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プロポリスの生産と利用状況 ―見学訪問記―  

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ミツパテ科学 (1994)15(2)

プ ロポ リスの生産 と

利用状況

一見学訪問記一

山本 倫大

1985年 の名古屋でのア ピモ ンディア国際養 蜂会議を契機 として紹介 されたプロポ リスは, この8年 た らずの問 に健康食品業界 のみな ら ず医療 ・製薬業界 も関心を示すような商品に成 長 した. プロポ リスを取 り扱 うようになって7 年,十分な資料や知識 もな くスター トしたが, プロポ リス特有の医療特性,薬物反応の知識や 医療機関の協力な しでは取 り扱 いが難 しい商品 であることがわか った. この問題を解決するた め,ここ5年間毎年プロポ リス先進研究国であ る,東欧,欧州諸EEl,原料供給地であるブラジ ル,販売マーケッ トとしての ドイツ,アメ リカ 等を訪れプロポ リス最前線情報の収集,研究や 蜂医療機関の訪問等を通 し商品の改善や医療上 の適正な対応に役立たせてきた. 昨年12月中旬か ら約- ケ月, ヨーロッノ,., 東欧, ブラジルを訪問 した.主な目的はア ピモ ンディア主催の ミツバチ医療セ ミナーでの講演 と,ルーマニアの ミツバチ医療セ ンター(Me d-icalCenterofApitheraphy)の実態視察 と,

ブラジルではプロポ リスの適正供給,品質の安 定化,高品質プロポ リス生産 と植物の調査及び 関連研究機関を訪問す ることである.紙面 の都 合で,主訪問地 ルーマニアとブラジルを中心 に 紹介をさせて頂 く. ア ピモンデ ィアを訪ねて アピモ ンディアの事務局 はローマにあるが, 情報収集 と印刷局を兼ね備えたア ピモ ンディア の心臓部がルーマニアの首都 ブカ レス トの郊外 にある。 ア ピモ ンデ ィアは57ヵ国 63メ ンバ ーか らな ってお り,情報交換 を介 し蜂友 の親 睦,養蜂知識や技術の向上,経済的地位の改善 を目的としている.そこには国際養蜂技術経済 大学,学術会議場,蜂産品研究開発部 (図 1), 養蜂博物館が併設 され,事実上の国際養蜂情報 セ ンターである. その中心行事がアピモ ンディ ア国際養蜂会議であり第 1回会議 は, 1897年 ベルギーのブル ッセルで開催 され1993年の北 京会議で33回になる. 1993年 12月 21日, アピモ ンディアに,坐 化 学 者 で あ りデ ィ レク ターで もあ る Mrs. Serbanを訪ねる.北京以来3ヵ月ぶ りの再会 である.打合せを した後,広い敷地 にアピモ ン ディアビルを中心に点在する大学,研究所,悼 物館,蜂産品工場,学術会議場等の施設を案内 して もらった.すべてが蜂 に関連 したデザイン になっている. 12月 22日, Mrs.Serbanの開会の挨拶の あと

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「現代医療 を超え る民間及 び伝統医療一 東洋医学的考察」 という題で,中国や日本での ミツバチ療法の顕著な治療効果が現代医学の中 で認めざるをえない段階であることを,基礎研 究や大学病院での臨床 データを提示 しなが ら説 明 した.特 に, 中国や日本では 2000年 にわた る東洋医学体系があり,治療法が針灸 ・湯液に よるものであり,蜂針やプロポ リスのような蜂 産品の効果 は, これに類似 してお り,東洋医学 的診断法や漢方方剤の併用でより高 い効果を期 待できる.私の目的は蜂産品,特にプロポ リス の東洋医学的治療への応用であること,一方蜂 針 については東洋医学の経絡治療の知識の有無 によって,大 きな治療差ができることなどを話 した.講演の後,質疑応答があり,慢性関節 リ 図 1 蜂の巣を摸 したアビモンディア蜂産品研究開発 部の建物

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ユ ウマ チ に対 す るプ ロポ リス及 び蜂 毒 の効 果 , 糖 尿 病 に関 して は, 東 京女 子 医大 白坂教 授 の重 症 糖 尿 病 の治 療 デ ー タ と数 多 くの治 癒 例 を紹 介 した. 又 がん の治 療 , ス トレス病 , 循 環 器 系疾 患 等 に も時 間 を割 いて説 明 した.

