「加速器」Vol. 18, No. 1, 2021(10–20)
話 題
J-PARC Main Ring
アップグレード
栗本 佳典
*
・佐藤 洋一
*
・J-PARC MR 加速器グループ
Upgrade Plan of J-PARC Main Ring
Yoshinori KURIMOTO* and Yoichi SATO* for the J-PARC MR Accelerator Group
Abstract
The J-PARC Main Ring has provided high-intensity proton beams for the long-baseline neutrino oscillation experiment called T2K. The present beam power reaches 515 kW. The T2K experiment recently indicated the CP violation in the lepton sector. To increase the confidence level of the indication, we plan the upgrade of the J-PARC Main Ring to achieve a beam power of 1.3 MW. In this article, we describe not only the upgrade for 1.3 MW but also various activities which we have already done to achieve the present beam power.
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.は じ め に
J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Com-plex)主リング(Main Ring, MR)1)は T2K 長基線加 速器ニュートリノ振動実験(T2K 実験)とハドロン 実験に対し,それぞれのビーム要求に応じて運転 モードを切り替えながら30 GeV の大強度陽子ビー ムを供給している.表1 に MR 設計パラメタを, 図1 に MR の平面図をそれぞれ示す.MR の最大 の特徴は,Transition γが純虚数(imaginary γT)で あり,これにより縦方向の安定位相領域のジャン プのないビーム加速が可能となっている.一方で,
この imaginary γTは missing bend と呼ばれる特徴
的ラティスによるもので,曲線部に長いスペース を要求する.このため,直線部(116.1 m×3)は周 長(1567.5 m)に比し短めであり,この dispersion freeとなる貴重なスペースに,入出射システム, RFシステム,コリメータシステムを並べるため, 単機当たりのキッカーの蹴り角や空胴の加速電圧 に対する要求は厳しくなる. 各実験では,陽子ビームが標的に衝突した際の
*高エネルギー加速器研究機構 KEK, High Energy Accelerator Research Organization (Yoshinori Kurimoto E-mail: [email protected])
(Yoichi Sato E-mail: [email protected])
表1 J-PARC MR の設計パラメタ.
Circumference 1567.5 m Super-periodicity 3 Injection energy 3 GeV Harmonic number 9 Number of bunches 8 Transition γ 31.6 i Extraction energy 30 GeV Repetition period 2.48 second Particles per pulse 2.7×1014
核破砕反応による二次粒子を用いて素粒子・原子 核物理研究が行われている.物理発見につなが る測定精度は統計数に大きく依存するが,単位 時間当たりの二次粒子数は陽子ビーム強度に比 例するため(ビームエネルギーが目的二次粒子生 成に必要な閾値を超えていれば),陽子加速器の ビーム強度が物理成果を左右する.このため,素 粒子・原子核物理における熾烈な国際競争は,大 強度陽子加速器の大強度化競争の面を持つ.中 でも,CP 対称性の破れの発見を目指す長基線加 速器ニュートリノ振動実験では,日本の T2K 実 験・後継 HK 実験計画と,米国の NOvA 実験・後 継 DUNE 実験計画が競合し,加速器としては MR と米国フェルミ研究所の Main Injector の性能競争 となっている.2010 年から開始された T2K 実験 は電子ニュートリノ出現の発見(2013 年)2),統 計的信頼度95% での CP 対称性の破れの“示唆” (2020 年)3)という成果を上げているが,これらは 検出器のアップグレードだけでなく,MR ビーム 増強とも連動している. 現在 MR では,3 GeV の陽子バンチ(バンチ当 たり陽子数3.4×1013 )を2 バンチずつ40 ms 間隔 で4 回に分けて入射して計8 つの陽子バンチを蓄 積し,その後1.4 s かけて30 GeV まで加速してい る.T2K 実験に対しては,この8 バンチ陽子ビー ムを30 GeV 到達直後に一気に取り出す速い取り 出し運転モード(Fast extraction, FX)を採用し, 2.48 s周期の陽子ビームパルスとして供給してい る.FX 利用運転のビーム強度としては,2010 年 の∼100 kW から2019 年の515 kW(パルス当たり 陽子数2.7×1014)へと増強している.MR の運転 モードにはハドロン実験施設に向けて,陽子ビー ム30 GeV 到達後に約2 秒に渡り均等なビーム強 度で取り出す遅い取り出し運転モード(slow ex-traction, SX)もあり,5.20 s 周期で60 kW(パルス 当たり陽子数6.5×1013)のビームパルスを99.5% の効率4)で取り出している.図2 に MR ビーム強 度トレンドを示す.FX/SX 運転モードは時期によ り切り替えられていること,毎夏の運転停止期間 を設けた電気代経費軽減策が見て取れる. 現在の性能に到達するまでには2008 年のビー ム運転開始以来,多くのアップグレードが行わ れ,パルス当たり陽子数の増加とパルス周期の高 速化が,ハードウェアとビーム光学開発の両面か らなされた.現在のビーム条件は,入出射時のエ ネルギー以外は,ビーム運転開始時とはかなり異 なっている.現在進行中である MR 1.3 MW 化増 強計画5)は,今まで積み上げてきたアップグレー ド経験を踏まえて計画され,2021 年には多くの ハードウェア増強がなされる予定である.本稿は まず,MR のビーム増強の障壁となる現象とこれ までの対策を紹介し,2028 年完了を目指して現 在進行中である MR 1.3 MW 化増強計画概要およ びこの計画の核となる主電磁石電源開発に関して 報告する.
