社 会 系 教 科 教 育 学 会『 社 会系 教 科 教 育 学 研 究 』 第 6号 1994 (pp.33-40)
中
学
校
社
会
科
地
理
的 分
野
に お
け
る 事
例
地
域
の 選
択
の 視
点
と 内 容
構
成
The Viewpoints of selecting1 Regions in Geographical Learning for Junior High School
1。 はじめに
1993年(平成 5) 年度 から中学校社会 科の教育課 程
が完全 実施とな った。 そ の中で, 現場 の関心 が最 も高
い のが, 地理的 分野の世界 の諸 地域学習 におけ る事 例
地域 の選択であ る。 従来 の網羅的な世 界の諸 地域学 習
か ら脱却し,三つ の程度 の地 域また は国を 選択す るこ
と となった。し かし, そ の選択 の視点 の研究があ まり
進 んで いない ため, 現場で は高 校入試を心 配するあ ま
り,教 科書に掲載 されてい る地 域・国を すべて学習 す
る とい う現象が起 きている。
そ こで, 本論文 では事例地域 の選択 の視点 と内容構
成 の留 意点 を概念探究 型社会科 の立 場か ら提案する。
そして, その学習 のあり方 の具 体例を アメリカ合衆国
を 事例 にして示す。 その際,新 しい学力 観 の中の能力
形 成 の視点 を組 み込 む。
2。 世界 の諸 地域学習 とその問題点
1977 (昭和52)年版学 習指 導要領 と1989 (平 成 元) 年
版におけ る世界の諳地域学 習を比較 すると, 表I のよ
うになる。
表I '77 ・ '89年 版の世界 の諸 地域学習 の比 較
1977 (昭 和52 ) 年 版
1989 (平 成 元 ) 年 版
剛 世 界 と そ の諸 地 域
ア 生活舞台としての地球
イ 世 界 の自 然
ウ 世 界 の諸 地 域
閇 位置と歴吏妁贈t
(イ) 自 然 の特 色
(ウ) 住 民 と 生 活
(ェ) 資 源 と 産 業
(1) 世 界 と そ の諳 地 域
ア 多 様 な 世 界
閇 世 界 の国 々
(ィ) 人々の生活と環境
ィ 様 々 な 地 域
(3) 世 界 の 中 の 日 本
ァ 世 界 と の 結 びつ き
(3) 国 際 社 会 に お け る 日
本
ア 日本と世界の結びつき
ィ 日 本 と 国 際 社 会
1977年 版で は1968年 版と は違 って, 世界地 理先習 と
なった。 また, 学習 の窓 が四つ に整 理さ れ, 網羅的な
学 習に一定 の改善が なされた。 しかし, 依然 として世
界の大陸を 順に巡る学習 方式 を余 儀なくさ れる構成 と
な ってい た。
この部分で改善 さ れたのが, 1989 年版 の「様々 な地
米 田
豊
( 橿 原 市 立 畝 傍中 学 校)
域 」 で あ る 。 こ の大 単 元 で 学 習 す る 地 域 又 は 国 は, 三
つ 程 度 と さ れ た。 こ れ は 地 理 的 分 野 の問 題 点 を 克 服 す
る意 味 で, 多 く の 示 唆 に 富 ん で い る 。
従 来 の 世 界 の諸 地 域 学 習 の 問 題 点 は, 以 下 のよ う に
整 理 で き る 。
田
“ 地 名 物 産 の 地 理 ” と い う 指 摘 に象 徴 さ れ る よ
う な 地 理 学 習 に 陥 り やす い。
(2) 諸 要 素 を 関 連 付 け て 地 域 的 特 色 を 追 究 す るよ う
な プ ロ セ スを 重 視 し た学 習 や, 資 料 活 用 や 思 考 ・
判 断 を 伴 う よ う な 活 動 の場 が 少 な くな る た め, 知
識 中 心 の一 面 的 な 能 力 し か育 た な い よ う な 学 習 に
陥 り や す くな る。
(3) 取 り 上 げ る地 域 は 変 わ って も, 見 方 や 考 え 方 を
養 う と い う 方 法概 念 の観 点 か ら見 る と同 じ よ う な
パ タ ー ン, 程 度 の学 習 の 繰 り 返 し と な り や す く ,
こ の た め, 固 有 名 詞 的 な 応 用 性 の な い 知 識 は身 に
付 い て も地 理 的 な 見 方 や 考 え 方 は育 ち に く い。
( ①,p.
