援を受け、有為な人材に育 て上げられた学生たちは、卒業後も大学と交流しながら (リユニオン、Web コミュニケーション、Eコミュニケ ーション等)、あるいは大学を介して様々な有効なネット ワークを築きながら、成長し、社会において活躍する。 そのことが、また母校のブランドイメージを高め、校友 の母校愛も高揚し、母校支援へと繋がる。アメリカの私 立大学と校友は、そのことをよく認識している。100 年 かけて築き上げてきた文化であるとのことであった。

Ⅴ.考察―仮説の検証と政策の方向性

ヒアリング調査結果に基づき構築した仮説は、校友ア ンケート調査と国内外の様々な先進事例調査を通して、 全て立証されたものと考えられる。この結果を踏まえ、 次に、本学校友における普遍的な価値観や文化というも のを、調査研究結果から見出し、それを軸にしながら、 判明したニーズに基づいた企画を重ね合わせ、政策立案 へと繋げていかねばならない13) では、本学校友の普遍的な価値観や文化とは何であろ うか。それは、オリター制度14)をはじめとする、30 年以 上の歴史を有する本学のピア・エデュケーション文化15) に基づく「後輩支援文化」であると考える。この文化を 軸に置く、即ちニーズに基づき開発する、全ての 20 ∼ 30 歳代の校友ネットワークに、学生を参加させながら、「学 生(後輩)を育てる」という形でネットワークを発展さ せていく。この仕組みを、構築していかなければならな いと考える。具体的な政策を次章にて提起する。

Ⅵ.政策提起

「学生参加」を組み込んだ政策を提起する。校友のネ ットワークに「学生参加」することによる学生が得られ るメリットは以下の通りである。 ①キャリア開発  ②正課課外にわたる様々な相談機能 ③有効な校友ネットワークの認識 ④校友としての心構え等 1.学生参加のもとセミナーや勉強会をセットにした 「異業種交流会」の実施 ヒアリング調査やアンケート調査を通して、20 ∼ 30 歳代校友の「キャリア・アップやスキル・アップにつな がる勉強会・セミナーとセットになった異業種交流会」 に対する高いニーズが確認できた。実施にあたっては、 次の3通りの方法を考えている。 (1)「キャリア・アドバイザー」をコア・メンバーとし、 学生参加のもと、東京キャンパス、大阪オフィスを拠 点に活動する「異業種交流会サークル」を設立する。 校友会は、その運営を支援する。 すでに 2007 年 12 月 14 日(金)に東京キャンパスにて 第1回「『キャリア交流サロン』リ・コネクトプロジ ェクト」(異業種交流会)を開催した(卒業5年前後 の卒業生 50 名が参加)。 (2)「衣笠キャンパス」や「びわこ・くさつキャンパス」 で開催される「キャリア・アドバイザー懇談会」の際 に、学生参加のもと、セミナーと異業種交流会を実施 する。その際に構築できたネットワークをもとに、さ らに各地での展開を志向する。 これは「『キャリア交流サロン』リ・コネクトプロジ

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ェクト」(異業種交流会)の地方版である。 (3)大学の「知的資源の還元」事業の一環として、地域 単位(11 月4日に東京で開催した「RITSUMEX'07」16) 規模のものからブロック単位や都道府県単位のものま で様々な規模)での学術講演会を実施し、その機会を 利用して、「異業種交流会」を実施する。その際に構 築できたネットワークをもとに、継続的な展開を目指 す。 2.教諭校友対象のセミナーや勉強会をセットにした 「同業種交流会」の実施 教職志望の学生参加のもと、教諭校友を対象としたセ ミナー・勉強会とセットとなった「同業種交流会」を実 施する(東京、BKC、衣笠、朱雀、大阪)。 3.公務員校友対象のセミナーや勉強会をセットにした 「同業種交流会」の実施 公務員志望の学生参加のもと、公務員校友を対象にセ ミナー・勉強会とセットになった「同業種交流会」を実 施する(東京、BKC、衣笠、朱雀、大阪)。 4.女性校友を対象とした企画の実施 女性校友が、キャリア・アドバイザーとして「進路・ 就職支援」のために来学した時に合わせて、「キャリ ア・アップやスキル・アップに繋がる勉強会」と「異業 種交流会」セットにして開催する。その際にできたネッ トワークをもとに、女子学生を参加させながら、「キャ リア・アップ」、「教養」、「子育て」等をテーマとした女 性校友限定のセミナー・交流企画を継続的に実施する。 5.同期生の「絆」を再構築する企画の実施 校友ネットワークの基本を「同期生同士の絆」に置く。 卒業後も「同期生同士」のネットワークを継続、発展で きるように、以下の政策を提起する。 (1)「生涯メールアドレス」を発行する。「生涯メール アドレス」を通して、学園や校友会の情報を定期的に 発信する。 (2)「ホームカミングデー」を実施する。5年に一度の 再結集年(リユニオン・イヤー)を設定し、「同期生 同士の絆」をベースに「異業種交流会」を実施する。 (3)「ホームカミングデー」を機に、「同期生同士のグ ループ校友会」の結成を促す。 (4)学生参加のもと「ホームカミングデー」の企画運 営を行う。 今まで述べてきた通り、ここで展開した校友政策がブ ランド政策でもある。最後に、その文脈のみを簡単に整 理する。 校友の多様なニーズに基づく有効なネットワーク化を 通じて、校友が自身の成長に関わる様々なメリットを享 受し、社会において活躍する。そして、母校や母校の後 輩に対して、進路・就職支援や財政的支援を行う。支援 を受け有為な人材となった学生が、卒業し、校友として 社会へ出て、有効なネットワークの中で学び、成長し、 社会において活躍する。 学生や校友の様々な活躍の状況が「口コミ」で伝播し、 「立命館のブランド」というものが醸成されていく。つ まり、校友と学園(学生)双方に意義のある校友政策を 推進していくことは、校友と学園が連携して「立命館の ブランド」をより強固なものにしていくというブランド 政策の位置付けを持つものである。この側面にも留意し て校友政策は展開されなければならない。これは、ヴァ ッサー大学から得た教訓でもあった。