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.ビーム増強への障壁となる現象と対策
J-PARC MRのアップグレードでは,繰り返し周 期を2.48 秒から1.16 秒へ,パルス当たり陽子数を 2.7×1014から3.3×1014にそれぞれ引き上げること で,現行515 kW から1.3 MW にアップグレード する計画である.ビーム強度を2 倍以上にする大 規模な増強であるが,現行パルス当たり陽子数 2.7×1014 はすでに世界最大である. 大強度陽子加速器において,最大の懸案事項は 機器の放射化によるメンテナンス性の悪化であ る.この対策のため,ビーム損失が三つの直線部 のうちの一つに設けられたコリメータエリアに局 所化される設計仕様になっている.このため,大 強度運転におけるビームロス許容量は,コリメー タ容量とそのビームロス局所化性能による.コ リメータ容量は段階的増強を経て2 kW6)である. ビームロス局所化は,非コリメータエリアでの残 留線量をほぼ全周で300 µSv/h 以下(機器より一 歩離れた距離,利用運転終了4 時間後)を維持す ることを念頭に調整され,これが現在 FX 運転の 図2 J-PARC MR の出力ビームパワーの変遷.2021 年2 月現 在で,FX 利用運転で最大515 kW, SX 利用運転で最大 60 kWを達成している.ビーム損失量上限を決めている. このビーム損失量を上限以内に抑えるため,現 段階でも大強度陽子シンクロトロン特有の現象へ のいくつかの対策は必須である.本章では,これ らの現象と対策について紹介する. 2.1 ベータトロン共鳴 各陽子は四極電磁石により横方向に振動しな がらビームを周回する.リング1 ターン当たり の横方向の振動回数はベータトロンチューン(以 後チューン)と呼ばれ,一般に水平方向νxと鉛 直方向νy独立に四極電磁石で設定可能である. チューンが共鳴条件 lνx+mνy=n(l, m, n は整数) に近づくと誤差磁場や非線形磁場の影響が蓄積さ れ,横方向振幅が増大する場合があるため,通常 共鳴条件を避けてチューンが設定される.しか し,バンチ内陽子数が増加すると,空間電荷効果 による発散力が無視できず,その発散力は特殊な 分布を除き一般に非線形であるため,各粒子が 異なるチューンで運動するようになる.各粒子 の(νx, νy)を二次元プロットすると図3 のように 磁石による設定チューンから下側に広がった分布 をもつ.図3 にはいくつかの共鳴線を同時に乗せ ているが,すべての共鳴を避けることが困難であ ることがわかる.また,ベータトロン共鳴には, 共鳴条件の右辺の整数が,加速器の super cycle numberの倍数かそうでないかで,構造共鳴と非 構造共鳴に分かれる.共鳴線の中でも構造共鳴を 如何に回避するかが重要となる. ハードウェアによる対策として,二倍高調波空 胴を導入し,陽子バンチを縦方向に延ばすことで 陽子密度を小さくすることを行っている.この二 倍高調波空胴により平均ビーム電流をピーク電 流で割ったバンチファクターと呼ばれる値は0.2 から0.3 に改善する.入射時間帯の二倍高調波空 胴電圧は基本波空胴電圧の半分を超えた電圧バ ランスとし,入射ビームとバケツのミスマッチ を用いてその後の加速中 RF バケツにビームが納 まる範囲で縦方向エミッタンスを拡幅させてい る.この対策によるバンチ長延伸(150→400 ns) を可能にするため,入射キッカーシステムも併 せて増強7)し,立ち上がり時間を高速化させた (350→200 ns).これらの増強は上流からのビー ム電流増強タイミングと合わせてなされ,FX 利 用運転パワーは2014 年からの1 年で240 kW から 360 kWとなった. 2015年以降は,ビーム光学の更なる最適化を 目指して MR ビームコミッショニンググループが 企画し,MR 総力と全 J-PARC 加速器・NU の全面 協力で達成したビーム増強8)であるため,少し詳 しく紹介したい. 大幅なチューン変更(新天地へ!) 更なる大強度化を目指すには,強度とともに大 きくなるチューン広がりが,強い共鳴線を回避す る必要がある.このために四極電磁石電源設定 のゆとりを活かした可能性を追求した結果,新 たなオペレーションエリア(図4)を2016 年に利 用運転に適用し,2015 年から1 年で FX 利用運転 パワーが360 kW から420 kW,その後2019 年に 515 kWとなった. 図3 バ ン チ 当 た り 陽 子 数3.0×1013 の 時(470 kW 相 当 ) チューンの広がり(シミュレーション). 図4 オペレーションエリア変更.左は2015 年以前.右 は2016 年から採用.共鳴線とともに,図3 で示した チューンの広がりをひし形で模擬している.
