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機船底曳網の漁具と漁獲性能に関する研究III : 肩寄せ速度と漁獲量との関係について

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(1)

機船底曳網の漁具と漁獲性能に関する研究III : 肩

寄せ速度と漁獲量との関係について

著者

肥後 伸夫

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

15

ページ

68-75

別言語のタイトル

Studies on the Relationship between the

Gear-types and the Fishing Efficiencies in the

Trawl Nets III : Relationship between the

Speed of the Shouldering-rope-towing and the

Catch

(2)

Mem,Fac・Fish.,KagoshimaUniv・ Vol、15,pp、68∼75(1966).

機船底曳網の漁具と漁獲性能に関する研究一Ⅲ.

肩寄せ速度と漁獲量との関係について*

肥 後 伸 夫 * *

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andtheCatch NobioHIGo Abgtract Ananalysisofthetowingspeedobservablewhentheshouldering-pointsofthetowingropewas undertowingwasmadebymeansoftheradar,setonboardthe色ctoryshipoftheFishmealHeet operatedontheBeringSeainl965;thefbllowingresultsobtained: 1)Thespeedoftheshouldering-rope-towingintheearlierstage(y)variesfrom1.8knotto 3.4knot,theaveragebeing2、4knot,whiletheoneinthelaterstage(y,)variesfrom1.1to1.8knot, theaveragebeing1.3knot・Hence,itmaybethatasthetowingtimeelapsesthespeeddecreases gradually、 2)Thespeedratio(V,/y)becomeslessasthecatchincreases,andwhenthecatchgetsabove 5tons,theratioobservedvariesfi・omO、3to0.5. 3)ThestrongerbecomestheHoI5ePowerofthemainengineofthetrawler,thehigherare (y)and(y,〃)therefbreitmaybeconcludedthatthereissomerelatonshipbetweenthespeedof theshouldering-rope-towingandthecatch. 緒 旨 以東底曳網においては,網および曳綱の着底を待って曳網する所謂’肩寄せの過程がある が,この過程における曳網速度’即ち肩寄せ速度は,トロール網や以西底曳網と異なり,曳 綱にかかる張力が一定でない為,曳網時間を通じて変化することが考えられる.従って肩寄 せ 速 度 は 以 東 底 曳 網 の 漁 獲 性 能 に 影 響 を 与 え る 一 要 因 と し て あ げ る こ と が 出 来 る よ う で あ る・斉藤(1957)1)は網および曳綱の沈降速度を測定して肩寄せ速度の過程を検討し,葉室 (1953)2)は肩寄せ速度の変化の状態を実測し,該速度と網口高さおよび網抵抗とは一定関係 にあることを指摘した.また筆者(1966)3,4)は水槽実験により上述と略同一の傾向を認め, 更に操業結果より,曳網速度と漁獲量とが相関関係にある可能性について論じた.そこで本 報においては,肩寄せ速度と漁獲量との関係を実測により検討すべく,母船に装備されたレ ーダーによって独航船の操網状態を測定した結果2,3の知見を得たので発表する. * ** 昭和41年度日本水産学会秋期大会にて発表 鹿児島大学水産学部漁具漁法学研究室(LaboratoryofFishingGearandTechnique,Facultyof Fisheries,KagoshimaUniversity)

(3)

H O K K O ZENPO SHOEI SHOKEN M Y O K E N TENYU SHOHO K Y U H O ZENPO 69 M A R U M A R U M A R U M A R U M A R U M A R U M A R U M A R U M A R U 資 料 と 方 法

資料に用いた以東底曳網船の独航船群は,1965年ベーリング海漁場において,スケソウダ

ラを主対象として操業したミールエ船漁業のB船団*に附属する底曳網船で,9隻を以て編

成されている(Tablel).この標本船はいずれも大型の底曳船に属し,そのうちで特に大型

Tablel・Theoutlineofthesamplingboats. 70.96 65.43 70.51 75.39 83.83 76.22 73.91 92.65 75.02 No.8 No.8 No.5 肥後:機船底曳網の漁具と漁獲性能に関する研究一Ⅲ Frequencyband Peakpower Pulselength Maximumrange Minimumrange Discriminationofrange Discriminationofbearing Horizontalbeamwidth Verticalbeamwidth Powersupplies Accuracyofrangering Accuracyofrangemarker Antennarotation ManufをLctoryandtype Content HorsePower of malnengme Grosstonnage Item No.5 No.2 *大洋漁業株式会社所属天洋丸船団,冷凍摺身製造にも就業した. 9375±30MC/S 50KW 0.“s(1,2,4mile),0.6ノur(8,20,40mile) 40mile 40,. 30,. 1.5. 1.5. 20. AClOOV,60C/S ±1% ±2% Continuouslyrotating24r・p.m. KYORITSUMUSENCo,Ltd・ MM−5type Table2.Generalspecificationoftheradar. No.l No.5 である第5久豊丸(B8)を除けば,総トン数は65∼84トン,主機関馬力数は220∼310P.S・

