ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム電解質水溶
液の沈降電圧測定
著者
平川 廣満, 野村 浩康, 川泉 文男
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
29
ページ
143-148
別言語のタイトル
Measurements of sedimentation potential in
aqueous solutions of tetraalkylammonium halids
ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム電解質水溶
液の沈降電圧測定
著者
平川 廣満, 野村 浩康, 川泉 文男
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
29
ページ
143-148
別言語のタイトル
Measurements of sedimentation potential in
aqueous solutions of tetraalkylammonium halids
ハロケン化テトラアルキルアンモニウム電解質
水溶液の沈降電圧測定
平 川 麿 満 ・ 野 村 浩 康 * ・ 川 泉 文 男 *
(受理昭和62年5月22日)
MEASUREMENTSOFSEDIMENTATIONPOTENTIALINAQUEOUSSOLUTIONS
OFTETRAALKYLAMMONIUMHALIDS HiromitsuHIRAKAWA,HiroyasuNOMURAoandFumioKAWAIZUMI車Sedimentationpotentialshavebeenmeasuredinaqueouselectrolyticsolutionsoftetraalkylammo-niumhalidesat25oCovertheconcentrationrangeO.lto0.0003M.Theexperimentalandcalculated
valuesareinpositiveagreementatlowconcentrations・Fromthesedimentationpotentialmeasurements obtainedandthetransferenecnumberatinfinitedilution,theover-allpartialmolarvolumeofthe tetraalkylammoniumhalideshasbeensplitintotheindividualcontributionsofthecationandanion,and thesingleionicpartialmolarvolumesobtainedarecomparedwiththoseofotherworkersanddiscussed、 Inaddition,thevaluesofthesedimentationpotentialfor4kindsoftetraalkylammoniumbromidesare theoreticallycalculatedasafunctionofconcentratio、. 1 . 緒 ロ 水溶液中の電解質の挙動,例えばイオンの水和やイ オン会合などを論ずるにはまず電解質の部分モル容積 や当量伝導度などの物理量を正,負のイオンの値に分 割する必要がある。特に電解質溶液の物性を論ずるの に最も基本的な物理量の一つである部分モル溶積の分 割については古くから多くの研究によりさまざまな方 法が試みられ,分割の基準の取り方などについてはい くつかの既報にまとめられている。' 2)すなわち,成 分イオンの大きさや溶媒との相互作用が等しいと仮定 して基準電解質を選ぶかまたは共通のイオンを含む一 連の塩の値から外挿して分割の基準を決めるかいずれ かの方法がとられている。 これに対しDebye3)が予見しYeager4)が実証した超 音波振動電位の測定は陽イオンと陰イオンの体積差に 関する知見を与え電解質の部分モル溶積を陽,陰イオ ムに分割するのに特定の仮定を必要としない方法とし *名古屋大学工学部 てZana5)らによって精力的に研究が行われた。Zana らの超音波振動電位の測定は測定周波数が220kHzと 高いところから測定濃度範囲lO-4mole/ノから10-2 mole/ノにイオン雰囲気による緩和効果が現われ,超 音波振動電位の濃度依存性を定量的に議論するには不 向きであり,測定精度も充分ではなかった。超音波振 動電位の測定はその有用‘性は広く認められてはいるも のの,実験の困難さのためにZana-Yeager5-7)のグルー プ以外報告は見当らない。 著者らはDebye-Yeager-Zanaらの超音波振動電位 の測定とは別に「電解質水溶液に加速度を加えると溶 液中に沈降電圧を発生する」という古くから知られて いる事実7)にもとづきその沈降電圧を精度よく測定す る方法を開発した。8)著者らの方法では動電型加振器 (加振力10kg重)を使用し,振動周波数100Hzで溶液 を振動させ,溶液中に発生する微小な沈降電圧を交流 電位差計で検出するためYeager-Zanaらの超音波振 動電位の測定にくらべ測定精度を約1桁上げることが 出来,これまでこの沈降電圧の測定が電解質の部分モ ル溶積の陽,陰イオンへの分割に大変有用であること2 . 2 調 製 上記で述べた試薬の電解質水溶液を調製するため精 144