開発で重要となったのは,ラティスモデルの見 直し,ビーム光学対称性の向上,理想的なビーム 光学が3 GeV だけでなく加速中も維持されるビー ム光学補正,高次共鳴線の抑制調整である.ま た,これらの光学補正結果のビーム試験評価に は,ビーム不安定性がない条件を予め確保するこ とも重要である. 開発には2 年を要した.3 GeV でのビーム試験 で有効性はすぐに明らかになったが,四極電磁石 電源の設定を大きく変えた光学で,30 GeV まで ロスなく加速するために,加速中のビーム光学補 正を重ねた.また,ニュートリノ(NU)1 次ビー ムラインとの取り合い点光学も変わった.利用運 転への適用に至るまでに,加速器と NU 関係者が 一致協力したことには感謝の念が絶えない. 漏れ磁場補正 共鳴線源を見直した結果,FX セプタム電磁石 直近の3 台の4 極電磁石に備わっているトリムコ イルそれぞれに専用電源(FX Trim-Qs)を導入し た.これらにより FX セプタム電磁石の漏れ磁場 からなるビーム軌道上の4 極磁場成分を補償し, MRビーム光学の対称性向上,それによる共鳴線 影響抑制を実現した. 3次共鳴補正 6極電磁石のうち,4 か所のトリムコイルそれ ぞれに専用電源(Trim-Ss)を導入9)し,オペレー ションポイント近傍を走る,2 本の非構造3 次共 鳴線(νx+2νy=64, 3νx=64)影響の同時補正を可 能にした.また,他の共鳴補正電磁石としては Skew四極電磁石,8 極電磁石も調整している. エピソード 2014年から2016 年にかけて,FX 調整は大きく 変わった.MR 総力を挙げて実施されたが,例え ば2014 年春での Trim-Qs 必要性把握後,直ちに MRメンバーが駆けずりまわり,試験用追加電源 構築,操作システム構築の上で,1 週間程度で最 初のビーム試験を実施,対称性向上によるビーム ロス軽減の糸口を掴むまでに至った.アイディア があがれば一致協力して即反映され,実績も上が るという加速器分野の魅力あふれるシーンとなっ た. 2.2 ビームローディング 陽子は高周波加速空胴のギャップに発生させる 高周波電圧で加速されるが,J-PARC のような大 強度加速器では大電流の陽子ビーム自身がギャッ プに発生させる電圧が無視できない.図5 の等価 回路からわかるように,必要な正しい加速電圧 (VCAV)を得るには,空胴ドライバの電流(Igenerator)
としてビーム起因の電流(Ibeam)を打ち消す大き さが必要である.したがって,大電力の高周波 源と Ibeamを正確に打ち消すような指令を与える LLRF(low-level RF)システムが必要不可欠とな る.J-PARC MR ではすでに,ビーム電流モニタ の信号を使って空胴のドライブ電圧を決める RF フィードフォワード補償10)を行っている. 2.3 ビーム不安定 加速器コンポーネントで発生する陽子ビームの 鏡像電流がその形状により曲げられたりすると 電磁場が発生し,これはウェイク場と呼ばれてい る.ビーム電流が増大するとウェイク場はビー ム自身に影響を与え,コヒーレントなビーム振 動(ビーム不安定)を励起する原因となる.実際 に J-PARC MR は100 kW を過ぎるころからビーム 不安定対策なしでは連続に運転することができな くなっている.ビーム不安定対策として,負のク ロマティシティ設定やフィードバックが挙げられ る. 前者の負のクロマティシティ設定はビーム不安 定抑制の有効な手段であるが,クロマティシティ は運動量ずれに対するベータトロンチューンの変 動を表す値であることから,運動量広がりが大き い場合は前述のベータトロン共鳴の影響も考慮に 入れる必要がある.このため,加速サイクルの各 時刻,例えば入射エネルギー時,加速開始後など でビーム損失を少なくできるクロマティシティの 値は異なり,実際に MR では図6 のようにサイク ル内でクロマティシティを変化させている. 後者のフィードバック装置は,2011 年より横 方向の Bunch by Bunch フィードバック装置を導 入している.これはビーム位置モニタとデジタル フィルタにより検出されたベータトロン振動成分 図5 ビームローディングの等価回路.