Ⅶ.研究のまとめ

20 ∼ 30 歳代の校友をネットワーク化することの意義 を、「今日的視点」、「将来的視点」、そして本学における 「新たな教学分野が将来輩出するであろう若手校友のネ ットワーク化」という三つの視点から整理した。 1.今日的視点―多様な分野で活躍する校友のネット ワーク化 20 ∼ 30 歳代の校友(1990 年以降の卒業生)とは、校 友全体の約 40 %のシェアを占める、ボリュームある世 代であるとともに、第三次長期計画以降、本学が「改革 のフロントランナー」と称され、右肩上がりの発展を遂 げてきた時代に学生時代を送り、国家公務員Ⅰ種等の難 関分野、民間企業、公務員、あるいは教職等々、多様な 分野へ、それまでの卒業生以上に社会的拡がりをもって 進出を遂げた世代であるというところにある。同世代の 多様なニーズに合致した有効な「立命館校友ネットワー ク」や校友会活動を開発することに成功すれば、20 ∼

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30 歳代の校友同士の相互交流や、校友と学園(学生) との交流において、量においても、質においても新しい 様々な効果や貢献が期待でき、校友会活動を活性化する 大きい可能性を有している。 2.将来的な視点―指導層となり、社会的影響力をも った校友とのネットワークへ 20 ∼ 30 歳代の校友を、今、多様なニーズに基づいた ネットワークに組織し、それを継続・発展させることが できれば、10 ∼ 20 年後、この世代が、企業や社会にお いて、中堅層から指導層へと移行した際に、彼らの社会 的な位置、役割そして影響力の高まりに応じて、校友会 活動も幅と拡がりを持つこととなり、質、量にわたる発 展が期待できる。 3.新教学分野の校友ネットワーク化に向けた意味 ―ネットワーク化ノウハウの蓄積 立命館アジア太平洋大学は言うに及ばず、情報系、映 像系、生命科学系そして薬学系など新しい教学分野の開 発は、学園の新しい社会的な分野への人材の輩出となる だけではなく、新しい分野への校友の輩出でもある。こ れらの新しい分野での校友の活躍は、校友会活動におい ても、校友ネットワークにおいても、新しい拡がりと便 益をもたらすこととなる。 しかしながら、新しい教学分野の校友は、当初は若い 校友ばかりであり、早急に若い校友のネットワーク化ノ ウハウを構築する必要がある。本研究の 20 ∼ 30 歳代の校 友のネットワーク開発とそのノウハウの蓄積が、このこ とを可能にする。かかる意味においても 20 ∼ 30 歳代の校 友のネットワーク化は、極めて重要であると考える。