の範囲内である.また9隻のうち6隻(B1∼B6)は前報(1966)5)で用いた標本船と同一

のもので,各船同一漁具を使用しており,他の3隻(B7∼B9)はそれぞれ設計の異なる網 具を使用している点前者と異なるが,上記6隻に加えて論ずることとした.操業期間は5月

123456789

BBBBBBBBB

222222243

000000000577277741

(4)

70 鹿児島大学水産学部紀要第15巻(1966) 1日より9月26日に至る期間,漁場はウニマック水道北方漁場およびプリビロフ諸島北方漁 場であり,主なる操業方式は投錨した母船を中心とする半径約10浬の海域内における昼間操 業を採用した.このような状態における母船の船橋上より,レーダーによって各標本船の操 網状態を追跡し,肩寄せ速度を測定したが,これらの測定資料のうちから2隻以上の標本船が

ほとんど同時に投網を開始した23例をとりあげ(Fig.1),肩寄せ速度と漁獲量との関係につ

いて検討した.なおレーダーは水面よりの高さが20m・で,要目表に述べる性能を有してお り(Table2),レーダー測定法は無線電話又は眼鏡を以て,標本船の操網状態を確認しなが ら,レーダーでプロットする方法をとり,連続的に船位を求めた.また測定にあたっては, エコーの中心を船位とし,方位はカーソル,母船よりの距離は可変レンヂを主として用い測 定した. 比 較 結 果

Fig.1の資料を用いて各標本船の肩寄せ速度の時間的変化の状態を検討してみると,一般

に時間の経過に従って肩寄せ速度は減少する傾向があり,いずれも肩寄せ開始後7∼8分で

急速に減速している傾向が認められた(Fig.2).また肩寄せの初期と終期における肩寄せ速

度をFig.1より求めてみると,肩寄せ開始後5分間内における平均速度(初期肩寄せ速度と

呼ぶ)は1.8∼3.4ノットで,総平均速度は2.4ノットとなり,肩寄せ終了前5分間内にお

ける平均速度(終期肩寄せ速度と呼ぶ)は1.1∼1.8ノットで,総平均速度は1.3ノットとな

った.続いてFig.2より同時操業した場合の曳船の主機関馬力数と肩寄せ速度との関係を検

討してみると,一船に馬力数が大なる程初期肩寄せ速度は大となっており,Fig.2のJun、10,

Jun、22,Ju1.11の各場合にその好例をみることが出来る.更に初期肩寄せ速度と対称的な終

期肩寄せ速度をFig.2の各図について検討してみると,必ずしも主機関馬力数の大なるもの

程その肩寄せ速度は大とならず,両者の関係は初期肩寄せ速度の場合のように明瞭な差とな

って現われないようである.これは主機関馬力数と肩寄せ速度との関係が,魚群の入網量に

よって変動する為と考えられるが,更に終期肩寄せ速度(〆)の初期肩寄せ速度(〃)に対

する速度比W〃と漁獲量とは何らかの関係が想定されるようである.そこでFig.2の資料

を含む37例の資料を用い,W〃と漁獲量との関係を検討した結果,漁獲量が0∼5トンま

での間ではW〃は0.4∼1.0の範囲内の値となるが,5トン以上の場合では0.3∼0.5の範

囲内の値となり,0∼5トンの場合と比較して小となっている(Fig.3).従って一般に,漁

獲量が増加するに従って〆〃の値は小となる傾向が認められた.更に両者の関係を3群に

分けた主機関馬力群(220∼250P.S・群,270P.S、群,310∼440P.S・群)について比較検討し

てみると,Fig.3に示すように,漁獲量が同量の場合においては高馬力群程'/〃の値は大

となり,特に漁獲量が5トン以上を超ゆる場合にはこの傾向は更に顕著となることが認めら

れた. 考 察

以東底曳網の曳網過程をレーダーで測定した結果によると,肩寄せ速度は曳網の全過程を

通じて一定せず,曳網時間の経過に従って漸時減速する傾向がみられた.而して肩寄せ速度

と曳網経過時間との関係は,グラフ上では略直線的に表わされる場合が多いが,全般的な傾

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2 73 肥後:機船底曳網の漁具と漁獲性能に関する研究一Ⅲ 5 1 0 1 5 5 1 0 1 5 Towingtime(min.) Fig.2.Comparisonofthechangeoftowingspeedwithelapsedtime・ Bl∼B9:samplingboats. JUN、11 JUN・10 3 1 0 B2 B1 2 1 1 0 0 5 1 0 1 5 1 0 1 5 5

