3学年D組
理科学習指導案
指導者 片 岡 勤 展開場所 第 二 理 科 室 1 単元名 物体の運動 2 単元について (1) 単元観 今回扱う「物体の運動」は、物理分野の基礎である。小学校以来「振り子」や「てこ」、 1年生で学んだ「力と圧力」など、生活の中で見られる多くの場面の中で、力について学ん できている。しかし、力学は化学変化のように、力を直接見ることができないが故に、理解 しづらい単元であるといえる。また、作図や数値化された結果から、力の関係を推論するこ とは、現在の子供たちにとって最も苦手としている部分であるといえる。 一方で物理実験は、容易に繰り返しが利くものが多く、自分たちで失敗したと感じたとき だけではなく、何か新しいことに気づいたとき、すぐ検証実験をやりなおせる特性も持って いる。 今回の「物体と運動」の単元では、主に記録タイマーを使用して、直線に動く物体の瞬間 の速さの変化を調べる。そのために、肉眼ではとらえることのできない瞬間の速さの変化を、 紙テープの打点の間隔の変化で理解していく事が必要となる。間接的なデーターから実際の 動きを理解することを、生徒は苦手としているので、事前の説明をしっかりやっておくこと が、実験そのものより大切であると考える。 また、この単元の実験は繰り返しが容易なので、全員が実験を行い結果の処理をするこ とも大切であると考える。 (2)生徒の実態 3年D組は、昨年度より指導している学級である。理科に対する興味関心の高い生徒は多 いが、かなり学習内容の理解に時間のかかり、支援の必要な生徒を多く抱えている。そのた め、抽象的概念を理解するのを苦手としている生徒もかなり目立ち、説明にはかなり工夫が い必要である。 日頃の生活の中で、運動の仕方についてどのような意識を持っているのか、自転車を通し て質問してみた。(大山口中学校の生徒は、生徒の多くが自転車通学するなど、自転車との 関係が深い) 1.平地を走るときと坂道を登るときでは、どちらが力がいるか。 全員が坂道を選んだ。(男子16名 女子17名)このことから坂道を登るときにはより 大きな力が必要なことは実感している。しかし、次の問いにおいて運動がエネルギーの関係 としでは、ほとんどとらえられていないことがわかる。2.坂道を下るとき、ペダルから足を離すとどうなるか。 男子4人女子5人は、ただ「進む」「走る」とだけ答え、「速くなる」と答えた生徒は、男 子2名女子4名だけであった。言われれば分かることであるはずのことでも、日頃は坂道を 下るときは楽として意識しているだけで、ほとんどの生徒は、速さの変化にまで気がついて いないのが分かる。つまり、自らが力を加えていない物体の動きに対する関心がいかに薄い かが読み取れる。 同様な様子を示しているのが次の問である。 3.平地を走っているとき。ペダルから足を離しても走り続けているのはなぜか。 男子 女子 タイヤが回っているから 6人 4人 止める力が働かないから 2人 3人 進む性質がある 2人 運動エネルギー 1人 風が押す 1人 地面の凹凸 2人 これ以外の生徒は無回答であった。男女ともほぼ半数が、何も考えることができない状態 であった。生徒の意識の中には「慣性」の意識は低く、何を聞かれているのかすら理解でき ない生徒が多くいる現状が分かる。 4.実際に自転車で家から時速20kmで走ると、20km離れた地点まで移動するのに、 ほぼ一時間でつくことができるか。できないとしたら、その原因を考えてください。た だし、人間のこぎ方は一定であるとします。 この問いに対し一時間でつかないと考えたのは、男女とも半分強であった。 できないと考えた生徒のうち、その理由として次のように答えた。(複数回答) 男子 女子 信号で止まる 6人 3人 時々止まる必要がある 2人 2人 坂の上り下りがある 1人 1人 人が飛び出す 1人 1人 進行の障害になるものがある 1人 カーブで遅くなる 1人 次第に疲れてくる 1人 瞬間の速さと平均の速さの違いについて、意識している生徒が半分程度あり、いろいろな 障害が等速運動を妨げていることを意識している。しかし、半分弱の生徒は、日頃自転車を 利用しているにも関わらず、実感として速さに変化があることが理解されていないことから、 私たちが日常生活の中で「分かっているだろう」と思っている現象でも、意外に理解されて いないことがあると考えて指導を進めていかなければいけないことを示している。