OCDO00
12345
︵二み−0一一厘④↑OQ仁○一重仁のE−poの 製水は水道水を純水装置(岩城ガラス,STILL-2) で沸騰させて精製した蒸留水を再びイオン交換樹脂(オルガノ,MO-l)で精製し,比抵抗が500×104(Q・
c、)以上のものを使用した。まず電子天秤(アーン
スト・ハンセン商会,typelO6)で計量した0.01モル の試薬をメスシリンダーでlOOcc,0.1モルの電解質水 溶液を調製し,この溶液を順次精製水で薄めて0.1∼ 0.0003(M)の溶液を試薬瓶に用意した。このときの室 内の温度は25°Cであった。 を報告9)した。さらにこの方法はイオン雰囲気による 緩和効果を考慮する必要がなく,沈降電圧の濃度依存 性を定量的に議論出来る利点を有している。 近年電解質の部分モル溶積の陽,陰イオンの分割の 基準として出来るだけ大きくかつ対称性のよい陽,陰 両イオンの一対Bu4NBPh4やPh4AsBPh4などが基準 物質として用いられている。'0) 本研究では一連のテトラアルキルアンモニウム塩 (TAA)6種類の沈降電圧を測定し,これらイオンの 陽,陰イオンへの分割の基準としての妥当性を検討し た。さらにATTについてはZanaらの既報'1)の結果 と比較すると共に得られた沈降電圧の濃度依存性につ いても検討を加えた。 2.3装置および測定方法 調製した6種類のハロゲン化TAAの電解質水溶液 を沈降電圧発生12)を使用し(振動周波数100Hz,加速 度振幅0.075cm)振動させ溶液中に発生する沈降電圧 は交流電位差計法により室温25°Cで測定を行った。 2 . 実 験 2 . 1 試 薬 テ ト ラ ア ル キ ル ア ン モ ニ ウ ム 塩 , (C2H5)4NBr,(C3H7)4NBr,(C4H9)4NBr, および(C4H9)4NIの試薬は東京化成(株), した。 3 . 測 定 結 果 2.3で測定した結果を図1に示す。図1に示すよう に各ハロゲン化TAA電解質の沈降電圧は0.1Mと濃 度の高いところでは発生電圧は小さいが,濃度が低く なるに従い大きくなり,濃度がかなり低い0.001∼ 0.0003Mで一定値に収束(これを沈降電圧という)し, 沈降電圧は計算値に限りなく近ずくことがわかる。こ (CH3)4NBr, (C4H9)4NCl 一級を使用 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) 0 . 0 0 0 1 0 . 0 0 1 0 . O 1Concentrqtion(M)
Fig.1Sedimentationpotentialfortetraalkylammoniumhalidesolutionsasa functionofconcentration. −6.0 −6.5 0.1 ) O 一 ウ ニ ム ー ・ 一 ノ 心 一 o ー ○ 一 ○ 一 。 一 刃 一 / / 一一
○
一
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-
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-
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一
(
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3
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7
)
4
N
B
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(C4的)4NBr
一 I I I I I I I I I I I I I I l I I I I I I I IS.P.(w)t+
Salts平川・野村・川泉:ハロケン化テトラアルキルアンモニウム電解質水溶液の沈降電圧測定145