8一 部 要約 , 米 田)
こ れ ら の問 題点 を 事 例地 域 を 選 択 す る こ と で 克 服 し
よ う と す る の が, 1989 年 版 の 改 善 の主 旨 で あ る 。 し か
し, そ の方 法 が 明 確 に 示 さ れ て い な い 。
そ こ で , ま ず学 習 指 導 要 領 と そ れ に対 応 し た 指 導 書
を 整 理 す る。 加 え て, 研 究 者 の 見 解 を 検討 す る 。 そ れ
らを もと にし て, 筆 者 の事 例地 域 の選 択 の 視 点 と内 容
構 成 の 留 意 点 を 提 案 す る。
3。1989
年 版 と 指 導 書 の整 理 及 び 研 究 者 の 見 解 の検 討
剛 1989 年 版 と指 導 書 の整 理
1989 年 版 学 習 指 導 要 領 と 指 導 書を 整 理 す る と 次 の よ
う に な る。 ① ∼ ⑤ は 事 例 地 域 選 択 の 視 点 , ④ のii と ⑥
∼ ⑧ は事 例地 域 の 内容 構 成 の留 意点 を 示 す 。
① 各 項 目 間 の調 整 を 図 り , 一 部 の 地 域 に 偏 ら な い 。
i 「 人 々 の生 活 と 環 境 」 で 取 り 上 げ る 地 域 や 国 ,
「 日 本 と国 際 社 会 」 で 取 り上 げ る 二 つ 程 度(1 −3 )
の国 と調 整 を 図 る こ と。
② 世 界 の州 や大 陸 を 幾 つ か に 区 分 し て 設 定 し た ま と
ま り の あ る地 域 で あ る こ と。 次 の二 条 件 を 満 たす こ
と。
-33-i 州 や大 陸 を い く・
つ か に 区 分 し た 大 き さ で あ る こ
と 。
ii ま と ま り の あ る地 域 で あ る こ と。 そ れ以 上 細 分
化 し な い。
③ ② に 国 を 加 え, 三 つ 程 度 ( 2∼ 4 の地 域 又 は国 )
選 択 す る。
④ 現 代 世 界 を 構 成 す る諸 地 域 や 諸 国 の 特 色 が 明 確 に
な る こ と。
i 取 り 上 げ る 地 域 や国 が 特 定 の州 や 大 陸 に 偏 ら な
い こ とO
ii そ の地 域 や 国 を 学 習 す る こ と に よ り 他 の類 似 し
た 地 域 や 国 の特 色 に も結 び付 け る こと が で き る こ
と。
⑤ 我 が 国 の 国 土 の認 識 を 深 め る上 で 効 果 的 で あ る こ
と 。 日 本 と あ ま り交 流 の な い 地 域 や 国 な ど も 含 め て
取 り上 げ, そ れ ら の地 域 や 国 と我 が 国 と の比 較, 関
連 を 図 る よ う構 成 す る。
⑥ 人 々 の生 活 の地 域 的 特 色 も最 も 端 的 に示 し て い る
地 理 的 事 象 を 選 択 す る 。
⑦ ⑥ の 地 理 的 事 象 が 他 の事 象 と か か わ り合 っ て 成 立
し て い る こ と に留 意 し , 関 連 す る地 理 的 事 象 を 有 機
的 に 結 び 付 け る こ と 。
⑧ 地 域 の歴 史 的 背 景 や 人 種 ・民 族 構 成 な ど に つ い て
は 相 対 性 の認 識 を 重 視 す る こ と 。( ② )
(2) 研 究 者 の 見 解 の検 討
研 究 者 の見 解 を 事 例 地 域 選 択 の視 点 , 事 例 地 域 の 内
容 構 成 の留 意 点 に 分 け て 検討 す る。 そ の 際, 学 習 指 導
要 領 や 指 導 書 を 解 説 し て い る も の は 除 い た 。 な お ,
「 」 で 示 し た文 言 は, 学 習 指 導 要 領 や 指 導 書 の も の
で あ る。
以 下 の三 氏 の 提 案 は, 次 の三 つ の 視 点 で 事 例地 域 を
選 択 し た代 表 例 と捉 え て い る。
・ 他 の 類 似 し た地 域 や 国 を 結 び つ け る こ と が で き
る 事 例地 域 。
・ わ が 国 の国 土 の認 識 を 深 め るた め の地 域 や 国 の
組 合 せ 。
・ 厂
世 界 と そ の 諸 地 域 」 の学 習 終 了 時 に は, 世 界
の 輪 郭 が あ る 程 度 描 け る よ う な事 例地 域 。
① 事 例 地 域 選 択 の 視 点
i 赤 坂 寅 夫 氏
「 他 の類 似 し た地 域 や 国 と 結 び 付 け る こ と が で き る
事 例 地 域 を 選 ば な け れ ば な ら な い 」 と し ,「 現 代 の 世
界 を 構 成 す る諸 地 域 や諸 国 の 特 色 が 明 確 に な る」 事 例
地 域 を 次 の よ う に分 類 し て い る。
・ 熱 帯 の多 雨 地 域, 乾 燥 帯 の 砂 漠 の多 い 地 域, 冷
帯 の 寒 冷 な地 域
・ 人 口 の多 い地 域, 人 口 の少 な い 地 域
・ 農 業 中 心 の 地 域 , 工 業 の発 達 し た 地 域
・ 資 本 主 義 国, 社 会 主 義 国 , 発 展 途 上 国
・ 仏 教 徒 の多 い 地 域 , キ リ スト 教 徒 の多 い 地 域,