をストリップラインキッカーにフィードバックし 振動を減衰させる装置である.こちらも,加速サ イクルの各フェーズでビーム不安定の励起閾値や 単位入力当たりのストリップラインキッカーの キック角が違うので,加速サイクル中にフィード バックゲインなどを変化させている.2014 年に は Intra bunch フィードバックシステムを導入し, バンチ毎の平均位置だけでなくバンチを縦方向に 分割した位置毎のフィードバックが可能になっ た11). また,ウェイク場がビーム不安定を励起するだ けでなく,ベータトロンチューンを変化させる. これは2.1 章で述べたバンチ内陽子同士の内力に よる粒子毎のチューンシフト(インコヒーレント チューンシフト)に対してコヒーレントチューン シフトと呼ばれ,図3 のチューン広がりを平行移 動させる.一般的にウェイク場の生成にはリング 内にあるすべての陽子が関係するので,2 バンチ ずつ4 回の入射に同期してコヒーレントチューン シフトが起こる.これを補償するために四極電磁 石を入射の期間中に少しずつ変調している12). さらに,ウェイク場が加速器コンポーネントに 悪影響を与える場合も考慮する必要がある,例 えば,キッカー磁石などに使われるフェライトコ アの発熱への対策である.コアの発熱は透磁率変 化による蹴り角ドリフトを生むからである.実際 に,2010 年に導入した新しいキッカーシステム では,本来の目的である立ち上がり時間の高速化 だけでなく,ダンピング抵抗を用いたビーム結合 インピーダンス低減システムおよびコア水冷シス テムを導入することでフェライトコアの温度上昇 を低減し蹴り角を安定化した.
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.アップグレード
図7 にビーム増強の年次計画を示した.1.3 MW 達 成 の た め に, 繰 り 返 し 周 期 の 短 縮(2.48 秒 →1.32秒→1.16秒)とパルス当たり陽子数の増 強(2.7×1014 →3.3×1014 )を計画しており,多種の ハードウェア開発,ビーム実験およびビームシ ミュレーションが進行中である5).最も巨大な ハードウェア更新は主電磁石電源であるが,それ は次章で詳細を述べる.主電磁石電源の他にも, 高周波加速システム,ビーム入出射機器およびコ リメータの増強を計画している.また,大強度 ビーム計測のためにビーム位置モニタ処理回路の 更新が必要となる. 3.1 高周波加速システム J-PARC MRでは,高周波加速デバイスに金属磁 性体コア装荷加速空胴を用いている.MR の空胴 に装荷されている金属磁性体は日立金属製ファイ ンメット FT3L であり,加速器用の大型コアとし ては J-PARC で初めて実用化された.FT3L は従来 品の FT3M に比べて,シャントインピーダンスを あたえるμQf 積と呼ばれる値が約2 倍大きい13). 現状の繰り返し周期2.48 秒では空胴9 台のうち 図6 各時刻におけるビームエネルギーとクロマティシ ティ. 図7 ビーム増強の年次計画.7台を加速空胴,2 台を2 倍高調波として用いて いる.それぞれのピーク電圧の合計は320 kV お よび110 kV である.繰り返し周期の短縮に合わ せて加速電圧を大きくする必要があり,1.16 秒運 転時には加速空胴を11 台まで増設し,加速電圧 を600 kV まで引き上げる. J-PARC MRでは四極管アンプを用いて RF 電圧 を空胴のギャップに発生させているが,その電力 はインバータユニット15 台から構成される陽極 電源より供給される.前述したように陽子ビーム 電流自身がギャップに発生させる電圧を打ち消す ための電力を余分に供給する必要があり,これは 当然ビーム電流に応じて大きなものとなる.図 8 にパルス当たりの陽子数と陽極電源のピーク電 流の関係を示した.J-PARC MR で使用している 4ギャップ空胴では,1.3 MW 相当の陽子数3.3× 1014の時の電流値は130 A 程度になることがわか る.現行のインバータユニット15 台の時の上限 電流110 A では不足するため,インバータユニッ トを19 台とし上限電流を140 A にする増強が計 画されている14). 陽極電源のパワー増強だけでなく,空胴電圧 を制御する LLRF(low-level RF)システムもアッ プグレードする.LLRF の大きなアップグレード として,ビーム電流信号から補償電圧を得る RF フィードフォワード法から,指令電圧に合わせる フィードバック制御への変更がある15).これによ り系の非線形性に関わらず理想的な RF 電圧に近 づけることができる. 3.2 ビーム入出射機器 J-PARC MRではビーム入射機器としてキッカー およびセプタム磁石を,ビーム出射機器として, キッカー,低磁場セプタムおよび高磁場セプタム をそれぞれ用いている.このうち,出射キッカー と入射セプタムは磁石・電源ともにアップグレー ドが完了している. キッカー磁石や電源のような高周波回路の一部 には電源からのドライブ電流だけでなく,ビーム が通過することによる鏡像電流も流れる.実際に 入射キッカーシステムのマッチング抵抗の表面温 度は1.3 MW 運転時には許容温度の150 度を大き く超えると計算されているため,より優れた冷却 性能をもつ抵抗器回路の構造設計が行われてい る.また,許容温度のより高い抵抗器単体の開発 も進められている16). 