こで図l中に示す各電解質の計算値(実線で示す)は 無限希釈溶液での,後節で示す(1)式より求めた沈降電 圧である。このように,ハロゲン化TAA電解質水溶 液の濃度に対する沈降電圧の変化は既に報告したハロ ゲン化アルカリ電解質12),l‐1価,1−2価,および 2‐l価9)電解質の測定結果とほぼ同じ傾向を示した。 しかし,R、Zanall)らの振動電位測定では(C4H9)4NCl と(C4H9)4NIの測定値が計算値とかなりのずれを示 していた。しかも(C4H9)4NIの振動電位は濃度に対 する依存性がみられず濃度が低いところでは発生電圧 は減少傾向を示した。また(C4H9)4NClでは濃度の低 いところで一定値に収束する傾向がみられなかった。 ところで,既に報告したハロゲン化アルカリ電解 質12),l‐l価,l‐2価および2‐l価電解質9)では陽, 陰イオンの分子量を比較し陽イオンの分子量が陰イオ ンのそれに比べ大きいと正,小さいと負の電圧をそれ ぞれ発生した。しかし,ハロゲン化TAA電解質では テトラアルキルアンモニウムイオン,(CH3)4N+, (C2H5)4N+,(C3H7)4N+および(C4H9)4N+の各分子 量が陰イオン,Br−,Cl−および1−の各分子量に比 べはるかに大きいのに負の電圧をそれぞれ発生した。 このように,ハロゲン化TAA電解質のようなイオン 半径の大きな化合物ではハロゲン化アルカリ化合物電 解質の法則が摘要出来ないようである。このことは陽, 陰イオンの分子量の差がハロゲン化アルカリ電解質な どに比べ途方もなく大きいこと,陰イオンの輸率t− の大きさが陽イオンの輸率t+の約2∼4倍と大きい ことおよび次節で述べる陽イオンの部分モル溶積が陰 イオンのそれの約3∼16倍と大きいことが原因として 考えられる。さらにTAAイオンが疎水性を有してい ることも大きく影響していると思われる。 4.各電解質の部分モル溶積の分割 一般に二種類の陽,陰イオンから成る電解質水溶液 を振動させると,溶液中に発生する沈降電圧vは次式 で与えられる。5.9) V=1.015×10-6[t+(m+一V+0p) −t−(m−−n01o)]xo (1) ただし,t±:陽,陰イオンの輸率,m士:陽,陰イオ ンの分子量(9),V土0:陽,陰イオンの部分モル溶積 (Cm3/mOl),,。:溶液の密度,xO:加速度振幅 (0.075cm)また電解質の部分モル溶積Wは次式が 成立つ。5.6) W = W + V L o ( 2 ) (1)式に前節で測定した沈降電圧vを代入し,各ハロゲ ン化TAA電解質の部分モル容積WはMillerol)の値 を(2)式に代入して陽,陰イオンの部分モル容積,W, VLoを求めた。 この計算結果を表lに示す。 5 . 考 察 5.1イオンの部分モル容積 各ハロゲン化TAA電解質の部分モル容積,Wを 分割して得られた陽,陰イオンの部分モル容積,W, VLo(Cm3/m01)を他の研究者Lll)により報告されている 値と比較したものを表2に示す。 表2で著者の(C4H9)4N+,Br−およびCl‐イオン の部分モル容積は表lに示す(C4H9)4N+,Br‐およ びCl−イオンの部分モル容積の平均値である。また, 電解質の部分モル溶積を分割する場合基準となる無限 Sedimentationpotential(S.P.)fortetraalkylammoniumhalidesand calculatedionicpartialmolalvolume(cm3/mCl)ofcationsand anionsatinfinitedilutiteand25oC Tablel 88.5 148.3 215.7 286.5 277.66 276.66”'2)−
V
ギ
V◎ 114.24 174.73 239.98 301.13 294.3 313.53 七 0.635 0.705 0.769 0.800 0.796 0.798 25.3 25.4 23.3 18.5 16.64 36.87工工rl
rBBBC工BNNNNN
N44444
41〃1″、1l″1”1“57999
3HHHHH
H23444CccCCC
l、くくI、Iく
000000
●●●●●●
693000322222
551042
−3.24 −3.33 −3.95 −4.45 −1.60 −6.1085.57 144.12 209.44 270.66 29.71 22.83 41.22 146 88.5 148.3 215.7 280.3 23.13 16.64 36.87 Table2Comparisonofvaluesforionicpartialmolarvolumes(cm3/moD determinedbyothermethods 6 0 1 0 0 2 0 0 2 6 0
M
o
l
e
c
u
I
c
l
r
w
e
i
g
h
t
(
9
)
Fig.2Dependenceofionicpartialmolarvolumeon molecularweightfortetraalkylammoniumions.z
−
Y
1
1
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(
H
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=
−
5
.
4
)
M
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.