イ ス ラ ム教 徒 の多 い 地 域( ①, p.30 を 要 約 , 米 田 )
ii 今 橋 孝 司 氏
「 わ が 国 の国 土 の 認 識 を 深 め る た め の 地 域 や国 」 の
組合 せ を 次 の よ う に 分 類 し て い る 。
・ 先 進 資 本主 義 諸 国 , 社 会 主 義 諸 国, 発 展 途 上 の
地 域 や 国 ( 新 興 工 業 経 済 地 域 , モ ノ カ ル チャ ー経
済 国 , 産 油 国 , ア フ リ カ な ど の後 発 発 展 途上 国 )
を 組 み 合 わ せ る 。
・ 大 き な 国 ( 例 : 面 積 で は ソ 連, カ ナ ダ, 中 国 ,
ア メ リ カ な ど , 人 口 で は中 国 , イ ンド , ソ 連 , ア
メ リ カ) や 逆 に小 さ な 国 ( 例 : 面 積 で は ナ ウ ル,
人 口 で は モ ル ジ ブ な ど )
・ 人 文 地 域 : キ リ スト 教 徒 の多 い 地 域 , イ ス ラ ム
教 徒 の多 い 地 域 , 仏 教 徒 の多 い 国 々 な ど
・ 自然 地 域 : 寒 帯 , 乾 燥 帯 , 冷 帯 ( ①, P-20 を 要
約 , 米 田 )
i 矢 島 舜 孳 氏
「「 世 界 と そ の 諸 地 域 」 の 学 習 終 了 時 に は, 世 界 の
輪 郭 が あ る 程 度 描 け る よ う に 事 例 地 域 を 選 定 す る。」
と し, 事 例 地 域 を 次 のよ う に 分 類 し て い る。
・ 先 進 資 本 主 義 国 , 社 会 主 義 国 , 発 展 途 上 国
・ 農 業 中 心 の地 域 , 工 業 中 心 の地 域
・ 人 口 の多 い 地 域 , 人 口 の 少 な い 地 域
・ キ リ スト 教 の地 域 , イ ス ラ ム教 の 地 域
( ③, p.39 を 要 約 , 米 田 )
こ れ ら三 氏 の 主 張 は, 気 候・ 人 口・ 産業 ・政 治 経 済・
宗 教 の視 点 を 網 羅 し て い る 。 筆 者 は こ れ ら に民 族 問 題
あ る い は人 種 問 題 を 一 つ の 視 点 と し て 付 け 加 え る 。 な
ぜ な ら, こ れ は 「 現 代 の 世 界 を 構成 す る 諸 地 域 や 諸 国
の 特 色 を 明 確 」 にす る た め に は, 避 け る こ と が で きな
い 視 点 だ か らで あ る。
上 に示 さ れた 視 点 で, 選 択 し た 事 例 地 域 の マ ト リ ッ
ク ス表 を 作 成 す れ ば, 表 の上 で は 三 つ 程 度 の 国 で す べ
て 網 羅 で き る。 し か し , そ れ だ け で は 「 世 界 の輪 郭 が
あ る 程 度 描 け」 た こ と に は な ら な い 。 そ の地 域 又 は 国
の 社 会 的 事 象 が, 他 の地 域 又 は 国 の社 会 的 事 象 へ 応 用
さ れ な け れ ば, 社 会 認 識 は深 ま らな い。 つ ま り , 一 つ
の地 域 又 は国 で 習 得 さ れ た 説 明 的 知 識 が, 他 の地 域 又
は 国 の 社 会 的 事 象 に 転 移 し 概 念 的 知 識 と し て 習 得 さ れ
て, 初 めて 社 会 認 識 が 深 化 す る ので あ る 。 そ の 意 味 で
事 例 地 域 の 内 容 構 成 の留 意 点 を 明 示 す る 必 要 が あ る 。
ま た , 最 後 の 単 元 に な る 「 日 本 と国 際 社 会」 と の関 連
を 重 視 し て , 事 例 地 域 を 選 択 す る こ と も重 要 で あ る。
② 事 例 地 域 の内 容 構 成 の留 意点
< 動 態 的 な地 誌 の視 点 >
(1)
の ⑥ で 示 し た 「 人 々 の生 活 の地 域 的 特 色 を 最 も端
的 に 示 し て い る 地 理 的 事 象を 選 択 す る 」 こ と は, 動 態
的 な 地 誌 の 考 え 方 に立 脚 し て い る。 矢 島 氏 は動 態 的 な
地 誌 の学 習 の 利 点 を 次 の よ う に述 べ て い る。
( 略) 暗 記 に陥 り が ち で あ っ た 地 理 学 習 か ら 脱 却
し 生 徒 が 興 味 ・関 心 を も ち, 追 究 し て 考え る 地 理 学
習 が よ り 可 能 に な る 。
( ③, p.77)
ま た, 田 の⑦ で 示 し た [ ̄
⑥ の 地 理 的 事 象 が 他 の事 象
と か か わ り 合 っ て 成 立 し て い る こと に留 意 し , 関 連 す
る地 理 的 事 象 を 有 機 的 に結 び 付 け る 」 こ と は, 従 来 の
網 羅 的 な 繰 り返 し の 学 習 か ら短 絡 的 な思 考 を 避 け た追
究 的 な 学 習 へ の 転 換 を 意 味 し て い るO こ れ も動 態 的 な
地 誌 の学 習 の利 点 で あ る。 し か し , ど の よ う な地 理 的
事 象 を 有 機 的 に 結 び 付 け る かを 具 体 的に 明示 し ない と,