(3)指導観 ・生活体験を最大限に生かしながらも、生活体験が非常に乏しい現実も踏まえ、いろいろな 例を挙げながら進めていく必要がある。 ・実験操作および実験後のデーター処理を全員が行い、実験結果を実感させる。 ・数量的変化を数字だけに頼ることなく、紙テープの結果やグラフ・図などをできるだけ利 用し、視覚的に進めていくよう心がける。 3.単元の目標 ・実験を自ら進んで取り組み、仲間の実験に対しても、協力して取り組もうとする。 (自然現象に対する関心・意欲・態度) ・記録タイマーを処理した結果から、物体の運動の様子について、適切に説明することがで きる。 (科学的な思考・表現) ・記録タイマーで速さを調べる実験を行い、記録テープを適切に処理することができる。 (観察・実験の技能) ・速さには平均の速さと瞬間の速さがあり、外部から力が加わらないときには、等速直線運 動することを理解できる。 (自然事象についての知識・理解) 4.指導計画 (時間) 時配 学習内容と学習活動 評価基準(方法) 1 1.身の回りの運動 ・身の回りに起こっているい ろいろな運動について考え る。 運動の速さと向き ・瞬間の速さと平均の速さについて違い ・ストロボ写真から運動の様 に気付くことができる。 子について考える。 ・運動には速さと方向があることに気付 くことができる。 2 ・速さを求める。 ・所要時間と道のりから速さを求めるこ とができる。 (科学的な思考・表現) 【計算練習】 3 2.運動の記録と速さ 記録タイマーの使い方。 ・実験方法がわかる。 ・記録タイマーの使用方法と ・記録タイマーは瞬間の速さを調べるこ 結果の持つ意味について学 とのできる道具であることがわかる。 ぶ。 ・紙テープの処理の仕方を理解することがで きる。 ・紙テープを5打点おきに切る意味が、 わかる。 (観察・実験の技能) 【行動観察 ワークシート】
4 斜面を下る運動 ・斜面を下る物体の運動を調 ・正しい実験方法で行うことができる。 べる。 ・協力して実験を行うことができたる。 ・正しく紙テープを処理することができる。 5 ・斜面を下る運動の動き ・等加速度運動になっている事に気づく。 ・速くなっていることから斜面に沿って 力が働いていることに気づくことができる。 ・時間と速さが比例していることに気づく。 (観察・実験の技能) 【行動観察 ワークシート】 6 自由落下運動 ・正しい実験方法で行うことができる。 ・協力して実験を行うことができる。 ・正しく紙テープを処理することができる。 ・質量に関わりなく、同じ割合で速くな っていくことに気づくことができる。 (観察・実験の技能) 【行動観察 ワークシート】 7 等速直線運動 本 ・水平面での物体の動き ・正しい実験方法で行うことができる。 ・協力して実験を行うことができたる。 ・正しく紙テープを処理することができる。 時 (観察・実験の技能) 【行動観察 ワークシート】 8 ・水平面での物体の運動には どのような特徴があるか。 ・手で押しているときは紙テープが伸び ているのに、手を離した瞬間から速さ が一定になっていることに気付くこと ができる。 ・水平面での運動は、進行方向に力が働 いていないことを理解することができる。 ・このような運動を等速直線運動と言う ことを理解することができる。 9 ・慣性 ・外部から力が働いていないとき、全て の物体は等速直線運動をする。この 性質を慣性と言うことがわかる。 か。 (科学的な思考・表現) 【行動観察 ワークシート】 10 作用と反作用 ・力はついになって働く ・一方が力を加えると相手同じ大きさの 力を返す関係がある。この作用と反作 用の関係を理解することができる。 (科学的な思考・表現) 【行動観察 ワークシート】
11 学習内容の復習・確認 ・学習内容を踏まえ理解することができ る。 ・問題演習 (科学的な思考・表現) 【ワークシート】 5.本時の指導 (1)本時の目標 ・記録タイマーを使って、速さの変化を正しく測定することができる。 (観察・実験の技能) ・記録テープを適切に処理することができる。 (観察・実験の技能) (2)展開 時配 学習内容と学習活動 指導・支援・評価○ 資料 1.前時の確認 ・斜面上の物体の運動の特徴 ・力と運動の変化に関係があること ・斜面上の物体の動きが、次第に を確認する。 速くなるのはなぜか。 2.本時の目標を確認する。 水平面上を動く物体は、どのような運動をするのだろうか 3.予想する。 遅くなる 変わらない 4.実験方法の確認 ・結果の処理のしやすい方法をしっ ・力学台車を押す強さ かり説明する。 ・記録テープの長さ ・実験時の危険や器具の破損に関係 ・安全確認について する項目については、しっかり説 ・受け止める人について 明する。 ・記録テープの処理の仕方と注意 ・班員全員で協力してできるよう考 事項について えさせる。 ・後片付けについて 5.実験 ・床を移動する物体の運動の様 子 ・安全に実験できているか、常に 記録タイマー を記録タイマーで記録す る。 確認する。 力学台車 ・片付けまでしてからデーター整理 記録テープ に入っているか確認する。 6.データー整理 ・紙テープを5打点おきに切る ・紙テープの処理の仕方に、誤りが 処理用紙 ・添付用紙に正しく貼る。 無いかどうか確認し、誤っている 生徒にはすぐ訂正させる。 ○データーの処理を正しく行うこと ができる。
(観点)〔方法〕 ・指示されたとおりに台紙に添付で きているか。 ・あまりデーターに狂いが見られる ものについては、やり直しを指示 する。 7.次時の予告 ・今日の結果は次の時間に考えるこ とを伝える。