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リサイクル燃料ディーゼル機関の特性に関する研究

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Academic year: 2021

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1.は じ め に 動植物油脂はもともと生物由来のため生分解性が良 く,燃焼した場合に発生する CO2は光合成によって再び 植物に取り込まれることから排出量は実質上 0 であり, 更新可能なエネルギー源として注目を浴びている。また, 動植物油脂の発熱量は化石燃料の値にほぼ近く,高いエ ネルギーを有していることから化石代替燃料の可能性を 秘めている。このため,動植物油脂をベースとして製油 したディーゼル燃料であるバイオディーゼルについては, 約 30 年前より研究開発が進められており,数多くの研 究結果が報告されている。 湘南工科大学においては従来より植物性の液状廃食用 油をベースとするリサイクル燃料をディーゼル機関に使 用した場合の機関性能,環境特性についての研究を進め ている。ここでは,植物油にさらに動物油脂を加えた油 をベースとするリサイクル燃料,およびその水エマル ジョン化燃料をディーゼル機関に使用した場合の機関特 性や排ガスの環境特性を求めた。これより廃食用油のバ イオディーゼル燃料化が,廃食用油の適正な処理方法と なり得ることを考察した。 2.動植物油脂をベースとするリサイクル燃料 ディーゼル機関の性能と排ガスの 環境特性12),13),16) 2.1 まえがき これまでの研究においては,廃食用油をリサイクル燃 料として直接ディーゼル機関に使用する方法1)4),廃食 用油をメチルエステル化する方法3),5),6) ,軽油または灯油 と混合する方法7),8) を検討しているが,そのほとんどが 大豆油や菜種油などの液状の植物油であり,動物油脂を ディーゼル機関の燃料として使用した場合の報告例9),10) は少ない。動物油脂のなかでも牛脂は昨今の BSE 問題の ために食用としてはもちろんのこと,廃油石鹸や化粧品 原料としての再生利用も懸念されている。本章ではレス

リサイクル燃料ディーゼル機関の特性に関する研究

森 野 孝 之 * ・森 棟 隆 昭 **

Exhaust Emissions and Performance of Diesel Engine Operating

on Biomass-based Recycled Fuels

Takayuki MORINO* and Takaaki MORIMUNE**

We experimentally evaluate a performance and exhaust emissions of a four stroke direct injected diesel engine operat-ing on biomass-based recycled fuels such as used animal fat, used plant food oil and their emulsified fuels. Three types of water emulsified fuels of gas oil and biomass based fuels are produced after the suitable selection of emulsifier. The ratio of water to fuel oil was changed by volume from 0 to 20%. We use JIS #2 gas oil, gas oil containing 50% volume waste soybean oil (Blend 50), waste animal food fat blended waste polystyrene pyrolysis oil (Blend PS-M) and soybean oil methyl ester (VDF) as tested fuels. The combustion characteristics and exhaust emissions such as NOx, CO, THC, O2,

CO2and smoke degree are compared with the case of gas oil. We found that (1) the NOx, CO, THC emissions of animal fat

are lower than soybean oil, (2) the NOxemissions of waste polystyrene pyrolysis blended oil are higher than JIS #2 gas

oil, while the NOxemissions of animal fat are lower about 20% than plant oil and gas oil, (3) the NOxand smoke

emis-sions of water-emulsified fuels are reduced with increase of water addition rate, and (4) the CO emisemis-sions of water-emul-sified fuels significantly increased at low load conditions with increasing of water addition rate. Also discussed are the usability of the biomass based blended oil especially waste animal food oil as alternative fuel, as well as availability for a treatment process of the waste food-oil.