動 態 的 な地 誌 で 世 界 の大 陸 を 巡 る網 羅 的 な 学 習 に 陥 っ
て し ま う。
例 え ば, ブ ラ ジ ル の学 習 で 習 得 さ れ た コ ー ヒ ー の モ
ノ カ ル チ ュ ア の 説 明 的 知 識 は, マ レ ー シ ア の 天然 ゴ ム
や ガ ー ナ の カ カ オ の モ ノ カ ル チ ュ ア の説 明 的 知 識 へ と
転 移 さ せ る。 もち ろ ん動 態 的 な 地 誌 で 見 る わ け で あ る
か ら, 他 地 域 と の比 較 が静 態 的 な地 誌 に 比 べ て 困 難 で
あ る。 し か し, モ ノ カ ル チ ュ ア の概 念 的 知 識 は 習 得 さ
せ る こ と が で き, 従 来 の よ う な一 国 ご と の繰 り返 し の
学 習 は避 け る こ と が で き る 。 ど の よ う な 概 念 を 選 択 す
る か は, マ ト リ ッ ク ス表 で 後 述 す る 。
< 生 活 重 視 へ の警 鐘>
1977 ・ 1989年 版 学 習 指 導 要 領 の キ ー ワ ー ド は,「 生
活 」 で あ る 。 具 体 的 な 人 々 の生 活 が 見 え る よ う な 学 習
は, 授 業 を 活 性イ 匕す る た め に は 重 要 な視 点 で あ る 。 し
か し,「 な ぜ, そ の生 活 が あ る の か」 と い う , 社 会 科
の基 本 に あ る 社 会 的 事 象 の 法 則 性 の習 得 を 軽 視 し て は
な ら な い。 岩 田一 彦 氏 の次 の よ う な 指 摘 を 重 視 して 内
容 構 成 を す る必 要 が あ る。
こ の 「 生 活 」 重 視 の考 え方 は, 発達 段 階 や 適 時 性
と い う 視 点 か ら は評 価 で き る 。 し か し, 社 会 を 科 学
的 に 認 識 す る 際 に 不 可 欠 な, 政 治 的 ・ 経 済 的 な 分 析
の 軽 視 に陥 ら な い よ う に す る こ と も重 要 で あ る。
( ④ ,p.100 )
4。 事 例 地 域 選 択 の視 点 と 内 容 構 成 の 留 意 点
以 上 の こ と を も と に 筆 者 の見 解 を 示 す 。
① 事 例地 域 選 択 の 視点
A : 三 つ 程 度 ( 2 ぺ・4) の 国 又 は地 域 を 選 択 す る。
B : A は 匚
人 々 の生 活 と 環 境 」 匚日 本 と 国 際 社 会 ( 1
∼ 3)」 で 扱 う 国 又 は地 域 と 調 整 を 図 る。
C : 地 域 は次 の二 条 件 を 満 た す 。
・州 や大陸を いくつか に区 分した大 きさ。
・まと まり のある地域。 それ以上細 分化しない。
D :現代 の世 界を 構成す る諸地 域や諸国 の特色 が明 確
にな る。
i 取 り上 げる地域 や国が特定 の州 や大陸 に偏らな
い。
ii 次の視点を踏 まえる。
ア:気候
イ:人口問 題,民 族問 題, 人権問題
ウ:産業(農業 がさか ん, 工業 がさ かん)
エ:政治・ 経済(資本主 義国,社 会主 義国, 発展
途上国< 新興工業 経済地域・ モノカ ルチュア
経済 国, 産油国> ,
オ:宗教( 仏教徒 の多 い地域, キリ スト教 徒の多
い地 域, イスラム教徒の多い地 域)
E 一 ︱我 が 国 の 国 土 の認 識 を 深 め る上 で 効 果 的 で あ
る こ と 。
ii 日本とあ まり交 流のない地 域や国な ども含 め
て取 り上げ, それ らの地域 や国 と我 が国 との比
較, 関連を図 るよう に構成 する。
F :参考 資料が豊富 で, 教材研究 がある程度 進んでお
り多 様な学習活動 が工夫 できるこ と。
G:歴史 的分野 との関 連を はかる。
特 にD の視点で は, ア∼ オが三 つの事例地 域です べ
て組 み込 まれてい る必 要があ る。
② 事 例地 域 の内容 構成 の留意点
a:事例地 域を動態地 誌的に扱 う。
i 人 々の生活 の地 域的特色を 最 も端的 に示 してい
る地 理的事象を 選択す る。
ii その地理的 事象が他 の事象 とか かわり合って成
立 してい ることに留意 し, 関連す る地 理的事象を
有機的に結 び付ける。
b: その地域 や国 を学習す ること によ り他の類似 した
地域や国 の特色に も結 び付け る。
c:その地域又 は国の特殊 性ばかり強 調す るので はな
く, 共通 性にも着目 する。
d:地域 の歴史的背景や人 種・民族構 成など につ いて
は相対性 の認識を重 視する。異文 化理解 の視点を
組 み込 む。(広 義の人権 教育 の視点)
e:全地 球的な以下 の諸 問題を組 み込む。
・環 境問題 ・人口 問題 ・食 料問題
・貿易 摩擦 ・南北 問題 ・ ポスト冷戦
f :現実 の人 々 の生活 がその地域 の中で見え るように
具体 的に内容を構成 する。そ の際, 政治的・ 経済
的な 分析を大切 にする。
こ こで は, 動態的な地誌 の学習 の視点 と概念 探究 型
社会科で の授業 構成を考 慮して作成 した。