0
)
Presentvalues(
H
+
=
−
3
.
0
8
)
エons 希釈での水素イオンH+の部分モル容積,VH+0 (Cm3/m01)はハロゲン化アルカリ電解質'4),それ以外 の1‐l価およびl‐2価電解質9)の沈降電圧測定から 得られた水素イオンの部分モル容積の平均値を示す。 表2より著者とMilleroおよびZ−Yらの間に,各 イオンの部分モル容積の基準となる水素イオンの部分 モル容積,VH+0の値が−3.08,−5.0および−5.4 (cm3/mOl)とそれぞれ異なるため比較することは出来 ない。しかし単純に大きさだけを較べると,テトラア ルキルアンモニウムイオンでは著者の値はMilleroと Z-Yらの値にくらべ大きく約3∼lOcm3/mClの差がみ られる。陰イオン,Br−,Cl−および1−については 著者の値はMilleroおよびZ−Yらの値よりやや小さ く約4∼6cm3/mClの差がある。 つぎに表2に示すTAAイオンの部分モル容積と各 イオンの分子量との関係を調べた。結果を図2に示す。 図2に示すように各イオンの部分モル容積が各イオン の分子量に対して直線上を変化することが解る。一方, イオンの部分モル容積,Viはイオン半径,Riとの間 に次の関係が成立つ。'1) V i = A R i 3 − B / R i ( 3 ) ただし,A,Bは定数 この場合,イオン半径の大きいTAAイオンでは (CH3)4N+イオンをのぞきB/Ri項は無視できる。'1) (3)式が成立つかどうかを確かめるため,各TAAイ オンの半径'5),Riと各イオンの部分モル容積,Wと の関係を調べた。結果を図3に示す。図3から各イオ ンの部分モル容積はイオン半径の三乗に対し直線上を十十十
十NNN
N444
4、︺l″、1,1579
3HHHH234−一
CCCCr1−
1、〃I”I〃IBC工
44010318417324
●●●●●●●
3608274
122
鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) 変化することがわかる。しかし,(CH3)4N+イオンの 部分モル容積はこの直線上になく直線からやや下方に ある。上記で(CH3)4N+イオンだけは(3)次の第2項, B/Riが無視出来ないことを述べたが,図3からもこの ことが確かめられた。この理由として溶媒の電気的ひ ずみが原因していると考えられているが''),このこと についてはさらに検討する必要がある。図3に示す直 線から求めた定数Aの値は,A=2.33(cm3/mCl・A3)00000
0008
321
︵↑﹄○EかEu︶のEコ一○ン﹄O一○E一ロー↑﹂oQU−仁○一 9 ノ A N O45 (CH3)4NBr となった。この値はF・Kawaizumi6)らのA=2.38
(cm3/mCl・A3),RZanall)らのA=2.30(cm3/mCl・A3)
とほとんど同じ値が得られた。,
=
,
,
+
M
帯
。
c
-
器
c
,
'
‘
(6) ただし,jvO:無限希釈溶液での電解質の部分モル溶積で,jvo=Wである。loo:純水の密度で,ICO=0.9970,
M:電解質の分子量 電解質水溶液の濃度cを高い方から低い方へ薄くし ていったとき,輸率t+,t−,イオンの部分モル容積 V+,VLおよび密度loが(4),(5),(6)式でそれぞれ表わ されるため沈降電圧Vは濃度cにより変化することに なる。 溶液の濃度を0.05∼0.0001Mまで薄めたとき,沈降 圧がどのように変化するかを計算した。この計算結果 を図4に示す。図4から濃度を0.05Mから0.0001Mま で変化させたとき,沈降電圧は濃度の低下とともにそ韮諏諏廻認銅迦池“
一一 ︵ニェ︶一。事この↑CQ仁○一一gに①E一℃①の ︵一もE唯U︶aE.一○ン﹂o−oE−d−gQu−仁○ ● 300 −4.4 −4.4 200'二
100 60 0 5 0 1 0 0 1 3 0R
:
(
ム
3
)