Vol. 39, No. 1, 2005

* 本学大学院博士後期課程

** 機械システム工学科 教授

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トランなどから排出される植物性で液状の天ぷら廃油や, 外食産業より排出される半固体状の動物性廃油脂を ディーゼル機関のリサイクル燃料としての使用の可能性 を検討した。 2.2 供試燃料の製油法とその性質 本実験で使用する天ぷら廃油は大学のレストランで数 回使用されたものである。主成分は大豆油であり,常温 では液状である。一方,動物性廃油脂は外食産業より排 出されたものであり,およそ牛脂 80% と菜種油 20% の 成分割合で常温ではゲル状,半固体状である。なおこの 廃油脂中には,厨房排水中の廃油いわゆるオイルボール も含まれている。各廃食用油は前処理として電気炉にて 105°C5°C で 1 時間加熱して水分を取り除き,その後, 液状油脂を定量ろ紙 5 種 A フィルタ (JIS P 3801) を通過 させ異物を除去した。動物廃油脂を機関に供給する場合 は,液化させる必要があるが,廃プラスチック熱分解油 (以下廃プラ油)を動物廃油脂の溶剤として用いて液化 する方法と,動物廃油脂のみをそのまま加熱する方法の 二通りを採用した。本研究では前者を廃プラ油混合燃 料,後者を廃食用油燃料と呼んでいる。 廃プラ油は,一般廃棄物として排出された発泡スチ ロール(ポリスチレン)を適度な大きさに粉砕した後, 電気炉にて 150°C で約 1 分間加熱による減溶化処理を施 した後熱分解油化装置に投入し,約 500°C で加熱蒸留, 冷却して液化したものである。一部の液化しないガスは 臭気除去のため,いったん軽油中をバブリングさせた後, 大気へと放出している。なお,廃プラ油の収率は約 80% であり,蒸留性状分析より 44% がガソリン・ナフサ分, 43%が軽油・灯油分,残りの 13% が重油・アスファル ト分であった。本実験で定義する廃プラ油混合燃料は動 物性廃油脂と廃プラ油を体積比 1 : 1 で混合した油 (Blend PS-M),天ぷら廃油と廃プラ油を体積比 1 : 1 で混合した 油 (Blend PS) の 2 種類である。なお,Blend PS-M は常温 混合では廃プラ油と動物油脂は分離し,完全には溶解で きなかったので,約 60°C で加熱混合した後に機関に供 給している。 一方,本研究で定義する廃食用油燃料は廃動物油脂を 60°Cで加熱液化した燃料(使用済み動物油脂),さらに 動物油脂と植物油の比較を目的として,未使用天ぷら廃 油(未使用大豆油),使用済み天ぷら廃油(使用済み大 豆油)の 3 種類で大豆油は常温液状のまま,機関へ供給 している。これらの燃料性状を Table 1 に示す。Table 1 より,廃食用油の動粘度は JIS 2 号軽油の約 927 倍であ り燃料の噴霧特性に影響を与えることが予測される。 なお,動物油脂は 30°C 付近が曇り点であるので,粘 度及び密度は 35°C のときの値である。廃食用油のセタ ン指数は試料密度が JIS の推奨範囲を大きく超えてし まったこと,使用済み動物油脂については蒸留途中で試 料が分解してしまったことから参考値ではあるが,植物 油よりも動物油脂のほうがセタン指数は高く着火性が良 好である。低発熱量は軽油に対し,廃食用油は 1315% 程度低い。廃食用油は軽油に対して炭素分が少なく,酸 素分,水分が多いためであると考えられる。また廃食用 油は 1012% の含酸素燃料であること,残留炭素分が多 Table 1. Fuel properties of biomass based fuels.

Fuels Reference fuel Blended fuels Waste food oil and fat

Properties Gas oil Blend PS Blend PS-M Soybean oil Used Sobean oil Beef Tallow

Flash point °C 65 41 — — 313 268 Density (kg/m3) (30°C) 832 912 908 (35°C) 906 927 902 (35°C) Viscosity (mm2/s) (35°C) 3.35 6.76 29.8 41.9 88.7 Centane index 54.6 — — — 28.8 38.3 Higher C.V. (MJ/kg) 45.6 40.4 40.3 39.7 39.7 39 Lower C.V. (MJ/kg) 42.7 38.3 37.1 37.1 36.3 Carbon residue (wt%) 0.01 0.31 — — 0.54 0.36 Water w (wtppm) 100 200 670 230 390 1300 Carbon c (wt%) 86.0 84.1 82.6 77.5 77.4 76 Hydrogen h (wt%) 13.8 9.7 10.3 11.6 11.6 12.3 Nitrogen n (wt%) 0.1 0.3 0.3 0.1 0.1 0.01 Oxygen o (wt%) 0.1 5.9 6.4 10.4 10.7 11.6