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畷
9
謌
瑕
冢
碚
以上の
視
点
をも
と
に
して
,選
択
した
事例
地域
をマ
ト
リック
ス
表
に
して
示す
。その
際
[日本
,
と国際社会
]
の
単
元
に
お
ける
事例
地域
も
合わ
せ
て明
示
した
。表
中の
記
号は
筆
者
の
見
解の
記
号
と
一
致
して
い
る
。
特
に
内容
構
成の
留意
点
では
,動
態
的
な
地誌
の
視
点
を
決
定
し
,キー
ワー
ドで
明
示
した
。加
え
て
,そ
の
地
域
又
は
国の
論
争
問題
も組み
込
んだ
。そ
して
,
それ
ぞれ
の
視
点
や論
争
問
題が
他
地
域
,他
め
社
会
的
事
象
に
ど
う応
用
で
き
るか
を備
考欄
に
示
した
。
5。ア
メリカ合衆
国を事例に
して
ここでは授
業構成の具体的なあ
り方を
,アメ
リカ合
衆国を事例
に
して示す。
その際
,新
しい学
力観の
「能
力形成」の視点を組み
込む
。伊東亮三氏は今後の社会科の
学習
内容は能
力
・
技能が
中心になるべ
きである
とし,次の
ように述べて
いる。
変化の激
しい今後の社会では
,変化し,しかも量
的に増大す
る知識
を社会科の学習内容の中心にする
のではな
く
,思考の
方法や技能こそ学習内容の
中核
におくべ
きではないか
と考
える
(略)むしろ,今
。
後の社会科
,二一世紀の社会科は
,思考や判断の仕
方
,能
力,技能
といわれるもの
が学習
内容の
中心に
おかれ
なけれ
ばな
らないだ
ろう
(⑤,
。
pp.54
―55)
この
主張は説
明的知識や概念的知識の習得
を否
定
し
ては
いない
。なぜな
ら,学習指導内容の構造図で具体
的に示
したように
,ミク
ロな問い
を学習課題に変換す
る過程や説明的知識や概念
的知識
を習得する過程
で
,
多くの能
力
形成がはかれ
るか
らである。
それ
では今ま
でに示
した理論
を
,アメ
リカ合衆国を
一つの事例
地域
として具体
的に適用
して述べ
る。
アメ
リカ合衆
国を選択
した
ことは
,マ
トリックス表
の
「事例地域選
択の視点」では
,
Eのii
(社
会
主義
国)
以外は網羅できている
。
次に
,アメ
リカ合衆国の学習内容がマ
トリックス表
の
「事例地域の
内容構成の視
点」
を満た
して
いなけれ
ばならない
。
以下学習指導内容の構
造図に沿って述べる
。
(1)学習計画の立
案
(ミク
ロな問いか
ら学習課題の
決
定へ)
まず
,最初の
2時間で学習計画の
立案をさせる。子
どもの持
つミク
ロな問い
を学習課題に変換する作業で
ある。
(⑥
)
まず
,アメ
リカ合衆
国と聞いた
ら連想す
るもの
を書
き出させ
る
。ここでは
,自分の
身の回
りの事
象を胯
報
として収集する
力を養
いたい
。
次に,これ
らを分類させる
。分類することは科学の
第
一歩である。その際
,既習の
「東アジア」の学習で
使用
した指標や教科書
を参考
・比較
して
,分
類する指
標
(分
類の
し方)を創
る
。ここでは
,既に獲得
してい
る分類
・比較する力が適用
され
る
O
次の段階では
,アメ
リカ合衆
国について追究
した
い
ことを
,問いの
形に変換させ
る。その際
,社会科の
問
いが数
多く出るように
,既習の
「東アジア」の
学習で
の
問いづくりを想起
させ
,
「なぜ
疑問」の形で表現さ
せ
る
。ここでは
,問いの発
見力の形成,既得の
問いの
発見
力の
適用がな
され
る。
最後の
段階では
,先の
「なぜ疑問」を学習課題とし
て構造化
し
,学習計画
を立案する。その際
,次の
方法
で学習課題を決
定する
。
①
関連す
る問いを分類
し
,大きな問いとその
下位
にある問いに分ける。
②
その際
,動態地誌的な視
点を重視
して指標
を抽
出
し
,問いを分類
して学習課題
を決定する。
つま
り
,子どもと創
った学習課題が
「事例
地域の内
容構成の視
点
」を組み
込んでいなけれ
ばならない。個
の
問いだけで授
業を構成するの
ではな
く
,中学校社会
科地理的分野
としての
系統性の
ある認識内容を持
った
学習課題を決
定しなければな
らない
。その
際の指標が
マ
トリックス表の
「事例地域の
内容構成の
視点」であ
る。
以上の
変換作
業の結
果
,図の
4の
(2
)
の①
から⑤ま
で
が地理的分野
で解
いていく学習課題
とな
った
。それ
以
外の問
いは
,他分野で解
くもの
,他教科
で解
くもの
と
な
る
。他教科で解
く問いは社会認識形成に至
らなくて
も
,探究の
方法の習得という能
力形成が期待できる。
(2
)学習課題の探究
子
どもと創
った
五つの
学習課題に沿
って述べ
る。
①
移
民の
国
「なぜ
,ア
メリカぱ
‘人種のサ
ラダボー
ル”と言わ
れ
るのだろう
。
」という学習課題
を概念探究型社会科
の
方法で解
いていく
。
(⑦
)学習過程に沿って,仮説
の
設定
力
,情
報の収集力
・選択
力が養われ
「図の①
∼
⑥に示
した歴
史的背景が原因となって
,
“人種のサラ
ダボ
ー
ル”と言われ
るようになった。
」という説明的