繰り返し周期を1.32 秒以下にするために,必要 な更新機器は高磁場セプタム磁石と低磁場セプタ ム磁石および電源であるが,これらは,2021 年 7月以降の長期シャットダウン期間にインストー ルされる予定である. また,キッカーやセプタム磁石はビームのイン ピーダンス源となりビーム不安定を引き起こす可 能性があり,インピーダンスの測定も上記シャッ トダウン中に計画されている.さらに電磁場解析 ソフトウェア CST studio を使ったモデリングを精 力的に行っている. 3.3 コリメータ J-PARC MRではコリメータエリアにビームロス を局所化し,その他のエリアの放射を減らすよう に運転している.コリメータには,L 字型のタン グステンの JAW が搭載されており,鉛直および 水平方向に独立にビームを削る位置を調整する. 当然ながらコリメータはエミッタンスの大きな陽 子(ビームハロー)を削るが,横方向座標が大き な粒子は削れるが,横方向運動量が大きいものは 削れない.したがって,ベータトロン振動により 位相回転して座標が大きくなった場所で再度削る 必要があり,最初のターンでビームハローをでき るだけ削るためには,複数所にコリメータが必要 である.現行では容量500 W のコリメータが4 台 設置されている6)が,2021 年の長期シャットダウ ン中に7 台にアップグレードする(図9). 図8 パルス当たりの陽子数とピーク陽極電流の関係. 4-GAPと5-GAP は一つの空胴当たりの加速ギャップの 数を示しており,J-PARC MR では4 ギャップ空胴を主 に使用する.
ベータトロン位相の進み方はベータトロン チューンでほぼ決まってしまうため,コリメータ の位置は必ずしも理想的な位相関係にはならない 上に,コリメータに当たって散乱される陽子がコ リメータエリア外に漏れることもできるだけ避け なければならない.このため各コリメータの JAW 設定の最適化は自明ではない.現在,J-PARC MR では粒子検出器用シミュレータ Geant4 と独自の 加速器トラッキングコードを組み合わせて,コリ メータで散乱された粒子の軌道シミュレーション を行っている.これに加えて,スキャッタラーと 呼ばれる薄い散乱体をコリメータ上流に挿入し, 意図的に散乱させた陽子によるビーム損失の分 布の変化を測定するビーム試験を行っており,シ ミュレーションのベンチマークとしている. 3.4 ビームモニタ ビーム位置モニタは中心軌道,分散関数,ベー タ関数およびベータトロン位相などの測定に不 可欠な装置である.しかし,近年では,ビーム強 度に合わせてアテネータを選択するリレースイッ チの接触抵抗の変化や,CPU ボードと A/D 変換 ボードの接触不良などの老朽化と思われる不具 合が見受けられる上に,ビーム大強度化に伴っ て,光学測定に要求される精度も厳しいものにな りつつある.このような現状を受けてビーム位置 モニタの信号処理回路のアップグレードが計画さ れている5).信号処理回路には中心軌道を測定す るモード(1 kHz)およびターン毎の位置測定モー ドの二つが必要である.ターン毎の位置測定モー ドは主にベータ関数やベータトロン位相の測定に 使用される.現行の精度が中心軌道測定モードお よびターン毎位置測定モードでおよそ30 μm およ び300 μm であるのに対して,アップグレードし た回路には,それぞれ10 μm および100 μm とい う要求を課している.これにより,例えば,ベー タ関数の測定精度17)は現行の3% から1% に向上 し,より高精度なビーム光学制御が期待される. ま た,optical transition radiation(OTR)と 蛍 光 板(FL)を組み合わせた二次元のビームプロファ イルモニタ(MR-OTR/FL)18)を MR リング内で新 たに設置する.この MR-OTR/FL はダイナミック レンジが6 桁にもなり,ビームコアとハローの同 時測定が可能である.すでに設置されている入 射路のもの(BT-OTR/FL)(図10)と組み合わせて ビームハローを測定しながらコリメータ調整を行 えば,ビーム損失分布の改善(ビーム損失のコリ メータ部局在化)が期待できる.さらに,ビーム ハローの位相空間における運動が測定できるの で,ベータトロン共鳴の影響などの評価にも使用 可能である. 3.5 シミュレーション 大強度化調整の方針検討にはシミュレーション が不可欠である.したがってシミュレーション 妥当性が重要であり,それには運転実績条件をシ ミュレーションにより再現し,実測データとの比 較検討からシミュレーションモデルを評価するこ とが前提となる.MR 大強度調整の中で,シミュ レーションモデルの改良や加速器環境の整備の重 要性が浮き彫りになった.シミュレーションモデ ルの高度化は,MR 各グループとの協力だけでな く RCS コミッショニンググループとも協力しな がら進められた. ビーム光学設計・単粒子計算コード SADコード19)はビーム光学の評価や,単粒子 計算に使用する.例えば,RCS と MR をつなぐ ビーム輸送ライン(3-50BT)の調整や MR 内での ビーム光学設定などに使用する.また単粒子計算 でのダイナミックアパチャーサーベイにも用い る.入力ラティスとしては,ビーム光学要素の位 置・サイズ,励磁上限,多極成分,設置誤差を正 図9 コリメータアップグレード. 図10 2 つの OTR/FL とコリメータの位置関係.