Fig.3Dependenceofionicpartialmolarvolumeon cubeofintrinsicradii(Ri)fortetraalkylammo‐ niumions. の大きさが減少し,0.0001Mではほぼ一定値に収束す ることがわかる。しかし,濃度の低下に従い沈降電圧 が減少することは,沈降電圧の測定結果とは合致しな い。また濃度の高い0.05Mと低い0.0001Mでの沈降電 圧の計算値にあまり差が見られないことから,直ちに 沈降電圧の濃度依存性を論ずることは出来ないようで ある。 これらは今回の計算結果が少ないことが原因とも考 えられ,ハロゲン化TAA以外のハロゲン化アルカリ, 0 . 0 0 0 1 0 . 0 0 1 0 . 0 1 0 . 0 5 Concenlrcltion(M) Fig.4Calculatedvaluesofsedimentationpotential againstmolalityMfortetraalkylammonium bromidesat25。C、 −3.2 −3.2 平川・野村・川泉:ハロケン化テトラアルキルアンモニウム電解質水溶液の沈降電圧測定147 (C4H9)4NBrRJnコ
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J員O可>−や b》、⑥148 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) ’一2,2−1および2‐2価電解質について同様の計 算を行い,その結果から結論を出したい。 6 . 結 論 沈降電圧発生装置を使用してハロゲン化TAA電解 質水溶液の沈降電圧を測定した。得られた沈降電圧と 輸率からTAA電解質の部分モル容積を分割し,陽, 陰イオンの部分モル容積を求めた。この結果,(CH3)4. N+,(C2H5)4N+,(C3H7)4N+および(C4H9)4N+イオン の部分モル容積はそれぞれ,88.5,148.3,215.7およ び280.3(cm3/mCl)が得られた。これらの値を他の手 法により求められた値と比べ,検討を加えた。この結 果,著者らの開発した沈降電圧発生装置を使用し,電 解質の沈降電圧を測定すればその値から電解質の部分 モル容積を陽,陰イオンの部分モル容積に分割出来る ことが確かめられた。また,沈降電圧が濃度によりど のように変化するかを理論的に計算した結果,濃度に よる沈降電圧の変化は見られるものの,その変化の割 合が小さいことおよび濃度の低下とともに沈降電圧が 減少することなど沈降電圧の測定値と合致しないこと もわかった。このことについてはさらに検討しなけれ ばならないことを述べた。 謝 辞 本研究を遂行するに当り有益な助言や激励をいただ く本学教授武石泰亮博士に感謝の意を表します。 参考文献 1)F、J・Millero,“WaterandAqueousSolution',, WilylntersciencePub.,NewYork,ed.,1972,p、 565. 2)Couway,“IonicHydrationinChemistryand Biophysics,”BlsevierScientificPubl.,Amster-dam-oxford-NewYork,l2aded.,1981,p、342. 3)P、Debye,J・Chem、Phys.,1,13(1933). 4)E、Yeager,J、Bugosh,F・HovorkaandJMccav‐ thy,J・Che、.,17,411(1949). 5)R・ZanaandEYeager,J、Phys・Che、.,71,521 (1976). 6)F、kawaizumiandRZana,J,Phys,Che、.,78, 627(1974). 7)T,DesCoudress,Ann・Phys.,49,284(1893),55, 213(1895),57,232(1896). 8)武石泰亮,平川唐満,電子通信学会論文誌,55, 580(1972). 9)平川麿満,応用物理,54,1095(1985). 10)F、J・Millero,J,Phys・Che、.,75,280(1971). 11)RZanaandE・Yeager,J、Phys・Che、.,71,4241 (1967). 12)平川唐満,武石泰亮,応用物理,52,619(1983). 13)KTakaizumiandT・Wakabayashi,J・Solution Chem.,9,890(1980). 14)平川麿満,電気化学,52,331(1984). 15)R、A・RobinsonandR・HStokes,“Electrolyte Solution,”Butterworths,ScientificPubl.,Lon-don,2nded.,1959,p、25. 16)RRobinsonandR.H・Stokes,"ElectrolyteSolu‐ tion,',Butterworths,London,2nded・’5thprint-ing,1959,p、155.