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時 間 が真 剣 そ の もの の討 論 会 で あ った. 長 い歴 史 を もつ民 間療 法 が現 代 医学 と共 存 し, そ の優 れ た側 面 を 実 際 の臨床 面 で活 用 して い る国 な らで はの謙 虚 さ と反 応 で あ り, 多 く教 わ る こ とが あ った. この間 の通 訳 は生 化 学 者 の Mrs.Mateescu (養 蜂 研 究 所 ) に お願 いで きた こ とを特 記 して 感 謝 した い. ルーマ二7の'蜂療法 12月 23日, ブか レス トの ミツバ チ医療 セ ン ター(MedicalCenterofApitherapy)を訪 問 表1 ミツバチ医療 セ ンターの ミツバチ医療薬 と適応症 適 応 症 蜂 医 療 薬 眼疾患 耳鼻咽喉障害 気管支肺炎 心臓病

Colmel・蜂蜜 El薬, Colgel・ロ-ヤルゼ リー目薬, Oftalmoset・プロポ リス目薬, Ophtalmic・プロポ リス軟膏

Proporinol・プロポ リス鼻炎液,Propoheliant・プロポ リス鼻点滴液,Propofaringit・ プロポ リス ・ローヤルゼ リー ・蜂蜜, Proposept・トローチ, Proposeptl・プ ロポ リ ススプ レー

Proposept,Proposeptl,Syrup.咳どめ,PropolisTincture・プロポ リス液 Lecipol-花粉 とレシチ ンの粉末 (糖尿病併発症),Polenolecitin・花粉,蜂蜜,レシチ

ンの頬粒,Pollen・花粉,PropolisTincture・プロポ リス液 (高血圧)

胃腸病 ・肝臓病 Gasutoropol・プロポ リス液 ・花粉 ・ミントオイル ・制酸剤 (潰疾), Honey with Propolis5% ・プロポ リス ・蜂蜜 (潰療),Laxmel・蜂蜜 と天然野菜汁 (消化機能 他),Pollen ingrains・花粉 (肝臓病),Pollenapin・蜂蜜,花粉, ローヤルゼ リー (肝細胞の再生),Apivitas,ApivitasForte--蜂蜜,花粉液他 Energln,Energin-L --蜂蜜,花粉,ローヤルゼ リーPropolisTincture- (慢性肝炎,初期の肝硬変,演 癌等)

泌尿器疾患 ・婦人病 Enoprop・プロポ リス液 ・野菜汁 ・木精 (泌尿器疾患,腎結石),Miropopol・花粉液 ・ プロポ リス液 ・ローヤルゼ リー座薬 (腺炎,潰癌,前立腺腫, カンジタ症,白皮症), MiproSepo・座薬 (痔),プロポ リス液,Propoder・軟膏,Calendoprop・腔挿入用

タブ レッ ト,プ ロポ リス他特殊成分 (粘膜上皮の殺菌,激傷,療痕治療)

小児疾患 賓血,虚弱体質,食欲不振,精神不安定等, Polurtin-蜂蜜 ・花粉 ・他錠 (貧血,無 気力),Polenapin・花粉 ・ローヤルゼ リー錠,Aplton・シロップ,ポー レン液 ・ビタ ミン頬,Melcaloin・ローヤルゼ リー ・蜂蜜 ・野菜 レシチン粉末 (知恵遅れの子供,精 神薄弱児),PropolisTincture・プロポ リス液,カルシウムと併用 して,(食欲,改善, 体重増加腸機能改善),Energin,Energin-2Pollen-糖衣錠