知識が習得される
。この
学習は
,
「なぜ,アメリカ合
衆
国では人種の
あいだで差別がおきているのだろう
。
」
という新たな問いを生んだ
。この問いはアパル
トヘイ
トや
白豪主義の
学習内容とあわ
せて授
業を構成するこ
とができる
。他
地域
,他の社会
的事象への
応用
で
ある
。
②
世界の
食料庫
「なぜ
,アメリカぱ世界の食料庫”になることが
できたのだ
ここでは
ろう
,既習の
。
」という学習課題
東ア
ジアの
農
業立地の
を探究する
条件
が比較
。
・
−37
−
学 習 指 導 内 容 の 構 造 図 ( ア メ リ カ 合 衆国 を 事 例 に し て )
学 習 計 画 の立 案 ( ミ ク ロ な 問 い か ら 学 習 課 題 の決 定 へ ) 1。 ア メ リカ 合 衆 国 と 聞 い た ら連 想 す る も のを 書 き 出 そ う。( 略 ) 2. 1. を 分 類 ( = な か ま分 け) し よ う。 (1) 「 東 ア ジ ア」 の学 習 を 思 い 出 し た り, 教 科 書 を 参 考 に し て, 分 類 す る指 標( = 分 類 のし方 ) を 考 え よ う。 l" ““' < 子 ど も の考 え た 指 標 の 例>− − 1 − I翌
①
⑥
② ⑦ (2) (1) に 従 っ て ,1. 1-一一一一< 子 ど も に よ る①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
厂 − 1 1 1 − 1 ︲11111 − 1 ・ ︲ j j 3 I ︷ 7 ` 9 り 4 [ り り ぐ く く ’ l 、②
③
111111①
②
③
④
⑤
⑥ ⑦ ⑧ 都市 貿 易 ③ ⑧ を 分 類 し よ う 。 ㎜-㎜---l---- ←-皿皿皿㎜11111- 〃 ス ポ ーツ ④ 自 然 地 名 , 地 名 ⑤ 人 物 日 本 へ 来 て い る企 業 ⑨ そ の 他 " `1 ︲ ︲ − 1 1 . . − − −1 能 力 形 成 情 報収 集力 分 類・ 比 較 す る 力 く 既 得 の 分 類 ・ 比 較 す る力 の 適 用> ミ クロ な 問 い へ の着 目 = 問 い の発 見力 く 既 得 の問 い の 発 見力 の適 用 > 課 題 発 見 力 農業 : 小 麦, オレ ン ジ, チ ェ リ ー, と う もろ こ し, カ リ フ ォ ル ニ ア 米 都 市 : ニ ュ ーヨ ー ク, サ ン フ ラ ン シ ス コ, ロ サ ン ゼ ル ス スポ ー ツ: バ ス ケ ット , ア メ リ カ ン フ ッ ト ボ ール, ア ト ラ ンタ 自 然 地 名, 地 名 : ナ イ ア ガ ラ の滝 , ロ ッ キ ー 山 脈, ミシ シ ッピ 川 人 物 : カ ー ル ル イ ス, ワ シ ント ン, モ ン ロ ー, ク リ ント ン, J. F. 工 業 : 左 ハ ンド ル の 車, I BM の コ ン ピ ュ ー タ ー, 貿 易 : 左 ハ ンド ル の車 , ア メ リ カ に あ る 日 本 の 車 の 会 社, オレ ン ジ, 日 本 へ来 て い る企 業 :ト イ ザ ラ ス, マ クド ナ ル ド, コカ コ ー ラ 差 別 : 黒 人 差 別 K 。 カ リ フ ォ ル ニ ア 米 : 1 1 1 1 1 3。 ア メ リ カ 合 衆国 に つ い て 追 究 し た い こ と を, 2. に従 って 問 い ( = な ぜ疑 問 ) に し よ う。 そ の 際, 社 会 科 の 学 習 に な る よ う に 「 東 ア ジ ア」 の学 習 を 思い 出 し な が ら 問 い を 創 ろ う。 「  ̄ ̄ ̄< 子 ど もが 作 成 し た 問 い--- く 子ど もと作成し
口1)① な ぜ, ア メ リカ で は オ レ ン ジや グ レ ープ フ ル ー ツ が た く さ ん 作 ら れ, 輸 出 さ れ る の だ ろ1 う。 な ぜ , ア メ リカ で はパ ンが 主 食 な の だ ろ う。 な ぜ , ア メ リカ の カ リ フ ォ ル ニ アで は安 く米 が生 産 で き る のだ ろ う。 な ぜ,ア メ リ カで は 太平 洋 ・ 大 西 洋 岸 に都 市 が 多 い の だろ う。 な ぜ, ア メ リ カで バ ス ケ ッ ト ボ ール が はじ め ら れた のだ ろ う。 ナ イ ア ガ ラ の 滝 や五 大 湖 は ど の よ う に し て で き た のだ ろ う。 な ぜ, 人 の名 前 が首 都 の 名 前 に な った のだ ろ う。 (6)① な ぜ, 日 本 に 日 本 製 の 左 ハ ンド ル の車 が あ る のだ ろ う。 ② な ぜ, ロ ケ ッ ト の 開 発 が 進 ん で い る の だろ う。 (7) な ぜ, ア メ リカ に 日 本 の 車 の会 社 が あ る の だろ う。 (8)① な ぜ , 橿 原 市 にト イ ザ ラ スが 作 ら れ た の だ ろ う。 : ② な ぜ , マ ク ド ナ ル ドや ケ ン タ ッ キ ー フ ラ イ ド チ キ ン, コ カ コ ー ラが 日本 に進 出 し た の だ ろ つ。 