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いことが大きな特徴である。 2.3 ディーゼル機関性能実験装置および測定系 Figure 1にディーゼル機関(行程容積 411 cc, 直接噴射 式,定格出力 5.1 kW/2400 rpm)の性能実験装置および排 ガス測定系の概略を示す。電気動力計により,機関負荷 を 30100% と変えて実験を行った。機関の回転速度は 22002600 rpm とし,供試機関のシリンダヘッドにはひ ずみゲージ式圧力変換器(容量 9.8 MPa,固有振動数 37 kHz),吸気管入口に層流型流量計を装着した以外は, 標準仕様から変更していない。燃料には上述の軽油,廃 プラ油混合燃料である Blend PS および Blend PS-M,廃食 用油燃料である未使用大豆油,使用済み大豆油及び使用 済み動物油脂の 6 種類を用い,各燃料における機関性能 や排ガス特性を求めた。燃料は閉塞の可能性がある燃料 フィルタを通さずに噴射ポンプ入口に直接供給した。供 試機関の排気管出口における排気ガス中の各成分の体積 濃度については,窒素酸化物 NOxを化学発光法,一酸化 炭素 CO を低電位電解法, 全炭化水素 THC を FID 法 (基準ガス: C3H8),スモーク濃度を光透過率法で測定し た。吸入空気量は吸気管路に層流型流量計を取り付け, 流量計前後の圧力差から吸入空気量を計算している。排 気微粒子 PM はロープレッシャーインパクタに排ガスを 吸引し,フィルタに付着させるフィルタ重量法で PM 粒 径分布の測定を行った。燃料消費率は運転時の燃料消費 質量より求めている。この他に,噴霧の可視化を行い燃 料噴霧特性を定性的に観察した。Figure 2 に噴霧の可視 化に使用した実験装置の概略図を示す。ディーゼル機関 のシリンダヘッドから噴射ノズルを取り外し,機関を手 動でクランキングさせて燃料を大気中へ噴射している。 噴射ノズルの反対側からキセノンまたはレーザ光源を用 いてスリット光線を照射し,高速度カメラ(分解能 200 Flame/s)にて上方から噴霧の状態を撮影した。燃料噴射 は手動のため噴霧の状態にバラツキを生じることより, 噴霧の全体的傾向を考察した。なお,可視化に使用した ディーゼル機関は副室式燃焼方式であり,排ガス測定用 のディーゼル機関とは噴霧ノズルが異なるが,定性的観 察には問題がないと考えている。 2.4 燃料噴霧の実験結果および考察 Figure 3に軽油,廃プラ油混合燃料 Blend PS および廃 食用油燃料である使用済み大豆油の燃料噴霧にキセノン 光を照射し,高速度カメラにて 200 コマ/秒で撮影した 噴霧状態の写真を示す。Blend PS は軽油の 2 倍の粘性を 有しているが,噴霧形状の違いはあまり認められなかっ た。Blend PS は揮発油成分を含んでいるので噴霧後期の 広がりは揮発油成分の蒸発の可能性が高い。使用済み大 豆油の噴霧形状は軽油や Blend PS と違い,明らかに噴霧 の広がり角が狭い。これは,使用済み大豆油の粘性が軽

Fig. 1. Experimental apparatus of diesel engine.

Fig. 2. Experimental apparatus of visualization of fuel spray.

Fig. 3. Visualization of fuel spray (Gas oil and soy-bean oil).

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油の 10 倍であることと対応していると考えられる。写 真では確認できないが,噴霧の到達距離は植物油のほう が軽油よりも長く画面外の光源にまで到達していた。廃 食用油は密度が大きく,粘性が高いことから噴霧の微粒 化が阻害され,貫徹力が増し,到達距離が長くなったと 考えられる。なお,植物油の噴霧が全体的に見えにくい のは油微粒子の光反射の度合いによるが,噴霧粒子が大 きく重いため,噴霧が重力により下方へ移動し,光源の 照射範囲を外れたとも考えられる。これらの結果から廃 食用油燃料は高い粘性のために噴霧の微粒化が妨げら れ,燃焼状態が悪化することも予測される。大豆油より も粘性の高い動物油脂についても同様のことがいえる。 噴霧状態を改善する手段の一つとして粘性を下げる方法 がある。そこで,Fig. 4 には使用済み動物油脂の温度を 40°Cと 80°C に加熱した場合の噴霧状態の写真を示す。 40°Cに対して 80°C の場合は噴霧が後方で広がっている ことより,燃料の加熱によって噴霧特性が改善されるこ とがわかった。これより燃料を加熱することによる燃焼 状態の改善が期待できそうである。