確に把握したモデルの作りこみが重要である.ベ ンチマークとしては,3-50BT では4 極電磁石操 作に対するビームプロファイルと中心軌道の応 答(含:MR 入射点での低強度 Twiss matching 操 作),MR ではアラインメント誤差と設定ラティ スから算出される COD の再現性,ベータ関数・ クロマティシティ・ディスパージョンといった ビーム光学パラメタの再現性を使っている. なお,空間電荷効果やインピーダンス影響の評 価には使用しない. 多粒子計算・空間電荷効果評価用コード
Particle in cell(PIC)2.5 次元コード SCTR20)を使
用した MR ビームロスシミュレーションが,2010 年以前から MR コミッショニンググループを中 心に行われている.大強度入射ビームモデルと しては,当初は上流側のブースターリング(RCS) 各種条件下の SIMPSONS コードシミュレーショ ン21)結果を用いたが,後に3-50BT でのビームプ ロファイル測定および,MR 内での Wall current monitor測定ベースのモデルが採用された.近年 は SIMPSONS コードでの MR シミュレーション も行われている. また,現行の PIC コード SCTR を高速化するた めに,GPU(Graphics Processing Unit)を使った新 しい PIC コードを開発した22).新しいコードから
得られた空間電荷効果によるチューン広がりや ベータトロン共鳴によるビーム損失などは現行 の SCTR の結果とよく一致している.コードは民 間クラウドサービス AWS(Amazon Web Service) の GPU クラスタで動作するように開発したため, 計算量によって必要なコンピューター数を調整 して使用することが可能である.AWS 上の GPU Nvidia Tesla-V100を搭載したマシン上での新コー ドの動作は,MR グループのマシン上での現行 SCTRの動作に比べて,約10 倍高速だという結果 を得ている. ベンチマークとしては,設定ビーム光学パラメ タにおいて,ビーム強度を増やした際のビームロ スやビームプロファイル測定が対象となる.比 較的ホットな話題として,上述した独立に開発 された三つの PIC コードすべてが,空間電荷ポテ ンシャルの高次の成分によるベータトロン共鳴 がビーム損失の原因となることを示唆しており, これを上記のベンチマーク対象(測定)をうまく 使って実証することが今後のビーム試験のテーマ の一つである. 3.6 MRアボートダンプライン増強計画 円滑なビーム調整にはアボートダンプラインへ のビーム試験が不可欠である.1.3 MW 相当ビー ムは,現行ダンプ容量7.5 kW では,安全係数を 加味して毎時12 ショットに制限されるが,容量 4倍への改造を STFC Rutherford Appleton Labora-toryと共同開発している.
4
.新主電磁石電源の開発
J-PARC MRアップグレードのうち最も大規模な 装置更新である主電磁石電源の更新について一つ の章を使ってできるだけ詳細を述べたい. 4.1 J-PARC MRの主電磁石 J-PARC MRの主電磁石は,偏向電磁石,四極電 磁石および六極電磁石の3 種類である.それぞれ の磁石台数は96, 216 および72 台であり,6, 11 お よび3 台の電源でドライブされる.図11 に主電 磁石の写真を載せた. 4.2 新しい主電磁石電源への要求 新しい主電磁石電源に対する主たる要求は以下 の3 点である. ・現行の2 倍程度の出力電圧(7000 V) ・現行以下の入力電力変動(<60 MVA) ・高精度電流出力(10−6–10−5) 最初の2 点は,高繰り返し化に関連している. 磁石電圧 V は電流 I とインダクタンス L を使っ て,V∼LdI/dt と近似できるため,励磁に使う時図11 J-PARC Main Ring の 主 電 磁 石.Bend., Quad. お よ び
Sext. は,それぞれ,偏向電磁石,四極電磁石および 六極電磁石である.