皮膚疾患 リウマチ症

性医学

神経内分泌系疾患 美容医学

火傷,療痕,皮膚灸 白癖症 PropolisSpray・スプレー,Propoderm ・軟膏,Pr o-poclav・軟膏 (角膜炎),Acneol-軟膏 (ニキ ビ)

蜂針療法や蜂毒 を軟膏 ・塗擦剤 と して用 い捧痛緩和, 不快感の軽減, 循環血行の促進 による治療 *物理療法,自然療法,イオ ン治療器,超音波治療器を併用 Apireven・

軟膏,塗擦剤

神経症, 性欲減退, 早漏,Apilarnil・糖衣錠および軟膏,Apilarnilprop・糖衣錠, Apilarnilpotent・糖衣錠,Apilarnilpotenty・糖衣錠,Apifitosex・Apiralnic+-ー

7+ '

蜂産品総合的応用

Apidermln-フェースクリーム Matca・フェースクリーム,Antirid・栄養 クリーム, Floramin・フェースクリーム,Floramin・洗顔 クリーム,Acneol・こキ ビ,Floral -F・フェースク リーム,Floral-M ・口臭消 し,Practic・ヘア リムーバー,Zefir・シャ

ンプー,Acantha・コスメテックガーメント,Apident-W ・歯 ミガキ,Gelflor・- ン ドク リーム,Denmapin・ヘアローション,Apigum ・チューインガム

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す る. この医療 セ ンターは

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70

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97

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年 迄

ピモ ンデ ィアの関連 機 関 で あ ったが,

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年 以 後 は 養 蜂 研 究 所

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に所属 して機能 してい る.養蜂研究所が蜂産品の薬理作用の科学的研 究 と医薬品化を し, この医療セ ンターがそれ ら を臨床に応用 している. ルーマニアではこれ ら の ミツパテ医療薬 は政府 の指定薬 とされてい る. ミツバチ医療 センターで臨床 に使われてい る蜂医療薬 と適応症を表1に揚げた. 患者 は1日に数百名を数える.この医療 セ ン ターの1階 にはこれ らの医薬品などを販売 し ている薬局があり

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500

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名の人が釆 局 しその半数以上が ミツバチ医薬品を求める. 養蜂研究所が薬品開発を し,医療セ ンターで 臨床に応用 し,その臨床結果が研究開発にフィ ー ドバ ックされる.一方,症状 に適応 した蜂医 薬品開発は,より高 い効果 を可能 に し,医薬品 としての信頼性を高めることになる. この医療 セ ンターが始動 して現在で 24年経 ち, 一貫 し てこの システムを維持 して きたことに大 きな意 義が認め られる.私たちは,東洋医学 という蜂 産品を最 も理解応用 しやす い武器 を もって い る. この背景を持 って このルーマニアのような 医薬-医療の形態が出来れば,今後の医療問題 に一石を投ずることになろう.いたず らに分析 的手法のみに偏 り,せいぜ い微生物実験 ぐらい でさわざ立て,一部の業者 の利用するところと なっている現在の日本のプロポ リス業界 に警告 を発 したい. 私 は日本にこのような蜂医療機関を持 ちたい と願 っている.東洋医学を学んでいるの もこの ためであ る. プ ロポ リスを扱 ってい るあ る人 が,東欧のプロポ リス研究 は日本に比べて レベ ルが低いと言 った事を思 い出す. とんで もない ことである. 日本のプロポ リスの研究 は途 につ いたばか りで, ほとんどの研究が ヨーロッパ, 東欧の研究をベースに行われている.世間をわ かせたがん細胞抑制作用などは既 に外国文献 に 書かれていることである. また経験療法的に書 かれた各種の本の治療 データなどは,医療デー タとして既に臨床で認め られている.私たちプ ロポ リスを扱 う者 は謙虚 に先駆諸国の現実に目 を開 き,学ばなければな らないのではなかろう か.そ してそれ こそ日本の正 しいプロポ リス, 蜂産品の発展 と再認 につながることになるだろ う. こんな考えを胸 に秘 め, この取材 に協力 し て くれた12名の医師, 美容学者, 研究所の生 化学者達にそれぞれ礼をのべ, ミツパテ医療セ ンター ・養蜂研究所を後 に した. ローザ ンヌ大会 での 日本語 通訳採 用 12月25日,スイス ・ジュネーブに発っ.目 的 は