Figure 5に廃プラ油混合燃料,Blend PS および Blend PS-M の NOx, CO,スモークの排出濃度を示す。廃プラ油 混合燃料の NOx排出濃度は軽油に対して全体的に高い。 とくに高負荷域での増大が顕著である。動物油脂を 50% 含んでいる Blend PS-M の NOx濃度は中負荷以降では Blend PSよりも確実に低くなり,負荷 100% 付近では最 大約 12% 程度低くなっている。廃プラ油混合燃料の CO 濃度は低負荷では,軽油に対して約 23 倍であるが, Blend PS-Mは Blend PS に対してつねに 20% 以上は抑え られていることがわかる。これより,廃プラ油混合燃料 は NOx濃度が軽油に比べ全体的に高く,低負荷で CO 濃 度が高いことがわかる。廃プラ油混合燃料の NOxが高い 理由は,廃プラ油中に重油分が含まれるために着火遅れ が大きく,シリンダ内最高圧力が高くなるためであると 考えられる。また,Blend PS-M が Blend PS よりも NOx 度が低いのは動物油脂中の飽和脂肪酸がセタン価を高 め,NOxを下げる働き 11) をしたと思われる。なお,廃プ ラ油混合燃料は揮発油成分を含んでいることからセタン 指数は軽油よりも低くなるものと考えられる。したがっ て,燃焼室温度の低い低負荷では燃料が十分に燃焼でき ずに CO 濃度が増大すると予想される。Blend PS-M の CO 濃度が Blend PS よりも低いのは,動植物油脂の脂肪酸成 分の違いに起因し,動物油脂のセタン指数が植物油より 大きいためと考えられるが詳細は不明である。 廃プラ油混合燃料のスモーク濃度は軽油に比べてつね に低く,Blend PS-M, Blend PS の値はほぼ同レベルである ことがわかる。これは廃プラ油混合燃料が約 6% の酸素 分を含んでいるため,スモークの再燃焼が起きたためと 考えられる。 以上のことから,廃プラ油混合燃料は植物油よりも動 物油脂を使用した場合のほうが環境特性は良いが,軽油 に比べるとスモーク濃度の低減を除いて環境特性は良く ない。また廃プラ油は揮発油分や重質分を多く含んでい ることからディーゼル機関の燃料としては適さないこと も考えられるので熱分解油の混合割合を減らすなどの対 策が必要である。 Figure 6に各廃プラ油混合燃料の機関負荷に対する燃 Fig. 4. Visualization of fuel spray (Used animal fat).

Fig. 5. Exhaust gas concentrations (NOx, CO and

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料消費率,熱効率を示す。燃料消費率は軽油が最も低い が,これは軽油の発熱量が Blend PS その他の燃料より 12%程度高いためである。熱効率は軽油に対して廃プラ 油混合燃料は低負荷で低いが中高負荷域ではほぼ同等 か若干高くなることがわかる。この結果は CO 濃度の傾 向と良く一致する。 Figure 7に機関負荷 28% と 98% の場合のシリンダ内 圧を示す。低負荷では廃プラ混合燃料の着火遅れは大き く,シリンダ内圧は低く燃焼状態が悪い。廃プラ油混合 燃料は燃料中の揮発成分のためにセタン価が低くなり, 着火後れが増大したと考えられる。一方,高負荷でも着 火遅れは軽油よりやや大きく,シリンダ内最高圧力は上 昇している。廃プラ油混合燃料が特に高負荷で NOx濃度 が高いのは,最高圧力の上昇によるものと考えられる。 また,Blend PS よりも Blend PS-M の着火後れがつねに大 幅に短くなっていることから,動物油脂は植物油よりも セタン価改善効果のあることが確認できた。 Figure 8に未使用大豆油,使用済み大豆油および動物 油脂を燃料とした場合の各機関負荷に対する排ガス環境 特性 NOx, CO, THC, スモーク濃度,吸入空気量を示す。 NOx濃度は軽油および未使用,使用済み大豆油でほぼ同 レベルであるが,使用済み動物油脂の値が軽油をはじめ とする他の燃料に対して全体的に約 20% 低い。これは 使用済み動物油脂の含有脂肪酸は主に炭素数の少ない飽 和脂肪酸と一価の不飽和脂肪酸がセタン価を高める働き をしたと考えられる。廃食用油燃料の CO 濃度は低負荷 では軽油の 1.6~2.2 倍と高い。廃食用油燃料の動粘度は 軽油に比べ,約 1024 倍(35°C)程度高いため,特に燃 焼室温度の低い低負荷では噴霧の微粒化が阻害され,燃 焼状態が悪化したと考えられる。また,動物油脂の CO 濃度が大豆油よりも低いのは動物油脂の酸素含量が大豆 油よりも多いことが考えられ,未使用と使用済み大豆油 の CO 濃度の違いについても同様の考察ができる。排気 管入口温度は各燃料とも大差がなかった。CO 濃度の結 果と同様に THC 濃度についても低負荷では廃食用油燃 料の排出濃度が高く,高負荷では軽油と大差のないこと がわかり,廃食用油燃料は燃焼温度の低い低負荷運転で は,高い粘性のために正常な燃料噴射を行なうことがで きず,燃焼状態が悪化したと思われる。廃食用油燃料の スモーク濃度は全負荷域で軽油より若干低い値を示す。 このことは廃食用油燃料が約 1012% の含酸素燃料であ り,燃料噴霧の悪化と相殺したためと考えられる。吸入 空気量はどの燃料も大差はなかった。 Figure 9に各廃食用油燃料の機関負荷に対する燃料消 費率,正味熱消費率,熱効率を示す。軽油の燃料消費率 が最も低いのは軽油の発熱量が最も高いためである。正 味熱消費率並びに熱効率は動物油脂が軽油,大豆油より Fig. 6. Fuel consumption and thermal efficiency for

recycled fuels.