間を半分にしたければ,必要な電圧は2 倍にな る.さらに現行の電源では,磁石のエネルギーを 30 GeVから3 GeV 対応に戻すときに,磁気エネル ギーはすべて MR の変電所側に送り返しているた め(図12 上),変電所での電力変動は60 MVA を超 え,これ以上の増加は東京電力から認められてい ない.したがって,現行の電源の増設ではなく, 磁気エネルギーの貯蔵装置を搭載した新しい電源 を新たに開発した.磁気エネルギー貯蔵装置とし てコンデンサバンク23)を採用した(図12 下). 3番目の高精度電流出力は特に遅い取り出し モードの時に重要である.遅い取り出しモードで は主四極電磁石によりベータトロンチューンを共 鳴条件に近づけてビームを取り出すため,出力電 流精度が取り出しビームの平坦度に直接影響する からである. 4.3 開発の方針 以上のように要求は非常にクリアであるが,そ れをどのように実現するかが課題であった.入 力電力制御や出力電力制御は我々のアイディア を最大限使いたいし,新しい制御アイディアが あった場合に柔軟に対応したい.そのような場合 に Software や Firmware の変更で済むデジタル制 御方式を取り入れる必要がある.一方で,そのよ うな仕様を入札に盛り込んでしまうと,参加メー カーが限られてしまい我々の予算と2, 3 倍の相違 があることは事前の見積もり調査でわかってい た. そこで,我々は制御装置と IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)電力回路を切り分け,制御装置 は高エネ研が設計,製造を担当することにした. 具体的には,高精度電流計測,フィードバック制 御および IGBT のゲート波形生成電子回路の回路 設計,それらに搭載されている FPGA の Firmware などすべてを KEK で設計24)し,製作した回路基 板や PLC 群を近辺の工場に制御盤としてアセンブ リを委託し,制御盤丸ごと電力回路受注メーカー に支給した.このため,必然的に IGBT 電力回路 をどのように制御するかは KEK の責任となるた め,IGBT 電力回路の基本構成は KEK 側が決め て,KEK 側で行ったシミュレーション結果をメー カー側で再現してもらうなどして双方の理解を深 めていった. 4.4 電源の構成 図13 は偏向電磁石16 台をドライブする電源で ある.基本的な構成は図12 下で示したように, 直流電源(AC/DC コンバータ),コンデンサバン クおよび DC/DC チョッパの構成である.六直列 に接続された各チョッパの最大電圧は1700 V で あり,磁石ドライブによりコンデンサが放電され ても,十分な出力電圧7000 V が得られるように 各コンデンサバンクの容量480 mF を決めた.コ ンデンサの単機は重さ23.5 kg 5 mF(図14 左)で, バンク当たり96 台となる.また,バンク2 台(単 機192 台)を海上コンテナ(図14 右)に収納し屋 外に設置している.また,1700 V のチョッパを 6直列にした理由は,四極磁石6, 9 台をドライブ 図12 現行の電源と新しい電源の方式の違い. 図13 新 J-PARC MR 偏向電磁石用電源.
する小さい電源が,ちょうど1700 V の電源でド ライブできるからである.実際,開発の初期に, 1700 V 1直列の電源の R&D を行い,それはすで に四極磁石9 台をドライブする最初の新電源とし て,2016 年から稼働している. 本電源の最大の特徴は,6 直列のコンデンサバ ンクのうち2 個だけに直流電源がついており,残 りの4 つは交流系統からは充電されないフロー ティングキャパシタと呼ばれる方式である.この ため,フローティングキャパシタは,30 GeV か ら3 GeV に磁場を戻すときのエネルギーで再充 電しなければならない.サイクリックな運転を 持続させるためには,毎パルス同じ電圧に収束 する必要があるため,コンデンサバンクの電圧 をモニタし,理想値との差分を使って毎パルス DC/DCチョッパに変調信号を与えている. 4.5 調整方法と結果 上記の変調がある以外はフローティングの DC/DCチョッパは電圧指令で運転する.一方, 直流電源付きの DC/DC チョッパは出力電流制御 フィードバックで動作する.このようにすること で自動的に必要な電圧の残りを分担させることが できる.最後に充電される2 台コンデンサバンク の電圧パタン波形を決めて,AC/DC コンバータで 制御すれば,入力電力波形も決まる.したがっ て最適化は,6 つの DC/DC チョッパの電圧分担 と2 台の充電されるコンデンサバンクの電圧波形 を決める調整作業となる.図15 に調整後の出力 電流波形,フローティングキャパシタとそれ以外 (charged)のコンデンサ電圧を示した.励磁とと もにコンデンサが放電されていることがわかる. さらにその時の出力電力と入力電力を図16 に示 した.ピーク間で14 MVA の出力電力に対して入 力電力を2 MVA に抑えることができた25). この値は,偏向電磁石電源1 台当たりの測定結 果であるが,この実験結果から電源更新後の入 力電力変動は30 MVA 程度にできることがわかっ ている.これは,現行の60 MVA よりも十分小さ い. 4.6 今後 2021年度7 月以降の長期シャットダウン期間に 電源の入れ替えを完了させ,2022 年4 月新しい電 源システムで通電試験,2022 年6 月にビーム試験 を行う予定である.