3210

︵︺o員望︶即昌彦g︲UQ20即目宮Uで言o吾⑪彊﹄○も8回の 5 B3 3 0 B6 JUN、23 1 0 1 5 5 1 0 1 5 1 3 0 J U L . 5 2 1 2 5

(8)

B8 B2 鹿児島大学水産学部紀要第15巻(1966) 0 74 1.0 0.5 7/y Fig.3.Relationbetweencatchperonesetnetandratioofthetowing speedsofthesamplingboats. ▲一---▲:220∼250P.S・group. ●−●:270P.S・group、 ○一一一○:>300P.S・group. JUL、11

321

︵今。p望︶己の①回り即自﹃隣◎臼 3 0

ここ二、B,

1 0 5 1 0 1 5 5 1 0 1 5 Towingtl画e(皿in.) Fig.2.Continued、 Towingspeed:Speedoftheshouldering-rope-towing.

05

1 ︵ロ。]︶芯口ぢぬ①口obQ毎。蔦。 15 リ ロ

(9)

要 約

1965年,ベーリング海において操業したフイシュミール船団の母船より,レーダーによっ

て,以東底曳網船の肩寄せ速度を測定し,下記の様な結果を得た.

(1)初期肩寄せ速度(〃)は1.8∼3.4ノットの範囲内で,平均速度は2.4ノット,終期

肩寄せ速度(〃')は1.1∼1.8ノットの範囲内で,平均速度は1.3ノットとなり,曳網時間

の経過に従って漸時減速してゆく傾向がある.

(2)速力比〃'〃は漁獲量が増加する程小となり,漁獲量が5トンを超える場合は0.3∼

0.5の範囲内の値を示す.

(3)曳船の主機関馬力数が大となる程,〃および'/〃は大となる.従って肩寄せ速度と

漁獲量とは相関関係にあることが指摘出来る.

終りに本研究を行なうに当り,御協力をいただいた鹿児島大学盛田友尤教授,江波澄雄助

教授,御指導をいただいた鹿児島大学田ノ上豊隆助教授,山路勝之助教授に謝意を表すると

共に,乗船中の調査に御協力をいただいた天洋丸船団長渡井口清敏氏,天洋丸船長鶴田慶吉

氏をはじめ関係各位,および調査と資料の整理にあたられた実習生山本壮一君にお礼申し上

げる. 75

向として,主機関馬力数の大なる曳船程初期肩寄せ速度〃が大となり,また初期および終

期における肩寄せ速度の比’/〃も大となる傾向が認められた.しかるに前報において,曳

船の主機関馬力数の大なる底曳網程漁獲量が増加する結果を得ているので,これに,上述の

主機関馬力数と肩寄せ速度との関係を併せ考察してみると,肩寄せ速度は漁獲量を左右する

要因として指摘することが出来るようである。

ところで以東底曳網では,以西底曳網に比して曳網速度が小であり,しかも曳網の終期に

おける曳網速度が初期の曳網速度に比して0.3∼0.5倍に減速するにも拘らず,以西底曳網

より漁獲‘性能が優れている点に注目したい.底曳網においては,曳網速度を大ならしめるこ

とが魚群の入網率を高める条件とされるが,その他に網内と網外の流速差も大きな条件とし

て考えられるようである.葉室(1953)2)は以東底曳網の流速を測定し,網中の流速が網外

の流速より大となる場合のある点を指摘しており,また筆者(1964)5)はさきに,網中の流速

を実験により測定し,その増速現象について論じたが,これらの研究結果は上述の考察を裏

づけるものであり,網内外の流速と魚群の入網量との関係について更に研究をおし進めたい.

肥後:機船底曳網の漁具と漁獲'性能に関する研究一Ⅲ 文 献 1.SAITO(1957):jf@m.Rzc・Hb伽jdoU>z勿・5(1).1. 葉室親正(1959):漁具測定論331∼350,槙書店,東京. 肥後伸夫(1966):日水誌32(2),130∼137. (1966):鹿水紀要15,56∼67. (1864):鹿水紀要13,78∼92.

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