Fig. 7. Cylinder pressure against crank angle degree for recycled fuels (Engine load 28% and 98%).

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も僅かに向上している。この結果については動物油脂中 の高い酸素含有量に起因することの他に,飽和度の高い 脂肪酸を多く含んでいることが影響していると考えられ る。 Figure 10に各廃食用油燃料の機関負荷 76% の場合の シリンダ内圧を示す。動物油脂は着火遅れが少ない分, シリンダ内最高到達圧力が低くなっている。これは動物 油脂が飽和脂肪酸を多く含むことにより,セタン価が植 物油脂よりも向上して着火遅れが少なくなったためと考 えられる。飽和,不飽和脂肪酸のセタン価に及ぼす影響 については今後の課題である。また,着火遅れの短縮に より,シリンダ内圧が全体的に低いので,排ガスが高温 状態に置かれる時間が短くなり,NOxが生成しなかった と推測される。使用済み大豆油は未使用大豆油よりも粘 性が高いにもかかわらず着火遅れはかなり短くなり,シ リンダ内最高圧力は上昇している。これは油の使用過程 で混合した微量分子がセタン価向上剤の役割を果たした と推測され,油の使用履歴によって燃焼特性が微妙に変 化することを示しているが,排ガス特性には大きな違い が見られないことから,未使用油でなくても燃料として 使用可能であると考えられる。 以上のことから,動物油脂はほぼ全負荷域において軽 Fig. 8. Exhaust gas concentrations and intake air

flow rate for recycled fuels.

Fig. 9. Fuel consumption, BSFC and thermal effi-ciency for recycled fuels.

Fig. 10. Cylinder pressure against crank angle degree for recycled fuels (Engine load 76%).

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油よりも NOx濃度は低いことがわかった。廃食用油燃料 全体では,低負荷では軽油に比べ CO, THC 濃度が高い が,燃料の加熱により,抑制が可能であると思われる。 高負荷運転時には軽油と同等,若しくは軽油よりクリー ンな排ガス特性が得られることがわかった。 2.5 リサイクル燃料特性のまとめ 廃プラ油混合燃料,廃食用油燃料などリサイクル燃料 をディーゼル機関の燃料とした場合,廃プラ油混合燃料 のスモーク濃度は軽油よりも低いが NOx, CO濃度は軽油 よりも全般的に高く,ディーゼル機関の燃料としては考 慮の余地がある。廃食用油燃料は,CO, THC が低負荷で 高めであったが,燃料加熱の方法により,改善の可能性 が十分あることがわかった。また,高負荷では軽油と同 等かそれ以下であり,クリーンな排ガス特性を得ること ができた。とくに,動物油脂をディーゼル機関の燃料と することは機関性能,環境特性ともに良好であり,廃油 脂の適正な処理方法になり得るものと考えられる。 3.リサイクル燃料の水エマルジョン化 特性14),15),1720) 3.1 まえがき 植物油やそのメチルエステル化燃料,植物油と軽油を 混合した燃料については,数多くの研究が報告されてお り,多くは NOxが増大する結果を報告 10)している。本研 究でもこれまでにリサイクル燃料として,軽油と天ぷら 廃油を混合した燃料や,天ぷら廃油のメチルエステル, 廃プラ油と天ぷら廃油の混合燃料を提案7) してきたが, やはり NOx濃度の増加する結果を得ている。そこで,本 実験では天ぷら廃油ベース燃料のさらなる環境特性改善, NOx, PM排出量の低減を目的として,これらを水エマル ジョン化した場合の特性についての検討を行う。 3.2 水エマルジョン燃料の製油法とその性質 本実験で定義する水エマルジョンのベース燃料として, JIS2号軽油,この軽油と廃食用油の天ぷら廃油を体積比 1 : 1の割合で混合した油 (Blend 50), 天ぷら廃油と廃プラ 油を混合した油 (Blend PS), 大豆油をメチルエステル交換 した油 (VDF) を定義した。これらベース燃料の性状を Table 2に示す。Blend 50, Blend PS は約 6% の含酸素燃料