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年度 ア ピモ ンデ ィア国際養蜂会議 (スイス ・ローザ ンヌ)での 日本語通訳採用提 案の件である.決定 はローザ ンヌ会議の事務総 長の

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の判断で下 されることになっ ているので,同氏をスイスの首都 ベル ンに訪ね る.彼 は法律家で,GATT,その他の多国間交 渉を手がけたベテランである.西 ヨーロッパ諸 国間の経済部門の局長を経て,現在 はコンサル タン トをやる傍 ら20歳代か ら趣味 とし続 けて きた養蜂をや っている.

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年の会議 はスイ ス養蜂連合 (メンバー23

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名)が主催 し,ロ ーザ ンヌの

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日間開催 される.この会議 は従来の ものよりも独 自性 を もたせ,あまりに 専門的にな らず実際の養蜂 の研究 ・発表 ・討論 や ビデオ,スライ ド,映画を取 り入れたものに したいという. 参加者 は

400

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人を期待 してお り,ア ピモ ンディア公用5ヵ国語にイタリア語 も加えて同時通訳 として採用する考えであると のことであった. 私 は33回中国大会 に日本か ら120名以上の 参加があったこと,ア ピセ ラピーに関 しては, 日本の蜂針研究会

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名),日本プロポ リス協 議会 (120名)の普及研究 は目覚 ま しく,世界 的 レベルに近づいており, 日本の参加が大会に 大 きな影響を与 えることなどを説明 した.そ し て 日本語の採用は日本の養蜂技術 ・研究や養蜂 家に貢献す るばか りでな く,東洋 と西洋をさら に接近 させ今後のア ピモ ンディアの発展にも寄 与す ることを強調 した.

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は日本の ことには全然関心を もってお らず, 日本の養蜂

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関連の資料 はほとんどなか ったが, ローマ事務 局 と検討 して

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月下旬 に返事 を くれ る約束を して くれた.帰途通過する冬のローザ ンヌは, 美 しい町であった.その後 の連絡 によれば,50 名以上の参加があれば同時通訳に日本語 も採用 す るとのことである. ブラジル,パラナ