Ⅷ.残された課題

1.ネットワークを構築し、発展させていく「コア人材」 の発掘、育成サポート 多様なニーズに対応しながら、ネットワークを維持し、 発展させていくには、専門的な知識を有する「コア人材」 が必要である。「コア人材」は、多ければ多いほどアイ デアも豊富化し、ネットワークの活性化に繋がる。した がって、「コア人材」を常に発掘、育成し、充足させて いく必要がある。これにあたっては、教育資源の提供や ネットワーキング等、学園の多面的なサポートが必要で あるし、それを恒常的に担う人材の配置も必要である。 2.「校友を育てる」という意識の全学共有化 「立命館アイデンティティー」の基礎は、満足度の高 い「学びと成長」の過程である。 校友会活動の発展も、校友と学園(学生)との連携事 業の発展も、在学中の満足度の高い「学び」と、実感で きる自身の「成長」に、どれだけ母校が関わってくれた のか、支援してくれたのかという部分に負うところが大 きい。 したがって、「校友力」の醸成ということを考えた時、 校友担当部署だけの取り組みでは、限界があることは自 明の理である。全学を挙げて、在学中から「校友を育て る」意識を共有し、取り組む必要がある。 満足度の高い学生時代を過ごした校友が、卒業後も、 「立命館」をキーとして多様なネットワークを活用し、 学び、成長していく。そして、さらに成長した上で、母 校の後輩支援に関わってくれる。この様な「循環」が、 少しずつ立命館の校友力を上げ、立命館のブランド力を も上げていくことに繋がると思う。卒業後も立命館の 「ファミリー」としての意識を強く持った校友を、全学 で育てあげられる仕組みを確立していきたい。 【注】 1)学校法人立命館『立命館百年史 通史一』1999 年、p279 2)学校法人立命館『立命館百年史 通史二』2006 年、p370 3)Under40(40 歳以下)の意。 4)キャリア・アドバイザー 就職して数年の立命館大学若手校友で構成される現役学生 への進路・就職アドバイザー。 5)校友力 有効な校友ネットワークを構築し、それを活用して学び成 長し、母校・後輩を支援する力。 6)SNS ソーシャル・ネットワーキング・サービスのこと。人と人 とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型の会員 制のサービス。あるいはそういったサービスを提供する Web サイトのこと。 7)早稲田大学校友会 早稲田学報編集室『早稲田学報』2007 年2月号、p 4 8)リクルート『カレッジマネジメント』144号、2007年5-6月号 9)東京大学体育会 OB が発起人の紹介会員制の若手卒業生の会 10)早稲田大学校友会早稲田学報編集室『早稲田学報』2007 年

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2月号、p32 11)下図参照 Career Services 希望する業種・ キャリアセンター キャリアカウンセリ Online卒業生検索 地域で働いている の利用 ング・メンタリング 卒業生の検索 (含履歴書作成指導) 立命館 × × ○ × Northeastern ○ ○ ○ ○ Babson ○ × ○ ○ Vassar ○ × ○ ○ Academic Services 継続教育学費の 図書館の利用 公開講座 News Letter ディスカウント 立命館 ○ ○ ○ × Northeastern ○ ○ ○ ○ Babson ○ ○ ○ ○ Vassar × ○ ○ ○ Community Services 生涯アド

会報の発行 イベント グループ紹介 E-News Online Class レスの発行 情報の発信 リユニオンサービス Letter 教員検索 eNote 立命館 × ○ ○ ○ × × × Northeastern ○ ○ ○ ○ × × × Babson ○ ○ ○ ○ ○ ○ × Vassar ○ ○ ○ ○ × × ○

12) Vassar College「2003 − 04Vassar College『report of gifts』」 13)マーチン・リンストローム『五感刺激のブランド戦略』ダ イヤモンド社、2005 年 14)オリター制度 立命館大学の導入期教育(「基礎演習」)において、一回生 の指導・援助を担う上回生のサポーター。 15)ピア・エデュケーション 正課や課外活動の諸領域で、大学院生や上回生の指導や助 言を受けながら、学生が相互に学びあい、成長する仕組みの こと(『立命館百年史 通史三』伊藤昇執筆草稿より引用)。 16)RITSUMEX'07 2007 年 11 月4日(日)、「東京国際フォーラム」を会場に 開催された、立命館学園と学園校友会組織との初の共催イベ ント。首都圏各方面において活躍する校友が一堂に会し、校 友相互および立命館学園と校友の強固なネットワークを構築 するとともに、首都圏における総合学園立命館の存在感をア ピールし、入学政策をはじめとする諸課題前進に寄与しよう という開催趣旨の下、延べ 7,435 名の校友、父母、学生、受 験生、一般市民および教職員が参加した。

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Development of diverse networks among alumni aged in their 20s and 30s: The

Tokyo metropolitan area as a model case

OBA, Shigeo

(Assistant administrative manager, Office of Alumni Affairs and Parental Outreach)

ITO, Noboru

(Senior Researcher, Research Center for Higher Education Administration)

SHIGAKI, Akira

(Secretary-General of Ritsumeikan Alumni Association)

TAKEDA, Atsush

i (Administrative Manager, Office of Alumni Affairs and Parental Outreach)

Keywords

20s and 30s age group, networks, alumni services, alma mater support, Ritsumeikan brand

Summary

By surveying and analyzing the diverse needs of alumni aged in their 20s and 30s, we are investigating the development of networks that are effective for them as well as possibilities for collaboration between them and students or the university. From analysis of a survey of 770 alumni aged in their 20s and 30s living in the Tokyo metropolitan area, we confirmed that alumni of this generation have a great need in general for meetings that will lead to their own growth or business opportunities, such as meetings for exchange between people in different industries or between people in the same industry as well as study meetings that lead to improved careers or skills, and that they also possess a strong commitment to support their alma mater (younger students). Taken in combination with survey results from advanced examples of universities and other organizations in Japan and overseas, we will incorporate student participation into networks developed on the basis of the needs of this generation, and promote policies based around the culture of nurturing younger students (the universal culture of the “Ritsumeikan Brand”).

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