であり,発熱量は 512% 程度低いことが特徴である。 水エマルジョン燃料の製油はベース燃料と水添加率を設 定した後,乳化剤,混合順,攪拌機械・時間・回転数な どの条件を決める必要がある。本研究ではこれらのパラ メータを変えた予備実験の結果より,水エマルジョン燃 料の分離率の低い条件を設定した。Figure 11 にエマル ジョン燃料の製油方法を示すが,軽油・Blend 50・VDF, さらに Blend PS のベース燃料に乳化剤を 1 wt% 添加し, ラモンドスターラを 2300 rpm で回転・攪拌しているとこ ろに添加率分の水を徐々に混合させ 30 分間攪拌を行っ た。使用した乳化剤はいずれもポリグリセリン脂肪酸エ ステルの一種であり,数多くの試行により軽油には S -フ ェ イ ス (H.L.B.5.5), VDF に は SY- グ リ ス タ (H.L.B.1)8),

Blend 50 及び Blend PS には S -フェイスSY-グリスタを用 いた。ベース燃料に加える水の量として水添加率 b% を 以下のように定義した。

Table 2. Fuel properties of emulsified-based fuels and used soybean oil.

Fuels

Gas oil Blend 50 Blend PS VDF Used Soybean oil Properties Flash point °C 65 80 41 80 313 Density (kg/m3) (30°C) 832 883 912 885 927 Viscosity (mm2/s) (35°C) 3.35 11.49 6.76 4.59 41.9 Centane index 54.6 48.0 — 53.7 28.8 Higher C.V. (MJ/kg) 45.6 42.2 40.4 — 39.7 Lower C.V. (MJ/kg) 42.7 39.5 38.3 37.2 37.1 Carbon residue (wt%) 0.01 0.19 0.31 0.08 0.54 Water w (wtppm) 100 200 200 600 390 Carbon c (wt%) 86.0 81.3 84.1 77.0 77.4 Hydrogen h (wt%) 13.8 12.5 9.7 12.2 11.6 Nitrogen n (wt%) 0.1 0.1 0.3 0.01 0.1 Oxygen o (wt%) 0.1 6.1 5.9 12.0 10.7

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Figure 12に水エマルジョン燃料の水添加率に対する粘 性係数を,Fig. 13 に水添加率 30% 時の水エマルジョン 燃料の製油後の時間に対するベース燃料と水の分離率を 示す。粘性は水添加率の増加に従って指数関数的に増加 していることがわかる。水エマルジョン燃料の分離率は 試験管中の燃料全体の高さに対するベース燃料における 分離層の長さの割合で定義した。各水エマルジョン燃料 とも 150 時間経過後の分離率は 10% 以下と比較的安定 した水エマルジョン燃料を製油することができた。 3.2 水エマルジョン燃料特性実験装置と方法 排ガス測定および機関性能実験装置,噴霧の可視化に は Figs. 1, 2 に示す廃プラ油混合燃料や廃食用油燃料と同 一のものを使用した。 3.3 水エマルジョン燃料の実験結果および考察

Figure 14に Blend 50 と水添加率 b20% の Blend 50 水 エマルジョンの燃料噴霧の比較を示す。Blend 50 の動粘 度は軽油の 3.4 倍であることから,燃料の微粒化が阻害 され,植物油の噴霧の広がりは軽油のそれよりも狭く なったと思われる。しかし,Blend 50 水エマルジョンは Blend 50よりも 1.6 倍程,軽油の 5.4 倍の高い粘性を有し ているにも関わらず噴霧状態は予想に反して噴霧後期で Blend 50よりも若干拡散しているように見える。これは Blend 50を水エマルジョン化した際,燃料が乳白色とな るため,光源に対する光の反射率が違ってしまったため であると考えられる。目視では水エマルジョン燃料のほ うが噴霧角は細く,噴霧到達距離も長かった。この現象 は,他の水エマルジョン燃料でも観測された。これより, 燃料を水エマルジョン化すると粘性が増し,噴霧状態は 悪くなり燃焼状態に影響することが予測される。 Figure 15に水添加率を 520% まで変化させた場合の Blend 50水エマルジョンの NOx, CO, スモークの排出濃度 を示す。NOxの排出濃度は水添加率の増加に伴い,減少 する傾向にあるが,b5% ではベース燃料に対してほと んど変化は見られない。b10% では約 2030%, b20% では NOxは約 4060% の低減効果が全負荷域で見られる ことがわかる。これは水の気化潜熱による燃焼温度低下 の効果であると思われる。CO の排出濃度は,水添加率 b の増加に伴い,特に低負荷域での増大が激しい。これ β(%) Mass of Water  (%)

Mass of original fuels 100

Fig. 11. Manufacture of water emulsified fuel.

Fig. 12. Viscosity of water-fuel emulsions.

Fig. 13. Stability of water-fuel emulsions.