州のプロポ リスの

現 状 と実態 調査 年 も改 まった 1月5日,州都 ク リチバか ら南 に80kmほどの町,キタンデニアの養蜂家,ベ ル ジェンスキー氏を訪れる.途中の地形 はなだ らかな丘陵が連なり,独特のパ ラナ松の群生林 が頻繁に目につ く. ブラジルの自動車道 は非常 によく整備 されてお り,高速道路 は3車線のと ころ も多 く, 田舎道 で も驚 くほど完備 してい る. 1時間半でキタンデニアに着 く.彼の家 は 河辺 りに建 っていて,景色の良 い静かな,実に のんびりした生活環境である.薬用植物 アレク リン系のプロポ リスとパ ラナ松林か らのものを 用意 して見せて くれる. 雑木系のア レクリンか らのプロポ リスは,ユ ーカ リ系のものよりも深 い緑色である.臭 いも 味 もユーカ リの ものよりは穏やかであり,従来 のプロポ リスのもつ特異の刺激臭や味を好 まな い人にも十分親 しめるものだ.検討価値が十分 にあ りそ うで, この地 での最高 の収穫 であ っ た.一方,パ ラナマツのものは,黒褐色の粘 り のあるプロポ リスで,抽出液は特徴のあるす る どい刺激臭 と味である.話 の合間に出されるブ ラジルコー ヒーは, どこで も実 に旨い.多分, 産地の ものを産地で味わっているか らだろう. 自然 はその土地,環境 に最 も適 した,バ ランス のとれた産物を創造 し生態系を維持 している. 翌6日, クリチバ市か ら約 100kmのカス ト ロ市に,養蜂家のラウロ某見子を訪問する.パ ラ ナマツの森の傍 らの養蜂場で,防蜂衣に着替え てプロポ リス採取にとりかかる (図 2).その様 子を ビデオやカメラで撮 るが,黒い塊の蜂群が 撮影機や防蜂 ネッ トに群が り,夏のブラジルの 猛暑の中,分厚 い防蜂衣の中はまるでサウナの ような状態 になる. ここのプロポ リスはユーカ 図2 プロポリスの採集 (ブラジル) リ系の ものより劣 るとされ る. ラウロ親子 は現 在までに随分 日本の業者 に出荷 しているのであ るが,品質の規準,外国での需要 について, 揺 とんど皆無 といっていい ぐらい知識がない. こ のことは,買い付 けを している人達が品質や種 頬に対 して無関心であることを物語 っている. こんなことではいいプロポ リスが供給 されるは ずがないと痛感す る. ラウロ親子 と共 にクリチバ市 に戻 り,パ ラナ 州養蜂組合を訪問する.白髪の老紳士である全 ブラジル養蜂連盟会長の Dr.Sommerほかの 出迎えをうけ, まず同氏か らブラジル全域の養 蜂 とパ ラナ州の養蜂事情の説明を受 けた.プロ ポ リスに関 してあまり関心を もっていず,現状 についてはほとんど情報がないとのことで, こ れにはこち らが驚いて しまった. 約1時間半程 にわた って世界のプ ロポ リス 事情,特 に医療,研究,流通,経済性 について 話を した.現在のブラジルでの流通が養蜂業界 の枠外の流通業者の手 によってなされており, 本来の養蜂業界への利益還元にはなっていない こと,そのため,品質,マーケ ット認識,流通, 品質管理,需給調整が不十分であり,現状が過 剰 に展開す ると, ブラジルのプ ロポ リス業界 は,過当競争 とマーケッ トの過熱化の為,壊滅 ′状況を もた らすであろうことを懸念 しているこ と,そのような状態 は

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「新 しい治療物質」とし て認め られつつあるブラジルのプロポ リスにと って,大 きな損失であることを リーダー達 は認 識するべ きであることを話 した. ブラジル ・プ ロポ リスの正 しい供給体制 と正常化の為,ぜひ 協力 してほ しいと要請す る.

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Comap社 とミナス州の大学訪問

1月 7 日, ミナ ス 州 ベ ロ リゾ ンデ市 に

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社が計画中の工場建設予定地 を見学す る.5000m2にプロポ リス及び蜂産品集荷場 と 抽出工場 を計画中であ り,世界へのプ ロポ リス 供給 セ ンターに したい と考 えて い る

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は養蜂家の共同連合体で,プ ロポ リス,花粉, 蜂毒を販売代行す る組織 である.現在参加 して い る メ ンバ ー は 約 120名. 社 長 が Mr.

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名の経営者か ら構成 され, 全員が専門知識を もつ大学出身の若手である. 行動力 と理想が高 く, ブラジル蜂産品の正常流 通 と養蜂家の組織化 と組合員への利益還元を目 標 と している. しか し彼 らの非常 な努力にかか わ らず具現 していないのが現状である. その大 きな原因の一つは広範期 に点在す る養蜂家の統 合の難 しさと蜂産品の地域差 によるバ ラツキや 品質 に対す る認識 の問題 である. しか し彼 らの理念 は非常 に純粋でありブラジ ル養蜂業界の発展 をめざ しているので,私 たち はここ数年 にわた って ビジネスを超 えて,個人 的 レベルで親密な付 き合 いを している.困 らせ られた こともあるが,楽 しく好感の もて る人物 群が

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社のメ ンバ ーである.今回の我 々 の訪問,視察計画 は全て

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社 とブラジル 東食有限会社が立案 し,実行 して くれた.