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.お わ り に
J-PARC MRのビーム増強におけるこれまでの研 究開発活動と今後のアップグレードについて述べ てきたが,当然のことながらすべてに触れられた 訳ではない.本記事に載せる内容の取捨選択に関 しても,著者ら自身が取り組んできた研究や考 え方によるところが多い.特に,著者(栗本,佐 図15 出力電流とコンデンサ電圧. 図16 偏向電磁石電源1 台の入出力電力. 図14 コンデンサ単機(左)と単機192 台を収納したコンテナ.藤ともに)は2010 年から J-PARC に参加している ので,それ以前のことに関しては記載できなかっ た26). 本記事からこれまでの現場の研究者やエンジニ アの奮闘振りや,今後のビーム増強に向けたエキ サイティングな雰囲気が伝われば幸いである. 参 考 文 献
1) JAERI/KEK Joint Project Team Accelerator Group: EK-Report 2002-13 and JAERI-TECH 2003-044 (2003). 2) T2K Collaboration: Phys. Rev. Lett. 112, 061802 (2014).
3) T2K Collaboration: Nature 580, 339 (2020).
4) M. Tomizawa et al.: Proc. HB’18, JACoW, Geneva, 2018, 347–351.
5) S. Igarashi et al.: Progress of Theoretical and Ex-perimental Physics, 2021, ptab011, https://doi.org/ 10.1093/ptep/ptab011.
6) M. J. Shirakata et al.: Proc. HB’16, Malmö, Sweden, July 3–8, 2016, 543–547 (2016), doi: 10.18429/JACoW-HB2016-THAM4Y01.
7) T. Sugimoto et al.: Proc. IPAC’14, Dresden, Germany, Jun. 2014, 526–528. doi: 10.18429/JACoW-IPAC2014-MOPME069.
8) S. Igarashi et al.: Proc. HB’18, Daejeon, Korea, June 18–22, 2018, 147–152 (2018), https://doi.org/10.18429/JACoW-HB2018-TUA2WD02.
9) S. Igarashi et al.: Proc. PASJ2017 WEP030.
10) F. Tamura, C. Ohmori, M. Yamamoto, M. Yoshii, A. Schnase, M. Nomura, M. Toda, T. Shimada, K. Hasegawa and K. Hara: Phys. Rev. Spec. Top. Accel. Beams 16,
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11) K. Nakamura et al.: Proc. IPAC14, Dresden, Germany, June 15–20, 2014, 2786–2788 (2014), https://doi.org/
10.18429/JACoW-IPAC2014-THOAA03. 12) A. Kobayashi et al.: Proc. PASJ2018 WEOM01. 13) C. Ohmori et al.: Phys. Rev. STAB. 16.112002 (2013). 14) M. Yoshii et al.: Proc. IPAC’18, Vancouver, BC, Canada,
April 29–May 4, 2018, 984–986 (2018), https://doi.org/ 10.18429/JACoW-IPAC2018-TUPAK011.
15) F. Tamura, Y. Sugiyama, M. Yoshii, M. Yamamoto, C. Ohmori, M. Nomura, T. Shimada, K. Hasegawa, K. Hara and M. Furusawa: Phys. Rev. Accel. Beams 22, 092001
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17) K. Ohmi et al.: Proc. IPAC’17, Copenhagen, Denmark, May 14–19, 2017, 3101–3103. JACoW (2017), https://doi.org/ 10.18429/JACoW-IPAC2017-WEPIK074.
18) Y. Hashimoto et al.: Proc. HB’14, East-Lansing, November 10–14, 2014, 187–191 (2014).
19) https://acc-physics.kek.jp/SAD/.
20) K. Ohmi et al.: Proc. PAC’07, Albuquerque, New Mexico, June 25–29, 2007, 3318–3320 (2007).
21) S. Machida: Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. A 373,
309 (1996).
22) Y. Kurimoto: arXiv: 2010.11540v3 [physics.acc-ph]査読中. 23) Y. Morita, Y. Kurimoto, K. Miura, D. Naito, R. Sagawa, T. Shimogawa and T. Yoshino: Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. A 901, 156 (2018).
24) T. Shimogawa, Y. Kurimoto, Y. Morita, K. Miura and D. Naito: IEEE Trans. Nucl. Sci. 66, 1236 (2019).
25) Y. Kurimoto et al.: Proc. 3rd J-PARC Symposium (2019), (to be published).
26) 小関忠・MR 加速器グループ:加速器9, No. 1, 30–40 (2012).