Fig. 14. Visualization of fuel spray (Gas oil, Blend 50 and Blend 50 water emulsion).

(9)

は低負荷で水の気化潜熱によって燃焼室温度が低いこと や,Fig. 14 からもわかるように噴霧状態が悪いことから 燃焼状態が悪化したためであると考えられる。3/4 負荷 以降では,水エマルジョン燃料の CO 排出濃度はベース 燃料と同等かそれ以下の値を示しており,b10, 20% の NOxは高負荷域で CO の増加なしにそれぞれ約 25%, 40% 低減できることがわかる。スモーク濃度はこの範囲では 水添加率 b の増加に伴って低減され,b10, 20% のとき はほとんど検出されず,この理由は不明だが水エマル ジョン化による低減効果が大きいことがわかる。なお, Blend PS, VDFエマルジョンも同様の傾向を示した。 Figure 16に 3/4 負荷運転時の排ガス中の微粒子 PM の 質量流量を示す。水添加率はそれぞれ b20% である。 各燃料とも水エマルジョン化することによって PM 質量 流量は軽油よりも 1/3 以上低い結果となった。3 種類の 水エマルジョンでは Blend 50 の PM が最も高い。Blend 50 は水エマルジョン化することによって軽油の 5.4 倍の粘 性を持つことから噴霧状態が悪くなり,局所的に著しく 燃焼状態が悪化すると考えられるが,PM の減少する理 由は不明である。スモーク濃度が低いのは,燃焼温度の 低下により,炭素分 (dry soot) の成分よりも未燃 HC など の黒くない微粒子の排出量がかなり多いことも考えられ る。VDF 水エマルジョンの PM が最も低いが,VDF は水 エマルジョン化しても軽油の場合ほど粘性は高くならな い上に,燃料中に約 10% の酸素を含むことから粘性に よる燃焼状態の悪化は相殺され,含酸素燃料の効果が上 まわっためであると考えられる。なお,燃料の消費率か ら熱効率を求めたが,水添加率の増大に伴って,燃料製 油中に空気を巻き込んでしまい,機関を運転している際, 燃料から気泡が発生して燃料噴射ポンプ入口で燃料が留 まってしまった。このために高負荷では機関に燃料が十 分供給されずに運転状態は不安定になり,100% 負荷を 掛けられなかった。また,燃料消費量も燃料中の気泡が 抜けずに液面レベルが下がって行かないため,燃費,熱 効率は見かけの値となってしまった。これより,水エマ ルジョン化する際には空気を巻き込ませない工夫が必要 である。以上の結果から,水エマルジョンの水添加率は, 高々 510% 程度が限界であると考えられる。 Figure 17に Blend 50 水エマルジョンの機関負荷 1/4 と 3/4運転時に対するシリンダ内圧を示す。1/4 負荷では軽 油の着火遅れが最も短くシリンダ内圧も高い。続いて Blend 50, b10%, b20% の順になっていることから,低 負荷では水添加によって燃焼温度が低下し,NOxは減少 し CO は増大したと考えられる。3/4 負荷では Blend 50 の 着火遅れが最も短く,次いで b20% の着火遅れが短い。 シリンダ内圧は b20% が最も上昇していることがわか る。シリンダ内圧が最も高いにもかかわらず b20% の NOxが最も低い理由は水の気化潜熱による効果であると 考えられる。ここで着火遅れが Blend 50 よりも長く,シ リンダ内圧が高いことは予混合燃焼状態に近いことが考 えられる。これについては,二つの理由が考えられる。 一つは燃料の水添加率が増加することによって,燃焼室 の温度が低下し,着火遅れが増加する間に噴射された水 エマルジョン燃料はベース燃料より密度が大きいことか らより多くの空気を巻き込んで均一な混合気を形成し, Fig. 15. Exhaust gas concentrations (NOx, CO and

smoke opacity for water emulsified fuels).

Fig. 16. Comparison of PM mass flow rate for emul-sified fuels.

(10)