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を訪 ね る. 同大学 の ミツバ チ研 究所 の

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教授 が大学 の公報部 に案 内 して くれ る.

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農学部長 に紹介 され, ビデオで大 学の概要の説明を受 ける.

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は国立森林大 学 と して,1926年 に創設 され,民間企業,国家 事業 と提携 して実社会 に即応 した教育 を施 して いる. 研究対象別 に現在

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7の研究室 を持 ち, 内外 よりのスペ シャリス ト,学者や学生 を研究 に充てている. そこでの, ブラジルの経済樹木 ユーカ リの研究や大豆, トーモロコン,オ レン ジなどの研究 は国際 レベルであ り, ブラジル経 済 に大 きく貢献 している.

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学部長 は農業森林研究部門 を中心 に案内 して くれ,植物の生態系の研究,森林や 植物の病原菌の発見や ワクチ ンの開発,酵素の 研究, アルコールの醸造,遺伝子 の研究の実態 を紹介 して くれた. どの研究室 も広 く,明 るく 欧米 あるいは, 日本 などの実験器具で完備 され てお り,開発途上Egブラジルのイメー ジがわか ないほどである. 日頃馴染みのあるガスクロや

UV

測定器 などは,どの研究室 にも見 られ

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-3台装備 している研究室 もある. このよ うな研 究室でユーカ リとプロポ リスの研究を したい も のですね, と言 うと,学部長 はぜひや ってみた いので, テーマと現在 までの研究 データが欲 し いといわれた. 研究室の見学の後で,教授 は校内のはずれに ある ミツバチ研究所へ案内 して くれた.研究所 の裏 は養蜂場 になってお り,研究用の小型の巣 箱が約50箱点在 してお り ミツバチばか りでな く, これまで見た こともない- リナ シバチなど が飼育 されていた.その後, 白亜 の学長官邸 に

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学長 を表敬訪問す る. 学長室に隣接 す る会議室で

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社長 による私 たちの訪問 目的 と紹介の後, ブラジル 東食の高島氏の通訳 で, 日本のプロポ リス事情 を,特 に医療,流通,経済性 と将来 における展 望 を,無秩序 ・過熱気味のマーケ ッ トに警告を 含めて説明 した.学長か ら多 くの質問や意見が 述べ られ,大学でで きる可能 な協力をす るよう に教授達 に指示を していただいた.

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大 学訪問は私 たちのプロロ リスの研究及び開発 に 大 きな可能性 を与えて くれた.

ブラジルのユーカ リ資源 とプ ロポ リス

1月11日, サ ンパ ウロか ら北方250kmの 図

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プロポリスの選別作業

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サ ン パ ウ ロ 州 と ミ ナ ス 州 の 境 に あ る