I ③ な ぜ, 本 社 が ア メ リ カ に あ る の に, 日 本 に た く さ ん の 企 業 が 進 出 して い る の だ ろ う。 l (9)① な ぜ, ア メ リ カ に人 種 差 別 が あ る の だ ろ う 。 l ② な ぜ, ア メ リ カ は「 人 種 の サ ラ ダポ ール」 と い わ れる の だろ う。 | !___。。。。。-- 一一一一______。。。_______。。。。。 一一一一一一一一_。。 一一一一一一__。- 一一。。。。- 一一。。。-。 4. み ん な の問 いを 集 め て 分 類 し, 先 生 と い っ し ょ に学 習 課 題 を 決定 し, 学 習 計 画 を 立 て よ う 。 そ の 際, 大 き な 問 い と そ の下 位 に あ る 小 さ な 問 い に着 目 しよ う。 (1) 厂東 ア ジ ア」 の 学 習 や 教 科 書 を 参 考 にし て , 問 い を 分類 す る 指 標 を 考 え よ う。 ま た , 歴 史 的 分 野 や 公民 的 分 野, 他 教 科 で 追 究 す る問 い に分 類 し よ う。問いと認 識内容=
半
半
]
ド ー < 子 ど も と 作 成 し た 指 標 の例>---: ① 移 民 の 国 ② 世 界 の食 料 庫 ③ 世 界 一 の 工 業 国 i ⑤ ア メ リカ の苦 し み ⑥ 歴史 的 分 野 ⑦ 公 民 的 分 野 i ⑨ 他 教 科 (2) 問 い を 学 習 課題 に し, 分 類 し て 学 習 計 画 を 立 て よ う。 ④ メ ガ ロ ポ リ ス ⑧ そ の 他 111111 く 既 得 の 課 題 発 見 力 の 適 用> 課 題 構 成 力 = ( 問 い ) 学 習 課 題 の構 造 化 ア メ リ カ合 衆 国 ( 全 9時 間 ) 移 民 の 国 : 3.の(9)の ① ② … … … … 1時 間 世 界 の 食 料 庫 : 3.の(1)の① … … … … 2時 間 世 界一 の 工 業 国 : 3.の〔6〕の① ②(7) … … 2 時 間 メ ガ ロ ポ リ ス: 3.の(2) …… … … … 1 時 間 ア メ リ カ の苦 し み:〔1〕び ③,〔6〕び ①, (7),〔8〕の ① ② ③ … … … … 3時 間 歴 史 的 分 野 : 3.の(5) 公民 的 分 野 : 3.の(8)の ① ② ③, (9)の ①② 他 教 科 : 3.の(1)の ②. (3X4)核 視 点 ・ 学習 課 題・ 説 明 的 知 識 ☆ 論 争 問 題 指 導 方 法 応 用 能 力 形 成 巨 大 国 ア メ リ カ 移 民 の 国 「 な ぜ , ア メ リカ ぱ 人 種 の サ ラ ダ ボ ール ”と 言 わ れ る の だ ろ う。 」 以 下 の 歴 史 的 背 景 よ り“ 人 種 の サ ラ ダ ボ ー ル ”と 言 わ れ る よ う に な っ た 。 ① 先 住 民 の イ ンデ ィ ア ン・ イ ヌ イ ッ ト ② イ ギ リ ス の 植 民 地 建 設 ③ ヨ ーロ ッ パ各 地 か ら の移 住 ④ ア フ リ カ か ら の 黒 人 奴 隷 ⑤ ア ジア 系 移 民 ⑥ヒ ス パ ニ ッ ク・ ベ ト ナ ム移 民 概 念探 究 価 値 分 析 他地 域 ・ 他 国 の人 種 差 別 問 題 に 応 用 して 考 え よ う。 ・ ア パ ル ト ヘ イ ト ・ 白 豪 主義 ・ 多民族国家 仮 説 設 定力 情 報 の 収 集 力 ・ 選 択 力 ・ 活 用力 問 い の 発 見 力 「 な ぜ ア メ リカ で は, 人 種 の あ い だ で 差 別 が お き て い る の だ ろ う。」 世 界 の 食 料 庫 「 な ぜ, ア メ リ カ ぱ 世 界 の 食 料 庫 帽 こな る こ と が で き た の だ ろ う。 」 ① 広 大 な 耕 地 を 利 用 し 大 型 機 械を 使 っ て, 各 地 の 気 候 や 地 形 に 適 し た 作 物 を 集 中 的 に栽 培 して い る の で, 生 産 量 が 自 給 量 を 上 ま わり 大 量 に輸 出 で き る か らで あ る。 ② ① を 支 え て い る の は, 機械 化 , 分 業 化, 栽 培 技 術 の 高 度 化 で あ る 。 ・ 機 械 化 , 分 業 化 は生 産性 を 高 め る。 ・ 最 新 の科 学 技 術 が導 入 より , 収 穫 量 の 数 倍 多 い と う も ろ こ し な ど が 開 発 さ れ, 生 産 性 が高 ま って い る。 ③ コ ンピ ュ ー タ によ る生 産管 理 が進 み, 工 業 生 産 同 様 の 企 業 的 経 営 が 行 わ れて い る。 概 念 探 究 価 値 分 析 東 ア ジ ア の 農 業 ( 中 国 ) と 比 較 し て “ 世 界 の 食 料 庫 ”にな っ た こ と の 仮 説 を 考 え よ う 。 ・ 資 本 ・ 経 済 体 制 ・ 科 学 技 術 日 本 の 農 家 に 適 用 し て 考 え よ う 。 