予混合に近い状態で燃焼すると考えられる。もう一つは 水のミクロ爆発の可能性であるが,高々,隙間容積が 24 cc程度の小さな空間で本当に起きているのかは疑問で ある。もし,予混合燃焼が起きていると仮定すればス モーク濃度の低減から見ても説明がつく。b10% が b20% より着火遅れが長い上にシリンダ内圧が低いの は,b20% よりも噴霧の運動量が小さいことから激し い予混合燃焼が得られなくなったと考えられる。 3.4 水エマルジョン燃料のまとめ 軽油,Blend 50, VDF, Blend PS を水エマルジョン化した 場合,NOx,スモーク濃度は水添加率の増加にしたがっ て減少し,CO 濃度は水添加率の増加に伴い,低負荷で は増大することがわかった。PM の質量流量も軽油より も低くなる。ただし,粘性の高い燃料は噴霧状態の悪化 のために燃焼は阻害され,大きな低減効果は期待できな い。機関特性の良好な水エマルジョン燃料の水添加率 は,排ガスや機関性能から考えると高々 510% 程度で あると考えられる。 4.あ と が き 本研究では,動植物性の廃食用油をベースとしたリサ イクル燃料や,これらの水エマルジョン化燃料がディー ゼル機関の燃料として有効であるかを検討した。これよ り廃食用油はディーゼル機関性能等に問題なく燃料とし て利用できること,とくに動物油脂を用いると排ガスの NOx濃度レベルが全般的に低いこと,CO, THC 濃度も植 物油脂の場合より低いことなど,排ガスの環境特性のよ いことを考察した。水エマルジョン燃料では高負荷で排 ガス特性が改善されるが,燃料の空気の巻き込みによっ て機関の運転が不安定となる結果を得た。今後は本研究 で提案した燃料の更なる環境特性の改善を目指して,動 物油脂燃料のメチルエステル化や水エマルジョン燃料の 空気を巻き込まない製油方法の模索を行うこととしてい る。 なお,本研究の動物油脂燃料についての成果をベース として,半固体状動植物油脂を燃料とするディーゼル発 電機を開発し,現在特許出願中(特願 2004-268176)で ある。 終わりに,本研究に使用した廃食用油を提供していた だいた大学レストラン,関連製油メーカほか関連会社お よび実験を手伝った当研究室の卒業研究生に厚くお礼申 し上げます。 参 考 文 献

1) M. Ziejewski and H. J. Goettler, SAE Paper No. 921630 (1992).

2) M. Ziejewski and H. J. Goettler, SAE Paper No. 920915 (1992).

3) C. L. Peterson and D. L. Auld, ASME FACT No. 45–54 (1991).

4) N. Hemmerlein, V. Korte and H. Richter, SAE Paper No. 910848 (1991).

5) A. Jankowski, J. Seczyk, M. Reksa and L. Sitnik, ASME (1994) . 6) 浜崎和則,木下,松尾,JAZAR,日本機械学会論 文集(B 編),68, 667,(2002.3), pp. 958–963. 7) 森棟隆昭,山口,小西,日本機械学会論文集(B 編),66, 641,(2000.1), pp. 294–299. 8) 吉本康文,玉木,日本機械学会論文集(B 編),68, 675,(2002.12), pp. 3191–3198.

9) Mustafa Canakci and J. H. Van Gerpen, ASME Paper No. 016050, (2001), pp. 1–11.

10) EPA A Comprehensive Analysis of Biodiesel Impacts on Exhaust Emissions, EPA420-P2-001 October 2002. 11) S. Tyson, Biodiesel Handling and Use Guidelines, NREL,

TP-580-30004, 2001. 12) 森野,中田,森棟,日本機械学会関東支部第 9 期 総会講演会講演論文集,No. 030-1, pp. 155–156, 2003. 13) 森野,森棟,日本機械学会関東支部第 10 期総会講 演会講演論文集,No. 040-1, pp. 153–154, 2004. 14) 森野,森棟,日本機械学会関東支部第 10 期総会講 演会講演論文集,No. 040-1, pp. 161–162, 2004. 15) 森野,中田,森棟,2003 第 13 回環境工学総合シン ポジウム講演論文集,No. 03-10, pp. 254, 2003. Fig. 17. Cylinder pressure against crank angle degree

for water emulsified fuels (Engine load 28% and 76%).

(11)

16) 森野,森棟,第 14 回環境工学総合シンポジウム講 演論文集,No. 04-10, pp. 296–299, 2004. 17) 森野,森棟,第 14 回環境工学総合シンポジウム講 演論文集,No. 04-10, pp. 292–295, 2004. 18) 森野,森棟,平成 15 年度 神奈川県産学公交流研 究発表会資料,P91

19) T. Morino, T. Morimune, T. Nakata, 8th JAPAN Interna-tional SAMPE Symposium, pp. 443–446, 2003.

20) T. Morino, T. Morimune, Abstracts book of 30th Interna-tional Symposium on Combustion, The Combustion In-stitute, 2004.

Fig. 1. Experimental apparatus of diesel engine.
Figure 5 に廃プラ油混合燃料,Blend PS および Blend
Fig. 7. Cylinder pressure against crank angle degree for recycled fuels (Engine load 28% and 98%).
Fig. 10. Cylinder pressure against crank angle degree for recycled fuels (Engine load 76%).
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参照

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