Brasopolis在住の養蜂家 MarioRosa氏を訪 ね る. この地方 は良質 のユーカ リプロポ リスが 採取 され,私 たちのプロポ リス原料 もこの地方 の ものが多 い.純度 の高 い良質 のプロポ リスを 選ぶには,採取す る養蜂家 の良心 と薬用植物 に 対す る知識が大切である.同氏 は養蜂家のなか で もプ ロポ リスに関 して高度の知識 を もってい る一人で,安心 と信頼感がある. 工場 では集荷 されたばか りのユーカ リ系のプ ロポ リスとア レク リン (緑色雑木,薬用)系の プロポ リスの選別中である (図 3).採取 したば か りのプロポ リス,特 にユーカ リ系 は,その芳 香性の故 にそばにいるだけで も気持 ちが落 ち着 きス トレスが解消す る. この芳香性が薬効成分 の主要 な要素 を もつ.私たちの抽出の秘密 は薬 効性の高 いユーカ リ樹のプ ロポ リスを用い,薬 効成分の芳香性 をで きる限 り失わないように し てお り,抽出時の密閉性,温度,抽出期間が大 切である, ブラジルのユーカ リ樹木 は経済資源 と薬効の両面で鎮重 されて いる.民間企業 と国 や,大学 の研究室が一体 とな って品種改良や植 林 に従事 している. サ ンパ ウロ市 の西北約120 kmの Rio Claro市 に国立ユーカ リ博物館が ある, ブラジル東食の高島氏の運転す る車で, 1月12日,博物館を訪れ る.原生林 に近づ くに つれ,30mはあ るか と思 われ るユ ーカ リの樹 木 が大空 にそそ り立 って お り,実 に壮観 であ る. ユーカ リの森林 を切 り開いたよ うな,車道 を通 り,ユーカ リ自然公園の管理事務所 に着 い た.森林技師の Mrs.Ishikawaの案内で博物 館や,それをとり囲んでいるユーカ リ原生林 を 案内 して もらう. ユーカ リは建材,薪炭,パル プ,セル ローズ,電柱,鉄道の枕木,薬効植物 と して経済性の高 い樹木で,サ ンパ ウロ, ミナ ス州 を中心 として広 く植林 されている.種類 は 多 く,そのほとんどがオース トラ リアを原産地 と している. 1878年 に初 めてオース トラ リア か ら特を込 まれた時は,160種 はど移入 され栽 培 され たが現在残 って い る もの は

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種 で あ る.成長が早 く高木 となる特性が国営鉄道の枕 木や電柱 の用途 に適 し,急激 にブラジルに定着 していった. 研究の中心 になった人物が Mr. NavarroDeAndradeで国営鉄道のユーカ リ 研究所 がその まま国立 ユ ーカ リ博物館 とな っ た.ユーカ リに関す るあ らゆる情報が この博物 館で入手 出来 る.特 に私 たちの注意を引いたの はユーカ リの薬用抽出液である.ユーカ リには その種類 によ っては薬効の著 しく劣 るもの もあ り,医薬品 として用 い られ るユーカ リは,独特 の芳香があ り種類 も限定 されている.代表的な 薬用ユーカ リ樹種 は Eucalyptussaligina,E.

citriodwa,E.robusta,E camavovlensis等で ある. ユーカ リ系のプロポ リスもこれ らの芳香 性 を持っ ものが薬効の高 い品質の ものである. ユーカ リ系のプロポ リスであれば何で も同 じ薬 効を持っ とは限 らない. Mrs.Ishikawaの種類別の特性や用途 の説 明を受 けなが ら空 に吃立す るうっそうと繁 った ユーカ リ樹林の中を独特 の香 りとフイ トンチ ッ トの シャワーを欲 びての散策 は身体の芯 まで清 浄 される. いっまで も滞在 したい気持 ちに感 じ させ られなが らユーカ リ博物館 に戻 り, その後 で RioClaro 市の レス トランで皆で シュラス コ料理 を楽 しむ.素晴 らしい人達だ. そ して若 い. ブラジルはどこに行 って も若 さが溢れてい る. そ して陽気 だ.貧 しい国だけれ ど国民 は若 く明 るい.金の使 いみちがな くて,気苦労の結 果心 の病気 にな っている国 々の人 とは実 に対照 的だ. こんな人達の中に住 んだ ら神経症 など霧 散 して しまうのではないか と感 じる一 日であ っ た. 紙面 の都合で,肉を削 って骨だけのような, レポー トにな って しま った ことをお詫 び した い. またこの稿 をお借 りして,今回の研究視察 を企画 ・実行 して くれた東食本社 の島田部長, 平 田氏, ブラジル東食の西条社長,高島部長, Conap杜の Alexander社長 と多 くの協力者, 特 にア ピモ ンデ ィアのMr.SerbanとMrs.C. Mateescu に心か ら感謝の念 を送 りたい. また 私達の地味なプロポ リス活動 に関心を頂 き,発 表の機会を与 えて くださった玉川大学松香教授 に敬意 と感謝を表 したい. (〒164 中野区本町 4-22-14 株式会社 三和)

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