仮 説 設 定 力 < 既 得 の 概 念 装 置 を 用 い た 分 析 に よ る 仮 説 の 設 定 と 検 証> 情 報 の 収 集 力 ・ 選 択 力 ・ 活 用カ モ デ ル 形 成 力 ・ 応 用力 問 い の 発 見 力 「 ア メ リカ は日 本 に農 産 物 の輸 入を 増 や す よ う に 求 めて い る。 こ の 問 題 に つ い て 論 争 しよ う。」 世 界 一 の 工 業 国 「 な ぜ , ア メ リ カ ぱ‘ 世 界一 の工 業 国" に な る こ と が で き た の だ ろ う。」 ① 豊 か な 鉱 産 ・ 林 産 資 源 に恵 ま れて い る か ら で あ る。 ② 外 国 の油 田 や 鉱 山 の開 発 に 積 極 的 に 投 資 し て そ れ ら を 輸 入 し て い るか らで あ る。 ③ 生 産 性 の高 まり によ り 巨大 な 資 本 が 新 た な 富 を 生 み 出 し て い る か らで あ る。 ④ 自 由 な 企 業 競 争 が生 産 性を 高 め て い る か ら で あ る 。 ⑤ 進 ん だ 科 学 技 術 が 高 度 な機 械化 を 生 み, 大 量生産 が 可能 とな っ た か らで あ る。 ⑥ 2 度 の世 界 大 戦 で , ヨ ー ロ ッ パ が 大 き な 被 害 を受 け た 結 果 , ア メ リカ は世 界 の政 治 ・ 経 済 の 中心 な っ た。 概 念 探 究 価 値分 析 東 ア ジ ア の 工 業 と 比 較 し て , ‘‘ 世 界 一 の 工 業 国 ” に な っ た こ と の 仮 説 を 考 え よ う 。 ・ 資 本 ・ 経 済 体 制 ・ 科 学 技 術 E C と の 貿 易 摩 擦 を 考 え よ う 仮 説 設 定 力 く 既 得 の 概 念 装 置 を 用 い た 分 析 によ る仮 説 の 設 定 と 検 証> 情 報 の 収 集 力 ・ 選 択 力 ・ 活 用カ モ デ ル 形 成 力 ・ 応 用 力 問 い の 発 見 力 厂ア メ リ カ の工 業 の問 題 点 と日 本 の工 業 の あ り方 に つ い て 論 争 し よ う。 」 メ ガ ロ ポ リ ス 「 ア メ リ カ の都 市 や 交 通 ・ 通 信 網 は, ど の よ う に 発 達 し て い る の だ ろ う。」 ① 工 業 化 が 進 み, 人 口 の集 中 して い る ボ ス ト ンか ら ワ シ ン ト ン に か け て の地 域 は, 鉄 道 や高 速 道 路 , 航空 網 な ど で 密 接 に 結 び つ い て 都 市 域 を 形 成 し て い る。 ② ア メ リ カ 国 内 の 都市 を 結 ぶ高 速 道 路 や航 空 路 だ け で な く 各 都 市 か ら直 接 世 界 各 地 に向 か う航 空 路 が 整 備 さ れ, 航 空 路 網 の う え で 重 要 な 地 位 を し めて い る。 ③ ア メ リ カ は情 報 通 信 シ ステ ム が, 世 界 で 最 も整 備 さ れ て おり, 情 報 化 社 会 へ の対 応が 進 んで い る。 作 業 調 査 発 表 メ ガ ロ ポ リ ス を 太 平 洋 ベ ル ト に 応 用 し て 考 え よ う 。 読図 力 発 表力 ア メ リ カ の 苦 し み 「 世 界 を リ ード し て い る ア メ リ カ の 実 態 を, アメ リ カ 企 業 の 日 本 へ の進 出 か ら調 べよ う。」 ① マ クド ナ ルド ② コ カ コ、− ラ ③I BM r今 まで の学 習 か ら ア メ リ カ の苦 し み を 整 理 し, そ の 中 か ら一 つ を 選 ん で 論 争 し よ う。」 ① 人 種 差 別 問 題 ②都 市 問 題 ③ 日 本 と の 貿 易 摩 擦 ( 工 業 生 産 の 低 下 ,貿 易 赤 字 ,農 産 物 の輸 出) ④ ア ジ アN I ES と の貿 易 作 業 調 査 発 表 価 値 分 析 中 国 へ の 企 業 進 出 に 応 用 し て 考 え よ う。 ・ 経 済 特 区 ・ 経 済 開 発 区 読 図 力 発 表 力 合 理 的 意 志 決 定 力 新 た な問 い, 歴史 ・ 公 民 的 分 野 で 学 習 す る問 い の決 定 , 学 習 課 題 に な らな か っ た問 い の 追 究 < 新 た な問 い の発 見> 新 た な問 い の 発 見力 分 類 す る力 学 習 方 法 の 応 用力 (1) 新 た に 調 べ て み た い こ と を 書 き 出そ う。 (2) 学習 課 題 に な ら な か っ た 問 い を 次 の方 法で 追 究 し よ う。 ① 学 習 計 画 に 入 ら な か っ た問 い を 書 き 出そ う。 ② 歴 史 ・ 公 民 的 分 野 で 学 習 す る問 い を 決定 し よ うo ③ ① の 中 で ② に 入 らな か った 問 い の中 か ら, 調 べ て み た い こ と を 選 び レ ポ ー ト し よ う。 に れ は 個 人 研 究 と し, 授 業 で は行 わ ない 。 提 出 さ れ た レ ポ ート 類 は学 年 掲 示 板 な ど で 発 表 さ せ る。 社 会 科 と し て の 認 識 に い た ら な く と も 探 究 の方 法 の 習 得 と いう 能 力 形 成 が 期 待 で き る。 )